JP6730897B2 - ロタキサン - Google Patents
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Description
nは1〜30の整数であり、環状ポリエーテルエステル(A)のオキシアルキレン基の付加モル数(n)は、高分子化合物(B)の貫通し易さ等の観点から、好ましくは5〜20の整数である。
なお、mが2又は3である場合、m個あるR1は同じであっても異なっていてもよく、同じであることが好ましい。また、mが2若しくは3、及び/又はnが2以上の整数である場合、m×n個あるR2は同じであっても異なっていてもよく、高分子化合物(B)の貫通し易さ等の観点から、同じであることが好ましい。
一般式(1)においてm及び/又はnが異なる複数の環状ポリエーテルエステル(A)を併用する場合、使用する環状ポリエーテルエステル(A)の種類とその比率は、高分子化合物(B)の組成、分子量及び分子量分布等に応じて調整、選択することができる。
なお、環状ポリエーテルエステル(A)のmの値、及びnの値は、Polym. Chem., 2014, 5, 6905.に記載のMALDI−TOF MSにより分析し、確認することが出来る。
環状ポリエーテルエステル(A)のMnはオキシアルキレン基の付加モル数を調整すること等によって好ましい範囲にすることができる。
・装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
・カラム:「Guardcolumn Super H−L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
・溶液注入量:10μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリエチレングリコール
なお、前記活性水素含有基はアルキレンオキサイドが開環付加し得る官能基を意味し、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基及びアミノ基等が挙げられる。
そのため、前記のアルコキシル化反応で得られた反応生成物には、一般式(1)においてm=1である環状ポリエーテルエステル(A)の他に、一般式(1)において[R1CO(OR2)nO]で表される単位を一分子中に2個有する環状ポリエーテルエステル(すなわちm=2)及び/又は3個有する環状ポリエーテルエステル(すなわちm=3)を含み、反応生成物は、一般式(1)において[R1CO(OR2)nO]で表される単位を1〜3個有する環状ポリエーテルエステルを主成分とするポリエーテル組成物となり、そのうち、mが1である環状ポリエーテルエステル(A)とmが2である環状ポリエーテルエステル(A)とmが3である環状ポリエーテルエステル(A)の重量比率は、概ね6:3:1である。
なお、反応生成物に含まれる環状ポリエーテルの組成は、Polym. Chem., 2014, 5, 6905.に記載のMALDI−TOF MSにより分析し、確認することが出来る。
前記の炭素数4〜22のモノヒドロキシカルボン酸のうち、炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つがハロゲノ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2−ブロモ−4−ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、アセチル基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2−アセチル−4−ヒドロキシブタン酸等が挙げられ、アルコキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2−メトキシ−4−ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、フェノキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2−フェニル−4−ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。
これらのラクトンは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルキレンオキサイドは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その結合形式はランダムであっても、ブロックであっても、その両方であってもよい。
アルキレンオキサイドとして2種以上を併用する場合、得られる環状ポリエーテルエステル(A)は、一般式(1)においてn個あるR2として、使用したアルキレンオキサイドの種類に対応した異なる種類のR2を有する環状ポリエーテルエステルである。
なお、層状複水酸化物とは、2価の金属(Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co及びCu等)と3価の金属(Al、Fe及びMn等)の水酸化物とが複合して積層構造を形成した無機の層状化合物を意味し、一般式が[M2+ 1−aM3+ a(OH)2][(An−)a/n・mH2O][ここで、M2+は2価の金属、M3+は3価の金属、An−はn価の陰イオン(HCO3−、PO4 3−、SO4 2−、Cl−、NO2 −及びNO3 −等)、m>0である。]で表さる化合物であり、ハイドロタルサイト、モツコレアイト、マナセイト、スティッヒタイト、パイロアウライト、タコバイト、イヤードライト及びメイキセネライト等が含まれる。これらの層状複水酸化物は、粘土鉱物として知られており、天然に産する鉱物に含まれたものであっても、合成によって得られたものであってもよく、そのまま用いてもこれを400〜950℃(好ましくは400〜700℃)で焼成したものを用いてよい。
これらの中でも、ポリオキシアルキレンが好ましく、ポリエチレングリコールが更に好ましい。これらの高分子は、単独であっても、2種以上が混在していてもよい。
なお、高分子化合物(B)としては、前記のポリオキシアルキレンとポリイソシアネート化合物とのポリウレタン及びオキシアルキレン鎖と類似の性質を有するポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン等)も好ましく用いることができる。
高分子化合物(B)の数平均分子量は、以下のGPCを用いて以下の条件で測定することができる。
・装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
・カラム:「Guardcolumn Super H−L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
・溶液注入量:10μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリエチレングリコール
なお、実施例中の部は重量部を示す。
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部(1モル)、「キョーワード500」[協和化学工業(株)製:Mg6 Al2 (OH)16 CO3 ・4H2 O]24.2部(0.04モル)及び過塩素酸アルミニウム九水和物1部(0.002モル)を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで180℃まで昇温し、180℃でゲージ圧が1〜5kgf/cm2 の範囲に入るように調整しながらエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)88部(2モル)をオートクレーブ内に導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.13kgf/cm2Gになるまで撹拌を継続した。その後、水酸化カリウム0.3部を追加して、更にEO176部(4モル)を180℃でゲージ圧が1〜5kgf/cm2 となるように導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.13kgf/cm2Gになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとEOとの反応を行った。EOの付加反応に要した合計時間は8時間であった。その後、EOの付加反応で得られた反応混合物から触媒をろ別して、環状ポリエーテルエステル組成物(A1)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル組成物(A1)についてMALDI−TOF MSによる分析を行った。
環状ポリエーテルエステル組成物(A1)は、mが1〜3であり、nが1〜30である一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステル(A1−1)を合計して90重量%含む環状ポリエーテルエステルの混合物であり、環状ポリエーテルエステル(A1−1)のnの平均値(すなわちEOの平均付加モル数)は6であり、環状ポリエーテルエステル(A1−1)のうち、nが5〜10である環状ポリエーテルエステルの合計重量が、環状ポリエーテルエステル(A1−1)の合計重量に対して85重量%であり、環状ポリエーテルエステル(A1−1)のうち、mが1の環状ポリエーテルエステルは60重量%であった。
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部(1モル)、「キョーワード500」24.2部(0.04モル)、及び過塩素酸アルミニウム九水和物1部(0.002モル)を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで150℃に温調し、150℃でゲージ圧が1〜3kgf/cm2Gとなるように調整しながらプロピレンオキサイド(以下、POと略記する)61部(1.05モル)をオートクレーブ内に導入した。PO全量を導入した後、圧力が0.13kgf/cm2Gになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとPOとの反応を行った。POの付加反応に要した時間は12時間であった。次いで180℃に温調し、180℃でゲージ圧が1〜3kgf/cm2 となるように調整しながらEO220部(5モル)をオートクレーブ内に導入した。EO全量を導入した後、更に圧力が0.13kgf/cm2Gになるまで撹拌を継続してEOの反応を行った。EOの付加反応に要した時間は7時間であった。EOの付加反応を終えて得られた反応混合物から触媒をろ別し、環状ポリエーテルエステル組成物(A2)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル組成物(A1)についてMALDI−TOF MSによる分析を行った。
環状ポリエーテルエステル組成物(A2)は、mが1〜3であり、nがそれぞれ1〜30である前記の一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステル(A2−1)を合計して90重量%含む混合物であり、環状ポリエーテルエステル組成物(A2)に含まれる環状ポリエーテルエステル(A2)のnの平均値は6であり、そのうちPOの平均付加モル数は1であり、EOの平均付加モル数は5であり、環状ポリエーテルエステル(A2−1)のうち、nが5〜10である一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステルの合計重量が、環状ポリエーテルエステル(A2−1)の合計重量に対して90重量%であり、環状ポリエーテルエステル(A2−1)のうち、mが1の環状ポリエーテルエステルは60重量%であった。
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部(1モル)、及び「キョーワード500」〔協和化学工業(株)製:Mg6 Al2 (OH)16 CO3 ・4H2 O〕24.2部(0.04モル)を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで180℃に温調し、180℃でゲージ圧が1〜5kgf/cm2 の範囲に入るように調整しながらEO264部(6モル)をオートクレーブ内に導入した。EO全量を投入した後、圧力が0.13kgf/cm2Gになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとEOとの反応を行った。EOの付加反応に要した時間は10時間であった。その後、EOの付加反応で得られた反応混合物から触媒をろ別して、環状ポリエーテルエステル組成物(A3)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル組成物(A3)についてMALDI−TOF MSによる分析を行った。
環状ポリエーテルエステル組成物(A3)は、mが1〜3であり、nがそれぞれ1〜30である前記の一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステル(A3−1)を合計して85重量%含む混合物であり、環状ポリエーテルエステル(A3−1)のnの平均値(すなわちEOの平均付加モル数)は6であり、環状ポリエーテルエステル(A3−1)のうち、nが5〜10である環状ポリエーテルエステルの合計重量は環状ポリエーテルエステル(A3−1)の合計重量に対して28重量%であり、環状ポリエーテルエステル(A3−1)のうち、mが1の環状ポリエーテルエステルは60重量%であった。
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部(1モル)、「キョーワード500」[協和化学工業(株)製:Mg6 Al2 (OH)16 CO3 ・4H2 O]24.2部(0.04モル)及び過塩素酸アルミニウム九水和物1部(0.002モル)を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで180℃まで昇温し、180℃でゲージ圧が1〜5kgf/cm2 の範囲に入るように調整しながらエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)88部(2モル)をオートクレーブ内に導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.13kgf/cm2Gになるまで撹拌を継続した。その後、水酸化カリウム0.3部を追加して、更にEO352部(8モル)を180℃でゲージ圧が1〜5kgf/cm2 となるように導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.13kgf/cm2Gになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとEOとの反応を行った。EOの付加反応に要した合計時間は8時間であった。その後、EOの付加反応で得られた反応混合物から触媒をろ別して、環状ポリエーテルエステル組成物(A4)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル組成物(A4)についてMALDI−TOF MSによる分析を行った。
環状ポリエーテルエステル組成物(A4)は、mが1〜3であり、nが1〜30である一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステル(A4−1)を合計して90重量%含む環状ポリエーテルエステルの混合物であり、環状ポリエーテルエステル(A4−1)のnの平均値(すなわちEOの平均付加モル数)は10であり、環状ポリエーテルエステル(A4−1)のうち、nが8〜13である環状ポリエーテルエステルの合計重量が、環状ポリエーテルエステル(A4−1)の合計重量に対して85重量%であった。
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部(1モル)、「キョーワード500」[協和化学工業(株)製:Mg6 Al2 (OH)16 CO3 ・4H2 O]24.2部(0.04モル)及び過塩素酸アルミニウム九水和物1部(0.002モル)を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで180℃まで昇温し、180℃でゲージ圧が1〜5kgf/cm2 の範囲に入るように調整しながらエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)88部(2モル)をオートクレーブ内に導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.13kgf/cm2Gになるまで撹拌を継続した。その後、水酸化カリウム0.3部を追加して、さらにEO1232部(28モル)を180℃でゲージ圧が1〜5kgf/cm2 となるように導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.13kgf/cm2Gになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとEOとの反応を行った。EOの付加反応に要した合計時間は8時間であった。その後、EOの付加反応で得られた反応混合物から触媒をろ別して、環状ポリエーテルエステル組成物(A5)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル組成物(A5)についてMALDI−TOF MSによる分析を行った。
環状ポリエーテルエステル組成物(A5)は、mが1〜3であり、nが1〜30である一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステル(A5−1)を合計して90重量%含む環状ポリエーテルエステルの混合物であり、環状ポリエーテルエステル(A5−1)のnの平均値(すなわちEOの平均付加モル数)は30であり、環状ポリエーテルエステル(A5−1)のうち、nが28〜33である環状ポリエーテルエステルの合計重量が、環状ポリエーテルエステル(A5−1)の合計重量に対して85重量%であった。
製造例1で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A1)23.7部とMn2000の両末端アミノ基変性ポリエチレングリコール(SUNBRIGHT DE−020PA、日油株式会社株式会社製、SUNBRITEは日油株式会社の登録商標)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥して組成物(a1)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a1)を223.7部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド34部と、トリエチルアミン34部とを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R1)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した。
製造例1で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A1)11.85部とMn2000の両末端アミノ基変性ポリエチレングリコール(SUNBRIGHT DE−020PA、日油株式会社株式会社製、SUNBRITEは日油株式会社の登録商標)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥して組成物(a2)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a2)を211.85部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド34部と、トリエチルアミン34部とを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R2)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した。
製造例1で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A1)2.37部とMn2000の両末端アミノ基変性ポリエチレングリコール(SUNBRIGHT DE−020PA、日油株式会社株式会社製、SUNBRITEは日油株式会社の登録商標)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥して組成物(a3)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a3)を202.37部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド34部と、トリエチルアミン34部とを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R3)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した。
製造例2で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A2)11.85部とMn2000の両末端アミノ基変性ポリエチレングリコール(SUNBRIGHT DE−020PA、日油株式会社株式会社製、SUNBRITEは日油株式会社の登録商標)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥して組成物(a4)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a4)を211.85部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド34部と、トリエチルアミン34部とを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R4)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した。
製造例3で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A3)11.85部とMn2000の両末端アミノ基変性ポリエチレングリコール(SUNBRIGHT DE−020PA、日油株式会社株式会社製)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥して組成物(a5)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a5)を211.85部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド34部と、トリエチルアミン34部とを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R5)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した。
製造例4で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A4)11.85部とMn2000の両末端アミノ基変性ポリエチレングリコール(SUNBRIGHT DE−020PA、日油株式会社株式会社製)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥して組成物(a6)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a6)を211.85部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド34部と、トリエチルアミン34部とを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R6)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した。
製造例5で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A5)11.85部とMn2000の両末端アミノ基変性ポリエチレングリコール(SUNBRIGHT DE−020PA、日油株式会社株式会社製)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥して組成物(a7)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a7)を211.85部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド34部と、トリエチルアミン34部とを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R7)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した。
製造例1で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A1)11.12部とMn2000の両末端水酸基ポリエチレングリコール(PEG 2000、三洋化成工業株式会社製)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した後、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(タケネート600、三井化学株式会社製)22部を90℃で24時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥し、組成物(a8)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a8)を部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド0.5部と、トリエチルアミン0.5部とを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R8)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した。
製造例2で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A2)11.12部とMn2000の両末端水酸基ポリエチレングリコール(PEG 2000、三洋化成工業株式会社製)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した後、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(タケネート600、三井化学株式会社製)22部を90℃で24時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥し、組成物(a9)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a9)を部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド0.5部と、トリエチルアミン0.5部とを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R9)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した。
製造例3で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A3)11.12部とMn2000の両末端水酸基ポリエチレングリコール(PEG 2000、三洋化成工業株式会社製)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した後、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(タケネート600、三井化学株式会社製)22部を90℃で24時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥し、組成物(a10)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a10)を部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド0.5部と、トリエチルアミン0.5部とを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R10)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した。
製造例4で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A4)11.12部とMn2000の両末端水酸基ポリエチレングリコール(PEG 2000、三洋化成工業株式会社製)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した後、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(タケネート600、三井化学株式会社製)22部を90℃で24時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥し、組成物(a11)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a11)を部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド0.5部と、トリエチルアミン0.5部とを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R11)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した。
製造例5で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A5)11.12部とMn2000の両末端水酸基ポリエチレングリコール(PEG 2000、三洋化成工業株式会社製)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した後、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(タケネート600、三井化学株式会社製)22部を90℃で24時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥し、組成物(a12)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a12)を部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド0.5部と、トリエチルアミン0.5部とを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R12)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した
製造例1で得た環状ポリエーテルエステル組成物(A1)12.53部とMn25,000ポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製)250部、水1000部をガラス製容器に入れ、60℃で1時間混合し、次いでエチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製)0.6部を60℃で1時間混合し、100℃で水を除去し、さらに110℃で1時間加熱した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥し、本発明のロタキサン(R13)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリアクリレート鎖が貫通していることを確認した。
特開2006−233007号公報の合成例1と同様に両末端にアルケニル基を有する分子量10,000のポリプロピレングリコール12gをガラス製容器に入れ、水30mLを加えた。ここへβ−シクロデキストリン(A’1)16gを添加し、室温で6時間攪拌した。得られた沈殿物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥して、環状化合物(A’1)を得た。環状化合物(A’1)10部とMn2000の両末端アミノ基変性ポリエチレングリコール(SUNBRIGHT DE−020PA、日油株式会社株式会社製、SUNBRITEは日油株式会社の登録商標)200部をガラス製容器に入れ、室温で1時間攪拌した。得られた組成物を水及びn−ヘキサンで洗浄し、90℃で4時間真空乾燥して組成物(a’1)を得た。
特開2009−013253号公報の実施例1と同様に、3,5−ジメチル安息香酸(Aldrich社製)を、塩化チオニル中で触媒量のジメチルホルムアミドと共に沸点還流して、3,5−ジメチル安息香酸クロリドを合成し、前記の組成物(a1)を11部含むジメチルホルムアミド分散液に前記の3,5−ジメチル安息香酸クロリド34部と、トリエチルアミン77mgとを添加し、0℃で2時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させて本発明のロタキサン(R’1)を得た。
得られたロタキサンの1H−NMRを測定し、環状ポリエーテルエステルをポリエチレングリコール鎖が貫通しており、ポリエチレングリコールの両末端に3,5−ジメチル安息香酸が結合していることを確認した。
実施例1〜13及び比較例1で得られたロタキサン(R1)〜(R13)、及び(R’1)のそれぞれについて1H−NMRを測定し、ロタキサン(R1)〜(R12)、及び(R’1)のそれぞれについて、高分子化合物が貫通したロタキサン構造をとる環状化合物の数を測定し、ロタキサン(R1)〜(R13)、及び(R’1)を得るために実施例1〜13及び比較例1のそれぞれで投入した環状化合物のうち、高分子化合物が貫通したロタキサン構造をとる環状化合物の比率(環状組成物の導入効率)を計算して表1に記載した。この値が大きい程、環状化合物がロタキサンとなりやすいことを意味する。
さらに、高分子化合物が貫通した環状化合物の数と高分子化合物のMnとから、軸成分である高分子化合物のMnが1000とした場合にロタキサン中に含まれる環状化合物の含有数(高分子化合物のMn1000あたりの環成分数)を計算し、表1に記載した。この値が大きいほど、ロタキサンとなりやすい環成分と軸成分の組み合わせであることを意味する。
実施例1〜13及び比較例1で得られたロタキサン(R1)〜(R13)及び(R’1)をそれぞれ水に溶解又は膨潤させ、それぞれ平面硝子板上に塗工、100℃で1時間乾燥することで100μmの厚さを有するフィルムを製造した。
各フィルムの表面を500gの荷重で真鍮製ブラシ(毛材行数3行、線径0.15mm)で擦った後、スクラッチの回復にかかる時間を測定し、結果を表1に記載した。
Claims (1)
- 少なくとも1つの一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステル(A)からなる環成分を軸成分である高分子化合物(B)が貫通した構造を有し、
高分子化合物(B)がポリアクリル酸又はポリオキシアルキレン鎖を有する高分子化合物であるロタキサン。
[式中、R1は炭素数3〜16の直鎖または分岐アルキレン基であり、R2は炭素数2〜4のアルキレン基であり、mは1〜3の整数であり、nは5〜30の整数であり、m個あるR1は同じであっても異なっていてもよく、m×n個あるR2は同じであっても異なっていてもよい。]
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