JP6730787B2 - 投影装置 - Google Patents
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Description
また、プロジェクタ機器の小型化および低価格化も進んでおり、大画面で映像コンテンツを鑑賞するのみならず、インテリアの観点から家庭にプロジェクタを導入するユーザーも増えている。
さらに、特許文献1の照明装置は、スクリーンではない場所(特許文献1の図4では調理台)への画像投影、ユーザーの動作(ジェスチャー)に応じて操作可能、投影面までの距離を測距して自動的に焦点距離を調整、といったユーザーフレンドリーな機能を種々備えている。
第一実施形態の投影装置100の全体構成について、図1、図2および図4を用いて以下説明する。
図1は、投影装置100の機能構成を示す機能ブロック図である。図2は、投影装置100の外観図である。図4は、微小領域を割り当てた投影画像(テスト投影画像P1)を理想平面に投影した様子を示す模式図である。
光源部140は、発光する機能を有している。
画像入力部110は、複数のピクセルから構成される画像データを入力する。
画像補正部120は、画像入力部110に入力された画像データを補正して補正画像データを生成する。
投影画像形成部150は、画像補正部120によって生成された補正画像データから投影面に投影する投影画像を形成する。
投影部160は、投影画像形成部150によって形成された投影画像を、光源部140が発光する光を用いて投影面に投影する。
光路長情報取得部130は、投影画像に定めた複数の微小領域ごとに基準点から投影面までの光路の距離を示す光路長情報を取得する。
なお、画像補正部120は、画像データに含まれるピクセルと微小領域とを対応付けて、ピクセルに対応付けられた微小領域の光路長情報に基づいて画像データに幾何補正および色調補正を行って補正画像データを生成することを特徴とする。
以下、投影装置100の有する各機能の説明を行う。
なお、ここで図示する投影装置100の形状は一例であり、本発明はこの例に限定されるものではない。
また、ベース部170は、本体部180の基端部との接合箇所に回転軸174を備えており、回転軸174を中心に本体部180を回転させることによって、投影レンズ182の正面方向を自在に変えることができる。これによって、投影装置100は、投影レンズ182によって生成される投影画像を所望の方向に投射することができる。
本体部180が有している主要な機能とは、図1に図示しているように、具体的には画像入力部110と画像補正部120と光路長情報取得部130と光源部140と投影画像形成部150と投影部160のことをいう。
なお、図1において、光源部140から投影画像形成部150への矢印、投影画像形成部150から投影部160の矢印、および、投影部160から投影装置100の外部(投影面)への経路を中抜きの矢印で示している。これは、これらの矢印が示す経路が、他の経路と異なり光学系の経路であることを意味している。
また、図1において、細線で示される矢印はデジタルデータの経路を意味しており、太線で示される矢印は電力経路を意味している。
なお、ここで述べた測距センサは、赤外線センサを用いたものであってもよく、音響センサを用いたものであってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
また、ここで述べた測距センサおよび演算装置は、投影装置100の内部に包含されてもよく、投影装置100の外部機器であってもよい。
また、画像入力部110による画像データの入力は、画像入力部110が主体的に画像データを取得する(読み出す)方式であってよいし、他の装置が出力した画像データを受動的に受け付ける方式であってもよい。
画像入力部110への画像データの入力先が他の装置である場合、その経路は有線通信であってもよく、無線通信であってもよい。
より具体的には、投影装置100が液晶ディスプレイ方式のプロジェクタ装置であれば、投影画像形成部150は液晶パネルを含む。また、投影装置100がDLP(登録商標)方式のプロジェクタ装置であれば、投影画像形成部150はデジタルミラーデバイスを含む。なお、DLP(登録商標)とはDigital Light Processingの略である。
当該画像処理プログラムは、発光する光源部140の光を用いて投影画像を投影面に投影する際に、投影画像の元となる画像コンテンツを生成するための画像処理をCPU(コンピュータ)に実行させるものである。
当該画像処理プログラムは、画像入力処理と、光路長情報取得処理と、画像補正処理と、が含まれる。画像入力処理では、複数のピクセルから構成される画像データを入力する。光路長情報取得処理では、投影画像に定めた複数の微小領域ごとに基準点から投影面までの光路の距離を示す光路長情報を取得する。画像補正処理では、画像データに含まれるピクセルと微小領域とを対応付けて、ピクセルに対応付けられた微小領域の光路長情報に基づいて画像データに幾何補正および色調補正を行って画像コンテンツを生成する。
また、ここで色調補正とは、補正対象となるピクセルの色について所定の表色系で定量的に示される値(階調値)を、その前後で変動させる処理をいう。具体的には、色調補正には、いわゆる明度補正、コントラスト補正、輝度補正、ガンマ補正等が含まれる。
ここでRGBは表色系の一例であり、その他のカラーモデルを表色系とする態様であってもよい。
ピクセルが情報の最小単位であるのに対して、ドットはデバイスの物理的な最小単位を示す点においてピクセルと異なる。
なお、図2は理解しやすいように少ない数の微小領域を設定したが、実際にはより多数の微小領域を投影画像に設定することが好ましい。投影画像に設定される微小領域の数は、光路長情報取得部130によって取得される光路長情報の精度に主に依存して決定される。光路長情報が十分に高水準の精度を維持できるならば、一つのドットが一つの微小領域である態様であってもよい。すなわち、仮に投影画像が1280×960の解像度である場合は1280×960=1228800個の微小領域を設定してもよい。
また、図4に示す投影画像に含まれる各微小領域の輪郭は着色されており、当該投影画像を投影面に投影した状態を撮像して生成される画像データに対して解析処理を行うことによって、微小領域の輪郭が判別できるようになっている。
また、本実施形態において微小領域の形状は正方形として説明するが、必ずしもこの態様に限らず、長方形やひし形、矩形以外の多角形、円形等を、種々の形状を採りうる。
また、図4においては、一の投影画像に対して全ての微小領域が同一の形状・大きさであるように図示したが、それぞれの微小領域が異なる形状・大きさである態様であってもよい。
画像入力部110で入力された画像データのピクセル数と、投影画像形成部150で形成される投影画像のドット数と、が一致するのであれば、画像補正部120は、位置座標が一致するピクセルとドットを一対一で対応付け、対応付けたドットを包含する微小領域と当該ドットに対応付けられたピクセルとを対応付ける。
また、画像入力部110で入力された画像データのピクセル数と、投影画像形成部150で形成される投影画像のドット数と、が一致しないのであれば、当該画像データを拡大または縮小して画像データのピクセル数と投影画像のドット数とを一致させた後に、上述の処理を行う。
画像補正部120による幾何補正および色調補正の原理について図3を用いて説明する。図3は、投影装置100を用いて段差70に円形の投影画像80を投影した状態を示す模式図しており、(a)は斜視図、(b)は正面図である。なお、ここでは便宜的に投影装置100を図示していない。
投影画像80は光源(投影装置100)から投影面までの距離に比例して大きくなるため、段差70に投影画像80を投影したとき、左半円81の方が右半円83より大きくなる。そして、台形82は近位面71から遠位面73に近づくにつれて広がるテーパー形状になっている。
また、光源から離れるほど色調は薄まって暗くなり、近いほど色調は濃くなって明るくなるため、右半円83の色調は左半円81より薄暗くなる。
ここで、投影画像80の元となる画像データの形状を補正し、近位面71に投影される左半円81の部分を予め拡大して色調を暗くする補正、または、遠位面73に投影される右半円83の部分を予め縮小して色調を明るくする補正、のいずれか少なくとも一方を行う。これにより、投影画像80を正面から視ると純粋な円形であるように観測者に認識させうる。
具体的には、画像補正部120は、補正処理の基準となる基準距離を定め、補正対象となるピクセルに対応付けられた微小領域の光路長情報が基準距離より小さいとき、幾何補正として当該ピクセルによって形成される集合部分を拡大し、かつ、色調補正として当該ピクセルの階調値を小さくする。また、画像補正部120は、補正対象となるピクセルに対応付けられた微小領域の光路長情報が基準距離より大きいとき、幾何補正として当該ピクセルによって形成される集合部分を縮小し、かつ、色調補正として当該ピクセルの階調値を大きくする。
ここで基準距離として、予め定めた一定の距離であってもよいし、投影装置100から所定の位置(例えば、投影面の一部)までの距離であってもよい。
例えば、右半円83を縮小して左半円81に合わせる場合、右半円83の径R2を径R1に補正するので、その比率は式(1)の右辺の逆数と等しくなる。
なお、画像補正部120による幾何補正については、以下で述べる実施例に基づいて詳述する。
なお、画像補正部120による色調補正についても、以下で述べる実施例に基づいて詳述する。
続いて、投影装置100による画像投影の実施例に基づいてより具体的に説明する。この説明では、図4〜図9を用いる。
図4は、微小領域を割り当てた投影画像(テスト投影画像P1)を理想平面に投影した様子を示す模式図である。
図5は、投影装置100および撮像装置200の設置例を示す模式図である。なお、図5の視点は壁面40を正面としている。
図6は、投影装置100の位置から図5のXYZ座標の原点を視る視点からの模式図である。
図7は、図4に示す投影画像を投影面に投影した状態を示す図である。(a)は投影面の正面から視た図であり、(b)は投影装置100の位置から視た状態を示す図である。
図8は、図4に示す投影画像(テスト投影画像P1)の元となる画像データを補正して形成される投影画像P2を理想平面に投影した様子を示す模式図である。
図9は、図8に示す投影画像P2を投影面に投影した状態を示す図である。(a)は投影面の正面から視た図であり、(b)は投影装置100の位置から視た状態を示す図である。
図10は、投影装置100が行う処理の手順を示すフローチャートである。
壁面30に当接するようにソファ50が設置されており、図7や図9に示すように、投影装置100によって生成された投影画像は、壁面30とソファ50に跨がるように投影される。
また、投影装置100の直下であって、ソファ50および壁面30の正面である位置に、撮像装置200と三脚210が設置されている。撮像装置200は、投影装置100によって生成された投影画像を、ソファ50および壁面30の正面から撮像することができる。なお、三脚210は床面20から撮像装置200の高さを調整し、調整した高さで撮像装置200の撮像位置を固定するために設置している。
まず、画像入力部110は、テスト投影用の画像データを入力する(ステップS102)。
投影画像形成部150は、画像入力部110に入力されたテスト投影用の画像データ(一の画像データ)からテスト投影画像P1を形成する(ステップS103)。
投影部160は、投影画像形成部150によって形成されたテスト投影画像P1を投影面(壁面30およびソファ50)に投影する(ステップS104)。
画像補正部120は、投影部160がテスト投影画像P1を投影面に投影している状態で、当該投影面を撮像して生成されるテスト画像データを取得する(ステップS105)。
光路長情報取得部130は、テスト画像データに設定されている微小領域ごとに光路長情報を取得する(ステップS106)。
投影装置100は、所望のテスト画像データが揃うまでテスト投影を継続し(ステップS107のNO)、ステップS102からステップS106の処理を繰り返す。また、投影装置100は、所望のテスト画像データが揃ったときテスト投影を終了する(ステップS107のYES)。そして、画像補正部120は、ステップS105で取得されたテスト画像データと、ステップS106で光路長情報取得部130よって取得された光路長情報と、に基づいて幾何補正および色調補正に用いる補正パラメータを生成する(ステップS108)。
ステップS108で補正パラメータを生成した後に、画像入力部110がテスト投影用の画像データとは異なる他の画像データを入力したとき(ステップS109)、画像入力部110に入力された他の画像データを補正する際に、生成された補正パラメータを用いて幾何補正(ステップS110)および色調補正(ステップS111)を行う。
ステップS110とステップS111による補正処理で生成された補正画像データを元にして、投影画像形成部150は投影面に投影する投影画像を生成し(ステップS112)、生成された投影画像を投影部160は投影面に投影する(ステップS113)。
投影装置100による画像投影が継続している間は(ステップS114のNO)、ステップS109からステップS113までの処理を繰り返して、連続的に投影面に投影画像を投影する。すなわち、投影装置100は動画投影を行うことができる。そして、投影装置100による投影が終了するとき(ステップS114のYES)、上記の一連のフローは終了する。
以下、上記の処理手順に含まれる各処理について、より詳細に説明する。
テスト投影用の画像データは、投影装置100が備えている記憶装置(図示せず)に予め格納されていることが好ましい。なぜならば、自前でテスト投影用の画像データを保有していることで、画一的なテスト投影を容易に実行することができ、補正処理の精度を一定の水準で保つことができるからである。
ここで、テスト投影画像P1において、投影軸と交差する位置を交差点B1とする。ここで投影軸とは、投影レンズ182の光軸のことである。図4および図7では交差点B1をテスト投影画像P1の中央に示す。
なお、微小領域P11および微小領域P12は、Y軸の正方向から負方向へと拡大する台形状となる。
より詳細には、微小領域P13のうち面52に投影されている部分領域P132の下辺と微小領域P14の下辺とを比べると、部分領域P132の方が小さく、また、部分領域P132の方が高い位置(Y軸の正方向側)にある。
一方で、微小領域P13のうち面51に投影されている部分領域P131の上辺と微小領域P14の上辺とを比べると、その寸法は略等しい。より正確には、部分領域P131の上辺の方が、投影装置100に対してやや近いので、微小領域P14の上辺よりやや小さい。
なお、部分領域P131は、X軸の正方向から負方向へと拡大する台形状となる。また、部分領域P132は、Y軸の正方向から負方向へと拡大する台形状となる。また、微小領域P14は、Y軸の正方向から負方向へと拡大する台形状となる。
なお、微小領域P15は、X軸の正方向から負方向へと拡大する台形状となる。また、微小領域P16は、Y軸の正方向から負方向へと拡大する台形状となる。
なお、微小領域P17は、Y軸の正方向から負方向へと拡大する台形状となる。
ここで所望のテスト画像データとは、具体的には、画像入力部110に入力される画像データの各色調(赤色(R)、緑色(G)、青色(B))のうち一つのみが最大値で、残りの二つが最小値に設定されたテスト用画像データを投影したときに得られる三種類のテスト画像データと、全ての色調が最大値に設定された(白色の)テスト用画像データを投影したときに得られるテスト画像データと、全ての色調が最小値に設定された(黒色の)テスト用画像データを投影したときに得られるテスト画像データと、をいう。
上記の五種類のテスト画像データのうち全てを揃えなくとも補正処理は可能であるが、特に色調補正(ステップS111)を高精度に行うためには、五種類が揃っていることが好ましい。
まず、画像補正部120は、ステップS105で取得されるテスト画像データのいずれかを選択する。ここで選択するテスト画像データの種別は特に限定されないが、各微小領域の輪郭が画像処理によって解析可能な程度に明瞭に撮像されているテスト画像データを選択することが好ましい。
画像補正部120は、交差点B1を座標の中心とし、ステップS106で取得した光路長情報とテスト画像データに撮像されている各微小領域の頂点の位置座標を決定する。この決定に関して、光路長情報も加味しているので、テスト画像データに撮像されていない微小領域(例えば、図7における微小領域P15)についても位置座標を決定することができる。
(i)各微小領域が等しい大きさの正方形(本来の微小領域の形状)に近似させる
(ii)同じ行を構成している各微小領域を補正して投影面に投影したとき、それぞれの縦方向(図7においてはY軸方向)の位置座標を近似させる
(iii)同じ列を構成している各微小領域を補正して投影面に投影したとき、それぞれの横方向(図7においてはZ軸方向)の位置座標が近似する
ここで縦方向および横方向とは、補正対象の画像データを理想平面に投影画像した場合における概念であって、必ずしも現実空間の座標軸で示される方向と一致するものではない。
以上の処理で得られるテスト画像データの補正後の位置座標を、画像補正部120は補正パラメータC1として生成する。当然ながら、画像補正部120によって生成される補正パラメータC1には、交差点B2の位置座標も含まれる。
また、交差点B2を中心としており、各微小領域は全体的に交差点B2に寄せるように縮小されているため、投影画像P2の輪郭近傍には微小領域が割り当てられていない部分が存在する。
なお、微小領域P11および微小領域P12は、Y軸の正方向から負方向へと拡大する台形状となる。
また、微小領域P21は、壁面30に投影されている同じ列の微小領域P27(交差点B2を基準として左に1列目、上に3行目)よりも投影装置100に遠方に位置しているが、共に略等しい大きさの正方形になっている。
より詳細には、微小領域P23のうち面52に投影されている部分領域P232の下辺と微小領域P14の下辺とを比べると、その寸法は略等しく、かつ、略同じ高さになっている(Y軸方向の位置座標が近似している)。
また、微小領域P23のうち面51に投影されている部分領域P231の上辺と微小領域P14の上辺とを比べても、その寸法は略等しく、かつ、略同じ高さになっている(Y軸方向の位置座標が近似している)。
ただし、部分領域P232の上辺、すなわち部分領域P231の下辺は、上記の各辺より小さくなっているため、微小領域P23は正方形にはなっていない。
ステップS103において、投影画像形成部150は、入力されたテスト投影用の画像データからテスト投影画像を形成する。
ステップS104において、投影部160は、テスト投影画像を投影面に投影し、撮像装置200を用いて当該投影面を撮像する。
ステップS105において、画像補正部120は、当該テスト投影画像が投影されている投影面を撮像して生成されるテスト画像データを取得する。
ステップS106において、光路長情報取得部130は、テスト画像データに対して予め設定されている微小領域ごとに光路長情報を取得する。
すなわち、ステップS104では、上記の五種類のテスト撮影用の画像データそれぞれに基づいてテスト投影画像を投影面に投影し、それぞれについて当該投影面を撮像することが好ましい。
このように処理することによって、各色相について精度の高い色調補正が可能となる。
緑の画像データとは、Gの階調値が最大(255)を示し、かつ、RとBの階調値が最小(0)を示す画像データである。
青の画像データとは、Bの階調値が最大(255)を示し、かつ、GとRの階調値が最小(0)を示す画像データである。
白の画像データとは、RとGとBの階調値が共に最大(255)を示す画像データである。
黒の画像データとは、RとGとBの階調値が共に最小(0)を示す画像データである。
これは、投影面に光の一部が吸収されるので、その投影面の位置座標ごとに反射光の強弱が異なることに起因するものである。
その後繰り返し実行されうるステップS111においては、ステップS108で生成された補正パラメータC2(または補正パラメータC3)を用いて色調補正を行う。
より詳細には、式(2)は、各ピクセルの階調値Mを反転した値(255−M)と、最低値Iminと合算し、その合算値について階調値の最大値(255)を1として規格化する関数である。
換言すれば、式(3)は、最低値Iminを示すピクセルの階調値を基準として、そのテスト画像データに含まれる他のピクセルの階調値のばらつきを低減させる関数であり、他のピクセルの階調値を最低値Iminに近づける関数の一例といってもよい。
また、図14と図16とを比較すればわかるように、補正画像データD3における各階調値のばらつきは、図14に示すテスト画像データにおける各階調値のばらつきより低減しており、概ね半分になっている。
階調値が最大である画像を投影し、その反射光を撮像して得られる階調値がその位置座標において最低値Iminを示す位置座標に対する色調補正において発色可能な限度はその最低値Iminであり、それ以上の発色(階調値)は望めない。従って他の位置座標における階調値を最低値Imin合わせるのが妥当だからである。
例えば、画像補正部120は、光路長情報取得部130によって取得された光路長情報のうち最大の距離を示す光路長情報を示す微小領域に対応しているピクセルを基準として導出してもよい。
上記のように、光路長が長くなるほど、その微小領域における発色は暗くなりやすい。従って、最大の距離を示す微小領域に対応しているピクセルの中に、そのテスト画像データにおける最低値Iminを示すピクセルが含まれる蓋然性が高い。従って、画像補正部120による解析範囲をその微小領域に限定すれば、より軽負荷で補正パラメータ生成の基準を定めることができる。
また、白や黒についても三原色と同様に補正パラメータを生成することによって、白い投影画像をより白らしく発色させ、黒い投影画像をより黒らしく発色させる補正処理が可能となる。
すなわち、上記の色調補正を実行することによって、投影画像の観測者から見て違和感の少ない投影画像を実現することができる。
続いて、これまで説明した実施例とは異なる第二の実施例に基づいて、投影装置100を具体的に説明する。この説明では、図4から図6、図10から図12を用いる。
図4は、微小領域を割り当てた投影画像(テスト投影画像P1)を理想平面に投影した様子を示す模式図である。
図5は、投影装置100および撮像装置200の設置例を示す模式図である。
図6は、投影装置100の位置から図5のXYZ座標の原点を視る視点からの模式図である。
図10は、投影装置100が行う処理の手順を示すフローチャートである。
図11は、図4に示す投影画像(テスト投影画像P1)を投影面(床面20と壁面30と壁面40)に投影し、投影装置100の位置から視た状態を示す図である。
図12は、図4に示す投影画像の元となる画像データを補正して形成される投影画像P3を投影面(床面20と壁面30と壁面40)に投影し、投影装置100の位置から視た状態を示す図である。
図11に図示しているように、テスト投影画像P1は、三面に跨がって投影されているので、投影装置100の位置からは各面の境目で歪んでいるように見える。
微小領域P31のように、複数の面(図11においては壁面30と壁面40)に跨がって投影され、複数の部分領域(図11においては部分領域P311と部分領域P312)に分かれている微小領域は、本来の形状(正方形)とはかけ離れた形状に変形している。
図12で図示しているように、投影画像P3を三面に跨がるように投影させても各面において矩形状に見える。なお、図12の視点からは各面に対して正面を向いていないので、各微小領域が縦方向に縮小した矩形に見えるが、正面から見れば略正方形になっている。
また、図12に図示される各微小領域は、床面20と壁面30と壁面40(XYZ軸の原点)に近接側が大きく、遠方側が小さく図示されているが、これは図12を遠近法によって図示したことに起因するものであり、実際には各微小領域は略等しい大きさになっている。
また、投影装置100の外観は、いわゆるスポットライトに類似する形状になっており、ベース部170(給電部172)が既存の電球ソケットやシーリング取付具に装着可能に形成されているので、既存設備と違和感なく置き換えることができる。
例えば、室内で投影装置100を利用する場合、室内の壁面や家具の天面に、朝食時は湖畔や海岸など気分を爽やかにするような画像コンテンツを投影し、夕飯時はレストランやバーなど落ち着いた雰囲気を醸し出す画像コンテンツを投影し、入浴中は露天風呂を連想させるような画像コンテンツを投影するような利用方法もある。
また、特に画像コンテンツの投影を必要としない場合であっても、光源部140の光を直接、または、白色の投影画像を投影することによって、照明と兼用することも可能である。
また、本発明の投影装置100による映像広告であれば、内容の差し替えに限らず、一時的に投影を停止することも容易である。従って、例えば、屋外収録を行っている最中に企業広告が収録画像に入り込まないように、当該企業広告の投影を停止するといった対応も容易となる。
これまで投影装置100について説明してきたが、以下においては投影装置100に備えられる各種機能に相当する機能を含んでいる画像処理装置500および画像配信システム1000について、図13を用いて説明する。
図13は、画像処理装置500および画像配信システム1000の機能構成を示す機能ブロック図である。
画像配信システム1000は、発光する光源部610の光を用いて投影画像を投影面に投影する投影装置600に対して、投影画像の元となる画像コンテンツを配信するシステムである。
画像処理装置500は、発光する光源部610の光を用いて投影画像を投影面に投影する際に、投影画像の元となる画像コンテンツを生成する装置であって、画像入力部510と光路長情報取得部530と画像補正部520と画像配信部540とを有している。
画像入力部510は、複数のピクセルから構成される画像データを入力する。
光路長情報取得部530は、投影画像に定めた複数の微小領域ごとに基準点から投影面までの光路の距離を示す光路長情報を取得する。
画像補正部520は、画像データに含まれるピクセルと微小領域とを対応付けて、ピクセルに対応付けられた微小領域の光路長情報に基づいて画像データに幾何補正および色調補正を行って画像コンテンツを生成する。
画像配信部540は、画像補正部520によって生成された画像コンテンツを、通信回線700を介して配信する。
統括制御部400は、本変形例の投影装置600と撮像装置800と測距センサ900とを統括的に制御する情報処理装置である。統括制御部400は、撮像装置800と測距センサ900とから所望の環境情報(例えば、上記の実施例で説明した光路長情報、テスト画像データ等)を取得し、取得した環境情報を画像処理装置500に提供する。また、統括制御部400は、画像処理装置500による補正処理で生成された画像コンテンツの配信を受け付け、受け付けた画像コンテンツを投影装置600に提供し、当該画像コンテンツに基づいて投影画像を行わせる。
通信回線700がインターネットである場合には、画像配信システム1000は利用者側から提供された種々の環境情報に基づいて画像コンテンツを生成して配信するウェブサービスということもできる。
また、上述した各種の構成要素は、必ずしも必須の構成要素ではなく、本発明の効果を阻害しない程度に省いても構わないし、同等に機能又は作用する他の構成要素に代えてもよい。
これにより、微小領域P15のように、一部の視点からは撮像されない微小領域も撮像することが可能となり、幾何補正および色調補正に加味することができる。
このように補正パラメータを生成することにより、幾何補正後の投影位置に基づいて色調補正用の補正パラメータC2、C3、C4を生成することができ、より色調補正の精度を向上させうる。
例えば、図10のフローチャートにおけるステップS108で生成される補正パラメータC1、C2、C3、C4に相当する補正パラメータを生成する処理を画像処理装置500で行い、当該補正パラメータを用いて画像データを補正する処理は統括制御部400で行ってもよい。
このような構成にすることにより統括制御部400に内蔵されている画像データ、または、統括制御部400に入力される画像データを用いて投影装置600は画像投影を行うことができる。利用者としては比較的自由に補正対象となる画像データを選択することができ、利用者の利便性が向上する。
すなわち、投影装置600に付属する装置が上記の画像コンテンツを生成し、投影装置600はその画像コンテンツを投影してもよい。
(1)発光する光源部と、複数のピクセルから構成される画像データを入力する画像入力部と、前記画像入力部に入力された前記画像データを補正して補正画像データを生成する画像補正部と、前記画像補正部によって生成された前記補正画像データから投影面に投影する投影画像を形成する投影画像形成部と、前記投影画像形成部によって形成された前記投影画像を、前記光源部が発光する光を用いて前記投影面に投影する投影部と、前記投影画像に定めた複数の微小領域ごとに基準点から前記投影面までの光路の距離を示す光路長情報を取得する光路長情報取得部と、を備え、前記画像補正部は、前記画像データに含まれる前記ピクセルと前記微小領域とを対応付けて、前記ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報に基づいて前記画像データに幾何補正および色調補正を行って前記補正画像データを生成する投影装置。
(2)前記画像補正部は、補正処理の基準となる基準距離を定め、補正対象となる前記ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報が前記基準距離より小さいとき、前記幾何補正として当該ピクセルによって形成される集合部分を拡大し、かつ、前記色調補正として当該ピクセルの階調値を小さくし、補正対象となる前記ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報が前記基準距離より大きいとき、前記幾何補正として当該ピクセルによって形成される集合部分を縮小し、かつ、前記色調補正として当該ピクセルの階調値を大きくする(1)に記載の投影装置。
(3)前記画像補正部が前記幾何補正を行うとき、補正対象となる前記ピクセルによって形成される集合部分の拡大率が、前記基準距離に対する当該ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報が示す距離の比率と負の相関にある(2)に記載の投影装置。
(4)前記画像補正部が前記色調補正を行うとき、補正対象となる前記ピクセルの階調値の変化率が、前記基準距離に対する当該ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報が示す距離の比率と正の相関にある(2)または(3)に記載の投影装置。
(5)前記投影画像形成部は、前記画像入力部に入力された一の前記画像データからテスト投影画像を形成し、前記投影部は、前記投影画像形成部によって形成された前記テスト投影画像を前記投影面に投影し、前記画像補正部は、前記テスト投影画像を前記投影面に投影している状態で当該投影面を撮像して生成されるテスト画像データを取得し、前記光路長情報取得部は、前記テスト投影画像に設定されている前記微小領域ごとに前記光路長情報を取得し、前記画像補正部は、取得された前記テスト画像データと、前記光路長情報取得部よって取得された前記光路長情報と、に基づいて前記幾何補正および前記色調補正に用いる補正パラメータを生成し、前記画像入力部に入力された他の前記画像データを補正する際に、生成された前記補正パラメータを用いて前記幾何補正および前記色調補正を行う(1)から(4)のいずれか一つに記載の投影装置。
(6)前記投影画像形成部は、均一な階調値の前記ピクセルから構成される前記一の画像データから前記テスト投影画像を形成し、前記画像補正部は、当該テスト投影画像が投影されている投影面を撮像して生成される前記テスト画像データを取得し、取得された前記テスト画像データに含まれる前記ピクセルのいずれかを基準として導出し、導出された前記ピクセルの階調値に、当該テスト画像データに含まれる他の前記ピクセルの階調値を近づける前記補正パラメータを生成し、前記補正パラメータを用いて前記色調補正を行う(5)に記載の投影装置。
(7)前記画像補正部は、前記光路長情報取得部によって取得された前記光路長情報のうち最大の距離を示す前記光路長情報を示す前記微小領域に対応している前記ピクセルを基準として導出する(6)に記載の投影装置。
(8)前記投影画像の観測者の視点から前記投影面までの光路の距離を示す視点情報を、前記光路長情報に対応付けて取得する視点情報取得部を備え、前記画像補正部は、前記画像データに含まれる前記ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報および当該光路長情報に対応付けられた前記視点情報に基づいて前記画像データに前記幾何補正および前記色調補正を行って前記補正画像データを生成する(1)から(7)のいずれか一つに記載の投影装置。
(9)電球ソケットまたはシーリング取付具に装着可能な給電部を備え、前記給電部から取得される電力によって動作する(1)から(8)のいずれか一つに記載の投影装置。
(10)発光する光源部の光を用いて投影画像を投影面に投影する際に、前記投影画像の元となる画像コンテンツを生成する画像処理装置であって、複数のピクセルから構成される画像データを入力する画像入力部と、前記投影画像に定めた複数の微小領域ごとに基準点から前記投影面までの光路の距離を示す光路長情報を取得する光路長情報取得部と、前記画像データに含まれる前記ピクセルと前記微小領域とを対応付けて、前記ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報に基づいて前記画像データに幾何補正および色調補正を行って前記画像コンテンツを生成する画像補正部と、を備える画像処理装置。
(11)発光する光源部の光を用いて投影画像を投影面に投影する際に、前記投影画像の元となる画像コンテンツを生成するための画像処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラムであって、複数のピクセルから構成される画像データを入力する画像入力処理と、前記投影画像に定めた複数の微小領域ごとに基準点から前記投影面までの光路の距離を示す光路長情報を取得する光路長情報取得処理と、前記画像データに含まれる前記ピクセルと前記微小領域とを対応付けて、前記ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報に基づいて前記画像データに幾何補正および色調補正を行って前記画像コンテンツを生成する画像補正処理と、をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。
(12)発光する光源部の光を用いて投影画像を投影面に投影する投影装置に対して、前記投影画像の元となる画像コンテンツを配信する画像配信システムであって、複数のピクセルから構成される画像データを入力する画像入力部と、前記投影画像に定めた複数の微小領域ごとに基準点から前記投影面までの光路の距離を示す光路長情報を取得する光路長情報取得部と、前記画像データに含まれる前記ピクセルと前記微小領域とを対応付けて、前記ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報に基づいて前記画像データに幾何補正および色調補正を行って前記画像コンテンツを生成する画像補正部と、前記画像補正部によって生成された前記画像コンテンツを、通信回線を介して配信する画像配信部と、を備える画像配信システム。
110 画像入力部
120 画像補正部
130 光路長情報取得部
140 光源部
150 投影画像形成部
160 投影部
170 ベース部
172 給電部
174 回転軸
180 本体部
182 投影レンズ
200 撮像装置
210 三脚
400 統括制御部
500 画像処理装置
510 画像入力部
520 画像補正部
530 光路長情報取得部
540 画像配信部
600 投影装置
610 光源部
620 投影画像形成部
630 投影部
700 通信回線
800 撮像装置
900 測距センサ
1000 画像配信システム
P1 テスト投影画像
P2、P3 投影画像
D2、D3 補正画像データ
B1、B2、B3 交差点
P11〜P17、P21〜P27、P31、P41 微小領域
P131、P132、P231、P232、P311、P312、P411、P412 部分領域
10 天井面
20 床面
30 壁面
40 壁面
50 ソファ
51、52、53 面
70 段差
71 近位面
72 段差面
73 遠位面
80 投影画像
81 左半円
82 台形
83 右半円
Claims (5)
- 発光する光源部と、
複数のピクセルから構成される画像データを入力する画像入力部と、
前記画像入力部に入力された前記画像データを補正して補正画像データを生成する画像補正部と、
前記画像補正部によって生成された前記補正画像データから投影面に投影する投影画像を形成する投影画像形成部と、
前記投影画像形成部によって形成された前記投影画像を、前記光源部が発光する光を用いて前記投影面に投影する投影部と、
前記投影画像に定めた複数の微小領域ごとに基準点から前記投影面までの光路の距離を示す光路長情報を取得する光路長情報取得部と、を備え、
前記投影画像形成部は、均一な階調値の前記ピクセルから構成される一の前記画像データからテスト投影画像を形成し、
前記投影部は、前記投影画像形成部によって形成された前記テスト投影画像を前記投影面に投影し、
前記光路長情報取得部は、前記テスト投影画像に定められている前記微小領域ごとに前記光路長情報を取得し、
前記画像補正部は、
前記テスト投影画像を前記投影面に投影している状態で当該投影面を撮像して生成されるテスト画像データを取得し、
前記テスト画像データに含まれる前記ピクセルと前記微小領域とを対応付けて、前記ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報に基づいて幾何補正用の第一補正パラメータを生成し、
前記テスト画像データに含まれる前記ピクセルのうち最低値を示す階調値を基準として、当該テスト画像データに含まれる他の前記ピクセルの階調値を当該最低値に近づける色調補正用の第二補正パラメータを生成し、
前記画像入力部に入力された他の前記画像データを補正する際に、前記第一補正パラメータを用いて幾何補正を行い前記第二補正パラメータを用いて色調補正を行って前記補正画像データを生成し、
前記第二補正パラメータが、前記テスト画像データに含まれる各ピクセルの階調値を反転した値および各ピクセルの最低値を合算した値について階調値の最大値を1として規格化する関数である投影装置。 - 前記画像補正部は、
補正処理の基準となる基準距離を定め、
補正対象となる前記ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報が前記基準距離より小さいとき、前記幾何補正として当該ピクセルによって形成される集合部分を拡大する請求項1に記載の投影装置。 - 前記画像補正部が前記幾何補正を行うとき、補正対象となる前記ピクセルによって形成される集合部分の拡大率が、前記基準距離に対する当該ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報が示す距離の比率と負の相関にある請求項2に記載の投影装置。
- 前記投影画像の観測者の視点から前記投影面までの光路の距離を示す視点情報を、前記光路長情報に対応付けて取得する視点情報取得部を備え、
前記画像補正部は、前記画像データに含まれる前記ピクセルに対応付けられた前記微小領域の前記光路長情報および当該光路長情報に対応付けられた前記視点情報に基づいて前記画像データに前記幾何補正および前記色調補正を行って前記補正画像データを生成する請求項1から3のいずれか一項に記載の投影装置。 - 電球ソケットまたはシーリング取付具に装着可能な給電部を備え、
前記給電部から取得される電力によって動作する請求項1から4のいずれか一項に記載の投影装置。
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