JP6730609B2 - 無線通信装置および動作方法 - Google Patents

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Description

本開示は、無線通信装置および動作方法に関し、特に、低コスト化および小型化を図ることができるようにした無線通信装置および動作方法に関する。
従来、無線信号を発生する無線通信装置に対して、無線通信装置から送信される無線信号が隣接チャネルに妨害を与えることを回避するように、隣接帯域への輻射を厳しく制限する規定が電波法によって課せられている。
しかしながら、一般的に、無線通信装置の送信回路に含まれるアップコンバータや増幅器などは非線形性を有しており、振幅が時間的に変化するように変調された無線信号を無線通信装置から送信すると、非線形性による相互変調(IM:intermodulation)ひずみが発生してしまう。そこで、相互変調ひずみの発生を十分低く抑制する非線形補償技術が重要となる。例えば、非線形補償技術として、非線形回路に入力される信号を、非線形回路の非線形入出力特性の逆特性となるように予めひずませておく、プリディストーション法が用いられている。
図1は、従来のディジタルプリディストーション非線形補償型の送信回路の一構成例を示す図である。
図1に示すように、従来の送信回路11は、DPD(Digital Pre-Distorter)12、DAC(Digital to Analog Converter)13、アップコンバータ14、局部発振器(local oscillator)15、電力増幅器16、カプラ17、ダウンコンバータ18、ADC(Analog to Digital Converter)19、およびパラメータ調整部20を備えて構成される。
送信回路11に入力される入力信号xは、電力増幅器16の非線形性を補償するように予め歪ませるディジタル信号処理がDPD12により施され、歪補償信号vとしてDPD12から出力される。歪補償信号vは、DAC13によりアナログ変換され、アップコンバータ14により局部発振器15の局部発振周波数fLと混合されて無線周波数fにアップコンバートされ、電力増幅器16において電力増幅される。このとき、電力増幅器16の非線形性によって、DPD12により施された歪補償信号vの歪が元に戻り、入力信号xと同様の波形の出力信号が電力増幅器16から出力される。また、この出力信号はカプラ17により分岐され、ダウンコンバータ18により局部発振器15の局部発振周波数fLに基づいて中間周波数にダウンコンバートされる。その後、広帯域のADC19によりディジタル変換された出力信号が、フィードバック信号yとしてパラメータ調整部20に入力される。
このように構成される送信回路11では、高精度の非線形補償を行うためにディジタル信号処理が導入されており、DPD12がルックアップテーブル型である場合、入力信号xの振幅に対する出力信号のベクトル振幅値が格納されたルックアップテーブルが用いられる。このルックアップテーブルのパラメータをパラメータ調整部20が調整することで、送信回路11における高精度の非線形補償が維持される。なお、DPD12が演算型である場合には、演算回路の多項式を調整することで高精度の非線形補償が維持される。
一方で近年、ブロードバンド携帯無線通信に対する需要の大幅な増加から、従来の周波数帯域のみでは帯域が不足する事態となっており、新たに帯域の追加が行なわれている。しかしながら一括して広い帯域を割り当てることが困難なため、複数の周波数帯域を同時に使用して等価的に帯域を広げて送受信を行う、キャリア・アグリゲーション技術の導入が検討・実施されている。キャリア・アグリゲーション技術によって飛び飛びの周波数帯域を同時に使用する場合、複数の異なる周波数帯域の送信機を並列運転することになるが、周波数帯域数が多い場合、周波数帯域毎に送信機を用意することによって製造コストが増大することが想定される。
そこで、1台の広帯域の送信機で複数の周波数帯域を同時に増幅する方法が考えられるが、周波数帯域毎に非線形回路の入出力特性が異なることから、非線形補償については、周波数帯域毎に補償をする必要がある。
図2は、2周波数帯域の同時送信および非線形補償が可能な従来の送信回路の一構成例を示す図である。
図2に示すように、送信回路11Aは、2個のDPD12−1および12−2、2個のDAC13−1および13−2、2個のアップコンバータ14−1および14−2、2個の局部発振器15−1および15−2、電力増幅器16、カプラ17、2個のダウンコンバータ18−1および18−2、2個のADC19−1および19−2、パラメータ調整部20、並びに、加算器21を備えて構成される。
送信回路11Aでは、2周波数に対応する中間周波数での入力信号x1およびx2が、ディジタルプリディストーション回路であるDPD12−1および12−2の両方に入力される。DPD12−1から出力される歪補償信号v1は、DAC13−1によりアナログ変換された後、アップコンバータ14−1により局部発振器15−1の局部発振周波数fL1と混合され、無線周波数f1にアップコンバートされる。同様に、DPD12−2から出力される歪補償信号v2は、DAC13−2によりアナログ変換された後、アップコンバータ14−2により局部発振器15−2の局部発振周波数fL2と混合され、無線周波数f2にアップコンバートされる。
このように、それぞれ異なる無線周波数f1およびf2にアップコンバートされた歪補償信号v1およびv2は加算器21によって加算されて合成された後、非線形回路である電力増幅器16において電力増幅される。このとき、電力増幅器16の非線形性によって、歪補償信号v1およびv2の歪が元に戻り、それぞれ入力信号x1およびx2と同様の波形の出力信号が出力される。
また、電力増幅器16から出力される出力信号は、カプラ17によって分岐され、ダウンコンバータ18−1および18−2に供給される。そして、出力信号は、ダウンコンバータ18−1により局部発振器15−1の局部発振周波数fL1に基づいて中間周波数にダウンコンバートされ、ADC19−1によりディジタル変換されて、フィードバック信号y1としてパラメータ調整部20に入力される。同様に、出力信号は、ダウンコンバータ18−2により局部発振器15−2の局部発振周波数fL2に基づいて中間周波数にダウンコンバートされ、ADC19−2によりディジタル変換されて、フィードバック信号y2としてパラメータ調整部20に入力される。従って、パラメータ調整部20が、フィードバック信号y1およびフィードバック信号y2を用いて、DPD12−1および12−2がルックアップテーブル型である場合、それぞれのルックアップテーブルのパラメータを調整することで、送信回路11Aにおいて高精度の非線形補償が維持される。なお、DPD12−1および12−2が演算型である場合には、演算回路の多項式を調整することで高精度の非線形補償が維持される。
このように、従来、2周波数に対応する送信回路11Aは、出力信号をフィードバックするための二組のフィードバック回路(ダウンコンバータ18−1および18−2並びにADC19−1および19−2)を備える必要があった。例えば、特許文献1に開示されているディジタルプリディストータも、送信回路11Aと同様に、2個のADCを備えて構成されている。
特開2014−158230号公報
ところで、図2の送信回路11Aと同様の構成方法で、さらに多数の周波数帯域に対応する場合、それらの周波数帯域に比例した複数組のフィードバック回路を備える必要があった。このため、対応する周波数帯域の増加に伴って、送信回路の製造コストが上昇するとともに、送信回路が大型化することになっていた。
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、低コスト化および小型化を図ることができるようにするものである。
本開示の一側面の無線通信装置は、所定数の入力信号それぞれに対して、後段の非線形回路における歪を補償する歪補償処理を施す所定個数の歪補償処理部と、歪補償処理部において入力信号に歪補償処理が施された所定数の歪補償信号がそれぞれ異なる周波数にアップコンバートされて合成された後に増幅されて出力される出力信号をフィードバック信号として、歪補償処理部が入力信号に対して施す歪補正処理の調整を行う調整部と、所定数の異なる周波数成分からなる出力信号を、所定数より少ない数の中間周波数にダウンコンバートして、調整部にフィードバックするフィードバック部とを備え、所定個数の歪補償処理部の各々には、各自が歪補償処理を施す対象とする入力信号とともに、その入力信号以外の全ての入力信号が入力され、歪補償処理部から出力される歪補償信号は、調整部に入力され、調整部は、フィードバック部において出力信号に対するダウンコンバートが行われるのに伴って信号スペクトルが反転されるフィードバック信号の周波数成分について、その周波数成分に対応する入力信号との信号スペクトルの比較を行う際に、フィードバック信号および入力信号のいずれか一方の信号スペクトルを反転する処理を行い、前記フィードバック部は、前記所定数より少ない個数のダウンコンバート部を有して構成され、前記出力信号に含まれる所定の2つの周波数の中心の周波数に基づいて、前記出力信号を前記中間周波数にダウンコンバートする。
本開示の一側面の動作方法は、所定数の入力信号それぞれに対して、後段の非線形回路における歪を補償する歪補償処理を施す所定個数の歪補償処理部と、歪補償処理部において入力信号に歪補償処理が施された所定数の歪補償信号がそれぞれ異なる周波数にアップコンバートされて合成された後に増幅されて出力される出力信号をフィードバック信号として、歪補償処理部が入力信号に対して施す歪補正処理の調整を行う調整部と、所定数の異なる周波数成分からなる出力信号を、所定数より少ない数の中間周波数にダウンコンバートして、調整部にフィードバックし、前記所定数より少ない個数のダウンコンバート部を有して構成されるフィードバック部とを備える無線通信装置の動作方法であって、所定個数の歪補償処理部の各々には、各自が歪補償処理を施す対象とする入力信号とともに、その入力信号以外の全ての入力信号が入力され、歪補償処理部から出力される歪補償信号は、調整部に入力され、調整部が、フィードバック部において出力信号に対するダウンコンバートが行われるのに伴って信号スペクトルが反転されるフィードバック信号の周波数成分について、その周波数成分に対応する入力信号との信号スペクトルの比較を行う際に、フィードバック信号および入力信号のいずれか一方の信号スペクトルを反転する処理を行い、前記フィードバック部が、前記出力信号に含まれる所定の2つの周波数の中心の周波数に基づいて、前記出力信号を前記中間周波数にダウンコンバートする。
本開示の一側面においては、所定個数の歪補償処理部の各々には、各自が歪補償処理を施す対象とする入力信号とともに、その入力信号以外の全ての入力信号が入力され、歪補償処理部から出力される歪補償信号は、調整部に入力される。そして、出力信号に対するダウンコンバートが行われるのに伴って信号スペクトルが反転されるフィードバック信号の周波数成分について、その周波数成分に対応する入力信号との信号スペクトルの比較を行う際に、フィードバック信号および入力信号のいずれか一方の信号スペクトルを反転する処理が行われる。さらに、所定数より少ない個数のダウンコンバート部を有して構成されるフィードバック部により、出力信号に含まれる所定の2つの周波数の中心の周波数に基づいて、出力信号が中間周波数にダウンコンバートされる。
本開示の一側面によれば、低コスト化および小型化を図ることができる。
従来のディジタルプリディストーション非線形補償型の送信回路の一構成例を示す図である。 2周波数帯域の同時送信および非線形補償が可能な従来の送信回路の一構成例を示す図である。 本技術を適用した送信回路の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。 パラメータ調整部の構成例を示すブロック図である。 送信回路のフィードバック回路での周波数の関係を示す図である。 送信回路の性能について説明する図である。 本技術を適用した送信回路の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。 多段ダウンコンバータの構成例を示すブロック図である。 多段ダウンコンバータにおける周波数の関係を示す図である。 相互変調ひずみについて説明する図である。 2つの周波数帯域を同時に非線形補償する際の特性を説明する図である。
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図3は、本技術を適用した送信回路の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図3において、送信回路31は、2個のDPD32−1および32−2、2個のDAC33−1および33−2、2個のアップコンバータ34−1および34−2、2個の局部発振器35−1および35−2、加算器36、電力増幅器37、カプラ38、ダウンコンバータ39、局部発振器40、ADC41、並びに、パラメータ調整部42を備えて構成される。
DPD32−1は、送信回路31に入力される入力信号x1に対して、電力増幅器37の非線形性に対して逆特性の非線形性となるようなディジタル信号処理を施すことにより、電力増幅器37における歪を補償した歪補償信号v1を生成して、DAC33−1およびパラメータ調整部42に供給する。また、DPD32−2は、DPD32−1と同様のディジタル信号処理を入力信号x2に対して施し、歪補償信号v2をDAC33−2およびパラメータ調整部42に供給する。
なお、異なる無線周波数の入力信号x1およびx2が送信回路31から送信される場合、図示するように、DPD32−1および32−2それぞれに、入力信号x1およびx2の両方を入力することが必要になる。これは、電力増幅器37が共通であることより、入力信号x1およびx2によって混変調歪が発生するためである。従って、DPD32−1は、入力信号x1のみならず入力信号x2の影響を受ける歪を補償した歪補償信号v1を生成し、DPD32−2は、入力信号x2のみならず入力信号x1の影響を受ける歪を補償した歪補償信号v2を生成する。ここで、DPD32−1および32−2は、2個の並列ディジタル信号処理を行う1チップの信号処理回路(例えば、FPGA:Field Programmable Gate Array)により構成される。
DAC33−1は、DPD32−1から供給される歪補償信号v1をアナログ変換して、アップコンバータ34−1に供給する。同様に、DAC33−2は、DPD32−2から供給される歪補償信号v2をアナログ変換して、アップコンバータ34−2に供給する。
アップコンバータ34−1は、DAC33−1から供給されるアナログの歪補償信号v1に、局部発振器35−1から供給される局部発振周波数fL1の局部発振信号を乗算することにより、歪補償信号v1を無線周波数f1にアップコンバートして、無線周波数f1の歪補償信号v1を加算器36に供給する。同様に、アップコンバータ34−2は、歪補償信号v2を無線周波数f2にアップコンバートして、加算器36に供給する。
局部発振器35−1は、送信回路31から出力される無線信号の周波数が無線周波数f1となるような局部発振周波数fL1の局部発振信号を生成してアップコンバータ34−1に供給する。同様に、局部発振器35−2は、局部発振周波数fL2の局部発振信号を生成してアップコンバータ34−2に供給する。
加算器36は、アップコンバータ34−1から供給される無線周波数f1の歪補償信号v1と、アップコンバータ34−2から供給される無線周波数f2の歪補償信号v2とを加算することにより合成し、その合成された出力信号を電力増幅器37に供給する。
電力増幅器37は、加算器36において合成された出力信号を電力増幅する。このとき、電力増幅器37の非線形性によって、DPD32−1および32−2により施された歪補償信号v1およびv2の歪が元に戻ることになる。これにより、無線周波数f1を中心とした入力信号x1と同様の波形と、無線周波数f2を中心とした入力信号x2と同様の波形とが合成された出力信号が、電力増幅器37から出力される。
カプラ38は、電力増幅器37から出力される出力信号を送信回路31の後段の回路(図示せず)に出力するとともに、その出力信号を分岐して、フィードバック信号y(f1,f2)としてダウンコンバータ39に供給する。
ダウンコンバータ39は、電力増幅器37からフィードバックされるフィードバック信号y(f1,f2)を、局部発振器40から供給される局部発振周波数fLOに基づいて、中間周波数fIFにダウンコンバートしたフィードバック信号y(fIF)を生成してADC41に供給する。
局部発振器40は、局部発振周波数fLOの局部発振信号を生成してダウンコンバータ39に供給する。このとき、局部発振器40の局部発振周波数fLOは、無線周波数f1と無線周波数f2との中心{fLO=(f1+f2)/2}に設定される。例えば、無線周波数f1が1.8GHzであり、無線周波数f2が2.1GHzである場合、局部発振周波数fLOは、1.95GHz{=(1.8+2.1)/2}に設定される。これにより、フィードバック信号y(fIF)は、無線周波数f1および無線周波数f2と局部発振周波数fLOとの差分(0.3GHz)の1/2となる中間周波数fIF、即ち、150MHz{fIF=(f2−f1)/2}にダウンコンバートされる。
このように局部発振器40の局部発振周波数fLOを設定することにより、無線周波数f1およびf2を中心とした2つの周波数帯域のフィードバック信号y(f1,f2)が、中間周波数fIFを中心とした同一の周波数帯域のフィードバック信号y(fIF)に変換される。
ADC41は、ダウンコンバータ39から供給されるフィードバック信号y(fIF)をディジタル変換して、パラメータ調整部42に供給する。
パラメータ調整部42は、フィードバック信号y(fIF)を、DPD32−1および32−2のルックアップテーブルのパラメータを補正するための情報として使用する。即ち、パラメータ調整部42は、フィードバック信号y(fIF)に含まれる入力信号x1に対応する周波数成分の信号スペクトルと、入力信号x1の信号スペクトルとを比較し、それらが一致するように、DPD32−1のルックアップテーブルのパラメータを補正する。ここで、パラメータ調整部42は、後述するように、フィードバック信号y(fIF)に含まれる入力信号x1に対応する周波数成分の信号スペクトルが反転していることより、入力信号x1の信号スペクトルを反転する処理を行って、比較を行う。
同様に、パラメータ調整部42は、フィードバック信号y(fIF)に含まれる入力信号x2に対応する周波数成分の信号スペクトルと、入力信号x2の信号スペクトルとが一致するように処理を行い、DPD32−2のルックアップテーブルのパラメータを補正する。
このように、パラメータ調整部42が、DPD32−1および32−2のルックアップテーブルのパラメータを補正することにより、電力増幅器37における歪を補償することができる。なお、DPD32−1および32−2が演算型である場合には、パラメータ調整部42は、演算回路の多項式を調整することにより、電力増幅器37における歪を補償することができる。
そして、このように構成される送信回路31は、図2を参照して説明した従来の送信回路11Aと比較してフィードバック回路が異なる構成となっており、ダウンコンバータ39およびADC41を一組だけ備えて構成されている。
つまり、送信回路31のフィードバック回路では、局部発振器40の局部発振周波数fLOを、無線周波数f1と無線周波数f2との中心に設定することで、フィードバック信号y(f1,f2)を、中間周波数fIFを中心とした同一の周波数帯域のフィードバック信号y(fIF)に変換することができる。これにより、送信回路31は、ダウンコンバータ39およびADC41を一組だけ備える構成であっても、パラメータ調整部42は、フィードバック信号y(fIF)を用いたフィードバックを行うことができる。
次に、図4は、図3のパラメータ調整部42の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、パラメータ調整部42は、時間調整部51、2つのPA(Power Amplifier)モデル52−1および52−2、モデリング部53、並びに、逆特性モデリング部54を備えて構成される。
時間調整部51には、DPD32−1および32−2から歪補償信号v1およびv2が供給されるとともに、ダウンコンバータ39からフィードバック信号yが供給され、フィードバック信号yに対する歪補償信号v1およびv2の時間のズレを補正する。この時間のズレは、DPD32−1および32−2から出力された歪補償信号v1およびv2が電力増幅器37を経由してフィードバック信号yとしてパラメータ調整部42に入力されるまでのフィードバック回路において発生し、無線周波数によって異なるものとなる。そして、時間調整部51は、フィードバック信号yに対する時間ズレを補正した歪補償信号v1およびv2を、モデリング部53に供給する。
PAモデル52−1は、入力信号x1に対する電力増幅器37の入出力非線形特性を表すモデルであり、PAモデル52−2は、入力信号x2に対する電力増幅器37の入出力非線形特性を表すモデルである。PAモデル52−1および52−2には、それぞれ入力信号x1およびx2の両方が入力される。そして、PAモデル52−1および52−2は、例えば、次の式(1)により表される。
Figure 0006730609
PAモデル52−1は、式(1)のym1(n)の多項式の係数の組{aq,r,m}により決定され、これらの係数を係数ベクトルA1としてモデルパラメータとして用いる。同様に、PAモデル52−2は、式(1)のym2(n)の多項式の係数の組{bq,r,m}により決定され、これらの係数を係数ベクトルA2としてモデルパラメータとして用いる。この結果、PAモデル52−1からの出力ym1とPAモデル52−2からの出力ym2は、入力を入力信号x1およびx2とする次の式(2)により表され、この値は、DPD32−1および32−2を設けない構成における電力増幅器37の出力と考えることができる。
Figure 0006730609
モデリング部53は、フィードバック信号yと、時間調整部51から供給される時間ズレを補正した歪補償信号v1およびv2とを比較する。このとき、モデリング部53は、フィードバック信号yから出力y1および出力y2を分離して、出力y1をスペクトル反転したものを、その共役複素数で表した共役複素数出力y* 1とすると、フィードバック信号yは、次の式(3)で表される。なお、式(3)において、X1およびX2は、式(2)と等価であるが、入力を歪補償信号v1およびv2とするベクトルである。
Figure 0006730609
そして、モデリング部53は、フィードバック信号yと、時間ズレを補正した歪補償信号v1およびv2との間に、この式(3)の関係があることを利用して、係数ベクトルA1およびA2を最小二乗法によって推定する。これにより、モデリング部53は、係数ベクトルA1およびA2を、PAモデル52−1および52−2の係数を決定するために用いることができる。但し、出力y1がスペクトル反転していることより、得られた係数ベクトルはAの共役複素数A*となるので、この複素共役をとることで係数ベクトルAとする。なお、モデリング部53は、次の式(4)および式(5)に従って、フィードバック信号yから出力y1および出力y2を分離することができる。
Figure 0006730609
Figure 0006730609
逆特性モデリング部54は、モデリング部53によりPAモデル52−1および52−2が求められると、上述の式(1)に示す多項式の逆多項式を求め、その逆多項式をDPD32−1および32−2の多項式とする。
このようにパラメータ調整部42は構成されており、フィードバック信号y(fIF)から入力信号x1およびx2それぞれに対応する出力y1および出力y2を分離して、電力増幅器37の逆特性となるようにDPD32−1および32−2を調整することができる。
図5には、送信回路31のフィードバック回路での周波数の関係が示されている。
図5のAには、ダウンコンバータ39に入力されるフィードバック信号y(f1,f2)の信号スペクトルが示されており、図5のBには、ダウンコンバータ39によりダウンコンバートされたフィードバック信号y(fIF)の信号スペクトルが示されている。
図5のAに示すように、フィードバック信号y(f1,f2)は、無線周波数f1および無線周波数f2それぞれを中心とした信号スペクトルにより表される。上述したように、ダウンコンバータ39は、無線周波数f1および無線周波数f2の中心の局部発振周波数fLO{=(f1+f2)/2}に基づいて、フィードバック信号y(f1,f2)をダウンコンバートする。
これにより、図5のBに示すように、無線周波数f1および無線周波数f2それぞれを中心とした信号スペクトルは、中間周波数fIF{=(f2−f1)/2}を中心として重なるように表される。つまり、ダウンコンバータ39が局部発振周波数fLOに基づいてダウンコンバートを行うと、局部発振周波数fLOより低い無線周波数f1を中心とした信号スペクトルは折り返されることになる結果、2つの信号スペクトルが中間周波数fIFを中心として重なることになる。
ところで、このようなダウンコンバートが行われることで、局部発振周波数fLOより低い無線周波数f1を中心とした信号スペクトルが反転することになる。このため、パラメータ調整部42は、無線周波数f1を中心とした信号スペクトル、即ち、入力信号x1に対応する周波数成分の信号スペクトルを、直接的に、入力信号x1と比較して誤差を求めることはできない。
そこで、パラメータ調整部42は、入力信号x1の信号スペクトルを反転する処理を行って、その反転後の入力信号x1の信号スペクトルと、フィードバック信号y(fIF)に含まれる入力信号x1に対応する周波数成分の信号スペクトルとを比較する必要がある。もちろん、パラメータ調整部42は、フィードバック信号y(fIF)に含まれる入力信号x1に対応する周波数成分の信号スペクトルを反転して、そのままの入力信号x1の信号スペクトルと比較を行ってもよい。即ち、パラメータ調整部42は、入力信号x1について、いずれか一方の信号スペクトルを反転する処理を行えばよい。
なお、局部発振周波数fLOより高い無線周波数f2を中心とした信号スペクトルは、そのまま反転されることなく中間周波数fIFに変換される。このため、パラメータ調整部42が、フィードバック信号y(fIF)と入力信号x2と比較して誤差を求める際に、入力信号x2の信号スペクトルを反転する処理を行う必要はない。
このように、2つの周波数に対応する送信回路31において、ダウンコンバータ39およびADC41を一組だけ備える構成としても、従来とほぼ同様に、相互変調ひずみの発生を抑制することができる。
次に、図6を参照して、送信回路31の性能について説明する。
図6は、送信回路31が、周波数1.75GHzの信号と周波数2.75GHzの信号との2つの信号を送信した場合における、周波数の低い方の信号(1.75GHz)のスペクトルを示したものである。例えば、図6のAには、DPDを有さない構成の送信装置から出力される出力信号の信号スペクトルが示されている。図6のBには、図2に示したような送信回路11A、即ち、対応する周波数帯域に比例した複数組のフィードバック回路を備えた従来の構成における出力信号の信号スペクトルが示されている。図6のCには、送信回路31の構成における信号スペクトルが示されている。なお、周波数の高い方の信号(2.75GHz)についても、周波数の低い方の信号と同様の効果がみられるので、周波数の高い方の信号のスペクトルの図示は省略し、周波数の低い方の信号を参照して説明を行う。
図6のAに示すように、DPDを有さない構成では、信号スペクトルの波形の幅が広がっており、出力信号に相互変調ひずみが発生していることが分かる。
これに対し、図6のBおよび図6のCに示すように、信号スペクトルの波形の幅の広がりが抑制されており、どちらの構成においても相互変調ひずみの発生が抑制されている。また、図6のBおよび図6のCの信号スペクトルは、ほぼ同様の波形となっており、送信回路31は、従来の構成の送信回路11Aとほぼ同等の性能を備えていることが分かる。
即ち、一組のフィードバック回路(ダウンコンバータ39およびADC41)を備える構成の送信回路31は、従来の構成送信回路11Aと比較しても、その性能が低下することはない。従って、送信回路31は、フィードバック回路の構成を削減することによって、従来と同様に相互変調ひずみの発生を抑制する機能を、より低コストかつ小型に実現することができる。
次に、図7は、本技術を適用した送信回路の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図7の送信回路31Aにおいて、図3の送信回路31と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。例えば、送信回路31Aは、加算器36、電力増幅器37、カプラ38、および、ADC41を備える点で、図3の送信回路31と共通する構成となっている。
但し、送信回路31Aは、N個のDPD32−1乃至32−N、N個のDAC33−1乃至33−N、N個のアップコンバータ34−1乃至34−N、N個の局部発振器35−1乃至35−N、およびパラメータ調整部42Aを備えるとともに、図3のダウンコンバータ39および局部発振器40に替えて多段ダウンコンバータ43を備える点で、図3の送信回路31と異なる構成となっている。
つまり、送信回路31Aは、N周波数帯域の同時送信および非線形補償が可能となるように構成されており、N個のDPD32−1乃至32−N、N個のDAC33−1乃至33−N、N個のアップコンバータ34−1乃至34−N、およびN個の局部発振器35−1乃至35−Nによって、N系列の入力信号x1乃至xNに対応している。ここで、DPD32−1乃至32−Nは、N個の並列ディジタル信号処理を行う1チップの信号処理回路により構成される。
そして、送信回路31Aでは、これらのN系列の出力信号が加算器36により合成された後に電力増幅器37に入力されて、電力増幅器37から出力される出力信号がカプラ38により分岐され、フィードバック信号y(f1,f2,f3,・・・fN)として多段ダウンコンバータ43に入力される。
多段ダウンコンバータ43は、フィードバック信号y(f1,f2,f3,・・・fN)に対して、後述の図8および図9を参照して説明するように複数段でダウンコンバートを行い、中間周波数fIFにダウンコンバートしたフィードバック信号y(N)を生成してADC41に供給する。また、パラメータ調整部42Aは、図3のパラメータ調整部42と同様に、フィードバック信号y(f1,f2,f3,・・・fN)に基づいて、DPD32−1乃至32−Nのパラメータの補正、または、演算回路の多項式の調整を行う。例えば、パラメータ調整部42Aは、DPD32−1乃至32−Nに応じたN個のPAモデル52(図4参照)を有している。
ここで、図8は、多段ダウンコンバータ43の構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、多段ダウンコンバータ43は、N−1個のダウンコンバータ39−1乃至39−(N−1)が直列に接続され、ダウンコンバータ39−1乃至39−(N−1)それぞれに対してN−1個の局部発振器40−1乃至40−(N−1)が設けられている。
ダウンコンバータ39−1は、局部発振器40−1から供給される局部発振周波数fLO(1)に基づいて、フィードバック信号y(f1,f2,f3,・・・fN)をダウンコンバートしたフィードバック信号y(1)を生成する。このとき、局部発振器40−1の局部発振周波数fLO(1)は、無線周波数f1と無線周波数f2との中心{fLO(1)=(f1+f2)/2}に設定される。
同様に、ダウンコンバータ39−2は、局部発振器40−2から供給される局部発振周波数fLO(2)に基づいて、フィードバック信号y(1)をダウンコンバートしたフィードバック信号y(2)を生成する。このとき、局部発振器40−2の局部発振周波数fLO(2)は、フィードバック信号y(1)の中間周波数{(f2−f1)/2}と、無線周波数f3をダウンコンバータ39−1でダウンコンバートした周波数{f3−(f1+f2)/2}との中心{fLO(2)=(f3−f1)/2}に設定される。
また同様に、ダウンコンバータ39−3は、局部発振器40−3から供給される局部発振周波数fLO(3)に基づいて、フィードバック信号y(2)をダウンコンバートしたフィードバック信号y(3)を生成する。このとき、局部発振器40−3の局部発振周波数fLO(3)は、フィードバック信号y(2)の中間周波数{(f3−f2)/2}と、無線周波数f4をダウンコンバータ39−1および39−2でダウンコンバートした周波数{f4−(f2+f3)/2}との中心{fLO(2)=(f4−f2)/2}に設定される。
以下、同様に、ダウンコンバータ39−4乃至39−(N−2)においてダウンコンバートが行われ、ダウンコンバータ39−(N−1)は、局部発振器40−(N−1)から供給される局部発振周波数fLO(N-1)に基づいて、フィードバック信号y(N-1)をダウンコンバートしたフィードバック信号y(N)を生成する。このとき、局部発振器40−(N−1)の局部発振周波数fLO(N-1)は、フィードバック信号y(N-2)の中間周波数{(fN-1−fN-2)/2}と、無線周波数fNをダウンコンバータ39−1乃至39−(N−2)でダウンコンバートした周波数{fN−(fN-2+fN-1)/2}との中心{fLO(N-1)=(fN−fN-2)/2}に設定される。
その結果、多段ダウンコンバータ43からは、中間周波数fIF{=(fN−fN-1)/2}のフィードバック信号y(N)が出力される。
そして、送信回路31Aにおいても、上述した送信回路31と同様に、多段ダウンコンバータ43によるダウンコンバートによって信号スペクトルが反転するため、パラメータ調整部42Aは、信号スペクトルの反転に考慮して比較を行う必要がある。
図9は、多段ダウンコンバータ43における周波数の関係を示す図である。
図9に示すように、入力信号x1乃至xNそれぞれに対応する無線周波数f1乃至fNは、無線周波数f1が最も小さく、無線周波数f1から無線周波数fNまでの順に従って大きくなるように設定されている。また、図9では、無線周波数f1乃至fNの低い順に周波数を退縮させる例が示されている。
つまり、ダウンコンバータ39−1は、局部発振周波数fLO(1){=(f1+f2)/2}に基づいてダウンコンバートを行って、入力信号x1およびx2に対応する無線周波数f1および無線周波数f2の周波数成分については、同一の中間周波数{(f2−f1)/2}に退縮して変換される。このとき、残りの無線周波数f3乃至fNの周波数成分は、それぞれ局部発振周波数fLO(1){=(f1+f2)/2}だけ低い周波数に変換される。この結果、ダウンコンバータ39−1から出力されるフィードバック信号y(1)は、図9の上から2段目に示すようになる。
続いて、ダウンコンバータ39−2が、局部発振周波数fLO(2){=(f3−f1)/2}に基づいてダウンコンバートを行うことで、入力信号x1乃至x3に対応する無線周波数f1乃至f3の周波数成分は、同一の中間周波数{(f3−f2)/2}に退縮して変換される。このとき、残りの無線周波数f4乃至fNの周波数成分は、それぞれ局部発振周波数fLO(2){=(f3−f1)/2}だけ低い周波数に変換される。この結果、ダウンコンバータ39−2から出力されるフィードバック信号y(2)は、図9の上から3段目に示すようになる。
以下、同様に、ダウンコンバータ39の段数が増えるごとに、周波数が1波ずつ退縮し、ダウンコンバータ39−(N−1)が、局部発振周波数fLO(N-1){=(fN−fN-2)/2}に基づいてダウンコンバートを行うことで、入力信号x1乃至xNに対応する無線周波数f1乃至fNの周波数成分は、図9の上から4段目に示すように、同一の中間周波数fIF{=(fN−fN-1)/2}に退縮して変換される。
このようなダウンコンバートが多段ダウンコンバータ43において行われる結果、フィードバック信号y(N)では、入力信号xの系統数Nが偶数の場合、無線周波数f1,f3,・・・fN-1の信号スペクトルが反転する一方、無線周波数f2,f4,・・・fNの信号スペクトルはそのまま出力される。従って、パラメータ調整部42Aは、入力信号xの系統数Nが偶数の場合、入力信号x1,x3,・・・xN-1を中間周波数帯域で表現した信号スペクトルを反転した後に、フィードバック信号y(N)と比較する必要がある。なお、入力信号xの系統数Nが偶数の場合、入力信号x2,x4,・・・xNについては、このような反転を行う必要はない。
同様に、入力信号xの系統数Nが奇数の場合、無線周波数f2,f4,・・・fNの信号スペクトルが反転する一方、無線周波数f1,f3,・・・fN-1の信号スペクトルはそのまま出力される。従って、パラメータ調整部42Aは、入力信号xの系統数Nが奇数の場合、入力信号x2,x4,・・・xNを中間周波数帯域で表現した信号スペクトルを反転した後に、フィードバック信号y(N)と比較する必要がある。なお、入力信号xの系統数Nが奇数の場合、入力信号x1,x3,・・・xN-1については、このような反転を行う必要はない。
このように、パラメータ調整部42Aは、入力信号xの系統数Nに従って反転を行う入力信号を決定し、多段ダウンコンバータ43によるダウンコンバートが行われるのに伴って反転される信号スペクトルの周波数成分については、その周波数成分に対応する入力信号を反転する処理を行った後に、フィードバック信号y(N)との比較を行う。
以上のように、送信回路31Aは、複数の周波数帯域の出力信号を単一の中間周波数に変換することができるので、多段ダウンコンバータ43から出力されるフィードバック信号y(N)を単一のADC41によってディジタル変換してパラメータ調整部42Aに供給することができる。このように、単一のADC41で処理を行うことができる結果、従来の送信回路と比較して、使用するADCの個数を削減することができるため、回路の簡易化、低消費電力化、小型化、および低コスト化を図ることができる。
ところで、図10に示すように、入力信号x1には、入力信号x1によって歪d(1,1)が発生するだけでなく、入力信号x2によっても歪d(1,2)が発生する。同様に、入力信号xには、入力信号xによって歪d(2,2)が発生するだけでなく、入力信号xによっても歪d(2,1)が発生する。このように、入力信号x1および入力信号x2には、互いの影響による相互変調ひずみが発生する。
そこで、本技術を適用した図3の送信回路31は、DPD32−1には、DPD32−1がディジタル信号処理を施す対象とする入力信号x1とともに、入力信号xも入力されるように構成される。同様に、DPD32−2には、DPD32−2がディジタル信号処理を施す対象とする入力信号xとともに、入力信号xも入力される。
これにより、DPD32−1は、入力信号x1を用いて歪d(1,1)を補償するだけでなく、入力信号xを用いて歪d(1,2)を補償するディジタル信号処理を行って、歪d(1,1)および歪d(1,2)を補償した歪補償信号vを生成することができる。同様に、DPD32−2は、入力信号xを用いて歪d(2,2)を補償するだけでなく、入力信号xを用いて歪d(2,1)を補償するディジタル信号処理を行って、歪d(2,2)および歪d(2,1)を補償した歪補償信号v2を生成することができる。
また、図7の送信回路31Aも同様に、DPD32−1乃至32−Nの各々には、各自がディジタル信号処理を施す対象とする入力信号x1乃至xNのいずれかが入力されるだけでなく、全ての入力信号x1乃至xNが入力されるように構成される。
従って、送信回路31および送信回路31Aは、複数の入力信号xどうしの影響により発生する相互変調ひずみを補償した歪補償信号vを生成することができるので、より高精度に歪補償を行うことができる。これにより、送信回路31および送信回路31Aは、アップコンバータ34によるアップコンバートによって歪補償信号vの歪が確実に元に戻され、それぞれの入力信号xと同様の波形の出力信号を出力することができる。
ここで、図11を参照して、本技術を適用した送信回路31のように、2つの周波数帯域を同時に非線形補償する際の特性について説明する。
図11には、入力信号x1を送信する周波数帯域を10MHzとし、入力信号xを送信する周波数帯域を20MHzとして、DPD32による歪補償処理があるときと、DPD32による歪補償処理がないときのとのパワースペクトル密度(Power spectral density)のシミュレーション結果が示されている。
図11のAは、送信回路31の構成、即ち、ダウンコンバータ39により1つの中間周波数fIFにダウンコンバートしたフィードバック信号yを用いてパラメータ調整部42がパラメータを調整するようなフィードバックが行われる構成(Spectra-Folding Feed Back)におけるパワースペクトル密度のシミュレーション結果が示されている。
一方、このようなフィードバックが行われない構成におけるパワースペクトル密度のシミュレーション結果のうち、図11のBには、PAモデルの振幅−振幅特性を10%変化(2%ずつプラス側およびマイナス側に変化)させたときのシミュレーション結果が示されている。同様に、図11のCには、PAモデルの振幅−位相特性を10%変化させたときのシミュレーション結果が示されている。図11のBおよび図11のCに示すように、フィードバックが行われない構成では、PAモデルの特性を変化させると、パワースペクトル密度の波形に歪みが発生してしまう。
これに対し、図11のAに示すように、送信回路31は、上述したようなフィードバックが行われる構成を採用することで、2つの周波数帯域を同時に非線形補償するときに、パワースペクトル密度の波形に歪みが発生することを抑制することができる。即ち、本技術を適用した送信回路31は、2つの周波数帯域を同時に非線形補償しても、より高精度な歪補償を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、複数の周波数帯域の出力信号を単一の中間周波数にダウンコンバートする構成例について説明を行ったが、例えば、少なくとも入力信号の数より少ない数の中間周波数にダウンコンバートすることにより、従来の構成と比較して上述の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
31および31A 送信回路, 32 DPD, 33 DAC, 34 アップコンバータ, 35 局部発振器, 36 加算器, 37 電力増幅器, 38 カプラ, 39 ダウンコンバータ, 40 局部発振器, 41 ADC, 42および42A パラメータ調整部, 43 多段ダウンコンバータ, 51 時間調整部, 52−1および52−2 PAモデル, 53 モデリング部, 54 逆特性モデリング部

Claims (6)

  1. 所定数の入力信号それぞれに対して、後段の非線形回路における歪を補償する歪補償処理を施す所定個数の歪補償処理部と、
    前記歪補償処理部において前記入力信号に歪補償処理が施された前記所定数の歪補償信号がそれぞれ異なる周波数にアップコンバートされて合成された後に増幅されて出力される出力信号をフィードバック信号として、前記歪補償処理部が前記入力信号に対して施す歪補正処理の調整を行う調整部と、
    前記所定数の異なる周波数成分からなる前記出力信号を、前記所定数より少ない数の中間周波数にダウンコンバートして、前記調整部にフィードバックするフィードバック部と
    を備え、
    前記所定個数の歪補償処理部の各々には、各自が歪補償処理を施す対象とする前記入力信号とともに、その入力信号以外の全ての前記入力信号が入力され、
    前記歪補償処理部から出力される前記歪補償信号は、前記調整部に入力され、
    前記調整部は、前記フィードバック部において前記出力信号に対するダウンコンバートが行われるのに伴って信号スペクトルが反転される前記フィードバック信号の周波数成分について、その周波数成分に対応する前記入力信号との信号スペクトルの比較を行う際に、前記フィードバック信号および前記入力信号のいずれか一方の信号スペクトルを反転する処理を行い、
    前記フィードバック部は、前記所定数より少ない個数のダウンコンバート部を有して構成され、前記出力信号に含まれる所定の2つの周波数の中心の周波数に基づいて、前記出力信号を前記中間周波数にダウンコンバートする
    無線通信装置。
  2. 前記フィードバック部は、前記所定数より1つ少ない個数のダウンコンバート部を有して構成され、前記所定数の異なる周波数成分からなる前記出力信号を、1つの中間周波数にダウンコンバートする
    請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記歪補償処理部は、前記所定数の周波数成分に対応した所定数の並列ディジタル信号処理を行う1チップの信号処理回路により構成される
    請求項1乃至3のいずれかに記載の無線通信装置。
  4. 前記フィードバック部から出力される前記中間周波数の信号をディジタル信号に変換して前記調整部に供給するディジタル変換部をさらに備え、
    前記調整部は、前記歪補償処理部に対する処理をディジタル信号処理により行う信号処理回路により構成される
    請求項1乃至4のいずれかに記載の無線通信装置。
  5. 前記調整部は、前記歪補償処理部から供給される前記歪補償信号と、前記フィードバック部を介して供給される前記フィードバック信号との時間のズレを補正する時間調整部を有する
    請求項1乃至5のいずれかに記載の無線通信装置。
  6. 所定数の入力信号それぞれに対して、後段の非線形回路における歪を補償する歪補償処理を施す所定個数の歪補償処理部と、
    前記歪補償処理部において前記入力信号に歪補償処理が施された前記所定数の歪補償信号がそれぞれ異なる周波数にアップコンバートされて合成された後に増幅されて出力される出力信号をフィードバック信号として、前記歪補償処理部が前記入力信号に対して施す歪補正処理の調整を行う調整部と、
    前記所定数の異なる周波数成分からなる前記出力信号を、前記所定数より少ない数の中間周波数にダウンコンバートして、前記調整部にフィードバックし、前記所定数より少ない個数のダウンコンバート部を有して構成されるフィードバック部と
    を備える無線通信装置の動作方法であって、
    前記所定個数の歪補償処理部の各々には、各自が歪補償処理を施す対象とする前記入力信号とともに、その入力信号以外の全ての前記入力信号が入力され、
    前記歪補償処理部から出力される前記歪補償信号は、前記調整部に入力され、
    前記調整部が、前記フィードバック部において前記出力信号に対するダウンコンバートが行われるのに伴って信号スペクトルが反転される前記フィードバック信号の周波数成分について、その周波数成分に対応する前記入力信号との信号スペクトルの比較を行う際に、前記フィードバック信号および前記入力信号のいずれか一方の信号スペクトルを反転する処理を行い、
    前記フィードバック部が、前記出力信号に含まれる所定の2つの周波数の中心の周波数に基づいて、前記出力信号を前記中間周波数にダウンコンバートする
    動作方法。
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