JP6730440B2 - 3d距離フィールドを用いる3d印刷のためのgpu材料指定 - Google Patents

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Description

本開示は3次元(3D)部品の積層造形のシステム及び方法に関し、より詳細には、積層造形のためのプリントデータを生成すること、並びに3D部品及びその支持構造を構築するシステム及びプロセスにおいて、そのプリントデータを使用することに関する。
積層造形は包括的には、3次元(3D)物体のコンピューターモデルを利用して、その物体が造形されるプロセスである。積層造形システムの基本動作は、3次元コンピューターモデルを薄い断面にスライスすることと、その結果を2次元位置データに変換することと、そのデータを、1つ以上の積層造形技法を用いて3次元構造を層状に造形する制御機器にフィードすることとからなる。積層造形は、熱溶解積層法(fused deposition modeling)、インクジェット法、選択的レーザー焼結法、粉末/結合剤ジェット法(powder/binder jetting)、電子ビーム溶解法、電子写真撮像法及びステレオリソグラフィ法を含む、製造方法に関する数多くの異なる手法を伴う。
インクジェット法では、ノズルの組を有する分注ヘッドから構築材料が液滴として噴射され、支持構造上に層を堆積する。製造技法及び材料タイプに応じて、それらの層はその後、適切なデバイスを用いて、平坦化し、硬化させ、及び/又は凝固させることができる。構築材料は、物体を形成する部品材料と、物体が構築されているときに物体を支持する支持材料とを含むことがきる。
熱溶解積層法による積層造形システムでは、ツールパスに沿って流動可能な部品材料を押し出すことによって、3D部品のデジタル表現から3D部品又はモデルを層ごとに印刷することができる。部品材料は、システムのプリントヘッドによって搬送される押出先端を通して押し出され、構築面内の基材上に一連のロード(road)として堆積される。押し出された部品材料は、既に堆積されていた部品材料に融着し、温度が降下すると凝固する。その後、基材に対するプリントヘッドの位置が(構築面に対して垂直な)プリント軸に沿ってインクリメントされ、その後、デジタル表現に類似する3D部品を形成するために、そのプロセスが繰り返される。支持材料は通常、支持構造を構築する印刷プロセス中に、生成される幾何学的形状に従って第2のノズルから堆積される。
電子写真3D印刷法では、3D部品及びその支持構造のデジタル表現の各スライスが、電子写真エンジンを用いて印刷又は現像される。電子写真エンジンは一般に、2D電子写真印刷法に従って動作するが、ポリマートナーを使用する。電子写真エンジンは通常、光伝導材料層でコーティングされた導電性支持ドラムを使用し、静電帯電によって静電潜像が形成され、その後、光源によって光伝導層が画像に合わせて露光される。静電潜像は、その後、現像ステーションに動かされ、帯電したエリアに、又は代替的には、光伝導性絶縁体の放電されたエリアにポリマートナーが塗布され、3D部品のスライスを表すポリマートナーの層が形成される。現像された層は転写媒体に転写され、その層は熱及び/又は圧力を用いて、転写媒体から、既に印刷されていた層に転写融着され(transfused)、3D部品が構築される。
部品材料の層を堆積することによって3D部品を製造する際に、支持層又は構造は通常、部品材料自体によって支持されない、造形中の物体の張り出している部分の真下に、又は空洞内に構築される。支持構造は、部品材料が堆積されるとの同じ堆積技法を利用して構築することができる。ホストコンピューターが、形成されている3D部品の張り出している部分又は空き空間部分のための支持構造としての役割を果たす付加的な幾何学的構造を生成する。支持構造は製造中のモデリング材料に接着し、印刷プロセスが完了するときに、完成した3D部品から除去可能である。
方法が、3次元構築空間からボクセルを選択することと、選択されたボクセルに関して、3次元構築空間内のデジタル部品モデルに対する距離フィールド値を求めることとを含む。その後、距離フィールド値を用いて、少なくとも1つの材料選択規則を選択し、少なくとも1つの材料選択規則にボクセルの或る特徴が適用され、そのボクセルに関する材料指示が特定される。材料選択規則がそのボクセルに関して材料なしを特定するとき、材料指示は、そのボクセルに材料が配置されるべきでないことを指示し、少なくとも1つの材料選択規則がそのボクセルに関する少なくとも1つの材料を特定するとき、材料指示は、そのボクセルに少なくとも1つの材料が配置されるべきであることを指示する。そのボクセルに関する材料指示は、その後、積層造形システムを用いて3D部品を構築する際に使用するために出力される。
更なる実施形態において、積層造形システムが、部品のデジタルモデルを受信し、デジタル部品モデルに関するレンダリング動作を実行するグラフィックス処理ユニットを備え、レンダリング動作は、デジタル部品モデルを第1のZ方向において順次にレンダリングし、複数のZ位置のそれぞれに関するzバッファー値の第1の組を作成することと、デジタル部品モデルを第1のZ方向と反対の第2のZ方向において順次にレンダリングし、複数のZ位置のそれぞれに関するzバッファー値の第2の組を作成することとを含む。グラフィックス処理ユニットは、zバッファー値を用いて複数のZ位置のそれぞれにおけるボクセルごとの少なくとも1つの距離フィールド値を求め、ボクセルの少なくとも1つの距離フィールド値に基づいて、ボクセルごとの材料指示を設定する。そのシステムは、3D部品を造形させるために、ボクセルに関する材料指示を送信する通信インターフェースを更に備える。
また更なる実施形態において、方法が、3次元構築空間内のボクセルを選択することと、3次元構築空間内に位置決めされる第1の部品のデジタルモデルの境界に対するボクセルに関する第1の距離フィールド値を求めることと、3次元構築空間内に位置決めされる第2の部品のデジタルモデルの境界に対するボクセルに関する第2の距離フィールド値を求めることとを含む。その後、第1の距離フィールド値及び第2の距離フィールド値を用いて、ボクセルに関する材料指示を設定する。
距離フィールドに基づいてGPU材料指定を用いて3D部品を印刷するシステムの一例を示す図である。 図1のコンピューターの例示的なコンピューターアーキテクチャのブロック図である。 デジタル部品モデルを、3D部品を印刷するためのプリント命令に変換する方法のフロー図である。 図3の方法において使用される要素のブロック図である。 テクスチャー及びバンプを示す部品の一部の斜視図である。 部品の位置決めされたデジタルモデルを有する構築空間の斜視図である。 距離フィールド値を求める方法を示す図である。 距離フィールド値を求めることを示す構築空間内のスライスの平面図である。 材料選択の初期ステップを実行する方法のフロー図である。 異なる支持領域を示す部品の側面図である。 1つの部品のみが存在するときのボクセルに関する材料を選択する方法を与える図である。 構築空間内に複数の部品に関するデジタルモデルが存在するときのボクセルに関する材料を選択する方法を与える図である。 単一の部品のデジタルモデルが構築空間内に存在したときに種々の実施形態を通して構成される部品の断面図である。 単一の部品の材料選択規則の選択を通して干渉を除去することを示す、2つの部品の側面図である。 2つの異なる格子関数が互いに融合される融合エリアを示す図である。 2つの異なる材料がボクセルごとに一方から他方に混合される移行領域を示す図である。 複数の積層造形システムを含む、距離フィールドに基づいてGPU材料指定を用いて3D部品を印刷する第2の例示的なシステムを示す図である。 複数の積層造形システムと、クラウドベースサーバーアーキテクチャとを含む、距離フィールドに基づいてGPU材料指定を用いて3D部品を印刷する第3の例示的なシステムを示す図である。 例示的なシステムにおいて使用するための、3D部品及び支持構造を印刷するように構成される例示的なインクジェット積層造形システムの正面図である。 例示的なシステムにおいて使用するための、3D部品及び支持構造を印刷するように構成される電子写真造形システムの図である。 例示的なシステムにおいて使用するための、3D部品及び支持構造を印刷するように構成される押出しを利用した積層造形システムの図である。
積層造形を用いて部品を構築するために、印刷されるべき物体を表すデジタルモデルからプリントデータが生成される。プリントデータに基づいて、各印刷層の利用可能な場所のそれぞれにおいて、もしあれば、どの材料が配置されるべきであるかを指示するために、プリント命令が生成され、プリンターに与えられる。材料移行を決定するための既知の技法は、境界表現を用いて、各部品の外部境界を特定する。この方法において、部品の境界に沿って位置決めされる場所ごとに部品材料が指示される。部品が中実であるべき場合には、部品の境界内の場所ごとに、その部品に関して設定される材料も指示される。この方法において、1つの材料から別の材料、又は或る材料から空き空間への全ての材料移行を境界表現によって記述することができる。しかしながら、本発明者らは、材料間の移行を制御するために境界表現に頼ることは、いくつかの問題を引き起こすことに気がついた。第一に、プリント命令を生成するために境界表現が内向き又は外向きにシフトされるラウンディング、ロフティング及びオフセットモデリング演算を実行することは、シフトされた境界表現間の干渉に起因して、誤差又は予想外の結果をもたらす可能性がある。これは通常、部品のトポロジーが複雑であるときに生じる。第二に、部品の境界表現が閉鎖された物体を画定しない場合には、プリント命令を生成するときに2つの異なる部品間で実行される、減算又は和集合のようなブール演算が失敗する可能性がある。部品内に任意の開口があると、ブール演算は、部品の全体積ではなく、境界表現自体に制限されることになる。第三に、格子はメッシュ内に莫大な数の三角形を必要とし、結果として大量のデータが生成されるので、境界表現を用いて格子を規定するのは極めて難しい。
後に説明される実施形態において、境界表現に関連付けられる問題は、距離フィールドを使用することによって克服される。本明細書において使用されるときに、「距離フィールド値」は、ボクセルと部品のメッシュ境界との間の最短ベクトルの長さであり、ベクトルは、任意の1つの平面、軸又は方向にあることには限定されない。一実施形態において、距離フィールドは、造形されるべき部品(複数の場合もある)を含む3次元構築空間を、ボクセルの3次元行列に分割することによって生成される。その後、ボクセルが部品内にある場合には、距離が正の値に設定され、ボクセルが部品の外部にある場合には、距離が負の値に設定され、ボクセルが部品境界上にある場合には、距離が0であるように、各ボクセルから部品境界への最短距離が求められる。これは、距離フィールド値の3次元行列を生成する。各部品は、自らの関連付けられる距離フィールドを有する。結果として、構築空間内に複数の部品が存在するとき、各ボクセルは、それぞれが別々の部品に関連付けられる、複数の異なる距離フィールド値を有する。
距離フィールドが求められると、それらの距離フィールドを用いて、ボクセルごとの少なくとも1つの材料選択規則を選択する。各材料選択規則は、例えば、ボクセルの距離フィールド値、及び構築空間内のボクセルの位置等の、ボクセルの少なくとも1つの特徴を用いて、ボクセルに関する材料指示を特定する。いくつかの実施形態において、材料選択規則は、距離フィールド値及び/又は構築空間の位置の関数である周期関数を含み、周期関数によって生成される出力値の或る範囲がそのボクセルに関して材料なしが指示されることに関連付けられ、周期関数によって生成される出力値の別の範囲がそのボクセルに関して或る材料が指示されることに関連付けられるようになる。そのような周期関数によれば、構築空間内で格子を規定できるようになる。
図1は、ボクセルへの材料を指定し、指定された材料を用いて部品を造形する簡略化されたシステムの一例を示す。図1において、コンピューター66が、積層造形システム68のためのホストコンピューターとしての役割を果たし、1つ以上の通信線70を介してシステム68と通信する。いくつかの実施形態において、コンピューター66はシステム68の内部にあり、例えば、システム68のための内部コントローラーアセンブリの一部である。他の実施形態において、コンピューター66は、積層造形システム68の外部にある。
図2は、コンピューター66の例示的なアーキテクチャのブロック図を示す。図示されるように、コンピューター66は、ユーザーインターフェース82、メモリコントローラー84、プロセッサ86、グラフィックス処理ユニット87、記憶媒体88、入力/出力(I/O)コントローラー90及び通信アダプター92等の適切なコンピューターベースハードウェアを備える。また、コンピューター66は、従来のコンピューター、サーバー、メディアデバイス、信号処理デバイス及び/又はプリンターコントローラーに含まれる様々な付加的な構成要素も備える場合がある。
ユーザーインターフェース82は、コンピューター66を操作するように構成される1つ以上のユーザー操作インターフェース(例えば、キーボード、タッチパッド、タッチスクリーンディスプレイ、ディスプレイモニター、及び目、音声、運動又は手によって操作される他の制御機構)である。メモリコントローラー84は、コントローラー66の構成要素と、記憶媒体88の1つ以上の揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)モジュールとのインターフェースを構成する1つ以上の回路アセンブリである。プロセッサ86は、任意選択でメモリコントローラー84とともに、好ましくは、関連する処理回路(例えば、プログラマブルゲートアレイ、デジタル及びアナログ構成要素等)とともに、コンピューター66を操作するように構成される1つ以上のコンピューター処理ユニットである。例えば、プロセッサ86は、1つ以上のマイクロプロセッサベース及び/又はマイクロコントローラーベースユニット、1つ以上の中央処理ユニット、及び/又は1つ以上のフロントエンド処理ユニットを含む場合がある。
グラフィックス処理ユニット87は、迅速かつ効率的に3Dコンピューターグラフィックスに関連する計算を実行するように構成される多数のトランジスターを含む。そのような計算は、テクスチャーマッピングと、3D物体を表す多角形のレンダリングとを含む。
記憶媒体88は、揮発性RAMモジュール、リードオンリーメモリモジュール、光媒体、磁気媒体(例えば、ハードディスクドライブ)、ソリッドステート媒体(例えば、フラッシュメモリ及びソリッドステートドライブ)、アナログ媒体等の、コンピューター66のための1つ以上の内部及び/又は外部データ記憶デバイス又はコンピューター記憶媒体である。記憶媒体88は、後に更に論じられる1つ以上の前処理及び/又は後処理プログラム(図示せず)を保持することができる。
I/Oコントローラー90は、メモリコントローラー84、プロセッサ86及び記憶媒体88と、ユーザーインターフェース82及び通信アダプター92を含む、コンピューター66の種々の入力及び出力構成要素とのインターフェースを構成する1つ以上の回路アセンブリである。通信アダプター92は、通信線70を介して通信するように構成される1つ以上の有線及び/又はワイヤレス送信機/受信機アダプターである。
コンピューター66からシステム68の構成要素へのコマンドは、当業者によって理解されるように、ユーザーインターフェース82、メモリコントローラー84、プロセッサ86、記憶媒体88、入力/出力(I/O)コントローラー90、通信アダプター92及び/又は他の適切なハードウェア及びソフトウェア実施態様で実行することができる。
図3は、距離フィールドを用いて、デジタル部品モデルからの3D部品に関するプリント命令を生成する方法のフロー図を与える。図4は、図3の方法を実施するために使用されるシステム200のブロック図を与える。一実施形態によれば、システム200はコンピューター66内で実現される。
ステップ100において、記憶媒体88に記憶される、メッシュ202、テクスチャーマップ204、バンプマップ206、光輝(shine)マップ208、点特徴209及び部品解像度を含む、部品データが受信される。メッシュ202は、部品のデジタルモデルの平面境界を記述し、相互接続される三角形又は他の多角形として規定することができる。テクスチャーマップ204は、メッシュ202によって記述される各表面の外部に適用されるべき表面テクスチャーの場所及び幾何学的形状を記述する。バンプマップ206は、メッシュ202の特定の表面上に存在する、より大きい表面特徴の記述を与える。図5は、隆起した正方形304によって特徴付けられるテクスチャーを有する2つの表面300及び302と、大きい隆起した正方形によって表される表面バンプ306とを示す、部品の一部の一例を与える。小さい正方形304は、テクスチャーマップ204内に記述されることになり、一方、表面バンプ306はバンプマップ206内に記述されることになる。光輝度(shininess)マップ208は、部品の異なる表面に関する所望の光輝レベルを示す。
点特徴209は、特定の特徴を有する部品の部分に対して使用されるべき材料選択規則の組を記述する。材料選択規則の組を指定するための根拠として使用することができる部品特徴の例は、ボディー又はメッシュの識別子、表面テクスチャー座標及び表面法線範囲を含む。したがって、いくつかの実施形態において、同じ距離フィールド値において、その部品の周囲の異なるエリアに対して異なる材料が使用されるように、部品の異なる部分は、材料選択規則の異なる組を有する。そのような点特徴の使用に関する更なる説明が後に与えられる。
後に更に説明される図3のステップ101〜116、120、122及び124を実行する、グラフィックス処理ユニット87によって実行されるスライス計算プロセス210に、メッシュ202、テクスチャーマップ204及びバンプマップ206が与えられる。
ステップ101において、スライス計算プロセス210が、3次元構築空間を画定し、メッシュ202、テクスチャーマップ204及びバンプマップ206によって記述されるデジタル部品モデルを3次元構築空間内に位置決めし、位置決めされたデジタル部品モデル91を形成する。一実施形態によれば、構築空間は、デジタル部品モデルを最初に位置決めし、その後、位置決めされた部品モデルの周囲の境界ボックスを画定し、周囲の支持構造エンベロープを与えることによって画定される。
図6は、3次元構築空間400内に位置決めされたデジタル部品モデル402の3次元図を与える。図6において、−Z方向406、+Z方向408、X方向410及びY方向412が存在する。構築空間400の平面スライス404が、ボクセル414等のボクセルの集合を含むものとして示される。図6には単一のスライスのみが示されるが、ボクセルが構築空間400の全体を満たすように、構築空間400内に複数のスライスが存在する。ボクセルの寸法は、部品に対して設定される解像度に基づく。さらに、図6には平面スライスが示されるが、スライスという用語は、平面、螺旋面、円筒面又は任意の他の表面形状を表すボクセルの集合等の、任意の表面様ボクセル集合を含む。
ステップ102において、構築空間内の最も低いスライスが選択される。
ステップ104において、スライス計算プロセス210が、構築空間400内の選択されたスライスに関するZバッファー95のための値を設定する。スライスに関するZバッファーは、スライス内のボクセルごとに1つの値を含み、Zバッファー値の大きさは、ボクセルと部品の最も近いメッシュ境界との間の垂直距離の大きさを表す。部品のメッシュ境界は、1つ以上のメッシュ202と、それらのメッシュに適用されるテクスチャーマップ204と、それらのメッシュに適用されるバンプマップ206との組み合わせから構成される。ステップ104において、この距離は、ボクセルから−Z方向406を見ることによって求められ、それゆえ、そのZバッファーは−Zバッファーと呼ばれる。Zバッファー内の値の符号は、ボクセルがデジタル部品モデルの内部にあるか、又は外部にあるかを示し、負の値はボクセルがデジタル部品モデルの外部にあることを示し、正の値はボクセルがデジタル部品モデルの内部にあることを示す。最初に、スライスのための全ての−Zバッファー値が最大の負の値に設定され、それは、ボクセルのいずれからも−Z方向406において部品の部分が見えないことを示す。
その後、メッシュ202、テクスチャーマップ204及びバンプマップ206を用いて、GPU87によってレンダリング動作が実行され、3次元構築空間400内のデジタル部品モデルのメッシュ境界の記述が構成され、その記述がスライス上に投影される。詳細には、メッシュ202内の各表面が一度に1つずつレンダリングされ、レンダリングされた表面にテクスチャーマップ204及びバンプマップ206が適用され、その表面に関するメッシュ境界が生成され、3次元構築空間内のメッシュ境界の直上にあるボクセルを特定することによって、その表面に関して結果として生成されたメッシュ境界がスライス上に投影される。表面のメッシュ境界の直上にあるボクセルごとに、メッシュ境界とボクセルとの間の距離が、そのボクセルに関して−Zバッファー内に記憶される現在の距離と比較される。現在投影されている表面への距離が、−Zバッファー内に記憶される値より小さい大きさを有する場合には、現在の表面が、部品の任意の既にレンダリングされていた表面よりボクセルに近いと見なされ、−Zバッファーが、現在のメッシュ境界への距離で更新される。−Zバッファー内に記憶される距離値の符号は、ボクセルがデジタル部品モデルの内部にあるか、又は外部にあるかを示すように設定される。これは、現在の表面の外向きの法線と+Z方向408との間の角度に基づいて判断することができる。一実施形態によれば、現在の表面の素性及び特性もスライスに関する付加的なバッファーに記憶される。
現在のメッシュ境界とボクセルとの間の距離がボクセルのための−Zバッファー値の大きさより大きいとき、−Zバッファー値は変更されないままである。これは、現在の表面が、よりボクセルに近い部品の別の表面によってボクセルから覆い隠されるときに生じることになる。したがって、現在のスライスの下方にある部品の全ての表面がレンダリングされ、スライス上に投影された後に、−Zバッファーは、ボクセルと部品のメッシュ境界との間の−Z方向における最短距離を示す値を含み、更なるバッファーが、それらの最も近い表面の素性と、その外向きの法線の方向等のそれらの表面の付加的な特徴とを示す。これが、構築空間400内のスライスごとに繰り返される。
ステップ106において、+Z方向においてレンダリング動作が実行され、選択されたスライスに関する+Zバッファーがロードされる。このレンダリングは、視線が+Z方向408に変更されることを除いて、−Z方向において実行されたレンダリングと同じである。ステップ106の後、選択されたスライスは、ボクセルごとの+Zバッファー値と、ボクセルごとの−Zバッファー値とを有し、+Zバッファー値は+Z方向408におけるボクセルと部品との間の最短垂直距離を与え、−Zバッファー値は、−Z方向406におけるボクセルと部品との間の最短距離を与える。
ステップ104及び106は構築空間400内の1つの部品を参照しながら上記で説明されるが、他の実施形態では、構築空間400内に複数の部品のためのデジタルモデルが存在する。構築空間400内に複数のデジタル部品モデルが存在するとき、構築空間400内のスライスごとに、各部品に別々の−Zバッファー及び別々の+Zバッファーを作成することができる。
ステップ108において、+Zバッファー(複数の場合もある)から、選択されたスライスに関するシルエット境界が求められる。詳細には、ボクセルの対ごとに+Zバッファー値を調べて、或る負の値から、取り得る最も大きい大きさの負の値への移行を特定する。そのような移行は、ボクセルの上方に部品の一部がある場所と、そのボクセルに隣接するボクセルの上方にその部品の一部がない場所との間の境界を表す。図6において、そのような境界の一例を見ることができ、ボクセル420及び422はそのような境界に沿って配置される。ボクセル420はデジタル部品モデル402の下方に配置され、−4の+Zバッファー値を有する。ボクセル420に隣接するボクセル422は、デジタル部品モデルのいかなる部分の下方にもなく、+Zバッファー内の取り得る最も大きい負の値で初期化される。全ての対に関してこのように対ごとの比較を繰り返すことによって、シルエット境界424等のシルエット境界が生成され、このシルエット境界において、境界内のボクセルが部品の一部の真下にあると見なされ、シルエットの外部にあるボクセルは、デジタル部品モデルのいかなる部分の下方にもない。構築空間400内に複数の部品のためのデジタルモデルが存在するとき、ステップ104において選択されたスライスに関する+Zバッファーごとにステップ108が繰り返されることに留意されたい。
ステップ110において、スライス計算プロセス210が、メッシュ境界と現在のスライスとの交差を求める。図6において、メッシュ境界とスライス400との交差は、境界430として示されており、破線において示される。メッシュ境界とスライスとの交差は、+Zバッファー及び−Zバッファーを調べ、Zバッファー値が負の値から0の値に、又は負の値から正の値に変化する、隣接するピクセルを特定することによって見つけることができる。Zバッファー値のそのような変化は、デジタル部品モデルの外部に存在することから、デジタル部品モデル内に存在することへの移行を示す。ステップ110は、部品のZバッファーごとに実行される。
ステップ112において、現在のスライス内の単一のボクセルが選択される。ステップ114において、そのボクセルに関して、部品のメッシュ境界への距離フィールド値が求められる。この距離フィールド値は、ボクセルと、部品のメッシュ境界の任意の部分との間の最短の長さの3次元距離である。ステップ116において、現在のボクセルに関して、シルエット境界への距離が求められる。
一実施形態によれば、ステップ114及び116は、サンプリングアルゴリズムを用いてともに実行される。そのようなサンプリングアルゴリズムの一例が図7のフロー図に示されており、図8を参照しながら説明される。図8において、現在のボクセル600を含む、ボクセルの行列を有するスライス620の平面図が示される。スライス600と交差するメッシュ境界612が実線として示され、シルエット境界610が破線として示される。
図7のステップ500において、現在のボクセル、すなわち、図8のボクセル600を調べて、そのボクセルが現在のスライス内のメッシュ境界にあるか否かを判断する。例えば、図8において、メッシュ境界612がボクセル650と交差するので、ボクセル650がメッシュ境界612にあると見なされる。ステップ500において現在のボクセルがメッシュ境界にある場合には、ステップ502において、現在のボクセルに関する距離フィールド値が0に設定される。
図8の現在のボクセル600によって示されるように、ステップ500において現在のボクセルがメッシュ境界にない場合には、図7のステップ504が実行され、現在のボクセル600に関する距離フィールド値が、現在のボクセルに関する2つのZバッファー値のうちの小さい方に設定される。詳細には、+Zバッファー及び−Zバッファー内のZ距離値の大きさが比較され、小さい方の大きさが、現在のボクセルに関する距離フィールド値として設定される。さらに、距離フィールド値の符号は、ボクセルがデジタル部品モデルの内部にあるか、又は外部にあるかに基づいて設定される。ボクセルがデジタル部品モデルの内部にある場合には、距離フィールド値が正の値に設定され、ボクセルがデジタル部品モデルの外部にある場合には、距離フィールド値が負の値に設定される。
ステップ506において、現在のスライス内の現在のボクセルの周囲のボクセルのリングが特定される。例えば、図8において、点線の陰影付けによって示される第1のリング602が、現在のボクセル600を包囲する。ステップ508において、特定されたリング内のボクセルが選択される。ステップ510において、この選択されたリングボクセルがメッシュ境界にある場合には、選択されたリングボクセルと現在のボクセル600との間の距離がテスト距離として使用される。リングボクセルがメッシュ境界にない場合には、ステップ514において、リングボクセルに関する2つのZバッファー値の小さい方と、リングボクセルと現在のボクセルとの間の距離との組み合わせを用いてテスト距離が求められる。詳細には、リングボクセルに関する±Zバッファー内のZバッファー値が互いに比較され、2つのZバッファー値のうちの小さい方の大きさが、デジタル部品モデルへの距離の垂直成分として選択される。部品の距離の水平成分は、リングボクセルと現在のボクセル600との間の距離として計算される。距離の垂直成分及び距離の水平成分を二乗し、それらの二乗値を加算し、その和の平方根をとることによって、現在のボクセル600と、リングボクセルの上方又は下方の部品の部分との間の距離が与えられる。リングボクセルの上方又は下方に部品の部分がない場合には、Zバッファーはそれぞれ、大きい大きさ値を含むことに留意されたい。この手法は、2D平面距離及び3D距離の両方をもたらす。
ステップ512又は514のいずれかにおいて計算されるテスト距離値が、その後、ステップ516において、現在のボクセル600に関して現在記憶されている距離フィールド値と比較される。テスト距離が現在の距離フィールド値より小さい場合には、テスト距離が新たな現在の距離フィールド値として設定される。テスト距離の大きさが、現在の距離フィールド値の大きさ以上である場合には、現在の距離フィールド値は同じままである。
ステップ518において、その方法は、リングボクセルが、図8のシルエット境界610等のシルエット境界にあるか否かを判断する。リングボクセルがシルエット境界にある場合には、ステップ520において、現在のボクセル600に関するシルエット境界への最短距離が、現在のボクセル600に関するシルエット境界への既に記憶されていた距離と、リングボクセルと現在のボクセルとの間の距離との小さい方に設定される。したがって、リングボクセルがシルエット境界にあり、リングボクセルと現在のボクセルとの間の距離が、現在のボクセルとシルエット境界との間の既に特定されていた距離より短い場合には、現在のボクセル600とシルエット境界との間の最短距離が、リングボクセルと現在のボクセル600との間の距離を反映するように更新される。
リングボクセルがシルエット境界にない場合には、又はシルエット境界への距離が更新された後に、図7のプロセスは、現在の選択されたリング内に更なるリングボクセルが存在するか否かを判断する。更なるリングボクセルが存在する場合には、プロセスはステップ508に戻り、現在のリング内の次のボクセルが選択される。ステップ510〜522が、その後、繰り返される。現在のリング内の全てのボクセルがステップ522において処理されたとき、その方法は、ステップ524において、現在のリングの周囲に更なるボクセルが存在するか否かを判断する。ステップ524において現在のリングの周囲に更なるボクセルが存在する場合には、そのプロセスはステップ506に戻り、現在のボクセルのリングの周囲の次のリングが選択される。例えば、リング602が処理された後に、リング604が処理され、その後、リング606、その後、リング608が処理される。連続したリングを処理する際に、メッシュ境界は横切られない。その場合に、メッシュ境界に達すると、境界の他の側にあるボクセルは処理されない。例えば、メッシュ境界612がボクセル652を現在のボクセル600から切り離すので、ボクセル652はリング608の一部として処理されない。同じことが、デジタル部品モデル内で処理されるボクセルのリングの場合にも当てはまる。具体的には、現在のボクセルがデジタル部品モデル内に位置するとき、デジタル部品モデルの外部にあるボクセルは、そのボクセルに関する距離フィールドを求めるために使用されない。
ステップ524において現在のリングの周囲に更なるボクセルが存在しないとき、そのプロセスは終了し、現在のボクセルに関して記憶された距離フィールド値が最終的な距離フィールド値212として出力される(図2及び図4)。この距離フィールド値は、現在のボクセルとデジタル部品モデルの任意のメッシュ境界との間の最短距離を表す大きさと、現在のボクセルがデジタル部品モデル内にあるか、又はデジタル部品モデルの外部にあるかを示すことになる符号とを有する。さらに、現在のボクセルに関する距離フィールド値が更新されるとき、例えば、メッシュ境界上の最も近い点の位置、最も近い点が位置するボディー又はメッシュの識別子、表面テクスチャー座標、及び最も近い点における表面法線等の、距離フィールド値に関連付けられる1つ以上の特徴も記憶される。一実施形態によれば、部品の異なる特徴が、それらの特徴に関連付けられる材料選択規則の異なる組を有する。結果として、部品の異なる部分が、それに関連付けられる異なる材料選択規則を有することができる。同様に、シルエット境界216への最短距離は、最も近いシルエット境界点218の場所として出力される。
構築空間400内に複数の部品のためのデジタルモデルが存在するとき、デジタル部品モデルごとに図7のステップが繰り返され、デジタル部品モデルごとに、ボクセルに関する、距離フィールド値212、最も近いメッシュ境界点214、シルエットへの最短距離216、最も近いシルエット境界点218が生成される。単一のボクセルが、全てのデジタル部品モデルの外部に存在することができるか、単一のデジタル部品モデル内に位置するが、他のデジタル部品モデルの外部に位置することができるか、又は複数のデジタル部品モデル内に位置することができる。
図3に戻ると、ステップ114及び116においてそれぞれ選択されたボクセルに関する距離フィールド値及びシルエット境界への距離が求められた後に、ステップ118において、材料選択ユニット226によって、そのボクセルのための材料が決定される。図9は、材料選択を実行する際の初期ステップを示すフロー図を与える。
ステップ700において、距離フィールドを調べて、ボクセルが少なくとも1つのデジタル部品モデル内にあるか否かを判断する。この判断は、そのボクセルに関して記憶された少なくとも1つの非負の距離フィールド値が存在するか否かを判断することによって行うことができる。ボクセルが少なくとも1つのデジタル部品モデル内にある場合には、ステップ702において、そのボクセルに関する全ての負の距離フィールド値が無視される。したがって、ボクセルが少なくとも1つのデジタル部品モデル内に位置する場合には、部品(複数の場合もある)の内部にあるボクセルに関連付けられる材料選択規則220が材料選択を制御し、他の部品の外部にあるボクセルに関連付けられる材料選択規則220が無視される。構築空間内に1つのデジタル部品モデルのみが存在する場合には、ステップ702において無視すべき負の距離フィールドは存在しないことに留意されたい。
ステップ704において、材料選択ユニット226が、構築空間内に複数の部品のためのデジタルモデルが存在するか否かを判断する。構築空間内に1つのデジタル部品モデルしか存在しない場合には、ステップ706において、単一部品材料選択プロセスが実行される。1つのそのような単一部品材料特定プロセスの一例が後に更に論じられる。ステップ704において複数の部品のためのデジタルモデルが存在する場合には、ステップ708において多部品材料選択プロセスが実行される。そのような多部品材料選択プロセスの一例が後に論じられる。
ステップ700に戻ると、ボクセルが構築空間内のいずれのデジタル部品モデル内にもない場合には、ステップ710においてシルエット境界に対するボクセルの位置を調べて、ボクセルが部品のシルエット内にあるか否かを判断する。ボクセルが部品のシルエット内にあるか否かを判断することは、そのボクセルに関する+Zバッファー値(複数の場合もある)を調べることを含む。+Zバッファー値(複数の場合もある)のいずれかが負であり、最大の大きさより小さい大きさを有する場合には、そのボクセルは部品のシルエット内にある。ボクセルが部品のシルエット内にない場合には、そのプロセスはステップ704において継続し、上記で論じられたように、構築空間内に複数の部品が存在するか否かを判断する。
ステップ710においてボクセルが部品のシルエット内にある場合には、ステップ714において、ボクセルの位置を調べて、部品/支持構造の自立領域内にあるか、又は直接支持領域内にあるかを判断する。直接支持領域は、部品への支持を与える、デジタル部品モデルのシルエット内に位置する構築空間内の領域である。そのような直接支持領域は、部品が構築されるのに応じて部品を支持するだけの十分な支持材料を必要とする。自立領域は、部品の一部又は支持構造の一部の下方にあるシルエット内の領域であり、構築される間に支持を必要としない。
自立領域と直接支持領域との間の違いが図10に示されており、図10は、表面802、804、806、808及び810を有する部品800の側面図を示す。部品の外部に示される3つの領域、すなわち、支持領域824、直接支持領域820及び自立領域822がある。直接支持領域820及び自立領域822は、部品の下方800に位置し、一方、支持領域824は部品のいかなる部分の下方にも位置しない。
いくつかの実施形態によれば、水平方向に対して設定された或る最小角より大きい角度にある部品表面は、それらの表面の下方に支持体を用いることなく印刷することができる。例えば、表面808及び810は、水平方向に対して、その下方に支持材料を必要としないだけの十分に大きい角度にある。一方、表面806及び802は、表面808より水平に近く、それゆえ、その真下に直接支持を必要とする。いくつかの実施形態において、水平方向に対する部品表面の角度は、表面特徴209内に記憶される部品表面の外向きの法線から求められる。表面808に関する角度826等の、この法線と水平面との間の角度が角度閾値と比較され、その角度が角度閾値より小さいとき、その表面の下方にあるボクセルは、自立領域内にあると見なされる。
図10に示されるように、自立領域822と直接支持領域820との間の境界面830は、水平面に対して90度未満である角度828にある。いくつかの実施形態において、これは、部品を造形するために使用される直接支持材料の量を削減するために行われる。部品と同様に、直接支持領域の材料は、水平面に対する支持体表面の角度が或る最小角より大きいときに、その下方に支持体を用いることなく構築することができる。図10において、その最小角は角度828である。
したがって、直接支持を必要とする部品表面の下方にあるエリアにおいて、ボクセルのうちのいくつかが直接支持領域820内に存在し、いくつかが自立領域822内に存在することになる。ボクセルをどの領域に指定すべきかを判断するために、直接支持表面806と自立表面808との間の境界812が特定され、この境界を最小角828とともに用いて、現在のスライスにおける直接支持領域820と自立領域822との間の境界840を特定する。ステップ714において、ボクセルが自立領域822内にある場合には、ステップ716において、ボクセルが自立領域内にあるという指示が設定される。ステップ714において、ボクセルが直接支持領域820内にあると判断される場合には、ステップ712において、ボクセルが直接支持領域内にあるという指示が設定される。ステップ712又はステップ716後に、そのプロセスはステップ704に進み、構築空間内に複数の部品が存在するか否かを判断する。
直接支持領域820、自立領域822及び支持領域824はそれぞれ、互いに異なる材料及び/又は異なる変調関数を含むことができる。一般に、直接支持領域820は、支持領域824より大きい支持を与える材料及び変調関数を含むことになる。自立領域822は、直接支持領域820と同じ材料及び変調関数を含むことができるか、又は異なる材料又は変調関数を含むことができる。いくつかの実施形態において、支持領域824及び自立領域822内のボクセルは材料なしを指定される。
図11は、図9のステップ706を実行するための例示的なフロー図を与え、そのステップでは、構築空間内の単一の部品に対する材料特定が実行される。図11のステップ900において、ボクセルに対するデジタル部品モデルの最も近い部分に関する点特徴が、材料選択ユニット226によって、点特徴209から読み出される。これらの点特徴を用いて、その部品部分に近いボクセルに関する材料を決定するときに使用されるべき材料選択規則220の組を特定する。一実施形態によれば、材料選択規則の組は、距離フィールド値の範囲222の組ごとに別々の材料選択規則224を含む。いくつかの実施形態によれば、各材料選択規則は、距離フィールド値の全範囲にわたって同じ密度で同じ材料を指定する静的規則、及び距離フィールド値の範囲にわたってボクセルの組成を変更する変調規則のうちの一方である。
ステップ902において、材料選択ユニット226は、点特徴内で特定される材料選択規則の組を読み出し、ステップ904において、そのボクセルに関する距離フィールドと、もしあれば、領域指示(すなわち、直接支持領域、充填材領域)とを用いて、どの材料選択規則を使用すべきかを特定する。
一実施形態によれば、範囲222は、メッシュ境界に対する材料の帯状域を記述し、各帯状域は関連付けられる材料選択規則224を有する。範囲222内で、材料選択規則224は、その範囲内で使用すべき単一の材料を単に記述することができる。他の領域に関して、材料選択規則224は、出力値を生成するために数値を求められる1つ以上の関数からなる。出力値のグループが異なる材料指示に指定される。例えば、関数のいくつかの出力値は第1の材料に指定することができ、一方、他の出力値は第2の材料に指定される。或るときには、出力値の1つのグループが或る材料に指定され、残りの出力値が材料なしに指定され、それは、そのボクセル内に材料が配置されないことを意味する。例えば、一実施形態によれば、以下の帯状域及び関数が定義される。
a>D>bの場合
Figure 0006730440
b>D>0の場合、
Figure 0006730440
D=0の場合
Figure 0006730440
又は0>D>−c及び直接支持の場合、
Figure 0006730440
0>D>−c及び自立の場合、
Figure 0006730440
0>D>−c及び非光輝の場合、
Figure 0006730440
0>D>−c及び光輝の場合、
Figure 0006730440
−c>D>−d及び直接支持の場合、
Figure 0006730440
−c>D>−d及び自立の場合、
Figure 0006730440
−c>D>−d及びそれ以外の場合、
Figure 0006730440
ただし、Dは距離フィールド値であり、a、b、−c及び−dは距離フィールド値のための範囲値であり、
Figure 0006730440
は構築空間内のボクセルの3次元の場所であり、
Figure 0006730440
は変調関数であり、材料指示1〜29は、ボクセルのために使用されるべき取り得る材料及び材料なしである。別々の材料1〜29として列挙されるが、材料指示のうちの1つ以上が同じである場合があることは当業者には理解されよう。
変調関数は、構築空間内のボクセルの位置又はボクセルに関する距離フィールドD等の、ボクセルの1つ以上の特徴に関する周期又は非周期関数とすることができる。周期関数の場合、構築空間内の位置若しくは距離フィールド又はこれら2つの値の組み合わせを用いて、周期関数の周波数、周期関数の空間シフト、及び/又は周期関数の大きさを制御することができる。また、変調関数は、構築空間内のボクセルの位置に基づくか、又は距離フィールドに基づくノイズ関数とすることもできる。更なる実施形態において、変調関数は、周期関数と、手続き型ノイズ関数との組み合わせである。例えば、一実施形態において、周期関数は、構築空間内の位置及び距離フィールドの両方に基づき、周期関数の出力は、構築空間内のボクセルの位置に基づいてノイズ関数によって変調される。また更なる実施形態において、変調関数は、距離フィールド値と、構築空間内のボクセル位置の基本周期関数(base periodic function)との和である。
上記の例において、関数のための3つの値範囲が3つの関連付けられる材料指示とともに説明されてきた。変調関数が一定値を与えるとき、距離フィールドによって設定された範囲にわたって中実材料の帯状域を生成するただ1つの材料が特定されることになる。他の実施形態において、変調関数の出力のための他の値の範囲が使用され、変調関数のために設定された距離フィールド値の範囲内で任意の数の材料を使用できるようにする。更なる実施形態において、変調関数のための値範囲のうちの1つ以上を空き空間に関連付けることができ、結果としてボクセルに材料なしが指定される。例えば、変調関数の出力が0以上であるときに或る材料を指定し、変調関数の出力が0未満であるときにボクセルに空き空間を指定することができる。これにより、材料の多孔性帯状域を構成できるようになり、その材料の多孔性は、距離フィールド及び/又は構築空間内の位置の関数として変化する。
変調関数の周波数は、距離フィールドの連続関数として変化することができるか、又は変調関数に関連付けられる距離フィールドの範囲の最初又は最後にある距離フィールドの値に固定することができる。同様に、変調関数の振幅も同じく、距離フィールド値の関数として連続的に変化することができるか、又は変調関数に関連付けられる距離フィールド値の範囲の最初又は最後にある距離フィールドの値に設定することができる。
上記の材料選択規則の例示的な組において示されるように、材料選択規則の選択は、上記のステップ712及び716においてボクセルに関して指示されるように、ボクセルが直接支持領域内に位置するか、又は自立領域内に位置するかに基づくこともできる。さらに、ボクセルに最も近い部品の部分に関する光輝マップ208を調べて、部品のその部分が特定の光輝レベルを有するべきか否かを判断することができる。その後、距離フィールドとともに光輝レベルを用いて、材料選択規則を選択し、選択されたボクセルに隣接するボクセルに様々な材料を適用し、表面上に様々な光輝を生成することができる。
図11に戻ると、ステップ906において、選択された材料選択規則にボクセルの距離フィールド値及び/又はボクセルの構築空間位置を適用して、そのボクセルに関して或る材料又は材料なしを選択する。いくつかの実施形態において、上記で示されたように、材料選択規則224は、距離フィールド値又はボクセルの構築空間位置等のボクセルの特徴の関数であり、その関数に距離フィールド値及び/又はボクセルの構築空間位置を適用して、出力値を生成し、その後、出力値を用いて、そのボクセルのための材料又は材料欠如を選択する。
図9の初期処理に戻ると、構築空間内に2つ以上のデジタル部品モデルが存在する場合には、図9のステップ708において多部品材料選択が実行される。図12は、多部品材料選択を実行する1つの方法のフロー図を与える。
図12のステップ1000において、材料選択ユニット226が、点特徴209にアクセスし、複数の部品のデジタルモデルのための最も近いメッシュ境界点214に関する特徴を読み出す。その後、これらの特徴を用いて、メッシュ境界点に関して指示される材料選択規則が、他のデジタル部品モデルのメッシュ境界点に関する材料選択規則と混合されるべきであるか否かを判断するか、又は単一部品の材料選択規則のみが使用されるように、種々のデジタル部品モデルの材料選択規則間で選択が行われるべきであるか否かを判断する。
単一部品の材料選択規則のみが使用されるべきである場合には、そのプロセスはステップ1002において継続し、種々の部品の最も近いメッシュ境界点を用いて、部品のうちの1つが選択される。詳細には、最も近いメッシュ境界点の特徴209は、材料選択規則の組を選択するときに、どの部品が優先権を与えられるべきであるかを示すことになる。ステップ1002において優先権を有する部品が選択された後に、ステップ1004において、図11に関して上記で説明されたプロセスを用いて、単一部品材料選択が実行される。
いくつかの実施形態において、特徴209は、2つの部品に関するブール演算が実行されるべきであることを示すことができる。例えば、2つの部品に関する交わり演算(Intersection operation)が実行されるべきである場合には、特徴209は、両方の部品に関する距離フィールドが正であるときに、ボクセルに対して使用されるべき材料を示し、距離フィールドのうちの一方のみが正であるときに、ボクセルに材料なしが指定されるべきであることを示す。同様に、減算(Subtraction operation)が実行されるべきである場合には、両方の部品に関する距離フィールドが正である場合に、ボクセルに材料なしが指定される。和集合演算(Union operation)が実行されるべきであるとき、少なくとも一方の部品に関する距離フィールドが正である場合に、全てのボクセルに同じ材料が指定される。
図13は、図11の単一部品構成プロセスを用いて構成される部品の平面断面図の一例を与える。図13において、動物の骨を表す部品がメッシュ境界1100によって画定され、メッシュ境界は、それぞれの特徴をそれぞれ有する2つの領域1102及び1104に分割される。領域1102に関して、材料選択規則の3つの帯状域が部品の外部に画定され、材料選択規則の4つの帯状域が部品の内部に画定される。詳細には、メッシュ境界の外部に、2つの異なる材料の生成間で変調する変調関数によって構成される帯状域1106が存在し、結果として、構造を有する支持エリアが生成される。帯状域1108は、一定量の単一支持材料を与える非周期変調関数を含む。帯状域1110は、その帯状域内のボクセルに空隙を指定する非周期変調関数からなる。この実施形態において、2D距離フィールドで空隙が生成され、一方、3D距離フィールドで他の層が生成される。メッシュ境界内で、帯状域1112が、一定密度のコーティング材料を与える非周期変調関数によって表される。帯状域1114が、帯状域1112のコーティングと、皮質帯状域1116において見られる皮質材料との間で変調する変調関数によって記述される。皮質帯状域1116が、広い厚さ1118及び狭い厚さ1120によって示されるように、骨の長さ方向に沿って空間的に変動する厚さを有する。したがって、皮質帯状域1116のサイズは、何が最も近いメッシュ境界点であるかに基づいて異なる。皮質帯状域1116は、一定密度の皮質材料を与える非周期変調関数によって記述される。帯状域1122は、帯状域1116の皮質材料と骨髄材料との間で変調するノイズ変調関数によって記述される。ノイズ関数は、距離フィールドが増加するのに応じて、骨髄材料の量を増加させる。
領域1104は、領域1102の外部からの帯状域1106及び1108を含むが、領域1102からの内部帯状域1122のみを含む。
図12に戻ると、最も近い部品点に関する点特徴209が、ステップ1000において2つの異なる部品の材料選択規則が混合されるべきであることを示すとき、そのプロセスはステップ1006において継続する。ステップ1006において、構築空間内の部品のうちの少なくとも2つが選択される。選択される部品の数は、構築空間内の全ての部品に関して点特徴209に記憶される指示に基づく。そのような特徴は、混合中に部品の材料選択規則が使用されるために、メッシュ境界の或る特定の距離内にボクセルが存在するように要求する閾値距離フィールドを含むことができる。他の実施形態において、或る特定の点特徴209は、構築空間内に或る特定の数の他の部品が存在するときにのみ、部品の材料選択規則が混合されるべきであることを指示する。
ステップ1008において、ステップ1006において選択され、点特徴209において特定される部品に関連付けられる材料選択規則220が読み出される。ステップ1010において、ステップ1006において選択された各部品に対するボクセルのそれぞれの距離フィールドと、もしあれば、ボクセルの領域指示とを用いて、混合のためにどの材料選択規則が選択されるべきであるかを特定する。ステップ1012において、選択された材料選択規則の材料及び変調関数の一方又は両方が混合又は融合される。一実施形態によれば、変調関数を混合又は融合することは、距離フィールドを用いて変調関数を重み付けすることと、重み付けされた変調関数を加算又は乗算することとを含み、融合された関数を形成する。重み付けは、ボクセルが2つの部品内にある場合には、部品のうちの一方の部品に関する距離フィールド値が増加するのに応じて、その部品の変調関数のための重みが増加するように行われる。ボクセルが2つの部品の外部に位置する場合には、その逆が当てはまり、部品に関する距離フィールドの大きさが増加するのに応じて、その部品に対する変調関数のための重みが減少する。他の実施形態において、混合又は融合は、ランダム関数を使用し、ランダム関数の出力が閾値より高いか、又は低いかに基づいて、どの材料を適用すべきかを選択することによって実行される。特定の部品に関する距離フィールドが増加するのに応じて、ボクセルに関してその部品の材料が選択される可能性が高くなるように、閾値は、それらの部品のうちの1つに関する距離フィールドの関数として設定される。これは、2つの部品の重なり合う部分にわたって融合されるエリアをもたらし、融合されたエリアにわたってボクセルの材料含有量が徐々に変化する。
ステップ1012において材料/変調関数が混合された後に、ステップ1014において、混合された関数に、ボクセルに関する構築空間領域とともに、部品のうちの1つ以上に関する距離フィールドが適用され、計算値が生成され、その計算値は、その後、ステップ1016においてボクセルに関する材料を選択するために使用される。
図14は、ステップ1002において単一部品を選択することが部品間の干渉を除去する、複数部品材料選択の一例を与える。場合によっては、設計者が、部品が別個のものであることを意図したときに、それらの部品が重なり合うように、異なる部品に関するメッシュ202が記述される。そのような干渉は、除去するのに時間を消費する場合がある。ステップ1002において、ボクセルが、メッシュ202によって2つの異なる部品内にあるものと記述されるとき、部品のうちの1つのみを選択することによって、そのような干渉が自動的に除去される。
図14の例において、2つの部品1200及び1202が存在する。破線1204は、メッシュ202によって記述されるような部品1202に関するメッシュ境界を示し、実線1205は、部品1200に関するメッシュ境界を示す。図14に示されるように、メッシュ境界1204は部品1200内にあり、その場合に、メッシュ境界の記述は、部品1200と1202との間の干渉を示す。ステップ1002において単一の部品を、この場合、部品1200を選択することによって、メッシュ202において記述される干渉を除去し、部品1202に関する新たな部品境界1206(太線で示される)を与えることができる。したがって、部品1200及び1202が重なり合う干渉エリア1208において、ステップ1002における部品1200の選択は、部品1202に関する境界1204を境界1206に実効的にシフトし、それにより、2つの部品間の干渉を除去する。これは実際には、部品1200に基づいて、部品1202に関する減算を実行する。2つの干渉する部品に関する距離フィールドを比較することによって、一方の部品からの何らかの干渉と、残りの干渉とを除去することができる。また、所望のクリアランスを生成するために十分な材料を除去することもできる。
図15は、距離フィールドを用いて2つの格子関数を混合する一例を与える。図15において、セクション1300に示されるジャイロイド(gyroid)変調フィールドが、混合エリア1304にわたって、セクション1302に示されるようなシュワルツ格子(Schwartz lattice)と混合される。図15の混合において、ジャイロイドを画定するメッシュ境界からの距離フィールドが増加するのに応じて、ジャイロイド変調関数は小さく重み付けされ、シュワルツ格子が大きく重み付けされるように、2つの格子関数が重み付けされる。これは、ジャイロイド格子からシュワルツ格子への円滑な移行をもたらす。
図16は、2つの部品1400及び1402の重ね合わせられた部分にわたる部品材料の混合を示す。混合される領域1404において、部品1400から部品1402への空間に沿って、部品1400に関連付けられる材料の量が徐々に減少し、部品1402に関連付けられる材料の量が徐々に増加する。したがって、混合される領域において、部品1400に関する距離フィールドの大きさが減少するのに応じて、部品1400に関する部品材料の量が減少する。同様に、混合される領域において、混合される領域1404に沿って部品1402に関する距離フィールドが減少するのに応じて、部品1402に関連付けられる材料の量が減少する。
図3に戻ると、ステップ118においてボクセルのための材料が決定された後に、そのプロセスは、ステップ120において更なるボクセルが処理される必要があるか否かを判断する。現在のスライス内に更なるボクセルがある場合には、ステップ112に戻ることによって新たなボクセルが選択され、新たなボクセルに関してステップ114、116及び118が繰り返される。ステップ120において、現在のスライスに関する全てのボクセルが処理されると、そのスライスのための材料ビットマップが完成し、材料ビットマップ228として出力される。ステップ122において、そのプロセスは、更なるスライスがあるか否かを判断する。更なるスライスがある場合には、ステップ124において、スライス計算プロセス210が1スライスだけ上昇し、その後、ステップ104に戻り、新たなスライスに関して−Z方向においてレンダリング動作を実行する。その後、新たなスライスに関して、ステップ106、108、110、112、114、116、118及び120が繰り返される。スライス内のボクセルごとの材料の選択は、スライスごとに−Zバッファー及び+Zバッファーがロードされる前に実行されるように示されてきたが、他の実施形態では、レンダリング動作は、任意のスライス内のボクセルのための材料を決定する前に、スライスごとに−Z方向及び+Z方向において実行されることに留意されたい。スライスごとに−Zバッファー及び+Zバッファーがロードされた後に、材料選択ユニット226によって各スライスが次々に処理され、スライス内のボクセルごとの材料が特定される。
スライスごとに材料ビットマップ228が形成された後に、プリント変換ユニット230が、プリント変換ステップ126を実行し、このプリントデータをプリント命令237に変換する。このプリント変換ステップは、材料ビットマップ228をビットマップ232として転送するのと同程度に簡単にすることができる。他の実施形態では、材料ビットマップ228は、材料を堆積するためにプリントヘッドがスライスに沿っていかに動かされるべきであるかを記述するツールパス234に変換される。一実施形態において、マーチングスクエアアルゴリズムを用いて、ビットマップ228からツールパス234を特定する。更なる実施形態において、スライスごとの材料ビットマップ228は、部品境界の3次元記述を与えるメッシュ236に変換される。そのようなメッシュは、他のプリンターへの入力として、又はCADシステムへの入力として適用することができる。一実施形態において、マーチングキューブアルゴリズムを用いて、ビットマップ228からメッシュ236を特定する。材料ビットマップ228がプリント命令237に変換された後に、ステップ128において部品を造形できるように、プリント命令が通信アダプター92を通して通信又は出力される。プリント命令237は、ボクセルごとの材料指示を組み込むので、プリント命令237を通信又は出力することは、積層造形システムを用いて3次元部品を構築する際に使用するためのボクセルごとの材料指示を通信又は出力することを含む。代替的には、メッシュ236が形成されるとき、ステップ128においてメッシュをCADシステムに与えることができる。
要するに、上記の実施形態は、GPUにCADモデルをロードし、GPUを用いて、全てのボクセルに関する符号付き距離フィールドを計算し、符号付き距離フィールドに基づいて、各ボクセルに材料を指定し、印刷するのに適した画像を出力する。
上記で論じられたように、種々の実施形態は、CADモデルの最も近い点への3Dユークリッド距離、スライス内のモデルの断面上の最も近い点への2D距離、及びモデルのシルエットへの2D距離を含む、スライス内のボクセルごとにいくつかの異なる距離フィールドを計算する。
各距離フィールドは、ボクセルに関する特徴変換情報を含むことができ、その特徴は、距離フィールド内のそのボクセルに関して報告された距離を記録するために使用されるモデル上のソース点である。特徴変換は、ボディー又はメッシュの識別子、表面テクスチャー座標、表面法線及びソース点の位置を含むことができる。
一実施形態によれば、各ボクセルへの材料指定は、距離情報と、ユーザー制御パラメーターとの関数になる。
距離メトリックは、ユークリッドノルム、又はL若しくはチャンファーノルム(chamfer norm)等の異なるノルムとすることができる。
GPUにおける計算は、Zバッファーを用いて、平面投影内の距離の深さ成分を生成する。
GPUにおける計算は、距離変換を用いて、3D距離、2D断面距離、又は自立領域からの距離を計算する。
距離フィールドを用いて、潜在格子(implicit lattice)及びノイズ関数等のキャリア関数を変調し、弾性、強度、硬度、破断伸度、ポアソン比、密度、多孔性、色、透過性、噴散性(effusivity)、拡散性、光輝性、吸収性、光及び音波の速さ、コンプライアンス及び多孔性等の様々な材料特性を用いて、複数のスケールにおいて構造を生成することができる。
距離フィールドを用いて、オフセット処理及びブール演算を実行することができる。
距離フィールドを用いて、1つのCADモデルから別のCADモデルに円滑に補間することができる。
距離フィールドを用いて、干渉及び部品間の間隙を調整することができる。
距離フィールドを用いて、可変の厚さオフセットを生成することができる。
距離フィールドを表面テクスチャー及び体積テクスチャー(volumetric texture)と組み合わせて、層状及び波状テクスチャーを生成することができる。
距離フィールドを、CATスキャン及びMRIデータ等のボクセルデータと組み合わせて、体積測定的に様々な材料特性を用いるモデルを生成することができる。
それらの結果は、画像を使用するプリンターにおいて使用するためのビットマップ画像として保存することができる。
それらの結果は、ツールパスを使用する3Dプリンターのためのベクトル等高線にトレースすることができる。
それらの結果は、3D中実モデルに再構成することができる。
GPUにおける計算は、畳み込み、サンプリング又は線形時間手法を用いて、2D断面距離、シルエット距離、及び3D距離の平面成分を計算する。一実施形態によれば、これらの計算は、距離を効率よく再帰的に計算するために繰り返し実行される。
距離情報を用いて、格子を記述する関数等の陽関数及び陰関数を変調し、コンプライアンス及び多孔性等の様々なバルク材料特性を用いて構造を生成することができる。それらの関数は、形状、形状内の空所、テクスチャー、様々な材料特性、並びに梁状、ハチ巣状及び混合トポロジー格子を記述することができる。
以下に説明される実施形態において、CPU構成要素及びGPU構成要素が存在する。CUP構成要素は、
1.メッシュデータ、テクスチャー及びスライシングパラメーターデータを読み出す。
2.メッシュデータ及び関連情報をGPUに送信する。
3.スライスデータを表示し、スライスデータとインタラクトするユーザーインターフェースを与える。
4.GPU上に作成された画像をディスクに保存する。
GPU構成要素は、
1.Zバッファーを用いて、モデルについての深さ情報を生成する。
2.深さ情報から距離情報を計算する。
3.距離情報を用いて、各ボクセルの組成を計算する。
4.格子を計算する、ソリッドモデリング演算を実行する、色を較正する等のためのライブラリを含む。
一実施形態において、種々の実施形態は、CPUに関するJavascript、Node.js及びElectronと、GPUコードに関するOpenGL ESとを用いて実施される。他の実施形態は、C# on.NET又はMono及びOpenGL3.3を用いて実施される。
距離フィールドが表面情報と組み合わせられるときに、更なるアプリケーションが、
1.距離フィールドを計算しながら、距離情報とともにテクスチャー、法線及び他の幾何学的情報(まとめて、「表面情報」)を記録する。
2.表面情報及びビットマップを用いて、モデルに対して指定する色を選択する。
3.表面情報及びビットマップを用いて、場合によってはディザリングを使用して、いくつかの取り得る材料の中から材料を選択する。
4.表面情報及びビットマップを用いて、モデルをオフセットし、物理変位マップを作成する。
5.表面情報及びビットマップを用いて、印刷された結果の光沢を変更する。
6.表面情報及びビットマップを用いて、印刷された結果の表面仕上げを変更する。
7.表面情報及びビットマップを用いて、表面上のテクスチャーの値に最も近い材料の硬度を変更する。
8.表面情報及びビットマップを用いて、表面のテクスチャーの値に最も近い材料の透過性を変更する。
9.表面情報及びビットマップを用いて、表面上のテクスチャーの値に最も近い材料の、弾性、強度、硬度、破断伸度、ポアソン比、密度、多孔性、色、透過性、噴散性、拡散性、吸収性、光及び音波の速さ、コンプライアンス及び多孔性等の機械的特性を変更する。
10.表面情報及びビットマップを用いて、部品の表面上の支持材料の存在を変更する。
11.表面情報及びビットマップを用いて、部品の体積又はそれを包囲する支持構造において使用される陰関数を変調する。
12.表面情報及びいくつかのビットマップを用いて、ブール演算を介して結合することができるいくつかの変位マップを生成し、張出しを含む表面テクスチャーを作成する。
13.表面情報及びいくつかのビットマップを透明材料とともに用いて、レンズ(アニメーション又は3D)表面効果を生成する。
14.2〜13の任意の組み合わせを一緒に使用する。
15.3D体積テクスチャーを距離フィールド情報とともに用いて、場合によっては2〜13と組み合わせて、材料組成を変更する。
図1において、コンピューター66が、単一のスタンドアローンの積層造形システムのためのホストとして示された。代替的には、図17に示されるように、コンピューター66が、複数の積層造形システム68のためのローカルサーバーとして機能することができる。例えば、システム68は、消費者用又は産業用OEM製品を造形する生産システム全体の一部とすることができる。その場合に、コンピューター66は、図3のステップを実行することができ、ランタイム推定、プリンター待ち行列、後処理待ち行列等の1つ以上の更なる処理ステップも実行することもできる。図示されるように、コンピューター66は、任意選択で、1つ以上のサーバー72と、各システム68に関連付けられる1つ以上の専用ホストコンピューター74とを含むことができ、サーバー72は1つ以上の通信線76(例えば、ネットワーク線)を介してホストコンピューター74と通信できる。
更に別の実施形態では、図18に示されるように、コンピューター66及びシステム68はオンデマンドサービスセンターの一部とすることができる。この実施形態において、コンピューター66は、例えば、クラウドベースサーバーとして機能することができ、顧客は、自らのパーソナルコンピューター78から、インターネットを介して、1つ以上のネットワーク又は通信線80を経由して、コンピューター66(例えば、サーバー72)にデジタルモデル(例えば、メッシュデータファイル)を提示することができる。
この適用例において、コンピューター66は、図3のステップと、支持材料体積計算、価格見積、ランタイム推定、プリンター待ち行列、後処理待ち行列、発送推定等の1つ以上の更なる処理ステップとを実行することができる。例えば、いくつかの実施形態において、コンピューター66は、Nehmeらの米国特許第8,818,544号において論じられるように、支持材料体積計算、構築時間、及び価格見積を生成することができる。また、サービスセンターは1つ以上のポストプリンティングステーション(例えば、支持体除去ステーション、表面仕上げステーション、発送ステーション等、図示せず)を含むことができ、コンピューター66は、任意選択で、ポストプリンティングステーション(複数の場合もある)と通信することもできる。
本明細書において使用されるときに、「コンピューター」という用語は、1つ以上のパーソナルコンピューター、ラップトップコンピューター、ローカルサーバー、クラウドベースサーバー、モバイルメディアデバイス、コンピュータータブレットデバイス等の1つ以上のコンピューターシステムを指している。
種々の実施形態とともに使用することができる積層造形システム2010の典型的で、非限定的な例が図19に示される。システム2010等の積層造形システムの原理及び動作に関する詳細は、その内容が引用することにより本明細書の一部をなす、米国特許出願公開第20100191360号並びに米国特許第8,147,910号及び第9,227,365号において入手される。
積層造形システム2010は、ジェットプリンティング装置2014を用いて、ビットマップ及びコンピューター66からの命令に基づいて、3次元物体2012を造形する。システム2010に適した積層造形システムは、「PolyJet」の商標のもとでStratasys Ltd.社(イスラエル国レホヴォト所在)によって開発されたジェットシステムを含む。種々の例示的な実施形態によって考えられる他の積層造形装置の典型的な例は、限定はしないが、結合剤ジェットパウダーベース装置(binder jet-powder base apparatus)を含む。
ジェットプリンティング装置2014は、分注ヘッド2021a、2021b、2021c及び2021dと、放射源2026と、レベリングデバイス2032とを含み、それらは全て、可動フレーム又はブロック2028内に取り付けられる。各ヘッドは、それぞれの供給コンテナ2050から部品材料又は支持体材料2024を受け取り、好ましくは、部品材料及び支持体材料2024がそこを通して分注される1つ以上のノズルのアレイを備える。必須ではないが、好ましくは、部品材料及び支持体材料はインクジェット技術によって分注される。フレーム2028がトレイ2030の上方にわたって移動し、トレイは、物体2012がその上に構築される作業面としての役割を果たす。トレイ2030は、垂直に(Z方向に沿って)、通常は下方に移動するように構成されることが好ましい。
使用時に、コントローラー2052が、システム2010に物体2012を造形させるために、ビットマップ及びコンピューター66からの命令に基づいて、システム2010の種々の構成要素に制御命令を与える。詳細には、コントローラー2052からの命令によって、分注ヘッド2021が走査方向に移動し、トレイ2030の上方を通過する過程において、所定の構成において支持体材料及び/又は部品材料を選択的に分注する。ヘッド2021の通過後に、放射源2026によってモデリング材料(複数の場合もある)を硬化させる。ヘッド2021が逆方向に移動して、堆積されたばかりの層に対する出発点に戻り、所定の構成に従って、構築材料の更なる分注を実行することができる。ヘッド2021が前方及び/又は逆方向に移動する際に、このようにして形成された層をレベリングデバイス2032によって平坦化する(straighten)ことができ、レベリングデバイスは、前方及び/又は逆方向に移動する際にヘッド2021の経路に従うことが好ましい。ヘッド2021がX方向に沿って出発点に戻ると、ヘッドは、本明細書においてY方向と呼ばれる、インデックス方向に沿って別の位置に移動することができ、X方向に沿って往復運動することによって、同じ層を構築し続けることができる。
層が完成すると、次に印刷されることになる層の所望の厚さに従って、トレイ2030がZ方向において所定のZレベルまで下げられる。その手順は、3次元物体2012を形成するために層ごとに繰り返される。
図20は、システム2110を示しており、そのシステムは、電子写真法を用いて3D部品及び支持構造を印刷する例示的な積層造形システムであり、種々の実施形態を通して形成されるプリントデータに基づいて3D物体を印刷するために使用することができる。システム2110に適した構成要素及び機能動作の例が、引用することにより本明細書の一部をなす、米国特許出願第13/790,406号、第13/242,669号及び第13/242,841号において開示されるものを含む。
米国特許出願第13/790,406号、第13/242,669号及び第13/242,841号において論じられるように、EPエンジン2112が、電子写真法を用いて、熱可塑性物質ベースの粉末の連続した層2128を現像するように構成される。現像された層2128は、その後、EPエンジン2112からベルト2114に転写される。ベルト2114は、現像された層2128をEPエンジン2112から層転写融着(layer transfusion)アセンブリ2133に搬送し、層転写融着アセンブリは、現像された層2128を構築プラットフォーム2118上に、又は部品2122の既に転写融着された層上に転写融着する。層転写融着アセンブリ2133は、構築プラットフォーム2118から上流に位置するヒーター2132と、加熱式ニップローラー2120と、部品ヒーター2170及び2172と、ガントリ2134とを含む。構築プラットフォーム2118に達する前に、ヒーター2132が層2128を少なくとも材料の溶融温度まで加熱する。部品ヒーター2170及び2172が部品2122を加熱する。現像された層2128がニップローラー2120の周りを通過するのに応じて、構築プラットフォーム2118が経路2176に沿ってガントリ2134によって動かされる。構築プラットフォーム2118の動きは、コントローラー2124からのコマンドに基づいて、モーター2136によって操作される。ベルト2114の継続的な回転及び構築プラットフォーム2118の動きが、加熱された層2128を、3D部品2122の加熱された上面と位置合わせする。ガントリ2134は、ベルト2114の回転速度と同期する速度において、構築プラットフォーム部品2122を動かし続ける。これにより、加熱された層2128が、ニップローラー2120の場所において、3D部品2122の加熱された上面とベルト2114との間で押圧され、加熱された層2128が3D部品2122の上層に転写融着される。
層2128が部品2122上に解放された後に、ガントリ2134が、構築プラットフォーム2118及び3D部品2122を任意選択の後融着ヒーター2182まで動かし続ける。さらに、ガントリ2134は、部品2122をエアジェット2142まで動かし続け、エアジェットは、3D部品2122の上層に向かって冷却用空気を吹き付ける。これは、転写融着された層を能動的に冷却する。
ガントリ2134は、その後、構築プラットフォーム2118及び3D部品2122を下方に動かし、往復長方形パターン2176に従って出発点に戻す。
図21は、例示的なシステムにおいて使用するための、3D部品及び支持構造を印刷するように構成される例示的な押出しを利用した積層造形システム88の図である。システム88に適した積層造形システムは、「FDM」の商標の熱溶解積層システム等の、Stratasys,Inc.社(ミネソタ州エデンプレーリー所在)によって開発された押出しを利用したシステムを含む。システム88等の積層造形システムの原理及び動作に関する詳細は、その内容が引用することにより本明細書の一部をなす、米国特許第9022769号において入手される。
図21において、2つの消耗アセンブリ2212が存在し、消耗アセンブリ2212のうちの一方は部品材料フィラメントを含み、他方の消耗アセンブリ2212は支持材料フィラメントを含む。各消耗アセンブリ2212は、コンテナ部2214と、ガイドチューブ2216と、プリントヘッド2218とを含み、各プリントヘッド2218は押出機2220を含む。コンテナ部2214は、Mannellaらによる米国特許出願公開第2013/0161432号及び第2013/0161442号並びにBatchelderらによる米国特許出願公開第2014/0158802号において論じられるように、消耗フィラメントのスプール、コイル又は他の供給形態を保持することができる。
ガイドチューブ2216はコンテナ部2214及びプリントヘッド2218を相互接続し、プリントヘッド2218の(及び/又はシステム88の)ドライブ機構が、消耗フィラメントの連続したセグメントを、コンテナ部2214から、ガイドチューブ2216を通して、押出機2220まで引き込む。
図示されるように、システム88は、システムハウジング2226と、チャンバー2228と、プラテン2230と、プラテンガントリ2232と、ヘッドキャリッジ2234と、ヘッドガントリ2236とを含む。チャンバー2228は、3D部品2222及び支持構造2224を印刷するためのプラテン2230を含む密閉環境である。プラテンガントリ2232は、垂直のz軸に沿って(又は実質的に沿って)プラテン2230を動かすように構成されるガントリアセンブリである。ヘッドキャリッジ2234は、プリントヘッド2218を収容するように構成されるユニットであり、ヘッドガントリ2236によって支持される。ヘッドキャリッジ2234のために適したデバイス及びヘッドキャリッジ2234内にプリントヘッド2218を保持するための技法の例が、Swansonらによる米国特許第8,403,658号及び第8,647,102号において開示されるものを含む。ヘッドガントリ2236は、ヘッドキャリッジ2234及び保持されるプリントヘッド2218をチャンバー2228の上方で水平のx−y平面において動かすように構成されるベルトドライブガントリアセンブリである。ヘッドガントリ2236のために適したガントリアセンブリの例は、Combらによる米国特許出願公開第2013/0078073号において開示されるものを含み、ヘッドガントリ2236は、チャンバー2228のための天井を画定する変形可能バッフル(図示せず)を支持することもできる。
プリントヘッド2218のために適したデバイス、及びプリントヘッド2218、ヘッドキャリッジ2234、ヘッドガントリ2236間の接続の更なる例が、Crumpらによる米国特許第5,503,785号、Swansonらによる米国特許第6,004,124号、LaBossiereらによる米国特許第7,384,255号及び第7,604,470号、Batchelderらによる米国特許第7,896,209号及び第7,897,074号、並びにCombらによる米国特許第8,153,182号において開示されるものを含む。
また、システム88は、システム88の構成要素を動作させるように構成される1つ以上のコンピューターベースシステムであるコントローラーアセンブリ2238も含む。コントローラーアセンブリ2238は、通信線(複数の場合もある)2240を介して、プリントヘッド2218、チャンバー2228、ヘッドキャリッジ2234、プラテンガントリ2232及びヘッドガントリ2236用のモーター、並びに種々のセンサー、較正デバイス、ディスプレイデバイス及び/又はユーザー入力デバイス等の、システム88の種々の構成要素と通信することができる。
さらに、コントローラーアセンブリ2238は、通信線70を介して、コンピューター66等の外部デバイスと通信することもできる。
印刷動作中に、コントローラーアセンブリ2238は、プラテン2230をチャンバー2228内の所定の高さまで動かすように、プラテンガントリ2232に指示する。コントローラーアセンブリ2238は、その後、コンピューター66によって与えられるツールパスに沿って、ヘッドキャリッジ2234及びプリントヘッド2218をチャンバー2228の上方において水平なx−y平面内で動かすように、ヘッドガントリ2236に指示する。コントローラーアセンブリ2238は、その後、コンテナ部2214から、ガイドチューブ2216を通して、消耗フィラメントの連続したセグメントをそれぞれ選択的に引き込むように、プリントヘッド2218に命令する。各消耗フィラメントの連続したセグメントは、その後、それぞれのプリントヘッド2218の押出機2220内で溶融され、溶融した材料が生成される。押出機2220を出ると、結果として生成された押出物が、3D部品2222又は支持構造2224を層ごとに印刷するための一連のロードとしてプラテン2230上に堆積される。
本開示は好ましい実施形態を参照しながら説明されてきたが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び細部に関して変更を加えることができることが、当業者には認識されよう。

Claims (41)

  1. 3次元構築空間内のボクセルの集合ごとに、
    前記集合内のボクセルを選択することと、
    前記選択されたボクセルに関して、グラフィックス処理ユニットのzバッファー内の値を用いて、前記選択されたボクセルから前記デジタル部品モデルの境界上の複数の場所までの距離を求め、最短距離を用いて、前記3次元構築空間内の前記デジタル部品モデルに対する距離フィールド値を求めることと、
    前記距離フィールド値を用いて、少なくとも1つの材料選択規則を選択することと、
    前記少なくとも1つの材料選択規則に前記選択されたボクセルの特徴を適用し、前記選択されたボクセルに関する材料指示を特定することであって、前記材料指示は、前記材料選択規則が前記選択されたボクセルに関して材料なしを特定するときに、前記選択されたボクセルに材料が配置されるべきでないことを示し、前記材料指示は、前記少なくとも1つの材料選択規則が、前記選択されたボクセルに関して少なくとも1つの材料を特定するときに、前記選択されたボクセルに前記少なくとも1つの材料が配置されるべきであることを示す、適用することと、
    積層造形システムを用いて3D部品を印刷する際に使用するために、ボクセルの前記集合に関する前記材料指示を出力することと、
    を含む、方法。
  2. 前記少なくとも1つの材料選択規則に適用される前記選択されたボクセルの前記特徴は前記距離フィールド値を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つの材料選択規則は周期関数を含み、前記材料選択規則は、前記周期関数の出力値が第1の範囲内にあるときに、前記選択されたボクセルに関して材料なしを特定し、前記材料選択規則は、前記周期関数の前記出力値が第2の範囲内にあるときに、前記選択されたボクセルに関する1つの材料を特定する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記周期関数は前記距離フィールド値の関数である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記周期関数は、基本周期関数と加算される前記距離フィールド値を含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの材料選択規則に適用される前記選択されたボクセルの前記特徴は、前記3次元構築空間内の前記選択されたボクセルの位置を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つの材料選択規則は周期関数を含み、前記材料選択規則は、前記周期関数の出力値が第1の範囲内にあるときに、前記選択されたボクセルに関して材料なしを特定し、前記材料選択規則は、前記周期関数の前記出力値が第2の範囲内にあるときに、前記選択されたボクセルに関する1つの材料を特定する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記周期関数は前記3次元構築空間内の前記選択されたボクセルの前記位置の関数である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記距離フィールド値を用いて少なくとも1つの材料選択規則を選択することは、前記選択されたボクセルが前記部品の支持領域内にあるか否かの判断とともに、前記距離フィールド値を用いて、前記少なくとも1つの材料選択規則を選択することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記距離フィールド値を用いて少なくとも1つの材料選択規則を選択することは、前記選択されたボクセルへの前記デジタル部品モデル上の最も近い点の特徴とともに、前記距離フィールド値を用いて、前記少なくとも1つの材料選択規則を選択することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記3次元構築空間内の第2のデジタル部品モデルに対する第2の距離フィールド値を求めることと、前記第2の距離フィールド値及び前記距離フィールド値のうちの一方を選択し、前記少なくとも1つの材料選択規則を選択することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記第2の距離フィールド値及び前記距離フィールド値のうちの一方を選択することは、前記選択されたボクセルへの前記デジタル部品モデル及び前記第2のデジタル部品モデル上の最も近い点に関連付けられるそれぞれの特徴を用いて、どの距離フィールド値を選択すべきか判断することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2の距離フィールド値及び前記距離フィールド値のうちの一方を選択する結果として、前記選択されたボクセルが前記デジタル部品モデル及び前記第2のデジタル部品モデルの両方に位置するときに、前記3D部品と第2の3D部品との間の干渉を除去する材料選択がもたらされる、請求項11に記載の方法。
  14. 前記3次元構築空間内の第2のデジタル部品モデルに対する第2の距離フィールド値を求めることと、前記距離フィールド値及び前記第2の距離フィールド値の両方を用いて、それぞれの材料選択規則を選択することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1つの材料選択規則に前記選択されたボクセルの前記特徴を適用することは、前記距離フィールド値及び前記第2の距離フィールド値を用いて選択された前記それぞれの材料選択規則を組み合わせることによって形成される材料選択規則に前記選択されたボクセルの前記特徴を適用することを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記選択されたボクセルが前記デジタル部品モデルの外部にある場合には、前記距離フィールド値は第1の値範囲内にあり、前記選択されたボクセルが前記デジタル部品モデル内にある場合には、前記距離フィールド値は第2の値範囲内にあり、前記ボクセルが前記デジタル部品モデルの境界上にある場合には、前記距離フィールド値は特異値である、請求項1に記載の方法。
  17. 前記ボクセルは格子構造の一部を形成する、請求項1に記載の方法。
  18. 前記積層造形システムと、ボクセルの前記集合に関する前記出力された材料指示とを用いて、前記3D部品を印刷することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  19. ボクセルの前記集合に関する前記材料指示を出力することは、ボクセルの表面様集合に関するビットマップを出力することを含む、請求項1に記載の方法。
  20. 前記3D部品を印刷する際に使用するためのボクセルの前記集合に関する前記材料指示を出力することは、前記3D部品を印刷する際に使用するためのボクセルの前記集合に関する前記材料指示からプリント命令を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記プリント命令はツールパスを含む、請求項20に記載の方法。
  22. グラフィックス処理ユニットであって、
    部品のデジタルモデルを受信し、
    前記デジタルモデルに関するレンダリング動作を実行し、該レンダリング動作は第1のZ方向において前記デジタルモデルを順次にレンダリングし、複数のZ位置の位置ごとにzバッファー値の第1の組を作成することと、前記第1のZ方向と反対の第2のZ方向において前記デジタルモデルを順次にレンダリングし、前記複数のZ位置の位置ごとにzバッファー値の第2の組を作成することとを含み、
    前記zバッファー値を用いて、前記複数のZ位置の各位置においてボクセルごとに少なくとも1つの距離フィールド値を求め、
    前記ボクセルの少なくとも1つの距離フィールド値に基づいて、ボクセルごとの材料指示を設定する、
    グラフィックス処理ユニットと、
    前記部品を造形させるために前記ボクセルに関する前記材料指示を送信する通信インターフェースと、
    を備える、積層造形システム。
  23. 前記ボクセルのうちの1つに関する材料指示は、前記ボクセルに材料が配置されるべきでないことである、請求項22に記載の積層造形システム。
  24. 前記ボクセルの少なくとも1つの距離フィールド値に基づいてボクセルに関する材料指示を設定することは、前記少なくとも1つの距離フィールド値を用いて少なくとも1つの材料選択規則を特定することと、前記少なくとも1つの材料選択規則を実行して前記材料指示を設定することとを含む、請求項22に記載の積層造形システム。
  25. 前記少なくとも1つの材料選択規則を実行することは、前記少なくとも1つの材料選択規則に前記ボクセルの特徴を適用することを含む、請求項24に記載の積層造形システム。
  26. 前記少なくとも1つの材料選択規則は周期関数を含む、請求項25に記載の積層造形システム。
  27. 前記少なくとも1つの材料選択規則はノイズ関数を含む、請求項25に記載の積層造形システム。
  28. 前記グラフィックス処理ユニットは、複数の部品のデジタルモデルを受信し、前記デジタルモデルのそれぞれに関するレンダリングを実行し、デジタルモデルごとにzバッファー値の2つの組を形成する、請求項22に記載の積層造形システム。
  29. 前記ボクセルに関する前記送信された材料指示に基づいて、前記部品を造形するプリンターを更に備える、請求項25に記載の積層造形システム。
  30. 前記材料指示を送信することは、ボクセルの集合に関する材料指示のビットマップを送信することを含む、請求項25に記載の積層造形システム。
  31. 前記材料指示を送信することは、ツールパスを送信することを含む、請求項25に記載の積層造形システム。
  32. 3次元構築空間内のボクセルを選択することと、
    前記3次元構築空間内に位置決めされる第1の部品のデジタルモデルをレンダリングしてzバッファー値の2つの組を形成することによって、前記第1の部品の前記デジタルモデルの境界に対する前記ボクセルに関する第1の距離フィールド値を求めることと、
    前記3次元構築空間内に位置決めされる第2の部品のデジタルモデルの境界に対する前記ボクセルに関する第2の距離フィールド値を求めることと、
    少なくとも前記第1の距離フィールド値及び前記第2の距離フィールド値を用いて、前記第1の部品及び前記第2の部品を構築するときに利用される前記ボクセルに関する材料指示を設定することと、
    を含む、方法。
  33. 少なくとも前記第1の距離フィールド値及び前記第2の距離フィールド値を用いて材料指示を設定することは、前記第1の距離フィールド値を用いて第1の関数を特定することと、前記第2の距離フィールド値を用いて第2の関数を特定することと、前記第1の関数を前記第2の関数と融合し、融合された関数を形成することと、前記融合された関数を用いて前記材料指示を設定することとを含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記第1の関数は第1の格子パターンを記述し、前記第2の関数は第2の格子パターンを記述し、前記融合された関数は、融合エリアを介して前記第1の格子パターンから前記第2の格子パターンに移行する移行格子を記述する、請求項33に記載の方法。
  35. 前記第1の距離フィールド値及び前記第2の距離フィールド値を用いて材料指示を設定することは、前記第1の距離フィールド値を用いて、前記ボクセルが前記第1の部品の前記デジタルモデル内にあると判断することと、前記第2の距離フィールド値を用いて、前記ボクセルが前記第2の部品の前記デジタルモデル内にあると判断することと、前記ボクセルに関する前記材料指示を、前記第2の部品に関して設定された第2の材料の代わりに、前記第1の部品に関して設定された材料に設定することとを含む、請求項32に記載の方法。
  36. 前記ボクセルに関する前記材料指示を、前記第2の部品に関して設定された前記第2の材料の代わりに、前記第1の部品に関して設定された前記材料に設定することは、前記第1の部品と前記第2の部品との間の干渉を除去する、請求項35に記載の方法。
  37. 前記ボクセルに関する前記材料指示を、前記第2の部品に関して設定された前記第2の材料の代わりに、前記第1の部品に関して設定された前記材料に設定することは、前記ボクセルへの、前記第1の部品の前記デジタルモデルの最も近い部分を特定することと、前記最も近い部分に関連付けられる特徴を読み出すことと、前記特徴を用いて、前記ボクセルに関する前記材料指示を前記第1の部品に関して設定された前記材料に設定することに決めることとを含む、請求項35に記載の方法。
  38. 少なくとも前記第1の距離フィールド値及び前記第2の距離フィールド値を用いて前記ボクセルに関する材料指示を設定することは、前記第1の距離フィールド値及び前記第2の距離フィールド値を用いて、第1の部品の前記デジタルモデル及び前記第2の部品の前記デジタルモデルに関するブール演算を実行することを含む、請求項32に記載の方法。
  39. 前記ボクセルに関する前記材料指示を利用して、前記第1の部品及び前記第2の部品のうちの少なくとも一方を構築することを更に含む、請求項32に記載の方法。
  40. 前記材料指示をビットマップの一部として出力することを更に含む、請求項32に記載の方法。
  41. 前記材料指示をツールパスの一部として出力することを更に含む、請求項32に記載の方法。
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