JP6730023B2 - 再帰反射性塗料、塗膜及び基材 - Google Patents

再帰反射性塗料、塗膜及び基材 Download PDF

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Description

本発明は、再帰反射性塗料、塗膜及び基材に関する。
従来から暗闇での視認性向上のため、外部から入射した光を入射方向と同じ方向に反射させる再帰反射性を利用して、例えば、自動車のヘッドライトを効率良く運転者のほうに反射させて注意を喚起することが行われている。そして、このような再帰反射性を付与するものとして、自反射ビーズを含有する塗料、ガラスビーズ及び反射材を透明樹脂に組み合わせた塗料等が提案されている(例えば、特許文献1〜3等)。
特開2011−206655号公報 特開2013−85995号公報 特開2010−254884号公報
しかし、塗料においてガラスビーズ等の比重が2以上であるような比較的大きく、また粒径が10μm以上であるような比較的大きい固形状の物質が存在すると、塗料中でビーズが沈降し、均質な塗料が得られない。従って、このような塗料を用いた塗工は、煩雑となり、つまり、作業性が悪く、塗工性を低下させる。また、ビーズが沈降しないよう手段を講じた塗料においても、このような大粒径の固形状の物質が存在する塗料による塗膜では、均一な塗膜を得ることができず、再帰反射時にムラが生じることが多い。
従って、塗工性が良好であるとともに、塗工を簡便に行うことができ、かつ、塗膜において再起反射時にムラを生じさせない塗料が求められている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、塗工性が良好であり、再帰反射時にムラを生じさせない塗料、塗膜及び基材を提供することを目的とする。
本願の発明者らは、再帰反射性ガラスビーズを含有する塗料について、作業性及び作業効率等を含む塗工性を考慮して、塗膜の再帰反射性と粘度及びチキソトロピー性との関係について鋭意研究を行った。つまり、塗料の粘度が低ければ、塗料中でガラスビーズは沈降しやすくなり、その塗料は均質性を保つことができなくなる。同時にチキソトロピー性が低ければ、ガラスビーズは沈降しやくすなり、チキソトロピー性が高ければ、ガラスビーズは沈降しにくくなる。塗料中でのガラスビーズの沈降は、塗料の均質性を低減させることとなり、塗工の作業性及び作業効率を著しく低下させるのみならず、塗工ムラを招き、その結果、再帰反射性が低減する。一方、粘度が高く、チキソトロピー性が高ければ、ガラスビーズは沈降しにくくなるが、やはり塗工性が低減することがあり、特に作業効率の低下を招き、同時に塗膜の均一性が低下し、再帰反射性が低減する。従って、塗工性、粘度及びチキソトロピー性のバランスを図ることが、塗工性の向上と、塗膜の再帰反射性を満足させる要件として重要である。これらの知見に加え、さらに、粘度とチキソトロピー性とについて、特定の関係を満たす塗料について、塗膜の均一性に優れ、反射輝度を向上させることを見出し、本発明の完成に至った。
本願は以下の発明を提供する。
少なくとも一部表面が反射膜で被覆された再帰反射性ガラスビーズ、水性合成樹脂及び水を含む再帰反射性塗料であって、
前記再帰反射性ガラスビーズは、比重が2以上、平均粒径が10μm以上であり、
前記再帰反射塗料の粘度V20及び粘性パラメーターTIが以下の関係式(1)〜(3)を同時に満たすことを特徴とする再帰反射性塗料。
20≧ 500 mPa・s (1)
TI≦ 0.74 (2)
TI≧ 0.2・log10(V20)−0.45 (3)
〔式(1)〜(3)中、
20は、BH形回転粘度計で、ローター回転数が20回転/分の条件で測定した粘度(単位:mPa・s)、
TIは、TI=log10(V20/V)で定義される粘性パラメーター、
は、BH形回転粘度計で、ローター回転数が2回転/分の条件で測定した粘度(単位:mPa・s)を表す。〕
この再帰反射性塗料は、以下の1以上を備えることが好ましい。
前記水性合成樹脂がシリコンアクリル樹脂である。
前記再帰反射性ガラスビーズのビーズ粒径が25〜100μmである。
前記再帰反射性ガラスビーズと前記水性合成樹脂との重量比率が1:0.1〜1.0(不揮発分比率)である。
ローラー塗工用の再帰反射性塗料である。
上述した再帰反射性塗料により形成された塗膜及びこの塗膜を備える基材。
本発明の再帰反射性塗料は、安定性に優れ、塗工性が良好である。従って、この再帰反射性塗料を用いた塗膜においては、再帰反射時の反射ムラの発生を効果的に回避することができる。
反射塗料の粘性と反射輝度との関係を示すグラフである。
〔再帰反射性塗料〕
本発明における再帰反射性塗料(以下「塗料」と記載することがある)は、ガラスビーズ、水性合成樹脂及び水を含む。そして、この塗料は、粘度及び粘性パラメーターにおいて、後述する特定の関係式(1)〜(3)を同時に満たす。
このような塗料は、特に安全性などを配慮して視認性が求められる用途に好適に用いることができる。例えば、道路路肩の縁石、中央分離帯、道路標識等、ガードレール、ガードパイプ、フェンス等の防護柵、ボルト、ナット、キャップ、ブラケット、支柱、ベースプレート、ワイヤーケーブル、ビーム、パイプ、スクリーンパネル等の防護柵の構成部材、自動車の外装(バンパー及びドア)、列車の外装、航空機の胴体及び翼、ヘリのプロペラ、風車の羽、船の外装等、種々の用途が挙げられる。このような塗料は、夜間などの暗闇においても、例えば、車両ヘッドランプ等の光源により、縁石、中央分離帯、ガードレール、車両、各種部材等の位置の視認性を容易にすることができる。
(ガラスビーズ)
ガラスビーズは、少なくとも一部表面が反射膜で被覆された再帰反射性を有する。
ここで、再帰反射性とは、一般に認識されている特性であり、光学上特殊な反射機構で、入射した光が再び入射方向へ帰る反射現象であり、入射角と反射角とが等しくなる鏡などの反射とは異なり、受けた光をそのまま光源にはね返す性質を意味する。
ガラスビーズに再帰反射性を付与するために、ガラスビーズの少なくとも一部表面が反射膜で被覆されている。
ガラスビーズ自体は、当該分野で使用されているもののいずれをも使用することができる。ガラス成分としては、二酸化珪素、酸化バリウム、二酸化チタン、チタン酸バリウム等を含むものが挙げられる。ガラスビーズの平均粒径は、10μm以上であり、例えば、10〜200μm程度とすることができ、25〜100μm程度が好ましく、40〜50μm程度がより好ましい。このような範囲とすることにより、塗料における分散状態を維持することができるとともに、所望の再帰反射性能を発揮させることができる。平均粒径はふるい法よって測定することができる。
ガラスビーズは、例えば、比重が2以上であるものが好ましく、3以上であるものがより好ましく、4以上であるものがさらに好ましい。
ガラスビーズの表面を被覆する反射膜は、受けた光の50%以上を反射し得る材料による膜を意味し、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上を反射し得る材料による膜を意味する。例えば、アルミニウム、銀、ニッケル、スズ、亜鉛などの金属、これらの合金又は酸化物等による膜が挙げられる。なかでも、安価であり、変質しにくいことから、アルミニウムが好ましい。
反射膜での被覆の程度は、ガラスビーズへの光の入射及び反射の双方のバランスを図るという観点から、例えば、30〜70%程度が好ましく、40〜60%程度がより好ましい。
少なくとも一部表面が反射膜で被覆されたガラスビーズは、公知の方法、例えば、特開2011−206655号公報に記載の方法等によって製造することができ、また、市販品を利用することもできる。
(水性合成樹脂)
水性合成樹脂は、水性分散樹脂であることが好ましい。水性合成樹脂としては、アクリルシリコン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン、スチレン系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリエステル−アルキド樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、ウレタンシリコン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、アクリルシリコン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン、スチレン系共重合体等が好ましい。また、水溶性樹脂であってもよいし、これらが共存してもよい。
本願の塗料においては、油脂及び有機溶剤を、塗料の媒質として含有してもよい。
(塗料)
塗料における各成分の混合比率(質量比)は、例えば、ガラスビーズ:水性合成樹脂が不揮発分比率にして、1:0.1〜1.0が好ましく、1:0.2〜0.5がさらに好ましい。また、ガラスビーズと系中に含まれる水の比率については、ガラスビーズ:水が1:0.1〜5.0が好ましく、1:0.2〜1.0がさらに好ましい。
ガラスビーズの比率が大きすぎる場合又は粒径が小さすぎる場合、塗料のチキソトロピー性が高くなり、塗膜の均一性が低下し、再帰反射輝度が低下する。また、ガラスビーズの比率が高すぎると、塗膜から離脱しやすくなる。
このような組成の塗料は、粘度(V20)及び粘性パラメーター(TI)が以下の関係式(1)〜(3)を同時に満たす。
20≧ 500 mPa・s (1)
TI≦ 0.74 (2)
TI≧ 0.2・log10(V20)−0.45 (3)
式(1)〜(3)において、V20は、BH形回転粘度計で、ローター回転数が20回転/分の条件で測定した粘度(単位:mPa・s)であり、塗料の液温は25℃とすることが好ましい。
TIは、TI=log10(V20/V)で定義される粘性パラメーターである。
は、BH形回転粘度計で、ローター回転数が2回転/分の条件で測定した粘度(単位:mPa・s)であり、塗料の液温は25℃とすることが好ましい。
例えば、チキソトロピー性が高くても、粘度が低い場合、塗装時にローラーが滑るようになり、ガラスビーズはへらで擦られたように塗工面の隅に寄り集まり、塗膜が均一に仕上がらなくなる。
このような観点から、これら(1)〜(3)の全てを満たすことにより、塗工性が良好となり、均一な塗膜を得ることができ、再帰反射性能のムラをなくし、再帰反射性能をより一層向上させることができる。
別の観点から、粘度Vは、1000mPa・s以上であることが好ましい。
塗料における粘度、つまり、V20及びVは、水性合成樹脂の種類及び量、水分量、後述する粘度調整剤等の種類及び量、ガラスビーズの量、大きさを適宜調整することにより、調整することができる。
TIは、例えば、後述する粘度調整剤等の種類及び量を適宜調整することにより、調整することができる。
塗料は、種々の機能を付与等するために、当該分野で公知の添加剤を含有していてもよい。例えば、架橋剤、粘性調整剤/増粘剤、撥水剤、撥油剤、顔料、未被覆ガラスビーズ、分散剤等を、沈降、凝集、固化等、塗料の安定性に影響を与えない範囲で含有することができる。
架橋剤は、塗膜の強度向上、耐熱性、耐候性向上のために添加することができる。例えば、イソシアネート系、カルボジイミド系、オキサゾリン系、シランカップリング剤系等の架橋剤が挙げられる。
粘性調整剤/増粘剤は、粘性の調整のために添加することができる。例えば、ベンナイト系、超微粉シリカ系、ケイ酸塩系のような無機系粘性調整剤・増粘剤、ポリアマイドワックス系、ウレタン変性ポリエーテル系、ポリアクリル酸系、アクリル酸共重合物系、アクリル酸エステル共重合物系、繊維素誘導体系、ポリエチレンオキサイド系、増粘多糖類系、ポリビニルアルコール系のような有機系粘性調整剤・増粘剤等が挙げられる。なかでも、アルギン酸系、ポリアクリル酸系、繊維素誘導体系のものが好ましい。
撥水剤は、撥水性付与のために添加してもよい。例えば、フッ素系撥水剤、シリコン系撥水剤、パラフィン系撥水剤等が挙げられる。
撥油剤は、撥油性付与のために添加してもよい。例えば、フッ素系撥油剤等が挙げられる。
顔料は、塗料を着色するために添加してもよい。例えば、有機顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の無機顔料、鉱物等の体質顔料、金属粉等が挙げられる。
未被覆ガラスビーズは、再帰反射以外の反射性能を与えるために添加してもよい。未被覆ガラスビーズは、上述した反射膜で被覆されたガラスビーズと同様の大きさ及び形状等のものが挙げられる。
分散剤は、再帰反射性ガラスビーズ、その他分散性の添加物の分散安定性を向上させるために添加することができる。例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性界面活性剤等が挙げられる。
塗料は、ガラスビーズと、水性合成樹脂と、水とを同時に添加して混合してもよいし、ガラスビーズと、水中に分散された水性合成樹脂とを添加し、さらに水を添加して混合してもよい。これらの混合は、通常の塗料の混合のために使用されるペイントシェーカー等を利用して行うことができる。
(塗膜及び基材)
塗膜は、上述した再帰反射性塗料を被塗工物に塗工することにより形成されたものである。
ここでの塗膜の塗工方法は、例えば、エアスプレー法、エアー霧化静電塗装法、エアレス静電塗装法、刷毛及びローラー等による直接塗工法、スクリーン印刷法、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、浸漬コーティング等の公知の方法が挙げられる。なかでも、刷毛及びローラー等による直接塗工法が好ましく、ローラーによる直接塗工法がより好ましい。ガラスビーズを含有し、このガラスビーズを均質に分散させる粘度及びTIに調整していることから、霧化を行う場合にはその工程に不具合(ノズルの詰まりなど)を生じさせることが考えられるからである。また、屋外での塗工では、強風及び雨等の影響を受けにくい工法であることが好ましいからである。さらに、広範囲に塗工することが予想される場合には、簡便な塗工方法の選択が適しているからである。
例えば、ローラーによる直接塗工法を利用する場合、ローラーにて塗料を基材に塗工し、塗膜を静置し、乾燥させる。この工程は、複数回行ってもよいが、1回のみ行うことが好ましい。塗膜の均一性を確保し、良好な反射輝度を得るためである。
塗膜の厚みは、用途、塗料成分の種類、被塗工物の種類等によって適宜調整することができ、例えば、数十μm以上が挙げられ、100μm程度以上が好ましい。また、塗工量は、100〜500g/m程度が挙げられる。塗膜の厚みが薄すぎると、塗工状態がまばらになり反射輝度が低下することがあり、厚すぎると均一に伸びず、やはり射輝度が低下することがある。
塗膜の形態は、板状、フィルム状、シート状、テープ状等が挙げられる。
塗工後の乾燥又は繰り返し塗工間の乾燥時間は数時間以上が好ましく、4時間以上がより好ましい。乾燥は、自然乾燥、風乾等の非熱乾燥であってもよいし、熱風吹きつけ、赤外線又は遠赤外線ヒーターを用いた乾燥等の熱乾燥により行うことができる。なかでも、自然乾燥、風乾等の非熱乾燥である。乾燥温度は、例えば、5℃〜40℃程度が挙げられる。適度な乾燥の進行によって、塗膜の均一性を確保するためである。
屋外で塗工する場合は、雨天時は避けることが好ましい。乾燥が極端に遅れ、造膜不良を招く可能性があるからである。
塗料を塗工する被塗工物、つまり基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、スレート、木材、金属、セラミックス、プラスチック、繊維基材及びこれらの複合物等、種々のものが挙げられる。
以下に、本発明の再帰反射性塗料等を、実施例によって具体的に説明する。
実施例1
市販の水系シリコンアクリルエマルジョン(不揮発分45%、粘度 580mPa・s、pH8.8、平均粒子径0.1μm、メタクリル酸メチル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エステル共重合物のシリコン変性樹脂のエマルジョン、ガラス転移温度:26℃、数平均分子量Mn;51,700、重量平均分子量Mw;129,300)、質量比1に対し、増粘剤として日本合成化学工業株式会社製モビニールLDM7010を質量比0.008、水を質量比0.08を加え、直径3cmの3枚プロペラ攪拌翼を用い、200rpmで15分攪拌、混合し、不揮発分41.5%の水系シリコンアクリル樹脂分散液Aを得た。(尚、不揮発分はJIS K6828、粘度はトキメック製 BL形粘度計、pHは東亜電波工業製pHメーター HM−30G、平均粒子径は堀場製作所製 LA−950V2を用いて測定した。)
表1に示すように、再帰反射性ガラスビーズ質量比1に対し、この水系シリコンアクリル樹脂分散液A質量比0.5(不揮発分に換算:0.21)を加えて、直径3cmの3枚プロペラ攪拌翼を用い、200rpmにて15分攪拌、混合して、再帰反射性塗料を調製した。
得られた塗料を25℃で3時間ウォーターバスにて静置した。
静置後の塗料について、25℃にて、トキメック製BH形回転粘度計によって粘度を測定した。
その結果、表2に示したように、粘度V(ローター回転数:2回転/分)として58,800mPa・s、粘度V20(20回転/分での粘度)として15,240mPa・sの結果が得られた。
また、これらの値から、以下の式によって、TI値を算出し、V20とTI値との関係を図1に示した。
TI=log10(V20/V
これらの結果から、この実施例によって得られた塗料が、関係式(1)〜(3)を同時に満たすか否かを評価した。表2においては、これら(1)〜(3)の全てを満たすものをマル、1以上みたさないものをバツで表した。
20≧ 500 mPa・s (1)
TI≦ 0.74 (2)
TI≧ 0.2・log10(V20)−0.45 (3)
〔式(1)〜(3)中、
20は、BH形回転粘度計で、ローター回転数が20回転/分の条件で測定した粘度(単位:mPa・s)、
TIは、TI=log10(V20/V)で定義される粘性パラメーター、
は、BH形回転粘度計で、ローター回転数が2回転/分の条件で測定した粘度(単位:mPa・s)を表す。〕
得られた塗料を、水平及び垂直に置いたスレート基材上に、ローラーにて塗工した。塗工量は400g/mとした。その後、室温にて24時間静置し、乾燥させて、再帰反射性塗料による塗膜を得た。水平に置いた基材上のみならず、垂直に置いた基材上への塗工においても、液だれ等、周辺の汚染が生じず、良好な作業性を発揮した。また、塗料は均質性を保持しており、ローラーによる塗工に困難性は認められなかった。
得られた塗膜に対して、LEDライト(アリイズ社製ウルトラエコLEDライトS−8000)を、反射目標位置である目線から照射し、目視にて塗膜の反射輝度の評価を行った。その結果、表2に示すように、塗膜全体で均一な再帰反射性が確認された。
実施例2〜7
表1に示す成分の各々を、再帰反射性ガラスビーズ、樹脂分散液A、水、増粘剤の順に添加し、その後、15分間攪拌して、塗料を調製した。
表1において、合計水量は、水(追添量)と樹脂分散液中に含まれる水の量の合計を示す。
増粘剤種において、SN615はSNシックナー615(サンノプコ株式会社製)、
SN623NはSNシックナー623N(サンノプコ株式会社製)
B−300KはアロンB−300K(東亜合成株式会社製)を示す。
表2に、塗料粘性及び反射輝度均一性の結果を示す。
評価欄は、塗料粘性が式(1)、(2)、(3)をすべて満たす場合〇、それ以外は×として記載した。
本発明の塗料、塗膜及び基材は、良好な塗工性が求められ、かつ再帰反射時のムラの回避が必要なもの、特に、道路路肩の縁石、中央分離帯、道路標識等、ガードレール、ガードパイプ、フェンス等の防護柵、ボルト、ナット、キャップ、ブラケット、支柱、ベースプレート、ワイヤーケーブル、ビーム、パイプ、スクリーンパネル等の防護柵の構成部材、自動車の外装(バンパー及びドア)、列車の外装、航空機の胴体及び翼、ヘリのプロペラ、風車の羽、船の外装等に利用することができる。

Claims (7)

  1. 少なくとも一部表面が反射膜で被覆された再帰反射性ガラスビーズ、水性合成樹脂及び水を含む再帰反射性塗料であって、
    前記再帰反射性ガラスビーズは、比重が2以上、平均粒径が10μm以上であり、
    前記再帰反射塗料の粘度V20及び粘性パラメーターTIが以下の関係式(1)〜(3)を同時に満たすことを特徴とする再帰反射性塗料。
    20≧ 500 mPa・s (1)
    TI≦ 0.74 (2)
    TI≧ 0.2・log10(V20)−0.45 (3)
    〔式(1)〜(3)中、
    20は、BH形回転粘度計で、ローター回転数が20回転/分の条件で測定した粘度(単位:mPa・s)、
    TIは、TI=log10(V20/V)で定義される粘性パラメーター、
    は、BH形回転粘度計で、ローター回転数が2回転/分の条件で測定した粘度(単位:mPa・s)を表す。〕
  2. 前記水性合成樹脂がシリコンアクリル樹脂である請求項1に記載の再帰反射性塗料。
  3. 前記再帰反射性ガラスビーズの平均粒径が25〜100μmである請求項1又は2に記載の再帰反射性塗料。
  4. 前記再帰反射性ガラスビーズと前記水性合成樹脂との重量比が1:0.1〜1.0(不揮発分比率)である請求項1〜3のいずれか1つに記載の再帰反射性塗料。
  5. ローラー塗工用の再帰反射性塗料である請求項1〜4のいずれか1つに記載の再帰反射性塗料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の再帰反射性塗料により形成された塗膜。
  7. 請求項6に記載の塗膜を備える基材。
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