JP6730157B2 - 鍵盤蓋スライド機構 - Google Patents
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Description
また、収納部内には、鍵盤蓋をスライドさせて収納させるためのスライド機構が設けられている。つまり鍵盤楽器は、スライド機構を収納部内に設置して、スライド機構がむき出しになることを抑止することで、見た目上の美しさを保っているのである(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、鍵盤楽器の大型化を抑止するとともに、鍵盤楽器の見た目上の美しさを保つことが可能な鍵盤蓋のスライド機構を提供することを目的とする。
また、この鍵盤蓋スライド機構を用いると、鍵盤楽器の見た目上の美しさを保ちつつ、鍵盤蓋をスライドできるので、鍵盤楽器は、鍵盤蓋を収納する収納空間を有する収納部が不要となる。したがって、本発明の鍵盤蓋スライド機構を用いると、鍵盤楽器の大型化を抑止することができる。
この鍵盤蓋スライド機構によれば、少なくとも2つのピニオンによって鍵盤蓋が送られるので、鍵盤蓋を安定してスライドさせることができる。また、この鍵盤蓋スライド機構によれば、各ピニオンが1つの回転軸によって連結されているので、連動して回転する。そのため、この鍵盤蓋スライド機構を用いれば、回転軸に垂直な方向に安定して鍵盤蓋をスライドさせることができる。
尚、回転軸は、その軸方向と鍵の並び方向とが一致するように配置してもよい。
本発明の鍵盤蓋スライド機構は、鍵盤の並び方向の中央と、中央から並び方向に沿って左右方向に所定距離離して設置された少なくとも3つの案内具と、それぞれの案内具に対向する位置に形成された複数のラックとを備えてもよい。
この鍵盤蓋スライド機構によれば、3つの案内具によって鍵盤蓋が支えられるので、鍵盤蓋を安定してスライドさせることができる。
この鍵盤蓋スライド機構によれば、少なくとも2つのピニオンによって鍵盤蓋が送られるので、鍵盤蓋を安定してスライドさせることができる。また、この鍵盤蓋スライド機構によれば、各ピニオンが1つの回転軸によって連結されているので、連動して回転する。そのため、この鍵盤蓋スライド機構を用いれば、回転軸に垂直な方向に安定して鍵盤蓋をスライドさせることができる。さらに、この鍵盤蓋スライド機構によれば、3つの案内具によって鍵盤蓋が支えられるので、鍵盤蓋を安定してスライドさせることができる。
この案内具を用いれば、回転軸を回転可能に固定する構成を別に備える必要がなく、しかも爪部を引っ掛けながら案内溝を摺動させることができる。
本発明の鍵盤蓋スライド機構は、鍵盤蓋の裏面のうち、案内具に対向する位置に埋設され、案内溝を形成する第1取付部材を備えてもよい。
この第1取付部材を用いれば鍵盤蓋を直接加工することなく、鍵盤蓋に案内溝を設けることができる。
この第2取付部材を用いれば鍵盤蓋を直接加工することなく、鍵盤蓋に案内溝やラックを設けることができる。
本実施形態の鍵盤楽器1は、図1及び図2に示すように、直方体形状に形成された本体2と、平板形状に形成された鍵盤蓋3とを備えている。本体2には、88鍵からなる鍵盤20が設置され、鍵盤20の非演奏者側には、水平面に沿った平坦な上面を有する鍵盤屋根22(図2(a))を備えている。
まず、鍵盤蓋スライド機構4が設置される鍵盤屋根22について、図3を用いて説明する。
案内具5は、図4(a)に示すように、本体50と、爪部52とを有する。
案内具5は、凹部24の長手方向と上面53の長手方向とが垂直になるように、第1拡幅凹部25内に固定される。またこのとき、案内具5は、図3(c)に示すように、爪部52側の上面53を含む案内具5の一部と爪部52が鍵盤屋根22の上面上に突出するように固定される。案内具5はネジ孔54にネジを通して鍵盤屋根22に螺入させることで鍵盤屋根22に固定される。
鍵盤蓋3の裏面には、鍵盤屋根22に取り付けられた中央の案内具5に対向する位置に、後述する案内溝を形成する第1取付部材8が埋設されている。また、鍵盤蓋3の裏面には、鍵盤屋根22に取り付けられた左右の案内具5及び各ピニオン6に対向する位置に、後述する案内溝及びラックを形成する第2取付部材9が埋設されている。
第1取付部材8は、図6に示すように、断面コ字状に形成されたレール80を備えている。レール80には、一方のコの字の端部から他方のコの字の端部側に向かって突出した爪82が形成されている。レール80が形成するコの字の内側は、案内具5を案内する案内溝84となる。案内具5は、案内溝84に沿って案内されるとき、爪部52を爪82に引っ掛けた状態で案内される。また、第1取付部材8には、鍵盤蓋3に固定するためのネジ取付片89が6つ設けられている。
第2取付部材9は、図7に示すように、第1取付部材8よりも幅広な断面コ字状に形成されたレール90を備えている。レール90には、一方のコの字の端部から他方のコの字の端部側に向かって突出した爪92が形成されている。レール90の内側には、幅方向の爪92の側に案内溝94が形成され、その反対側にはラック96が形成されている。案内具5は、案内溝94に沿って案内されるとき、爪部52を爪82に引っ掛けた状態で案内される。ピニオン6は、案内具5によって鍵盤蓋3がスライドするとき、ラック96に歯合しながら回転して、ラック96上を移動する。また、第2取付部材9には、鍵盤蓋3に固定するためのネジ取付片99が6つ設けられている。
尚、案内溝94は、ラック96よりも深く構成されており、これによって案内溝94とラック96との境界部分には段差ができる。この段差によって、案内具5がラック96側に外れずに案内溝94内を摺動することとなる。
まず、各案内具5の各爪部52が、第1取付部材8の爪82及び第2取付部材9の爪92に引っ掛かるように、第1取付部材8及び第2取付部材9の長手方向の側面側から、各案内具5を第1取付部材8の案内溝84及び第2取付部材9の案内溝94に嵌め込む。すると、各第2取付部材9の各ラック96には、各第2取付部材9の各ピニオン6が歯合し、各ピニオン6は各ラック96上を回転しながら移動する。その後、第1取付部材8及び第2取付部材9の長手方向の両端を閉じる。
本実施形態の鍵盤楽器1は、鍵盤蓋スライド機構4を構成する案内具5やピニオン6が、鍵盤屋根22のうち、鍵盤蓋3を開けたときも閉じたときも鍵盤蓋3が重なっている重複部分23に設置されている。また、鍵盤蓋スライド機構4を構成する第1取付部材8も第2取付部材9も鍵盤蓋3の裏面に取り付けられている。つまり、本実施形態の鍵盤蓋スライド機構4をなす各構成はいずれも、外側からは視認しにくい場所に設けられている。そのため、本実施形態の鍵盤蓋スライド機構4は、鍵盤楽器1に設けても、鍵盤楽器1の見た目上の美しさを保つことができる。
また、この鍵盤蓋スライド機構4を用いると、鍵盤楽器1の見た目上の美しさを保ちつつ、鍵盤蓋3をスライドできるので、鍵盤楽器1は、鍵盤蓋3を収納する収納空間を有する収納部が不要となる。したがって、本実施形態の鍵盤蓋スライド機構4を用いると、鍵盤楽器1の大型化を抑止することができる。
また、本実施形態の鍵盤蓋スライド機構4によれば、2つのピニオン6によって鍵盤蓋3が送られるので、鍵盤蓋3を軽い力でスライドさせることができる。また、この鍵盤蓋スライド機構4によれば、各ピニオンが1つの回転軸棒7によって連結され、回転速度が常に同じになるので、安定して鍵盤蓋3をスライドさせることができる。
また、本実施形態の鍵盤蓋スライド機構4によれば、案内具5が回転軸棒7を回転可能に固定するので、回転軸棒7を回転可能に固定する構成を別に備える必要がない。故に、鍵盤蓋スライド機構4の簡素化を図ることができる。
[他の実施形態]
以上、実施形態について説明したが、特許請求の範囲に記載された発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(1)上記実施形態では、2つのピニオン6、3つの案内具5を用いたが、これらの数は、上記実施形態で示した数に限られるものではない。
(2)上記実施形態では、第1取付部材8や第2取付部材9用いることで鍵盤蓋3に案内溝84、94やラック96を配置したが、これら案内溝やラックは鍵盤蓋3を直接加工して形成してもよい。
6…ピニオン、7…回転軸、8…第1取付部材、9…第2取付部材、20…鍵盤、
22…鍵盤屋根、24…凹部、25…第1拡幅凹部、26…第2拡幅凹部、
50…本体、51…軸通面、52…爪部、53…上面、54…ネジ孔、55…軸通孔、
60…本体、61…歯、62…軸受孔、80…レール、82…爪、84…案内溝、
89…ネジ取付片、90…レール、92…爪、94…案内溝、96…ラック、
99…ネジ取付片。
Claims (7)
- 鍵盤楽器の鍵盤蓋を開閉するための鍵盤蓋スライド機構であって、
鍵盤を閉じる第1位置から、前記鍵盤を開ける位置であって前記鍵盤の非演奏者側に設置された鍵盤屋根の上面上の第2位置まで、前記鍵盤蓋を平行移動させる鍵盤蓋スライド機構であって、
前記鍵盤屋根のうち、前記鍵盤蓋が前記第1位置に位置するときに前記鍵盤蓋と重なる重複部分に設けられた凹部に回転可能に固定されたピニオンと、
前記重複部分に固定され、前記鍵盤蓋が前記鍵盤屋根に対して上方に外れることを抑止する爪部を有する案内具と、
前記鍵盤蓋の裏面のうち、前記ピニオンに対向する位置に形成されたラックであって、回転する前記ピニオンと噛合しながら前記鍵盤蓋を前記第1位置から前記第2位置まで送るラックと、
前記鍵盤蓋の裏面のうち、前記案内具に対向する位置に形成された案内溝であって、前記案内具の上部を摺動可能に嵌挿させ、かつ、前記爪部を引っ掛けた状態で前記案内具を摺動させて、前記鍵盤蓋を前記第1位置から前記第2位置まで案内する案内溝と、
を備える鍵盤蓋スライド機構。 - 鍵盤の並び方向に沿った左右方向に所定距離離して設置された少なくとも2つの前記ピニオンと、
前記凹部に配置され、それぞれの前記ピニオンの回転軸となる1つの回転軸と、
それぞれの前記ピニオンに対向する位置に設置された複数の前記ラックと
を備える請求項1に記載の鍵盤蓋スライド機構。 - 鍵盤の並び方向の中央と、前記中央から前記並び方向に沿って左右方向に所定距離離して設置された少なくとも3つの前記案内具と、
それぞれの前記案内具に対向する位置に形成された複数の前記ラックと
を備える請求項1又は請求項2に記載の鍵盤蓋スライド機構。 - 鍵盤の並び方向の中央と、前記中央から前記並び方向に沿って左右方向に所定距離離して設置された少なくとも3つの前記案内具と、
それぞれの前記案内具に対向する位置に形成された複数の前記ラックと、
左右の前記案内具に隣接して設置された2つの前記ピニオンと、
前記凹部に配置され、それぞれの前記ピニオンの回転軸となる1つの回転軸と、
それぞれの前記ピニオンに対向する位置に設置された複数の前記ラックと
を備える請求項1に記載の鍵盤蓋スライド機構。 - 前記案内具は、前記凹部内に取り付けられ、前記爪部を含む上部部分が前記鍵盤屋根上に位置する大きさに形成され、前記回転軸を回転可能に固定する
請求項2〜4のいずれか1項に記載の鍵盤蓋スライド機構 - 前記鍵盤蓋の裏面のうち、前記案内具に対向する位置に埋設され、前記案内溝を形成する第1取付部材
を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の鍵盤蓋スライド機構。 - 前記鍵盤蓋の裏面のうち、前記案内具と前記案内具に隣接して設置された前記ピニオンとに対向する位置に埋設され、前記案内溝と前記ラックとを形成する第2取付部材
を備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の鍵盤蓋スライド機構。
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