JP6729266B2 - バスバーおよびそれを備えた組電池 - Google Patents
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Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、接続した電極端子同士の相対変位に追従可能なバスバーおよびそれを備えた組電池を提供することにある。
この構成によれば、バスバーは、一対の固定部同士を連結する接続部に、固定部同士が幅方向に相対変位可能なように、固定部に対して所定角度で回転した変位吸収片部が形成されている。これにより、バスバーによって接続された双方の電極端子の相対位置が幅方向に変動した場合でも、その変動にバスバーが追従することができるため、バスバーが電極端子から脱落したり、電池セルの外筐に応力が発生したりすることがない。
この構成によれば、接続部には、複数の変位吸収片部が幅方向に並ぶように形成されている。これにより、固定部同士の幅方向への相対変位性能を維持しつつ、各々の変位吸収片部の高さ方向寸法を小さくすることができる。
この構成によれば、バスバーは、一対の固定部同士を連結する接続部に、固定部同士が幅方向に相対変位可能なように、固定部に対して所定角度で回転した変位吸収片部が形成されている。これにより、バスバーによって接続された双方の電極端子の相対位置が幅方向に変動した場合でも、その変動にバスバーが追従することができるため、バスバーが電極端子から脱落したり、電池セルの外筐に応力が発生したりすることがない。
この構成によれば、変位吸収片部の長手方向は、取付平面内において、長さ方向に対して所定角度だけ傾いている。これにより、双方の端子孔の間の寸法に拘らず、変位吸収片部の長さを増大させることができる。したがって、隣り合った電池セルの電極端子間の距離が短い場合であっても、変位吸収片部の長さを十分に大きくし、電極端子同士の相対変位に対する追従性能を維持することができる。
図1乃至図3に基づき、本発明の参考形態による電池パック1、および、それに含まれたバスバー28の構成について説明する。電池パック1は、図2に示した電池モジュール2が、左右方向に複数個並べられて形成されている。電池パック1または電池モジュール2は、組電池に該当する。図1に示すように、本参考形態による電池パック1は7個の電池モジュール2を含んでいるが、この数に限られるものではなく、左右方向に電池モジュール2がいくつ並べられていてもよい。複数の電池モジュール2は、隣り合ったもの同士が当接した状態で、その左右端にパック拘束プレート3が配置されている。左右のパック拘束プレート3の前端部および後端部には、複数の拘束バンド4が貫通している。各々の拘束バンド4の左右端部には締付ナット5が螺合しており、締付ナット5を各々の拘束バンド4に締め付けることによって、双方のパック拘束プレート3が複数の電池モジュール2を挟圧する。尚、図1において、締付ナット5は拘束バンド4の左端部に螺合されたもののみ示している。各々の電池モジュール2は、その前後縁部の下端において、固定ナット6によりベースプレート7に固定されている。
本参考形態によれば、バスバー28は、それぞれ端子孔28a1が形成された一対の固定部28a同士を連結する接続部28bに、長さ方向を回転軸として、固定部28aに対して回転した変位吸収片部28b1が形成されている。これにより、変位吸収片部28b1の表裏が幅方向を向くことになる。このため、固定部28a同士が幅方向に相対変位可能となり、バスバー28によって接続された双方の電極端子22aの相対位置が幅方向に変動した場合でも、その変動にバスバー28が追従することができる。したがって、バスバー28が電極端子22aから脱落したり、電池セル22の外筐に応力が発生したりすることを防止できる。
変位吸収片部28b1は、固定部28aに対して90度に回転している。これにより、固定部28a同士の幅方向への相対変位性能を、さらに増大させることができる。このため、双方の電極端子22aの相対位置が幅方向に変動した場合の変動追従性能を、いっそう向上させることができる。
電池モジュール2に含まれた電池セル22の膨張または収縮によって、双方の電極端子22aの相対位置が幅方向に変動した場合でも、その変動にバスバーが追従することができるため、バスバーが電極端子22aから脱落したり、電池セル22の外筐に応力が発生したりすることがない。したがって、電池パック1および電池モジュール2の信頼性を向上させることができる。
図5に基づき、本発明の実施形態1によるバスバー29について説明する。バスバー29は、参考形態によるバスバー28と同様に、電極端子22aに固定される互いに離間した一対の固定部29aと、固定部29a同士を連結する接続部29bとを備えている。双方の固定部29aには、平板上に電極端子22aの突部22a1が挿入される端子孔29a1が貫通している。
本実施形態によれば、バスバー29の接続部29bには、複数の変位吸収片部29b1が幅方向に並ぶように形成されている。これにより、固定部29a同士の幅方向への相対変位性能を維持しつつ、各々の変位吸収片部29b1の高さ方向寸法は、参考形態によるバスバー28の変位吸収片部28b1よりも小さくなるため、コンパクトな電池モジュール2にすることができる。
変位吸収片部29b1は、接続部29bの少なくとも一部を切り起こして形成されている。これにより、プレス工程により、接続部29bにおいて複数の変位吸収片部29b1を容易に形成することができる。
図7Aおよび図7Bに基づき、本発明の実施形態2によるバスバー30について説明する。尚、バスバー30の接続部30bには、実施形態1による変位吸収片部29b1と同様の複数の変位吸収片部30b1が形成されているが、図7Aにおいて変位吸収片部30b1は簡略して表されている。図7Aに示すように、本実施形態によるバスバー30は、一対の固定部30aと、固定部30a同士を連結する接続部30bとを備えている。双方の固定部30aには、電極端子22aの突部22a1が挿入される端子孔30a1が貫通している。
図7Aに示すように、バスバー30の接続部30bの幅方向長さはL1であり、固定部30aの幅方向長さL0に比べて大きく形成されている。また、図7Bに示すように接続部30bの板厚t1は、固定部30aの板厚t0に比べて小さく、接続部30bは薄肉に形成されている。
本実施形態によるバスバー30は、プレス工程または切削工程によって接続部30bが薄肉に形成されることを除いて、実施形態1によるバスバー29と同様の工程によって形成される。
本実施形態によれば、バスバー30の接続部30bは、固定部30aに比べて薄肉に形成されている。これにより、変位吸収片部30b1も薄肉にできるため、変位吸収片部30b1の剛性を低下させることができ、双方の電極端子22aの相対位置が幅方向へ変動した場合の変動追従性能をより向上させることができる。その一方、接続部30bが、固定部30aに比べて幅方向に大きく形成されていることにより、接続部30bが薄肉であっても、長さ方向に垂直に切断した場合の断面積および表面積の減少を防止することができる。したがって、バスバー30の電気抵抗を低減することができるとともに、バスバー30による放熱性能を悪化させることもない。
図8Aおよび図8Bに基づき、本発明の実施形態3によるバスバー31について説明する。尚、バスバー31の接続部31bには、実施形態1による変位吸収片部29b1と同様の変位吸収片部31b1が形成されているが、図8Aにおいては、変位吸収片部31b1が回転される以前の状態が表されている。本実施形態によるバスバー31は、一対の固定部31aと、固定部31a同士を連結する接続部31bとを備えている。双方の固定部31aには、電極端子22aの突部22a1が挿入される端子孔31a1が貫通している。
本実施形態によれば、変位吸収片部31b1を形成する際に、接続部31bに幅方向スリットSWを設け、変位吸収片部31b1は、固定部31aに対して回転する以前の状態において、長さ方向スリットSLと幅方向スリットSWとにより区画されている。これにより、長さ方向スリットSLと幅方向スリットSWとにより分断された部位を回転させて変位吸収片部31b1を形成し易くなり、生産性のよいバスバー31にすることができる。また、長手方向長さの短い変位吸収片部31b1も形成することができるようになるため、バスバー31は、隣り合った電池セル22の電極端子22a間の距離が短い場合にも適用可能となる。
また、バスバー31の変位吸収片部31b1は、その双方の側面31b2が、それぞれ固定部31aの表裏よりも突出している。これにより、変位吸収片部31b1が固定部31aよりも上方に突出する量を低減でき、他部材との干渉を防ぐことが可能なバスバー31にすることができる。
図9に基づき、本発明の実施形態4によるバスバー32について説明する。尚、バスバー32の接続部32bには、実施形態1による変位吸収片部29b1と同様の変位吸収片部32b1が形成されているが、図9において変位吸収片部32b1は簡略して表されている。図9に示すように、本実施形態によるバスバー32は、一対の固定部32aと、固定部32a同士を連結する接続部32bとを備えている。双方の固定部32aには電極端子22aの突部22a1が挿入される端子孔32a1が貫通している。
図9に示すように、バスバー32の変位吸収片部32b1の長手方向は、双方の固定部32aを含んだ取付平面FP内において、長さ方向に対して所定角度θだけ傾いている。本実施形態によるバスバー32は、実施形態1によるバスバー29と同様の工程によって形成される。
本実施形態によれば、変位吸収片部32b1の長手方向は、取付平面FP内において、長さ方向に対して所定角度だけ傾いている。これにより、双方の端子孔32a1の間の寸法に拘らず、変位吸収片部32b1の長さを増大させることができる。したがって、隣り合った電池セル22の電極端子22a間の距離が短い場合であっても、変位吸収片部32b1の長さを十分に大きくし、電極端子22a同士の相対変位に対する追従性能を維持することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
変位吸収片部28b1、29b1、30b1、31b1、32b1は、固定部28a、29a、30a、31a、32aに対して、必ずしも90度で回転されて形成されなければならないわけではない。すなわち、固定部28a、29a、30a、31a、32a同士が幅方向に相対変位可能であれば、どのような角度で回転されて形成されていてもよい。
固定部28a、29a、30a、31a、32aは、端子孔28a1、29a1、30a1、31a1、32a1を用いず、かしめ等によって電極端子22aに固定されていてもよい。
バスバー28、29、30、31、32は、上述した参考形態、実施形態1乃至4の各構成を、可能な限り互いに組み合わせることにより形成することができる。
Claims (10)
- 隣接して配置された複数の電池セル(22)に設けられた電極端子(22a)同士を連結する板状のバスバー(29、30、31、32)であって、
それぞれ平板上に前記電極端子と係合する端子係合部位(29a1、30a1、31a1、32a1)が設けられ、互いに離間して形成された一対の固定部(29a、30a、31a、32a)と、
前記固定部同士を連結する接続部(29b、30b、31b、32b)と、
を備え、
前記接続部には、
前記端子係合部位同士を結んだ方向を長さ方向とし、双方の前記固定部を含んだ取付平面(FP)に含まれるとともに、前記長さ方向に対して垂直な方向を幅方向とした場合に、前記固定部同士が前記幅方向に相対変位可能なように、前記固定部に対して所定角度で回転した複数の変位吸収片部(29b1、30b1、31b1、32b1)が前記幅方向に並ぶように形成されているバスバー。 - 前記接続部(31b)には、前記幅方向のスリット(SW)が形成されており、前記変位吸収片部(31b1)は、前記固定部(31a)に対して回転する以前の状態において、前記幅方向のスリットにより区画されている請求項1記載のバスバー。
- 前記変位吸収片部(31b1)の双方の側面(31b2)は、それぞれ前記固定部(31a)の表裏よりも突出している請求項2記載のバスバー。
- 前記変位吸収片部は、
前記接続部の少なくとも一部が切り起こされた状態にある請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載のバスバー。 - 前記変位吸収片部(32b1)の長手方向は、
前記取付平面内において、前記長さ方向に対して所定角度だけ傾いている請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のバスバー。 - 隣接して配置された複数の電池セル(22)に設けられた電極端子(22a)同士を連結する板状のバスバー(32)であって、
それぞれ平板上に前記電極端子と係合する端子係合部位(32a1)が設けられ、互いに離間して形成された一対の固定部(32a)と、
前記固定部同士を連結する接続部(32b)と、
を備え、
前記接続部には、
前記端子係合部位同士を結んだ方向を長さ方向とし、双方の前記固定部を含んだ取付平面(FP)に含まれるとともに、前記長さ方向に対して垂直な方向を幅方向とした場合に、前記固定部同士が前記幅方向に相対変位可能なように、前記固定部に対して所定角度で回転した変位吸収片部(32b1)が形成され、
前記変位吸収片部の長手方向は、
前記取付平面内において、前記長さ方向に対して所定角度だけ傾いているバスバー。 - 前記変位吸収片部は、
前記幅方向に波打った屈曲部(29b2)を有している請求項1乃至6記載のバスバー。 - 前記変位吸収片部は、
前記固定部に対して、90度に回転している請求項1乃至7に記載のバスバー。 - 前記接続部(30b)は、
前記固定部(30a)に比べて、薄肉であるとともに、前記幅方向に大きく形成されている請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載のバスバー。 - 請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載のバスバー(29、30、31、32)を備えた組電池(1、2)であって、
前記バスバーによって、それぞれの前記電極端子(22a)同士が接続された複数の前記電池セル(22)と、
互いに積層された複数の前記電池セルを、積層方向に挟持する一対のエンドプレート(23)と、
を備えた組電池。
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