JP6732253B2 - 電磁クラッチおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁クラッチおよびその製造方法に関し、特に、電磁特性および騒音特性等の各種特性を高いレベルで両立させた電磁クラッチおよびその製造方法に関する。
電磁クラッチは、空気調和機の圧縮機とエンジン等の動力源との間に配設され、圧縮機と動力源とを機械的に且つ断続的に接続する機械機構である。この種の電磁クラッチは、コイルが内蔵されたロータと、ロータの側方に配置されたアーマチュアと、駆動軸とアーマチュア板とを接続するハブと、を主に備えている。
動力源から圧縮機に動力を伝達させる際には、コイルに電力を供給することで発生した磁力で、アーマチュアをロータの側面に吸着させる。これにより、アーマチュアとロータとがハブを介して駆動的に連結され、エンジンで空気調和機の圧縮機が運転される。
一方、コイルへの電力の供給を停止すると、上記磁力が消滅してアーマチュアがロータ側面から離れ、アーマチュアとロータとが駆動的に分断される。これにより、空気調和機の圧縮機が停止する。
上記した電磁クラッチの磁気効率を向上させるための発明が、特許文献1に記載されている。ここでは、アーマチュアを、バックプレートと、バックプレートの上面に配置された内円板および外円板から構成している。かかる構成により、磁路が有効に形成されて電磁クラッチの効率を向上している。
特開2002−48156号公報
しかしながら、上記した電磁クラッチのアーマチュアでは、アーマチュア板として内円板および外円板を備えることで、電磁クラッチの磁気特性を向上させていたが、電磁クラッチが備えるべき他の特性(例えば騒音特性)は考慮されていなかったため、改良の余地があった。特に、電磁クラッチの各種特性を向上させるためには、アーマチュアを構成する各板材の厚さが肝要であるが、上記した文献に記載された電磁クラッチは係る技術事項が考慮されたものではなかった。
更に、上記した電磁クラッチのアーマチュアは、複数のアーマチュア板をカシメ加工等の接合方法を用いて接合することで製造される。しかしながら、カシメ加工が施された接合部ではアーマチュア板同士は良好に密着するが、接合部から離れた部分ではアーマチュア板同士が離間してしまい、その結果として電磁クラッチの騒音特性が低下してしまう恐れがあった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、磁気特性と騒音特性とを高いレベルで両立させた電磁クラッチおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の電磁クラッチは、コイルが内蔵されたロータと、前記ロータの軸方向側方に配置され、前記コイルから発生する磁力により前記ロータの側面に吸着されるアーマチュアと、を具備し、前記アーマチュアは、前記ロータ側から積層された第1アーマチュア板および第2アーマチュア板から構成されるアーマチュア積層板を有し、前記第1アーマチュア板は、前記第2アーマチュア板の半径方向内側部分に接合されたリング状の内輪アーマチュア板と、前記第2アーマチュア板の半径方向外側部分に接合されたリング状の外輪アーマチュア板と、を有し、前記第1アーマチュア板の厚さは、1.5mm以上3.0mm以下であり、前記第2アーマチュア板の厚さは、0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする。
また、本発明の電磁クラッチでは、前記第1アーマチュア板と前記第2アーマチュア板との間に、第3アーマチュア板を有し、前記第3アーマチュア板は、同心円的に個別に前記第2アーマチュア板に接合された内輪アーマチュア板および外輪アーマチュア板を有することを特徴とする。
また、本発明の電磁クラッチでは、前記第3アーマチュア板の厚さは、0.5mm以上1.5mm以下であることを特徴とする。
また、本発明の電磁クラッチでは、前記アーマチュア積層板の前記第2アーマチュア板側の面に配設された制振板と、前記制振板と前記アーマチュア積層板との間に配設された付勢手段と、前記外輪アーマチュア板または前記内輪アーマチュア板を前記第2アーマチュア板に接合する第1接合手段と、前記制振板または前記付勢手段を前記アーマチュア積層板に接合する第2接合手段と、を更に具備し、前記第2接合手段は、円周方向において、前記第1接合手段どうしの間に配置されることを特徴とする。
本発明は、積層された複数のアーマチュア板から成るアーマチュア積層板を備えた電磁クラッチの製造方法であり、リング状の外輪アーマチュア板と、リング状の内輪アーマチュア板と、を有する第1アーマチュア板と、第2アーマチュア板とを積層させる工程と、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を、上下方向から治具で押圧する工程と、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を前記治具で押圧した状態で、前記外輪アーマチュア板および前記内輪アーマチュア板を前記第2アーマチュア板に第1接合手段で接合する工程と、を具備し、前記治具は、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を上方から押圧する上治具と、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を下方から押圧する下治具と、を具備し、前記下治具は、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板が載置される第1下治具と、前記第1下治具の下方に配置される第2下治具と、前記第1下治具と前記第2下治具との間に配設されるスプリングと、前記第1接合手段を下方から押圧する押圧部と、を有し、前記接合する工程では、前記上治具と前記下治具との間に前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を配置し、前記第1接合手段を前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板の孔に載置し、前記上治具を下方に押圧することで、前記スプリングを圧縮しつつ、前記第1下治具を押し下げ、前記押圧部で下方から前記第1接合手段を押圧して変形させることで、前記第1アーマチュア板と前記第2アーマチュア板とを接合することを特徴とする。
また、本発明の電磁クラッチの製造方法では、前記接合する工程にて、前記治具に形成された孔部を経由して、前記外輪アーマチュア板および前記内輪アーマチュア板を前記第2アーマチュア板に前記第1接合手段で接合することを特徴とする。
また、本発明の電磁クラッチの製造方法では、前記第1下治具と前記第2下治具とは、締結手段により、前記スプリングを圧縮させた状態で、締結されることを特徴とする。
また、本発明の電磁クラッチの製造方法では、前記積層させる工程では、前記第1アーマチュア板と、前記第2アーマチュア板との間に、内輪アーマチュア板および外輪アーマチュア板から成る第3アーマチュア板を配置することを特徴とする。
また、本発明の電磁クラッチの製造方法では、制振板および付勢手段を、第2接合手段を介して、前記アーマチュア板に接合する工程と、を更に具備し、前記アーマチュア積層板の円周方向において、前記第2接合手段は、前記第1接合手段どうしの間に配置されることを特徴とする。
本発明の電磁クラッチは、コイルが内蔵されたロータと、前記ロータの軸方向側方に配置され、前記コイルから発生する磁力により前記ロータの側面に吸着されるアーマチュアと、を具備し、前記アーマチュアは、前記ロータ側から積層された第1アーマチュア板および第2アーマチュア板から構成されるアーマチュア積層板を有し、前記第1アーマチュア板は、前記第2アーマチュア板の半径方向内側部分に接合されたリング状の内輪アーマチュア板と、前記第2アーマチュア板の半径方向外側部分に接合されたリング状の外輪アーマチュア板と、を有し、前記第1アーマチュア板の厚さは、1.5mm以上3.0mm以下であり、前記第2アーマチュア板の厚さは、0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする。
従って、ロータ側に配置される第1アーマチュア板を、内輪アーマチュア板および外輪アーマチュア板から構成することで、アーマチュア板をロータに吸着させる際に形成される磁気回路の磁気抵抗を小さくし、ロータがアーマチュアを吸着する吸着力を向上させることが出来る。
また、第1アーマチュア板を、同心円的に個別に前記第2アーマチュア板に接合された内輪アーマチュア板および外輪アーマチュア板から構成することで、外輪アーマチュア板と内輪アーマチュア板との間隙を短くし、上記した磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができる。更に、外輪アーマチュア板と内輪アーマチュア板とは、別体として第2アーマチュア板に接合されていることから、外輪アーマチュア板と内輪アーマチュア板とが連続する連続部がなく、この連続部を介して磁気が意図しない磁気回路を形成することが抑制され、上記した吸着力を更に向上させることができる。
更に、第1アーマチュア板の厚さを1.5mm以上3.0mm以下とし、第2アーマチュア板の厚さを、0.5mm以上2.0mm以下とすることで、吸引性能、伝達性能、静的騒音性能および動的騒音性能を、高いレベルで両立することができる。
また、本発明の電磁クラッチでは、前記第1アーマチュア板と前記第2アーマチュア板との間に、第3アーマチュア板を有し、前記第3アーマチュア板は、同心円的に個別に前記第2アーマチュア板に接合された内輪アーマチュア板および外輪アーマチュア板を有することを特徴とする。従って、第3アーマチュア板を有することで、アーマチュア板同士が接触する接触面積が増大するので、アーマチュア板がロータに吸着される際に発生する音を、アーマチュア板同士の接触面で吸収し、電磁クラッチを更に静音化することができる。
また、本発明の電磁クラッチでは、前記第3アーマチュア板の厚さは、0.5mm以上1.5mm以下であることを特徴とする。従って、第3アーマチュア板を中間層として配置することで静音特性を高めると共に、吸引性能および伝達性能等を向上することが出来る。
また、本発明の電磁クラッチでは、前記アーマチュア積層板の前記第2アーマチュア板側の面に配設された制振板と、前記制振板と前記アーマチュア積層板との間に配設された付勢手段と、前記外輪アーマチュア板または前記内輪アーマチュア板を前記第2アーマチュア板に接合する第1接合手段と、前記制振板または前記付勢手段を前記アーマチュア積層板に接合する第2接合手段と、を更に具備し、前記第2接合手段は、円周方向において、前記第1接合手段どうしの間に配置されることを特徴とする。従って、外輪アーマチュア板または内輪アーマチュア板の円周方向に沿って、第1接合手段と第2接合手段とが相互に配置され、外輪アーマチュア板または前記内輪アーマチュア板と第1アーマチュア板との間隙を小さくすることができる。
本発明は、積層された複数のアーマチュア板から成るアーマチュア積層板を備えた電磁クラッチの製造方法であり、リング状の外輪アーマチュア板と、リング状の内輪アーマチュア板と、を有する第1アーマチュア板と、第2アーマチュア板とを積層させる工程と、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を、上下方向から治具で押圧する工程と、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を前記治具で押圧した状態で、前記外輪アーマチュア板および前記内輪アーマチュア板を前記第2アーマチュア板に第1接合手段で接合する工程と、を具備し、前記治具は、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を上方から押圧する上治具と、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を下方から押圧する下治具と、を具備し、前記下治具は、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板が載置される第1下治具と、前記第1下治具の下方に配置される第2下治具と、前記第1下治具と前記第2下治具との間に配設されるスプリングと、前記第1接合手段を下方から押圧する押圧部と、を有し、前記接合する工程では、前記上治具と前記下治具との間に前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を配置し、前記第1接合手段を前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板の孔に載置し、前記上治具を下方に押圧することで、前記スプリングを圧縮しつつ、前記第1下治具を押し下げ、前記押圧部で下方から前記第1接合手段を押圧して変形させることで、前記第1アーマチュア板と前記第2アーマチュア板とを接合することを特徴とする。従って、汎用のプレス機などを用いて、上治具を上方から押圧することで、先ず、第1アーマチュア板と第2アーマチュア板とを密着させることができる。更に、上治具を上方から押圧することで、押圧部で下方から第1接合手段を変形させ、第1アーマチュア板と第2アーマチュア板とを接合することができる。よって、上治具を上方から押圧することのみで、第1アーマチュア板と第2アーマチュア板とを密着させ、且つ、第1アーマチュア板と第2アーマチュア板とを接合することができる。
また、本発明の電磁クラッチの製造方法では、前記接合する工程にて、前記治具に形成された孔部を経由して、前記外輪アーマチュア板および前記内輪アーマチュア板を前記第2アーマチュア板に前記第1接合手段で接合することを特徴とする。従って、孔部を経由して第1接合手段を押圧する簡易な方法で、アーマチュア板どうしを接合することができる。
また、本発明の電磁クラッチの製造方法では、前記第1下治具と前記第2下治具とは、締結手段により、前記スプリングを圧縮させた状態で、締結されることを特徴とする。従って、荷重変化率を小さくすることで、第1アーマチュア板および第2アーマチュア板の厚みに公差が存在することによる面圧の変動を小さくすることができ、第1アーマチュア板と第2アーマチュア板との密着性を向上させることができる。
また、本発明の電磁クラッチの製造方法では、前記積層させる工程では、前記第1アーマチュア板と、前記第2アーマチュア板との間に、内輪アーマチュア板および外輪アーマチュア板から成る第3アーマチュア板を配置することを特徴とする。従って、積層されるアーマチュア板を増やしてアーマチュア板同士の接触面積を増加させることで、静音効果が高められた電磁クラッチを製造することができる。
また、本発明の電磁クラッチの製造方法では、制振板および付勢手段を、第2接合手段を介して、前記アーマチュア板に接合する工程と、を更に具備し、前記アーマチュア積層板の円周方向において、前記第2接合手段は、前記第1接合手段どうしの間に配置されることを特徴とする。従って、アーマチュア板の円周方向において、第1接合手段および第2接合手段で、アーマチュア板同士を接合できることから、アーマチュア板同士の間に形成される間隙を小さくし、静音効果を大きくすることができる。
本発明の実施形態に係る電磁クラッチを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る電磁クラッチのアーマチュアを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る電磁クラッチのアーマチュア積層板を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る電磁クラッチにおける磁気回路を示す図であり、(A)は非接続時における磁気回路を示す図であり、(B)は接続時における磁気回路を示す図である。 本発明の実施形態に係る電磁クラッチのアーマチュア積層板を下方から見た図である。 本発明の実施形態に係る電磁クラッチのアーマチュア積層板を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る電磁クラッチを説明する図であり、(A)はアーマチュア積層板を示す分解斜視図であり、(B)は第2アーマチュア板の厚さT2と吸引特性との関係を示すグラフであり、(C)は第1アーマチュア板の厚さT1と伝達性能との関係を示すグラフであり、(D)は第1アーマチュア板の厚さT1と静的騒音性能との関係を示すグラフであり、(E)は第1アーマチュア板の厚さT1と動的騒音性能との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る電磁クラッチの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る電磁クラッチの製造方法を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る電磁クラッチの製造方法を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る電磁クラッチの製造方法に於いて、アーマチュア板同士の密着の度合いを示す図であり、(A)は比較例を示し、(B)は本形態によるものを示している。 本発明の実施形態に係る電磁クラッチの製造方法を示す斜視図である。 本発明の他の形態に係る電磁クラッチの製造方法を示す斜視図である。 本発明の他の形態に係る電磁クラッチの製造方法を示す図であり、(A)、(B)および(C)は、アーマチュア板を接合する各工程を示す断面図である。 本発明の他の形態に係る電磁クラッチの製造方法を示す図であり、(A)および(B)は、アーマチュア板を接合する各工程を示す拡大断面図である。 本発明の他の形態に係る電磁クラッチの製造方法を示す図であり、治具のストロークと荷重との関係を示すグラフである。
以下、図を参照して本形態の電磁クラッチ10およびその製造方法を説明する。以下の説明では、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。更に以下の説明では、上方および下方を適宜用いるが、上方とはロータ11に対してアーマチュア12が配設される側のことであり、下方とは上方に対峙する方向である。
<第1の実施の形態>
本形態では、電磁クラッチ10の構成を説明する。図1の断面図を参照して、本形態の電磁クラッチ10の概略構成を説明する。電磁クラッチ10は、ロータ11と、ロータ11の上方に配設されたアーマチュア12と、を主要に有している。電磁クラッチ10は、車両の車室内における冷暖房を行う空気調和機(不図示)の圧縮機とエンジン等の動力源(不図示)との間に介装され、圧縮機と動力源とを駆動的に且つ断続的に接続する機能を有する。また、電磁クラッチ10は、制御装置(不図示)から電力が供給されている間は、圧縮機と動力源とを駆動的に接続し、これにより空気調和機が運転される。一方、図示しない制御装置からの電気力の供給が停止されると、圧縮機と動力源とは駆動的に分断され、これにより空気調和機が停止される。
ロータ11は、概略的に環状形状を呈しており、ベルトを介して動力源から動力が伝達されるプーリと一体物として構成されている。ロータ11には、その円周方向に沿って複数のコイル13が内蔵されている。図示しない制御装置からコイル13に電力が供給されることでコイル13は励磁され、アーマチュア12がロータ11の上方側面に吸着され、アーマチュア12はロータ11と共に回転するように成る。
アーマチュア12は、ロータ11の上方側面に対向して配置され、後述するように、円環状の複数のアーマチュア板から構成される。ロータ11のコイル13に電力が供給されていない間は、アーマチュア12は、ロータ11の上方側面から離間しており、回転しない。一方、ロータ11のコイル13に電力が供給されて励磁している間は、アーマチュア12は、ロータ11の上方側面に吸着されており、ロータ11と共に回転する。
アーマチュア12の中央部付近にはハブ18が配置されており、ハブ18は、図示しない駆動軸を介して、ロータ11の下方側に配置される図示しない圧縮機と駆動的に接続されている。
後述するように、本形態の電磁クラッチ10では、磁気特性(吸引特性および伝達特性)および静音特性を考慮して、アーマチュア12に含まれるアーマチュア板の構成および厚さを決定している。よって、後述するように、電磁クラッチ10は、アーマチュア12がロータ11に吸着される際の吸着音が静音化され、且つ、この吸着に要される電力を削減することができる。
図2の斜視図を参照して、本形態の電磁クラッチ10を構成するアーマチュア12の構成を説明する。アーマチュア12は、円環状の鋼板から構成されるアーマチュア積層板14と、アーマチュア積層板14の上面に配設されたリーフスプリング15、制振板16およびハブ18と、を有している。また、アーマチュア12を構成する各部材同士は、後述するようにリベットでカシメ接合される。
アーマチュア積層板14は、円環状の第1アーマチュア板20と、第1アーマチュア板20の上面に積層された第2アーマチュア板21とから構成される。第1アーマチュア板20および第2アーマチュア板21は、鉄等の磁性体から成る。本形態では、後述するように、積層された第1アーマチュア板20および第2アーマチュア板21からアーマチュア積層板14を構成することで、静音特性を向上させている。
また、アーマチュア積層板14は、後述するカシメ接合を行った後に、塗装処理が行われる。よって、アーマチュア積層板14の表面は塗料で被覆され、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21との接触面は、塗料で被覆されない。即ち、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21との接触面は、金属面どうしの接触面となり、両者の間に塗料が介在しない。よって、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21との間隙を小さくすることで、更に、両者の間に塗料が介在しないことで、アーマチュア12の磁気的特性、即ち吸引特性および伝達特性を向上させることが出来る。
第1アーマチュア板20は、後述するように、直径が異なる複数の同心円状のアーマチュア板から構成され、これにより磁気特性を向上している。ここで、第1アーマチュア板20は、図1に示すロータ11と摩擦する面であることから、摩擦面側アーマチュア板と称される。一方、第2アーマチュア板21は、図1に示すロータ11とは摩擦しない面であることから、反摩擦面側アーマチュア板と称される。
制振板16は、平面視で略三角系形状を呈する金属板であり、アーマチュア12の振動を減衰させる機能を有する。制振板16の隅部は、接合ゴム24を介してアーマチュア積層板14に接触している。接合ゴム24を介して制振板16を接合することで、制振板16が制振効果を発揮することが出来る。
リーフスプリング15は、アーマチュア積層板14と制振板16との間に配置され、アーマチュア12を、ロータ11から離れる方向に付勢するための付勢手段である。上記したロータ11に内蔵されるコイル13が励磁されていない間は、リーフスプリング15の付勢力でアーマチュア12はロータ11と離間している。ここでは、3つのリーフスプリング15がアーマチュア積層板14の円周方向に沿って等間隔に配置されている。リーフスプリング15の外側の端部はアーマチュア積層板14にリベット23で接合され、リーフスプリング15の内側の端部は制振板16にリベット25で接合される。
ハブ18は、制振板16の中央部付近に配置され、その中央部分は円筒状に下方に突出し、圧縮機の駆動軸と駆動的に接続される。ハブ18、制振板16およびリーフスプリング15の内側部分は、リベット25で接合される。
図3を参照して、上記したアーマチュア12を構成するアーマチュア積層板14の構成を詳述する。アーマチュア積層板14は、第1アーマチュア板20と、第2アーマチュア板21と、を有している。また、第1アーマチュア板20は、半径方向内側に配置されたリング状の内輪アーマチュア板20Aと、半径後方外側に配置されたリング状の外輪アーマチュア板20Bと、から構成されている。内輪アーマチュア板20Aの内側縁部は、第2アーマチュア板21の内側縁部と一致している。外輪アーマチュア板20Bの外側縁部は、第2アーマチュア板21の外側縁部と一致している。
アーマチュア積層板14を、積層された第1アーマチュア板20および第2アーマチュア板21から構成することで、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21との接触面で、振動エネルギを熱エネルギに変換し、電磁クラッチ10の静音特性を向上することができる。また、第1アーマチュア板20を、内輪アーマチュア板20Aおよび外輪アーマチュア板20Bから構成することで、後述するように、電磁クラッチ10の磁気特性を向上することができる。
内輪アーマチュア板20Aに形成されたリベット孔31と、第2アーマチュア板21の半径方向内側に形成されたリベット孔29とを、リベット27で挿通して接合することで、内輪アーマチュア板20Aと第2アーマチュア板21とは接合されている。また、外輪アーマチュア板20Bに形成されたリベット孔30と、第2アーマチュア板21の半径方向外側に形成されたリベット孔28とを、リベット26で挿通して接合することで、外輪アーマチュア板20Bと第2アーマチュア板21とは接合されている。
このように、内輪アーマチュア板20Aと外輪アーマチュア板20Bとを別体として用意し、個別に第2アーマチュア板21に接合することで、内輪アーマチュア板20Aの半径方向外側端部と、外輪アーマチュア板20Bの半径方向内側端部との間隙の長さL1を短くすることができる。具体的には、L1を第1アーマチュア板20の厚み以下、更には、L1を第1アーマチュア板20の厚みの半分以下にすることができる。よって、後述するように、内輪アーマチュア板20Aおよび外輪アーマチュア板20Bと、ロータ11とが接触する面積を大きくして、電磁クラッチ10の磁気的特性を向上することが出来る。
また、ここでは、2枚の第1アーマチュア板20および第2アーマチュア板21からアーマチュア積層板14を構成しているが、後述するように、3枚以上のアーマチュア板を積層することでアーマチュア積層板14を構成してもよい。このようにすることで、アーマチュア板同士が接触する面積を大きくし、電磁クラッチ10の静音特性を向上することができる。
図4を参照して、上記した構成を有する電磁クラッチ10で形成される磁気回路を説明する。図4(A)はアーマチュア12がロータ11から離間しており、両者が駆動的に接続されていない非接続時における電磁クラッチ10を部分的に示す断面図である。図4(B)はアーマチュア12がロータ11に密着しており、両者が駆動的に接続されている接続時における電磁クラッチ10を部分的に示す断面図である。
図4(A)を参照して、ロータ11に内蔵されたコイル13が励磁されていない間は、アーマチュア12のアーマチュア積層板14はコイル13に吸引されないので、アーマチュア12はロータ11の上面から離間しており、アーマチュア12には駆動力は伝達されない。
この状態で、コイル13に電流を供給することで励磁させると、太い実線で示す磁気回路40が形成される。磁気回路40は、コイル13、第1アーマチュア板20、第2アーマチュア板21、第1アーマチュア板20およびコイル13の順番で磁気が通過する回路である。このような磁気回路40は、磁気抵抗が小さい第2アーマチュア板21を通過するため、アーマチュア12がロータ11に吸引される吸引力を大きくすることができる。
図4(B)を参照して、アーマチュア12のアーマチュア積層板14の下面がロータ11の上面に吸着されて接触すると、上記したとは経路が異なる磁気回路41が形成される。磁気回路41は、コイル13、第1アーマチュア板20(外輪アーマチュア板20B)、ロータ11の接触部42、第1アーマチュア板20(内輪アーマチュア板20A)およびコイル13の順番で磁気が通過する回路である。磁気回路41は、ロータ11とアーマチュア12との間で磁力が複数回往復することから、アーマチュア12がロータ11に吸引される吸引力を大きくすることができる。更に、本形態では、上記したように、内輪アーマチュア板20Aと、外輪アーマチュア板20Bとの間隙の幅L1を短くしていることから、内輪アーマチュア板20Aおよび外輪アーマチュア板20Bと、ロータ11との接触面積を大きくし、磁気回路41における磁力を更に強化している。
図5を参照して、アーマチュア積層板14に於ける接合箇所の配置に関して説明する。図5は、アーマチュア積層板14を下方から見た平面図である。また、この図では、上記した制振板16等を省いてアーマチュア積層板14のみを図示している。以下の説明では、アーマチュア板同士を接合するリベットが第1接合手段であり、リーフスプリング15または制振板16とアーマチュア積層板14とを接合するリベットが第2接合手段である。
内輪アーマチュア板20Aと、第2アーマチュア板21とは、リベット27を介して接合されている。リベット27は、円周方向に沿って等間隔に3個が配置されている。また、内輪アーマチュア板20Aの円周方向に沿って、リベット27同士の間にリベット孔35が配置されている。リベット孔35は、上記した制振板16をリベットでアーマチュア積層板14に接合するためのものである。リベット孔35の具体的な位置としては、内輪アーマチュア板20Aの円周方向において、リベット27同士の中央部が好ましい。このようにすることで、リベット孔35に挿入されるリベットおよびリベット27で、円周方向に沿って等間隔に内輪アーマチュア板20Aと第2アーマチュア板21とを密着させることができ、電磁クラッチ10の騒音特性を向上させることができる。
外輪アーマチュア板20Bと、第2アーマチュア板21とは、リベット26を介して接合されている。リベット26は、円周方向に沿って等間隔に3個が配置されている。また、外輪アーマチュア板20Bの円周方向に沿って、リベット26同士の間にリベット孔34が配置されている。リベット孔34は、上記したリーフスプリング15をリベットでアーマチュア積層板14に接合するためのものである。リベット孔34は、外輪アーマチュア板20Bの円周方向において、リベット26同士の中央部に配さされる。このようにすることで、リベット孔34に挿入されるリベットおよびリベット26で、円周方向に沿って等間隔に外輪アーマチュア板20Bと第2アーマチュア板21とを密着させることができ、電磁クラッチ10の騒音特性を向上させることができる。
図6の分解斜視図を参照して、アーマチュア積層板14の他の形態を説明する。ここでは、アーマチュア積層板14は、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21との間に、中間層としての第3アーマチュア板22を備えている。また、第3アーマチュア板22は、第1アーマチュア板20と同様に、内輪アーマチュア板22Aおよび外輪アーマチュア板22Bから構成されている。第3アーマチュア板22の内輪アーマチュア板22Aおよび外輪アーマチュア板22Bの平面視での大きさおよび形状は、第1アーマチュア板20の内輪アーマチュア板20Aおよび外輪アーマチュア板20Bの平面視での大きさおよび形状と略同一である。
第1アーマチュア板20の内輪アーマチュア板20Aに形成されたリベット孔31、第3アーマチュア板22の内輪アーマチュア板22Aに形成されたリベット孔45、および、第2アーマチュア板21に形成されたリベット孔29とは、同一のリベット27で接合される。また、第1アーマチュア板20の外輪アーマチュア板20Bに形成されたリベット孔30、第3アーマチュア板22の外輪アーマチュア板22B形成されたリベット孔46、および、第2アーマチュア板21に形成されたリベット孔28とは、同一のリベット26で接合される。アーマチュア積層板14に制振板16等が取り付けられる構成等は、図2に示した場合と同様である。
このように、3つのアーマチュア板からアーマチュア積層板14を構成することで、アーマチュア板同士が接触する接触面積が更に増大するので、振動エネルギを熱エネルギに変換して消音する消音特性を更に向上することができる。
図7を参照して、上記したアーマチュア積層板14を構成する各アーマチュア板の厚さに関して説明する。図7(A)はアーマチュア積層板14を示す分解斜視図であり、図7(B)は第2アーマチュア板21の厚さT2と吸引特性との関係を示すグラフであり、図7(C)は第1アーマチュア板20の厚さT1と伝達性能との関係を示すグラフであり、図7(D)は第1アーマチュア板20の厚さT1と静的騒音性能との関係を示すグラフであり、図7(E)は第1アーマチュア板20の厚さT1と動的騒音性能との関係を示すグラフである。また、これらの各グラフでは比較モデルの実力値も示しており、この比較モデルではアーマチュア積層板14として厚みが3.7mmの一枚の金属板を採用している。
図7(B)を参照して、第2アーマチュア板21の厚さT2と吸引特性との関係を説明する。このグラフの横軸は第2アーマチュア板21の厚さT2を示し、縦軸はアーマチュア12の吸引特性を示している。ここで、吸引特性とは、アーマチュア積層板14を吸引するために必要とされる電圧の大きさを示しており、吸引特性が小さいほど吸引に要される電圧が小さくて済むので性能が高いことを示している。
このグラフを参照して、第2アーマチュア板21の板厚T2と吸引特性との間には負の相関関係が有る。即ち、図7(A)を参照して、第2アーマチュア板21の板厚T2を厚くすると、第2アーマチュア板21の磁気抵抗が小さくなる。よって、アーマチュア12をロータ11側に吸着するためにコイル13に印加される電圧を小さくし、電磁クラッチ10が消費する電力を削減することができる。
図7(C)を参照して、第1アーマチュア板20と伝達性能との関係を説明する。このグラフの横軸は第1アーマチュア板20の板厚T1を示し、縦軸はアーマチュア12の伝達性能を示している。ここで伝達性能とは、アーマチュア積層板14がロータ11に接触している際に、動力が伝達するトルク性能を示している。
このグラフを参照して、第1アーマチュア板20の厚さT1と伝達効率とは正の相関がある。即ち、第1アーマチュア板20の板厚T1が厚くなると、図4(B)に示した磁気回路41の磁気抵抗が小さくなるので磁力が大きくなり、その結果として伝達性能が高くなる。よって、アーマチュア12を介してエンジンから圧縮機に対して良好に動力を伝達することができ、圧縮機を効率的に運転することができる。
図7(D)を参照して、第1アーマチュア板20の厚さT1と静的騒音特性との関係を説明する。このグラフでは、横軸が第1アーマチュア板20の厚さT1を示し、縦軸は静的静音性性能を示している。静的静音性性能とは、アーマチュア12がロータ11に吸着される際に発生する吸着音の大きさを示しており、静的静音性性能が大きいことは、吸着音が大きいことを示している。また、図3に示した2枚積層仕様のアーマチュア積層板14の場合と、図6に示した3枚積層仕様のアーマチュア積層板14の場合を示している。この図を参照して、2枚積層仕様の場合は、第1アーマチュア板20の板厚T1と静的騒音性能とは、正の相関関係がある。即ち、第1アーマチュア板20の板厚T1が厚くなると、吸着音が大きくなる。このような傾向は、アーマチュア積層板14が図6に示した3枚仕様の場合でも同様である。
ここで、アーマチュア積層板14が図6に示した3枚仕様の場合は、2枚仕様の場合よりも静的静音性能が低くなる。この理由は、3枚仕様の場合はアーマチュア板同士の接触面積が大きくなることで静音化が図られるからである。
図7(E)を参照して、第1アーマチュア板20の厚さT1と動的騒音特性との関係を説明する。このグラフでは、横軸が第1アーマチュア板20の厚さT1を示し、縦軸は動的静音性性能を示している。動的静音性性能は、アーマチュア12がロータ11に吸着された状態で共に回転する際に発生する音の大きさを示しており、動的静音性性能が大きいことは、電磁クラッチ10が回転する際に発生する音が大きいことを示している。また、ここでは、図3に示した2枚積層仕様のアーマチュア積層板14の場合と、図6に示した3枚積層仕様のアーマチュア積層板14の場合を示している。この図を参照して、2枚積層仕様の場合は、第1アーマチュア板20の板厚T1と動的騒音性能とは、正の相関関係がある。即ち、第1アーマチュア板20の板厚T1が厚くなると、電磁クラッチ10が回転する際に発生する音が大きくなる。このような傾向は、アーマチュア積層板14が図6に示した3枚仕様の場合でも同様である。
ここでも、アーマチュア積層板14が図6に示した3枚仕様の場合は、2枚仕様の場合よりも静的静音性能が低くなる。この理由は、3枚仕様の場合はアーマチュア板同士の接触面積が大きくなることで静音化が図られるからである。
上記事項を考慮して、第1アーマチュア板20の板厚T1の好適な範囲は、1.5mm以上3.0mm以下である。第1アーマチュア板20の板厚T1を1.5mm以上とすることで、上記した静摩擦トルク(伝達性能)を一定以上に確保することが出来る。第1アーマチュア板20の板厚T1を3.0mm以下とすることで、吸着音が大きくなることを抑止し、アーマチュア積層板14の重量が大きくなりすぎることを抑止することが出来る。ここで、第1アーマチュア板20の板厚T1の更に好適な範囲は、2.0mm以上2.5mm以下であり、このようにすることで上記効果が顕著となる。
第2アーマチュア板21の厚さT2の好適な範囲は、0.5mm以上2.0mm以下である。第2アーマチュア板21の厚さT2を0.5mm以上とすることで、上記したように図4(A)に示した第2アーマチュア板21の磁気抵抗を小さくし、十分な吸引性能を確保することができる。即ち、アーマチュア12の吸引に要する電圧を小さくすることができる。更には、第2アーマチュア板21の厚さT2を0.5mm以上とすることで、第2アーマチュア板21の耐久性を確保することが出来る。また、第2アーマチュア板21の厚さT2を2.0mm以下とすることで、第2アーマチュア板21が過度に厚くなることで、アーマチュア12の重量が重くなりすぎることを抑止することができる。更に、第2アーマチュア板21の厚さT2を2.0mm以下とすることで、鋼板から第2アーマチュア板21を打抜くプレス加工を容易に行うことが出来る。ここで、第2アーマチュア板21の厚さT2の更に好適な範囲は、1.0mm以上1.5mm以下であり、このようにすることで上記効果が顕著となる。
更に、アーマチュア積層板14が図6に示すような3枚使用の場合は、第1アーマチュア板20と第3アーマチュア板22との間に配置される第3アーマチュア板22の好適な厚さT3は、0.5mm以上1.5mm以下である。第3アーマチュア板22の厚さT3を0.5mm以上とすることで、所定以上の耐久性を得ることができる。第3アーマチュア板22の厚さT3を1.5mm以下とすることで、アーマチュア積層板14の重量を抑制し、鋼板から第3アーマチュア板22を打ち抜くプレス加工を容易に行うことが出来る。ここで、第3アーマチュア板22の更に好適な厚さT3は、0.8mm以上1.2mm以下であり、このようにすることで上記効果が顕著となる。
<第2の実施の形態>
本形態では、図8から図12の各図を参照して、上記した構成を有する電磁クラッチ10の製造方法を説明する。本形態の電磁クラッチ10の製造方法は、下治具51に第1アーマチュア板20等を積層載置する工程S11と、第1アーマチュア板20等を上治具50および下治具51で押圧する工程S12と、第1アーマチュア板20等同士をカシメ加工する工程S13と、制振板16およびリーフスプリング15をアーマチュア積層板14に取り付ける工程S14と、を備えている。これらの各工程を以下に説明する。
図9を参照して、工程S11では、アーマチュア積層板14を構成する第1アーマチュア板20等を押圧するための上治具50および下治具51を用意する。上治具50は、鋼材等から成る板状の材料であり、第2アーマチュア板21の上面と面的に接触する平坦な当接面を下面に有している。また、上治具50には、後のビス止めを行うための孔部52が形成されている。孔部52は、図3に示した第2アーマチュア板21のリベット孔28、29に対応した位置に形成されており、上治具50を貫通している。下治具51は、上治具50と同様に、鋼材等から成る板状の材料であり、その上面は第1アーマチュア板20が載置される平坦面とされている。
本工程では、下治具51の上面における所定位置に、第1アーマチュア板20を構成する内輪アーマチュア板20Aおよび外輪アーマチュア板20Bを配置する。次に、第1アーマチュア板20の上面に第2アーマチュア板21を載置する。この時、第1アーマチュア板20の外縁と、第2アーマチュア板21の外縁とは、一致させる。また、内輪アーマチュア板20Aのリベット孔31、第2アーマチュア板21のリベット孔29、および、上治具50の孔部52の位置は一致させる。更に、外輪アーマチュア板20Bリベット孔30、第2アーマチュア板21のリベット孔28、および、上治具50の孔部52の位置は一致させる。
上記した上治具50および下治具51はプレス機等に備えて使用され、プレス機器の圧力で、アーマチュア積層板14を構成する各アーマチュア板を上下方向から押圧する。
図10を参照して、工程S12および工程S13では、第1アーマチュア板20等を上治具50および下治具51で押圧し、第1アーマチュア板20等同士をカシメ加工する。
ここでは、上記した構成を有するアーマチュア積層板14を、下治具51および上治具50で押圧した状態を示している。このようにすることで、図9に示した第1アーマチュア板20の上面と第2アーマチュア板21の下面とが密着した状態が実現される。
更にここでは、上治具50および下治具51でアーマチュア積層板14に対して押圧力を加えた状態のまま、リベット接合を行っている。すなわち、上治具50を貫通する孔部52を経由して、リベット26をアーマチュア積層板14の各リベット孔に貫通させる。具体的には、図9に示した、内輪アーマチュア板20Aのリベット孔31と、第2アーマチュア板21のリベット孔29とを、リベット26で接合する。また、外輪アーマチュア板20Bのリベット孔30と、第2アーマチュア板21のリベット孔28とを、別のリベット26で接合する。
一般に、リベット26による接合を行うと、リベット26で接合した部分のアーマチュア板同士は面的に密着するが、リベット26から離れている部分では、アーマチュア板同士が離間してしまう現象が発生し得る。アーマチュア板同士が離間してしまうと、アーマチュア積層板14の騒音特性が低下してしまう。そこで本形態では、上記したように、上治具50および下治具51でアーマチュア積層板14に全面的に押圧力を加えた状態のまま、リベット26による接合を行っている。従って、第1アーマチュア板20の上面と、第2アーマチュア板21の下面とを、略全面的に密着させた状態のまま、両者を接合することができる。よって、第1アーマチュア板20の上面と、第2アーマチュア板21の下面とは、密着するようになるので、使用状況下における騒音特性を向上することができる。
図11を参照して、上記した接合方法による効果を説明する。ここでは、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21との間に感圧紙を介在させた状態で、両者をリベット接合している。そして、第1アーマチュア板20の接触面をこれらの図に示している。これらの図で、色が濃い部分では第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21とは密着しており、色が薄い部分では第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21とは離間している。
図11(A)は、上記した治具を使用すること無く、単にリベット接合を行った場合に於いて、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21とが接合する状況を示している。この図からも明らかなように、リベット26で接合された部分およびその周辺部では、色が濃く表示されているので、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21とは密着している。しかしながら、リベット26から離れた部分では、色が薄く表示されているので、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21とは離間している。従って、上記した治具を使用すること無く、単にリベット接合を行うことでアーマチュア積層板14を製造すると、アーマチュア板同士に間隙が発生してしまい、騒音特性が劣化してしまうことが理解できる。
図11(B)では、上記したように上治具50および下治具51でアーマチュア積層板14に押圧力を加えた状態でリベット接合を行った場合を示している。この図に示すように、第1アーマチュア板20の略全体で色が濃く示されており、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21とは、略全体的に密着していることが理解できる。即ち、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21とは、リベット26が挿通している箇所でも、リベット26から離間している箇所でも、密着している。従って、本形態の製造方法で製造されたアーマチュア積層板14は騒音特性に優れており、電磁クラッチ10の静音化に寄与する。
図12を参照して、次に、制振板16およびリーフスプリング15をアーマチュア積層板14に取り付ける。
具体的には、アーマチュア積層板14のリベット孔34、リーフスプリング15の外側の孔部を、リベット23で接合する。また、リーフスプリング15の内側の孔部、ハブ18の孔部、および制振板16の孔部を、リベット25で接合する。また、制振板16の端部に形成された孔部と、アーマチュア積層板14のリベット孔35とを、接合ゴム24で接合する。
ここで、上記のリベット孔34、35は、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21とを接合するリベット26、27同士の間に配置されている。従って、リベット孔34、35でリベット接合を行うことで、第1アーマチュア板20と第2アーマチュア板21との密着性を更に強化して、アーマチュア積層板14の騒音特性を向上することができる。
上記の接合作業を行うことで図1に示したアーマチュア12が製造され、このアーマチュア12をロータ11に組み込むことで図1に示す電磁クラッチ10が製造される。
<第3の実施の形態>
本形態では、電磁クラッチ10の他の製造方法を説明する。本形態に係る製造方法は、基本的には上記した第2の実施の形態で説明したものと同様であり、各アーマチュア板を接合する接合工程および接合のために用いる治具の構成が異なり、本形態ではその相違点を詳述する。ここでは、第1アーマチュア板20、第2アーマチュア板21および第3アーマチュア板22を接合することでアーマチュア積層板14を形成する場合を例示するが、第1アーマチュア板20および第2アーマチュア板21で、アーマチュア積層板14を形成しても良い。
図13を説明して、本形態の接合工程で用いるカシメ治具60(治具)は、上治具61および下治具62を備えている。上治具61はアーマチュア積層板14を上方から押圧する。下治具62はアーマチュア積層板14を下方から押圧する。
上治具61は、アーマチュア積層板14と類似した円環形状の高い剛性を有する金属製の治具であり、その下面は、アーマチュア積層板14と当接する平坦面である。上治具61を円筒状に厚み方向に貫通することでアライメント孔76が形成されている。アライメント孔76には、接合工程にて、後述するアライメントピン70が進入する。これにより、上治具61、アーマチュア積層板14、および、下治具62を位置合わせすることができる。
アーマチュア積層板14は、厚み方向に積層された第1アーマチュア板20、第2アーマチュア板21および第3アーマチュア板22から構成されている。アーマチュア積層板14の具体的構成は、図6を参照して上記したとおりである。
下治具62は、第1下治具63および第2下治具64から構成されている。第1下治具63および第2下治具64は、高い剛性を有する矩形形状の金属製の鋼板から構成されている。
第1下治具63と第2下治具64との間には、複数のスプリング67が配設されている。具体的には、アーマチュア積層板14の下方に円環状に6個のスプリング67が配置されており、これらのスプリング67は、アーマチュア積層板14の円周方向に沿って等間隔または略等間隔に配置されている。更に、アーマチュア積層板14の中央部下方に1つのスプリング67が配置されている。各スプリング67の下方部分は、第2下治具64の上面を円筒形状に窪ませた収納部66に収納され、各スプリング67の上方部分は、第1下治具63の下面を円筒形状に窪ませた図示しない収納部に収納される。このように、アーマチュア積層板14と重なる位置に、複数のスプリング67をバランス良く配置することで、アーマチュア積層板14に対して均等に押圧力を与え、アーマチュア積層板14を構成する、第1アーマチュア板20、第2アーマチュア板21および第3アーマチュア板22の密着性を向上することができる。スプリング67としては、皿バネ、角線コイルバネまたは丸線コイルバネを採用でき、直線的な荷重特性を得るためには、角線コイルバネまたは丸線コイルバネが好適である。
第1下治具63と第2下治具64とは、四隅部に配置されたリテーナーボルト65(締結手段)で締結されている。具体的には、第1下治具63の四隅部には収納孔69が形成されており、第2下治具64の四隅にも孔部68が形成されている。リテーナーボルト65の軸部は、第1下治具63の収納孔69を貫通して、第2下治具64の孔部68の内壁に形成されたネジ溝と螺合する。リテーナーボルト65の頭部は、第1下治具63の収納孔69の周辺部に形成された底面と係合する。リテーナーボルト65は、スプリング67を所定量圧縮した状態で、第1下治具63と第2下治具64とを締結する。このようにすることで、各スプリング67を若干圧縮変形させ、スプリング67の高さが公差を含むことによる反発力の差異に起因する押圧力の偏りを緩和することができる。
第1下治具63の上面には、アライメントピン70が配置されている。アライメントピン70は、第1下治具63の上面に形成した孔部に固定され、アーマチュア積層板14のリベット孔34、35(図12参照)に嵌合するように配置されている。リベット孔34、35は、リーフスプリング15等を接合するための孔部であるため、本工程ではリベット26等が配置されず、アーマチュア積層板14と上治具61および下治具62とを位置合わせするための孔部として用いられている。また、上記したように、アライメントピン70の上端部は、上治具61のアライメント孔76に挿入される。
本工程では、リベット27(第1接合手段)は、第1アーマチュア板20の内輪アーマチュア板20Aに形成されたリベット孔31、第3アーマチュア板22の内輪アーマチュア板22Aに形成されたリベット孔45、および、第2アーマチュア板21に形成されたリベット孔29を接合する。以下の説明では、リベット孔31、リベット孔45およびリベット孔29を、リベット孔74と称する場合もある。また、リベット26は、第1アーマチュア板20の外輪アーマチュア板20Bに形成されたリベット孔30、第3アーマチュア板22の外輪アーマチュア板22B形成されたリベット孔46、および、第2アーマチュア板21に形成されたリベット孔28を接合する。以下の説明では、リベット孔30、リベット孔46およびリベット孔28を、リベット孔75と称する場合もある。
上記したリベット26、27の下方に対応して、第1下治具63を円筒状に厚み方向に貫通するパンチ経由孔71が形成され、パンチ経由孔71にはパンチ72(押圧部)が下方から摺動可能に内蔵されている。また、第2下治具64の上面を円柱状に窪ませることで有底孔であるパンチ収納孔73が形成されており、パンチ72の下端部分はパンチ収納孔73に収納される。
次に、図14および図15の断面図を参照して、図13に示したカシメ治具60を用いてアーマチュア積層板を接合する方法を説明する。図14(A)、図14(B)および図14(C)は、アーマチュア積層板14を接合する方法を逐次的に説明する断面図である。また、図15(A)は図14(B)の点線で囲んだ部分の拡大図であり、図15(B)は図14(C)の点線で囲んだ部分の拡大図である。
図14(A)を参照して、第1下治具63と第2下治具64とを組み合わせることで下治具62を構成する。図13を参照して説明したように、リテーナーボルト65を第2下治具64の孔部68に螺合することで、第1下治具63と第2下治具64とを締結している。この時、第1下治具63と第2下治具64との間に配置されるスプリング67は、若干圧縮された状態となっている。
第1下治具63の上面には、接合される前の、アーマチュア積層板14が載置されている。上記したように、第1下治具63の上面には、アライメントピン70が突出しており、このアライメントピン70は、アーマチュア積層板14のリベット孔34、35に挿入されている。かかる構成により、第1下治具63の上面における所定位置にアーマチュア積層板14を配置でき、更に、アーマチュア積層板14を構成する各アーマチュア板どうしの相対的位置を所定のものにすることができる。
本工程でリベット止めが行われるリベット孔74(孔)の下方には、パンチ72が配置されている。パンチ72は略円柱状の鋼棒であり、その上面にはリベットを押圧するための平坦面が形成されている。パンチ72の上方部分は、第1下治具63のパンチ経由孔71に摺動可能に内蔵され、部分的に大口径化されているパンチ72の下方部分は、有底孔である第2下治具64のパンチ収納孔73に内蔵されている。プレス機で上方から押圧力が付与されていない間は、パンチ72の上端部は、第1下治具63の上面よりも下方に配置されている。
図14(B)および図15(A)を参照して、次に、各リベット孔74にリベット26を配置し、アーマチュア積層板14の上面に上治具61を配置する。上治具61のアライメント孔76に、下治具62の上面から突出するアライメントピン70を挿入することで、上治具61、アーマチュア積層板14および下治具62の相対的位置が、所定のものとされる。
更に、ここでは図示しないプレス機で上治具61を上方から下方に向かってプレスする。このようにすることで、第1下治具63と第2下治具64との間に配置されている複数のスプリング67が圧縮され、スプリング67の復元力でアーマチュア積層板14を構成している各アーマチュア板同士が密着する。この図14(B)では、パンチ72の上端部が、リベット26の下端部に接触するまで、図示しないプレス機で上治具61を下方に押圧している状態を示している。
図14(C)および図15(B)を参照して、次に、プレス機で上治具61を更に下方に押圧する。このようにすることで、リベット26は下方に移動する一方、パンチ72は下方に移動しない。従って、リベット26の上端は上治具61で下方に押圧され、リベット26の下端はパンチ72の上端部で上方に押圧されるので、リベット26はリベット孔74の形状に追従して変形し、変形したリベット26によりアーマチュア積層板14を構成する各アーマチュア板は、互いに密着した状態で接合される。
次に、図16のグラフに基づいて、上記した図14および図15を参照しつつ、本形態の効果を詳述する。
図16に示すグラフの横軸はプレス機により上記した上治具61が下方に押し込まれる長さであるストロークを示しており、縦軸はこのストロークに伴い生じる荷重を示している。
この図16を参照して、仮に図13に示したスプリング67が無いと仮定した場合、ストロークに対する加重の変化率は、密な点線で示すように急になる。よって、アーマチュア積層板14を構成する各アーマチュア板の厚さに公差が生じた場合、この公差による荷重の隔たりが大きくなり、アーマチュア板どうしを全面的に良好に密着させることが困難になることも考えられる。
一方、本形態では、第1下治具63と第2下治具64の間にスプリング67を配設し、スプリング67の復元力で、アーマチュア積層板14を構成する各アーマチュア板どうしを密着させている。よって、ストロークに対する加重の変化率が実線で示すように小さくなるので、各アーマチュア板の厚さに公差が存在することで生じる荷重の偏りが小さくなり、各アーマチュア板どうしを好適に密着させることができる。
本工程に於けるストロークは、密着ストロークと、面圧ストロークと、カシメストロークに分類することができる。
密着ストロークとは、ここでは図示しないプレス機のラムが上治具61に接触してから、アーマチュア積層板14を構成するアーマチュア板同士のクリアランス、各治具同士のクリアランス、および、各治具とアーマチュア積層板14とのクリアランスが無くなるまでのストロークのことである。
面圧ストロークとは、上記した各クリアランスが無くなってから、パンチ72の上端部がリベット26の下端に接触するまでプレス機で上治具61をプレスするストロークである。面圧ストロークの長さは、例えば2.0mmである。面圧ストロークでは、複数のスプリング67の復元力を用いて、アーマチュア積層板14を構成する各アーマチュア板に面圧をかけながら、アーマチュア板どうしを密着させている。
カシメストロークとは、図14(A)に示した状態から、リベット26が充分に圧縮変形するまで、プレス機で上治具61をプレスするストロークである。カシメストロークの長さは、例えば1.0mmであり、プレス機の押圧力を用いて、パンチ72の上端部でリベット26を圧縮変形している。更に、カシメストロークの間でも、複数のスプリング67の復元力を用いて、アーマチュア積層板14を構成する各アーマチュア板どうしを密着させている。
本形態では、図15(A)を参照して、リベット孔74にリベット26を配置し、上治具61をプレス機で下方に押圧することで、下治具62に収納されたパンチ72でリベット26を変形させ、アーマチュア積層板14を構成する各アーマチュア板どうしを接合している。よって、アーマチュア板どうしを密着させる工程が、リベット26でアーマチュア板どうしを接合する工程を兼ねている。よって、アーマチュア積層板14を製造する工程を簡略化することができる。このグラフでは、リベット26に作用する荷重を、粗い点線で示している。
一般的なリベットによるアーマチュア積層板の接合方法では、リベットを作業台等の上面に載置し、そのリベットとアーマチュア積層板とを位置合わせしていたため、リベットが不安定となる場合が有り、作業性が良くないことがあった。一方、本形態では、下治具62にアーマチュア積層板14を載置し、そのアーマチュア積層板14のリベット孔74に上方からリベット26を容易に載置できるため、リベット26の載置を容易化できる。
上記工程が終了した後は、図示しないプレス機による上治具61の押圧を解除し、上治具61を下治具62から離脱させ、接合されたアーマチュア積層板14を下治具62から取り出す。このような工程を経ることで、アーマチュア積層板14が得られる。アーマチュア積層板14に制振板16等(図12参照)を組み込むことでアーマチュア12を製造する工程等は、上記した第2の実施の形態と同様である。
以上、本発明の実施形態を示したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
10 電磁クラッチ
11 ロータ
12 アーマチュア
13 コイル
14 アーマチュア積層板
15 リーフスプリング
16 制振板
18 ハブ
20 第1アーマチュア板
20A 内輪アーマチュア板
20B 外輪アーマチュア板
21 第2アーマチュア板
22 第3アーマチュア板
22A 内輪アーマチュア板
22B 外輪アーマチュア板
23 リベット
24 接合ゴム
25 リベット
26 リベット
27 リベット
28 リベット孔
29 リベット孔
30 リベット孔
31 リベット孔
34 リベット孔
35 リベット孔
40 磁気回路
41 磁気回路
42 接触部
45 リベット孔
46 リベット孔
50 上治具
51 下治具
52 孔部
60 カシメ治具
61 上治具
62 下治具
63 第1下治具
64 第2下治具
65 リテーナーボルト
66 収納部
67 スプリング
68 孔部
69 収納孔
70 アライメントピン
71 パンチ経由孔
72 パンチ
73 パンチ収納孔
74 リベット孔
75 リベット孔
76 アライメント孔

Claims (9)

  1. コイルが内蔵されたロータと、
    前記ロータの軸方向側方に配置され、前記コイルから発生する磁力により前記ロータの側面に吸着されるアーマチュアと、を具備し、
    前記アーマチュアは、前記ロータ側から積層された第1アーマチュア板および第2アーマチュア板から構成されるアーマチュア積層板を有し、
    前記第1アーマチュア板は、前記第2アーマチュア板の半径方向内側部分に接合されたリング状の内輪アーマチュア板と、前記第2アーマチュア板の半径方向外側部分に接合されたリング状の外輪アーマチュア板と、を有し、
    前記第1アーマチュア板の厚さは、1.5mm以上3.0mm以下であり、
    前記第2アーマチュア板の厚さは、0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 前記第1アーマチュア板と前記第2アーマチュア板との間に、第3アーマチュア板を有し、
    前記第3アーマチュア板は、同心円的に個別に前記第2アーマチュア板に接合された内輪アーマチュア板および外輪アーマチュア板を有することを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ。
  3. 前記第3アーマチュア板の厚さは、0.5mm以上1.5mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の電磁クラッチ。
  4. 前記アーマチュア積層板の前記第2アーマチュア板側の面に配設された制振板と、
    前記制振板と前記アーマチュア積層板との間に配設された付勢手段と、
    前記外輪アーマチュア板または前記内輪アーマチュア板を前記第2アーマチュア板に接合する第1接合手段と、
    前記制振板または前記付勢手段を前記アーマチュア積層板に接合する第2接合手段と、を更に具備し、
    前記第2接合手段は、円周方向において、前記第1接合手段どうしの間に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の電磁クラッチ。
  5. 積層された複数のアーマチュア板から成るアーマチュア積層板を備えた電磁クラッチの製造方法であり、
    リング状の外輪アーマチュア板と、リング状の内輪アーマチュア板と、を有する第1アーマチュア板と、第2アーマチュア板とを積層させる工程と、
    前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を、上下方向から治具で押圧する工程と、
    前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を前記治具で押圧した状態で、前記外輪アーマチュア板および前記内輪アーマチュア板を前記第2アーマチュア板に第1接合手段で接合する工程と、を具備し、
    前記治具は、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を上方から押圧する上治具と、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を下方から押圧する下治具と、を具備し、
    前記下治具は、前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板が載置される第1下治具と、前記第1下治具の下方に配置される第2下治具と、前記第1下治具と前記第2下治具との間に配設されるスプリングと、前記第1接合手段を下方から押圧する押圧部と、を有し、
    前記接合する工程では、
    前記上治具と前記下治具との間に前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板を配置し、前記第1接合手段を前記第1アーマチュア板および前記第2アーマチュア板の孔に載置し、
    前記上治具を下方に押圧することで、前記スプリングを圧縮しつつ、前記第1下治具を押し下げ、前記押圧部で下方から前記第1接合手段を押圧して変形させることで、前記第1アーマチュア板と前記第2アーマチュア板とを接合することを特徴とする電磁クラッチの製造方法。
  6. 前記接合する工程にて、前記治具に形成された孔部を経由して、前記外輪アーマチュア板および前記内輪アーマチュア板を前記第2アーマチュア板に前記第1接合手段で接合することを特徴とする請求項5に記載の電磁クラッチの製造方法。
  7. 前記第1下治具と前記第2下治具とは、締結手段により、前記スプリングを圧縮させた状態で、締結されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電磁クラッチの製造方法。
  8. 前記積層させる工程では、前記第1アーマチュア板と、前記第2アーマチュア板との間に、内輪アーマチュア板および外輪アーマチュア板から成る第3アーマチュア板を配置することを特徴とする請求項5から請求項の何れかに記載の電磁クラッチの製造方法。
  9. 制振板および付勢手段を、第2接合手段を介して、前記アーマチュア板に接合する工程と、を更に具備し、
    前記アーマチュア積層板の円周方向において、前記第2接合手段は、前記第1接合手段どうしの間に配置されることを特徴とする請求項5から請求項の何れかに記載の電磁クラッチの製造方法。
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