JP6732396B1 - ステアリングメンバ構造 - Google Patents

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    • B62D25/00Superstructure or monocoque structure sub-units; Parts or details thereof not otherwise provided for
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Abstract

【課題】主に、第1支持部材をダッシュパネルに接続する構造にした場合でも、前突時の衝撃吸収などを行わせることができるようにする。【解決手段】車幅方向Yへ延びてステアリングコラム5を支持するメンバ本体6と、メンバ本体6を支持する支持部材7とを備えたステアリングメンバ構造に関する。支持部材7は、メンバ本体6から車両前方側に位置するダッシュパネル8へ向け、斜め下方へ延びてダッシュパネル8に接続される第1支持部材21(ステー)と、メンバ本体6から車両前方側へ延び、第1支持部材21より上方でダッシュパネル8に接続される第2支持部材22(ポスト)と、を有している。第1支持部材21には、第1支持部材21を下方へ屈曲変形させるための脆弱部23が形成されている。第1支持部材21の側方には、空調装置24が隣接配置されている。【選択図】図2

Description

この発明は、ステアリングメンバ構造に関するものである。
自動車などの車両は、車室内の前部にインストルメントパネルなどの内装パネルを備えている。このインストルメントパネルの内部には、ほぼ車幅方向へ延びて左右の車体パネル間を連結する金属製のステアリングメンバが設置されている。このステアリングメンバは、ステアリングコラムを支持するメンバ本体によって主に構成されている。メンバ本体の車幅方向の中間部には、ステーなどと呼ばれる支持部材が取付けられており、ステーによってメンバ本体の車幅方向の中間部を車体に対して上下方向に支持させている。
一般的なステアリングメンバの場合、ステーを、メンバ本体からほぼ真下へ延ばして、車体のフロアパネルに取付けることで、メンバ本体をステーによって車体のフロアパネルに支持させるようにしている。
しかし、近年、インストルメントパネルは薄型化される傾向にあり、ステーをメンバ本体からほぼ真下へ延ばすと、薄型化したインストルメントパネルからステーの下部が露出してしまうので、見栄えが悪くなる。そのため、ステーの下部の露出した部分をカバーで覆うなどの必要が生じるが、このように、カバーを設けると、カバーによってインストルメントパネルの足元の広々感が損なわれてしまう。
そこで、例えば、特許文献1では、ステーに相当する支持部材(以下、ステーと言う)を、メンバ本体から車両前方側に位置するダッシュパネルへ向け斜め下方に延ばして、ダッシュパネルの下部に接続させるようにしている。そして、メンバ本体を車両前後方向に支持するためにダッシュパネルとメンバ本体との間に設けられているポストブラケット(別の支持部材)を、メンバ本体から車両前方側へ向け斜め上方に延ばして、ダッシュパネルの上部に接続させるようにしている。これにより、ポストブラケットに、車両前後方向に対する支持機能に加えて、上下方向に対する支持機能の一部を持たせて、斜めにしたステーの不足分の支持機能をポストブラケットによって補わせるようにしている。これらによって、薄型化したインストルメントパネルからステーの下部が露出するのを防止できるようにしている。
US2019/0031247号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたステアリングメンバ構造には、以下のような問題があった。
即ち、通常のメンバ本体から真下へ延びるステーの場合、接続されるフロアパネルは、車両前後方向に延びる面であり、加えて、センタートンネルなどの車両前後方向に対する補強構造を備えていることから(即ち、車両前後方向の入力に対して強い構造を備えていることから)、前突時における、ステーの下端部とフロアパネルとの接続部分の、車両後方側への移動量(後退量)が小さくて済む。
そのため、前突時には、メンバ本体とステーとの2つの部材が壁となって、ポストブラケットからの車両後方側への入力を受け止めることで、ポストブラケットを支障なく潰させて、衝撃吸収を行わせることができた。
これに対し、特許文献1の場合には、ステーの下端部とダッシュパネルとの接続部分は、ダッシュパネルとされており、ダッシュパネルが、車両前後方向とほぼ直交する面となっていることから(即ち、車両前後方向の入力に対してフロアパネルよりも弱い構造となっていることから)、通常のステーとフロアパネルとの接続部分よりも、前突時における接続部分の後退量(または後方移動量)が大きくなる。
そのため、前突時に、メンバ本体が、ポストブラケットとステーとの2つの部材からの車両後方側への入力を同時に受け止めることになり、メンバ本体のみを壁にして、ポストブラケットとステーとの両方を潰させて、衝撃吸収を行わせる必要がある。
特許文献1のものは、前突時にポストブラケットとステーとの2つの部材が車幅方向(横)へ膨らむように変形することで、メンバ本体への衝撃力を緩和させている。しかし、ステーの車幅方向の側方には、空調装置が配置されているので、ステーを車幅方向(横)へ屈曲させても空調装置と干渉して衝撃を吸収できず、メンバ本体の車室側への後退量についても十分に抑制することができない。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて、ステーに相当する支持部材をダッシュパネルに接続する構造にした場合であっても、前突時に空調装置との干渉を避けて衝撃吸収させるためになされたものである。
上記課題を解決するために、本発明は、
車幅方向へ延びてステアリングコラムを支持するメンバ本体と、
車両前方側に位置するダッシュパネルに前記メンバ本体を接続して該メンバ本体を支持する支持部材とを備えたステアリングメンバ構造であって、
前記支持部材は、
前記メンバ本体から前記ダッシュパネルへ向け、斜め下方へ延びて前記ダッシュパネルに接続される第1支持部材と、
前記メンバ本体から車両前方側へ延び、前記第1支持部材より上方で前記ダッシュパネルに接続される第2支持部材と、を有し、
前記第1支持部材には、該第1支持部材を下方へ屈曲変形させるための脆弱部が形成され、
前記第2支持部材には、該第2支持部材を上方へ屈曲変形させるための脆弱部が形成され、
前記第1支持部材及び前記第2支持部材の側方には、空調装置が隣接配置され、
側面視において、前記第1支持部材及び前記第2支持部材が前記空調装置の一部と重複し、
前記第1支持部材と前記第2支持部材の間に前記空調装置のダクトが配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、第1支持部材をダッシュパネルに接続する構造にした場合でも、前突時の衝撃吸収を空調装置との干渉を避けて行わせることでき
実施例にかかるステアリングメンバの全体斜視図である。 図1のステアリングメンバの支持部材の位置における側面図(側方から見た縦断面図)である。 ステアリングコラムの上下回動を示す側面図である。 フロアパネルの斜視図である。 前突時における支持部材の取付位置の後退量を示す側面図である。 空調装置の配置を示す側面図である。 空調装置の取付状態を示す背面図である。 第1支持部材の各部の形状を示す図である。 メンバ取付部を示す部分拡大側面図である。このうち、(a)は溶接後の状態、(b)は溶接前の状態である。 比較例にかかる支持部材の側面図である。 図10の比較例の図5と同様の側面図である。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図11は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
図1は、この実施例のステアリングメンバ1の構造(ステアリングメンバ構造)を示す斜視図である。図中の方向は、車両前後方向X、車幅方向Y、上下方向Zである。
図2の側面図に示すように、自動車などの車両2は、車室3内の前部にインストルメントパネル4などの内装パネルを備えている。このインストルメントパネル4の内部には、ほぼ車幅方向Yへ延びて左右の車体パネル(サイドパネル)間を連結する金属製のステアリングメンバ1(車体強度部材、図1)が車体強度部材として設置されている。
ステアリングメンバ1は、車幅方向Yへ延びてステアリングコラム5(図3)を支持するメンバ本体6と、メンバ本体6を支持する支持部材7とを備えている。
より詳細には、車室3の前部には、ダッシュパネル8が設けられている。ダッシュパネル8は、車体の前部に設けられたパネル部材であり、車体の一部を構成するものである。ダッシュパネル8は、エンジンルーム9と車室3とを前後に仕切る隔壁となっており、ほぼ車幅方向Yおよびほぼ上下方向Zに拡がるほぼ縦の面などとなっている。ダッシュパネル8は、ほぼフロントウィンドウ10の下辺部の位置の下側などに設置される。そして、インストルメントパネル4は、ダッシュパネル8の後面を覆うように設置される。そのため、インストルメントパネル4は、フロントウィンドウ10のほぼ下側の位置に設置される。
ダッシュパネル8の下縁部は、車室3の床を構成するフロアパネル11(図4)の前縁部に接合されている。フロアパネル11は、車体の一部を構成するパネル部材である。フロアパネル11は、ほぼ車幅方向Yおよび車両前後方向Xに拡がるほぼ横の面などとなっており、車幅方向Yのほぼ中央部には、車両前後方向Xに延びるセンタートンネル12などの凸状部分を形成することができる。このセンタートンネル12は、フロアパネル11にとって、車両前後方向Xに対する補強構造となる。そのため、フロアパネル11は、車両前後方向Xの入力に対して強い構造を備えている。これに対し、ダッシュパネル8は、車両前後方向Xとほぼ直交する縦の面となっているため、車両前後方向Xの入力に対してはフロアパネル11よりも弱くなっている。また、前突時のダッシュパネル8の後退量x1(または後方移動量、図5)は、フロアパネル11の後退量x2よりも大きくなっている。このように、ダッシュパネル8の後退量x1が大きくなるのは、前突時に車両2のエンジンが直接ダッシュパネル8に当接して、ダッシュパネル8を後方へ押圧するためであることは言うまでもない。なお、ダッシュパネル8の上部と下部の後退量x1については、同じであるとは限らない。
ステアリングメンバ1は、ステアリングコラム5を支持するメンバ本体6によって主に構成されている。メンバ本体6は、ダッシュパネル8の後方に、ダッシュパネル8から離した状態で設置される。メンバ本体6は、ダッシュパネル8の上端部よりは低く、ダッシュパネル8の下端部よりも高い位置に設置される。例えば、メンバ本体6は、ダッシュパネル8の上下方向Zの中央部よりも高い位置などに、フロアパネル11から上方へ離した状態で設置されている。
メンバ本体6は、ほぼ車幅方向Yへ延びる長尺部材である。メンバ本体6には、様々な形状や構造のものが存在しており、どのような形状や構造のメンバ本体6を用いても良いが、この実施例では、円形断面を有して車幅方向Yへほぼ一直線状に延びる中空の筒状部材となっている。これにより、メンバ本体6は、薄型のインストルメントパネル4の内部に設置するのに最も適したものとなる。
メンバ本体6は、図1に示すように、必要な強度の違いから運転席側が大径部13とされ、助手席側が小径部14とされている。大径部13と小径部14との間には、大径部13から小径部14へ向かって徐々に縮径する円錐状の縮径部15が形成されている。大径部13および小径部14は、それぞれ内外径共に径寸法がほぼ一定で、滑らかな円筒面を有しており、また、それぞれ全長に亘ってほぼ一定の肉厚を有している。なお、メンバ本体6は、運転席側から助手席側までの全長に亘って内外径共に均一径で、均一断面で、均一肉厚のものなども存在しており、この実施例のメンバ本体6もそのようなものにしても良い。
メンバ本体6の両端部には、サイドブラケット16がそれぞれ設けられており、サイドブラケット16を左右の車体パネル(サイドパネル)に取付けることで、メンバ本体6は車体に設置される。即ち、メンバ本体6は、両端部が車体に対して固定される。
メンバ本体6の運転席側の部分(大径部13)には、コラムブラケット17が設けられており、ステアリングコラム5は、コラムブラケット17によってメンバ本体6に取付けられる。ステアリングコラム5は、ステアリングホイールを有する車両2の操舵手段である。ステアリングコラム5は、メンバ本体6の下側に懸垂状態で取付けられる。
更に、メンバ本体6は、車幅方向Yの中間部を、支持部材7によって車体に支持させるようにしている。支持部材7は、メンバ本体6と車体との間に設置される。上記した支持部材7は、主にメンバ本体6の大径部13の(小径部14寄りの)位置に、コラムブラケット17から離した状態で取付けられる。支持部材7については、以下に説明する。
上記のような構成に対し、この実施例のステアリングメンバ構造は、以下のような構成を備えることができる。
(1)図2に示すように、支持部材7は、
メンバ本体6から車両前方側に位置するダッシュパネル8へ向け、斜め下方へ延びてダッシュパネル8に接続される第1支持部材21と、
メンバ本体6から車両前方側へ延び、第1支持部材21より上方でダッシュパネル8に接続される第2支持部材22と、を有している。
第1支持部材21には、第1支持部材21を下方へ屈曲変形させるための脆弱部23が形成されている。
第1支持部材21の側方には、空調装置24(図6、図7)が隣接配置されている。
ここで、第1支持部材21および第2支持部材22は、それぞれ別部材として設けられ、メンバ本体6に対してそれぞれ取付けられる。
第1支持部材21は、車体に対し、メンバ本体6の車幅方向Yの中間部(例えば、運転席側と助手席との間、または、運転席側の助手席寄りの部分)を、主に上下方向Zに支持させるためのステーとしての機能を有するものとされる。第1支持部材21は、全体として前下がりの傾斜形状とされることで(傾斜部材)、メンバ本体6を車両前後方向Xに対して支持する機能も一部有するものとなる。
第1支持部材21は、長手方向の中間部がメンバ本体6を支持する支持部となる。第1支持部材21は、後述するように、先端部(下端部)がダッシュパネル8に取付けられ、後端部(上端部)がメンバ本体6(の大径部13)に取付けられる。なお、第1支持部材21の長手方向の中間部は、先端部と後端部以外の、先端部と後端部の間の部分のことである。
第2支持部材22は、車体に対し、メンバ本体6の車幅方向Yの中間部(例えば、運転席側の助手席寄りの部分)を、主に車両前後方向Xに支持させるためのポストブラケットとしての機能を有するものとされる。なお、第2支持部材22は、第1支持部材21より上方でダッシュパネル8に接続されていれば良いが、第2支持部材22は、メンバ本体6よりも上側の位置でダッシュパネル8に接続されるようにするのが好ましい。このように、第2支持部材22を、メンバ本体6よりも上側の位置でダッシュパネル8に接続することで、メンバ本体6の上方への振動を効率良く抑えることができるようになる。また、第2支持部材22は、全体として(前上がりまたは後ろ下がりの)傾斜形状とされることで(傾斜部材)、メンバ本体6を上下方向Zに対して支持する機能も一部有するものとなる。
第2支持部材22は、長手方向の中間部がメンバ本体6を支持する支持部となる。第2支持部材22は、全体として、第1支持部材21よりも水平に近い傾きのものとされており、第2支持部材22の中間部は第1支持部材21の中間部よりも短くなっている。第2支持部材22は、後述するように、先端部(上端部)がダッシュパネル8に取付けられ、後端部(下端部)がメンバ本体6(の大径部13など)に取付けられる。なお、第2支持部材22の長手方向の中間部は、先端部と後端部以外の、先端部と後端部の間の部分のことである。第2支持部材22については、後述する。
なお、第2支持部材22と同様の支持部材25(図1)は、必要に応じて、メンバ本体6の運転席側(大径部13)の端部近傍の位置や助手席側の位置(小径部14)などに、適宜追加して設けることができる。
下方へ屈曲変形とは、第1支持部材21の中間部が、前突時に上下方向Zの下方へ向かうように屈曲変形されることである(図5の破線)。前突時の第1支持部材21の下方への屈曲変形は、車幅方向Yへの変形をほとんど伴わないものとするのが好ましい。なお、この実施例では、上方・下方は、ある位置からの方向を指す用語として使用し、上側・下側は、ある境界線に関してどちら側(上または下)に位置するかという領域を指す用語として使用している。よって、文脈によっては同じ意味・内容を指す場合もあるが、一般的には上方・下方は、上側・下側よりも指す内容が狭くなる。
脆弱部23は、第1支持部材21の中間部に設けられる脆弱な部位のことである。脆弱部23は、通常時(平常時)には第1支持部材21を屈曲変形させないが、前突時には第1支持部材21を下方へ屈曲変形させられる程度の脆弱性を、第1支持部材21に付与するものとされる。脆弱部23は、どのようなものとしても良いが、この実施例の具体的な脆弱部23については、後述する。
空調装置24は、車室3内の温度を調整するための装置である。空調装置24の本体(HVACユニット)は、例えば、車幅方向Yのほぼ中央部の位置などに設置される。第1支持部材21は、車幅方向Yのほぼ中央部に設置された空調装置24の運転席側の側面に対して、車幅方向Yに近接した状態で隣接配置される。第1支持部材21は、助手席側の面が、空調装置24へ向けられる。
(2)脆弱部23は、第1支持部材21を下方へ屈曲させた形状の屈曲部31、または、下方へ湾曲させた形状の湾曲部を有しても良い。
ここで、脆弱部23としての屈曲部31または湾曲部は、第1支持部材21の中間部(支持部)に構成される。第1支持部材21が屈曲部31または湾曲部を有することにより、第1支持部材21の中間部を(屈曲部31や湾曲部のない)単純な直線形状にした場合と比べて、第1支持部材21を所望の強度となるように脆弱化することが可能となる。
下方へ屈曲させた形状、または、下方へ湾曲させた形状は、屈曲部31または湾曲部を有することによって、第1支持部材21の中間部(支持部)の全体を側方から見たときに、第1支持部材21の中間部のほぼ全体が、側方から見て、第1支持部材21の中間部の先端側(下端側)と後端側(上端側)とを結んだ直線33よりも下側に位置するような形状(例えば、谷型)になっていることである。
屈曲部31は、折れ曲がったような形状をしている部位のことである(但し、実際に曲げられたものということではない)。具体的には、少なくとも1つの角部を有する形状または部分のことである。第1支持部材21は全体として一つの角部を有するものとしても良いし、多数の角部を有するものとしても良い。角部は、2つの辺の交点に形成される図形である、各辺は、例えば、直線であっても良いし、直線に近い曲線であっても良い。
湾曲部は、弓なりに曲がったような形状をしている部位のことである(但し、実際に曲げられたものということではない)。具体的には、少なくとも1つのアール部を有する形状または部分のことである。第1支持部材21は全体として一つのアール部を有するものとしても良いし、多数のアール部を有するものとしても良い。また、湾曲部は、アール部の両側に直線や曲線状の辺を有していても良い。
なお、屈曲部31と湾曲部とは、第1支持部材21に同時に備えられても良い。
この実施例では、第1支持部材21は、中間部(支持部)の長手方向(ほぼ車両前後方向X)のほぼ真ん中の位置に、1つの角部34を有して下側へ屈曲された形状の屈曲部31などとなっている。角部34は、上側の角度が鈍角となっている。角部34を構成する2つの辺は、ほぼ直線状の傾斜部35,36となっている。角部34よりも前側の傾斜部35は、比較的緩い前下がりの斜辺となっている。角部34よりも後側の傾斜部36は、前側の傾斜部35よりも急な前下がりの斜辺となっている。なお、下方へ屈曲させた形状、または、下方へ湾曲させた形状は、第1支持部材21の中間部(支持部)の全体を側方から見た場合の表現であり、前側の傾斜部35を基準として見た場合には、後側の傾斜部36は、上方へ屈曲または湾曲された形状となり、後側の傾斜部36を基準として見た場合には、前側の傾斜部35は、上方へ屈曲または湾曲された形状となる。
第1支持部材21の中間部の全体を下方へ屈曲させた屈曲部31とすることで、第1支持部材21は角部34を屈曲起点として下方へ向かって屈曲変形され易い形状になる(図5)。第1支持部材21の屈曲部31が下方へ屈曲変形される際には、角部34の角度が小さくなることで、前側の傾斜部35は、寝たような状態になると共に、後側の傾斜部36は、立ち上がったような状態になる。
以下、主に、第1支持部材21の中間部を屈曲部31とした場合について説明するが、第1支持部材21の中間部を湾曲部とする場合については、屈曲部31を湾曲部と、角部34をアール部と、それぞれ読み替えるものとする。また、その他の必要な読み替えも行うものとする。
(3)脆弱部23は、少なくとも第1支持部材21の下縁部に切欠部41を有しても良い。
ここで、切欠部41は、切り欠かれたような形状となっている部分のことである(但し、実際に切り欠いたものとする必要はない)。切欠部41は、脆弱部23の一つとして第1支持部材21の中間部に設けられる。切欠部41を設けることで、第1支持部材21の中間部が脆弱化されて、前突時に第1支持部材21が屈曲変形を起こし易く成る。
切欠部41は、例えば、屈曲部31または湾曲部が設けられていない直線形状をした第1支持部材21の中間部の下縁部に対して単独で形成することもできる。これに対し、この実施例では、切欠部41は、主たる脆弱部23としての屈曲部31または湾曲部が設けられた第1支持部材21の中間部に、屈曲部31または湾曲部による第1支持部材21の脆弱性を所望の状態に調整するための補助的な脆弱部23などとして、第1支持部材21の中間部に単数または複数形成されている。
切欠部41は、屈曲部31の角部34や湾曲部のアール部と同じ位置に形成して角部34と共に1つの屈曲起点となるようにしても良いし、角部34やアール部とは異なる位置に形成して単独で屈曲起点となるようにしても良いし、これらを組み合わせて形成しても良いが、この実施例のように少なくとも1つを屈曲部31の角部34や湾曲部のアール部と同じ位置に形成すると相乗効果が得られるので好ましい。
この実施例では切欠部41は、屈曲部31とされた第1支持部材21の中間部における、角部34と同じ位置に対して1箇所設けられている。より具体的には、切欠部41は、屈曲部31の角部34の下側に、角部34とほぼ向かい合った状態で設けられている。このように、切欠部41を、角部34と上下に向かい合わせに設けることで(または、角部34の反対側を切欠いたような形状にすることで)、第1支持部材21は下方へ向けての屈曲変形をより起こり易いものにできる。
ここで、第1支持部材21についてより詳しく説明すると、第1支持部材21は、ほぼ上下方向Zに向いた縦向きの面(縦面部42)で主に構成されている。そして、この縦面部42の上縁部から、(助手席側または運転席側へ向けて)ほぼ車幅方向Yへ延びる横向きの面(横面部43)が一体に形成されることで、第1支持部材21は、ほぼL字断面の部材とされている。
第1支持部材21は、図8に示すように、縦面部42の上縁部と横面部43の一側縁部との繋ぎ部分がアール形状をしたコーナー部44となっており、このコーナー部44が少なくとも中間部の長手方向の全域に亘って連続されることによって、第1支持部材21の長手方向に対する最低限の剛性が確保されると共に、車体から第1支持部材21への入力をメンバ本体6に伝達できるようになっている。このような第1支持部材21は、例えば、一枚の金属板を曲げ加工することなどによって製造できる。横面部43および縦面部42は、それぞれ、目立った凹凸や段差などがなく、滑らかに連続した面などによって構成されている。
そして、第1支持部材21の縦面部42は、側方から見た場合に、(切欠部41などがなければ)全体として前側の幅が狭く、後側の幅が広くなるように、後方へ向かって幅が徐々に広くなる後拡がり(または、前狭まり)の概略形状を有している。
このような後拡がりの概略形状をした縦面部42は、図2に示すように、中間部(支持部)を下側へ屈曲する屈曲部31にするために、上縁部が、前後の傾斜部35,36と、傾斜部35,36の間に形成される角部34とを有する谷型形状とされる。また、第1支持部材21の横面部43は、側方から見て、縦面部42の上縁部(の傾斜部35,36や角部34)に沿った谷折り形状などとされる。横面部43は、ほぼ全長に亘ってほぼ一定の幅寸法に形成されている。
そして、縦面部42の下縁部については、上記したように、屈曲部31の角部34とは反対側の対向する位置に切欠部41が形成される。切欠部41は、側方から見て、ほぼ逆V字状とされる。ほぼ逆V字状の切欠部41は、頂部が比較的尖った形状となっている。そして、切欠部41の後側には、切欠部41と連続するように、側方から見て、ほぼS字状をした切込部45が形成される。ほぼS字状をした切込部45は、切欠部41よりも上側の部分のほぼ半部以上の範囲に亘って長く形成される。
そのため、第1支持部材21の中間部の縦面部42は、側方から見て、後端側の部分が、最も幅寸法が広く、自然な後拡がり(または、前狭まり)形状を有する第一部分42aとされ、その前側の角部34までの部分には、ほぼS字状の切込部45によって、第一部分42aのほぼ半分でほぼ一定の幅寸法を有する第二部分42bが形成され、角部34の位置が、切欠部41によってほぼアール形状のコーナー部44のみとなる第三部分42cとされ、角部34から前端近傍までの部分が、第二部分42bとほぼ同じかそれよりも若干幅の狭い、ほぼ一定の幅寸法の第四部分42dとされる。第四部分42dは第二部分42bよりも若干車両前後方向Xに長く形成される。
なお、第一部分42a〜第四部分42dの間には、ほぼS字状をした切込部45や、ほぼ逆V字状の切欠部41などの切欠形状によって幅寸法が急変される移行部分42e〜42h(幅急変部分など)が複数形成される。これらの移行部分42e〜42hは、幅寸法が急変されることで応力が集中し易くなっていることから、前突時に第1支持部材21が角部34で屈曲変形される際に、角部34以外の屈曲起点になり易い(特に、移行部分42e)。
そして、図2に示すように、第1支持部材21は、屈曲部31とされた中間部(支持部)に対し、車両前後方向Xの前端部(下端部)にパネル取付部46を有し、車両前後方向Xの後端部(上端部)にメンバ取付部47を有している。パネル取付部46はダッシュパネル8に後方側から前方へ向けてボルト固定され、メンバ取付部47はメンバ本体6に対して溶接固定される。
パネル取付部46はダッシュパネル8の下端側の位置8a(例えば、フロアパネル11のセンタートンネル12の頂部よりも高い位置8a、図4)に取付けられる。なお、上記した、第1支持部材21の先端部(下端部)と後端部(上端部)とを結ぶ直線33は、メンバ取付部47とパネル取付部46との最上部を結ぶ線とされる。
そして、第1支持部材21のパネル取付部46は、第1支持部材21の前端部分を、ダッシュパネル8の面に沿ってほぼ垂直下方へ延びるように下へ向けて屈曲した当接部となっている。パネル取付部46の横面部43は、ダッシュパネル8の面に対して後方側から当接されボルト固定(ボルト46a)される縦向きの当接面とされ、パネル取付部46の縦面部42は、当接面の一側部に位置してほぼ一定の幅寸法で上下方向Zに延設される。
そして、第1支持部材21のパネル取付部46と中間部(屈曲部31)との間の屈曲部分48は、上に凸の山型形状となっており、前突時に第1支持部材21の屈曲部31が下方へ屈曲変形される際に、屈曲部分48が屈曲起点となって、屈曲部分48の下側の角度が小さくなるように変形することで、屈曲部31の前側の傾斜部35の傾動中心になる。
この屈曲部分48では、縦面部42の上縁部および横面部43が上に凸の山型形状となる。縦面部42の下縁部には、前突時に曲がり易くするために、ほぼ逆V字状の切込部49が形成されている。ほぼ逆V字状の切込部49は、頂部が丸い円弧状になっている。このほぼ逆V字状の切込部49によって縦面部42は、屈曲部分48の位置周辺が狭幅部となる。
一方、図9に示すように、第1支持部材21のメンバ取付部47は、主に、縦面部42の第一部分42aの上端部分(後端部分)に形成される。第一部分42aの上端部分は、側方から見て、幅寸法が最も大きくなっており、メンバ本体6の径寸法とほぼ同じとされている。そして、第一部分42aの上端部分が、メンバ本体6の外周面とほぼ合致する径の円弧状に切り欠かれた形状とされて(円弧状切欠部51)、円弧状切欠部51がメンバ本体6の外周面の下部周辺の前寄りの位置に対し周方向に当接されると共に、周方向に溶接固定(溶接部52)されている。
また、横面部43は、第一部分42aの円弧状の切込部45の位置よりも若干長くメンバ本体6の側へ延ばされて(延長部53)、延長部53がメンバ本体6の周面の前側中間部または前側上部に対して車幅方向Yに当接されると共に、車幅方向Yに溶接固定(溶接部54)されている。
更に、第一部分42aでは、縦面部42の下縁部に対しても横面部43と同様の第二の横面部143を設けることで、第1支持部材21は、縦面部42と、上下一対の横面部43および第二の横面部143とによって、部分的にほぼC字状の断面になっている。
そして、第二の横面部143は、第一部分42aの円弧状の切込部45の位置よりも若干長くメンバ本体6側へ延ばされて(延長部55)、延長部55がメンバ本体6の周面の後側下部に対して車幅方向Yに当接されると共に、車幅方向Yに溶接固定(溶接部56)されている。
この際、第二の横面部143(の溶接部56)は、メンバ本体6の軸心位置57を通るステアリングコラム5の上下回動の軌跡58のうち、下側への軌跡58と、メンバ本体6の表面との交点59となる位置よりも車両後方側の位置にてメンバ本体6に溶接固定されるようにする。これにより、メンバ本体6の下側への振動をより効果的に抑制することが可能になる。ステアリングコラム5は、インストルメントパネル4内におけるステアリングホイールに一番近い位置に設けられているユニバーサルジョイント5a(図3)の位置を中心として、上下回動されるようになっている。
同様に、横面部43(の溶接部54)は、メンバ本体6の軸心位置57を通るステアリングコラム5の上下回動の軌跡58のうち、上側への軌跡58と、メンバ本体6の表面との交点60となる位置の近傍または交点60よりも上側にてメンバ本体6に溶接固定されるようにするのが好ましい。
(4)図6(図7)に示すように、空調装置24は、第1支持部材21に対し取付点61を介して固定されても良い。
第1支持部材21と第2支持部材22との間に、空調装置24から吹出される空調風を導風する空調ダクト63が設けられ(配索され)ても良い。
第1支持部材21と空調装置24との間の取付点61は、脆弱部23(屈曲部31、湾曲部、切欠部41など)よりも上側にのみ設けられていても良い。
ここで、取付点61は、空調装置24を車体に対して取付ける部分のことである。図7に示すように、取付点61は、第1支持部材21のメンバ取付部47の周辺から空調装置24の後面の後側へ向けて横へ延びる取付ブラケット64に設けられる。そして、取付ブラケット64の取付点61に、空調装置24の後面の運転席側の上部が、後方側から前方側へ向けてボルト固定される。
また、メンバ本体6の小径部14における助手席側の位置には、第1支持部材21との間で空調装置24を間に挟み得る車幅方向Yの間隔を有して、ほぼ下方へ延びる取付ブラケット65が取付けられ、取付ブラケット65の上部と下部には、空調装置24の後面の後側へ向けて横へ延びる上下の取付片66,67が上下に隔てて設けられる。そして、上下の取付片66,67にそれぞれ設けられた取付点68に、空調装置24の後面の助手席側の上部および下部が、後方側から前方側へ向けてそれぞれボルト固定される。これらにより、空調装置24は、後面がメンバ本体6に3点で固定される。
なお、取付ブラケット65には、上側の取付片66と下側の取付片67との間、または、上側取付片66とメンバ本体6との間の位置に、第1支持部材21の脆弱部23の切欠部41などと同様の脆弱部(切欠部など)などを設けても良い。この脆弱部(切欠部など)により、第一支持部材21の変形時に、空調装置24を介して取付ブラケット65に荷重が作用しても、取付ブラケット65に設けた脆弱部が変形することによって、第一支持部材21を確実に変形させることができる。
空調風は、空調装置24から車室3内に吹き出される温度調整用の風のことである。
空調ダクト63は、図6に示すように、例えば、乗員の足元に空調風を送るためのフットダクトなどとされる。空調ダクト63は、空調装置24の側面に設けられた吹出口24aに上端部が接続され、第1支持部材21と第2支持部材22との間のスペースを横に通って、下端部が乗員の足元へ向けて下方へ導かれる。なお、第1支持部材21と第2支持部材22との間のスペースには、空調装置24の側面からの突出物なども挿入され得るようになっている。空調装置24の側面からの突出物は、例えば、空調装置24の吹出口24aに設けられたドアを駆動するアクチュエータ69などとすることができる。
脆弱部23(屈曲部31、湾曲部、切欠部41)よりも上側は、脆弱部23(屈曲部31、湾曲部、切欠部41)よりも高い位置にある部位のことであり、第1支持部材21の長手方向の後端側の第一部分42aや第二部分42bなどである。第一部分42aや第二部分42bは、第1支持部材21の中間部が下方へ屈曲変形する際の変位量が比較的小さい部位である。この実施例では、取付ブラケット64は、第一部分42aに取付けられている。
(5)図2に示すように、第2支持部材22は、メンバ本体6から車両前方側へ向け斜め上方へ延びて、ダッシュパネル8に接続されても良い。また、第2支持部材22は、上方へ屈曲させた形状の屈曲部71または上方へ屈曲させた湾曲部を有しても良い。
ここで、第2支持部材22は、第1支持部材21とは主となる支持方向が異なってはいるものの、基本的に第1支持部材21と同様の支持部材7であるため、第1支持部材21と同様の構成を備えることができる。
例えば、第2支持部材22には、前突時に第2支持部材22を上方へ屈曲変形させるための脆弱部72を形成することができる。
上方へ屈曲変形とは、第2支持部材22の中間部が、前突時に上下方向Zの上方へ向かうように屈曲変形されることである。前突時の第2支持部材22の上方への屈曲変形は、車幅方向Yへの変形をほとんど伴わないものとするのが好ましい。
脆弱部72は、第2支持部材22の中間部に設けられる脆弱な部位のことである。脆弱部72は、通常時には第2支持部材22を屈曲変形させないが、前突時には第2支持部材22を上方へ屈曲変形させられる程度の脆弱性を、第2支持部材22に付与するものとされる。第2支持部材22の脆弱部72の内容については、第1支持部材21の脆弱部23とほぼ同様である。
そして、脆弱部72は、第2支持部材22を上方へ屈曲させた形状の屈曲部71、または、上方へ湾曲させた形状の湾曲部となっていても良い。
ここで、脆弱部72としての屈曲部71または湾曲部は、第2支持部材22の中間部(支持部)に構成される。第2支持部材22に屈曲部71または湾曲部を設けることにより、第2支持部材22の中間部を単純な直線形状にした場合と比べて、第2支持部材22を所望の強度となるように脆弱化することが可能となる。屈曲部71および湾曲部の内容については、第1支持部材21とほぼ同様である。この実施例では、第2支持部材22の屈曲部71は、第1支持部材21の屈曲部31よりも若干、車両前後方向Xの前側の位置に形成されている。
上方へ屈曲させた形状、または、上方へ湾曲させた形状は、第2支持部材22の中間部(支持部)の全体を側方から見たときに、第2支持部材22の中間部のほぼ全体が、第2支持部材22の中間部の先端側(下端側)と後端側(上端側)とを結んだ直線74よりも上側に位置するような形状(例えば、山型)になっていることである。
この実施例では、第2支持部材22は、中間部(支持部)の長手方向(ほぼ車両前後方向X)のほぼ真ん中の位置に、1つの角部75を有して上方へ屈曲された形状の屈曲部71などとなっている。角部75は、下側の角度が鈍角となっている。角部75の両側の辺は、ほぼ直線状の緩傾斜部76(または水平部76)および傾斜部77となっている。角部75よりも前側の緩傾斜部76は、水平面または水平に近い前上がりの斜辺となっている。角部75よりも後側の傾斜部77は、比較的緩い前上がりの斜辺となっている。なお、上方へ屈曲させた形状、または、上方へ湾曲させた形状は、第2支持部材22の中間部(支持部)の全体を側方から見た場合の表現であり、前側の緩傾斜部76を基準として見た場合には、後側の傾斜部77は、下方へ屈曲または湾曲された形状となり、後側の傾斜部77を基準として見た場合には、前側の緩傾斜部76は、下方または前方へ屈曲または湾曲された形状となる。
第2支持部材22の中間部の全体を上側へ屈曲された屈曲部71とすることで、第2支持部材22は角部75を屈曲起点として上方へ向かって屈曲変形され易い形状になる。第2支持部材22の屈曲部71が上方へ屈曲変形される際には、角部75の下側の角度が小さくなることで、前側の緩傾斜部76と後側の傾斜部77は、共に立ち上がったような状態になる。
以下、主に、第2支持部材22の中間部を屈曲部71とした場合について説明するが、第2支持部材22の中間部を湾曲部とする場合については、屈曲部71を湾曲部と、角部75をアール部と、それぞれ読み替えるものとする。また、その他に必要な読み替えもできるものとする。
屈曲部71または湾曲部には、切欠部78が形成されていても良い。
ここで、切欠部78は、切り欠かれたような形状となっている部分のことである(但し、実際に切り欠いたものとする必要はない)。切欠部78は、脆弱部72の一つとして第2支持部材22の中間部に設けられる。切欠部78を設けることで、第2支持部材22の中間部が脆弱化されて、前突時に第2支持部材22が屈曲変形を起こし易く成る。
切欠部78は、例えば、屈曲部71または湾曲部が設けられていない直線形状をした第2支持部材22の中間部に対して単独で形成することもできる。これに対し、この実施例では、切欠部78は、主たる脆弱部72としての屈曲部71または湾曲部が設けられた第2支持部材22の中間部に、屈曲部71または湾曲部による第2支持部材22の脆弱性を所望の状態に調整するための補助的な脆弱部72などとして、第2支持部材22の中間部に単数または複数形成されている。
切欠部78は、屈曲部71の角部75や湾曲部のアール部と同じ位置に形成して角部75と共に1つの屈曲起点となるようにしても良いし、角部75やアール部とは異なる位置に形成して単独で屈曲起点となるようにしても良いし、これらを組み合わせて形成しても良いが、この実施例のように少なくとも1つを屈曲部71の角部75や湾曲部のアール部と同じ位置に形成すると相乗効果が得られるので好ましい。
この実施例では切欠部78は、屈曲部71とされた第2支持部材22の中間部における、角部75と同じ位置に対して1箇所設けられている。より具体的には、切欠部78は、屈曲部71の角部75の下側に、角部75とほぼ向かい合った状態で設けられている。このように、切欠部78を、角部75と上下に向かい合わせに設けることで(または、角部75の反対側を切欠いたような形状にすることで)、第2支持部材22は上方へ向けての屈曲変形をより起こり易いものにできる。
ここで、第2支持部材22についてより詳しく説明すると、第2支持部材22は、ほぼ上下方向Zに向いた縦向きの面(縦面部81)で主に構成されている。そして、この縦面部81の上縁部から、(助手席側または運転席側へ向けて)ほぼ車幅方向Yへ延びる横向きの面(横面部82)が一体に形成されることで、第2支持部材22は、L字断面の部材とされている。
第2支持部材22は、縦面部81の上縁部と横面部82の一側縁部との繋ぎ部分がアール形状をしたコーナー部83となっており、このコーナー部83が少なくとも中間部の長手方向の全域に亘って連続されることによって、第2支持部材22の長手方向に対する最低限の剛性が確保されると共に、車体から第2支持部材22への入力をメンバ本体6に伝達できるようになっている。このような第2支持部材22は、例えば、一枚の金属板を曲げ加工することなどによって製造できる。横面部82および縦面部81は、それぞれ、目立った凹凸や段差などがなく、滑らかに連続した面などによって構成されている。
そして、第2支持部材22の縦面部81は、側方から見た場合に、(切欠部78などがなければ)全体として前側の幅が狭く、後側の幅が広くなるように、後方へ向かって幅が徐々に広くなる後拡がり(または、前狭まり)の概略形状を有している。
なお、第2支持部材22の縦面部81は、全体として、第1支持部材21の縦面部42よりも若干幅寸法(上下方向Zの寸法)が広くなるように形成されている。このように、第2支持部材22の縦面部81の幅寸法を比較的大きめにすることで、通常時の第2支持部材22によるメンバ本体6の車両前後方向Xおよび上下方向Zへの支持、および、前突時の第2支持部材22の上方への屈曲変形の両方にとって最適な断面係数を確保できるようにしている。
このような後拡がりの概略形状をした縦面部81は、中間部(支持部)を上側へ屈曲する屈曲部71にするために、上縁部が、前後の緩傾斜部76および傾斜部77と、緩傾斜部76および傾斜部77の間に形成される角部75とを有する山型形状とされる。また、第2支持部材22の横面部82は、側方から見て、縦面部81の上縁部(の傾斜部35,36や角部75)に沿った山折り形状などとされる。横面部82は、ほぼ全長に亘ってほぼ一定の幅寸法に形成することができる。
そして、縦面部81の下縁部については、上記したように、屈曲部71の角部75とは反対側の対向する位置に切欠部78が形成される。切欠部78は、側方から見て、ほぼ逆V字状とされる。ほぼ逆V字状の切欠部78は、頂部が丸い円弧状になっている。そして、切欠部78よりも後側の位置には、必要に応じて縦面部81の内部に貫穴84が形成される。貫穴84は、切欠部78よりも後側となる部分のほぼ全域に亘って形成することができる。
そのため、第2支持部材22の中間部の縦面部81は、側方から見て、後端側の部分が、最も幅寸法が広く、後拡がり(または、前狭まり)形状を有する第一部分81aとされ、その前側の角部75の位置が、切欠部78によって幅が狭くなる第二部分81bとされ、角部75から前端近傍までの部分が、第一部分81aよりも若干幅の狭い、ほぼ一定または後拡がりの幅寸法の第三部分81cとされる。第二部分81bは、第1支持部材21の第三部分42cよりは若干幅が広くなっている。
なお、第一部分81a〜第三部分81cの間には、頂部が丸い円弧状になったほぼ逆V字状の切欠部78などの切欠形状によって幅寸法が急変される移行部分81d,81e(幅急変部分など)が複数形成される。
そして、第2支持部材22は、屈曲部71とされた中間部(支持部)に対し、車両前後方向Xの前端部(上端部)にパネル取付部85を有し、車両前後方向Xの後端部(下端部)にメンバ取付部86を有している。パネル取付部85はダッシュパネル8に後方側から前方へ向けてボルト固定され、メンバ取付部86はメンバ本体6に対して溶接固定される。
パネル取付部85はダッシュパネル8の上端側の位置に取付けられる。なお、上記した、第2支持部材22の先端部(下端部)と後端部(上端部)とを結ぶ直線74は、メンバ取付部86とパネル取付部85との最下部を結ぶ線とされる。
そして、第2支持部材22のパネル取付部85は、第2支持部材22の前端部分の横面部82を、縦面部81よりも前方に延長すると共に、延長部をダッシュパネル8の面に沿ってほぼ垂直下方へ延びるように下へ向けて屈曲した当接部となっている。パネル取付部85の横面部82(当接部)は、ダッシュパネル8の面に対して後方側から当接されボルト固定(ボルト85a)される。
(6)第1支持部材21と第2支持部材22は、メンバ本体6の車幅方向Yの同一位置に設置されていても良い(図1)。
ここで、同一位置とは、第1支持部材21のメンバ本体6に対する取付け位置と、第2支持部材22のメンバ本体6に対する取付け位置とが、車幅方向Yに対して同じとなっていることである。
この際、図9に示すように、第2支持部材22の後端部によって、メンバ本体6と第1支持部材21の後端部との両方を同時に、前側から後斜め下方へ向けて係止させるようにしても良い。
これにより、通常時には、メンバ本体6および第1支持部材21を同時に第2支持部材22で車両前後方向Xおよび上下方向Zに支持することが可能になる。よって、通常時におけるメンバ本体6の上下振動に対する抑制効果を高めると共に、第1支持部材21の塑性変形を抑制することができる。
または、第2支持部材22の後端部を、メンバ本体6と第1支持部材21の後端部との両方で、後側から前斜め上方へ向けて係止させるようにしても良い。これにより、前突時には、メンバ本体6および第1支持部材21の後端部(屈曲変形時の後退量が比較的少ない部位)の2つの部材が壁となって、第2支持部材22からの車両後方側への入力を受け止めることで、第2支持部材22を潰させて、衝撃吸収を行わせることができる。
そのために、第2支持部材22の後端部のメンバ取付部86は、縦面部81のほぼ上下方向Zの幅寸法wを、メンバ本体6の直径rの寸法よりも大きくする。例えば、縦面部81の幅寸法wは、メンバ本体6の直径rの1.1倍〜1.5倍程度などとする。
そして、第2支持部材22の縦面部81の後端部の上側を、メンバ本体6の外周面とほぼ合致する径の円弧状部91とし、縦面部81の後端部の下側を、第1支持部材21の後端部の上縁部や横面部43と平行な直線状部92とする。円弧状部91は、メンバ本体6の外周のほぼ1/4程度に及ぶ大きさなどとされる。直線状部92は、第1支持部材21に対して上下方向Zに重複される重複部とされる。直線状部92は、第2支持部材22の後端部の幅寸法wとメンバ本体6の直径rとの差よりも大きく、メンバ本体6の直径rよりは小さいものとされる。
そして、円弧状部91をメンバ本体6の外周面の前側上部に前側から当接係止させると共に、外周面に沿って周方向に溶接固定する(溶接部93)。
また、横面部82は、円弧状部91の位置よりも若干長くメンバ本体6の側へ延ばされて(延長部87)、延長部87がメンバ本体6の周面の前側上部または後側上部に対して車幅方向Yに当接されると共に、車幅方向Yに溶接固定(溶接部94)される。この際、横面部82(の溶接部94)は、メンバ本体6の軸心位置57を通るステアリングコラム5の上下回動の軌跡58のうち、上側への軌跡58と、メンバ本体6の表面との交点60となる位置よりも車両後方側の位置にてメンバ本体6に溶接固定されるようにする。これにより、メンバ本体6の上側への振動をより効果的に抑制することが可能になる。
また、直線状部92を第1支持部材21の後端部分の上縁部や横面部43に前側から当接係止させると共に、第1支持部材21の後端部分の上縁部に沿ってほぼ上下方向Zに溶接固定する(溶接部95)。なお、第2支持部材22の縦面部81の下縁部は、第1支持部材21の後端部分の上縁部に対して、力を有効に伝えられるように、90度の角度でほぼ直角に突き当たるようにするのが好ましい。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
ステアリングメンバ1は、車幅方向Yへ延びてステアリングコラム5を支持するメンバ本体6と、メンバ本体6を支持する支持部材7とを備えている。メンバ本体6は、両端部が車体の左右の側面パネルに固定されることで、車体の前側や車室3の前部を、主に車幅方向Yに補強する。また、メンバ本体6は、車幅方向Yの中間部を支持部材7によって車体に支持される。そして、ステアリングコラム5をメンバ本体6が支持し、メンバ本体6の車幅方向Yの中間部を支持部材7が車体に支持するようになっている。
通常の場合、図10、図11に示すように、支持部材7は、ほぼ上下方向Zへ延びるステー97と、ほぼ車両前後方向Xへ延びるポストブラケット98との2つの部材によって構成されている。ステー97は、主にメンバ本体6をフロアパネル11に対して上下方向Zに支持するものとされ、ポストブラケット98は、主にメンバ本体6をダッシュパネル8に対して車両前後方向Xに支持するものとされている。ステー97の下端部は、フロアパネル11のセンタートンネル12の側面の位置12aに横方向から固定されている。ステー97の下側のインストルメントパネル4から露出する部分は、カバー99(例えば、センターコンソールの前部など)によって覆われる。
これに対し、この実施例では、ステー97に相当する第1支持部材21およびポストブラケット98に相当する第2支持部材22の両方を、ダッシュパネル8に対して、それぞれ車両前後方向Xおよび上下方向Zに支持させるように取付構造を変更している。
これにより、第1支持部材21は、下部が、フロアパネル11へ向けて下方へ延びるものではなくなるので、例えば、薄型化したインストルメントパネル4から第1支持部材21の下部が露出するのを防止できるようになり、第1支持部材21の下部(の露出する部分)を覆うためのカバーなども不要となり、足元の広々感を得ることができる。
そして、通常時には、ダッシュパネル8が後退されないため、主に第1支持部材21によって、また、補助的に第2支持部材22によって、メンバ本体6が上下方向Zに支障なく支持される。更に、主に第2支持部材22によって、また、補助的に第1支持部材21によって、メンバ本体6が車両前後方向Xに支障なく支持される。
前突時に、ダッシュパネル8が後退した場合には、屈曲部31を有する第1支持部材21が下方へ向けて屈曲変形され、また、屈曲部71を有する第2支持部材22が上方へ向けて屈曲変形されることで、衝撃を吸収すると共に、メンバ本体6の後退量を少なくする。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(効果1)この実施例では、第1支持部材21(ステー)を、メンバ本体6から車両前方側に位置するダッシュパネル8へ向け、斜め下方へ延びてダッシュパネル8に接続されるようにし、第2支持部材22(ポストブラケット)を、メンバ本体6から車両前方側へ延び、第1支持部材21より上方でダッシュパネル8に接続されるようにしている。これにより、メンバ本体6を上下方向Zおよび車両前後方向Xの両方向に対して支持することができる。
この際、第1支持部材21が、ダッシュパネル8の下側の位置に接続されることで、メンバ本体6の下方への振動を効率良く抑えることができる。そして、第1支持部材21と第2支持部材22とダッシュパネル8との間には、トラス構造が形成される。このトラス構造でメンバ本体6を支持することによってメンバ本体6のダッシュパネル8に対する支持剛性を確保でき、走行振動などによるメンバ本体6の上下振動を抑制できる。
また、第1支持部材21がダッシュパネル8へ向け斜め下方へ延びていることで、メンバ本体6の下側に足元空間を確保すると共に、インストルメントパネル4などの車室3前部の内装構造に対する造形自由度を向上できる。そして、支持部材7の下部がインストルメントパネル4から露出されないので、支持部材7の下部をカバーで覆うなどの必要がなくなり、インストルメントパネル4の足元の広々感を得ることができる。
更に、メンバ本体6がダッシュパネル8に対し、主に第2支持部材22を介して車両前後方向Xに支持されており、第2支持部材22がメンバ本体6の車両前後方向Xの変位を規制するため、第1支持部材21の前端部をダッシュパネル8に接続し、第1支持部材21の後端部をメンバ本体6に接続する構造(即ち、車両前後方向Xの入力の影響を受け易い構造)にしても、通常時(平常時)における車両前後方向Xの入力に対する第1支持部材21の塑性変形が防止される。
そして、前突時においてダッシュパネル8が後退した場合に、第1支持部材21に設けた脆弱部23によって、第1支持部材21が干渉物のない下方へと屈曲変形されることで、衝撃を吸収して第1支持部材21からメンバ本体6への車両後方への入力を抑えるように機能する。これにより、衝突性能(前突時に必要とされる性能)が確保され、ステアリングメンバ1にとって必要な支持剛性と衝突性能という2つの相反する機能を両立できるようになる。また、前突時に、メンバ本体6のみにて、第1支持部材21を受けて第1支持部材21を潰す壁としての機能を果たすことができるようになる。そして、第1支持部材21の屈曲変形によって、メンバ本体6の車両後方への変位(後退量)も抑制できるようになる。
この際、第1支持部材21は、脆弱部23によって干渉物のない下方へと確実に屈曲変形されるため、第1支持部材21の側方に対して空調装置24を隣接配置しても、第1支持部材21は、屈曲変形によって空調装置24に干渉することがない。よって、第1支持部材21の側方に対して空調装置24を支障なく隣接配置することが可能となる。または、前突時に屈曲変形されるように設定された第1支持部材21による周囲のレイアウトへの影響をなくすことができる。
(効果2)脆弱部23は、第1支持部材21を下方へ屈曲させた形状の屈曲部31、または、下方へ湾曲させた形状の湾曲部を有しても良い。このように、脆弱部23が屈曲部31または湾曲部を有することによって、前突時における、第1支持部材21の屈曲変形の方向を、屈曲部31または湾曲部によって、より確実に下方へ向かうように設定できる。
(効果3)脆弱部23は、少なくとも第1支持部材21の下縁部に切欠部41を有しても良い。このように脆弱部23が第1支持部材21の下縁部に切欠部41を有することによって、前突時における第1支持部材21の屈曲変形方向を、切欠部41によって、より確実に下方へ向かうように設定できる。
(効果4)空調装置24は、第1支持部材21に対し取付点61を介して固定されても良い。このようにすることで、空調装置24を、第1支持部材21に設けた取付点61に、物理的に固定できるようになる。
第1支持部材21と第2支持部材22との間に、空調装置24から吹出される空調風を導風する空調ダクト63が設けられても良い。このようにすることで、第1支持部材21と第2支持部材22との間に形成される上下方向Zのスペースを有効に利用して空調ダクト63を効率的に設置できる。
第1支持部材21と空調装置24との間の取付点61は、脆弱部23よりも上方にのみ設けられても良い。このように、脆弱部23よりも上側のみに取付点61を設けることで、脆弱部23よりも上方の位置は、屈曲変形時の第1支持部材21の後退量が少ない部位なので、第1支持部材21を脆弱部23にて下方へ屈曲変形され易くすると共に、第1支持部材21が脆弱部23で下方へ屈曲変形された時の取付点61の車両後方側への取付点61の変位量を最小限に抑えることができる。
(効果5)第2支持部材22は、メンバ本体6から車両前方側へ向け斜め上方へ延びて、ダッシュパネル8に接続されるようにしても良い。このように、第2支持部材22を傾斜配置とすることによって、第2支持部材22に、メンバ本体6に対する上下方向Zの支持機能と車両前後方向Xの支持機能との両方を持たせることができる。また、第2支持部材22が、メンバ本体6より上側の位置でダッシュパネル8に接続されることで、メンバ本体6の上方への振動を効率良く抑えることができる。そして、上記した傾斜配置により、第1支持部材21と第2支持部材22とダッシュパネル8との間には、トラス構造が形成される。このトラス構造でメンバ本体6を支持することによってメンバ本体6のダッシュパネル8に対する支持剛性を確保でき、走行振動などによるメンバ本体6の上下振動を抑制できる。
そして、第2支持部材22は、上方へ屈曲させた形状の屈曲部71または上方へ湾曲させた湾曲部を有しても良い。このようにすることで、第2支持部材22の屈曲変形が確実に上方へ向かうように設定でき、前突時にダッシュパネル8が後退した場合に、屈曲部71または湾曲部が第2支持部材22を干渉物のない上方へと屈曲変形させることで、衝撃を吸収して第2支持部材22からメンバ本体6への車両後方への入力を抑えるように機能する。そして、第2支持部材22が屈曲部71または湾曲部によって上方へ屈曲変形されることで、前突時に、メンバ本体6のみにて、第2支持部材22を受けて第2支持部材22を潰す壁としての機能を果たすことなどもできるようになる。そして、第2支持部材22が上方へ屈曲変形されることで、メンバ本体6の車両後方への変位も抑制できるようになる。
この際、第2支持部材22は、屈曲部71または湾曲部の位置で干渉物のない上方へと確実に屈曲変形されるため、第2支持部材22の側方に対して空調装置24を隣接配置しても、第2支持部材22は、屈曲変形によって空調装置24に干渉することがない。よって、第2支持部材22の側方に対して空調装置24を支障なく隣接配置することが可能となる。または、前突時に屈曲変形されるように設定された第2支持部材22による周囲のレイアウトへの影響をなくすことができる。
(効果6)第1支持部材21と第2支持部材22は、メンバ本体6の車幅方向Yの同一位置に設置されても良い。このように、メンバ本体6の車幅方向Yの同一位置を、第1支持部材21と第2支持部材22との両方で同時に支持することで、第1支持部材21と第2支持部材22との協働作用によって、上下方向Zおよび車両前後方向Xに対するメンバ本体6の支持をより効率的に行わせることができる。また、第1支持部材21と第2支持部材22との協働作用によって、前突時における、第1支持部材21の下方への屈曲変形や、第2支持部材22の上方への屈曲変形を、よりスムーズに行わせることができる。
1 ステアリングメンバ
2 車両
5 ステアリングコラム
6 メンバ本体
7 支持部材
8 ダッシュパネル(車体)
11 フロアパネル
21 第1支持部材
22 第2支持部材
23 脆弱部
24 空調装置
31 屈曲部
41 切欠部
61 取付点
63 空調ダクト
71 屈曲部
X 車両前後方向
Y 車幅方向
Z 上下方向

Claims (5)

  1. 車幅方向へ延びてステアリングコラムを支持するメンバ本体と、
    車両前方側に位置するダッシュパネルに前記メンバ本体を接続して該メンバ本体を支持する支持部材とを備えたステアリングメンバ構造であって、
    前記支持部材は、
    前記メンバ本体から前記ダッシュパネルへ向け、斜め下方へ延びて前記ダッシュパネルに接続される第1支持部材と、
    前記メンバ本体から車両前方側へ延び、前記第1支持部材より上方で前記ダッシュパネルに接続される第2支持部材と、を有し、
    前記第1支持部材には、該第1支持部材を下方へ屈曲変形させるための脆弱部が形成され、
    前記第2支持部材には、該第2支持部材を上方へ屈曲変形させるための脆弱部が形成され、
    前記第1支持部材及び前記第2支持部材の側方には、空調装置が隣接配置され、
    側面視において、前記第1支持部材及び前記第2支持部材が前記空調装置の一部と重複し、
    前記第1支持部材と前記第2支持部材の間に前記空調装置のダクトが配置されていることを特徴とするステアリングメンバ構造。
  2. 請求項1に記載のステアリングメンバ構造であって、
    前記第1支持部材の前記脆弱部は、前記第1支持部材を下方へ屈曲させた形状の屈曲部、または、下方へ湾曲させた形状の湾曲部を有し、
    前記第2支持部材の前記脆弱部は、前記第2支持部材を上方へ屈曲させた形状の屈曲部、または、上方へ湾曲させた形状の湾曲部を有することを特徴とするステアリングメンバ構造。
  3. 請求項1に記載のステアリングメンバ構造であって、
    前記第1支持部材の前記脆弱部は、前記第1支持部材の下縁部に切欠部を有し
    前記第2支持部材の前記脆弱部は、前記第2支持部材を上方へ屈曲させた形状の屈曲部、または、上方へ湾曲させた形状の湾曲部の一方、および、前記第2支持部材の下縁部に、切欠部を有していることを特徴とするステアリングメンバ構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のステアリングメンバ構造であって、
    前記空調装置は、前記第1支持部材に対し取付点を介して固定されていると共に、
    前記第1支持部材と前記空調装置との間の前記取付点は、前記第1支持部材の前記脆弱部よりも上側にのみ設けられていることを特徴とするステアリングメンバ構造。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のステアリングメンバ構造であって、
    前記第1支持部材と前記第2支持部材は、前記メンバ本体の前記車幅方向の同一位置に設置されていることを特徴とするステアリングメンバ構造。
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