JP6727991B2 - 溶融フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、溶融フィルムに関する。
従来、ホットメルト接着材を包装するフィルムとして、ホットメルト接着剤からフィルムを剥がすことなく、そのままホットメルト接着材を溶融させるための150℃程度の高温容器に投入できる、いわゆる溶融フィルムが用いられている。
溶融フィルムに求められる要件としては、溶融操作温度よりも低い温度で溶融すること、短時間で均一溶解すること、及び、製袋後に被包装物を入れた状態で落としても破袋し難いことが求められる。
例えば、特許文献1には、密度が0.898〜0.920g/cmのメタロセン系直鎖状エチレン重合体(A)と、密度が0.905〜0.925g/cmであって直鎖状エチレン重合体(A)より高い密度の直鎖状エチレン重合体(B)とを含む樹脂組成物からなるフィルムからなる溶融袋が開示されている。
また、特許文献2には、融点110℃以下、密度0.915〜0.922g/cm、190℃のメルトフローレートが15〜35g/10minの低密度ポリエチレンからなる溶融袋が開示されている。
更に、特許文献3には、少なくとも2層の内の1層が、多層熱可塑性フィルムの50%より多くを成し、且つ100℃より低い融点を有するものであり、少なくとも他の1層が100℃より高い融点を有する多層熱可塑性フィルムが開示されている。
特許第3685775号公報 特開2014−177284号公報 特許第4550581号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている溶融袋は、包装されるホットメルト接着剤を溶融させる温度である、150℃程度の低温の温度では溶融せず、溶融残渣が接着剤中に残るという問題がある。
また、特許文献2に開示されている溶融袋は、溶融残渣についてはある程度改善されているが、更に低温条件下で溶融することができることについて検討されておらず、低温溶融性が十分でないという問題がある。
また、特許文献3に開示されている多層熱可塑性フィルムは、低温溶融性についてはある程度改善されているが、製袋時のシール強度が十分でなく、製袋安定性に劣り、被包装物を入れた状態で落とされた際に破袋するという問題がある。
更に、特許文献1〜3では、溶融フィルムに求められる耐ブロッキング性について十分に検討されておらず、ホットメルト接着剤等を包装する際に、作業性に劣るという問題がある。
従って、低温で融解することができ、溶融時の残渣の発生が抑制されており、耐ブロッキング性に優れており、製袋後に被包装物を入れた状態で落下させても破袋し難い溶融フィルムの開発が望まれている。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、低温融解性に優れ、溶融時の残渣の発生が抑制されており、耐ブロッキング性に優れており、且つ、製袋後に被包装物を入れた状態で落下させても破袋が抑制された溶融フィルムを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、少なくとも、A層、B層及びC層をこの順に有し、(1)前記溶融フィルムの引張弾性率は、50MPa以上であり、(2)前記A層及びC層は、低密度ポリエチレンを含有し、(3)前記B層は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有し、(4)前記低密度ポリエチレン及びエチレン酢酸ビニル共重合体は、温度190℃、荷重2.16kgfの条件下で測定したメルトフローレートが10g/10min以上である溶融フィルムによれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の溶融フィルムに関する。
1.少なくとも、A層、B層及びC層をこの順に有する溶融フィルムであって、
(1)前記溶融フィルムの引張弾性率は、50MPa以上であり、
(2)前記A層及びC層は、低密度ポリエチレンを含有し、
(3)前記B層は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有し、
(4)前記低密度ポリエチレン及びエチレン酢酸ビニル共重合体は、温度190℃、荷重2.16kgfの条件下で測定したメルトフローレートが10g/10min以上であ
(5)下記方法により試験される低温溶融性試験において、溶け残ったフィルム片の面積が9cm 未満である、
ことを特徴とする溶融フィルム。
[低温溶融性試験]
150℃に加熱したシリコーンオイル中に10cm×10cmの面積の厚さ30μmの溶融フィルムを投入し、40分後の溶融フィルムの面積を測定する。
2.前記低密度ポリエチレンの密度は、0.910〜0.930g/cmである、項1に記載の溶融フィルム。
3.前記エチレン酢酸ビニル共重合体の含有量は、前記溶融フィルムを100質量%として50質量%未満である、項1又は2に記載の溶融フィルム。
4.前記B層の厚み比は、前記溶融フィルムの厚みを100%として、50%未満である、項1〜3のいずれかに記載の溶融フィルム。
本発明の溶融フィルムは、低温融解性に優れ、溶融時の残渣の発生が抑制されており、耐ブロッキング性に優れており、且つ、製袋後に被包装物を入れた状態で落下させても破袋が抑制されている。
本発明の溶融フィルムの層構成の一例を示す断面図である。
本発明の溶融フィルムは、少なくとも、A層、B層及びC層をこの順に有する溶融フィルムであって、(1)前記溶融フィルムの引張弾性率は、50MPa以上であり、(2)前記A層及びC層は、低密度ポリエチレンを含有し、(3)前記B層は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有し、(4)前記低密度ポリエチレン及びエチレン酢酸ビニル共重合体は、温度190℃、荷重2.16kgfの条件下で測定したメルトフローレートが10g/10min以上である溶融フィルムである。本発明の溶融フィルムは、弾性率が50MPa以上であり、A層及びC層は、低密度ポリエチレンを含有するので、耐ブロッキング性に優れており、製袋後に袋を落下させた際の破袋が抑制されている。また、B層がエチレン酢酸ビニル共重合体を含有しており、且つ、A層及びC層が含有する低密度ポリエチレン、及びB層が含有するエチレン酢酸ビニル共重合体のメルトフローレートが10g/10min以上であるので、低温で融解することができ、溶融時の残渣の発生が抑制されている。
以下、本発明の溶融フィルムについて詳細に説明する。
本発明の溶融フィルムの層構成としては、A層、B層、C層をこの順に有していれば特に限定されず、接着層等の他の層を有していてもよい。溶融残渣の接着剤中への残留を抑制することができる点で、上記A層、B層及びC層のみからなることが好ましい。以下、かかる層構成の溶融フィルムを代表例として、各層について具体的に説明する。
(A層及びC層)
A層及びC層は、本発明の溶融フィルムの層構成において、B層の両側に位置する層である。本発明の溶融フィルムを用いてホットメルト接着剤を包装する際に、ホットメルト接着剤と接する層を内層、反対側の層を外層とすると、本発明の溶融フィルムの内層及び外層となる層である。A層及びC層は、厚み、組成が同一の層であってもよく、A層及びC層のうちどちらの層が内層であってもよい。
A層及びC層は、低密度ポリエチレンを含有する。本発明で用いられる低密度ポリエチレンとしては特に限定されず、従来公知の低密度ポリエチレンを用いることができる。上記低密度ポリエチレンの密度は、0.910〜0.930g/cmが好ましく、0.910〜0.920g/cmがより好ましい。
本明細書において、密度は、JIS K6760に準拠した測定方法により測定される密度である。
上記低密度ポリエチレンは、メルトフローレート(MFR)が10g/10min以上である。低密度ポリエチレンのMFRが10g/10min未満であると、溶融フィルムが低温溶解性に劣り、溶融時の残渣の発生を抑制できない。低密度ポリエチレンのMFRは、15g/10min以上が好ましい。また、低密度ポリエチレンの上限は特に限定されないが、溶融フィルムを用いて製造された溶融袋の破袋がより抑制される点で、好ましい上限は30g/10minであり、より好ましい上限は25g/10minである。
なお、上記低密度ポリエチレンのMFRは、ASTM D1238に基づき190℃、荷重2.16kgfの条件で測定される値である。
本発明で使用される低密度ポリエチレンは、商業的に入手可能である。本発明で使用される低密度ポリエチレンの市販品としては、例えば、日本ポリエチレン社製の商品名「ノバテックLJ802」、ダウケミカル社製の商品名「DNDJ‐0405」、東ソー社製の商品名「ペトロセン208」、「ペトロセン202」、旭化成ケミカルズ社製の商品名「サンテックM6520」等が挙げられる。
A層及びC層は、本発明の溶融フィルムの特性が著しく損なわれない範囲内において、上記低密度ポリエチレンの他に、スリップ剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含有していてもよい。
上記スリップ剤としては特に限定されず、従来公知のスリップ剤を用いることができる。このようなスリップ剤としては、例えば、エルカ酸アミド等が挙げられる。
A層及びC層中のスリップ剤の含有量の好ましい上限は、それぞれの層において3,000ppmであり、より好ましい上限は1,500ppmである。スリップ剤の含有量を上記範囲とすることにより、本発明の溶融フィルムがより優れた耐ブロッキング性を示すことができ、且つ、より優れた低温溶解性を示すことができ、溶融時の残渣の発生を、より少なくすることができる。スリップ剤の含有量の下限は特に限定されず、0ppmが好ましい。
A層及びC層のそれぞれの厚みは特に限定されず、3〜15μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。
(B層)
B層は、本発明の溶融フィルムの層構成において、A層及びC層の間に位置する層であり、中間層となる層である。
B層は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有する。エチレン酢酸ビニル共重合体としては、酢酸をコモノマーとしてエチレンと共重合した樹脂であれば特に限定されない。
上記エチレン酢酸ビニル共重合体は、MFRが10g/10min以上である。エチレン酢酸ビニル共重合体のMFRが10g/10min未満であると、溶融フィルムが低温溶解性に劣り、溶融時の残渣の発生を抑制できない。エチレン酢酸ビニル共重合体のMFRは、15g/10min以上が好ましい。また、エチレン酢酸ビニル共重合体の上限は特に限定されないが、溶融フィルムを用いて製造された溶融袋の破袋がより抑制される点で、好ましい上限は30g/10minであり、より好ましい上限は25g/10minである。
なお、上記エチレン酢酸ビニル共重合体のMFRは、ASTM D1238に基づき190℃、荷重2.16kgfの条件で測定される値である。
本発明で使用されるエチレン酢酸ビニル共重合体は、商業的に入手可能である。本発明で使用されるエチレン酢酸ビニル共重合体の市販品としては、例えば、三井デュポンポリケミカル社製の商品名「V406」、宇部丸善ポリエチレン社製の商品名「UBEポリエチレン(EVA)V315」等が挙げられる。
上記エチレン酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含有量(VA量)が10〜30質量%であることが好ましく、15〜25質量%であることがより好ましい。エチレン酢酸ビニル共重合体のVA量が上記範囲であることにより、本発明の溶融フィルムがより低温溶融性に優れ、残渣の発生が抑制される。
B層は、本発明の溶融フィルムの特性が著しく損なわれない範囲内において、上記エチレン酢酸ビニル共重合体の他に、スリップ剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含有していてもよい。
上記スリップ剤としては、上記A層及びC層に用いるスリップ剤と同一のものを用いることができる。上記B層がスリップ剤を含有することにより、A層及びC層中のスリップ剤のB層側への移行を抑制して、B層とは反対側の表面へのブリードアウトを促進することができ、本発明の溶融フィルムがより優れた耐ブロッキング性を示すことができる。
B層中のスリップ剤の含有量の好ましい上限は4,000ppmであり、より好ましい上限は3,000ppmである。スリップ剤の含有量を上記範囲とすることにより、本発明の溶融フィルムがより優れた耐ブロッキング性を示すことができ、且つ、より優れた低温溶解性を示すことができ、溶融時の残渣の発生を、より少なくすることができる。スリップ剤の含有量の下限は特に限定されず、0ppmが好ましい。
B層の厚みは特に限定されず、5〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
本発明の溶融フィルム中のB層の厚み比は、溶融フィルムの総厚みを100%として、50%未満が好ましく、48%未満がより好ましい。また、B層の厚み比の好ましい下限は40%であり、より好ましい下限は43%である。B層の厚みを上記範囲とすることにより、本発明の溶融フィルムが、より優れた耐落下破袋性を示すことができる。
(溶融フィルム)
本発明の溶融フィルムは、引張弾性率が50MPa以上である。引張弾性率が50MPa未満であると、低温溶融性に劣り、溶融時の残渣の発生が抑制されず、且つ、製袋時に溶融フィルムの走行安定性が低下し、製袋が困難となる。引張弾性率は、60MPa以上が好ましく、65MPa以上がより好ましい。また、引張弾性率の好ましい上限は100MPaであり、より好ましい上限は90MPaである。
なお、本明細書において、引張弾性率は、2%モジュラスの引張弾性率であり、具体的には、JIS K7127に準拠した測定方法により、引張試験機(ミネベア社製)を用いて、15mm×140mmの短冊型の試験片により、室温環境下で引張速度200mm/min、チャック間距離100mm、伸度2%の条件で荷重の値(N/15mm)を測定し、引張弾性率とすることにより測定される値である。
溶融フィルム中のエチレン酢酸ビニル共重合体の含有量は、溶融フィルムを100質量%として50質量%未満が好ましく、48質量%以下がより好ましい。また、エチレン酢酸ビニル共重合体の含有量の好ましい下限は、40質量%であり、より好ましい下限は43質量%である。エチレン酢酸ビニル共重合体の含有量を上記範囲とすることにより、溶融フィルムが優れた低温溶解性を示すことができ、且つ、溶融フィルムを用いて製袋する際のシール強度が向上して、優れた製袋安定性を示すことができる。
溶融フィルムの厚みは特に限定されず、袋に充填するホットメルト接着剤等の製品の量によって、適宜選択することができるが、10〜500μm程度が好ましく、25〜50μmがより好ましい。
(製造方法)
本発明の溶融フィルムの製造方法としては特に限定されず、多層押出等のTダイフィルム成形機等を用いた従来公知の製造方法により製造することができる。具体的には、A層、B層及びC層の各層を形成するための樹脂組成物を調製し、例えば、3層同時押出しのTダイフィルム成形機のシリンダーに入れて140〜170℃の温度で溶融混練し、3層同時押出しを行うことにより製造することができる。
本発明の溶融フィルムを用いて溶融袋を形成する方法としては特に限定されず、常法によって溶融フィルムを製袋することにより製造することができる。
上記溶融袋の形態は、特に限定されず、例えば、四方シール袋、三方シール袋、二方シール袋、ガセット包装袋、又はピロー包装袋等が挙げられる。また、溶融袋の大きさは、例えば、縦20〜50cm×横10〜40cmの範囲内である。
本発明の溶融フィルムを用いて形成された溶融袋で包装される対象は、好ましくはホットメルト接着剤である。なかでも合成ゴム、及びタッキファイヤを含有するホットメルト接着剤が好ましい。本発明の溶融フィルムは、このようなホットメルト接着剤と良好な相溶性を有する。
本発明の溶融フィルムを用いて製造された溶融袋は、低温(例、150℃付近)でほとんど又は全く残渣が残らないように融解でき、長期間保管した状態でもブロッキングがおこらず、かつ被包装物を入れた状態で落とされても破袋しにくい。
上記溶融袋は、ホットメルト接着剤を包装することにより、包装ホットメルト接着剤とすることができる。上記包装ホットメルト接着剤は、例えば、上記溶融袋の開口部からホットメルト接着剤を入れ、当該開口部をシールすることによって製造される。
本発明の溶融フィルムを用いて製造された包装ホットメルト接着剤は、ホットメルト接着剤を溶融袋から取り出すことなく、包装ホットメルト接着剤を丸ごと溶融させることにより、接着剤として使用できる。
以下、本発明の実施例について説明する。本発明は、下記の実施例に限定されない。
なお、実施例及び比較例で用いた原料は以下のとおりである。
(低密度ポリエチレン)
・日本ポリエチレン社製 商品名「ノバテックLJ802」密度0.918、MFR22
・ダウケミカル社製 商品名「DNDJ-0405」密度0.915、MFR25
・東ソー社製 商品名「ペトロセン208」融点111℃、密度0.924、MFR23
・日本ポリエチレン社製 商品名「ノバテックLF440HB」密度0.925、MFR2.8
(エチレン酢酸ビニル共重合体)
・三井デュポンポリケミカル社製 商品名「V406」VA20%、MFR20
・三井デュポンポリケミカル社製 商品名「EV560」VA14%、MFR3.5
・三井デュポンポリケミカル社製 商品名「V421」VA28%、MFR4
(スリップ剤)
・日本ポリエチレン社製 商品名「ノバテックLJ802」(密度0.918、MFR22)と、エルカ酸アミドとの95:5(質量比)混合品
(溶融フィルムの製造)
表1に示すように、A層及びC層(内外層)、並びに、B層(中間層)を形成するための樹脂を用意した。これらの樹脂に、表1に示す配合量のスリップ剤を添加して、各層を形成するための樹脂組成物を調製し、厚み30μmの溶融フィルムを製造した。フィルムの成形は、溶融フィルムの総厚みのリップクリアランスが3mmの3層同時押出しのTダイフィルム成形機(75mm径押出機)を用いて行い、成形条件は樹脂温度180℃、引取速度35m/分とした。
得られたフィルムについて、以下の測定条件により特性を評価した。
[引張弾性率]
2%モジュラスの引張弾性率を測定した。具体的には、JIS K7127に準拠した測定方法により、引張試験機(ミネベア社製)を用いて、15mm×140mmの短冊型の試験片により、室温環境下で引張速度200mm/min、チャック間距離100mm、伸度2%の条件で荷重の値(N/15mm)を測定し、引張弾性率とした。
[各層の厚み比]
製造した溶融フィルムを切断し、断面を顕微鏡で観察し、各層の厚み比を測定した。
[エチレン酢酸ビニル共重合体比率]
製造された溶融フィルム中のエチレン酢酸ビニル共重合体の含有量を、以下の測定方法により測定した。具体的には、島津製作所社製示差走査熱量測定装置(DSC)により、昇温速度10℃/分の条件で吸熱面積比を測定し、エチレン酢酸ビニル共重合体比率を測定した。
[低温溶融性]
150℃に加熱したシリコーンオイル中に10cm×10cmの面積の厚さ30μmの溶融フィルムを投入し、40分後の溶融フィルムの状態を、以下の基準で評価した。
○:溶け残りが全くない又は溶け残ったフィルム片が小さい(面積4cm未満)。
△:溶け残ったフィルム片がやや大きい(面積4cm以上9cm未満)。
×:溶け残ったフィルム片が大きい(面積9cm以上)。
[耐ブロッキング性]
溶融フィルムを重ね合わせ、重ね合わせたフィルム上に荷重10kgの錘を載せ、50℃のオーブン中に3日間放置した。オーブン中から重ね合わせた溶融フィルムを取り出して剥がす際のブロッキングの程度を、以下の基準で評価した。
○:重ね合わせた溶融フィルムはブロッキングしておらず、容易に剥がすことができた。
△:重ね合わせた溶融フィルムは少しブロッキングしていたが、剥がすのに困難はなかった。
×:重ね合わせた溶融フィルムはブロッキングしており、剥がすのが困難であった。
[耐落下破袋性]
重さ2kgのホットメルト接着剤を入れた溶融フィルムを高さ1mから落下させて破れた回数を測定し、以下の基準で評価した。
○:10回の試験で袋が破れた回数が0〜1回であった。
△:10回の試験で袋が破れた回数が2〜5回であった。
×:10回の試験で袋が破れた回数が6〜10回であった。
[シール強度及び製袋安定性]
製造された溶融フィルムを用いて、三光機械社製の充填機により、ホットメルト接着剤の包装を行い、シール強度の安定性及び製袋安定性を以下の基準で評価した。
○:シール強度が充分出ており、且つフィルムの走行安定性も問題なし。
△:シール強度及びフィルム走行安定性にやや懸念があるが、使用可能なレベル。
×:シール強度が満足に出ず(破れる)、更に、フィルムも安定走行しない。
結果を表1に示す。
1…溶融フィルム、2…A層(内層)、3…B層(中間層)、4…C層(外層)

Claims (4)

  1. 少なくとも、A層、B層及びC層をこの順に有する溶融フィルムであって、
    (1)前記溶融フィルムの引張弾性率は、50MPa以上であり、
    (2)前記A層及びC層は、低密度ポリエチレンを含有し、
    (3)前記B層は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有し、
    (4)前記低密度ポリエチレン及びエチレン酢酸ビニル共重合体は、温度190℃、荷重2.16kgfの条件下で測定したメルトフローレートが10g/10min以上であ
    (5)下記方法により試験される低温溶融性試験において、溶け残ったフィルム片の面積が9cm 未満である、
    ことを特徴とする溶融フィルム。
    [低温溶融性試験]
    150℃に加熱したシリコーンオイル中に10cm×10cmの面積の厚さ30μmの溶融フィルムを投入し、40分後の溶融フィルムの面積を測定する。
  2. 前記低密度ポリエチレンの密度は、0.910〜0.930g/cmである、請求項1に記載の溶融フィルム。
  3. 前記エチレン酢酸ビニル共重合体の含有量は、前記溶融フィルムを100質量%として50質量%未満である、請求項1又は2に記載の溶融フィルム。
  4. 前記B層の厚み比は、前記溶融フィルムの厚みを100%として、50%未満である、請求項1〜3のいずれかに記載の溶融フィルム。
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