本発明は上記事情に鑑み、パッケージの小型化および信頼性の確保を図ることが可能なLEDパッケージおよびその製造方法を提供することをその課題とする。
本発明の第1の側面によって提供されるLEDパッケージは、厚さ方向において互いに反対側を向く主面および実装面を有し、かつ前記主面から窪む凹部が形成された単結晶の真性半導体材料を主成分とする基板と、前記凹部に配置された内部端子と、前記基板の前記実装面に配置された外部端子と、前記凹部に収容され、かつ前記内部端子に導通するLEDチップと、を備えるLEDパッケージであって、前記基板は、前記主面と前記実装面との間に形成され、かつ前記内部端子および前記外部端子を相互に導通させるドーピング層を有することを特徴としている。
本発明の実施において好ましくは、前記ドーピング層は、イオン化されたV族元素を含有する。
本発明の実施において好ましくは、前記V族元素は、Pである。
本発明の実施において好ましくは、前記基板には、前記基板の厚さ方向に前記ドーピング層を分断し、かつ電気絶縁体である絶縁壁が形成され、前記ドーピング層は、前記絶縁壁によって互いに電気絶縁された陽極である第1ドーピング部と、陰極である第2ドーピング部と、を有する。
本発明の実施において好ましくは、平面視において、前記絶縁壁は、前記第1ドーピング部および前記第2ドーピング部のそれぞれの周囲を取り囲んでいる。
本発明の実施において好ましくは、前記凹部は、前記内部端子が配置された底面と、前記底面と前記基板の前記主面とをつなぐ連絡面と、を有し、前記底面は、前記基板の厚さ方向に対して直交し、前記連絡面は、前記底面に対して傾斜している。
本発明の実施において好ましくは、前記底面の平面視の形状は、矩形状であり、複数の前記連絡面が前記底面の四辺に沿って形成されている。
本発明の実施において好ましくは、前記底面に対する複数の前記連絡面の傾斜角は、いずれも同一である。
本発明の実施において好ましくは、前記真性半導体材料は、Siである。
本発明の実施において好ましくは、前記基板の前記主面は、(100)面である。
本発明の実施において好ましくは、前記絶縁壁は、SiO2を主成分とする。
本発明の実施において好ましくは、前記第1ドーピング部および前記第2ドーピング部は、前記凹部の前記底面と前記実装面との間に位置している
本発明の実施において好ましくは、前記凹部の前記底面から、前記絶縁壁の一部が突出している。
本発明の実施において好ましくは、前記凹部の前記連絡面を覆う、前記LEDチップから発せられた光を反射する反射膜が形成されている。
本発明の実施において好ましくは、前記反射膜は、Au層を含む。
本発明の実施において好ましくは、前記反射膜は、前記内部端子と同一の構成である。
本発明の実施において好ましくは、前記基板の前記実装面を覆うように形成された第1絶縁膜を備え、前記第1絶縁膜には、前記ドーピング層を露出させる連絡孔が形成され、前記連絡孔に前記外部端子の一部が挿通している。
本発明の実施において好ましくは、前記第1絶縁膜の組成は、前記絶縁壁の組成と同一である。
本発明の実施において好ましくは、前記外部端子の一部および前記第1絶縁膜を覆う第2絶縁膜を備える。
本発明の実施において好ましくは、前記第2絶縁膜は、感光性ポリイミドから構成される。
本発明の実施において好ましくは、前記第2絶縁膜から露出する前記外部端子を覆う電極パッドを備える。
本発明の実施において好ましくは、前記電極パッドは、互いに積層されたNi層、Pd層およびAu層から構成される。
本発明の実施において好ましくは、前記内部端子と前記LEDチップとの間に介在する接合層を備える。
本発明の実施において好ましくは、前記接合層は、互いに積層されたNi層およびSnを含む合金層から構成される。
本発明の実施において好ましくは、前記基板には、前記凹部の前記底面から窪み、かつ前記内部端子の周囲を取り囲む溝部が形成されている。
本発明の実施において好ましくは、前記LEDチップを覆い、かつ前記凹部に充填された封止樹脂を備える。
本発明の実施において好ましくは、前記封止樹脂は、蛍光体を含有し、かつ透光性を有する合成樹脂から構成される。
本発明の第2の側面によって提供されるLEDパッケージの製造方法は、厚さ方向において互いに反対側を向く表面および裏面を有し、かつ単結晶の真性半導体材料から構成される基材に、イオン化されたV族元素を含有するドーピング層をイオン注入により形成する工程と、前記ドーピング層に導通する外部導電層を、その一部が前記基板の前記裏面に接するように形成する工程と、前記基材の前記表面から窪む凹部を、前記基材に形成する工程と、前記ドーピング層に導通する内部導電層を、前記凹部に形成する工程と、LEDチップを、前記凹部に収容されるように前記内部導電層に搭載する工程と、を備えることを特徴としている。
本発明の実施において好ましくは、前記V族元素は、Pである。
本発明の実施において好ましくは、前記ドーピング層を形成する工程と、前記外部導電層を形成する工程との間に、前記ドーピング層を前記基材の厚さ方向に分断し、かつ電気絶縁体である絶縁壁を、前記基材に形成する工程を備える。
本発明の実施において好ましくは、前記絶縁壁を形成する工程では、前記基材の前記裏面から窪む溝部を深掘りRIEにより形成する工程を含む。
本発明の実施において好ましくは、前記絶縁壁を形成する工程では、熱酸化法により前記絶縁壁とともに、前記基材の前記裏面に接する第1絶縁膜が形成される。
本発明の実施において好ましくは、前記外部導電層を形成する工程では、前記第1絶縁膜から前記ドーピング層を露出させる連絡孔を形成する工程を含む。
本発明の実施において好ましくは、前記外部導電層を形成する工程と、前記凹部を形成する工程との間に、前記外部導電層の一部および前記第1絶縁膜を覆う第2絶縁膜をフォトリソグラフィにより形成する工程を備える。
本発明の実施において好ましくは、前記凹部を形成する工程では、異方性エッチングにより前記凹部が形成される。
本発明の実施において好ましくは、前記真性半導体材料は、Siであり、前記基材の前記表面は、(100)面である。
本発明の実施において好ましくは、前記内部導電層を形成する工程では、スパッタリング法および電解めっきにより前記内部導電層とともに、前記凹部に光を反射する反射膜が形成される。
本発明の実施において好ましくは、前記内部導電層を形成する工程では、前記LEDチップを搭載するための接合層を電解めっきにより前記内部導電層に形成する工程を含む。
本発明の実施において好ましくは、前記外部導電層を覆い、かつ導電体であるパッド層を無電解めっきにより形成する工程を備える。
本発明の実施において好ましくは、前記LEDチップを搭載する工程の後に、前記LEDチップを覆い、かつ前記凹部に充填された封止樹脂を形成する工程を備える。
本発明にかかるLEDパッケージによれば、基板は、凹部に配置された内部端子と、基板の実装面に配置された外部端子とを相互に導通させるドーピング層を有する。このような構成をとることによって、コンタクトホールまたはコンタクトエッジを形成せずに内部端子と外部端子との導通を確保することができる。また、外部端子に対するはんだの付着面積は、従来と同程度にすることができる。したがって、パッケージの小型化および信頼性の確保を図ることが可能となる。
また、本発明にかかるLEDパッケージの製造方法によれば、ドーピング層は、イオン注入により単結晶の真性半導体材料から構成される基材にイオン化されたV族元素を含有させることによって形成される。イオン注入は、半導体素子の製造において一般的な方法であるため、本発明にかかるLEDパッケージを製造するために特別な設備を設ける必要はない。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について、添付図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図5に基づき、本発明の第1実施形態にかかるLEDパッケージA10について説明する。LEDパッケージA10は、基板1、内部端子21、外部端子22、第1絶縁膜23、第2絶縁膜24、電極パッド25、反射膜29、LEDチップ31、接合層32および封止樹脂4を備える。
図1は、LEDパッケージA10の平面図である。図2は、LEDパッケージA10の平面図であり、理解の便宜上、LEDチップ31および封止樹脂4を省略している。図3は、LEDパッケージA10の底面図である。図4は、図2のIV−IV線に沿う断面図である。図5は、図2のV−V線に沿う断面図である。なお、図4および図5は、LEDチップ31および封止樹脂4を省略せずに示している。
これらの図に示すLEDパッケージA10は、携帯電子端末などの回路基板に表面実装される形式のものである。ここで、説明の便宜上、基板1の厚さ方向Zに対して直角である平面図の左右方向を第1方向Xと、基板1の厚さ方向Zおよび第1方向Xに対していずれも直角である平面図の上下方向を第2方向Yと、それぞれ定義する。図1に示すように、本実施形態では、LEDパッケージA10の基板1の厚さ方向Z視である平面視(以下、単に「平面視」という。)の形状は、矩形状である。このとき、第1方向XがLEDパッケージA10の長辺方向となる。
基板1は、図1〜図5に示すように、LEDチップ31を収容し、かつLEDパッケージA10を回路基板に実装するための部材である。基板1は、単結晶の真性半導体材料を主成分とし、本実施形態においては、Siを主成分としている。基板1の平面視の形状は、矩形状である。基板1は、主面11、実装面12、第1側面131、第2側面132、凹部14、ドーピング層15および絶縁壁16を有する。
図1〜図5に示すように、主面11および実装面12は、基板1の厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く面である。主面11および実装面12は、ともに基板1の厚さ方向Zに対して直交する平坦面である。主面11は、図4および図5の上方を向く面である。本実施形態にかかる基板1には、主面11から窪む凹部14が形成されている。基板1に凹部14が形成されていることによって、主面11の形状は、凹部14の周囲を取り囲む枠状となっている。本実施形態にかかる主面11は、(100)面である。また、実装面12は、図4および図5の下方を向く面である。実装面12は、LEDパッケージA10を実装する際に利用される面である。実装面12の形状は、矩形状である。本実施形態においては、実装面12に外部端子22、第1絶縁膜23、第2絶縁膜24および電極パッド25が配置されている。
図1〜図4に示すように、第1側面131は、主面11と実装面12との間に挟まれ、かつ第1方向Xに離間して配置された一対の面である。また、図1〜図3および図5に示すように、第2側面132は、主面11と実装面12との間に挟まれ、かつ第2方向Yに離間して配置された一対の面である。一対の第1側面131および一対の第2側面132は、いずれも形状が矩形状であり、かつ平坦面であるとともに、主面11および実装面12に対して直交している。
図1、図2、図4および図5に示すように、凹部14は、主面11から窪むように形成された、平面視の形状が矩形状の部分である。本実施形態においては、凹部14に内部端子21が配置されているとともに、LEDチップ31が凹部14に収容されている。凹部14は、底面141および連絡面142を有する。
図2、図4および図5に示すように、底面141は、基板1の厚さ方向Zにおいて主面11と実装面12との間に位置し、かつ基板1の厚さ方向Zに対して直交する平坦面である。底面141の平面視の形状は、矩形状である。本実施形態においては、底面141に内部端子21が配置されている。
図2、図4および図5に示すように、連絡面142は、底面141と基板1の主面11とをつなぐ平坦面である。連絡面142は、底面141に対して傾斜している。本実施形態にかかる連絡面142は、四つの複数面からなり、複数の連絡面142が底面141の四辺に沿って形成されている。ここで、本実施形態においては、基板1の主面11が(100)面であるため、複数の連絡面142は、いずれも(111)面である。このため、底面141に対する複数の連絡面142の傾斜角は、いずれも同一である。当該傾斜角の大きさは、54.74°である。
図4および図5に示すように、ドーピング層15は、基板1の主面11と実装面12との間に形成され、かつ内部端子21および外部端子22を相互に導通させる部分である。ドーピング層15は、イオン化されたV族元素を含有する。このため、ドーピング層15は、イオン化されたV族元素に起因した自由電子を含有するため、導電体に近似した性状を示す。本実施形態にかかる当該V族元素は、Pである。ドーピング層15は、基板1の主面11と実装面12との間の全体にわたって一様に形成されている。
図4および図5に示すように、絶縁壁16は、基板1の厚さ方向Zにドーピング層15を分断する部分である。本実施形態にかかる絶縁壁16は、SiO2を主成分とする電気絶縁体である。このため、ドーピング層15は、絶縁壁16によって互いに電気絶縁された第1ドーピング部151および第2ドーピング部152を有する。本実施形態においては、第1ドーピング部151は陽極(アノード)であり、第2ドーピング部152は陰極(カソード)である。図2に示すように、平面視において、絶縁壁16は、第1ドーピング部151および第2ドーピング部152のそれぞれ周囲を取り囲んでいる。また、図2、図4および図5に示すように、平面視において絶縁壁16は、凹部14の底面141が占める領域内に形成され、かつ底面141から絶縁壁16の一部が突出している。このため、本実施形態においては、第1ドーピング部151および第2ドーピング部152は、凹部14の底面141と基板1の実装面12との間に位置している。
内部端子21は、図2、図4および図5に示すように、凹部14の底面141に配置され、かつLEDチップ31を搭載するとともに、LEDチップ31とLEDパッケージA10が実装される回路基板との導電経路を構成する導電体である。本実施形態にかかる内部端子21は、互いに積層されたCu層、Ni層およびAu層から構成される。内部端子21は、第1内部端子211および第2内部端子212を含む。本実施形態にかかる第1内部端子211および第2内部端子212は、ともに平面視の形状が矩形状であり、かつ大きさが同一である。また、第1内部端子211は、陽極(アノード)であり、かつ第1ドーピング部151に導通している。第2内部端子212は、陰極(カソード)であり、かつ第2ドーピング部152に導通している。本実施形態においては、第1内部端子211および第2内部端子212は、第1方向Xにおいて互いに離間している。
外部端子22は、図3〜図5に示すように、基板1の実装面12に配置され、かつLEDチップ31とLEDパッケージA10が実装される回路基板との導電経路を構成する導電体である。本実施形態にかかる外部端子22は、Alから構成される。外部端子22は、第1外部端子221および第2外部端子222を含む。本実施形態にかかる第1外部端子221および第2外部端子222は、ともに平面視の形状が矩形状であり、かつ大きさが同一である。また、第1外部端子221は、陽極(アノード)であり、かつ第1ドーピング部151に導通している。第2外部端子222は、陰極(カソード)であり、かつ第2ドーピング部152に導通している。本実施形態においては、第1外部端子221および第2外部端子222は、第1方向Xにおいて互いに離間している。第1外部端子221および第2外部端子222は、ともに第1絶縁膜23に接している。第1外部端子221は、後述する第1絶縁膜23の一方の連絡孔231を介して第1ドーピング部151に導通している。同様に、第2外部端子222は、第1絶縁膜23の他方の連絡孔231を介して第2ドーピング部152に導通している。
第1絶縁膜23は、図3〜図5に示すように、基板1の実装面12に配置され、かつ実装面12を覆う部分である。第1絶縁膜23の組成は、絶縁壁16の組成と同一である。このため、本実施形態にかかる第1絶縁膜23は、SiO2を主成分とする電気絶縁体である。基板1の厚さ方向Zにおいて、絶縁壁16の一端が第1絶縁膜23につながっている。また、第1絶縁膜23には、基板1の実装面12並びにドーピング層15を露出させる連絡孔231が形成されている。本実施形態にかかる連絡孔231は、平面視の形状が矩形状である一対の孔であり、かつ第1方向Xにおいて互いに離間している。各々の連絡孔231に外部端子22の一部が挿通している。
第2絶縁膜24は、図3〜図5に示すように、基板1の実装面12に配置され、かつ外部端子22の一部および第1絶縁膜23を覆う部分である。本実施形態にかかる第2絶縁膜24は、感光性ポリイミドから構成される電気絶縁体である。外部端子22において、第2絶縁膜24に覆われていない部分は、電極パッド25に覆われている。このため、図3に示すように、基板1の実装面12からLEDパッケージA10を視たとき、第2絶縁膜24および電極パッド25のみが視認される。
電極パッド25は、図3〜図5に示すように、基板1の実装面12に配置され、かつ第2絶縁膜24から露出する外部端子22を覆う導電体である。電極パッド25は、外部端子22に導通し、かつ内部端子21および外部端子22とともに、LEDチップ31とLEDパッケージA10が実装される回路基板との導電経路を構成する。電極パッド25は、LEDパッケージA10を回路基板に実装したとき、クリームはんだなどが付着する部分である。本実施形態にかかる電極パッド25は、互いに積層されたNi層、Pd層およびAu層から構成される。電極パッド25は、第1電極パッド251および第2電極パッド252を含む。本実施形態にかかる第1電極パッド251および第2電極パッド252は、ともに平面視の形状が矩形状であり、かつ大きさが同一である。また、第1電極パッド251は、陽極(アノード)であり、かつ第1外部端子221に導通している。第2電極パッド252は、陰極(カソード)であり、かつ第2外部端子222に導通している。本実施形態においては、第1電極パッド251および第2電極パッド252は、第1方向Xにおいて互いに離間している。
反射膜29は、図2、図4および図5に示すように、凹部14の連絡面142を覆って形成され、かつLEDチップ31から発せられた光を反射する部分である。本実施形態においては、反射膜29は、基板1の主面11をも覆って形成されている。反射膜29は、内部端子21と同一の構成である。このため、本実施形態にかかる反射膜29は、互いに積層されたCu層、Ni層およびAu層から構成される。したがって、反射膜29は、Au層を含む。ただし、反射膜29および内部端子21は、互いに電気絶縁されている。このため、反射膜29は、LEDチップ31とLEDパッケージA10が実装される回路基板との導電経路を構成しない。
LEDチップ31は、LEDパッケージA10の光源となる発光部であるとともに、たとえばpn接合により複数の半導体層が互いに積層された半導体素子である。LEDパッケージA10に電流が流れると、LEDチップ31が発光する。当該半導体層を構成する物質により、LEDチップ31は、青色光、赤色光または緑色光などを発する。本実施形態にかかるLEDチップ31は、いわゆるフリップチップ型の素子である。図4および図5に示すLEDチップ31の上端には、発光部(図示略)が形成され、LEDチップ31は当該発光部より光を発する。また、図4および図5に示すLEDチップ31の下端には、電極バンプ311が形成されている。本実施形態にかかる電極バンプ311は、たとえばAlから構成される。電極バンプ311は、第1電極バンプ311aおよび第2電極バンプ311bを含む。第1電極バンプ311aは、LEDチップ31のp側電極(アノード)であり、接合層32を介して第1内部端子211に導通している。第2電極バンプ311bは、LEDチップ31のn側電極(カソード)であり、接合層32を介して第2内部端子212に導通している。
接合層32は、図2、図4および図5に示すように、内部端子21とLEDチップ31の電極バンプ311との間に介在する導電体である。接合層32によって、LEDチップ31は内部端子21に固着より搭載され、かつ内部端子21とLEDチップ31との導通が確保される。本実施形態にかかる接合層32は、互いに積層されたNi層およびSnを含む合金層から構成される。当該合金層は、たとえばSn―Sb系合金、またはSn―Ag系合金などの鉛フリーはんだである。
封止樹脂4は、図1、図4および図5に示すように、LEDチップ31を覆い、かつ凹部14に充填されている部材である。封止樹脂4は、LEDチップ31に加え、内部端子21および反射膜29も覆っている。本実施形態にかかる封止樹脂4は、蛍光体を含有し、かつ透光性を有する合成樹脂から構成される。当該合成樹脂は、たとえばエポキシ樹脂である。たとえば、LEDチップ31が青色光を発する場合、黄色蛍光体が含有された封止樹脂4を用いることによって、LEDパッケージA10から白色光が出射される。また、LEDチップ31が紫色の近紫外線を発する場合、赤色、青色および緑色の三色の蛍光体が含有された封止樹脂4を用いることによって、LEDパッケージA10から演色性がより確保された白色光が出射される。
次に、図6〜図26に基づき、LEDパッケージA10の製造方法の一例について説明する。
図6、図8、図12〜図14および図18〜図25は、LEDパッケージA10の製造工程を説明する断面図であり、その断面位置が図4と同一である。図7、図9および図11は、LEDパッケージA10の製造工程を説明する底面図である。図10は、図9のX−X線に沿う断面図である。図15、図16および図26は、LEDパッケージA10の製造工程を説明する平面図である。図17は、図16のXVII−XVII線に沿う断面図である。なお、図6〜図26において示される基材81の厚さ方向Z、第1方向Xおよび第2方向Yの定義は、図1〜図5において示される基板1の厚さ方向Z、第1方向Xおよび第2方向Yの定義に対応している。
最初に、図6に示すように、基材81にドーピング層815を形成する。基材81は、LEDパッケージA10の基板1の集合体であり、図7に示す想像線(二点鎖線)で囲まれた基板領域89が基板1に対応する部分である。基材81は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く表面811および裏面812を有し、かつ単結晶の真性半導体材料から構成される。本実施形態にかかる当該真性半導体材料は、Siである。表面811および裏面812はともに平坦面であり、表面811は(100)面である。このため、基材81は、たとえばシリコンウエハである。また、ドーピング層815は、基材81においてイオン化されたV族元素を含有する部分である。ドーピング層815がLEDパッケージA10のドーピング層15に対応する。本実施形態にかかる当該V族元素は、Pである。ドーピング層815は、一般的な半導体素子の製造方法の一つであるイオン注入により形成される。このとき、ドーピング層815は、基材81の表面811と裏面812との間の全体にわたって一様に形成される。ドーピング層815は、イオン化されたV族元素に起因した自由電子を含有するため、導電体に近似した性状を示す。
次いで、図7〜図10に示すように、ドーピング層815を基材81の厚さ方向Zに分断する絶縁壁816を、基材81に形成する。絶縁壁816がLEDパッケージA10の絶縁壁16に対応する。絶縁壁816は、次の工程により形成される。
まず、図7に示すように、基材81の裏面812に対して第1マスク層851を形成する。本実施形態にかかる第1マスク層851は、たとえばSi3N4を主成分とする層であり、プラズマCVDにより形成される。基材81の裏面812は、第1マスク層851により全面が覆われた状態になる。そして、第1マスク層851に対してフォトリソグラフィによりマスクを形成した後、ドライエッチングの代表例である反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により第1マスク層851を部分的に除去する。ここで、第1マスク層がSi3N4を主成分とする層であれば、たとえばCF4をエッチングガスとする。これにより、第1マスク層851には、平面視の形状が枠状で、かつ第1方向Xに連なる開口部851aが形成される。本実施形態においては、二つの開口部851aが第1方向Xに連なる。開口部851aから、基材81の裏面812並びにドーピング層815が露出する。
次いで、図8に示すように、第1マスク層851の開口部851aから露出する基材81において、基材81の裏面812から窪む溝816aを形成する。溝816aは、深掘りRIE(Reactive Ion Etching)により形成される。当該深堀RIEとして、たとえばボッシュプロセス(Bosch process)が挙げられる。溝816aは、基材81の厚さ方向Zに沿って形成される。溝816aを形成した後、第1マスク層851を全て除去する。第1マスク層851は、第1マスク層851がSi3N4を主成分とする層であれば、たとえばCF4をエッチングガスとした反応性イオンエッチングまたは加熱リン酸溶液を用いたウェットエッチングにより除去される。
次いで、図9および図10に示すように、基材81に形成された溝816aを埋める絶縁壁816を形成する。絶縁壁816は、熱酸化法により形成される。このため、絶縁壁816は、SiO2を主成分とする電気絶縁体である。このとき、熱酸化法によって、絶縁壁816とともに基材81の裏面812に接する第1絶縁膜823が形成される。このため、第1絶縁膜823の組成は、絶縁壁816の組成と同一となる。第1絶縁膜823がLEDパッケージA10の第1絶縁膜23に対応する。基材81の裏面812は、第1絶縁膜823により全面が覆われた状態になる。以上の工程により絶縁壁816が形成される。基材81の厚さ方向Zにおいて、絶縁壁816により分断されたドーピング層815は、互いに電気絶縁された状態になる。
次いで、図11および図12に示すように、ドーピング層815に導通する外部導電層822を、その一部が基材81の裏面812に接するように形成する。基板領域89の内部に形成された外部導電層822がLEDパッケージA10の外部端子22に対応する。ここで、外部導電層822を形成する工程では、第1絶縁膜823から基材81の裏面812並びにドーピング層815を露出させる連絡孔823aを形成する工程と含む。外部導電層822は、次の工程により形成される。
まず、図11に示すように、第1絶縁膜823に連絡孔823aを形成する。連絡孔823aがLEDパッケージA10の連絡孔231に対応する。本実施形態においては、連絡孔823aは一対からなり、各々の連絡孔823aは、平面視において絶縁壁816に取り囲まれた状態になるように形成される。連絡孔823aは、第1絶縁膜823に対してフォトリソグラフィによりマスクを形成した後、CF4をエッチングガスとした反応性イオンエッチングにより形成される。各々の連絡孔823aから、基材81の裏面812並びにドーピング層815が露出する。
次いで、図12に示すように、一部が基材81の裏面812に接する外部導電層822を形成する。本実施形態にかかる外部導電層822は、Alから構成される。外部導電層822は、第1絶縁膜823に対してフォトリソグラフィによりマスクを形成した後、スパッタリング法により形成される。このとき、外部導電層822は、第1絶縁膜823の一部を覆い、かつ一対の連絡孔823aを埋めるように形成されるとともに、基材81の裏面812並びにドーピング層815に接する。以上の工程により外部導電層822が形成される。
次いで、図13に示すように、外部導電層822の一部および第1絶縁膜823を覆う第2絶縁膜824を形成する。第2絶縁膜824がLEDパッケージA10の第2絶縁膜24に対応する。本実施形態にかかる第2絶縁膜824は、感光性ポリイミドから構成される。第2絶縁膜824は、フォトリソグラフィにより形成される。具体的には、外部導電層822および第1絶縁膜823の全体を覆うように感光性ポリイミドをスピンコータ(回転式塗布装置)により塗布した後に、フォトリソグラフィの露光・現像により形成される。露光・現像により第2絶縁膜824には、一対の開口部824aが一対の連絡孔823aに対応するように形成される。本実施形態にかかる開口部824aの平面視の形状は、矩形状(図示略)である。各々の開口部824aから、外部導電層822が露出する。
次いで、図14に示すように、第2絶縁膜824の開口部824aから露出する外部導電層822を覆い、かつ導電体であるパッド層825を形成する。パッド層825がLEDパッケージA10の電極パッド25に対応する。本実施形態にかかるパッド層825は、互いに積層されたNi層、Pd層およびAu層から構成される。パッド層825は、無電解めっきによりNi層、Pd層、Au層の順にそれぞれ析出させることにより形成される。
次いで、図15〜図17に示すように、基材81の表面811から窪む凹部814を、基材81に形成する。凹部814がLEDパッケージA10の凹部14に対応する。凹部814は、次の工程により形成される。
まず、図15に示すように、基材81の表面811に対して第2マスク層852を形成する。本実施形態にかかる第2マスク層852は、第1マスク層851と同じくたとえばSi3N4を主成分とする層であり、プラズマCVDにより形成される。基材81の表面811は、第2マスク層852により全面が覆われた状態になる。そして、第2マスク層852に対してフォトリソグラフィによりマスクを形成した後、反応性イオンエッチングにより第2マスク層852を部分的に除去する。ここで、第2マスク層がSi3N4を主成分とする層であれば、たとえばCF4をエッチングガスとする。これにより、第2マスク層852には、平面視の形状が矩形状の開口部852aが形成される。開口部852aから、基材81の表面811およびドーピング層815が露出する。
次いで、図16および図17に示すように、第2マスク層852の開口部852aから露出する基材81の表面811から窪む凹部814を、基材81に形成する。凹部814は、平面視の形状が矩形状の底面814aと、底面814aおよび基材81の表面811をつなぐ連絡面814bを有する。底面814aから、ドーピング層815および絶縁壁816が露出する。また、連絡面814bは、底面814aの四辺に沿って形成された四つの傾斜面である。凹部814は、アルカリ性の溶液を用いた異方性エッチングにより形成される。当該溶液は、たとえばKOH(水酸化カリウム)溶液またはTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)溶液である。本実施形態においては、基材81の表面811は(100)面であるため、四つの連絡面814bはいずれも(111)面となる。凹部814を形成した後、第2マスク層852を全て除去する。第2マスク層852は、第2マスク層852がSi3N4を主成分とする層であれば、たとえばCF4をエッチングガスとした反応性イオンエッチングまたは加熱リン酸溶液を用いたウェットエッチングにより除去される。以上の工程により凹部814が形成される。
次いで、図18〜図23に示すように、ドーピング層815に導通する内部導電層821を、凹部814に形成する。基板領域89の内部に形成された内部導電層821がLEDパッケージA10の内部端子21に対応する。ここで、内部導電層821を形成する工程では、後述するLEDチップ831を内部導電層821に搭載するための接合層832を形成する工程を含む。本実施形態にかかる内部導電層821は、互いに積層された下地層821aおよびめっき層821bから構成される。内部導電層821は、次の工程により形成される。
まず、図18に示すように、下地層821aを形成する。下地層821aの形成範囲は、基材81の表面811と、凹部814の底面814aおよび連絡面814bとの全面である。下地層821aは、スパッタリング法により形成される。本実施形態にかかる下地層821aは、Cuから構成される。
次いで、下地層821aに対してフォトリソグラフィによりマスクを形成する。図19に示すように、下地層821aを覆うように第1レジスト層861を基材81に形成した後、第1レジスト層861に対して露光・現像を行うことによって、下地層821aに対してマスクが形成される。第1レジスト層861は、先述した第1絶縁膜823と同様に感光性レジストをスピンコータにより塗布することにより形成される。本実施形態にかかる第1レジスト層861はポジ型であるため、露光された第1レジスト層861の部分が現像液により除去され、除去された部分から下地層821aが露出する。
次いで、図20に示すように、下地層821aを覆うめっき層821bを形成する。めっき層821bは、第1レジスト層861が露光・現像により除去され、下地層821aが露出した部分に形成される。本実施形態にかかるめっき層821bは、互いに積層されたCu層、Ni層およびAu層から構成される。めっき層821bは、電解めっきによりCu層、Ni層およびAu層の順にそれぞれ析出させることにより形成される。めっき層821bを形成した後、基材81に形成された第1レジスト層861を全て除去する。
次いで、図21および図22に示すように、後述するLEDチップ831を搭載するための接合層832を、内部導電層821に形成する。まず、めっき層821bに対してフォトリソグラフィによりマスクを形成する。図21に示すように、めっき層821bを覆うように第2レジスト層862を基材81に形成した後、第2レジスト層862に対して露光・現像を行うことによって、めっき層821bに対してマスクが形成される。第2レジスト層862の形成範囲、材料および形成方法は、いずれも第1レジスト層861と同一である。このとき、第2レジスト層862に開口部862aが形成される。本実施形態にかかる開口部862aの平面視の形状は、矩形状(図示略)である。
次いで、図22に示すように、接合層832を内部導電層821に形成する。接合層832がLEDパッケージA10の接合層32に対応する。本実施形態においては、接合層832は、基材81の表面811および凹部814を覆う下地層821aを活用した電解めっきによって、第2レジスト層862の開口部862aを埋めるように形成される。本実施形態にかかる接合層832は、互いに積層されたNi層およびSnを含む合金層から構成される。当該合金層は、たとえばSn―Sb系合金、またはSn―Ag系合金などの鉛フリーはんだである。接合層832を形成した後、基材81に形成された第2レジスト層862を全て除去する。
次いで、図23に示すように、基材81において、めっき層821bに覆われていない不要な下地層821aを全て除去する。下地層821aは、たとえばウェットエッチングにより除去される。当該ウェットエッチングにおいては、たとえば硫酸(H2SO4)および過酸化水素(H2O2)との混合溶液が用いられる。下地層821aが除去された部分から、凹部814の底面814a並びにドーピング層815が露出する。このとき、凹部814において、底面814aを覆って形成された下地層821aおよびめっき層821bと、連絡面814bを覆って形成された下地層821aおよびめっき層821bとが互いに電気絶縁された状態になる。この場合において、底面814aを覆って形成された下地層821aおよびめっき層821bは、内部導電層821である。また、連絡面814bを覆って形成された下地層821aおよびめっき層821bは、光を反射する反射膜829である。反射膜829がLEDパッケージA10の反射膜29に対応する。このように、内部導電層821を形成する工程では、内部導電層821とともに凹部814の連絡面814bに反射膜829が形成される。以上の工程により内部導電層821が形成される。
次いで、図24に示すように、LEDチップ831を、凹部814に収容されるように内部導電層821に搭載する。LEDチップ831がLEDパッケージA10のLEDチップ31に対応する。本実施形態にかかるLEDチップ831の搭載は、FCB(Flip Chip Bonding)行う。LEDチップ831の電極バンプ831aにフラックス(図示略)を塗布した後、たとえばフリップチップボンダ(図示略)を用いてLEDチップ831を接合層832に仮付けする。このとき、接合層832は、内部導電層821とLEDチップ831とに挟まれた状態になる。次いで、リフローにより接合層832を溶融させた後、冷却により接合層832を固化させる。以上の工程によりLEDチップ831が内部導電層821に搭載される。
次いで、図25に示すように、LEDチップ831を覆い、かつ凹部814に充填された封止樹脂84を形成する。封止樹脂84がLEDパッケージA10の封止樹脂4に対応する。本実施形態にかかる封止樹脂84は、蛍光体を含有し、かつ透光性を有する合成樹脂から構成される。当該合成樹脂は、たとえばエポキシ樹脂である。封止樹脂84は、流動性のある当該合成樹脂を凹部814に注入し、当該合成樹脂を硬化させることにより形成される。本実施形態においては、封止樹脂84は基材81の表面811に形成されためっき層821bを覆っていないが、これを覆うように封止樹脂84を形成してもよい。
次いで、基材81を第1方向Xおよび第2方向Yに沿って切断することによって、基板領域89ごとの個片に分割する。切断にあたっては、たとえばプラズマダイシングによって、図26に示す切断線CLに沿って基材81を切断する。当該工程において分割された個片がLEDパッケージA10となる。以上の工程を経ることによって、LEDパッケージA10が製造される。
次に、LEDパッケージA10およびその製造方法の作用効果について説明する。
LEDパッケージA10は、主面11から窪む凹部14が形成された基板1と、凹部14に配置された内部端子21と、基板1の実装面12に配置された外部端子22と、内部端子21に導通するLEDチップ31とを備える。ここで、基板1は、単結晶の真性半導体材料を主成分としている。また、基板1は、主面11と実装面12との間に形成され、かつ内部端子21および外部端子22を相互に導通させるドーピング層15を有する。基板1にドーピング層15を形成することによって、特許文献1に開示されているコンタクトホールまたはコンタクトエッジを形成せずに、凹部14に配置された内部端子21と基板1の実装面12に配置された外部端子22との導通を確保することができる。この場合においてLEDパッケージA10を実装したとき、回路基板に対向する基板1の実装面12に外部端子22が配置されるため、外部端子22に対するはんだ付着面積は従来と同程度になり、はんだに亀裂が発生したとき導通が阻害される可能性がなくなる。したがって、パッケージの小型化および信頼性の確保を図ることが可能となる。
ドーピング層15は、イオン化されたV族元素を含有する。このため、ドーピング層15は、自由電子を含有するため、導電体に近似した性状を示す。したがって、ドーピング層15を介した内部端子21と外部端子22との相互導通が可能である。
また、LEDパッケージA10の製造方法によれば、ドーピング層815(ドーピング層15)は、イオン注入により単結晶の真性半導体材料から構成される基材81(基板1)にイオン化されたV族元素を含有させることによって形成される。イオン注入は、半導体素子の製造において一般的な方法であるため、LEDパッケージA10を製造するために特別な設備を設ける必要はない。
基板1には、基板1の厚さ方向Zにドーピング層15を分断する絶縁壁16が形成され、ドーピング層15は、互いに電気絶縁された陽極である第1ドーピング部151と、陰極である第2ドーピング部152とを有する。このため、ドーピング層15は、LEDチップ31とLEDパッケージA10が実装される回路基板との導電経路として、ショートすることなく正常に機能が発揮される。
基板1の実装面12を覆う第1絶縁膜23を備えることによって、第1ドーピング部151と第2ドーピング部152との電気絶縁の効果を向上させるとともに、LEDパッケージA10の外部への漏電を防止することができる。ここで、LEDパッケージA10の製造方法によれば、第1絶縁膜823(第1絶縁膜23)は、熱酸化法により絶縁壁816(絶縁壁16)と同時に形成されるため、工程を追加することなく第1絶縁膜23を形成することができる。
第1ドーピング部151および第2ドーピング部152は、凹部14の底面141と基板1の実装面12との間に位置している。このような構成をとることによって、LEDチップ31とLEDパッケージA10が実装される回路基板との導電経路が最短となるため、ドーピング層15の抵抗に起因した電力損失を抑制しつつ、パッケージの小型化を図ることができる。
凹部14の底面141には、LEDチップ31から発せられた光を反射する反射膜29が形成されている。反射膜29は、反射した光をLEDパッケージA10の外部へ出射させるため、二次光源としての機能を発揮する。このため、反射膜29によって、LEDパッケージA10の輝度の向上を図ることができる。ここで、LEDパッケージA10の製造方法によれば、反射膜829(反射膜29)は、スパッタリング法および電解めっきにより内部導電層821(内部端子21)と同時に形成されるため、工程を追加することなく反射膜29を形成することができる。
外部端子22の一部および第1絶縁膜23を覆う第2絶縁膜24を備えることによって、外部から外部端子22を保護しつつ、LEDパッケージA10を実装したとき、第1外部端子221と第2外部端子222のショートを防ぐことができる。
内部端子21とLEDチップ31との間に介在する接合層32を備えることによって、フリップチップ型のLEDチップ31を内部端子21に搭載することができる。このような構成をとることによって、内部端子21とLEDチップ31とをボンディングワイヤで接続する場合に比較して、平面視における凹部14の開口面積を縮小することができるため、パッケージの小型化を図ることが可能となる。
LEDチップ31を覆い、かつ凹部14に充填された封止樹脂4を備えることによって、外部からLEDチップ31および内部端子21を保護することができる。また、封止樹脂4の材料を、蛍光体を含有し、かつ透光性を有する合成樹脂とすることによって、LEDパッケージA10から多様な光を出射させることができる。
〔第2実施形態〕
図27〜図29に基づき、本発明の第2実施形態にかかるLEDパッケージA20について説明する。これらの図において、先述したLEDパッケージA10と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略することとする。
図27は、LEDパッケージA20の平面図であり、理解の便宜上、LEDチップ31および封止樹脂4を省略している。図28は、図27のXXVIII−XXVIII線に沿う断面図である。図29は、図27のXXIX−XXIX線に沿う断面図である。なお、図28および図29は、LEDチップ31および封止樹脂4を省略せずに示している。
本実施形態にかかるLEDパッケージA20は、基板1の構成がLEDパッケージA10と異なる。図27に示すように、本実施形態にかかるLEDパッケージA20の平面視の形状は、矩形状である。
図27〜図29に示すように、基板1には、凹部14の底面141から窪み、かつ内部端子21の周囲を取り囲む溝部17が形成されている。溝部17は、内部端子21の第1内部端子211および第2内部端子212の各々を取り囲んでいる。また、溝部17は、平面視において絶縁壁16の内周に沿って形成され、かつ絶縁壁16につながっている。
次に、LEDパッケージA20の作用効果について説明する。
LEDパッケージA20は、LEDパッケージA10と同様に、主面11から窪む凹部14が形成された基板1と、凹部14に配置された内部端子21と、基板1の実装面12に配置された外部端子22と、内部端子21に導通するLEDチップ31とを備える。基板1は、単結晶の真性半導体材料を主成分としている。また、基板1は、主面11と実装面12との間に形成され、かつ内部端子21および外部端子22を相互に導通させるドーピング層15を有する。したがって、パッケージの小型化および信頼性の確保を図ることが可能となる。
基板1には、凹部14の底面141から窪み、かつ内部端子21の周囲を取り囲む溝部17が形成されている。たとえば図24に示すLEDパッケージA10の製造工程において、LEDチップ831を内部導電層821に搭載する際、リフローにより溶融された接合層832が内部端子21をはみ出した場合であっても、接合層832が溝部17に流れ落ちる。このため、接合層832が絶縁壁816を跨いで反射膜829に付着することを抑止することができる。反射膜29は内部端子21と同一の構成であるため、接合層32によってLEDパッケージA20に意図しない導電経路が形成されることを溝部17により防止することができる。
本発明は、先述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。