JP6729751B2 - コイル装置 - Google Patents

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本発明は、たとえば車載用チョークコイルなどの用途に好適に用いることができるコイル装置に関する。
面実装型チョークコイルとして、たとえば下記の特許文献1に示すコイル装置が知られている。この特許文献1に示すように、ポットコアの内部に、平角導体をエッジワイズ巻に巻回してあるコイル装置は知られている。
しかしながら、このような従来のコイル装置では、直流重畳特性と高いインダクタンスとを同時に確保することが困難であった。また従来のコイル装置では、平角導体を一層でエッジワイズ巻に巻回してある。このため、コイル部を構成する平角導体の一方のリード部がポットコアの底部に位置し、そこからリード部を引き出す必要がある。そのために、リード部の引出用に余分なスペースを必要としており、小型で高いインダクタンスのコイル装置を実現することが困難であった。
特開平11−307357号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、直流重畳特性と高いインダクタンスとを同時に確保することができ、しかも小型化が容易なコイル装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るコイル装置は、
中芯部と、
当該中芯部の周囲を所定間隔で取り囲む側壁部を持つポットコアと、
前記中芯部と側壁部との間に配置されるコイル部と、
前記コイル部の上部と前記中芯部の上部とを覆う蓋コアとを有するコイル装置であって、
前記コイル部が、扁平な断面を持つワイヤを二層以上にエッジワイズ巻きされて構成され、
前記ワイヤの両端部である一対のリード部が前記側壁部の上端から外部に引き出されている。
本発明に係るコイル装置では、コイル部が、扁平な断面を持つワイヤを二層以上に、偶数層でエッジワイズ巻きされて構成されている。そのため、ワイヤの両端部である一対のリード部が、双方共に、コイル部の上端に位置し、ポットコアの内部に余分なスペースを必要とすることなく、ポットコアの側壁部の上端から外部に容易に引き出すことができる。したがって、コイル装置のインダクタンスを高めることができると共に、コイル装置の小型化および低背化に寄与する。
さらに、ポットコアの内部にリード部引出のための余分なスペースを必要とすることが無いことから、コイル部の外周とポットコアの側壁部との間の距離が一定に保たれると共に、蓋コアとポットコアの側壁部との隙間も一定のギャップに調整しやすい。このため、コアを構成する部品同士のギャップの制御が容易であり、磁気飽和が改善され、直流重畳特性が向上する。
好ましくは、記中芯部の外周には、前記コイル部が取り付けられた状態で、前記中芯部の底部が、前記ポットコアの底板部に固定してある。すなわち、コイル部は、ポットコアの内部に、空芯コイルとして取り付けられるのではなく、中芯部に巻き付けられた状態で、ポットコアの内部に配置されるため、中芯部とコイル部との距離が短くなり、直流重畳特性を向上させることができる。
前記中芯部の底部が、接着剤により前記ポットコアの底板部に固定してあっても良い。あるいは、中芯部の底部が、磁性体含有樹脂により前記ポットコアの底板部に固定してあってもよい。このように構成することで、中芯部とポットコアとのギャップを調整し、特性の調節が容易となり、設計の自由度が向上する。また、磁性体含有樹脂を用いて中芯部の底部をポットコアの底板部に接着することで、インダクタンスを向上させることも容易である。
前記中芯部の磁気特性と前記ポットコアの磁気特性とを異ならせても良い。たとえば中芯部の透磁率μよりもポットコアの透磁率μが高く、ポットコアの飽和磁束密度Bsよりも中芯部の飽和磁束密度Bsが高くなるように、磁性材料の組合せを選択することで、直流重畳特性を向上させることができる。
たとえばポットコアを金属焼結体から成る磁性体で構成し、中芯部を、鉄系金属粉体と樹脂との圧粉成形体から成る磁性体で構成することが好ましい。また、蓋コアは、ポットコアと同様な磁性体で構成することが好ましい。
前記中芯部の底部が、前記ポットコアの底板部に一体化されて形成してあってもよい。その場合には、中芯部の回りには、空芯コイルが配置される。
好ましくは、前記ワイヤの一対の前記リード部が、前記コイル部の上端近くで前記側壁部の外側にそれぞれ引き出され、前記側壁部の上端には、前記リード部を外側に引き出すためのリード溝がそれぞれ形成してある。リード溝を形成することで、蓋コアの外周と、ポットコアの側壁部との間に、周方向に沿って均一なギャップを形成することが容易になり、直流重畳特性が向上する。
好ましくは、前記ワイヤの一対の前記リード部が、20度〜60度の所定角度で、前記側壁部の外側にそれぞれ引き出されており、前記側壁部の外面に取り付けられている一対の端子に接続してある。このように構成することで、扁平断面のワイヤを、中芯部の回りで二層にエッジ巻きしやすいと共に、一対の端子間の絶縁も確保しやすい。
好ましくは、前記端子は、
前記側壁部の外周面に取り付けられる端子本体と、
前記端子本体の下端部に形成され、前記側壁部の下端面に係止する下係止片と、
前記端子本体の上端部に形成され、前記側壁部の上端面に係止する上係止片と、
前記リード溝の外側に配置される設置片と、
前記設置片と前記端子本体とを一体的に連結する連結片とを有する。
このような端子を有することで、コイル装置の小型化が容易になると共に、リード部と端子との電気的接続および機械的接続が容易になる。これらの接続は、たとえばレーザ溶接やスポット溶接などで行われる。
図1は本発明の一実施形態に係るコイル装置の全体斜視図である。 図2Aは図1に示すコイル装置の分解斜視図である。 図2Bは図2Aに示す中芯部の周囲に直接巻回してあるコイル部の底面図である。 図2Cは図2Aに示すポットコアをZ軸方向の下側から見た斜視図である。 図2Dは図2Aに示す端子の変形例を示す斜視図である。 図3Aは図1に示すIII−III線に沿う概略断面図である。 図3Bは本発明の他の実施形態に係るコイル装置の概略断面図である。 図3Cは本発明のさらに他の実施形態に係るコイル装置の概略断面図である。 図4は図3Cに示すコイル装置の分解斜視図である。 図5(A)および図5(B)はワイヤの断面の例を示す断面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1に示すように、本実施形態に係るコイル装置2は、たとえばアイドリングストップや燃料ポンプなどのための車載用チョークコイルなどとして用いられるものであり、ポットコア10と蓋コア30と端子40a,40bとを有する。
図2Aおよび図3Aに示すように、ポットコア10は、円形状の底板部11と、底板部11の外周部からZ軸方向に立ち上がって形成される側壁部14とを有する。底板部11と側壁部とで、ポットコア10の内部には、円柱状の凹部18が形成してある。
このポットコア10の凹部18の内部には、円柱状の中芯部12が配置してあり、中芯部12の底部が、ポットコア10の底板部11の略中央部に第2接着剤52などで固定してある。中芯部12は、Z軸方向に軸芯を持ち、当該中芯部12の外周には、コイル部20が配置される。
コイル部20は、図2Aおよび図2Bに示すように、扁平な断面を持つワイヤ22を二層以上にエッジワイズ巻きされて構成され、中芯部12の外周に直接に巻回してある。ワイヤ22は、図5(A)および図5(B)に示すように、横幅wが厚みtよりも広い扁平な断面を有する導体であれば良く、その断面形状は、矩形でも楕円でもその他の形状であっても良い。
アスペクト比t/wは、好ましくは0.05〜0.9、さらに好ましくは0.5〜0.8である。代表的な扁平断面を持つワイヤ22としては、平角ワイヤが例示される。ワイヤ22の回りは、絶縁被膜24で覆われている。
エッジワイズ巻とは、扁平断面のワイヤ22の短辺(厚みt側)を内径面として縦に巻く巻き方である。図2Aおよび図2Bに示すように、ワイヤ22は、中芯部12の外周部に、二層以上でエッジワイズ巻きされている。中芯部12の周囲に、二層以上でエッジワイズ巻きする際に、中芯部12のZ軸方向の両端面に形成してある凹部13a,13bが固定部などとして役に立つ。
本実施形態では、コイル部20は、Z軸方向の上部に一対のリード部22a,22bが引き出されるように、ワイヤ22を中芯部12の外周部に、二層以上の偶数層で予めコイル状に巻回してある。なお、リード部22a,22bは、ワイヤ22の両端を構成している。また、ワイヤ22としては、単線で構成されても良く、あるいは撚り線で構成されても良く、絶縁被覆導線で構成されることが好ましい。
側壁部14の内周面は円筒状外周面であり、外周面は、角柱状外周面であり、本実施形態では、側壁部14の外周面は、四角柱の隣接する2箇所の角部に面取り外周面14bが形成されたような形状を有し、全体として6角柱の外周面形状を有している。側壁部14のZ軸方向の上端14aは、図3Aに示すように、中芯部12のZ軸方向の上端12aよりもZ軸方向に高い位置に位置している。なお、図において、Z軸とは、ポットコア10の中芯部12の軸芯と一致する方向であり、コイル部20の巻き軸とも一致する。また、Z軸に対して相互に垂直な軸をX軸およびY軸としており、端子40aと端子40bとは、X軸方向に向き合って配置される。
図2Aに示すように、一対の端子40a,40bは、それぞれ側壁部14の対向する外周面14cにZ軸方向に沿って密着する平板状の端子本体41a,41bを有する。端子本体41a,41bのZ軸方向の下端には、それぞれ下係止片42a,42bが側壁部14の下面に密着するように本体41a,41bと一体に形成してある。各下係止片42a,42bの相互は、底板部11の下面において、相互に接触して短絡しないような長さに設定してある。
各下係止片42a,42bの内面には、対応する側壁部14の下端面にそれぞれ形成してあるY軸方向に沿って3つの係止凹部15a,15b,15c(図2C参照)の内の外側2つの凹部15a,15cに嵌合する2つの係止凸部16a,16cが形成してある。図2Cに示すように、係止凹部15a,15b,15cは、ポットコア10の外側底面10aよりもさらに凹んでいる面10bに形成しても良い。面10bは、図2Aに示すそれぞれ下係止片42a,42bの形状に合わせた形状を有する。
端子本体41a,41bのZ軸方向の上端には、それぞれ上係止片43a,43bが側壁部14の上端14aから一段低い段差面14a1に密着するように本体41a,41bと一体に形成してある。各上係止片43a,43bの相互は、相互に接触して短絡しないような長さに設定してある。
各上係止片43a,43bの内面には、係止凸部19a,19bが形成してあり、係止凸部19a,19bは、図2Aに示す側壁部14の上端14aより一段低い段差面14a1に形成してある係止凹部17a,17bに嵌合するようになっている。段差面14a1に取り付けられた各上係止片43a,43bの上面は、側壁部14の上端14aと略面一になるようになっている。
また端子本体41a,41bのZ軸方向の途中には、それぞれ面取り外周面14bに向けて突出する連結片44a,44bが本体41a,41bと一体に形成してある。各連結片44a,44bの先端側上部には、Z軸に略垂直な設置片46a,46bが形成してある。設置片46a,46bの上面は、それぞれの面取り外周面14bの上部に形成してある切り欠き状溝(リード溝)14d,14eの溝底面と略面一の位置となるように設計してある。
各設置片46a,46bの上面には、切り欠き状溝14d,14eから外側に飛び出しているリード部22a,22bが設置され、設置片46a,46bとリード部22a,22bが電気的に接続される。なお、リード部22a,22bの先端部は、それぞれ設置片46a,46bに対して、ハンダ溶接またはレーザ溶接、あるいはアーク溶接などで接合してある。なお、図面においては、リード部22a,22bの先端部は、それぞれ設置片46a,46bに対して、レーザ溶接により接続され、溶接玉が形成してあるように描いてある。
図3Aに示すように、凹部18の内底面18aは、底板部11の上面でもあるが、中芯部12の下面12bおよびコイル部20の下面が第2接着剤52を介して接着しやすいように平坦面となっている。接着剤52は、中芯部12の凹部13bにも入り込み、中芯部12とポットコア10との接合を強固なものにしている。ポットコア10の内底面18aから切り欠き状溝14d,14eまでの高さH3は、コイル部20を収容するのに十分な高さであることが好ましい。
図3Aにおいて、高さH1は、内底面18aから中芯部12の上端12aまでの高さであり、側壁部14の高さH0よりも小さいことが好ましく、高さH0から高さH1を引いた寸法が、蓋コア30のZ軸方向の厚みに略等しいことが好ましく、蓋コア30の外面34と側壁部14の上端14aとは、略面一になっていることが好ましい。
蓋コア30の内面32と中芯部12およびコイル部20の上端との間には、第1接着剤50が介在してあり、これらの接合を確保している。第1接着剤50は、蓋コア30と中芯部12との間に、第1ギャップG1を構成している。なお、第1接着剤50は、凹部13aにも充填され、蓋コア30と中芯部12との接合を強固なものにしている。第1ギャップG1は、特に限定されないが、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.05〜0.3mmである。このような範囲に設定することで、低背化と特性のバランスに優れている。
蓋コア30の外周面36は、側壁部14の内周面の形状に合わせて円周面形状になっていることが好ましく、図1に示すように、側壁部14の内周面に密着しても良いが、図3Aおよび図3Cに示すように、所定のエアギャップG2を設けていても良い。
また図3Aにおいて、高さH2は、内底面18aからコイル部20の上端までの高さであり、第2接着剤52の厚みが小さいことを考慮すれば、コイル部20自体のZ軸方向の高さと略同じである。本実施形態では、リード部22a,22bがコイル部20の上端近くに形成してあるため、高さH3は高さH2と略同じか少し小さい程度であるが、リード部22a,22bをコイル部20のZ軸方向の途中に形成する場合には、高さH3は、高さH2に対して小さくすることも可能である。
第2接着剤52は、ポットコア10の内底面18aと中芯部12およびコイル部20の下面との間のみでなく、コイル部20の外周面と側壁部14の内周面との間にも充填される。
第1接着剤50と第2接着剤52とは、同じ材料で構成しても良く、異なる材料で構成しても良いが、基本的な組成が同じであり、磁性体粉を含有しない一般的な接着剤、たとえばエポキシ系接着剤、シリコン系接着剤、ポリイミド系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、変性アクリル系接着剤などで構成される。
あるいは、これらの第1接着剤50および第2接着剤52は、たとえばエポキシ、シリコンなどの樹脂中に磁性体粉を含有している磁性体含有樹脂であっても良い。磁性体粉としては、ポットコア10または蓋コア30を構成する磁性体と同じでも異なる磁性体でも良く、たとえばFe、Si、Cr、B、Cなどを含む金属磁性体などを用いることができる。
磁性体含有樹脂に含まれる磁性体粉の含有量は、第1接着剤50と第2接着剤52とで同じであることが好ましいが、所定の範囲内で異なっていても良い。たとえば第1接着剤50と第2接着剤52とのそれぞれに含まれる磁性体粉の含有量は、それぞれの全体に対して、80〜90重量%が好ましい。
また、ポットコア10と蓋コア30とは、同じ磁性体で構成してあることが好ましいが、異なる磁性体で構成しても良い。ポットコア10と蓋コア30は、それぞれ、たとえばFeSiCr系金属磁性体であることが好ましく、金属粉末の圧粉成形体を高温(たとえば700°C)で熱処理した磁性体であることが好ましい。
中芯部12は、本実施形態では、ポットコア10および蓋コア30とは、別の磁性体であることが好ましい。たとえば鉄系金属粉体と樹脂(たとえばエポキシ3%)との圧粉成形体であり、たとえば150°Cで樹脂の硬化処理を行った磁性体であることが好ましい。
このような磁性体の組合せは、中芯部12の透磁率μよりもポットコア10の透磁率μが高く、ポットコア10の飽和磁束密度Bsよりも中芯部12の飽和磁束密度Bsが高くなるような、磁性材料の組合せの一例である。
図3Aに示す硬化前の第2接着剤52は、図2Aに示す中芯部12とコイル部20を、凹部18に挿入する前に、凹部18の内底面18aに所定量で予め充填しておき、その後に、中芯部12と共にコイル部20を凹部18に挿入すればよい。硬化前の接着剤52は、コイル部20の外周面と側壁部14の内壁面との間の隙間に行き渡るように移動し、切り欠き状溝14d,14eからあふれ出る手前で停止するように、予め充填しておく樹脂を調節しておくことが好ましい。
硬化前の第1接着剤50は、蓋コア30の内面32または中芯部12の上端12aに予め塗布しておき、その後に、これらを貼り合わせれば良い。第1接着剤50と第2接着剤52の硬化処理は、これらの接着剤を構成する樹脂が熱硬化性樹脂であれば熱を加えることにより行うことができ、図3Aに示すように組み立てた後に同時に行うことが好ましい。ただし、別々に硬化処理を行っても良い。
図3Aに示すように、第1接着剤50と第2接着剤52の硬化処理を終えた後に、図2に示す端子40a,40bを取り付けても良く、その前に取り付けても良い。また、リード部22a,22bの先端と設置片46a,46bとの接合は、端子40a,40bの取付の後に行う。
本実施形態に係るコイル装置2では、第1接着剤50に含まれる樹脂が第1ギャップG1として機能して磁気飽和が改善され、直流重畳特性が向上する。また、第1接着剤50の内部に、磁性体が含まれる場合には、接着剤中の磁性体が中芯部12(または蓋コア30)の一部として機能してインダクタンスが向上する。
さらに本実施形態では、側壁部14の内周面と蓋コア30の外周面36との間にエアギャップG2を形成することで、さらに磁気飽和が改善され、直流重畳特性が向上する。
さらに、本実施形態では、図3Aに示すように、中芯部12の下面12bと内底面18aとの間には、第2接着剤52が介在してあり、そこにもギャップが形成してある。そのため、さらに直流重畳特性を向上させることができる。なお、第2接着剤52に、磁性体粉が含まれる場合には、インダクタンスがさらに向上する。
さらにまた本実施形態では、コイル部20を構成するワイヤ22のリード部22a,22bが、コイル部20の上端近くで側壁部14の外側に引き出され、側壁部14の上端14aには、リード部22a,22bを外側に引き出すための溝14d,14eが形成してある。
このように構成することで、凹部18の内壁面とコイル部20の外面との間の隙間に最大限の高さまで第2接着剤52を充填することができる。また、溝14d,14eを通して外部に排出され無い程度の第2接着剤52を予め凹部18に充填しておくことで、中芯部12をコイル部20と共に凹部18の内部に収容するのみで、凹部18の内壁面とコイル部20との間の隙間に最大限の高さまで第2接着剤52を充填することができる。
さらに、本実施形態では、第1接着剤50が第2接着剤52よりもZ軸方向に高い位置に配置してあることで、コイル部20の上端と蓋コア30の内面32との間にギャップを形成しやすくなる。
特に本実施形態に係るコイル装置2では、コイル部20が、図2Aおよび図2Bに示すように、扁平な断面を持つワイヤ22を二層以上に、偶数層でエッジワイズ巻きされて構成されている。そのため、ワイヤ22の両端部である一対のリード部22a,22bが、双方共に、コイル部20の上端に位置し、ポットコア10の内部に余分なスペースを必要とすることなく、ポットコア10の側壁部14の上端から外部に容易に引き出すことができる。したがって、コイル装置2のインダクタンスを高めることができると共に、コイル装置2の小型化および低背化に寄与する。
さらに、ポットコア10の内部にリード部引出のための余分なスペースを必要とすることが無いことから、コイル部20の外周とポットコア10の側壁部14との間の距離が一定に保たれると共に、蓋コア30とポットコア10の側壁部14との隙間も一定のギャップG2に調整しやすい。このため、コアを構成する部品同士のギャップの制御が容易であり、磁気飽和が改善され、直流重畳特性が向上する。
また本実施形態では、コイル部20は、ポットコア10の内部に、空芯コイルとして取り付けられるのではなく、中芯部12に巻き付けられた状態で、ポットコア10の内部に配置されるため、中芯部12とコイル部20との距離が短くなり、直流重畳特性を向上させることができる。
さらに本実施形態では、中芯部12の磁気特性とポットコア10および蓋コア30の磁気特性とを異ならせることが容易である。たとえば中芯部12の透磁率μよりもポットコア10および蓋コア30の透磁率μが高く、ポットコア10および蓋コア30の飽和磁束密度Bsよりも中芯部12の飽和磁束密度Bsが高くなるように、磁性材料の組合せを選択することで、直流重畳特性を向上させることができる。
また本実施形態では、ワイヤ22の一対のリード部22a,22bが、20度〜60度の所定角度で、好ましくは40度〜50度で、側壁部14の外側にそれぞれ引き出されている。このように構成することで、扁平断面のワイヤ22を、中芯部12の回りで二層にエッジ巻きしやすいと共に、一対の端子40a,40b間の絶縁も確保しやすい。
このような端子40a,40bを有することで、コイル装置2の小型化が容易になると共に、リード部22a,22bと端子40a,40bとの電気的接続および機械的接続が容易になる。これらの接続は、たとえばハンダ溶接またはレーザ溶接、あるいはアーク溶接などで行われる。
第2実施形態
本実施形態に係るコイル装置は、図2Dに示すように、端子40cの構造が、第1実施形態の端子40a,40bと異なるのみであり、その他の部分は上述した実施形態と共通し、同様な作用効果を奏する。以下では、相違する部分のみに関して説明する。
図2Dに示すように、この実施形態の端子40cは、図2Aに示す側壁部14の対向する外周面14cにZ軸方向に沿って密着する平板状の端子本体41cを有する。端子本体41cのZ軸方向の下端には、下係止片42cが一体に形成してある。図2Dに示す下係止片42cは、図2Aに示す下係止片42a,42bに対応する部材であるが、そのY軸方向の幅が、図2Aに示す下係止片42a,42bのそれよりも短い。
また、図2Dに示す下係止片42cの内面には、単一の係止凸部16bが形成してあり、この係止凸部16bは、図2Cに示す係止凹部15a〜15cの内のY軸方向の中央部に位置する係止凹部15bに嵌合するようになっている。図2Dに示す上係止片43c、連結片44cおよび設置片46cは、第1実施形態の連結片44a,44bおよび設置片46a,46bと同じ構成なので、その説明は省略する。
本実施形態の端子40cは、第1実施形態の端子40a,40bの代わりに用いることができ、コア10、蓋コア30、中芯部12およびコイル部20は、共用化することができる。
第3実施形態
図3Bに示す本実施形態に係るコイル装置は、蓋コア30aの構造が、第1実施形態の蓋コア30と異なるのみであり、その他の部分は上述した実施形態と共通し、同様な作用効果を奏する。以下では、相違する部分のみに関して説明する。
図3Bに示すように、この実施形態の蓋コア30aの内面32には、ギャップ調整用凸部33が複数形成してあり、凸部33が、中芯部12の上端12aに当接し、図3Aに示す第1ギャップG1を所定の値に調節可能になっている。そのような観点から、凸部33の内面32からの突出高さH1は、図3Aに示す第1ギャップG1と略等しいことが好ましい。
蓋コア30aの内面32と中芯部12の上端12aとの間は、磁性体粉が含まれていない接着剤で接着しても良い。その点は、他の実施形態でも同様である。
第4実施形態
図3Cおよび図4に示すように、本実施形態に係るコイル装置2aでは、中芯部12Aの底部が、ポットコア10aの底板部11に一体化されて形成してあると共に中芯部12Aの回りには、空芯コイルから成るコイル部20aが配置される点が異なるのみであり、その他の部分は上述した実施形態と共通し、同様な作用効果を奏する。以下では、相違する部分のみに関して説明する。
図3Cに示すように、中芯部12Aの底部が、ポットコア10aの底板部11に一体化されて形成してある。そのため、図4に示すように、中芯部12Aに対して扁平断面のワイヤ22を直接に巻回することは困難であり、コイル部20aとしては、予めコイル状に形成してある空芯コイルを用いる。
この空芯コイルから成るコイル部20aでも、扁平断面のワイヤ22が二層以上の偶数巻にエッジワイズ巻きされている。予め成形してある空芯コイルから成るコイル部20aを、中芯部12Aと側壁部14との間にあるリング状隙間に挿入するために、中芯部12Aの外径D1よりもコイル部20aの内径D2が多少大きく、側壁部14の内周面の内径d1よりもコイル部20aの外径d2がわずかに小さいことが好ましい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
2,2a… コイル装置
10… ポットコア
11… 底板部
12,12A… 中芯部
12a… 上端
14… 側壁部
14a… 上端
14d,14e… 引き出し溝(切り欠き状溝)
18… 凹部
18a…内底面
20,20a… コイル部
22… ワイヤ
22a,22b… リード部
30,30a… 蓋コア
32… 内面
34… 外面
36… 外周面
40a,40b,40c… 端子
41a,41b,41c… 端子本体
42a,42b,42c… 下係止片
43a,43b,43c… 上係止片
44a,44b,44c… 連結片
46a,46b,46c… 設置片
50… 第1接着剤
52… 第2接着剤

Claims (12)

  1. 中芯部と、
    当該中芯部の周囲を所定間隔で取り囲む側壁部を持つポットコアと、
    前記中芯部と前記側壁部との間に配置されるコイル部と、
    前記コイル部の上部と前記中芯部の上部とを覆う蓋コアとを有するコイル装置であって、
    前記コイル部が、扁平な断面を持つワイヤを二層以上にエッジワイズ巻きされて構成され、
    前記ワイヤの両端部である一対のリード部が前記側壁部の上端から外部に引き出されており、
    前記ポットコアの底板部から前記中芯部までの高さが、前記側壁部の高さよりも小さくなっており、
    前記蓋コアの内面と前記中芯部および前記コイル部の上端との間には、接着剤が介在するギャップが形成してあり、
    前記蓋コアの外周面と前記側壁部の内周面との間には、周方向に沿ってエアギャップが形成してあるコイル装置。
  2. 前記中芯部の外周には、前記コイル部が取り付けられた状態で、前記中芯部の底部が、前記ポットコアの前記底板部に固定してある請求項1に記載のコイル装置。
  3. 前記中芯部の底部が、接着剤により前記ポットコアの前記底板部に固定してある請求項2に記載のコイル装置。
  4. 前記中芯部の底部が、磁性体含有樹脂により前記ポットコアの前記底板部に固定してある請求項2に記載のコイル装置。
  5. 前記中芯部の磁気特性と前記ポットコアの磁気特性とが異なる請求項2〜4のいずれかに記載のコイル装置。
  6. 前記中芯部の底部が、前記ポットコアの前記底板部に一体化されて形成してある請求項1に記載のコイル装置。
  7. 前記ワイヤの一対の前記リード部が、前記コイル部の上端近くで前記側壁部の外側にそれぞれ引き出され、前記側壁部の上端には、前記リード部を外側に引き出すためのリード溝がそれぞれ形成してある請求項1〜6のいずれかに記載のコイル装置。
  8. 前記ワイヤの一対の前記リード部が、20度〜60度の所定角度で、前記側壁部の外側にそれぞれ引き出されており、前記側壁部の外面に取り付けられている一対の端子に接続してある請求項1〜7のいずれかに記載のコイル装置。
  9. 前記端子は、
    前記側壁部の外周面に取り付けられる端子本体と、
    前記端子本体の下端部に形成され、前記側壁部の下端面に係止する下係止片と、
    前記端子本体の上端部に形成され、前記側壁部の上端面に係止する上係止片と、
    リード溝の外側に配置される設置片と、
    前記設置片と前記端子本体とを一体的に連結する連結片とを有する請求項8に記載のコイル装置。
  10. 前記エアギャップは、周方向に沿って均一である請求項1〜9のいずれかに記載のコイル装置。
  11. 前記接着剤が介在するギャップは、0.05mm以上,1mm以下である請求項1〜10のいずれかに記載のコイル装置。
  12. 前記蓋コアの内面には、凸部が形成してあり、
    前記接着剤が介在するギャップの間隔は、前記凸部の突出高さと等しい請求項1〜11に記載のコイル装置。
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