以下、実施の形態に係る冷凍サイクル装置について、図面などを参照しながら説明する。各図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。また、図面では、各構成部材の大きさの関係が、実際のものとは異なる場合がある。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。特に、構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することができる。また、圧力および温度などの高低については、特に絶対的な値との関係で高低が定まっているものではなく、装置などにおける状態、動作などにおいて相対的に定まるものとする。そして、添字で区別などしている複数の同種の機器などについて、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字などを省略して記載する場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の構成を示す図である。本実施の形態では、冷凍サイクル装置として、冷暖同時運転を実行可能なマルチ型の空気調和装置を例示している。図1に示すように、本実施の形態の冷凍サイクル装置は、冷媒を循環させる冷凍サイクル回路10と、冷凍サイクル回路10を含む冷凍サイクル装置全体を制御する制御装置3とを有する。ここで、本実施の形態においては、図1に示すように、冷凍サイクル装置は、室外機1、室内機2aおよび室内機2bおよび分流コントローラ4を有する。冷凍サイクル回路10を構成する機器などは、室外機1、室内機2aおよび室内機2b並びに分流コントローラ4に分かれて収容される。
冷凍サイクル回路10は、圧縮機11、冷媒流路切替装置14、室外熱交換器12、電子膨張弁21aおよび電子膨張弁21b並びに室内熱交換器22aおよび室内熱交換器22bが、冷媒配管を介して環状に接続された構成を有する。冷凍サイクル回路10において、電子膨張弁21aおよび室内熱交換器22aの組と、電子膨張弁21bおよび室内熱交換器22bの組とは、互いに並列に接続されている。本実施の形態では、電子膨張弁21および室内熱交換器22の組の数が2つであるものとして説明するが、電子膨張弁21および室内熱交換器22の組の数は、1つまたは3つ以上であってもよい。
また、冷凍サイクル回路10は、電子膨張弁21aおよび電子膨張弁21b並びに室内熱交換器22aおよび室内熱交換器22bをバイパスして冷媒を通過させるバイパス配管で構成されるバイパス流路44を有する。バイパス流路44の一端側は、冷凍サイクル回路10のうち、室外熱交換器12と電子膨張弁21aおよび電子膨張弁21bとの間に設けられた第1分岐部41に接続されている。第1分岐部41には、気液分離器43が設けられている。
バイパス流路44の他端側は、バイパス配管の一部として構成される複数の分岐流路44aおよび分岐流路44bに分岐している。分岐流路44aおよび分岐流路44bは、後述する室内機2aおよび室内機2bにそれぞれ対応して設けられている。分岐流路44aおよび分岐流路44bの数は、室内機2aおよび室内機2bの台数、すなわち、室内熱交換器22aおよび室内熱交換器22bの数と同数である。分岐流路44aは、冷凍サイクル回路10のうち、室内熱交換器22aと冷媒流路切替装置14との間に設けられた第2分岐部42a側と接続されている。また、分岐流路44bは、冷凍サイクル回路10のうち、室内熱交換器22bと冷媒流路切替装置14との間に設けられた第2分岐部42b側と接続されている。第2分岐部42aおよび第2分岐部42bは、室内機2aおよび室内機2bにそれぞれ対応して設けられている。第2分岐部42aおよび第2分岐部42bの数は、室内機2aおよび室内機2bの台数、すなわち、室内熱交換器22aおよび室内熱交換器22bの数と同数である。
冷凍サイクル回路10のうち、第2分岐部42aと冷媒流路切替装置14との間には、低圧弁45aが設けられている。また、冷凍サイクル回路10のうち、第2分岐部42bと冷媒流路切替装置14との間には、低圧弁45bが設けられている。主として低圧の冷媒が通過する低圧弁45aおよび低圧弁45bは、それぞれ、第1弁の一例である。低圧弁45aおよび低圧弁45bは、室内機2aの電子膨張弁21aおよび室内熱交換器22aの組並びに室内機2bの電子膨張弁21bおよび室内熱交換器22bの組にそれぞれ対応して設けられている。低圧弁45aおよび低圧弁45bの数は、室内機2aおよび室内機2bの台数、すなわち、室内熱交換器22aおよび室内熱交換器22bの数と同数である。
また、バイパス流路44の分岐流路44aと第2分岐部42aとの間には、高圧弁46aが設けられている。また、バイパス流路44の分岐流路44bと第2分岐部42bとの間には、高圧弁46bが設けられている。主として高圧の冷媒が通過する高圧弁46aおよび高圧弁46bは、それぞれ、第2弁の一例である。高圧弁46aおよび高圧弁46bは、室内機2aの電子膨張弁21aおよび室内熱交換器22aの組並びに室内機2bの電子膨張弁21bおよび室内熱交換器22bの組にそれぞれ対応して設けられている。高圧弁46aおよび高圧弁46bの数は、室内機2aおよび室内機2bの台数、すなわち、室内熱交換器22aおよび室内熱交換器22bの数と同数である。
前述したように、冷凍サイクル装置は、室外機1と、分流コントローラ4と、2台の室内機2aおよび室内機2bとを有する。室外機1内の機器と分流コントローラ4内の機器との間は、2本の冷媒配管を介して接続されている。また、分流コントローラ4内の機器と2台の室内機2aおよび室内機2bのそれぞれの機器との間は、2本の冷媒配管を介して接続されている。ここで、本実施の形態では、1台の室外機1を例示しているが、室外機1の台数は2台以上であってもよい。また、本実施の形態では、1台の分流コントローラ4を例示しているが、分流コントローラ4の台数が2台以上であってもよい。さらに、本実施の形態では、2台の室内機2aおよび室内機2bを例示しているが、室内機2の台数は、1台または3台以上であってもよい。そして、室外機1と分流コントローラ4との間は、3本の冷媒配管を介して接続されていてもよい。
室外機1は、たとえば、屋外に設置される。室外機1には、上記した圧縮機11、冷媒流路切替装置14および室外熱交換器12並びに逆止弁171〜逆止弁174が収容されている。また、室外機1には、室外ファン13、高圧圧力センサ15および低圧圧力センサ16が収容されている。
圧縮機11は、低圧低温のガス冷媒を吸入して圧縮し、高圧高温のガス冷媒として吐出する流体機械である。圧縮機11が動作すると、冷媒が冷凍サイクル回路10内を循環する。圧縮機11としては、運転周波数を調整可能なインバータ駆動の圧縮機が用いられる。圧縮機11の動作は、制御装置3により制御される。
冷媒流路切替装置14は、冷房主体運転時と暖房主体運転時とで冷媒の流れ方向を切り替える弁である。冷媒流路切替装置14は、制御装置3の制御により、冷房主体運転時には、図1の冷媒流路切替装置14において実線で示す流路が設定され、暖房主体運転時には、図1の冷媒流路切替装置14において破線で示す流路が設定される。ここで、冷房主体運転は、室内機2aおよび室内機2bでの冷房負荷が、暖房負荷よりも大きいときに実行される運転モードである。冷房主体運転には、全ての室内機2aおよび室内機2bで冷房運転が行われる全冷房運転も含まれるものとする。また、暖房主体運転は、室内機2aおよび室内機2bでの暖房負荷が、冷房負荷よりも大きいときに実行される運転モードである。ここで、暖房主体運転には、全ての室内機2aおよび室内機2bで暖房運転が行われる全暖房運転も含まれるものとする。冷媒流路切替装置14としては、たとえば四方弁が用いられる。
室外熱交換器12は、冷房主体運転時には凝縮器として機能し、暖房主体運転時には蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器12では、冷媒と室外空気との熱交換が行われる。
室外ファン13は、室外熱交換器12に室外空気を供給するように構成されている。室外ファン13としては、たとえば、モータ(図示せず)によって駆動するプロペラファンが用いられる。室外ファン13が動作すると、室外空気が室外機1の内部に吸入され、室外熱交換器12を通過した室外空気が、室外機1の外部に排出される。室外ファン13の動作は、制御装置3により制御される。
高圧圧力センサ15は、冷凍サイクル回路10のうち、圧縮機11と冷媒流路切替装置14との間の吐出配管、すなわち、圧縮機11の吐出側に設けられている。高圧圧力センサ15は、圧縮機11の吐出圧力となり、冷凍サイクル回路10内において高圧側となる高圧圧力Pdを検出し、検出信号を制御装置3に出力する。制御装置3では、冷凍サイクル回路10内の高圧圧力Pdに基づいて、冷凍サイクル回路10内の冷媒の凝縮温度Tcが演算される。
低圧圧力センサ16は、冷凍サイクル回路10のうち、冷媒流路切替装置14と圧縮機11との間の吸入配管、すなわち、圧縮機11の吸入側に設けられている。低圧圧力センサ16は、冷凍サイクル回路10内において低圧側となる低圧圧力Psを検出し、検出信号を制御装置3に出力する。制御装置3は、冷凍サイクル回路10内の低圧圧力Psに基づいて、冷凍サイクル回路10内の冷媒の蒸発温度Teを演算する。
室内機2aは、たとえば、屋内に設置される。室内機2aには、前述した電子膨張弁21aおよび室内熱交換器22aが収容されている。また、室内機2aには、室内ファン25a、第1温度センサTH1a、第2温度センサTH2aおよび第3温度センサTH3aが収容されている。
電子膨張弁21aは、冷媒を断熱膨張させ、室内熱交換器22aを通過する冷媒量および圧力を調整する絞り装置となる弁である。電子膨張弁21aの開度は、冷凍サイクル回路10内の冷媒の過熱度SHまたは過冷却度SCが目標値に近づくように、制御装置3によって制御される。電子膨張弁21aは、絞り装置の一例である。ここでは電子膨張弁21aとしたが、制御に基づいて、開度を調整できるものであれば、電子膨張弁でなくてもよい。
室内熱交換器22aは、室内機2aで冷房運転が実行される場合には、蒸発器として機能し、室内機2aで暖房運転が実行される場合には、凝縮器として機能する熱交換器である。室内熱交換器22aでは、冷媒と室内空気との熱交換が行われる。
室内ファン25aは、室内熱交換器22aに室内空気を供給するように構成される。室内ファン25aとしては、たとえば、モータ(図示せず)によって駆動する遠心ファンまたはクロスフローファンが用いられることが多い。室内ファン25aが動作すると、室内空気が室内機2aの内部に吸入され、室内熱交換器22aを通過した調和空気が室内に供給される。室内ファン25aの動作は、制御装置3により制御される。
第1温度センサTH1aは、室内機2aが設置された室内の室内温度TH1を検出し、検出温度を含む検出信号を制御装置3に出力する。第1温度センサTH1aは、たとえば、室内空気の流れにおいて、室内熱交換器22aの上流側となる室内機2aの吸込口に設けられている。
第2温度センサTH2aは、冷凍サイクル回路10のうち、電子膨張弁21aと室内熱交換器22aとの間に設けられている。第2温度センサTH2aは、室内熱交換器22aの液冷媒が流れる冷媒の温度である液側温度TH2温度を検出し、検出温度を含む検出信号を制御装置3に出力する。したがって、第2温度センサTH2aは、室内機2aの暖房運転時に室内熱交換器22aの冷媒出口側における、冷媒の温度を検出することになる。
第3温度センサTH3aは、冷凍サイクル回路10のうち、室内熱交換器22aと低圧弁45aおよび高圧弁46aとの間に設けられている。第3温度センサTH3aは、室内熱交換器22aのガス冷媒が流れる冷媒の温度であるガス側温度TH3を検出し、検出温度を含む検出信号を制御装置3に出力する。したがって、第3温度センサTH3aは、室内機2aの暖房運転時に室内熱交換器22aの冷媒入口側の温度を検出することになる。
室内機2bは、室内機2aと同様の構成を有する。室内機2bには、電子膨張弁21b、室内熱交換器22b、室内ファン25b、第1温度センサTH1b、第2温度センサTH2bおよび第3温度センサTH3bが収容されている。
分流コントローラ4は、たとえば、屋内に設置される。分流コントローラ4は、冷媒の流れにおいて、室外機1と室内機2aおよび室内機2bのそれぞれとの間に設けられる中継機である。分流コントローラ4には、前述した第1分岐部41、第2分岐部42aおよび第2分岐部42b、気液分離器43、バイパス流路44、分岐流路44aおよび分岐流路44bが収容される。また、分流コントローラ4には、低圧弁45aおよび低圧弁45b、高圧弁46aおよび高圧弁46b、弁47並びに低圧バイパス流路48が収容されている。
弁47は、開閉により、冷媒の流れを制御する。たとえば、全冷房運転時には、弁47は開放され、室外機1からの液冷媒が室内機2aおよび室内機2bに流れるようにする。また、たとえば、弁47が閉止されていると、室外機1から分流コントローラ4に流入したガス冷媒は、気液分離器43およびバイパス流路44を介して、室内機2aおよび室内機2bのうち、暖房運転中の室内機2に供給される。室内機2から流出した液冷媒は、たとえば、バイパス管となる低圧バイパス流路48を通過する。
低圧弁45aおよび低圧弁45b並びに高圧弁46aおよび高圧弁46bのそれぞれは、流路を開閉可能な開閉弁である。低圧弁45aおよび低圧弁45b並びに高圧弁46aおよび高圧弁46bとしては、電磁弁または電動弁などが用いられる。低圧弁45aおよび低圧弁45b並びに高圧弁46aおよび高圧弁46bのそれぞれの動作は、制御装置3により制御される。室内機2aで冷房運転が行われる場合には、低圧弁45aが開状態となり、高圧弁46aが閉状態となる。また、室内機2aで暖房運転が行われる場合には、低圧弁45aが閉状態となり、高圧弁46aが開状態となる。同様に、室内機2bで冷房運転が行われる場合には、低圧弁45bが開状態となり、高圧弁46bが閉状態となる。また、室内機2bで暖房運転が行われる場合には、低圧弁45bが閉状態となり、高圧弁46bが開状態となる。
制御装置3は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/Oポートなどを備えたマイクロコンピュータを有する。制御装置3は、冷凍サイクル回路10などに設けられた各種センサからの検出信号および操作部(図示せず)からの操作信号などに基づき、冷凍サイクル装置全体の動作を制御する。制御装置3は、圧縮機11、冷媒流路切替装置14、室外ファン13、電子膨張弁21aおよび電子膨張弁21b、室内ファン25aおよび室内ファン25b、低圧弁45aおよび低圧弁45b並びに高圧弁46aおよび高圧弁46bなどの機器を制御する。図1に示すように、本実施の形態では、制御装置3を室外機1に設けているが、制御装置3の設置場所については、特に限定しない。たとえば、制御装置3は、室内機2aまたは室内機2bのいずれかに設けられていてもよいし、分流コントローラ4に設けられていてもよい。また、制御装置3が独立して設置されていてもよい。
本実施の形態における制御装置3は、特に、電子膨張弁21aおよび電子膨張弁21b並びに高圧弁46aおよび高圧弁46bの異常検知に関わる異常判定処理を行う。このため、制御装置3は、機能ブロックとして、記憶部31、抽出部32、演算部33、比較部34および判定部35を有する。記憶部31は、高圧圧力センサ15および低圧圧力センサ16のそれぞれの検出に係る圧力のデータを記憶する。また、記憶部31は、第1温度センサTH1aおよび第1温度センサTH1b、第2温度センサTH2aおよび第2温度センサTH2b並びに第3温度センサTH3aおよび第3温度センサTH3bのそれぞれの検出に係る温度のデータを記憶する。ここで、これらのデータは、冷凍サイクル回路10の運転中に定期的に取得される。また、記憶部31は、制御装置3が異常判定処理を行うために必要な各種データの記憶を行う。
抽出部32は、記憶部31に記憶されたデータの中から、異常判定処理を行うために必要となるデータを抽出する。たとえば、室内機2aに対応する電子膨張弁21aおよび高圧弁46aの異常検知を行う場合には、冷凍サイクル回路10および室内機2aが特定の運転状態で運転しているときのデータが用いられる。ここでは、たとえば、冷凍サイクル回路10において、室外熱交換器12が蒸発器として機能して暖房運転を行っており、室内機2aがサーモオフ状態にあるときについて説明するが、これに限定するものではない。室外熱交換器12が凝縮器として機能して冷房運転を行っている運転状態でもよい。
同様に、室内機2bに対応する電子膨張弁21bおよび高圧弁46bの異常検知には、冷凍サイクル回路10および室内機2bが特定の運転状態で運転しているときのデータが用いられる。室内機2bに係る特定の運転状態とは、圧縮機11が動作しているときに、室内機2bがサーモオフまたは停止状態にあり、電子膨張弁21bが全閉状態で、低圧弁45bおよび高圧弁46bが閉状態となる運転状態である。本実施の形態では、後述するように、抽出部32は、運転モード切替部37において異常検知モードに切り替えられた場合に行われる特定の運転によって得られたデータを抽出する。
演算部33は、抽出部32で抽出されたデータに基づき、必要な演算を行う。また、比較部34は、演算部33が演算して得られた値と閾値との比較または演算部33での演算により得られた値同士の比較を行う。
判定部35は、比較部34での比較結果に基づき、電子膨張弁21aおよび電子膨張弁21bおよび高圧弁46aおよび高圧弁46bのうちの少なくとも1つについて、異常判定処理を行う。
また、制御装置3には、報知部36および運転モード切替部37が接続されている。報知部36および運転モード切替部37は、制御装置3の一部として制御装置3に備えられていてもよい。報知部36は、制御装置3からの指令により、電子膨張弁21aおよび電子膨張弁21bおよび高圧弁46aおよび高圧弁46bの異常などの各種情報を報知する。報知部36は、情報を視覚的に報知する表示部および情報を聴覚的に報知する音声出力部の少なくとも一方を有する。
運転モード切替部37は、ユーザによる運転モードの切替操作を受け付け、操作に係る信号を制御装置3に送る。運転モード切替部37で運転モードの切替操作が行われると、制御装置3は、運転モード切替部37から出力される信号に基づき、運転モードを切り替える。本実施の形態における冷凍サイクル装置の運転モードには、たとえば、通常運転モードと異常検知モードとが含まれている。通常運転モードでは、冷凍サイクル装置は、室内機2aおよび室内機2b側からの要求に応じた運転状態で運転する。たとえば、全ての室内機2aおよび室内機2bから暖房要求がある場合には、全暖房運転が行われる。
一方、異常検知モードは、電子膨張弁21aおよび電子膨張弁21bおよび高圧弁46aおよび高圧弁46bの異常検知を行うモードである。このため、異常検知モードでは、室内機2aおよび室内機2b側からの要求に関わらず、室内機2aまたは室内機2bが暖房運転のサーモオフ状態になる。ここで、通常運転モードの実行中であっても、室内機2aが暖房運転のサーモオフ状態である場合には、電子膨張弁21aおよび高圧弁46aの異常検知が可能である。また、通常運転モードの実行中であっても、室内機2bが暖房運転のサーモオフ状態である場合には、電子膨張弁21bおよび高圧弁46bの異常検知が可能である。
次に、本実施の形態における冷凍サイクル装置の動作について、暖房主体運転を例に挙げて説明する。暖房主体運転が行われる場合、冷媒流路切替装置14は、図1の冷媒流路切替装置14において実線で示す流路が形成されるように切り替えられる。ここでは、室内機2aがサーモオフまたは停止状態であり、室内機2bで暖房運転が行われる場合を例に挙げる。ここで、室内機2aがサーモオフ状態では、室内ファン25aは駆動しているが、冷凍サイクルについては、停止しているときと同様の状態となる。したがって、室内機2aには、冷媒は流れない。このとき、室内機2aに係る弁については、低圧弁45aおよび高圧弁46aが、閉状態に設定される。そして、電子膨張弁21aは、全閉状態になる。また、暖房運転が行われる室内機2bに係る弁については、低圧弁45bが、閉状態に設定される。また、高圧弁46bが、開状態に設定される。そして、電子膨張弁21bは、たとえば、室内熱交換器22aの出口での過冷却度SCがそれぞれ目標過冷却度SCmに近づくように、開度が制御される。ここで、図1並びに後述する図3、図5、図7および図9では、低圧弁45aおよび低圧弁45b、高圧弁46aおよび高圧弁46b並びに電子膨張弁21aおよび電子膨張弁21bのうち、開状態の弁は白抜きで表しており、閉状態の弁は黒塗りで表している。
圧縮機11から吐出された高温および高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置14、逆止弁172、気液分離器43並びに高圧弁46bを介して室内熱交換器22bに流入する。暖房主体運転時には、室内熱交換器22bは、凝縮器として機能する。
室内熱交換器22bに流入したガス冷媒は、室内ファン25bにより供給される室内空気との熱交換によって凝縮し、高圧の液冷媒となる。室内熱交換器22bで凝縮した冷媒は、低圧バイパス流路48および逆止弁173を介して、室外熱交換器12に流入する。流入した冷媒は、室外熱交換器12において蒸発およびガス化して、冷媒流路切替装置14を介して、圧縮機11に吸引される。
次に、制御装置3が行う高圧圧力一定制御について説明する。本実施の形態のようなマルチ型の空気調和装置では、複数の室内機2aおよび室内機2bを能力不足なく暖房運転させる必要がある。そこで、圧縮機11の運転周波数は、冷凍サイクル回路10内の高圧圧力Pd、すなわち圧縮機11の吐出圧力が一定になるように制御される。このため、高圧圧力Pdの値を用いて演算される凝縮温度Tcは、一定の温度となる。
さらに、制御装置3が行う室外ファン制御について説明する。暖房主体運転時において、制御装置3は、蒸発温度Teと外気温度との温度差が一定となるように、室外ファン13の回転数を制御する。
暖房運転時の定常制御について、室内機2bを例に挙げて説明する。冷凍サイクル回路10では、高圧圧力Pdが一定に制御される。このため、室内機2bの空調能力を変更する方法として、過冷却度制御が実行される。過冷却度制御は、室内機2bが所望の空調能力を得られるように、室内熱交換器22bの出口における過冷却度SCの目標過冷却度SCmを調節する制御である。室内熱交換器22bにおける熱交換量は、過冷却度SCの大小に応じて変化する。このため、過冷却度SCの目標過冷却度SCmが調節されることにより、室内機2bは、適正な空調能力を発揮することができる。室内機2bの設定温度と室内温度TH1との温度差が大きい場合、過冷却度SCの目標過冷却度SCmは、小さい値に設定される。室内機2bの設定温度と室内温度TH1との温度差が小さい場合、過冷却度SCの目標過冷却度SCmは、大きい値に設定される。電子膨張弁21bの開度は、室内熱交換器22bの出口での過冷却度SCが目標過冷却度SCmに近づくように制御される。これにより、必要な量の冷媒が、室内熱交換器22bに供給される。
次に、本実施の形態の冷凍サイクル装置において、電子膨張弁21および高圧弁46が異常である場合について説明する。以下の説明では、特定の運転状態において、運転停止している室内機2aが有する電子膨張弁21a、室内熱交換器22a、第1温度センサTH1a、第2温度センサTH2a、第3温度センサTH3a、低圧弁45aおよび高圧弁46aを例に挙げて説明する。
図2は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置において、電子膨張弁21a、低圧弁45aおよび高圧弁46aのそれぞれがとり得る状態の組合せパターンの例を示す図である。ここで、冷凍サイクル装置は、前述した特定の運転状態となる制御が行われているものとする。したがって、室内機2bは、暖房運転サーモオン状態であり、室内機2aは、サーモオフまたは停止状態にある。
図3は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置において、状態パターン1での電子膨張弁21a、低圧弁45aおよび高圧弁46aの動作を示す図である。図2および図3に示すように、状態パターン1は、電子膨張弁21a、低圧弁45aおよび高圧弁46aがいずれも正常な状態にある。状態パターン1では、電子膨張弁21a、低圧弁45aおよび高圧弁46aは、閉状態である。
図4は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置における状態パターン1での室内熱交換器22a内の冷媒の温度分布を示すグラフを示す図である。図4の横軸は、室内熱交換器22a内の冷媒流路における位置を表しており、図4の縦軸は、温度を表している。グラフの右端は、暖房運転時における室内熱交換器22aの冷媒入口を表している。グラフの右端での温度は、第3温度センサTH3aで検出される室内熱交換器22aのガス側温度TH3に相当する。グラフの左端は、暖房運転時における室内熱交換器22aの冷媒出口を表している。グラフの左端での温度は、第2温度センサTH2aで検出される室内熱交換器22aの液側温度TH2に相当する。
正常な状態パターン1では、電子膨張弁21a、低圧弁45aおよび高圧弁46aは閉じており、室内熱交換器22a内に冷媒が供給されない。したがって、正常な状態パターン1では、図4に示すように、液側温度TH2およびガス側温度TH3は、室内温度TH1に近づくこととなる(TH2=TH3=TH1)。
図5は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置における状態パターン2での電子膨張弁21a、低圧弁45aおよび高圧弁46aの動作を示す図である。図2および図5に示すように、状態パターン2は、電子膨張弁21aが開ロックとなった状態である。電子膨張弁21aの開ロックとは、電子膨張弁21aの異常の1つであり、電子膨張弁21a内の弁体の固着によって、電子膨張弁21aが開状態で固定されてしまう状態のことである。正常な状態パターン1では、電子膨張弁21aは全閉するのに対し、状態パターン2では、電子膨張弁21aは開状態となる。
図6は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置における状態パターン2での室内熱交換器22a内の冷媒の温度分布を示すグラフを示す図である。図6の横軸および縦軸は、図4と同様である。電子膨張弁21aが開状態である場合、電子膨張弁21aで断熱膨張した低圧の二相冷媒が室内熱交換器22aに流入する。このため、室内熱交換器22aの液側温度TH2は、蒸発温度Te相当まで低下する。その後、室内熱交換器22aにおいて冷媒が蒸発し、過熱ガス化すれば、ガス側温度TH3は液側温度TH2よりも温度が上昇する。また、室内熱交換器22aにおいて冷媒が二相状態であれば、ガス側温度TH3は液側温度TH2と同等温度となる。図6では、冷媒が二相となっている状態を表している。
図7は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置における状態パターン3での電子膨張弁21a、低圧弁45aおよび高圧弁46aの動作を示す図である。図2および図7に示すように、状態パターン3は、高圧弁46aが開ロックとなった状態である。高圧弁46aの開ロックとは、高圧弁46aの異常の1つであり、高圧弁46a内の弁体が固着することによって、高圧弁46aが開状態で固定されてしまう状態のことである。正常な状態パターン1では、高圧弁46aが閉状態であるのに対し、状態パターン3では、高圧弁46aは、開状態となっている。冷凍サイクル装置が、暖房運転から暖房サーモオフに切り替わったとき、高圧弁46aに開ロックが生じていると、高圧弁46aが閉状態にならない。これにより、冷凍サイクル装置は、状態パターン1ではなく、状態パターン3になる。
図8は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置における状態パターン3での室内熱交換器22a内の冷媒の温度分布を示すグラフを示す図である。図8の横軸および縦軸は、図4と同様である。太実線の曲線C11は、状態パターン1から状態パターン3に変化してから十分に時間が経過したときの冷媒の温度分布を示している。細実線の曲線C13は、状態パターン1から状態パターン3に変化した直後の冷媒の温度分布を示している。細実線の曲線C12は、曲線C11で示す温度分布から曲線C13で示す温度分布に至るまでの冷媒の温度分布の変化を時系列で示している。
正常な状態パターン1では、ガス側温度TH3は、室内温度TH1と同等温度であるが、状態パターン3のように、高圧弁46aに開ロックが生じていると、室内熱交換器22aには高温の冷媒が流入して凝縮し、冷媒が貯留する。このため、室内熱交換器22a内において、ガス冷媒が室内空気との熱交換によって液化し、室内熱交換器22a内は、二相冷媒で徐々に満たされる。これにより、図8に示すように、ガス側温度TH3および液側温度TH2が、室内温度TH1から凝縮温度Tcに近づく。この温度差は、室内熱交換器22の冷却性能により変化する。
冷凍サイクル装置が状態パターン2および状態パターン3である場合についてまとめて説明する。状態パターン2および状態パターン3ではいずれも、ガス側温度TH3または液側温度TH2と室内温度TH1とに温度差が発生する。このため、液側温度TH2またはガス側温度TH3と室内温度TH1とに温度差が発生した場合、状態パターン2または状態パターン3であると判定することができる。
さらに、液側温度TH2またはガス側温度TH3の温度が、室内温度TH1よりも高い場合は、高圧弁46aの開ロック異常であると判定することができる。また、液側温度TH2またはガス側温度TH3の温度が、室内温度TH1よりも低い場合は、電子膨張弁21aの開ロック異常であると判定することができる。このとき、電子膨張弁21aおよび高圧弁46aの少なくとも一方が異常であることを、報知部36が報知するようにしてもよい。
図9は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の制御装置3で実行される異常検知処理の流れの例におけるフローチャートを示す図である。ここで制御装置3が行う異常検知処理では、制御装置3は、高圧弁46aおよび電子膨張弁21aの異常検知に係る異常判定処理を行う。制御装置3は、図9に示す異常判定処理を、設定された時間間隔で繰り返し実行する。ここでは、制御装置3が、高圧弁46aまたは電子膨張弁21aの異常検知に係る異常判定処理を実行する場合について説明する。高圧弁46bまたは電子膨張弁21bの異常検知に係る異常判定処理についても、同様の流れで実行することができる。
まず、ステップS001では、制御装置3は、指示された運転モードに基づき、圧縮機11が動作しているかどうかを判定する。たとえば、室外熱交換器12が蒸発器であるときは、冷凍サイクル装置は、暖房運転を行っていることになる。制御装置3は、圧縮機11が動作していると判定すると、ステップS002に進み、それ以外の場合には、異常検知処理を終了する。
ステップS002では、制御装置3は、室内機2aが暖房運転のサーモオフ状態または停止しているか否かを判定する。この判定は、電子膨張弁21aが全閉状態並びに低圧弁45aおよび高圧弁46aが閉状態となる運転状態であるか否かの判定と言い換えることもできる。制御装置3は、室内機2aが暖房運転のサーモオフ状態または停止していると判定すると、ステップS003に進み、それ以外の場合には異常検知処理を終了する。
ステップS003では、制御装置3は、室内温度TH1と、液側温度TH2またはガス側温度TH3とにおける温度のデータを取得する。液側温度TH2およびガス側温度TH3については、どちらか一方でよいが、両方の温度のデータを取得してもよい。室内温度TH1のデータは、第1温度センサTH1aの検出信号に基づき、取得される。液側温度TH2のデータは、第2温度センサTH2aの検出信号に基づき、取得される。ガス側温度TH3のデータは、第3温度センサTH3aの検出信号に基づき、取得される。
次に、ステップS004では、制御装置3は、ガス側温度TH3が室内温度TH1と等しいか否かまたは液側温度TH2が室内温度TH1と等しいか否かを判定する。ガス側温度TH3と室内温度TH1とが等しいまたは液側温度TH2と室内温度TH1とが等しいとは、温度差がないことを示す。ここで、温度差の有無に関する判定については、温度差が0である必要はない。現実的には、制御装置3は、検出誤差などを考慮し、たとえば、±1℃などのマージンをもたせるなどして、あらかじめ設定した温度差より大きければ温度差があるとし、あらかじめ設定した温度差内であれば温度差がないとするような判定を行う。制御装置3は、ガス側温度TH3と室内温度TH1とが等しくなく温度差がある場合および液側温度TH2と室内温度TH1とが等しくなく温度差がある場合の少なくとも一方であると判定すると、ステップS005に進む。また、制御装置3は、ガス側温度TH3または液側温度TH2が室内温度TH1と等しいと判定すると、異常検知処理を終了する。ここでは、制御装置3は、ガス側温度TH3が室内温度TH1と等しいか否かについて判定を行った。ただ、後述するステップS007において、制御装置3は、液側温度TH2と室内温度TH1とを比較して判定を行っていることから、ステップS007と同じパラメータで比較し、判定する方が効率的である。
ステップS005では、制御装置3は、電子膨張弁21aまたは高圧弁46aが異常であると判定する。これは、ガス側温度TH3が室内温度TH1と等しくないまたは液側温度TH2が室内温度TH1と等しくないときには、前述した正常な状態パターン1ではなく、状態パターン2または状態パターン3に該当するためである。
次に、ステップS006では、制御装置3は、電子膨張弁21aまたは高圧弁46aが異常であることを報知部36に報知させる処理を行う。ここで、たとえば、ステップS007〜ステップS011の処理を行う場合、ステップS005およびステップS006の処理は、省略することも可能である。また、制御装置3が行う処理は、ステップS006で終了してもよい。
次に、ステップS007では、制御装置3は、液側温度TH2が室内温度TH1の温度よりも高いか否かを判定する。制御装置3が、液側温度TH2が室内温度TH1よりも高いと判定すると、ステップS008に進み、液側温度TH2が室内温度TH1よりも低いと判定すると、ステップS010に進む。ここで、ステップS007の判定処理は、ステップS004の判定を行ってからの経過時間が、あらかじめ設定された閾値時間を超えた後、すなわち、ガス側温度TH3が安定した後に行うようにしてもよい。また、ここでは、制御装置3が、液側温度TH2と室内温度TH1とを比較処理する場合を例に示したが、ガス側温度TH3と室内温度TH1とを比較処理してもよい。ガス側温度TH3を用いた場合も液側温度TH2の場合と同様に、制御装置3は、ガス側温度TH3が室内温度TH1よりも高いと判定した場合はステップS008に進み、ガス側温度TH3が室内温度TH1よりも低いと判定した場合はステップS010に進む。
ステップS008では、制御装置3は、高圧弁46aが開ロックの異常であると判定する。これは、液側温度TH2が室内温度TH1よりも高い場合は、状態パターン3に該当するためである。
次に、ステップS009では、制御装置3は、高圧弁46aが異常であることを報知部36に報知させる処理を行う。そして、制御装置3は、異常検知処理を終了する。
ステップS010では、制御装置3は、電子膨張弁21aが開ロックの異常であると判定する。これは、液側温度TH2が室内温度TH1よりも低い場合は、状態パターン2に該当するためである。
次に、ステップS011では、制御装置3は、電子膨張弁21aが異常であることを報知部36に報知させる処理を行う。その後、制御装置3は、異常検知処理を終了する。
以上、説明したように、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置は、冷凍サイクル回路10と、バイパス流路44と、低圧弁45aと、高圧弁46aと、第1温度センサTH1aと、第2温度センサTH2aと、報知部36とを備えている。そして、冷凍サイクル回路10は、圧縮機11、冷媒流路切替装置14、室外熱交換器12、電子膨張弁21aおよび室内熱交換器22aを有する。バイパス流路44は、冷凍サイクル回路10において、室外熱交換器12と電子膨張弁21aとの間に設けられた第1分岐部41と、室内熱交換器22aと冷媒流路切替装置14との間に設けられた第2分岐部42aとの間を接続している。また、低圧弁45aは、冷凍サイクル回路10のうち、第2分岐部42aと冷媒流路切替装置14との間に設けられている。さらに、高圧弁46aは、バイパス流路44に設けられている。第1温度センサTH1aは、室内熱交換器22aを通過した空気が供給される室内の温度である室内温度TH1を検出する。第2温度センサTH2aは、室内熱交換器22aの液側冷媒の温度である液側温度TH2を検出する。第3温度センサTH3aは、室内熱交換器22aのガス側冷媒の温度であるガス側温度TH3を検出する。報知部36は、異常を報知するように構成されている。そして、冷凍サイクル回路10は、圧縮機11が動作して運転を行う。一方、室内熱交換器22aは、電子膨張弁21aが全閉状態となり、低圧弁45aおよび高圧弁46aが閉状態となる運転状態である、室内機2aが冷房運転のサーモオフまたは停止状態での運転を行う。このような運転状態において、制御装置3が、ガス側温度TH3が室内温度TH1と等しくないおよび液側温度TH2が室内温度TH1と等しくないの少なくとも一方であると判定すると、報知部36は、電子膨張弁21aまたは高圧弁46aの異常を報知する。ここで、高圧弁46aは、第2弁の一例である。低圧弁45aは、第1弁の一例である。電子膨張弁21aは、絞り装置となる膨張弁の一例である。
以上のような、実施の形態1の冷凍サイクル装置の構成により、電子膨張弁21aまたは高圧弁46aの異常を、より正確に、かつ、より早期に検知することができる。また、本実施の形態の冷凍サイクル装置では、電子膨張弁21aまたは高圧弁46aの異常をより早期に報知できるため、電子膨張弁21aまたは高圧弁46aをより早期に復旧させることができる。したがって、実施の形態1の冷凍サイクル装置においては、室内機2aの不調期間を短縮することができる。
また、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置では、前述した運転状態において、制御装置3が、液側温度TH2が室内温度TH1よりも低いと判定すると、報知部36は、電子膨張弁21aの異常を報知することができる。
また、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置では、前述した運転状態において、制御装置3が、液側温度TH2が室内温度TH1よりも高いと判定すると、報知部36は、高圧弁46aの異常を報知することができる。
実施の形態2.
上述した実施の形態1の冷凍サイクル装置では、制御装置3は、第2弁となる高圧弁46aおよび高圧弁46b並びに電子膨張弁21aおよび電子膨張弁21bのすべての弁について、異常検知を行うものとした。ただし、これに限定するものではない。制御装置3は、あらかじめ定められたまたは選択された弁について、異常検知を行うようにしてもよい。
また、実施の形態1の冷凍サイクル装置においては、制御装置3が、冷凍サイクル回路10内の高圧圧力Pdが目標高圧圧力Pdmに近づくように、圧縮機11の運転周波数を制御する例について説明した。ただし、これに限定するものではない。たとえば、冷凍サイクル回路10内の低圧圧力Psが目標低圧圧力Psmに近づくように、圧縮機11の運転周波数を制御してもよい。