JP6731236B2 - 合金鋼の脱スケール促進添加剤、これを含有する酸洗浄液組成物ならびに酸洗浄方法 - Google Patents

合金鋼の脱スケール促進添加剤、これを含有する酸洗浄液組成物ならびに酸洗浄方法 Download PDF

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本発明は、合金鋼の脱スケール促進添加剤、これを含有する酸洗浄液組成物および酸洗浄方法に関する。
鋼材は、スラブに熱間圧延、冷間圧延を施して所望の製品厚さまで加工した後、鋼材の組織制御のために連続焼鈍ラインにて、焼鈍、焼き入れ処理を施すことが一般的である。
熱間圧延鋼板などの金属の熱延材料や熱処理を施した金属材料表面には、一般にミルスケール等の酸化物皮膜が付着しており、メッキや冷延等の後工程に供するためにこの酸化物皮膜を除去する必要がある。
これら金属表面に付着しているスケールの除去には、塩酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸、硝酸、フッ酸のような無機酸、これらの無機酸の混合物、シュウ酸、クエン酸などの有機酸などによる酸洗が行われている。
しかしながら、強固に付着した酸化物皮膜やスケールは、除去しがたく、これを酸洗で完全に除去するにはかなり長時間の酸洗時間が必要になる。
従来これらの問題点の解決に当たって界面活性剤を添加する方法(特許文献1)、酸化剤と腐食抑制剤を添加する方法(特許文献2)、あるいは還元剤を添加する方法(特許文献3)などが提案されている。さらに有機硫黄化合物を添加する方法(特許文献4)が提案されている。
一方、近年、家電製品、建材、自動車等の軽量化の目的で、高い強度と、優れた延性や加工性とを示す鋼材の需要が急増している。このような用途には、Si、Mn、Crなどを比較的多く含有させた低合金鋼材が使用されている。
このような低合金鋼では、通常の鋼の場合に比べ、熱処理等により生ずるスケールが、さらに強固なものとなり、著しく酸洗速度が低下する。したがって、これら特許文献に記載されている方法では十分対応できない。
また、比較的効果のあるメルカプト基含有の有機硫黄化合物では、もう一つの問題として、酸洗中にこれらの化合物が一部分解して硫化水素を生じ、環境に対し著しい悪影響を与え、場合により黒変など鋼材の品質を劣化させることが挙げられる。これを防ぐ方法としては、発生する硫化水素を補捉する硫化水素捕捉成分を含有させる方法(特許文献5)が提案されている。しかしながらこのような補捉成分は時間と共に効果が低下し、十分ではない。
特開昭57−198273号公報 特開昭63−203780号公報 特開昭47−34122号公報 特開平5−33171号公報 特開2006−183116号公報
本発明の目的は、Si、Mn、Crなどの合金元素の含有量が比較的多い合金鋼においても脱スケールを速やかに行うことのでき、しかも硫化水素などの有害ガスの発生が全くなく鋼材の変色なども生じない硫黄を含まない化合物による脱スケール促進添加剤を提供し、これを用いた酸洗浄液組成物および酸洗浄方法を提供することにある。
本発明は、合金鋼の酸洗浄での脱スケールを促進する脱スケール促進添加剤であって、次亜リン酸またはその塩から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする脱スケール促進添加剤である。
さらに本発明は、酸洗浄液および前記脱スケール促進添加剤を含有することを特徴とする酸洗浄液組成物である。
また本発明は、前記次亜リン酸またはその塩から選ばれる少なくとも1種を合計で11000ppm含有することを特徴とする酸洗浄液組成物である。
また本発明は、前記酸洗浄液が、塩酸洗浄液または硫酸洗浄液である酸洗浄液組成物である。
また本発明は、前記酸洗浄液が、クエン酸、ギ酸、グリコール酸またはマロン酸から選択される1種以上の有機酸洗浄液である酸洗浄液組成物である。
また本発明は、前記合金鋼が、合金元素としてSi,MnおよびCrを合計で0.3〜10wt%含むことを特徴とする酸洗浄液組成物である。
さらにまた本発明は、前記酸洗浄液組成物と、合金鋼とを接触させて脱スケールを行うことを特徴とする酸洗浄方法である。
また本発明は、前記次亜リン酸またはその塩から選ばれる少なくとも1種が合計で11000ppm含まれる酸洗浄液組成物を用いることを特徴とする酸洗浄方法である。
前記酸洗浄液組成物における酸洗浄液が、塩酸洗浄液または硫酸洗浄液である酸洗浄方法である。
また本発明は、前記合金鋼が、合金元素としてSi,MnおよびCrを合計で0.3〜10wt%含むことを特徴とする酸洗浄方法である。
本発明によると、次亜リン酸またはその塩から選ばれる少なくとも1種からなる脱スケール促進剤を、酸洗浄液に添加し、合金鋼の脱スケールを行うことにより、脱スケール速度を速め、硫化水素などの発生が全くなく、環境への悪影響がなく、鋼材の黒変などの変色のない酸洗浄液組成物および洗浄方法を提供することができる。
本発明は、合金鋼の表面に形成された酸化皮膜であるスケールを除去するための、次亜リン酸またはその塩から選ばれる少なくとも1種を含有する脱スケール促進添加剤であり、これら脱スケール促進添加剤を用いた酸洗浄液組成物および酸洗浄方法である。
本発明の脱スケール促進添加物は、次亜リン酸またはその塩から選ばれる少なくとも1種(以下、個々の化合物を添加剤成分ということがある)を含有する。
本発明の脱スケール促進添加剤(以下、添加剤ということがある)において、前記添加剤成分は、それぞれ1種類を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
前記次亜リン酸またはその塩としては、無機アルカリとの塩あるいは有機アルカリとの塩があげられ、無機アルカリ塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などがあげられる。また、有機アルカリとの塩としては、モノメチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩などを挙げることができる。
本発明の脱スケール促進添加物が、前記次亜リン酸と、その塩との2種類を含有する場合には、その比率はどのような比率であってもよく異なる塩の組合せであっても好適に使用することができる。
本発明の脱スケール促進添加剤は、前記成分以外に、水、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの媒体を含んでいてもよく、これら媒体の含有量は、添加剤全体に対して、0.1〜99.99%であるのが好ましい。
本発明の添加剤は、前記添加剤成分の1種以上を、媒体と適宜、公知の手段で混合することにより、製造することができる。混合温度は、冷却〜加温下に実施することができ、混合の順序も特に制限されない。
本発明の酸洗浄液組成物(以下、組成物ということがある)は、酸洗浄液に、添加剤として、次亜リン酸またはその塩の少なくとも1種を含有する。
洗浄液組成物は、前記添加剤成分が次亜リン酸が、遊離化合物として、合計で酸洗浄液1Lに対し、11000ppm、好ましくは、10500ppm含有された組成物である。


本発明の洗浄液組成物において、前記添加剤成分の含有量が、1ppm未満では、脱スケール促進の効果は認められない。また1000ppmを超えてもその効果はほとんど増加しない。
本発明の洗浄液組成物における酸洗浄液は、通常、無機酸または有機酸が使用されるが、無機酸については、塩酸洗浄液または硫酸洗浄液が好ましい。また有機酸については、クエン酸、ギ酸、グリコール酸またはマロン酸から選択される1種以上の有機酸洗浄液が好ましい。
また、酸洗浄液は、酸の濃度が10g/L以上350g/L以下であり、好ましくは、20g/L以上200g/L以下である。10g/L未満では、脱スケール時間が非常に長くなり、また、350g/Lを超えてもスケールの溶解度が小さくなり、脱スケール速度が急激に遅くなり、経済的に非効率である。
前記酸洗浄液は、塩酸洗浄液および硫酸洗浄液のいずれであっても、前記濃度範囲で使用することができる。
また有機酸洗浄液の場合は、クエン酸、ギ酸、グリコール酸またはマロン酸から選択される1種以上の濃度が、10g/L以上200g/L以下であり、好ましくは、30g/L以上150g/L以下である。10g/L未満では、脱スケール時間が非常に長くなり、また、200g/Lを超えてもスケールの溶解度が小さくなり、脱スケール速度が急激に遅くなり、経済的に非効率である。
前記酸洗浄液組成物は、必要に応じ、さらに酸洗浄時の鋼材表面の腐食を抑制する腐食抑制剤を含んでいてもよい。腐食抑制剤としては、入手可能な市販の腐食抑制剤を用いることができ、前記脱スケール促進剤と不都合な相互作用を示さないものであればよい。
たとえば酸洗浄液として塩酸洗浄液を用いる場合は、イビットNo.711NH−2(商品名、朝日化学工業株式会社製)、硫酸洗浄液を用いる場合は、イビットNo.600LT2(商品名、朝日化学工業株式会社製)などが好適である。また有機酸を用いる場合は、イビットNo.30AR(商品名、朝日化学工業株式会社製)などが好適である。
本発明の組成物は、前記酸洗浄液、添加剤および必要に応じて腐食抑制剤を、適宜、公知の手段で混合することにより、製造することができる。混合温度は、冷却〜加温下に実施することができ、混合の順序も特に制限されない。
本発明において、合金鋼の酸洗浄は、合金鋼と、本願発明の組成物とを、接触させることにより実施することができる。
酸洗浄液組成物と合金鋼とを接触させる方法としては、合金鋼を酸洗浄液組成物に浸漬する方法、酸洗浄液組成物を合金鋼にスプレーする方法、合金鋼を酸洗浄液組成物でシャワーリングする方法などを挙げることができるが、これ以外に公知の他の方法であっても良い。
また適用できる具体的なプロセスとしては、熱間圧延処理後の合金鋼の鋼帯に対して行う連続酸洗プロセス、ボイラーなどの装置内に酸洗浄液を導入して現場で洗浄を行う酸洗浄プロセス、グレーチング材などを直接酸洗液に浸漬して洗浄を行うバッチ酸洗浄プロセスなどを挙げることができる。
適用される鋼材としては、Cr、Si、Mnが合計で0.3〜10wt%、好ましくは、0.5〜10wt%、さらに好ましくは1〜10wt%含む合金鋼を挙げることができ、具体的には、炭素鋼にCrを数%添加した組成を持つクロム鋼、STB鋼、Si,Mnが比較的多く含まれる高張力鋼などを挙げることができる。
かかる合金鋼としては、たとえばSTBA12,STBA13、STBA20、STBA22、STBA23、STBA24、STBA5、STBA6などのSTB鋼、JFE‐HITEN590、JFE‐HITEN690、JFE‐HITEN980、JFE‐HITEN570U2、JFE‐HITEN590U2、JFE‐HITEN780EX、JFE‐HITEN590E、JFE‐HITEN590SL、JFE‐HYD960LEなどのハイテン鋼、SCr415、SCr420、SCr440、SCr445などのクロム鋼があげられる。さらには、SS400、SS540,熱間圧延軟鋼SPHCなどの普通鋼があげられる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
水1L中に50%次亜リン酸(ナカライテスク株式会社製)100gを溶解し、脱スケール促進剤を製造した。次いで水1L中に塩酸10wt%と第一鉄イオン70wt%含む酸洗浄液を調製した。次いでこの酸洗浄液に前記脱スケール促進剤を加え、次亜リン酸またはその塩が50ppm含有される酸洗浄液と脱スケール促進剤の混合液を製造した。さらに、この混合液に腐食抑制剤のインヒビター711NH−2(商品名、朝日化学工業株式会社製)を、前記混合液全量に対して、500ppm含有されるよう添加して、酸洗浄液組成物を得た。
この酸洗浄液組成物を85℃に加熱した後この温度を維持して、合金鋼材として3cm×3cmのサイズの熱間圧延後のクロム鋼(SCr420/Cr:0.9〜1.2%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.6〜0.9%)(以下、サンプルという)を浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。評価は下記の方法で行った。結果は表1に示す。
(実施例2)
脱スケール促進添加剤として次亜リン酸を、酸洗浄液組成物中に10ppm含有されるように添加した他は、実施例1と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(実施例3)
脱スケール促進添加剤として次亜リン酸を、酸洗浄液組成物中に1000ppm含有されるように添加した他は、実施例1と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(実施例)
脱スケール促進添加剤として次亜リン酸ナトリウムを、酸洗浄液組成物中に合計で50ppm含有されるように添加した他は、実施例1と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(実施例
酸洗浄液として10%の硫酸洗浄液を用いた他は、実施例1と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(実施例
酸洗浄液として10%のクエン酸洗浄液を用いた他は、実施例1と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(実施例
酸洗浄液として10%のギ酸洗浄液を用いた他は、実施例1と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(実施例
酸洗浄液として10%のグリコール酸洗浄液を用いた他は、実施例1と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(実施例
酸洗浄液として10%のマロン酸洗浄液を用いた他は、実施例1と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(実施例10
合金鋼材として、STB鋼(STBA20/Cr:0.50.8%、Si:0.10.5%、Mn:0.30.6%)を用い、実施例1と同様にして製造された酸洗浄液組成物に浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(実施例11
b合金鋼材として、STB鋼(STBA25/Cr:4.06.0%、Si:0.5%以下、Mn:0.30.6%)を用い、実施例1と同様にして製造された酸洗浄液組成物に浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(比較例1)
脱スケール促進添加剤を用いなかった他は、実施例1と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(比較例2)
脱スケール促進添加剤としてチオ流酸アンモニウムを、酸洗浄液組成物中に50ppm含有するように添加した他は、実施例1と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(比較例3)
脱スケール促進添加剤としてチオ尿素を、酸洗浄液組成物中に50ppmを含有するように添加した他は、実施例1と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(比較例4)
脱スケール促進添加剤を用いなかった他は、実施例6と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(比較例5)
脱スケール促進添加剤を用いなかった他は、実施例7と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(比較例6)
脱スケール促進添加剤を用いなかった他は、実施例8と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(比較例7)
脱スケール促進添加剤を用いなかった他は、実施例9と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(比較例8)
脱スケール剤を用いなかった他は、実施例10と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(比較例9)
脱スケール促進添加剤を用いなかった他は、実施例11と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(比較例10)
脱スケール促進添加剤を用いなかった他は、実施例12と同様にして、酸洗浄液組成物を製造し、サンプルを浸漬して、酸洗浄し脱スケールを行った。結果は表1に示す。
(評価方法)
(脱スケール時間)
サンプルを、実施例または比較例の酸洗浄液組成物に浸漬させてから表面のスケールが完全に除去されるまでの時間を目視判定で測定した。
(硫化水素発生量)
サンプルを、実施例または比較例の酸洗浄液組成物に浸漬させた後、サンプル表面から3cmの距離で、ガス検知管No.120SE(光明理化学工業株式社製)を用いて、発生する硫化水素を計測した。
(白色度)
変色(黒変)の度合いを評価するため、酸洗、脱スケール後の実施例または比較例のサンプルの白色度を分光測色計(CM−512m3A、コニカミノルタ株式会社製)によりL値を測定した。なおL値が大きいほど白色度が高く変色していないことを示す。
(腐食量)
サンプルを浸漬させ、完全にスケールが除去された後、さらに1分間浸漬してこの浸漬前後の重量の減量を計量し、前記減量値を鋼板表面積で除して、単位表面積あたりの腐食量を算出した。

Claims (10)

  1. 合金鋼の酸洗浄での脱スケールを促進する脱スケール促進添加剤であって、次亜リン酸またはその塩から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする脱スケール促進添加剤。
  2. 酸洗浄液および請求項1に記載の脱スケール促進添加剤を含有することを特徴とする酸洗浄液組成物。
  3. 前記次亜リン酸またはその塩から選ばれる少なくとも1種が、合計で11000ppm含有されることを特徴とする請求項2記載の酸洗浄液組成物。
  4. 前記酸洗浄液が、塩酸洗浄液または硫酸洗浄液である請求項2または3に記載の酸洗浄液組成物。
  5. 前記酸洗浄液が、クエン酸、ギ酸、グリコール酸またはマロン酸から選択される1種以上の有機酸洗浄液である請求項2または3に記載の酸洗浄液組成物。
  6. 前記合金鋼が、合金元素としてSi,MnおよびCrを合計で0.310wt%含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の酸洗浄液組成物。
  7. 請求項2に記載の酸洗浄液組成物と、合金鋼とを接触させて、脱スケールを行うことを特徴とする酸洗浄方法。
  8. 前記次亜リン酸またはその塩から選ばれる少なくとも1種が、合計で11000ppm含まれる酸洗浄液組成物を用いることを特徴とする請求項7に記載の酸洗浄方法。
  9. 前記酸洗浄液が塩酸洗浄液または硫酸洗浄液である請求項7または8に記載の酸洗浄方法。
  10. 前記合金鋼が、合金元素としてSi,MnおよびCrを合計で0.310wt%含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の酸洗浄方法。
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