JP6732489B2 - X線撮影機器のアライメント調整支援装置、方法及びプログラム - Google Patents
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Description
この位置決め精度の妥当性評価は、X線撮影機器を構成するX線源とX線検出器とが、治療空間に設計通りに設置されていることが前提となる。
このため、現実の設置位置が設計位置からずれている場合は、このずれを解消するために、X線源及びX線検出器の設置位置を調整するアライメント調整が行われる。
また、そのような回転機構をもたないX線撮影機器にあっては、X線源とX線検出器を結ぶX線の照射軸上に、レーザーマーカーと鏡を設置し、反射光を確認しながらアライメント調整を行う方法がある。
図1及び図3に示すように、X線撮影機器10のアライメント調整支援装置30は、X線源11及びX線検出器12が設置された空間の座標系(X,Y,Z)に位置決めされた少なくとも6個の基準点20(201〜206)にX線源11から出力したX線を放射させX線検出器12上に射影させた透視画像13aを入力する透視画像入力部31と、この透視画像の座標系(u,v)において認識された6個の基準点の領域23(231〜236)から各々の領域を代表する6つの射影座標(un,vn);n=1〜6を決定する決定部32と、空間の座標系(X,Y,Z)における6個の基準点20(201〜206)の空間座標(Xn,Yn,Zn);n=1〜6を対応する6つの射影座標(un,vn);n=1〜6に座標変換する射影行列Pを導出する導出部33と、この射影行列Pに基づき空間の座標系(X,Y,Z)におけるX線源11の位置情報(lx,ly,lz)並びにX線検出器12の位置情報(cx,cy,cz)及び姿勢情報(ux, uy,uz)(vx,vy,vz)(wx,wy,wz)を演算する第1演算部41と、を備えている。
さらにアライメント調整支援装置30は、基準点の領域23(231〜236)の認識を手動設定により行う手動設定部35を備えている。
ここで、治療ビームとは、ガン等の患部組織に照射して細胞を死滅させる放射線であり、そのような放射線として、X線、γ線、電子線、陽子線、中性子線、及び、重粒子線などが挙げられる。
この治療計画で患者は、治療空間でベッド16に固定され治療ビームの照射を受ける姿勢と同じ姿勢をとり、X線CT(Computed Tomography)等により、患部を含む体内の立体像(ボクセルデータ)を撮像する。
そして、このボクセルデータで特定した患部の領域に基づいて、治療ビームの照射位置、照射角度、照射範囲、放射線量、回数などの条件が決定される。
なおこの再構成画像(DRR)を生成するのに必要な仮想視点の位置と仮想平面の位置及び姿勢は、それぞれX線源11及びX線検出器12の設計情報45に基づいている。
ここで設計情報45とは、X線撮影機器10を構成するX線源11及びX線検出器12の治療空間(X,Y,Z座標系)における機械的な位置や角度等を示す設計情報である。
ここでアイソセンタとは、治療ビームの照射中心が位置するように設定された、治療空間(X,Y,Z座標系)における基準位置である。
この治療空間(X,Y,Z座標系)で患者15を撮影しu,v座標系に射影したX線透視画像13bと治療計画の段階でボクセルデータから仮想的にu,v座標系に再構成したDRR画像との一致がとれれば、患者15の患部の位置が、アイソセンタに一致していることの確認がとれたことになる。
しかし、この確認の妥当性は、治療空間(X,Y,Z座標系)において、X線源11及びX線検出器12が、設計情報45のとおりに設置されていることを前提にしている。
リファレンス体21の配置は、例えば、治療空間を取り囲む床面の基準ポイントに、着脱自在に設置した治具等を介して行われる。
このように、リファレンス体21が配置されることで、6個の基準点20(201〜206)のそれぞれは、空間の座標系(X,Y,Z)の所望した位置に、正確に位置決めされることになる。
X線撮影機器10は、このように配置されたリファレンス体21に対し、X線源11から出力したX線を放射させ、X線検出器12上に射影させた透視画像13aを撮像する。
ここでX線検出器12は、X線の検出素子が2次元アレイ状に配置され、X線源11から放出され患者15又はリファレンス体21を透過してそれぞれの検出素子に到達したX線のエネルギーの減衰量に応じ、X線透視画像13a,13bを形成する。
X線源11は、電子を高速で金属ターゲットに衝突させてX線を発生させるX線管が採用されるが、人体組織を減衰しながら通過することができるX線電磁波を出力するものであれば適宜採用される。
そして決定部32は、この透視画像13を入力し、図1に示す透視画像の座標系(u,v)において6個の基準点の領域23(231〜236)を認識する。さらに決定部32は、認識された各々の領域23(231〜236)の各々から、代表する6つの射影座標(un,vn);n=1〜6を決定し記憶部37aに保存する。
なおこの射影座標(un,vn)は、それぞれの領域23の重心位置を代表として決定することが考えられるが、代表位置の決定方法について特に限定されない。
なお、表示部34は必須の構成要件ではなく、ユーザによる目視評価が不要であれば、省略することもできる。
治療空間の座標系(X,Y,Z)と、透視画像(X線検出器12)の座標系(u,v)との関係は、式(1)で表すことができる。ここで、λは任意の実数で、Pは3×4の射影行列である。
この射影行列Pを求めることができれば、座標系(X,Y,Z)におけるX線源11の並進方向の位置と、X線検出器12の並進方向の位置及び回転方向の姿勢とを算出することができる。
ここでカメラ座標系(x,y,z)と、透視画像(X線検出器12)の座標系(u,v)との関係は、式(2)で表すことができる。ここで、λは任意の実数で、su,svはそれぞれX線検出器12のu軸及びv軸方向の画素ピッチ、fはX線源11からX線検出器12までの距離を表す。
式(2)と式(3)との関係から、治療空間の座標系(X,Y,Z)とX線検出器の座標系(u,v)との関係は式(4)で表される。
さらに、X線検出器の位置(cx,cy,cz)を式(5)から算出することができる。ここで、wは、X線検出器のu軸の画素数を表し、hはv軸の画素数を表している。
このように、射影行列Pを求めれば、座標系(X,Y,Z)におけるX線源11の並進方向の位置と、X線検出器12の並進方向の位置及び回転方向の姿勢とを算出することができる。
式(1)により定義された射影行列Pは、さらに式(6)のように定義することができ、さらに式(7)の関係が成立する。この式(7)から射影行列Pが求められる。
なお、上述において治療空間等の座標系を直交座標系として説明するが、これら座標系は直交座標系に限定されるものではない。
X線源位置演算部41aは、この射影行列Pに基づき空間の座標系(X,Y,Z)におけるX線源11の位置情報(lx,ly,lz)を演算し記憶部37bに保存する。
X線検出器位置演算部41bは、射影行列Pに基づき空間の座標系(X,Y,Z)におけるX線検出器12の位置情報(cx,cy,cz)を演算し記憶部37bに保存する。
X線検出器姿勢演算部41cは、姿勢情報(ux, uy,uz)(vx,vy,vz)(wx,wy,wz)を演算し記憶部37bに保存する。
そして第2演算部42で演算された調整量に基づいてX線源11のアライメント調整が行われる。
第3演算部43は、空間の座標系(X,Y,Z)におけるX線検出器12の設計情報45とその位置情報(cx,cy,cz)及び姿勢情報(ux,uy,uz)(vx,vy,vz)(wx,wy,wz)とに基づいてX線検出器12の調整量(ずれ量)を演算する。
そして第3演算部43で演算された調整量に基づいてX線検出器12のアライメント調整が行われる。
このように、自動機能では、基準点の領域23(231〜236)の認識範囲の修正が必要となる場合がある。
手動設定部35は、基準点の領域23(231〜236)の認識を、入力手段36を介して手動により設定するものである。そして手動設定した領域23(231〜236)から、6つの射影座標(un,vn);n=1〜6が算出される。
例えば修正した基準点の射影座標(u1,v1)の位置を正とした場合、式(8)が成立する。さらに式(7)のp14、p24以外の射影行列のパラメータpを式(9)で求める。この式(9)で求めたパラメータpを使用し、式(8)からp14、p24を算出する。
これにより、基準点の射影座標を修正して、正確なX線源11の位置情報(lx,ly,lz)及びX線検出器12の位置情報(cx,cy,cz)及び姿勢情報(ux,uy,uz)(vx,vy,vz)(wx,wy,wz)を求めることができる。
上記は修正した1つの基準点を正とした場合であるが、複数の基準点でも可能である。
また、本実施形態は、一対のX線撮影機器10が、空間の座標系(X,Y,Z)に固定されたものを例示しているが、複数対のX線撮影機器10が設置される場合であったり、アイソセンタが中心となるように回転したりする場合も適用することができる。
なお、このフローチャートにおいて、説明の便宜上、治療計画の段階(S11〜S13)、アライメント調整の段階(S14〜S20)及びビーム照射治療の段階(S22〜S26)を連続的に示しているが、それぞれの段階は独立した作業工程である。
アライメント調整の作業が定期的に行われる場合、患者治療の一連の工程において、アライメント調整の段階は、治療計画の段階に先立って実施される場合や、省略される場合もありうる。
そして、このボクセルデータから特定した患部の領域に基づいて、治療ビームの照射位置、照射角度、照射範囲、放射線量、回数などの条件を決定する(S12)。
X線源11から出力したX線を、基準点20(201〜206)に放射し、X線検出器12上に射影し、リファレンス体21のX線透視画像13aを撮影する(S15)。
そして、この透視画像13aから認識された基準点の領域23(231〜236)の各々から、射影座標(un,vn);n=1〜6を決定する(S16)。
そして、この射影行列Pに基づき、空間の座標系におけるX線源11の位置情報(lx,ly,lz)、X線検出器12の位置情報(cx,cy,cz)及び姿勢情報(ux, uy,uz)(vx,vy,vz)(wx,wy,wz)を演算する(S18)。
患者15を固定したベッド16を治療空間の座標系(X,Y,Z)の決定位置に移動し、患者15の患部の位置をアイソセンタに合わせる(S22)。
そして、両者が許容範囲内で一致していなければ(S25 No)、ベッド16の移動を再調整する(S21〜S22)。
そして、両者が許容範囲内で一致していれば(S25 Yes)、治療ビームを患部に照射する(S26 END)。
また、このアライメント調整支援装置は、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワーク又は専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
Claims (6)
- X線源及びX線検出器が設置された空間の座標系に位置決めされた少なくとも6個の基準点に対し、一方向より、前記X線源から出力したX線を放射させ、前記X線検出器上に射影させた透視画像を入力する透視画像入力部と、
前記透視画像の座標系において、認識された前記6個の基準点の領域から、各々の領域を代表する6つの射影座標を決定する決定部と、
前記空間の座標系における前記6個の基準点の空間座標を、前記一方向より射影させた前記透視画像の座標系において対応する前記6つの射影座標に、座標変換する射影行列を導出する導出部と、
前記射影行列に基づき、前記空間の座標系における前記X線源の位置情報、並びに前記X線検出器の位置情報及び姿勢情報を演算する第1演算部と、を備えることを特徴とするX線撮影機器のアライメント調整支援装置。 - 請求項1に記載のX線撮影機器のアライメント調整支援装置において、
前記空間の座標系における前記X線源の設計情報とその前記位置情報とに基づいて、前記X線源の調整量を演算する第2演算部と、
前記空間の座標系における前記X線検出器の設計情報とその前記位置情報及び前記姿勢情報とに基づいて、前記X線検出器の調整量を演算する第3演算部と、を備えることを特徴とするX線撮影機器のアライメント調整支援装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のX線撮影機器のアライメント調整支援装置において、
前記透視画像を表示するとともに認識された前記基準点の領域を前記透視画像に重ね書き表示させる表示部を備えることを特徴とするX線撮影機器のアライメント調整支援装置。 - 請求項3に記載のX線撮影機器のアライメント調整支援装置において、
前記基準点の領域の認識を手動設定により行う手動設定部を備えることを特徴とするX線撮影機器のアライメント調整支援装置。 - X線源及びX線検出器が設置された空間の座標系に少なくとも6個の基準点を位置決めするステップと、
前記X線源から出力したX線を、一方向より、6個の基準点に対し放射するステップと、
前記X線検出器上に射影させた透視画像を入力するステップと、
前記透視画像の座標系において、認識された前記6個の基準点の領域から、各々の領域を代表する6つの射影座標を決定するステップと、
前記空間の座標系における前記6個の基準点の空間座標を、前記一方向より射影させた前記透視画像の座標系において対応する前記6つの射影座標に、座標変換する射影行列を導出するステップと、
前記射影行列に基づき、前記空間の座標系における前記X線源の位置情報、並びに前記X線検出器の位置情報及び姿勢情報を演算するステップと、を含むことを特徴とするX線撮影機器のアライメント調整支援方法。 - コンピュータに、
X線源及びX線検出器が設置された空間の座標系に位置決めされた少なくとも6個の基準点に対し、一方向より、前記X線源から出力したX線を放射させ、前記X線検出器上に射影させた透視画像を入力するステップ、
前記透視画像の座標系において、認識された前記6個の基準点の領域から、各々の領域を代表する6つの射影座標を決定するステップ、
前記空間の座標系における前記6個の基準点の空間座標を、前記一方向より射影させた前記透視画像の座標系において対応する前記6つの射影座標に、座標変換する射影行列を導出するステップ、
前記射影行列に基づき、前記空間の座標系における前記X線源の位置情報、並びに前記X線検出器の位置情報及び姿勢情報を演算するステップ、を実行させることを特徴とするX線撮影機器のアライメント調整支援プログラム。
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