図1は、広告配信システム100の全体的な構成の例を示す図である。図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図である。図3は、広告サーバ2Aおよびクラウド印刷サーバ2Bのハードウェア構成の例を示す図である。図4は、ユーザ端末3のハードウェア構成の例を示す図である。
広告配信システム100は、図1に示すように、複数の画像形成装置1、広告サーバ2A、クラウド印刷サーバ2B、複数のユーザ端末3、広告業者端末4、および通信回線5などによって構成されている。
広告配信システム100は、広告配信サービスを提供する。広告配信サービスは、広告を画像形成装置1のユーザに閲覧させるためのサービスである。
広告として、会社や商品などを説明する動画、会社または商品などを詳細に説明するパンフレット、または会社または商品などの概要を数行で説明するコメントなどのコンテンツが用いられる。
複数の画像形成装置1、広告サーバ2A、クラウド印刷サーバ2B、複数のユーザ端末3、および広告業者端末4は、通信回線5を介して通信することができる。通信回線5として、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆回線、または専用回線などが用いられる。
以下、各画像形成装置1を「画像形成装置1A」、「画像形成装置1B」、…と区別して記載することがある。また、各ユーザ端末3を「ユーザ端末3A」、「ユーザ端末3B」、…と区別して記載することがある。
画像形成装置1は、コピー、PCプリント、クラウド印刷、ファックス、スキャナ、およびボックスなどの機能を集約した装置である。一般に、「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれることがある。
PCプリント機能は、ユーザ端末3から受信した画像データに基づいて画像を用紙に印刷する機能である。「ネットワークプリンティング」または「ネットワークプリント」などと呼ばれることもある。
クラウド印刷機能は、インターネット上のサーバを経由してユーザ端末3から画像データを受信し画像を用紙に印刷する機能である。
ボックス機能は、ユーザごとに「ボックス」または「パーソナルボックス」などと呼ばれる記憶領域を与えておき、各ユーザが自分の記憶領域によって画像データなどを保存し管理するための機能である。グループごとにボックスを設けておき、グループのメンバで共用することもできる。ボックスは、パーソナルコンピュータにおける「フォルダ」または「ディレクトリ」に相当する。
画像形成装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、補助記憶装置10d、タッチパネルディスプレイ10e、操作キーパネル10f、NIC(Network Interface Card)10g、モデム10h、スキャンユニット10i、プリントユニット10j、フィニッシャ10kなどによって構成される。
なお、一部の画像形成装置1は、タッチパネルディスプレイ10eが設けられておらず、または、広告をタッチパネルディスプレイ10eに表示するためのインタフェース(例えば、広告を表示するためのアプリケーション)が備わっておらず、広告を表示することができない。
以下、画像形成装置1Aにはタッチパネルディスプレイ10eおよびこのインタフェースが設けられており、画像形成装置1Bにはタッチパネルディスプレイ10eまたはこのインタフェースが設けられていない場合を例に説明する。
タッチパネルディスプレイ10eは、ユーザに対するメッセージを示す画面、ユーザがコマンドまたは情報を入力するための画面、およびCPU10aが実行した処理の結果を示す画面などを表示する。また、タッチパネルディスプレイ10eは、タッチされた位置を示す信号をCPU10aへ送る。
操作キーパネル10fは、いわゆるハードウェアキーボードであって、テンキー、スタートキー、ストップキー、およびファンクションキーなどによって構成される。
NIC10gは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルで他の装置との通信を行う。
モデム10hは、ファックス端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りする。
スキャンユニット10iは、プラテンガラスの上にセットされたシートに記されている画像を読み取って画像データを生成する。
プリントユニット10jは、スキャンユニット10iによって読み取られた画像のほか、NIC10gまたはモデム10hによって他の装置から受信した画像を用紙に印刷する。
フィニッシャ10kは、プリントユニット10jによって得られた印刷物に対して、必要に応じて後処理を施す。後処理は、ステープルで綴じる処理、パンチ穴を開ける処理、または折り曲げる処理などである。
ROM10cまたは補助記憶装置10dには、上述のコピーなどの各機能を実現するためのプログラムが記憶されている。さらに、広告配信クライアントプログラム10P(図5参照)が記憶されている。広告配信クライアントプログラム10Pについては、後に説明する。これらのプログラムは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。補助記憶装置10dとして、ハードディスクドライブまたはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。
図1に戻って、広告サーバ2Aは、広告のデータの管理を行い、画像形成装置1への広告のデータの配信を行う。
広告サーバ2Aは、図3に示すように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、大容量記憶装置20d、またはNIC20eなどによって構成される。
ROM20cまたは大容量記憶装置20dには、広告配信サーバプログラム20P(図6参照)が記憶されている。大容量記憶装置20dとして、ハードディスクドライブまたはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。広告配信サーバプログラム20Pは、RAM20bにロードされ、CPU20aによって実行される。広告配信サーバプログラム20Pについては、後に説明する。
クラウド印刷サーバ2Bは、ユーザ端末3の指示に基づき、画像形成装置1へ印刷指示を行う。クラウド印刷サーバ2Bのハードウェアの構成は、広告サーバ2Aのハードウェアの構成と基本的に同様であり、前に図3に示した通りである。
ただし、ROM20cまたは大容量記憶装置20dには、広告配信サーバプログラム20Pの代わりにクラウド印刷サーバプログラム20Q(図27参照)が記憶されている。クラウド印刷サーバプログラム20Qは、RAM20bにロードされ、CPU20aによって実行される。クラウド印刷サーバプログラム20Qについては、後に説明する。
ユーザ端末3は、画像形成装置1のクライアントである。ユーザは、画像形成装置1の機能を、ユーザ端末3によって遠隔的に使用することができる。さらに、広告を表示することができる。
ユーザ端末3として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、ウェアラブル端末、またはタブレットコンピュータなどが用いられる。以下、ユーザ端末3として、タブレットコンピュータが用いられる場合を例に説明する。
ユーザ端末3は、図4に示すように、CPU30a、RAM30b、ROM30c、フラッシュメモリ30d、タッチパネルディスプレイ30e、無線LANユニット30f、近距離無線通信装置30g、携帯電話通信装置30h、およびデジタルカメラ30iなどによって構成される。
タッチパネルディスプレイ30eは、画像形成装置1のタッチパネルディスプレイ10eと同様に、種々の画面を表示し、タッチされた位置を検知してCPU30aにその位置を通知する。
無線LANユニット30fは、無線LANの規格、すなわち、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11の規格に基づいて通信を行う。近距離無線通信装置30gは、Bluetoothの規格に基づいて通信を行う。
携帯電話通信装置30hは、CDMA(Code Division Multiple Access)2000、W−CDMA(Wideband-CDMA)、またはLTE(Long Term Evolution)などの規格に基づいて、いわゆる携帯電話網を介して通信を行う。
デジタルカメラ30iは、画像を撮影し画像データを生成する。動画を撮影し動画の画像データを生成することもできる。
ROM30cまたはフラッシュメモリ30dには、文書の作成用のアプリケーション(例えば、ワープロソフト)、メーラ、ウェブブラウザ、およびスケジューラなどのアプリケーションプログラムが記憶されている。さらに、画像形成装置1の機能を遠隔的に使用するためのプログラム、例えばプリンタドライバが記憶されている。さらに、広告配信サービスアプリケーション30P(図14参照)が記憶されている。広告配信サービスアプリケーション30Pについては、後に説明する。
これらのプログラムは、必要に応じてRAM30bにロードされ、CPU30aによって実行される。
図1に戻って、広告業者端末4は、広告のデータを広告サーバ2Aへアップロードする。広告を配信する業者(以下、「広告配信業者」と記載する。)は、広告サーバ2Aを介して、画像形成装置1のユーザへ提供することができる。広告業者端末4には、一般的なウェブブラウザがインストールされている。
広告配信システム100によると、広告を閲覧させる機会を従来よりも増やすことができる。以下、この仕組みについて、説明する。
〔画像形成装置1および広告サーバ2Aにおける広告データの登録〕
図5は、画像形成装置1の機能的構成の例を示す図である。図6は、広告サーバ2Aの機能的構成の例を示す図である。図7は、広告サーバ2Aにおける広告データ登録処理の流れの例を示すフローチャートである。図8は、広告業者端末4における広告データ登録処理の流れの例を示すフローチャートである。図9は、画像形成装置1における広告データ登録処理の流れの例を示すフローチャートである。
広告配信クライアントプログラム10Pによると、図5に示す広告データ記憶部101、広告データ登録部102、表示可否データ送信部103、表示可否データ記憶部104、配信モード切替部105、配信モードデータ記憶部106、ユーザデータ送信部107、広告表示部151、印刷部152、配信モード判断部153、広告データ配信部154、デバイス認証部155、および選択要求部156などの機能が実現される。
広告配信サーバプログラム20Pによると、図6に示す広告データ記憶部201、広告データ登録部202、広告データ送信部203、表示可否判断部204、デバイス属性データ更新部205、デバイス属性データ記憶部206、切替指示部207、および送信確認データ生成部251などの機能が実現される。
画像形成装置1の広告データ記憶部101(図5参照)は、広告データ6Aを記憶する。広告データ6Aは、広告を表示しまたは印刷するためのデータである。広告データ6Aとして、MPEG(Moving Picture Experts Group)、PDF(Portable Document Format)、HTML(Hypertext Markup Language)、またはテキストフォーマットなどのデータが用いられる。
広告サーバ2Aの広告データ記憶部201(図6参照)も、広告データ記憶部101と同様に、広告データ6Aを記憶する。
広告データ記憶部101および広告データ記憶部201には、図7に示す処理を広告サーバ2Aの広告データ記憶部201ないし切替指示部207が実行し、図8に示す処理を広告業者端末4が実行し、図9に示す処理を画像形成装置1の広告データ記憶部101ないしユーザデータ送信部107が実行することによって、広告データ6Aが記憶される。
広告配信業者は、広告業者端末4のウェブブラウザを操作することによって、広告サーバ2Aの所定のURL(Uniform Resource Locator)を入力する。
すると、広告業者端末4は、入力されたURLに基づいて広告サーバ2Aへアクセスし、ウェブページを要求する(図8の#651)。
広告サーバ2Aにおいて、広告データ登録部202は、要求を受け付けると(図7の#601)、広告データ6Aを広告業者端末4から受信して広告データ記憶部201に記憶させるための処理を次のように行う。
広告データ登録部202は、図10のような広告配信設定ページ5Aを表示するためのデータを広告業者端末4へ送信する(図7の#602)。
広告業者端末4は、広告サーバ2Aからデータを受信すると(#652)、広告配信設定ページ5Aを表示する(#653)。
広告配信業者は、テキストボックス5A1に、広告を配信するように依頼した者すなわち広告主の名称を入力する。テキストボックス5A2に、商品または会社などを紹介する動画のファイルの記憶場所のパスを入力する。テキストボックス5A3に、商品または会社などを紹介するパンフレットのファイルの記憶場所のURLを入力する。テキストボックス5A4に、商品または会社などを紹介するコメントを入力する。
さらに、広告配信業者は、その広告の配信先となる画像形成装置1を、それに対応するチェックボックス5A5にチェックを入れることによって指定する。
広告配信業者は、上記の入力および指定が完了したら、実行ボタン5A6をクリックする。
すると、広告業者端末4は、入力および指定を受け付け(#654)、テキストボックス5A2に入力されたパスに示されるファイル(以下、「動画ファイル6A2」と記載する。)を読み出す(#655)。
そして、広告業者端末4は、この動画ファイル6A2、テキストボックス5A1に指定された広告主を示す広告主データ6A1、テキストボックス5A3に入力されたURLを示すパンフレットパスデータ6A3、テキストボックス5A4に入力されたコメントを示すコメントデータ6A4、チェックボックス5A5がオンにされた画像形成装置1を示す配信先名称データ6A5、およびその画像形成装置1の識別子(例えば、IPアドレスまたはMAC(Media Access Control)アドレス)を示す配信先識別子データ6A6からなるデータを、広告データ6Aとして広告サーバ2Aへアップロードする(#656)。
広告サーバ2Aにおいて、広告データ登録部202は、広告業者端末4から広告データ6Aを受信すると(#603)、広告データ記憶部201に記憶させる(#604)。このようにして、広告データ記憶部201には、図11に示すように、広告データ6Aが記憶される。
なお、既に、受信した広告データ6Aと広告主データ6A1が共通する他の広告データ6Aが広告データ記憶部201に記憶されている場合は、古い方すなわち当該他の広告データ6Aを削除し、受信した広告データ6Aを広告データ記憶部201に記憶させる。
広告データ送信部203は、広告データ記憶部201に記憶された広告データ6Aを、この広告データ6Aの配信先識別子データ6A6に示される画像形成装置1へ送信する(#605)。
画像形成装置1において、広告データ登録部102は、広告データ6Aを受信して(図9の#661)、広告データ記憶部101に記憶させる(#662)。なお、配信先名称データ6A5および配信先識別子データ6A6は、広告データ6Aから削除しておいてもよい。
表示可否データ送信部103は、広告データ6Aが広告データ記憶部101に記憶されると、表示可否データ記憶部104から、広告データ6Aに含まれる配信先名称データ6A5および配信先識別子データ6A6に示される画像形成装置1の表示可否データ6Bを読み出し(#663)、広告サーバ2Aに送信する(#664)。
表示可否データ6Bは、画像形成装置1自らのタッチパネルディスプレイ10eに広告を表示できるか否かおよび画像形成装置1自らの識別子(例えば、IPアドレスまたはMAC(Media Access Control)アドレス)を示すデータである。
表示可否データ6Bは、予め、画像形成装置1ごとに表示可否データ記憶部104に記憶されている。以下、画像形成装置1Aの表示可否データ6Bを「表示可否データ6B1」と記載し、画像形成装置1Bの表示可否データ6Bを「表示可否データ6B2」と記載する。上述の通り、画像形成装置1Aは広告を表示する機能を備えているので、表示可否データ6B1には、表示できる旨が示される。画像形成装置1Bは広告を表示する機能を備えていないので、表示可否データ6B2には、表示できない旨が示される。
広告サーバ2Aにおいて、表示可否判断部204は、表示可否データ6Bを受信し(#606)、広告の配信先である画像形成装置1ごとに、広告を表示することができるか否かを次のように判断する(#607)。
表示可否判断部204は、受信した表示可否データ6Bに、表示できる旨が示される場合は、広告を表示できると判断する。表示できない旨が示される場合は、広告を表示できないと判断する。よって、表示可否データ6B1を受信した場合は、表示できると判断し、表示可否データ6B2を受信した場合は、表示できないと判断する。
デバイス属性データ更新部205は、画像形成装置1が広告を表示できると表示可否判断部204が判断すると(#608でYes)、デバイス属性データ記憶部206に記憶されている、その画像形成装置1のデバイス属性データ6Cの「パネル表示」を「○」に更新する(#609)。なお、既に「○」が示される場合、更新する処理をスキップしてもよい。
デバイス属性データ6Cは予め、図12のように、画像形成装置1ごとにデバイス属性データ記憶部206に記憶されている。デバイス属性データ6Cは、「配信先名称」、「配信先識別子」、「パネル表示」および「ユーザ情報」を示すデータから構成されている。
「配信先名称」および「配信先識別子」はそれぞれ、広告データ6A(図11参照)における配信先名称データ6A5および配信先識別子データ6A6と同じ意味を有する情報である。
「パネル表示」は、画像形成装置1のタッチパネルディスプレイ10eに広告を表示できるか否かの情報であって、「○」は表示できることを意味し、「×」は表示することができないことを意味する。
「ユーザ情報」は、その画像形成装置1を使用するユーザのユーザ名ならびにそのユーザが使用するユーザ端末3のIPアドレス、MACアドレス、および種類(例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ)の情報である。なお、ユーザ情報は、後述するように、広告を表示することができないと判断された場合に取得される。
切替指示部207は、画像形成装置1によって広告を表示することができないと表示可否判断部204が判断すると(#608でNo)、その画像形成装置1へ、配信モードを情報配信モードに切り替える旨の指示を送信する(#610)。
配信モードとは、画像形成装置1による広告の出力の態様である。配信モードは、情報配信モードとパネル表示モードとの2種類がある。情報配信モードは、広告を、画像形成装置1に関連付けられたユーザ端末3へ広告データを送信することによって出力するモードである。パネル表示モードは、広告を、画像形成装置1のタッチパネルディスプレイ10eに表示するモードである。
画像形成装置1において、配信モード切替部105は、上述の指示を受信し(図9の#665)、配信モードデータ記憶部106に記憶されている配信モードデータ6Dの「配信モード」を「情報配信モード」に更新する(#666)。これにより、配信モードが情報配信モードに切り替わる。既に「情報配信モード」が示される場合は、更新する処理をスキップしてもよい。
配信モードデータ6Dは、図13のように、配信モードデータ記憶部106に予め記憶されている。「ユーザ情報」は、図12に示したデバイス属性データ6Cにおけるユーザ情報と同じ意味を有する情報である。
ユーザデータ送信部107は、配信モードを情報配信モードのまま継続しまたは配信モードが情報配信モードに切り替わると、配信モードデータ6Dを読み出し(#667)、配信モードデータ6Dに示されるユーザ情報を示すユーザデータ6Eを、広告サーバ2Aへ送信する(#668)。
広告サーバ2Aにおいて、デバイス属性データ更新部205は、ユーザデータ6Eを受信し(#611)、デバイス属性データ記憶部206に記憶されているデバイス属性データ6Cの「ユーザ情報」を、受信したユーザデータ6Eに示されるユーザ情報に更新し、「パネル表示」が「○」であれば「×」に更新する(#612)。
〔PCプリントにおける広告の出力〕
図14は、ユーザ端末3の機能的構成の例を示す図である。図15は、ユーザ端末3における広告出力処理の流れを示すフローチャートである。図16は、ユーザ端末3が行う印刷指令処理の流れを示すフローチャートである。図17は、画像形成装置1における広告出力処理の流れを示すフローチャートである。図18は、広告をタッチパネルディスプレイ10eで再生する例を示す図である。図19は、広告サーバ2Aにおける広告出力処理の流れを示すフローチャートである。図20は、送信確認画面5Bをタッチパネルディスプレイ30eに表示する例を示す図である。図21は、広告をタッチパネルディスプレイ30eに再生する例を示す図である。図22は、印刷確認画面5Cをタッチパネルディスプレイ30eに表示する例を示す図である。図23は、画像形成装置1が行う広告印刷処理の流れを示すフローチャートである。図24は、ドキュメントのフッターにコメントを付加する例である。図25は、ドキュメントおよびパンフレットを印刷した用紙の例である。
広告配信サービスアプリケーション30Pによると、図14に示す広告表示部301、印刷条件受付部302、データ送信部303、印刷データ記憶部304、ユーザ情報記憶部305、回答受付部306、広告データ要求部307、および印刷可否回答部308などの機能が実現される。
広告は、ユーザが画像形成装置1にジョブを実行させる際に出力される。以下、画像形成装置1にPCプリントのジョブを実行させる場合を例に、画像形成装置1の各部の処理、広告サーバ2Aの各部の処理、およびユーザ端末3の各部の処理について説明する。
ユーザ端末3は、上述の処理を図15および図16に示す手順で行う。画像形成装置1は、上述の処理を図17および図23に示す手順で行う。広告サーバ2Aは、上述の処理を図19に示す手順で行う。
ユーザは、印刷したいドキュメントを、ワープロソフトまたは描画ソフトなどのアプリケーションを用いて作成し、そのドキュメントのデータをユーザ端末3の印刷データ記憶部304に保存しておく。そして、ユーザ端末3に所定のコマンドを入力することによって、広告配信サービスアプリケーション30Pを起動する。
すると、ユーザ端末3において、広告表示部301ないし印刷可否回答部308は、図15に示す手順で処理を実行する。
広告配信サービスアプリケーション30Pが起動すると(#731)、印刷条件受付部302およびデータ送信部303は、PCプリントのジョブの指令を画像形成装置1へ与えるための処理を行う(#732)。この処理は、図16に示す手順で実行される。
印刷条件受付部302は、ダイアログボックスをタッチパネルディスプレイ30eに表示させる(#751)。
ここで、ユーザは、ダイアログボックスに対して、印刷する対象のドキュメントおよびジョブを実行させる画像形成装置1を選択する。すると、印刷条件受付部302は、ユーザが選択した内容を受け付ける(#752)。
データ送信部303は、ユーザによって選択されたドキュメントのデータを印刷データ記憶部304から読み出す(#753)。そして、選択された画像形成装置1のPDL(Page Description Language)のデータに変換し、そのデータを印刷データ6Fとして画像形成装置1へ送信する(#754)。
データ送信部303は、この際に、ユーザ情報記憶部305からユーザデータ6Gをも読み出し、その画像形成装置1へ送信する。
ユーザデータ6Gは、図12に示したデバイス属性データ6Cにおけるユーザ情報のうちの、そのユーザ端末3を所有するユーザのユーザ情報である。例えば、そのユーザ端末3がユーザ001の所有する端末である場合、ユーザデータ6Gは「ユーザ001 利用端末 スマホ IPアドレス:10.128.bbb.ccc Macアドレス00:11:22:33:44:55」となる。ユーザデータ6Gは、予めユーザ情報記憶部305に記憶されている。
画像形成装置1において、印刷データ6Fおよびユーザデータ6Gが送信されてくると、図17に示す手順で処理を実行する。
デバイス認証部155は、印刷データ6Fおよびユーザデータ6Gを受信すると(図17の#701)、これらの送信元が、画像形成装置1を使用する権限を有する装置であるか否かを次のように判別する(#702)。ユーザデータ6Gに示されるユーザ情報が、配信モードデータ記憶部106に記憶されている配信モードデータ6Dに示されていれば、権限を有すると判別する。示されていなければ、権限を有しないと判別する。
配信モード判断部153は、権限を有するとデバイス認証部155によって判別された場合に、この配信モードデータ6Dに基づき、画像形成装置1が何れの配信モードであるか判断する(#703)。つまり、例えば、配信モードデータ6Dに「情報配信モード」と示される場合は、情報配信モードであると判断する。なお、権限を有しないと判別された場合は、PCプリントのジョブの実行が中止される。
広告表示部151は、配信モードが情報配信モードでない、すなわち広告を画像形成装置1のタッチパネルディスプレイ10eに表示することができるパネル表示モードであると配信モード判断部153によって判断された場合に(#704でNo)、広告データ記憶部101に記憶されている動画ファイル6A2に基づいて、動画をタッチパネルディスプレイ10eで再生する(#705)。これにより、例えば図18のように広告が再生される。
なお、複数の動画ファイル6A2が記憶されている場合は、公知の方法によって、いずれか1つを選択し使用すればよい。後述するステップ#708においても同様である。
選択要求部156は、配信モードが情報配信モードであると判断された場合に(#704でYes)、広告をユーザ端末3で表示するのか画像形成装置1で印刷するのかをユーザに選択させるように要求する選択要求データ6Hおよびユーザデータ6Gを、広告サーバ2Aへ送信する(#706)。
広告サーバ2Aにおいて、送信確認データ生成部251は、選択要求データ6Hおよびユーザデータ6Gが受信されると(図19の#761)、送信確認画面5Bを表示するための送信確認データ6Jを生成し(#762)、ユーザ端末3へ送信する(#763)。
ユーザ端末3において、回答受付部306は、送信確認データ6Jが受信されると(図15の#733)、動画をユーザ端末3で表示するか否かの回答を受け付ける処理を次のように実行する。
回答受付部306は、送信確認データ6Jに基づいて送信確認画面5Bをタッチパネルディスプレイ30eに表示させる(#734)。送信確認画面5Bは、図20のような、動画をユーザ端末3へ送信するか否かをユーザに選択させるための画面である。ユーザは、動画をユーザ端末3に表示させる場合は、OKボタン5B1をタッチする。表示させない場合は、NOボタン5B2をタッチする。
そして、回答受付部306は、タッチされた結果を、表示するか否かの回答として受け付ける(#735)。
印刷可否回答部308は、受け付けた回答に送信可能である旨が示されている場合、つまりOKボタン5B1がタッチされた場合は送信できると判断し、送信不能である旨が示される場合、つまりNOボタン5B2がタッチされた場合は送信できないと判断する(#736)。
広告データ要求部307は、ユーザ端末3へ動画ファイル6A2を送信できると印刷可否回答部308が判断すると(#737でYes)、動画ファイル6A2を画像形成装置1へ要求する(#738)。
画像形成装置1において、広告データ配信部154は、ユーザ端末3からの要求を受け付けると(図17の#707でYes)、広告データ記憶部101から動画ファイル6A2を読み出し(#708)、ユーザ端末3へ送信する(#709)。
印刷部152は、広告表示部151が動画をタッチパネルディスプレイ10eで再生し、または広告データ配信部154が動画ファイル6A2をユーザ端末3へ送信すると、印刷データ6Fに基づいてドキュメントを用紙に印刷する(#710)。なお、用紙には広告を印刷しないのが望ましい。
ユーザ端末3において、広告表示部301は、動画ファイル6A2が受信されると(図15の#739)、動画ファイル6A2に基づいて動画をタッチパネルディスプレイ30eで再生する(#740)。これにより、例えば図21のように広告が表示される。なお、ユーザが、画面に対して左方向にスワイプすると、広告の非表示部分が現れる。
一方、回答受付部306は、動画ファイル6A2をユーザ端末3へ送信できないと印刷可否回答部308が判断すると(図15の#737でNo)、コメントをドキュメントとともに印刷するか否かをユーザに確認する印刷確認画面5Cを図22のようにタッチパネルディスプレイ30eに表示させる(#741)。
ユーザは、コメントをドキュメントとともに印刷する場合はOKボタン5C1をタッチし、印刷しない場合はNOボタン5C2をタッチする。
回答受付部306は、タッチされた結果を、印刷の確認に対する回答として受け付ける(#742)。
すると、印刷可否回答部308は、受け付けた回答に印刷可能である旨が示される場合は印刷可能回答データ6Mを画像形成装置1へ送信し、印刷不能である旨が示される場合は印刷不能回答データ6Nを送信する(#743)。印刷可能回答データ6Mには、コメントをドキュメントとともに印刷できる旨が示され、印刷不能回答データ6Nには、コメントをドキュメントとともに印刷できない旨が示される。
画像形成装置1において、印刷部152は、ユーザ端末3から印刷可能回答データ6Mまたは印刷不能回答データ6Nを受信した場合に(図17の#707でNo)、ドキュメントおよび広告を印刷する処理を行う(#711)。この処理の手順は、図23に示す通りである。
印刷部152は、印刷可能回答データ6Mを受信した場合は(図23の#791でYes)、広告データ記憶部101からコメントデータ6A4を読み出し(#792)、コメントデータ6A4に示されるコメントを、印刷データ6Fに示されるドキュメントとともに印刷する(#793)。例えば、図24のようにドキュメントのフッターにコメントを付加する。
印刷部152は、印刷不能回答データ6Nを受信した場合は(#791でNo)、広告データ記憶部101からパンフレットパスデータ6A3を読み出し(#794)、パスから特定されるパンフレットデータ6Tをダウンロードする(#795)。そして、図25のように、印刷データ6Fに基づいてドキュメントを用紙に印刷し、パンフレットデータ6Tに示される画像(パンフレット)を他の用紙に印刷する(#796)。
〔クラウド印刷における広告の出力〕
図26は、画像形成装置1の機能的構成の一部を示す図である。図27は、クラウド印刷サーバ2Bの機能的構成の例を示す図である。図28は、ユーザ端末3の機能的構成を示す図である。図29は、ユーザ端末3の広告出力処理の流れの例を示すフローチャートである。図30は、クラウド印刷サーバ2Bの広告出力処理の流れの例を示すフローチャートである。図31は、画像形成装置1の広告出力処理の流れの例を示すフローチャートである。
画像形成装置1にクラウド印刷のジョブを実行させる場合に、図5に示した画像形成装置1の機能のうちの、図26に示す機能が使用される。この場合における、画像形成装置1の各部、広告サーバ2Aの各部、クラウド印刷サーバ2Bの各部、ユーザ端末3の各部について説明する。「PCプリントにおける広告の出力」と重複する点については、説明を省略する。
クラウド印刷サーバプログラム20Qによると、図27に示すデバイス属性データ判断部271、出力指示部272、広告データ配信部273、印刷データ送信部274、送信可否確認部275、ユーザ認証部276、ジョブ受付部277、および印刷可否確認部278などの機能がクラウド印刷サーバ2Bに実現される。
図28に示されるウェブブラウザ321の機能、印刷データ記憶部304、およびユーザ情報記憶部305などの機能は、公知のウェブブラウザによって、ユーザ端末3に実現することができる。
ユーザ端末3は、上述の処理を図29に示す手順で行う。クラウド印刷サーバ2Bは、上述の処理を図30に示す手順で行う。画像形成装置1は、広告を出力する処理を図31に示す手順で行う。
ユーザは、ユーザ端末3のウェブブラウザ321を操作してユーザ名およびパスワードを入力し、クラウド印刷サーバ2Bへのログインを試みる。
すると、ウェブブラウザ321は、クラウド印刷サーバ2Bへアクセスし、図29に示す手順で処理を実行する。
ウェブブラウザ321は、入力されたユーザ名およびパスワードをクラウド印刷サーバ2Bへ送信することによって、ログインを要求する(図29の#931)。
クラウド印刷サーバ2Bのユーザ認証部276は、ログインの要求を受け付けると(図30の#901)、送信されてきたユーザ名およびパスワードに基づいて、このユーザが正当なユーザであるか否かを判別し、正当なユーザであればクラウド印刷サーバ2Bへのログインを許可する(#902)。
ログインが許可されたら、ジョブ受付部277は、クラウド印刷のジョブのデータを受け付ける処理を次のように実行する(#903)。
ジョブ受付部277は、クラウド印刷のジョブの指令を画像形成装置1へ与えるためのウェブページのデータ、すなわちジョブの条件を指定するためのウェブページのデータをユーザ端末3へ送信する。
すると、ウェブブラウザ321は、このデータに基づいてこのウェブページを表示する。
ここで、ユーザは、印刷する対象のドキュメントおよびジョブを実行させる画像形成装置1を指定する。
すると、ウェブブラウザ321は、指定されたドキュメントのデータを印刷データ記憶部304から読み出してドキュメントデータ6Sとしてクラウド印刷サーバ2Bへ送信するとともに、ユーザデータ6G、および指定された画像形成装置1を示す装置特定データ6Rを画像形成装置1へ送信する(#932)。
クラウド印刷サーバ2Bにおいて、ジョブ受付部277は、これらのデータをユーザ端末3から受け付ける。そして、ドキュメントデータ6Sを、装置特定データ6Rに示される画像形成装置1に対応しているPDLに変換することによって、印刷データ6Fを生成する。なお、ユーザ端末3においてドキュメントデータ6Sを印刷データ6Fに変換し、クラウド印刷サーバ2Bへ送信してもよい。
デバイス属性データ判断部271は、印刷データ6F、ユーザデータ6G、および装置特定データ6Rが得られると、広告サーバ2Aのデバイス属性データ記憶部206に記憶されている、装置特定データ6Rに示される画像形成装置1のデバイス属性データ6C(図5および図12参照)を取得し(#904)、デバイス属性データ6Cに示されるパネル表示が「○」であるか否か、すなわちこの画像形成装置1が広告を表示できるか否かを判断する(#905)。
出力指示部272は、広告を表示できるとデバイス属性データ判断部271が判断した場合に(#906でYes)、動画の出力の指示をこの画像形成装置1へ送信する(#907)。
印刷データ送信部274は、この指示の送信とともにまたは前後して、印刷データ6Fを画像形成装置1へ送信する(#908)。
画像形成装置1において、図26の広告表示部151は、クラウド印刷サーバ2Bから印刷データ6Fを受信すると(図31の#971)、動画の出力の指示も一緒に受信した場合は(#972でYes)、広告データ記憶部101に記憶されている動画ファイル6A2に基づいて、動画をタッチパネルディスプレイ10eで再生する(#973)。
印刷部152は、広告表示部151が動画を再生すると、印刷データ6Fに基づいてドキュメントを用紙に印刷する(#974)。
クラウド印刷サーバ2Bにおいて、送信可否確認部275は、広告を表示できないとデバイス属性データ判断部271が判断した場合に(図30の#906でNo)、動画ファイル6A2をユーザ端末3に送信してよいか否かを次のように確認する(#909)。
送信可否確認部275は、送信確認画面5B(図20参照)を表示するためのデータをユーザ端末3へ送信する。なお、この場合、画面の文言は「クラウド印刷サーバが広告配信を要求しています。許可しますか?」に変更される。
すると、ユーザ端末3において、ウェブブラウザ321は、このデータに基づいて送信確認画面5Bをウェブページとしてタッチパネルディスプレイ30eに表示させる(#933)。ここで、ユーザは、動画ファイル6A2をユーザ端末3へ送信するか否かを選択する。
ウェブブラウザ321は、選択の結果を示すデータを送信回答データ6Kとして受け付け(#934)、クラウド印刷サーバ2Bへ返信する(#935)。
クラウド印刷サーバ2Bにおいて、広告データ配信部273は、送信可否確認部275がユーザ端末3から受信した送信回答データ6Kに、送信する旨が示される場合は(図30の#910でYes)、広告サーバ2Aの広告データ記憶部201から動画ファイル6A2をダウンロードし(#911)、ユーザ端末3へ転送する(#912)。動画ファイル6A2の転送と並行しまたは前後して、印刷データ送信部274は、印刷データ6Fを画像形成装置1へ送信する(#908)。
ユーザ端末3において、ウェブブラウザ321は、動画ファイル6A2を受信すると(図29の#936でYes)、動画ファイル6A2に基づいて動画をタッチパネルディスプレイ30eで再生する(#937)。
クラウド印刷サーバ2Bにおいて、ユーザ端末3から受信した送信回答データ6Kに、送信しない旨が示される場合は(図30の#910でNo)、印刷可否確認部278は、コメントをドキュメントと同じ面に印刷してもよいか否かを次のように確認する(#913)。
印刷可否確認部278は、印刷確認画面5C(図22参照)を表示するためのデータをユーザ端末3へ送信する。
すると、ユーザ端末3において、ウェブブラウザ321は、このデータを動画ファイル6A2の代わりに受信し(図29の#936でNo)、これに基づいて印刷確認画面5Cをウェブページとしてタッチパネルディスプレイ30eに表示させる(#938)。ここで、ユーザは、コメントをドキュメントとともに印刷するか否かを選択する。
ウェブブラウザ321は、選択の結果を示すデータを印刷回答データ6Lとして受け付け(#939)、クラウド印刷サーバ2Bへ送信する(#940)。
クラウド印刷サーバ2Bにおいて、印刷データ送信部274は、印刷可否確認部278がユーザ端末3から印刷回答データ6Lを受信すると(図30の#914)、印刷データ6Fを、装置特定データ6Rに示される画像形成装置1へ送信する(#915)。この際に、さらに、印刷する旨が印刷回答データ6Lに示される場合は印刷可能回答データ6Mを送信し、印刷しない旨が示される場合は印刷不能回答データ6Nを送信する。
画像形成装置1において、動画の出力の指示が送信されてくることなく(#972でNo)、印刷データ6Fが印刷可能回答データ6Mまたは印刷不能回答データ6Nとともに送信されてきた場合は(#975でYes)、ドキュメントおよび広告を印刷する処理を行う(#976)。この処理の手順は、上述の図23に示した通りである。
一方、印刷データ6Fのみが送信されてきた場合は(#975でNo)、印刷データ6Fに基づいてドキュメントを用紙に印刷する(#974)。この場合は、広告は印刷されない。なお、この場合は、ユーザ端末3において広告は出力される。
図32は、広告サーバ2Aの全体的な処理の流れの例を示すフローチャートである。図33は、画像形成装置1の全体的な処理の流れの例を示すフローチャートである。
次に、画像形成装置1における全体的な処理の流れおよび広告サーバ2Aにおける全体的な処理の流れを、フローチャートを参照しながら説明する。
広告サーバ2Aは、広告配信サーバプログラム20Pに基づいて、図32に示す処理を実行する。広告サーバ2Aは、他の装置からデータを受信するごとに、次の処理を実行する。
広告サーバ2Aは、広告業者端末4から広告配信設定ページ5Aの要求を受け付けると(図32の#11でYes)、広告データ登録処理を行う(#12)。この処理の手順は、前に図7で示した通りである。
これにより、広告サーバ2Aの広告データ記憶部201に、広告データ6Aが記憶される。
または、画像形成装置1から選択要求データ6Hおよびユーザデータ6Gを受信すると(#13でYes)、広告サーバ2Aは、広告出力処理を行う(#14)。この処理の手順は、前に図19で示した通りである。
ステップ#14の処理の後、広告は、ユーザが画像形成装置1にジョブを実行させる際に出力される。
または、クラウド印刷サーバ2Bからデバイス属性データ6Cの取得が要求されると(#15でYes)、広告サーバ2Aは、デバイス属性データ6Cをクラウド印刷サーバ2Bへ送信する(#16)。
または、クラウド印刷サーバ2Bから動画ファイル6A2のダウンロードが要求されると(#17でYes)、広告サーバ2Aは、動画ファイル6A2をクラウド印刷サーバ2Bへ送信する(#18)。
ステップ#16または#18の処理の後、広告は、ユーザが画像形成装置1にジョブを実行させる際に出力される。
広告サーバ2Aは、広告配信サービスを提供している間(#19でNo)、図32に示す各処理を適宜、実行する。
画像形成装置1は、広告配信クライアントプログラム10Pに基づいて、図33に示す処理を実行する。画像形成装置1は、他の装置からデータを受信するごとに、次の処理を実行する。
画像形成装置1は、広告サーバ2Aから広告データ6Aを受信すると(図33の#21でYes)、広告データ登録処理を行う(#22)。この処理の手順は、前に図9で示した通りである。
これにより、画像形成装置1の広告データ記憶部101に、広告データ6Aが記憶される。
または、ユーザ端末3から印刷データ6Fおよびユーザデータ6Gを受信すると(#23でYes)、画像形成装置1は、PCプリントの広告出力処理を行う(#24)。この処理の手順は、前に図17で示した通りである。これにより、広告が、ユーザが画像形成装置1にPCプリントのジョブを実行させる際に出力される。
一方、クラウド印刷サーバ2Bから印刷データ6Fのみを受信すると(#25でYes)、画像形成装置1は、クラウド印刷の広告出力処理を行う(#26)。この処理の手順は、前に図31で示した通りである。これにより、広告が、ユーザが画像形成装置1にクラウド印刷のジョブを実行させる際に出力される。
画像形成装置1は、広告配信サービスを提供している間(#27でNo)、図33に示す各処理を適宜、実行する。
本実施形態によると、広告を表示する機能を備えない画像形成装置1が広告配信システムに存在しても、その画像形成装置1を使用するユーザのユーザ端末3に広告を表示することができ、またはその画像形成装置1から広告を印刷することができる。よって、ユーザに従来よりも広告を確実に閲覧させることができる。
本実施形態では、表示可否データ送信部103、表示可否判断部204、デバイス属性データ更新部205、切替指示部207、配信モード切替部105、およびユーザデータ送信部107によってデバイス属性データ6Cを更新する処理が行われたが、画像形成装置1および広告サーバ2Aが一度でもこの処理を行った場合、以降はこの処理を省略してもよい。
本実施形態では、ユーザは、印刷データ6Fをユーザ端末3から画像形成装置1へ直接的に送信したが、一旦、サーバに保存しておき、画像形成装置1から印刷データ6Fを選択してダウンロードしてもよい。すなわち、プルプリントによって印刷のジョブを実行させてもよい。そして、この場合にも、画像形成装置1またはユーザ端末3は、広告を出力すればよい。
本実施形態では、画像形成装置1が広告を表示できるか否かの判断は、ユーザがPCプリントのジョブの指令またはクラウド印刷のジョブの指令があった時に行われたが、事前に行ってもよい。例えば、画像形成装置1が表示可否データ記憶部104から表示可否データ6Bを読み出した時点で、判断が行われてもよい。
本実施形態では、コメントまたはパンフレットは、印刷部152によって印刷されたが、画像形成装置1のタッチパネルディスプレイ10eまたはユーザ端末3のタッチパネルディスプレイ30eに表示されてもよい。
本実施形態では、動画の表示、コメントの印刷、またはパンフレットの印刷のいずれか1つが選択的に実行されたが、複数が同時に実行されてもよい。
本実施形態では、広告業者端末4は、テキストボックス5A2に動画ファイル6A2のパスを入力させた。しかし、動画ファイル6A2が広告業者端末4以外の装置、例えば、インターネット上のサーバに保存されている場合は、そのURLをテキストボックス5A2に入力させればよい。そして、画像形成装置1は、そのURLに基づいて動画ファイル6A2をダウンロードし、動画を表示すればよい。
本実施形態では、広告業者端末4は、テキストボックス5A3にパンフレットのデータ(例えば、PDFファイル)のURLを入力させたが、パンフレットのデータが広告業者端末4に保存されている場合は、パスを入力させればよい。この場合は、広告業者端末4は、パンフレットパスデータ6A3の代わりにパンフレットのデータを画像形成装置1へ送信すればよい。
本実施形態では、パンフレットはドキュメントと異なる用紙に印刷されたが、同じ用紙の表面にドキュメントを印刷し裏側にパンフレットを印刷してもよい。
本実施形態では、画像形成装置1のタッチパネルディスプレイ10eまたはユーザ端末3のタッチパネルディスプレイ30eは、動画を表示したが、表示するものはこれに限らない。例えば、会社または商品などを説明するウェブページのURLを、表示してもよい。そして、この場合は、ユーザがURLをタッチすると、画像形成装置1またはユーザ端末3は、それに基づいてウェブページをダウンロードし表示すればよい。この場合は、動画およびURLのいずれを表示させるのかを画像形成装置1の設置者が予め設定しておいてもよいし、ユーザに選択させてもよい。
本実施形態では、コメントは、ユーザがドキュメントとともに印刷する旨を回答した場合に印刷されたが、コメントを印刷するか否かを決定する条件はこれに限られない。例えば、印刷部152が、ドキュメントを特定の形式の文書(例えば、見積書または請求書など)でないと判断した場合、ドキュメントに重要度の高い旨を示すキーワード(Confidentialなど)が含まれていないと判断した場合、またはドキュメントが印刷される用紙に十分余白があると判断した場合に、コメントを印刷してもよい。すなわち、コメントは、ユーザの選択によらず自動的に印刷されてもよい。
本実施形態では、コメントをドキュメントのフッターに付加したが、付加される位置はこれに限られない。例えば、ドキュメントのヘッダーに付加してもよい。または、ドキュメントの印刷される用紙の裏面にコメントが印刷されるように印刷データ6Fを生成してもよい。また、コメントの位置は、ユーザの選択に基づいて決定されてもよい。
本実施形態では、PCプリントのジョブを実行する際に広告を表示する場合を例に説明したが、他のジョブを実行する際に広告を表示してもよい。
例えば、「スキャン_TO_PC」のジョブを実行する場合に表示させてもよい。「スキャン_TO_PC」は、画像を用紙から読み取ってファイルを生成し、ユーザが指定したユーザ端末3へ送信するジョブである。または、ファックスのジョブを実行する場合に表示させてもよい。読み取ったファイルをクラウドサーバへ送信するジョブを実行する場合(「スキャン_TO_クラウド」)においても、同様である。
このような「スキャン_TO_PC」のジョブを実行する場合において、印刷部152は、画像化されたコメントと読み取った画像とを公知の技術によって合成し、1つのファイルにしてもよい。また、画像化されたコメントまたはパンフレットを、読み取った画像とは別にユーザ端末3へ送信してもよい。また、画像形成装置1は、読み取った画像をユーザ端末3へ送信し、画像化したコメントまたはパンフレットを印刷してもよい。
本実施形態において、画像形成装置1から出力される用紙を取得する者とユーザ端末3の所有する者とは同一であってもよいし、相違してもよい。例えば、両者が相違するパターンとして、外回り中の社員(外勤者)がユーザ端末3を所有する者であり、社内にいる社員(内勤者)が用紙を取得する者であるパターンがある。両者が相違する場合、広告表示部151、印刷部152、および広告表示部301の全てから、各人に応じた広告をそれぞれ出力してもよい。例えば、外勤者に対して乗換案内のアプリの広告を出力し、内勤者に対して事務用品の広告を出力してもよい。このように出力するために、ユーザデータ6Gにユーザ端末3の所有者の嗜好の情報を含めておき、または、ユーザごとの嗜好の情報を画像形成装置1に記憶させておいてもよい。
PCプリントによる広告の出力の処理およびクラウド印刷による広告の出力の処理は、選択的に実施されてもよい。例えば、画像形成装置1およびユーザ端末3が通信できる距離にあるか否かを予め判断し、通信できる距離にある場合はPCプリントによる広告の出力の処理を行い、そうでない場合はクラウド印刷による広告の出力の処理を行ってもよい。
画像形成装置1は、タッチパネルディスプレイ10eに広告を表示する際、画像形成装置1に備え付けられている全てまたは特定のライトを点灯させまたは点滅させてもよい。
本実施形態において、広告は、ユーザがコマンドまたは情報を入力するための画面に対してポップアップで表示されたが(図18参照)、その画面と入れ替えて、広告だけが表示されてもよい。また、その画面の中にバナーで表示されてもよい。
その他、広告配信システム100、画像形成装置1、広告サーバ2A、クラウド印刷サーバ2B、ユーザ端末3、広告業者端末4の全体または各部の構成、処理の内容、処理の順序、データの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。