JP6727396B2 - エレベーターの補修装置 - Google Patents
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Description
・エレベーターからロープを長時間取り外す必要が有り、エレベーターを長時間停止させる必要がある。
・再切削深さには限度があるため、或る深さ以上の摩耗段差が発生するとシーブを交換する必要がある。
・再切削によりシーブの有効径が小さくなるため、ロープの損傷を早めることが懸念される。
図1は、本実施の形態1によるエレベーターの補修装置を概略的に示している。この状態では、エレベーターのシーブ1からロープが取り外されている。ただし、後述するように、ロープが有っても問題は無い。シーブ1は、エレベーターの巻き上げ機又はクレーンの巻き上げ機の駆動綱車、そらせ車、又は滑車と称されるもので、周知のように円周面にロープ溝、すなわちシーブ溝20が複数形成されており、ロープがシーブ溝20上で巻回されると共に紙面鉛直方向に延在する軸上を回転する。
このような構成により、駆動機からシーブ1を取り外すことなくシーブ溝20の補修が可能となる。
なお、形状センサ4と補修剤射出機6と制御装置8と記憶装置30とで3次元プリンタを形成している。
まず、本補修装置を補修対象となる1つ目の溝に対して射出機6、形状センサ4、及び洗浄機3が平行になるよう配置する。すなわち、図2に示すように、洗浄機3を溝底部2の洗浄が可能な位置に配置し、洗浄機3を稼働させながらシーブ1を回転させ、油や汚れなどのシーブ表面付着物9を除去する。
一つ目の例としては、図5に示すように、シーブ溝20における形状10aと形状10cとの段差が無くなるまで溝を補修する場合、すなわち摩耗量が最小の溝形状となるまで他の溝を補修する場合が挙げられる。
三つ目の例としては、図7に示すように、補修剤7によって新品のシーブ溝形状10aとは異なる別のシーブ溝形状10dに補修させる場合である。
本発明の本質的な目的は、シーブ溝20の摩耗を正常な状態に修繕することであるが、実施の形態1に示したシーブ溝20の補修装置では、補修剤射出機6によって溝を補修することでシーブ溝20を切削することなくシーブ溝20を正常な状態に修復することが可能である。
一般に、シーブ1の切削深さには機器構成上の限界があり、かつシーブ溝20を切削することはシーブ溝20に巻き付けられるロープの曲率半径を小さくするためロープの短寿命化の原因となり得る。本補修装置では、溝切削による上記の悪影響を受けること無くシーブ溝20の補修が可能である。
例えば、エレベーターが利用されている建物の都合によって補修期間が長く確保できない場合においては、摩耗が集中している特定のシーブ溝20の補修を優先することが有効である。
このような場合に、本発明の方法でシーブ溝20を補修し溝形状を変化させることでシーブ1又は巻上機そのものを交換する必要がなくなり、エレベーターの改修に必要な部品を削減することが可能となる。
上記の実施の形態1では、ロープ11をシーブ1から取り外して補修することを前提としていたが、本実施の形態では、ロープ11を巻き掛けたままシーブ溝20を補修するものであり、その方法について、図8を参照して以下に説明する。
制御装置8において、エレベーターと本補修装置の制御機構とを連動させることで、エレベーターの運転状況に合わせてシーブ溝補修の時間帯を制御することが可能となる。
すなわち、シーブを回転させつつ補修剤を射出するので、ロープが巻掛かっていても、綱車全周に渡り、シーブ溝を補修する。
実施の形態2によるシーブ溝の補修装置では、実施の形態1において記載した効果に加えて、下記の効果が得られる。
・夜間に利用されないエレベーターにおいては夜間のみ通常のサービスを停止して夜間に自動で溝を修復する。
・エレベーターのサービスが停止できない場合にはエレベーターのサービスを継続したまま運転中に少量ずつ溝を修復する。
・本修復装置を常時設置しない場合においても、エレベーターの保守員やエレベーターの管理者の判断により、本修復装置による補修を実施する時間帯を予め決定し、上記と同様の運用とすることが可能である。
上記の実施の形態2では、駆動機構を有するシーブ1にロープ11を巻き付けたまま補修することを前提としていたが、本実施の形態では、図9に示すように、図8に示す実施の形態2に対して、上記のシーブ1を駆動シーブ1aとし、これに従動シーブ1bを加え、ロープ11を両シーブ1a及び1bに巻き掛けた従動シーブ1bを補修するものである。
図9では回転量の信号が駆動シーブ1aから出力される場合を記載しているが、従動シーブ1bに回転角検出装置を取り付け、従動シーブ1bから回転量を直接出力してもよい。
実施の形態3に示したシーブ溝補修装置では、上記の実施の形態2において記載した効果が、それ自体が駆動機構を持たない従動シーブ1bを補修対象とした場合についても得られる。
上記の実施の形態1〜3では、シーブ溝20に補修剤7を投射することによりシーブ溝20の形状を成形する場合について記載したが、本実施の形態では、図10に示すように、切削工具12を加え、上記実施の形態1〜3に加えて仕上げ加工を実施するものである。
なお、切削工具12は図10に示すように本補修装置に一体化した構成とする他、別途工具を取り付ける構成としてもよい。
実施の形態4に示したシーブ溝補修装置では、上記の実施の形態1〜3において示した方法に加えて切削による仕上げ加工を実施するので、溝形状を精度良く仕上げることができる。実施の形態4において示したように補修剤7を補修後の溝の形状10bよりも厚肉化、或いは表面が粗い状態となるように投射した後に切削加工する場合においては、射出機6による補修精度が粗くても良いため、補修剤7の投射のみによって溝を成形する実施の形態1〜3に対して時間を短縮できる。
Claims (6)
- シーブ溝の設定された形状データを記憶する記憶装置と、
前記シーブ溝の形状を計測する形状センサと、
前記シーブ溝に補修剤を投射する射出機と、
前記記憶装置に設定された形状データと前記形状センサによって計測されたデータとを比較して前記射出機から射出される補修剤の量を制御する制御装置とを備え、
前記射出機は、前記シーブ溝を有するシーブの回転中心から見てロープの巻掛かっていない側から前記シーブ溝に向けて前記補修剤を射出する位置に設置されている
エレベーターの補修装置。 - 前記制御装置は、前記シーブを回転させる駆動機に接続されており、前記駆動機から回転量の信号を入力するとともに前記補修剤が投射される前記シーブ溝の面に相当する投射面の調整のために必要な回転量を前記駆動機に指令して前記シーブを設定された位置に停止させる
請求項1に記載のエレベーターの補修装置。 - 前記シーブ溝に補修剤を投射する前に前記投射面を清掃する洗浄機をさらに備えた
請求項2に記載のエレベーターの補修装置。 - 前記シーブは、前記ロープが共通に巻掛かった駆動シーブ及び従動シーブで構成され、前記駆動機は前記駆動シーブに接続されており、
前記形状センサ及び前記射出機は、補修対象となる前記従動シーブに対して設けられ、
前記制御装置は、前記記憶装置に設定された前記従動シーブの形状データと前記形状センサによって計測された前記従動シーブのデータとを比較して前記射出機から前記従動シーブのシーブ溝に対して射出される補修剤の量を制御するとともに、前記従動シーブにおける前記投射面の調整のために必要な回転量を前記駆動シーブを回転させる駆動機に指令して前記駆動シーブを設定された位置に停止させる
請求項2に記載のエレベーターの補修装置。 - 前記シーブ溝に補修剤を投射した後に、前記補修剤による肉盛を仕上げるための切削機をさらに備えた
請求項2に記載のエレベーターの補修装置。 - 前記記憶装置と前記形状センサと前記射出機と前記制御装置とで3次元プリンタを構成する
請求項1から5のいずれか一項に記載のエレベーターの補修装置。
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