JP2003106683A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JP2003106683A
JP2003106683A JP2001300082A JP2001300082A JP2003106683A JP 2003106683 A JP2003106683 A JP 2003106683A JP 2001300082 A JP2001300082 A JP 2001300082A JP 2001300082 A JP2001300082 A JP 2001300082A JP 2003106683 A JP2003106683 A JP 2003106683A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍装置(10)における膨張弁(36)の制御
方法に改良を加えることにより、圧縮機(30)の容量変
化に伴う膨張弁(36)の制御追従性を向上させる。 【解決手段】 圧縮機(30)の容量変化時に行うフィー
ドフォワード制御において、圧縮機(30)の容量変化後
の冷媒状態たる凝縮圧力(Pc′)及び蒸発圧力(Pe′)
を予測し、その凝縮圧力(Pc′)及び蒸発圧力(Pe′)
と、圧縮機容量比(Ft′/Ft)と、容量変化前の膨張
弁(36)の開度(EV)とのそれぞれに基づいて、容量変
化後の膨張弁(36)の開度(EV′)を予測して設定する
ものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容量が可変である
圧縮機を有する冷凍装置に関し、特に、圧縮機の容量を
変化させたときに膨張弁の開度を適切に制御するように
した冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷媒が循環して蒸気圧縮式冷
凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置について、
蒸発器の入口側及び出口側における冷媒の温度を検出
し、これらの冷媒温度の温度差として検出される冷媒の
過熱度が所定値になるように膨張弁の開度をフィードバ
ック制御することが知られている。
【0003】ところで、圧縮機のモータの回転数を変更
することにより、圧縮機の容量を可変とした冷凍装置
は、一般に知られている。そして、例えば複数の室内機
を備える空気調和装置について、各室内機のいずれかの
ON・OFF動作が切り換えられ、それに応じて圧縮機
の容量が変化されるような場合には、膨張弁の上流側と
下流側との差圧が変化して、蒸発器を流れる冷媒の流量
が大きく変化する。このとき、上記フィードバック制御
では、制御の追従性が低いので、膨張弁の開度を変化後
の圧縮機容量に応じた開度である実際の適正開度に素早
く設定することができない。
【0004】このため、従来より、上記膨張弁開度の適
正開度への変更に要する時間を短縮させる目的で、上記
フィードバック制御に移行する前に、圧縮機の容量変化
後の容量(Ft′)と容量変化前の容量(Ft)との比(以
下、圧縮機容量比という)(Ft′/Ft)と、圧縮機容
量変化前の膨張弁の開度(EV)とに基づいて、圧縮機容
量変化後の膨張弁の開度(ev′)を、ev′=EV×
(Ft′/Ft)と予測して設定するフィードフォワード
制御を行うことが知られている。すなわち、このもので
は、上記フィードフォワード制御により膨張弁の開度を
実際の適正開度(EV0)に予め素早く近付けた後、上記
フィードバック制御によりその適正開度(EV0)に正確
に一致させるようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は、室内機のON・OFF作動に応じて圧縮機の容量が
大きく変化する際に、凝縮器における凝縮圧力や、蒸発
器における蒸発圧力等の冷媒状態も大きく変化してしま
うため、上記従来のように、圧縮機変化前の膨張弁の開
度(EV)と、圧縮機容量比(Ft′/Ft)とだけに基づ
いて、圧縮機容量変化後の膨張弁の開度(ev′)を正確
に予測して設定することは困難である。
【0006】すなわち、圧縮機容量比が実際の凝縮圧力
及び蒸発圧力に正確に反映されているとは限らないの
で、容量変化後の圧縮機容量に応じた実際の適正開度
と、従来のフィードフォワード制御により予測される膨
張弁開度との差が比較的大きくなるため、その後のフィ
ードバック制御による膨張弁開度の適正化に要する時間
が長くなる。つまり、上記従来のものでは、圧縮機の容
量変化に伴う膨張弁開度の制御追従性が比較的低いとい
う問題がある。
【0007】さらに、こうして膨張弁を通過する冷媒流
量が不適正である時間が比較的長くなるため、圧縮機に
吸入される冷媒の湿り度合いや、過熱度が大きくなる時
間も長くなり、圧縮機に与えるストレスが大きくなると
いう問題もある。
【0008】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、冷凍装置における膨
張弁の制御に工夫を凝らすことにより、圧縮機の容量変
化に伴う膨張弁の制御追従性を向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、圧縮機の容量変化時に行うフィー
ドフォワード制御において、圧縮機容量変化後の冷媒状
態を予測し、その冷媒状態と、圧縮機容量比と、容量変
化前の膨張弁の開度とのそれぞれに基づいて、容量変化
後の膨張弁の開度を予測して設定するようにした。
【0010】具体的には、第1の発明は、冷媒が循環し
て蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍
装置が対象である。そして、上記冷媒回路(20)の圧縮
機(30)の容量を変化させた際、上記冷媒回路(20)の
冷媒状態を予測し、該冷媒状態の予測値を加味して膨張
弁(36)の開度を変化させる。
【0011】上記の発明によると、圧縮機(30)の比較
的大きな容量変化に伴って変化する冷媒回路(20)の冷
媒状態を予測し、その予測値を加味して膨張弁の開度を
変化させるフィードフォワード制御が行われるので、従
来のように、冷媒状態の予測値を加味しないで、圧縮機
(30)容量変化前の膨張弁(36)の開度と圧縮機容量比
とだけに基づいて膨張弁(36)の開度を変化させる制御
に比べて、膨張弁(36)の開度を、変化後の圧縮機(3
0)の容量に応じた実際の適正開度にさらに高精度に近
付けることができる。
【0012】従って、このフィードフォワード制御によ
り設定された膨張弁(36)の開度から、実際の適正開度
へ調整するための制御を行う場合、その制御に要する時
間を短縮することができる。すなわち、圧縮機(30)の
容量変化に伴う膨張弁(36)開度の制御追従性を向上さ
せることができる。
【0013】さらに、こうして膨張弁(36)を通過する
冷媒流量が不適正である時間を短縮させることができる
ため、圧縮機(30)に吸入される冷媒の湿り度合いや過
熱度が大きくなる時間が短くなり、圧縮機(30)に与え
られるストレスを低減させることができる。
【0014】第2の発明は、容量可変な圧縮機(30)と
熱源側熱交換器(34)と開度調整自在な膨張弁(36)と
利用側熱交換器(37)とを有し、冷媒が循環する冷媒回
路(20)を備えた冷凍装置が前提である。そして、上記
圧縮機(30)の容量を変化させた後の上記冷媒回路(2
0)における冷媒の凝縮圧力及び蒸発圧力を予測する予
測手段(85)と、上記圧縮機(30)の容量変化の前後に
おける圧縮機容量比と、圧縮機(30)の容量変化前の凝
縮圧力及び蒸発圧力と、上記予測手段(85)が予測した
圧縮機(30)の容量変化後の凝縮圧力及び蒸発圧力の予
測値とに基づいて圧縮機(30)の容量変化後の膨張弁
(36)の開度を導出し、上記圧縮機(30)の容量変化時
に膨張弁(36)を導出開度に制御する開度変更手段(8
6)とを備えている。
【0015】上記の発明によると、予測手段(85)によ
り、圧縮機(30)の容量を変化させた後の冷媒状態とし
て、冷媒の凝縮圧力及び蒸発圧力がそれぞれ予測され
る。そして、この予測手段(85)により得られた圧縮機
(30)の容量変化後の予測値たる凝縮圧力及び蒸発圧力
と、圧縮機(30)の容量変化の前後における圧縮機容量
比と、圧縮機(30)の容量変化前の凝縮圧力及び蒸発圧
力とのそれぞれに基づいて、開度変更手段(86)により
容量変化後の膨張弁(36)の開度が導出される。さら
に、膨張弁(36)は、その開度変更手段(86)によって
圧縮機(30)の容量変化時に上記導出開度に制御され
る。
【0016】従って、予測手段(85)及び開度変更手段
(86)によるフィードフォワード制御によって、上記第
1の発明と同様に、膨張弁(36)を実際の適正開度にさ
らに高精度に近付けることにより膨張弁(36)開度の制
御追従性を向上させることができるとともに、圧縮機
(30)に吸入される冷媒の湿り度合いや過熱度が大きく
なる時間を短縮して圧縮機(30)に与えられるストレス
を低減させることができる。
【0017】第3の発明は、上記第2の発明において、
上記予測手段(85)は、圧縮機(30)の容量変化の前後
における圧縮機容量比と、圧縮機(30)の容量変化前の
冷媒の凝縮温度及び蒸発温度と、室外温度及び室内温度
とに基づいて冷媒の凝縮圧力及び蒸発圧力を予測するよ
うに構成されている。
【0018】このことにより、圧縮機(30)の容量変化
後の冷媒の凝縮圧力及び蒸発圧力をそれぞれ、圧縮機
(30)の容量変化の前後における圧縮機容量比と、圧縮
機(30)の容量変化前の冷媒の凝縮温度及び蒸発温度
と、室外温度及び室内温度とに基づいて適切に予測する
ことができる。
【0019】第4の発明は、上記第2の発明において、
圧縮機(30)の冷媒の吸入過熱度が所定値になるように
膨張弁(36)の開度をフィードバック制御する膨張弁制
御手段(83)を備えている。
【0020】このことにより、圧縮機(30)の容量変化
が変化するときに、膨張弁(36)の開度は、上記予測手
段(85)及び開度変更手段(86)によるフィードフォワ
ード制御によって高精度に容量変化後の実際の適正開度
に予め近付けられた後、圧縮機(30)の冷媒の吸入過熱
度が所定値になるように、膨張弁制御手段(83)によっ
てフィードバック制御されることにより、上記実際の適
正開度に正確に一致させることができる。従って、フィ
ードバック制御に要する時間を効果的に短縮することが
できるため、圧縮機(30)容量変化時における膨張弁
(36)開度の制御追従性を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。本発明に係る冷凍装置である
空調機(10)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行
うように構成されている。
【0022】図1に示すように、上記空調機(10)は、
冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路
(20)及びコントローラ(80)を備えている。この冷媒
回路(20)は、室外回路(21)、室内回路(22)、液側
連絡管(23)、及びガス側連絡管(24)により構成され
ている。室外回路(21)は、室外機(11)に設けられて
いる。この室外機(11)には、室外ファン(12)が設け
られている。一方、室内回路(22)は、第1室内機(13
a)及び第2室内機(13b)に設けられている。この第1
及び第2室内機(13a,13b)には、室内ファン(14,1
4)がそれぞれ設けられている。
【0023】上記室外回路(21)には、容量可変な圧縮
機(30)、四路切換弁(33)、熱源側熱交換器たる室外
熱交換器(34)、レシーバ(35)、及び開度調整自在な
電動膨張弁(36)が設けられている。また、室外回路
(21)には、ブリッジ回路(40)、過冷却回路(50)、
液側閉鎖弁(25)、及びガス側閉鎖弁(26)が設けられ
ている。更に、室外回路(21)には、ガス連通管(61)
及び均圧管(63)が接続されている。
【0024】上記室外回路(21)において、圧縮機(3
0)の吐出ポート(32)は、四路切換弁(33)の第1の
ポートに接続されている。四路切換弁(33)の第2のポ
ートは、室外熱交換器(34)の一端に接続されている。
室外熱交換器(34)の他端は、ブリッジ回路(40)に接
続されている。また、このブリッジ回路(40)には、レ
シーバ(35)と、電動膨張弁(36)と、液側閉鎖弁(2
5)とが接続されている。この点については、後述す
る。圧縮機(30)の吸入ポート(31)は、四路切換弁
(33)の第3のポートに接続されている。四路切換弁
(33)の第4のポートは、ガス側閉鎖弁(26)に接続さ
れている。
【0025】上記ブリッジ回路(40)は、第1管路(4
1)、第2管路(42)、第3管路(43)、及び第4管路
(44)をブリッジ状に接続して構成されている。このブ
リッジ回路(40)において、第1管路(41)の出口端が
第2管路(42)の出口端と接続し、第2管路(42)の入
口端が第3管路(43)の出口端と接続し、第3管路(4
3)の入口端が第4管路(44)の入口端と接続し、第4
管路(44)の出口端が第1管路(41)の入口端と接続し
ている。
【0026】第1〜第4の各管路(41〜44)には、逆止
弁が1つずつ設けられている。第1管路(41)には、そ
の入口端から出口端に向かう冷媒の流通のみを許容する
逆止弁(CV-1)が設けられている。第2管路(42)に
は、その入口端から出口端に向かう冷媒の流通のみを許
容する逆止弁(CV-2)が設けられている。第3管路(4
3)には、その入口端から出口端に向かう冷媒の流通の
みを許容する逆止弁(CV-3)が設けられている。第4管
路(44)には、その入口端から出口端に向かう冷媒の流
通のみを許容する逆止弁(CV-4)が設けられている。
【0027】上記室外熱交換器(34)の他端は、ブリッ
ジ回路(40)における第1管路(41)の入口端及び第4
管路(44)の出口端に接続されている。ブリッジ回路
(40)における第1管路(41)の出口端及び第2管路
(42)の出口端は、円筒容器状に形成されたレシーバ
(35)の上端部に接続されている。レシーバ(35)の下
端部は、電動膨張弁(36)を介して、ブリッジ回路(4
0)における第3管路(43)の入口端及び第4管路(4
4)の入口端に接続されている。ブリッジ回路(40)に
おける第2管路(42)の入口端及び第3管路(43)の出
口端は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。
【0028】上記室内回路(22)には、利用側熱交換器
たる2つの室内熱交換器(37,37)がそれぞれ並列に設
けられている。この2つの室内熱交換器(37,37)は、
同一の構成を有している。室内回路(22)の一端は、液
側連絡管(23)を介して液側閉鎖弁(25)に接続されて
いる。室内回路(22)の他端は、ガス側連絡管(24)を
介してガス側閉鎖弁(26)に接続されている。つまり、
液側連絡管(23)及びガス側連絡管(24)は、室外機
(11)から室内機(13a,13b)に亘って設けられてい
る。また、第1室内機(13a)の冷媒回路(22)における
室内熱交換器(37)の液側連絡管(23)側には、第1電
磁弁(27)が配設されている。一方、第2室内機(13b)
の冷媒回路(22)における室内熱交換器(37)の液側連
絡管(23)側には、第2電磁弁(28)が配設されてい
る。また、上記空調機(10)の設置後において、液側閉
鎖弁(25)及びガス側閉鎖弁(26)は、常に開放状態と
される。
【0029】上記過冷却回路(50)は、その一端がレシ
ーバ(35)の下端と電動膨張弁(36)の間に接続され、
その他端が圧縮機(30)の吸入ポート(31)に接続され
ている。この過冷却回路(50)には、その一端から他端
に向かって順に、第3電磁弁(51)と、温度自動膨張弁
(52)と、過冷却熱交換器(54)とが設けられている。
過冷却熱交換器(54)は、レシーバ(35)から電動膨張
弁(36)へ向けて流れる冷媒と過冷却回路(50)を流れ
る冷媒とを熱交換させるように構成されている。また、
温度自動膨張弁(52)の感温筒(53)は、過冷却回路
(50)における過冷却熱交換器(54)の下流部に取り付
けられている。
【0030】上記ガス連通管(61)は、その一端がレシ
ーバ(35)の上端部に接続され、その他端が電動膨張弁
(36)とブリッジ回路(40)の間に接続されている。ま
た、ガス連通管(61)の途中には、第4電磁弁(62)が
設けられている。
【0031】上記均圧管(63)は、一端がガス連通管
(61)における第4電磁弁(62)とレシーバ(35)の間
に接続され、他端が室外回路(21)における圧縮機(3
0)の吐出ポート(32)と四路切換弁(33)の間に接続
されている。また、均圧管(63)には、その一端から他
端に向かう冷媒の流通のみを許容する均圧用逆止弁(6
4)が設けられている。
【0032】上記圧縮機(30)は、密閉型で高圧ドーム
型に構成されている。具体的に、この圧縮機(30)は、
スクロール型の圧縮機構と、該圧縮機構を駆動する電動
機とを、円筒状のハウジングに収納して構成されてい
る。吸入ポート(31)から吸い込まれた冷媒は、圧縮機
構へ直接導入される。圧縮機構で圧縮された冷媒は、一
旦ハウジング内に吐出された後に吐出ポート(32)から
送り出される。尚、圧縮機構及び電動機は、図示を省略
する。
【0033】上記圧縮機(30)の電動機には、図外のイ
ンバータを通じて電力が供給される。このインバータの
出力周波数を変更すると、電動機の回転数が変化して圧
縮機容量が変化する。つまり、上記圧縮機(30)は、そ
の容量が可変に構成されている。
【0034】上記室外熱交換器(34)は、クロスフィン
式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成さ
れている。また、この室外熱交換器(34)は、互いに直
列接続された2つの部分から構成されている。室外熱交
換器(34)には、室外ファン(12)によって室外空気が
供給される。そして、室外熱交換器(34)は、冷媒回路
(20)を循環する冷媒と室外空気とを熱交換させる。
【0035】上記室内熱交換器(37,37)は、クロスフ
ィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構
成されている。この室内熱交換器(37,37)には、室内
ファン(14,14)によって室内空気が供給される。そし
て、室内熱交換器(37,37)は、冷媒回路(20,20)の
冷媒と室内空気とを熱交換させる。
【0036】上記四路切換弁(33)は、第1のポートと
第2のポートが連通し且つ第3のポートと第4のポート
が連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポ
ートと第4のポートが連通し且つ第2のポートと第3の
ポートが連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切
り換わる。この四路切換弁(33)の切換動作によって、
冷媒回路(20)における冷媒の循環方向が反転する。
【0037】上記空調機(10)には、圧力センサや温度
センサが設けられている。これらセンサの検出値は、上
記コントローラ(80)に入力されて、空調機(10)の運
転制御に用いられる。
【0038】具体的に、圧縮機(30)の吸入ポート(3
1)に接続する配管には、圧縮機(30)の吸入冷媒圧力
を検出するための低圧圧力センサ(71)と、その吸入冷
媒温度を検出するための吸入管温度センサ(77)とが設
けられている。圧縮機(30)の吐出ポート(32)に接続
する配管には、圧縮機(30)の吐出冷媒温度を検出する
ための吐出管温度センサ(74)が設けられている。
【0039】また、室外機(11)には、室外空気の温度
を検出するための外気温センサ(72)が設けられてい
る。室外熱交換器(34)には、その伝熱管温度を検出す
るための室外熱交換器温度センサ(73)が設けられてい
る。
【0040】また、第1及び第2室内機(13a,13b)に
は、室内熱交換器(37,37)へ送られる室内空気の温度
を検出するための内気温センサ(75,75)がそれぞれ設
けられている。
【0041】また、室内熱交換器(37,37)には、その
伝熱管温度を検出するための室内熱交換器温度センサ
(76,76)がそれぞれ設けられている。この室内熱交換
器温度センサ(76,76)は、室内熱交換器(37,37)の
伝熱管のうち、運転中にその内部で冷媒が気液二相状態
となる部分に取り付けられている。そして、室内熱交換
器温度センサ(76,76)は、冷媒の蒸発温度又は凝縮温
度として室内熱交換器(37,37)の温度を検出し、その
検出値を熱交換器検出温度として出力するものである。
【0042】上記コントローラ(80)は、電動膨張弁
(36)の開度を適切に維持するための膨張弁制御手段た
る膨張弁制御部(83)を備えている。膨張弁制御部(8
3)は、蒸発器の入口側及び出口側における、冷媒の温
度を検出し、これらの冷媒温度の温度差として検出され
る冷媒蒸気の吸入過熱度が所定値(例えば、5℃)にな
るように電動膨張弁(36)の開度をフィードバック制御
するものである(以降、膨張弁制御部(83)による電動
膨張弁(36)開度のフィードバック制御を、単にフィー
ドバック制御と略称する)。
【0043】ところで、コントローラ(80)は、容量比
演算部(84)を備えている。容量比演算部(84)は、各
室内機(13a,13b)のON・OFF作動に応じて所定の
容量に変更された後の圧縮比の容量(Ft′)と、変更さ
れる前の容量(Ft)との比である圧縮機容量比(Ft′
/Ft)を演算するためのものである。
【0044】また、コントローラ(80)は、予測手段た
る予測部(85)を備えている。予測部(85)は、圧縮機
(30)の容量を変化させた後の冷媒回路(20)における
冷媒の凝縮圧力(Pc′)及び蒸発圧力(Pe′)を予測す
るためのものである。さらに、この予測部(85)は、容
量比演算部(84)により演算された圧縮機(30)の容量
変化の前後における圧縮機容量比(Ft′/Ft)と、圧
縮機(30)の容量変化前の冷媒の凝縮温度(Tc)及び蒸
発温度(Te)と、室外温度(Ta)及び室内温度(Tr)と
に基づいて上記冷媒の凝縮圧力(Pc′)及び蒸発圧力
(Pe′)を予測するように構成されている。
【0045】さらに、コントローラ(80)は、開度変更
手段たる開度変更部(86)を備えている。開度変更部
(86)は、圧縮機(30)の容量変化の前後における圧縮
機容量比(Ft′/Ft)と、圧縮機(30)の容量変化前
の凝縮圧力(Pc)及び蒸発圧力(Pe)と、上記予測部
(85)が予測した圧縮機(30)の容量変化後の凝縮圧力
(Pc′)及び蒸発圧力(Pe′)の予測値とに基づいて圧
縮機(30)の容量変化後の電動膨張弁(36)の開度(E
V′)を導出し、圧縮機(30)の容量変化時に電動膨張
弁(36)を導出開度(EV′)に制御するように構成され
ている(以降、容量比演算部(84)、予測部(85)及び
開度変更部(86)による電動膨張弁(36)開度のフィー
ドフォワード制御を、単にフィードフォワード制御と略
称する)。
【0046】このようにして、本実施形態に係る空調機
(10)は、冷媒回路(20)の圧縮機(30)の容量を変化
させた際、冷媒回路(20)の冷媒状態を予測し、その冷
媒状態の予測値を加味して電動膨張弁(36)の開度を変
化させるように構成されている。
【0047】−運転動作− 上記空調機(10)の運転動作について説明する。この空
調機(10)は、冷却動作による冷房運転と、ヒートポン
プ動作による暖房運転とを切り換えて行う。
【0048】《冷房運転》2つの室内機(13a,13b)を
同時に運転させる冷房運転時には、四路切換弁(33)が
図1に実線で示す状態に切り換えられると共に、第1電
磁弁(27)及び第2電磁弁(28)が開放され、電動膨張
弁(36)が所定開度に調節され、第3電磁弁(51)が開
放され、第4電磁弁(62)が閉鎖される。また、室外フ
ァン(12)及び室内ファン(14,14)がそれぞれ運転さ
れる。この状態で冷媒回路(20)において冷媒が循環
し、室外熱交換器(34)を凝縮器とし且つ室内熱交換器
(37,37)を蒸発器として冷凍サイクルが行われる。
【0049】具体的に、圧縮機(30)の吐出ポート(3
2)から吐出された冷媒は、四路切換弁(33)を通って
室外熱交換器(34)へ送られる。室外熱交換器(34)で
は、冷媒が室外空気に対して放熱して凝縮する。凝縮し
た冷媒は、ブリッジ回路(40)の第1管路(41)を通っ
てレシーバ(35)に流入する。レシーバ(35)から流出
した高圧の液冷媒は、その一部が分流されて過冷却回路
(50)へ流入し、残りが過冷却熱交換器(54)へ流入す
る。
【0050】過冷却回路(50)へ流入した冷媒は、温度
自動膨張弁(52)で減圧されて低圧冷媒となり、その後
に過冷却熱交換器(54)へ流入する。過冷却熱交換器
(54)では、レシーバ(35)からの高圧液冷媒と、温度
自動膨張弁(52)で減圧された低圧冷媒とが熱交換を行
う。そして、過冷却熱交換器(54)では、低圧冷媒が高
圧液冷媒から吸熱して蒸発し、高圧液冷媒が冷却され
る。過冷却熱交換器(54)で蒸発した低圧冷媒は、過冷
却回路(50)を流れて圧縮機(30)に吸入される。一
方、過冷却熱交換器(54)で冷却された高圧液冷媒は、
電動膨張弁(36)へ送られる。
【0051】電動膨張弁(36)では、送り込まれた高圧
液冷媒が減圧される。電動膨張弁(36)で減圧された冷
媒は、その後にブリッジ回路(40)の第3管路(43)か
ら液側連絡管(23)を通り、開放状態の第1電磁弁(2
7)又は第2電磁弁(28)を介して室内熱交換器(37,3
7)へそれぞれ送られる。
【0052】室内熱交換器(37,37)では、冷媒が室内
空気から吸熱して蒸発する。つまり、室内熱交換器(3
7,37)では、第1及び第2室内機(13a,13b)に取り
込まれた室内空気が冷媒に対して放熱する。この放熱に
よって室内空気の温度が低下し、低温の調和空気が生成
する。生成した調和空気は、第1及び第2室内機(13
a,13b)から室内へ供給されて冷房に利用される。
【0053】室内熱交換器(37,37)で蒸発した冷媒
は、ガス側連絡管(24)及び四路切換弁(33)を流れ、
吸入ポート(31)から圧縮機(30)に吸入される。圧縮
機(30)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出ポート
(32)から吐出する。冷媒回路(20)では、以上のよう
に冷媒が循環して冷却動作が行われる。
【0054】また、第1室内機及び第2室内機のいずれ
か一方の運転を停止させるときには、開放状態の第1電
磁弁(27)及び第2電磁弁(28)のいずれか一方を閉鎖
する。そして、圧縮機(30)の容量を1/2に変更する
とともに、電動膨張弁(36)の開度を変更する。このと
きの電動膨張弁(36)の開度の制御については、後述す
る。
【0055】《暖房運転》2つの室内機(13a,13b)を
同時に運転させる暖房運転時には、四路切換弁(33)が
図1に破線で示す状態に切り換えられると共に、第1電
磁弁(27)及び第2電磁弁(28)が開放され、電動膨張
弁(36)が所定開度に調節され、第3電磁弁(51)及び
第4電磁弁(62)が閉鎖されている。また、室外ファン
(12)及び室内ファン(14)が運転される。この状態で
冷媒回路(20)において冷媒が循環し、室内熱交換器
(37)を凝縮器とし且つ室外熱交換器(34)を蒸発器と
して冷凍サイクルが行われる。
【0056】具体的に、圧縮機(30)の吐出ポート(3
2)から吐出された冷媒は、四路切換弁(33)からガス
側連絡管(24)を通って室内熱交換器(37,37)へ送ら
れる。室内熱交換器(37,37)では、冷媒が室内空気に
対して放熱して凝縮する。つまり、室内熱交換器(37,
37)では、第1及び第2室内機(13a,13b)に取り込ま
れた室内空気が冷媒によって加熱される。この加熱によ
って室内空気の温度が上昇し、暖かい調和空気が生成す
る。生成した調和空気は、室内機(13a,13b)から室内
へ供給されて暖房に利用される。
【0057】室内熱交換器(37,37)で凝縮した冷媒
は、開放状態の第1電磁弁(27)又は第2電磁弁(28)
を介して、液側連絡管(23)とブリッジ回路(40)の第
2管路(42)とを通ってレシーバ(35)に流入する。レ
シーバ(35)から流出した冷媒は、電動膨張弁(36)で
減圧され、その後にブリッジ回路(40)の第4管路(4
4)を通って室外熱交換器(34)へ送られる。室外熱交
換器(34)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発す
る。
【0058】室外熱交換器(34)で蒸発した冷媒は、四
路切換弁(33)を通って吸入ポート(31)から圧縮機
(30)に吸入される。圧縮機(30)は、吸入した冷媒を
圧縮して再び吐出ポート(32)から吐出する。冷媒回路
(20)では、以上のように冷媒が循環してヒートポンプ
動作が行われる。
【0059】また、第1室内機及び第2室内機のいずれ
か一方の運転を停止させるときには、上記冷房運転の場
合と同様に、開放状態の第1電磁弁(27)及び第2電磁
弁(28)のいずれか一方を閉鎖する。そして、圧縮機
(30)の容量を1/2に変更するとともに、電動膨張弁
(36)の開度を変更する。このときの電動膨張弁(36)
の開度の制御については、後述する。
【0060】《圧縮機の動作》上記圧縮機(30)の容量
を制御する動作について説明する。
【0061】先ず、内気温センサ(75)からの室内検出
温度と、室内熱交換器温度センサ(76)からの熱交換器
検出温度と、ユーザーの操作により図外のリモコンから
入力される設定温度とのそれぞれに基づいて、制御目標
値を設定する。
【0062】そして、室内熱交換器温度センサ(76)か
ら検出される熱交換器検出温度が、上記制御目標値とな
るように、上記インバータの出力周波数を変更する。イ
ンバータの出力周波数が変化すると、圧縮機(30)を駆
動する電動機の回転数が変動し、圧縮機(30)の容量が
変化する。このようにして、圧縮機(30)の容量は、熱
交換器検出温度を制御目標値と一致させるように調節さ
れる。
【0063】ところで、各室内機(13a,13b)のいずれ
かががON・OFF作動された場合、圧縮機(30)の容
量は、その室内機(13a,13b)のON・OFF作動に応
じて変化される。すなわち、例えば第1及び第2室内機
(13a,13b)が共にON作動している状態から、第2室
内機(13b)をOFF作動させて第1室内機(13a)だけが
ON作動している状態に変更させる場合には、圧縮機
(30)の容量は1/2に変化される。このときの圧縮機
(30)の容量変化についても、上記と同様に、インバー
タの出力周波数を変更して、圧縮機(30)を駆動する電
動機の回転数を変化させることにより行われる。
【0064】《コントローラの動作》次に、コントロー
ラ(80)が電動膨張弁(36)の開度を制御する動作につ
いて説明する。先ず、圧縮機(30)の容量が一定である
通常時に、膨張弁制御部(83)により行われる電動膨張
弁(36)開度のフィードバック制御について説明する。
【0065】膨張弁制御部(83)には、吸入管温度セン
サ(77)により検出される吸入冷媒温度、室内熱交換器
温度センサ(76)により検出される室内熱交換器(37)
の伝熱管温度、及び室外熱交換器温度センサ(73)によ
り検出される室外熱交換器(34)の伝熱管温度がそれぞ
れ入力される。そして、膨張弁制御部(83)は、これら
の各温度に基づいて、蒸発器の入口側温度と出口側温度
との差としての冷媒の吸入過熱度を演算する。
【0066】すなわち、冷房運転時には、吸入管温度セ
ンサ(77)から入力された吸入冷媒温度と、室内熱交換
器温度センサ(76)から入力された室内熱交換器(37)
の伝熱管温度との差により、過熱度を求める。一方、暖
房運転時には、吸入管温度センサ(77)から入力された
吸入冷媒温度と、室外熱交換器温度センサ(73)から入
力された室外熱交換器(34)の伝熱管温度との差によ
り、過熱度を求める。そして、この過熱度が所定値(例
えば、5℃)となるように、電動膨張弁(36)の開度を
フィードバック制御する。
【0067】次に、圧縮機(30)の容量変化時に、容量
比演算部(84)、予測部(85)及び開度変更部(86)に
より行われる電動膨張弁(36)開度のフィードフォワー
ド制御について説明する。
【0068】先ず、容量比演算部(84)には、圧縮機
(30)の容量変化時に、圧縮機容量変化前である現在に
おける、各室内機(13a,13b)の作動状態に応じた圧縮
機(30)の容量(Ft)が入力される。一方、各室内機
(13a,13b)のON・OFF作動に応じて変更設定され
る、圧縮機容量変化後の圧縮機(30)の容量(Ft′)が
入力される。これらにより、圧縮比容量比(Ft′/F
t)が演算される。
【0069】例えば、図2(a)に示すように、第1及
び第2室内機(13a,13b)が同時にON作動している状
態から、第2室内機(13b)をOFF作動させて第1室内
機(13a)だけがON作動している状態に変更する場合に
は、容量変化後の圧縮機(30)の容量(Ft′)は、容量
変化前の圧縮機の容量(Ft)の1/2となるため、圧縮
比容量比(Ft′/Ft)は、容量比演算手段(84)によ
り1/2と演算される。
【0070】続いて、予測部(85)には、容量比演算部
(84)により演算された圧縮機容量比(Ft′/Ft)が
入力される。さらに、圧縮機(30)の容量変化前の冷媒
の凝縮温度(Tc)及び蒸発温度(Te)と、室外温度(T
a)及び室内温度(Tr)とがそれぞれ入力される。そし
て、これらに基づいて凝縮圧力(Pc′)及び蒸発圧力
(Pe′)がそれぞれ予測される。
【0071】すなわち、冷房運転時には、図2(b)に
示すように、圧縮機(30)の容量が変化して1/2にな
ると、室外熱交換器の伝熱管温度たる凝縮温度(Tc)
は、徐々に低下して、外気温度(Ta)との差が1/2に
なる。一方、室内熱交換器の伝熱管温度たる蒸発温度
(Te)は、徐々に上昇して、室内温度(Tr)との差が1
/2になる。このように、圧縮機容量変化後における凝
縮温度(Tc′)及び蒸発温度(Te′)は、それぞれ次式
により予測して求められる。
【0072】 Tc′=Ta+(Tc−Ta)×(Ft′/Ft) …(1) Te′=Tr−(Tr−Te)×(Ft′/Ft) …(2) そして、上記式(1)により求められた凝縮温度(Tc′)
に基づいて、圧縮機容量変化後の凝縮圧力(Pc′)が冷
媒物性値に基づいて導出される。同様に、上記式(2)に
より求められた蒸発温度(Te′)に基づいて、圧縮機容
量変化後の蒸発圧力(Pe′)が冷媒物性値に基づいて導
出される。
【0073】尚、このとき、図2(c)に示すように、
凝縮圧力(Pc)は、徐々に低下して(Pc′)になる一
方、蒸発圧力(Pe)は、徐々に上昇して(Pe′)にな
る。すなわち、凝縮圧力(Pc)と蒸発圧力(Pe)との差
(ΔP)は、容量変化後に凝縮圧力(Pc′)と蒸発圧力
(Pe′)との差(ΔP′)に変化する。
【0074】一方、暖房運転時には、図示は省略する
が、圧縮機(30)の容量が変化して1/2になると、室
内熱交換器の伝熱管温度たる凝縮温度(Tc)は、徐々に
低下して、室内温度(Tr)との差が1/2になる。一
方、室外熱交換器の伝熱管温度たる蒸発温度(Te)は、
徐々に上昇して、外気温度(Ta)との差が1/2にな
る。このように、圧縮機容量変化後における凝縮温度
(Tc′)及び蒸発温度(Te′)は、それぞれ次式により
予測して求められる。
【0075】 Tc′=Tr+(Tc−Tr)×(Ft′/Ft) …(3) Te′=Ta−(Ta−Te)×(Ft′/Ft) …(4) そして、上記冷房運転時と同様に、上記式(3)により求
められた凝縮温度(Tc′)に基づいて、圧縮機容量変化
後の凝縮圧力(Pc′)が導出される一方、上記式(4)に
より求められた蒸発温度(Te′)に基づいて、圧縮機容
量変化後の蒸発圧力(Pe′)が導出される。
【0076】その後、開度変更部(86)には、容量比演
算手段(84)で求められた圧縮機容量比(Ft′/Ft)
と、圧縮機容量変化前の電動膨張弁(36)の開度(EV)
と、圧縮機容量変化前の凝縮圧力(Pc)及び蒸発圧力
(Pe)と、上記予測部(85)が予測した圧縮機容量変化
後の凝縮圧力(Pc′)及び蒸発圧力(Pe′)とがそれぞ
れ入力される。そして、これらに基づいて、開度変更部
(86)により圧縮機容量変化後の電動膨張弁(36)の開
度(EV′)が導出される。そして、同じく開度変更部
(86)により圧縮機(30)の容量変化時に、電動膨張弁
(36)を導出開度(EV′)に制御する。すなわち、圧縮
機容量変化後における電動膨張弁(36)の開度(EV′)
は、次式により予測して求められる。
【0077】 EV′=EV×(Ft′/Ft)×(ΔP/ΔP′) …(5) 但し、ΔP=Pc−Pe,ΔP′=Pc′−Pe′ すなわち、図2(d)にも示すように、圧縮機(30)の
容量変化時に上記フィードフォワード制御により電動膨
張弁(36)の開度(EV)は、予め上記式(5)により導出
される(EV′)に変更される。その後、上記通常時のフ
ィードバック制御が行われる。そして、このフィードバ
ック制御によって、容量変化後の圧縮機(30)の容量に
応じた適正開度(EV0)に調節される。
【0078】以上のように、本実施形態によれば、予測
部(85)により、圧縮機(30)の容量を変化させた後の
冷媒状態として、冷媒の凝縮圧力(Pc′)及び蒸発圧力
(Pe′)がそれぞれ予測される。そして、この予測部
(85)により得られた圧縮機(30)の容量変化後の予測
値たる凝縮圧力(Pc′)及び蒸発圧力(Pe′)と、圧縮
機(30)の容量変化の前後における圧縮機容量比(F
t′/Ft)と、圧縮機(30)の容量変化前の凝縮圧力
(Pc)及び蒸発圧力(Pe)とのそれぞれに基づいて、開
度変更部(86)により圧縮機(30)の容量変化後の電動
膨張弁(36)の開度(EV′)が導出される。さらに、電
動膨張弁(36)は、その開度変更部(86)により圧縮機
(30)の容量変化時に上記導出開度(EV′)に制御され
る。
【0079】一方、図2(d)に破線で示されるよう
に、従来のものでは、冷媒状態の予測値を加味しない
で、圧縮機(30)容量変化前の電動膨張弁(36)の開度
(EV)と、圧縮機容量比(Ft′/Ft)とだけに基づい
て、容量変化後の電動膨張弁(36)の開度(ev′)に制
御するようにしている(ev′=EV×(Ft′/F
t))。
【0080】従って、本実施形態のように、予測部(8
5)、開度変更部(86)、及び容量比演算部(84)によ
るフィードフォワード制御によって、上記従来の制御に
よる開度(ev′)に比べて、容量変化後の電動膨張弁
(36)の開度(EV′)を、変化後の圧縮機(30)の容量
(Ft′)に応じた実際の適正開度(EV0)にさらに高精
度に近付けることができる。
【0081】従って、図2(d)にも示されるように、
電動膨張弁(36)の開度(EV)を上記フィードフォワー
ド制御により設定された開度(EV′)から実際の適正開
度(EV0)へ調整するために上記フィードバック制御を
行う場合、そのフィードバック制御に要する時間(ΔT)
は、従来のものにおける開度(ev′)から適正開度(E
0)へ調整するためのフィードバック制御に要する時間
(Δt)よりも短縮することができる。すなわち、圧縮機
(30)の容量変化に伴う電動膨張弁(36)の開度(EV)
の制御追従性を向上させることができる。
【0082】さらに、こうして電動膨張弁(36)を通過
する冷媒流量が不適正である時間を短縮させることがで
きるため、圧縮機(30)に吸入される冷媒の湿り度合い
や過熱度が大きくなる時間が短くなり、圧縮機(30)に
与えられるストレスを低減させることができる。
【0083】また、圧縮機(30)の容量変化後の冷媒の
凝縮圧力(Pc′)及び蒸発圧力(Pe′)を、それぞれ、
圧縮機(30)の容量変化の前後における圧縮機容量比
(Ft′/Ft)と、圧縮機(30)の容量変化前の冷媒の
凝縮温度(Tc)及び蒸発温度(Te)と、室外温度(Ta)
及び室内温度(Tr)とに基づいて適切に予測することが
できる。すなわち、室外温度や室内温度等の環境条件を
加味するようにしたので、膨張弁(36)の開度をより正
確に予測して設定することができる。
【0084】尚、上記実施形態では、圧縮機(30)の容
量変化後の膨張弁(36)の開度を変更する目的で、凝縮
圧力及び蒸発圧力を予測するようにしたが、その他の冷
媒状態を予測するようにしてもよい。また、凝縮圧力及
び蒸発圧力を、容量変化前後における圧縮機容量比と、
圧縮機(30)の容量変化前の冷媒の凝縮温度及び蒸発温
度と、室外温度及び室内温度とに基づいて予測するよう
にしたが、その他の方法により予測するようにしてもよ
い。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路
を備えた冷凍装置について、冷媒回路の圧縮機の容量を
変化させた際、冷媒回路の冷媒状態を予測し、その冷媒
状態の予測値を加味して膨張弁の開度を変化させること
により、圧縮機の容量変化後の冷媒状態として凝縮圧力
及び蒸発圧力を予測し、その予測値を加味して膨張弁の
開度を変化させるので、容量変化後の膨張弁の開度を実
際の適正開度に高精度に近付けることができる。さら
に、その後に、実際の適正開度へ調整するための制御を
行う場合、その制御に要する時間を短縮して、容量変化
に伴う膨張弁開度の制御追従性を向上させることができ
る。また、膨張弁を通過する冷媒流量が不適正である時
間を短縮させることができるため、圧縮機に与えられる
ストレスを低減させることができる。
【0086】第3の発明によると、予測手段は、圧縮機
の容量変化の前後における圧縮機容量比と、圧縮機の容
量変化前の冷媒の凝縮温度及び蒸発温度と、室外温度及
び室内温度とに基づいて冷媒の凝縮圧力及び蒸発圧力を
予測するものであることにより、容量変化後の冷媒の凝
縮圧力及び蒸発圧力をそれぞれ適切に予測することがで
きる。
【0087】第4の発明によると、圧縮機の冷媒の吸入
過熱度が所定値になるように膨張弁の開度をフィードバ
ック制御する膨張弁制御手段を備えることにより、フィ
ードバック制御に要する時間を効果的に短縮することが
できるため、圧縮機容量変化時における膨張弁開度の制
御追従性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る冷凍装置の構成を示す
配管系統図である。
【図2】圧縮機の容量、凝縮温度、蒸発温度、凝縮圧
力、蒸発圧力及び膨張弁と、時間との関係をそれぞれ示
すタイムチャート図である。
【符号の説明】
(Ft′/Ft) 圧縮機容量比 (10) 空調機(冷凍装置) (20) 冷媒回路 (30) 圧縮機 (34) 室内熱交換器(熱源側熱交換器) (36) 膨張弁 (37) 室外熱交換器(利用側熱交換器) (80) コントローラ (83) 膨張弁制御部(膨張弁制御手段) (85) 予測部(予測手段) (86) 開度変更部(開度変更手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクル
    を行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置であって、 上記冷媒回路(20)の圧縮機(30)の容量を変化させた
    際、上記冷媒回路(20)の冷媒状態を予測し、該冷媒状
    態の予測値を加味して膨張弁(36)の開度を変化させる
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 【請求項2】 容量可変な圧縮機(30)と熱源側熱交換
    器(34)と開度調整自在な膨張弁(36)と利用側熱交換
    器(37)とを有し、冷媒が循環する冷媒回路(20)を備
    えた冷凍装置において、 上記圧縮機(30)の容量を変化させた後の上記冷媒回路
    (20)における冷媒の凝縮圧力及び蒸発圧力を予測する
    予測手段(85)と、 上記圧縮機(30)の容量変化の前後における圧縮機容量
    比と、圧縮機(30)の容量変化前の凝縮圧力及び蒸発圧
    力と、上記予測手段(85)が予測した圧縮機(30)の容
    量変化後の凝縮圧力及び蒸発圧力の予測値とに基づいて
    圧縮機(30)の容量変化後の膨張弁(36)の開度を導出
    し、上記圧縮機(30)の容量変化時に膨張弁(36)を導
    出開度に制御する開度変更手段(86)とを備えているこ
    とを特徴とする冷凍装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記予測手段(85)は、圧縮機(30)の容量変化の前後
    における圧縮機容量比と、圧縮機(30)の容量変化前の
    冷媒の凝縮温度及び蒸発温度と、室外温度及び室内温度
    とに基づいて冷媒の凝縮圧力及び蒸発圧力を予測するよ
    うに構成されていることを特徴とする冷凍装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 圧縮機(30)の冷媒の吸入過熱度が所定値になるように
    膨張弁(36)の開度をフィードバック制御する膨張弁制
    御手段(83)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
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