JP6730220B2 - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

魚釣用スピニングリール Download PDF

Info

Publication number
JP6730220B2
JP6730220B2 JP2017067203A JP2017067203A JP6730220B2 JP 6730220 B2 JP6730220 B2 JP 6730220B2 JP 2017067203 A JP2017067203 A JP 2017067203A JP 2017067203 A JP2017067203 A JP 2017067203A JP 6730220 B2 JP6730220 B2 JP 6730220B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
magnetic
fishing
hole
reel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017067203A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018166452A (ja
Inventor
武恵 小原
武恵 小原
隆 東本
隆 東本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Globeride Inc
Original Assignee
Globeride Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Globeride Inc filed Critical Globeride Inc
Priority to JP2017067203A priority Critical patent/JP6730220B2/ja
Publication of JP2018166452A publication Critical patent/JP2018166452A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6730220B2 publication Critical patent/JP6730220B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、磁気シール機構を有する魚釣用スピニングリールに関する。
魚釣用スピニングリールは、海水、淡水、異物等に常時晒される過酷な環境下で使用されるため、内部の構成要素の防水を図るべく確実且つ十分なシール性能が確保されなければならず、内部の構成要素の防水を図る手段の一つとして、磁気シール機構を用いることが知られている。例えば、特許文献1及び2には、ロータのボス部の外周と蓋部材との間に磁性流体を保持した磁気シール機構が開示されており、この磁気シール機構によって、一方向クラッチの防水を図るようにしている。
特開2016−82918号 特開2016−189756号
ところで、磁気シール機構は、磁気回路が形成される所定の部位に磁性流体を注油する作業が必要となる。上記した公知技術では、ピニオンギアに対して回り止め固定されるロータのボス部の外周と蓋部材との間に磁性流体を充填することから、ロータをピニオンギアに組み付けた後に注油する必要があり、ロータの円周壁が障害となって目視し難い箇所であるため、作業性が悪く、十分に注油できたか否かを確認することが難しい。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、磁気シール機構によって防水等するに際し、磁性流体の注油作業が容易に行える魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用スピニングリールは、リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作で釣糸案内部を有するロータを回転駆動してスプールに釣糸を巻回するよう構成されており、前記リール本体に対して固定状態にある固定部と駆動部との間の隙間で磁気回路を形成し、前記磁気回路に保持される磁性流体を備えた磁気シール機構を有し、前記ロータには、前記隙間に保持される磁性流体を注油可能にする貫通孔が形成されていることを特徴とする。
上記した構成の魚釣用スピニングリールでは、ロータを組み込んだ後、ロータに形成された注油用の貫通孔に磁性流体を含んだ治具を差し込むことで、磁気シール機構の所定の隙間部分に容易に磁性流体を注入することが可能となる。また、そのような貫通孔を通じて、磁性流体の保持状態を目視することも可能となるので、注油状態を容易に確認することが可能となる。
なお、上記した構成において、ロータに形成される貫通孔は、1箇所であっても良いし、複数個所に形成されていても良い。また、貫通孔は、ロータを組み込んだ後、そのまま露出するものであっても良いし、ナット、ネジ、プレート等の閉塞部材によって閉塞される構成であっても良い。さらに、貫通孔には、注油用の治具を差し込んだ際、その先端の吐出部が所定の隙間(磁気回路によってシール用の磁性流体を保持する隙間)に位置付けできるように、段部やテーパ等の固定部を形成しておくことが好ましい。
本発明によれば、磁気シール機構によって防水等するに際し、磁性流体の注油作業が容易に行える魚釣用スピニングリールが得られる。
本発明の一実施形態に係る魚釣用スピニングリールの一部断面を示す側面図。 図1の魚釣用スピニングリールの要部拡大断面図。 図2の磁気シール機構部分を拡大した断面図。 図1のA−A線に沿った断面図。 図3に示す図において、磁性流体を充填した状態を示す図。 貫通孔の第1の変形例を示す図。 貫通孔の第2の変形例を示す図。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る魚釣用スピニングリールの実施形態について具体的に説明する。
図1から図5は、本発明に係る魚釣用スピニングリールの一実施形態を示す図である。
本実施形態に係る魚釣用スピニングリール(以下、リールと称する)のリール本体1には、釣竿に装着されるリール脚2が一体形成されており、その前方には、回転可能に支持されたロータ3と、ロータ3の回転運動と同期して前後動可能に支持されたスプール4とが配設されている。
前記ロータ3は、スプール4の周囲を回転する一対(図1には一方だけが図示されている)の腕部3aを備えており、各腕部3aの夫々の前端部には、ベール3bの基端部を取り付けたベール支持部材3cが釣糸巻取り位置と釣糸放出位置との間で回動自在に支持されている。なお、ベール3bの一方の基端部は、ベール支持部材3cに一体的に設けられた釣糸案内部(図示せず)に取り付けられている。
リール本体1内には、ハンドル軸5が回転可能に支持されており、その突出端部には、ハンドル6が取り付けられている。また、ハンドル軸5には、巻き取り駆動機構が係合しており、この巻き取り駆動機構は、ハンドル軸5に一体回転可能に装着された駆動ギア7と、この駆動ギア7に噛合するピニオン歯部8aを有する共にハンドル軸5と直交する方向に延出し且つ内部に軸方向に延在する空洞部が形成された回転駆動軸(駆動部)としてのピニオン8とを備えている。
前記ピニオン8は、ピニオン歯部8aの前側と後側とがそれぞれ、リール本体1の支持部(リール本体1の前部を形成する支持部)1aに嵌合支持された一対の軸受9a,9bにより、リール本体1内に回転可能に支持されている。また、ピニオン8はスプール4側に向けて延出しており、ピニオン8の先端部にはロータ3が回り止め嵌合されてロータナット10を介して一体回転可能に取り付けられている。なお、ピニオン歯部8aの前側の軸受9aは、一端がピニオン歯部8aの前端に突き当てられており、他端が後述する転がり式一方向クラッチ(以下、一方向クラッチと称する)20との間に介挿される抜け止め部材12によって軸方向で抜け止めされる。一方、ピニオン歯部8aの後側の軸受9bは、ピニオン歯部8aの後端とリール本体1の支持部1aとの間で挟持されることにより軸方向で固定される。
また、ピニオン歯部8aの前側に配置した軸受9aの前方側のピニオン8上には、一方向クラッチ20が取り付けられており、リール本体1の外部に設けられた切換操作レバー14を回動操作することで一方向クラッチ20を作動させ、ハンドル6(ロータ3)の釣糸繰出し方向の逆回転を防止する公知の逆転防止機構(ストッパ)を構成するようになっている。
前記ピニオン8の内部に形成された空洞部には、ハンドル軸5と直交する方向に延出し、先端側にスプール4を装着したスプール軸15が軸方向に移動可能に挿通されている。また、ピニオン8には、スプール4(スプール軸15)を前後往復動させるための公知のスプール往復動装置16が係合している。
このような構成を有するリールにおいて、ハンドル6により巻き取り操作を行うと、ロータ3が巻き取り駆動機構を介して回転駆動される共に、スプール4がスプール往復動装置16を介して前後往復動されるので、釣糸は、前記釣糸案内部を介してスプール4の巻回胴部4aに均等に巻回されるようになる。
図2及び図3に示されるように、一方向クラッチ20は、ピニオン8に対して回り止め嵌合された内輪21と、内輪21の外側に配された保持器23と、保持器23の外側に配された外輪25とを有している。前記内輪21は、外輪25に対してスプール側に突出しており、この突出部の径方向内側に凹所21aが形成され、その部分にロータ3の中央に形成された円筒状のボス部3Aが嵌入されるようになっている。この場合、内輪21に凹所21aを形成することなく、ボス部3Aの後端面を直接、内輪の前端面に当て付ける構成であっても良い。また、この内輪21は、後述するように、磁気回路を形成して、その外周面に磁性流体を保持する機能を備えるが、内輪21については、外輪25に対して突出させることなく、この部分に、別途、筒状の磁性体を配設してピニオン8又はロータ3のボス部3Aと一体回転するようにしても良い。
上記したように構成される一方向クラッチ20は、リール本体1とは別体を成してリール本体1の前部に取り付けられる後述する略筒状(略環状)の保持部材(保護カバー)30によってその外周が包囲されて保護されている。
前記外輪25の内周面には、公知のように、保持器23によって保持された複数の転動部材28がフリーに回転できるフリー回転領域と、複数の転動部材の回転を阻止する楔領域とが形成されており、各転動部材28は、保持器23に設けられたバネ部材(図示せず)によって楔領域に付勢されている。
このような構成の一方向クラッチ20において、ピニオン8と共に内輪21が正回転(ロータ3が釣糸巻取り方向に回転)すると、保持器23に保持される転動部材28が外輪25のフリー回転領域に位置され、そのため、内輪21の回転力が外輪25に伝達されず(外輪25によって阻止されず)、したがって、ピニオン8と共にロータ3が支障なく回転する。これに対して、ピニオン8と共に内輪21が逆回転(ロータ8が釣糸繰出し方向に回転)しようとすると、保持器23に保持される転動部材28が外輪25の楔領域に位置するため、内輪21の回転力が外輪25に伝達され、これがストッパとなって、ピニオン8及びロータ3の回転(逆回転)が阻止される。
また、このような一方向クラッチ20を伴う逆転防止機構の作動は、前記切換操作レバー14によって切り換え制御できるようになっている。具体的には、図2に示されるように、切換操作レバー14は、リール本体1内でスプール軸15と略平行に延びる切り換えカム18を有しており、この切り換えカム18の先端突部18aは保持器23の径方向に延びる延出部23aの係合孔23bに係合して連結されている。したがって、この構成では、切換操作レバー14を回動操作することにより、切り換えカム18を介して保持器23を回動させれば、保持器23に保持される転動部材28をバネ部材の付勢力に抗して外輪25のフリー回転領域に強制的に保持させる逆転可能位置(ロータ3を正転及び逆回転させることができる位置)と、転動部材をバネ部材の付勢力によって外輪25の楔領域に位置させるようにする逆転防止位置(ロータ3の正転を許容して逆回転を防止する位置)との間で選択的に切り換えることができる。
前記一方向クラッチ20を外周から保護する保持部材(保護カバー)30は、例えば樹脂から形成されてメッキ処理されており、リール本体1に対して着脱自在に取り付けられている。具体的には、保護カバー30は、径方向外側に位置する外側囲繞部(リール本体1の前部に装着された外側周壁)30aと、径方向内側に位置する内側囲繞部(リール本体1の前部に装着された内側周壁)30bと、これらの囲繞部30a,30b同士を接続する前端接続部30cとを有しており、前端接続部30cから挿脱可能に差し込まれる締結部材としてのボルト(ネジ)32を外側囲繞部30aと内側囲繞部30bとの間の空間内に導入して一方向クラッチ20の外周側で延びるリール本体1の延出部1bの端部のネジ穴1dに螺合することにより、リール本体1に対して所謂袋ネジ形態で着脱自在に取り付けられる。
この場合、ネジ穴1dに対するボルト32の螺合は、内側囲繞部30bの端面がリール本体1の延出部1bの端面に突き当たるまで行なう。これにより、リール本体1には、ハンドル6の操作で連動回転する駆動部としてのピニオン8(及び/又は、これと一体に回転する内輪21)を部分的に収容する収容凹部35が凹状に形成される。この収容凹部35は、一方向クラッチ20を内部に位置決め状態で収容保持するとともに、スプール4側に面する前方側に開口35aを有している。
そして、この開口35aには、水分や異物等が侵入して一方向クラッチに付着等する虞があるため、後述する磁気シール機構50が設けられる。
前記保持部材30は、前述したように、一方向クラッチ20を外周から保護する保護カバーとして機能するだけでなく、後述するように磁気シール機構50を一体的に保持して磁気シール機構50をリール本体1の支持部1aに一体的に取り付ける保持機能も果たすとともに、リール本体1の支持部1aにそれ自体が取り付くことにより軸受9aを介して駆動部としてのピニオン8を支持するリール本体の支持部1aの一部を構成する。また、保持部材30は、磁気シール機構50を固定する固定部としての機能も備えている。
なお、外側囲繞部30aの端面とリール本体1との間にはOリング等のシール部材40が介挿される。また、保持部材30の外側囲繞部30aの外周面には、保持部材30をリール本体1に対して着脱する際に指で持ち易くするために使用される凹凸条30eが軸方向に複数形成されている。
磁気シール機構50は、保持部材30により形成される収容凹部35の開口35aをシール状態で閉じて収容凹部35内をシールする機能を有する。以下、本実施形態の磁気シール機構について、図2及び図3を参照しながら具体的に説明する。
磁気シール機構50は、駆動部であるピニオン8(内輪21)と、保持部材30(リール本体1の支持部1aであり、リール本体に対して固定状態となる固定部を構成する)との間に位置して設けられる。具体的に、本実施形態の磁気シール機構50は、駆動部(内輪21)を所定の隙間Gを存して囲繞するように配される磁石51と、磁石51の外側に環状空間Sを隔てて同芯的に配されるリング状の磁性体52と、これらの磁石51及び磁性体52を両側から保持する磁性体としての一対の極板(磁気リング)53a,53bとにより構成される磁場発生部50A、ピニオン8に回り止め嵌合されて磁石51との間で磁気回路を形成する(したがって少なくとも極板53a,53bと対向する軸方向長さを有する)筒状の磁性体(本実施形態では、一方向クラッチ20を構成している内輪21が該当する)、及び、磁石51(極板53a,53b)と内輪21との間の前記隙間Gに保持される磁性流体によって、1つのユニットとして構成される。
すなわち、本実施形態では、磁気シール機構50を構成する筒状の磁性体が一方向クラッチの内輪21を兼ねており、この内輪21(ピニオン8と共に駆動部を構成する)と前記隙間Gを隔てて径方向で対向するように前記磁場発生部50Aが配置されている。なお、磁性流体は、ユニット化された磁気シール機構に対して、後述するように、注油用の貫通孔を介して隙間Gに充填される(図5において、磁性流体は符号55で示される)。
前記磁石51は、ピニオン8を挿通させるように、所定の厚さを具備してリング状に形成されており、極板53a,53bは、そのように形成された磁石51を両側から挟持して保持するように構成されている。また、本実施形態において、外側の極板53aは、内側の極板53bと同じ内径を有するが、内側の極板53bよりも大きい外径を有しており、前述したボルト32により保持部材30に組み付け固定されるようになっている。
具体的には、前述したように、極板53a,53bは、リング状の磁石51を挟持して保持し且つその内側で内輪21との間に周方向に沿って僅かな環状の隙間Gが生じるように形成されており、磁石51と共に保持部材30によって保持(固定)される。この場合、スプール側の大径の極板53aは、その一方側で対面接触するボルト32の頭部32aと、その他方側で対面接触する保持部材30の当接面30dとの間で挟圧保持される。なお、保持部材30と外側極板53aとの間には、磁場発生部50Aとリール本体1の支持部1aとの間をシールする弾性シール材60が介挿される。
また、磁性体としての内輪21は、鉄系の材料、例えば、鋼材、SUS430、SUS440C、SUS630等によって形成されており、これにより、磁石51によって、これを保持する極板53a,53b及び内輪21との間に磁気回路が形成されるようになっている。
また、隙間Gに充填される磁性流体(図5参照)55は、例えばFe34のような磁性微粒子を、界面活性剤によりベースオイルに分散させて構成されたものであり、粘性があって磁石を近づけると反応する特性を備えている。このため、磁性流体55は、磁石51、これを保持する極板53a,53b、及び、磁性体としての内輪21によって形成される磁気回路によって、前記隙間G内に安定して保持され、開口35aを確実に磁気シールする。
上記したように構成される磁気シール機構50は、一方向クラッチ20をリール本体1の延出部1bに組み込んだ後、前記開口35aを閉塞するように配設し、極板53aをボルト32で締め付けて保持部材30の前端接続部30cを介してリール本体1の延出部1bに螺合固定することでセットされる。本実施形態では、極板53aを固定するボルト32は、2箇所に設けられているが(図4参照)、ボルトの数については限定されることはなく、その固定方法も適宜変形することが可能である。
また、磁気シール機構50を所定の位置に組み込んだ後は、ロータ3が軸方向のスプール側から挿入され、ボス部3Aの外周が内輪21の凹所21aの内周に嵌合し、ボス部3Aの内周がピニオン8の外周に回り止めされることで、ロータ3は位置決めされる。本発明では、この状態で、磁気シール機構50の前記隙間G部分に磁性流体55を充填できるように構成されている。以下、磁性流体の充填を可能にするロータ3の構成、及び、充填方法について説明する。
前記ロータ3の円周壁3eには、磁気シール機構50の隙間Gに保持される磁性流体55を注油可能にする貫通孔70が形成されている。前記隙間Gは、リング状に形成されていることから、貫通孔70は、このリング状になっている部分のいずれかに、そのまま磁性流体が注入できるように、駆動部(内輪21)の軸方向に沿って直線状に形成されている。このため、図3に示すように、磁性流体55を含んだ注油用の治具(例えば、ピペットやスポイト等)90の先端部を貫通孔70内に矢印で示すように差し込んで、そのまま吐出することで磁性流体55は、隙間G内に入り込んでシール膜を形成することができる(図5参照)。なお、図3では、図中、左側から治具90を差し込んでいるが、実際の充填作業は、リール本体1を、図示しない作業台に下向き(スプール4を上向き)にセットし、上方から治具90を垂直下方向きに差し込んで磁性流体55を滴下することで行なわれる。
この場合、貫通孔70の端面から隙間Gまでの軸方向距離Lは、微小(具体的には2mm以下)に設定されており、滴下する磁性流体は、単に貫通孔70に治具90を差し込んで滴下することによって、その磁気回路によって隙間の全周に亘って磁性流体55を保持させることができる。また、隙間Gの径方向距離の範囲内に貫通孔70が位置合わせされていれば良く、貫通孔70の径方向位置は、隙間Gに磁性流体55を磁気シール機構50による磁気回路の磁力で保持できる範囲内に設定される。磁場の設定仕様にもよるが、例えば、隙間Gの径方向位置と同程度位置、つまり、貫通孔70から直視して隙間Gの一部が少しでも視認できる(ボス部3Aの外周に近接する)程度であれば十分である。この場合、図4に示すように、貫通孔70を軸方向に沿って直線状に形成しておくことで、隙間G部分を視認することが可能となる。
上記した貫通孔70が形成されることで、ロータ3を所定の位置に組み込んだ後、貫通孔70に磁性流体を含んだ治具90を差し込むことで、磁気シール機構50の所定の隙間G部分に容易に磁性流体55を充填することができるため、製造組立工程での作業効率の向上が図れる。また、アフター作業で磁性流体を注油する場合においても、ロータ3を取り外すことなく隙間Gに磁性流体を充填することができるため、作業効率も向上する。
さらに、図4に示すように、貫通孔70を介して隙間Gを視認できることから、目視による磁性流体の注入作業が容易に行えるようになる。この場合、ロータ3に形成される貫通孔70は、図4に示すように、注入が可能な小径の貫通孔70が1箇所であっても良いし、複数個所であっても良く、複数個所に形成するのであれば、ロータの回転バランスを考慮して、周方向に沿って等間隔(180°間隔、120°間隔…)に形成することが好ましい。このように貫通孔を複数個所形成しておけば、ある1箇所を利用して充填作業を行いながら別の部分の貫通孔を介して充填状況を目視することができるので、より適切な充填作業を行なうことが可能となる。
また、上記した貫通孔70は、ロータ3を組み込んだ後、そのまま露出するものであっても良いし、ナット、ネジ、プレート、ゴム栓等の閉塞部材によって閉塞される構成であっても良い。本実施形態では、ロータ3をロータナット10によって固定する際、図2に示すように、そのロータナット10によって貫通孔70が閉塞されるように構成されている。
このように、貫通孔70を閉塞することによって、水分や異物侵入による悪影響を軽減することが可能となる。なお、貫通孔70を閉塞する閉塞部材は、上記したナット10によるもの以外にも、例えば、ロータナット10の緩み止め用のプレートを兼用しても良いし、又は、閉塞専用の別のプレート75(図6参照)等によって構成しても良い。或いは、貫通孔70をネジ孔としておき、注入後、ネジを螺入することで閉塞するようにしても良い。
上記した貫通孔70については、ストレート状に形成する以外にも、適宜変形することが可能である。例えば、注油用の治具90を差し込んだ際、その先端の吐出部が隙間Gに対応する所定位置に位置付けできるように固定部を形成することが好ましい。
例えば、図6に示す貫通孔70Aには、注油用の治具を差し込んだ際、その先端側に設けた突部が突き当たって固定されるように段部(固定部)71が形成されており、作業者は、貫通孔70Aに治具を挿入し、それが停止した位置で注油を行なうことで、適切に磁性流体を隙間Gに充填させることができる。或いは、図7に示す貫通孔70Bには、次第に縮径し、差し込んだ治具が停止すると、その位置が適正な位置で固定されるようにテーパ(固定部)72が形成されている。このような構成では、治具を容易に差し込むことができるため、注入作業が行い易くなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。上述した実施形態の磁気シール機構50は、一例を示したに過ぎず、極板の構成やリール本体(固定部)に対する取り付け方法、磁気回路の形成方法など、適宜変形することが可能である。また、駆動部については、一方向クラッチの内輪、ピニオンギアに嵌合する筒状の磁性体、ピニオンギア、ロータのボス部等によって構成することが可能である。
また、磁気シール機構によるシール対象要素としては、回転駆動軸(ピニオン)の回転状態を制御する一方向クラッチ以外に、回転自在に支持する転がり軸受や回転駆動軸と一体回転するロータの回転状態を制動する制動装置等に適用可能である。
1 リール本体
1a 支持部
4 スプール
6 ハンドル
8 ピニオン(駆動部)
20 一方向クラッチ
21 内輪(駆動部)
30 保持部材(固定部)
50 磁気シール機構
70,70A,70B 貫通孔
71,72 固定部

Claims (4)

  1. リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作で釣糸案内部を有するロータを回転駆動してスプールに釣糸を巻回する魚釣用スピニングリールにおいて、
    前記リール本体に対して固定状態にある固定部と駆動部との間の隙間で磁気回路を形成し、前記磁気回路に保持される磁性流体を備えた磁気シール機構を有しており、
    前記ロータには、前記隙間に保持される磁性流体を注油可能にする貫通孔が形成されており、
    前記貫通孔は、前記駆動部に回り止め嵌合しロータナットで締め付け固定される前記ロータの中央に形成したボス部の外周に近接して形成されていることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  2. 前記ロータには、前記ロータの組み込み時に前記注油孔を閉塞する閉塞部材が取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  3. 前記閉塞部材は、前記ロータを固定するロータナットであることを特徴とする請求項2に記載の魚釣用スピニングリール。
  4. 前記注油孔の内面には、磁性流体注入用の治具を差し込んだ際、治具を位置決め固定する固定部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
JP2017067203A 2017-03-30 2017-03-30 魚釣用スピニングリール Active JP6730220B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017067203A JP6730220B2 (ja) 2017-03-30 2017-03-30 魚釣用スピニングリール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017067203A JP6730220B2 (ja) 2017-03-30 2017-03-30 魚釣用スピニングリール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018166452A JP2018166452A (ja) 2018-11-01
JP6730220B2 true JP6730220B2 (ja) 2020-07-29

Family

ID=64017505

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017067203A Active JP6730220B2 (ja) 2017-03-30 2017-03-30 魚釣用スピニングリール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6730220B2 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61151876A (ja) * 1984-12-26 1986-07-10 Hitachi Ltd 磁気デイスク装置のスピンドル
JP2651926B2 (ja) * 1988-06-13 1997-09-10 長野日本電産株式会社 ディスク駆動用モータの防塵用磁性流体注入構造
JPH02107838A (ja) * 1988-10-14 1990-04-19 Nippon Seiko Kk 従動ローラ用トルクリミッタ
US5474302A (en) * 1992-08-27 1995-12-12 Ferrofluidics Corporation On-site fillable ferrofluidic seal
JP3034756B2 (ja) * 1993-10-18 2000-04-17 ダイワ精工株式会社 魚釣用スピニングリール
JP3871899B2 (ja) * 2001-05-16 2007-01-24 株式会社シマノ スピニングリールのリール本体
JP3999721B2 (ja) * 2003-02-17 2007-10-31 ダイワ精工株式会社 魚釣用リ−ル
JP4030113B2 (ja) * 2003-07-31 2008-01-09 ダイワ精工株式会社 魚釣用両軸受型リール
JP5296657B2 (ja) * 2009-10-28 2013-09-25 株式会社シマノ スピニングリールの釣り糸案内機構
JP5995321B2 (ja) * 2013-02-28 2016-09-21 グローブライド株式会社 魚釣用スピニングリール

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018166452A (ja) 2018-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5913254B2 (ja) 魚釣用リール
JP5677211B2 (ja) 魚釣用リール
CN105994207B (zh) 钓具卷线器及钓具卷线器用磁性密封机构
JP6603062B2 (ja) 魚釣用リール
JP2011155944A (ja) 魚釣用リール
KR20130121741A (ko) 낚시용 릴
JP6730220B2 (ja) 魚釣用スピニングリール
JP2012016361A (ja) 魚釣用スピニングリール
JP2018186827A (ja) 一方向クラッチユニット、及び、一方向クラッチをユニット化する方法
JP2010259350A (ja) 魚釣用リール
JP5249067B2 (ja) 魚釣用リール
JP7133263B2 (ja) 磁性流体シール装置及び磁性流体シール付き軸受
JP2017212929A (ja) 魚釣用リール
JP6619296B2 (ja) 魚釣用リール
JP6612180B2 (ja) 魚釣用リール
US20230309528A1 (en) Fishing reel
JP6408358B2 (ja) 魚釣用リール
JP4820336B2 (ja) 魚釣用リール
JP2020150898A (ja) 魚釣用スピニングリール
JP2010090985A (ja) 軸受用シールド、軸受用シール、およびこれらを用いた転がり軸受
JP2005040085A (ja) 魚釣用両軸受型リール
JP2010104276A (ja) 魚釣用リール
JP2009106232A (ja) 魚釣用リール
JP2014190445A (ja) 変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200702

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6730220

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250