JP6726986B2 - シール装置、回転機械 - Google Patents

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Description

本発明は、シール装置、及び回転機械に関する。
例えば蒸気タービンのような回転機械は、軸線に沿って延びるロータと、ロータを外周側から覆うケーシングと、を備えている。ロータの外周面には、軸線の周方向に配列された動翼が複数段にわたって設けられている。ケーシングの内周面には、上記の動翼に対して軸線方向に互い違いになるようにして複数段の静翼が設けられている。これら動翼と静翼との間に高温高圧の蒸気が流通することでロータは回転エネルギーを得て軸線回りに回転駆動される。ロータの回転運動は軸端に連結された発電機等を駆動するために利用される。
ここで、ロータの円滑な回転を実現するため、上記のような動翼の外周端部(シュラウド)とケーシングの内周面との間には一定のクリアランスが設けられることが一般的である。しかしながら、当該クリアランスを流通する蒸気は、動翼に衝突することなく下流側に流れ去ってしまうことから、ロータの回転駆動に際して何ら寄与するところがない。したがって、このクリアランスにおける蒸気の流通(漏れ)を可能な限り低減するための技術が必要となる。このような技術の一例として、下記特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1に記載された装置は、回転体を覆うケーシング(静止部)の内周面に間隔をあけて設けられた複数のラビリンスフィンを備えている。
さらに、隣り合う一対のラビリンスフィン同士の間の領域では、回転体の回転に伴って蒸気が当該回転体の回転方向に旋回することで旋回流(スワール)が形成される。このようなスワールが発達した場合、ロータ(回転体)の振れ回り振動(自励振動)が生じてしまうことが知られている。そこで、下記特許文献1に係る装置では、ラビリンスフィン同士の間に案内羽根が設けられている。
特開2007−120476号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、案内羽根が蒸気の流れに対して大きな抵抗となるため、蒸気が当該案内羽根を避けて、ラビリンスフィンとロータとの間の間隙に流れ込んでしまう可能性がある。つまり、蒸気の流れをシールするとの目的を十分に達成することができなくなってしまう。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、十分なシール性能を有するとともに、スワールを低減することが可能なシール装置、及び回転機械を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様によれば、シール装置は、軸線回りに回転可能な回転体の外周面と、該回転体を外周側から覆うケーシングとの間を軸線方向一方側から他方側に向かって流通する流体の流れをシールするシール装置であって、前記ケーシングの内周面から軸線の径方向内側に向かって延びるとともに、軸線方向に配列された複数のシールフィンと、前記複数のシールフィンのうち、最も軸線方向一方側に位置する第一シールフィンと、該第一シールフィンの軸線方向他方側に隣接して設けられた第二シールフィンとを軸線方向に連結するとともに、周方向に間隔をあけて配列された複数のスワールブレーカと、を備え、前記第一シールフィンには、該第一シールフィンを軸線方向に貫通する貫通部が形成され、該貫通部は、前記第一シールフィン上において、周方向に隣接する一対の前記スワールブレーカによって画成される単位領域のうち、前記回転体の回転方向前方側、かつ前記第一シールフィンにおける径方向外側の領域に偏って形成されている
この構成によれば、第一シールフィンに貫通部が形成されていることにより、当該貫通部を通じて、蒸気を第一シールフィンと第二シールフィンとの間の空間に円滑に導くことができる。当該空間に導かれた蒸気は、軸線の周方向に旋回するスワール流れを形成するが、スワールブレーカによってこのスワール流れの発達を抑制することができる。すなわち、貫通部が設けられることによって、スワールブレーカに向けて蒸気が積極的に案内されるため、当該スワールブレーカを十分に機能させることができる。
ここで、スワール流れは、回転体の回転に伴って発生する。すなわち、このスワール流れは、軸線方向一方側から他方側に向かうにしたがって、回転体の回転方向後方側から前方側に向かうように流れる。上記のような構成によれば、第一シールフィン上における単位領域内のうち、回転方向前方側の領域に貫通部が形成されることから、スワール流れの流れ方向と、第一シールフィン上で貫通部が設けられる位置とを対応させることができる。これにより、当該貫通部にスワール流れを円滑に導くことができる。
さらに、この構成によれば、貫通部が第一シールフィン上の単位領域における径方向外側の領域に形成されていることから、当該貫通部を通じて第一シールフィンと第二シールフィンとの間の空間に導かれた蒸気を、当該空間に設けられたスワールブレーカに向けて積極的に案内することができる。すなわち、貫通部が形成されることによって、スワールブレーカを十分に機能させることができる。
本発明の第の態様によれば、上記のシール装置では、前記スワールブレーカは、軸線の径方向から見て、該軸線の一方側から他方側に向かうにしたがって前記回転体の回転方向前方側から後方側に向かって延びていてもよい。
この構成によれば、スワールブレーカが軸線の一方側から他方側に向かうにしたがって回転方向前方側から後方側に向かって延びている。すなわち、スワールブレーカの延びる方向と、スワール流れの流れ方向とがなす角度を直角に近づけることができる。これにより、当該スワール流れをスワールブレーカによって十分に遮ることができる。
本発明の第の態様によれば、上記のシール装置では、軸線の径方向における前記貫通部の寸法は、軸線の径方向における前記第一シールフィンと前記回転体の外周面との間の離間寸法よりも大きく設定されていてもよい。
この構成によれば、スワール流れが第一シールフィンと回転体の外周面との間に流れ込む可能性が低減されるとともに、当該スワール流れを貫通部により円滑に導くことができる。
本発明の第の態様によれば、シール装置は、軸線回りに回転可能な回転体の外周面と、該回転体を外周側から覆うケーシングとの間を軸線方向一方側から他方側に向かって流通する流体の流れをシールするシール装置であって、前記ケーシングの内周面から軸線の径方向内側に向かって延びるとともに、軸線方向に配列された複数のシールフィンと、前記複数のシールフィンのうち、最も軸線方向一方側に位置する第一シールフィンと、該第一シールフィンの軸線方向他方側に隣接して設けられた第二シールフィンとを軸線方向に連結するとともに、周方向に間隔をあけて配列された複数のスワールブレーカと、を備え、前記第一シールフィンには、該第一シールフィンを軸線方向に貫通する貫通部が形成され、該貫通部は、前記第一シールフィン上において、周方向に隣接する一対の前記スワールブレーカによって画成される単位領域のうち、前記単位領域における相対的に径方向外側の領域に形成された第一貫通孔、及び相対的に径方向内側の領域に形成された第二貫通孔であって、前記第一貫通孔は、軸線方向一方側から他方側に向かうにしたがって前記回転体の回転方向後方側から前方側に向かって延びて、前記第二貫通孔は、軸線方向一方側から他方側に向かうにしたがって前記回転体の回転方向前方側から後方側に向かって延びる。
本発明の第五の態様によれば、シール装置は、軸線回りに回転可能な回転体の外周面と、該回転体を外周側から覆うケーシングとの間を軸線方向一方側から他方側に向かって流通する流体の流れをシールするシール装置であって、前記ケーシングの内周面から軸線の径方向内側に向かって延びるとともに、軸線方向に配列された複数のシールフィンと、前記複数のシールフィンのうち、最も軸線方向一方側に位置する第一シールフィンと、該第一シールフィンの軸線方向他方側に隣接して設けられた第二シールフィンとを軸線方向に連結するとともに、周方向に間隔をあけて配列された複数のスワールブレーカと、を備え、前記第一シールフィンには、該第一シールフィンを軸線方向に貫通する貫通部が形成され、該貫通部は、前記第一シールフィン上において、周方向に隣接する一対の前記スワールブレーカによって画成される単位領域のうち、前記単位領域における相対的に径方向外側の領域に形成された第一貫通孔、及び相対的に径方向内側の領域に形成された第二貫通孔であって、前記第一貫通孔は、軸線方向一方側から他方側に向かうにしたがって前記回転体の回転方向後方側から前方側に向かって延びて、前記第二貫通孔は、軸線方向一方側から他方側に向かうにしたがって前記回転体の回転方向前方側から後方側に向かって延び、前記スワールブレーカは、軸線の径方向から見て、該軸線の一方側から他方側に向かうにしたがって前記回転体の回転方向前方側から後方側に向かって延びている。
この構成によれば、径方向外側に位置する第一貫通孔を通過した蒸気は、軸線方向一方側から他方側に向かうにしたがって回転体の回転方向後方側から前方側に向かって流れる。他方で、径方向内側に位置する第二貫通孔を通過した蒸気は、軸線方向一方側から他方側に向かうにしたがって回転方向前方側から後方側に向かって流れる。これにより、第一シールフィンと第二シールフィンとの間に形成される空間内では、軸線方向一方側から見て時計回りに流れる渦が形成される。すなわち、回転体の外周面近傍(第一シールフィン、又は第二シールフィンの径方向内側の端部近傍)では、軸線方向一方側から見て、上記の渦の流れ方向と、スワール流れの流れ方向とが互いに対向した状態となる。したがって、上記の構成によれば、第一貫通孔、及び第二貫通孔によって形成された渦の流れによって、スワール流れを減殺することができる。
本発明の第の態様に係る回転機械は、前記回転体としてのロータと、前記ケーシングと、上記のいずれか一の態様に係るシール装置と、を備える。
この構成によれば、十分なシール性能とスワールの低減性能とに基づいて、ロータの自励振動が十分に低減された回転機械を得ることができる。
本発明によれば、十分なシール性能を有するとともに、スワールを低減することが可能なシール装置、及び回転機械を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る回転機械(蒸気タービン)の構成を示す模式図である。 本発明の第一実施形態に係る回転機械の要部拡大断面図であって、シール装置の構成を示す図である。 本発明の第一実施形態に係るシール装置を軸線の径方向外側から見た断面図である。 本発明の第一実施形態に係るシール装置を軸線方向一方側から見た図である。 本発明の第二実施形態に係るシール装置を軸線の径方向外側から見た断面図である。 本発明の第三実施形態に係るシール装置を軸線方向一方側から見た図である。 本発明の第四実施形態に係るシール装置を軸線方向一方側から見た図である。 本発明の第四実施形態に係るシール装置を軸線の径方向外側から見た断面図であって、(a)は図7のA−A線矢視図であり、(B)は図7のB−B線矢視図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る蒸気タービン1(回転機械)は、軸線Ac回りに回転するロータ2(回転体)と、このロータ2を外周側から覆うケーシング3と、ロータ2とケーシング3との間に設けられたシール装置4と、を備えている。
ロータ2は、軸線Acに沿って延びる柱状の部材であって、軸線Ac方向両側の端部で、ジャーナル軸受5、及びスラスト軸受6によって支持されている。ロータ2は、その外周面上で軸線Ac方向に間隔をあけて配列された複数の動翼段7を有している。各動翼段7は、ロータ2の外周面上で、軸線Acの周方向に間隔をあけて配列された複数の動翼を有している。
ケーシング3の内周面には、上記の動翼段7に対して軸線Ac方向に互い違いとなるように配列された複数の静翼段8が設けられている。言い換えれば、軸線Ac方向一方側から他方側にかけて、静翼段8と動翼段7とが交互に配列されている。これら静翼段8は、ケーシング3の内周面上で、軸線Acの周方向に間隔をあけて配列された複数の静翼を有している。
ケーシング3の軸線Ac方向一方側には、外部から供給された高温高圧の蒸気をケーシング3内部に導くための吸気口9が形成されている。また、ケーシング3の軸線Ac方向他方側には、ケーシング3内を通過した蒸気を排気するための排気口10が形成されている。
さらに、ケーシング3の内周面と、動翼の径方向外側の端部との間に形成される間隙(クリアランス)には、当該クリアランスを通じて軸線Ac方向一方側から他方側に向かって流れる蒸気(漏れ蒸気)を遮るためのシール装置4が設けられている。
上記のように構成された蒸気タービン1では、吸気口9を通じてケーシング3内部に導かれた蒸気が、各動翼段7、及び各静翼段8に順次衝突する。これにより、蒸気の持つエネルギーによってロータ2が軸線Ac回りに回転駆動される。ロータ2の回転エネルギーは、軸端に連結されたジェネレータ(図示省略)等によって取り出されて発電等に用いられる。なお、以降の説明で参照する図2及び図4では、ロータ2の回転する方向をDrと表記している。具体的には、本実施形態では、軸線Ac方向一方側から見て、ロータ2は時計回りに回転する。
次に、図2から図4を参照して、シール装置4の詳細な構成について説明する。図2に示すように、本実施形態に係るシール装置4は、ケーシング3の内周面上で軸線Ac方向に間隔をあけて配列された複数のシールフィン11と、これらシールフィン11同士の間に設けられたスワールブレーカ12と、を有している。
より具体的には、各シールフィン11は、ケーシング3の内周面から軸線Acの径方向内側に向かって延びている。各シールフィン11は、ケーシング3の内周面上で、軸線Acの周方向に広がることで環状をなしている。本実施形態では、1つの動翼段7に対して、計3つのシールフィン11が径方向外側から対向している。各シールフィン11は、径方向外側から内側に向かうにしたがって次第に先細りとなるように形成されている。また、各シールフィン11の先端(径方向内側の端部)と、ロータ2の外周面(動翼の径方向外側の端部)との間には、一定の間隙が形成されている。
なお、以降の説明では、これら3つのシールフィン11のうち、軸線Ac方向における最も一方側に位置するシールフィン11を第一シールフィン11Aと呼ぶ。さらに、この第一シールフィン11Aに対して軸線Ac方向の他方側に隣接するシールフィン11を第二シールフィン11Bと呼ぶ。
第一シールフィン11Aと第二シールフィン11Bとの間には、複数のスワールブレーカ12が設けられている。スワールブレーカ12は、これら第一シールフィン11A、及び第二シールフィン11Bを軸線Ac方向に連結している。より具体的には図3に示すように、各スワールブレーカ12は、第一シールフィン11Aと第二シールフィン11Bとの間で、軸線Acの周方向に間隔をあけて配列された板状の部材である。図4に示すように、軸線Ac方向一方側から見て、各スワールブレーカ12は、軸線Acの径方向に平行に延びている。図2、及び図4に示すように、各スワールブレーカ12の径方向内側の端部は、第一シールフィン11Aの径方向内側の端部よりもわずかに径方向外側に位置している。ここで、第一シールフィン11A上において、周方向に隣接する一対のスワールブレーカ12によって画成される領域を、「単位領域S」と呼ぶ。言い換えれば、第一シールフィン11A上には、複数の単位領域Sが周方向に配列されている。
各単位領域Sには、第一シールフィン11Aを軸線Ac方向に貫通する貫通部13がそれぞれ形成されている。より具体的には図4に示すように、貫通部13は、軸線Ac方向から見て矩形状に開口された貫通孔である。この貫通部13は、軸線Ac方向一方側から見て、単位領域S内の右上の領域に位置している。言い換えれば、貫通部13は、単位領域S内における回転方向Drの前方側、かつ軸線Acの径方向外側に偏った位置に形成されている。さらに、軸線Acの径方向における貫通部13の寸法は、第一シールフィン11Aとロータ2の外周面(動翼の径方向外側の端部)との間の離間寸法よりも大きく設定されている。
次に、本実施形態に係る蒸気タービン1、及びシール装置4の動作について説明する。上述したように、この蒸気タービン1では、外部から導かれた高温高圧の蒸気によってロータ2が回転駆動される。ロータ2の回転に伴って、ケーシング3とロータ2(動翼)との間に形成される間隙(クリアランス)では、該ロータ2の回転方向Drに旋回する旋回流(スワール流れ)が形成される。より具体的には、このスワール流れは、軸線Ac方向一方側から他方側に向かうにしたがって、回転方向Dr後方側から前方側に向かって螺旋状に流れる。このようなスワール流れが発達した場合、ロータ2の振れ回り振動(自励振動)が生じてしまうことが知られている。
そこで、本実施形態に係る蒸気タービン1には、第一シールフィン11A、及び第二シールフィン11Bを軸線Ac方向に連結するスワールブレーカ12が設けられている。スワールブレーカ12を設けることによって、上記のようなスワール流れを遮ることができる。すなわち、スワール流れの不用意な発達に起因して生じる上記のロータ2の自励振動を抑制することができる。
さらに、上記の構成によれば、第一シールフィン11Aに貫通部13が形成されていることにより、当該貫通部13を通じて、スワール流れを第一シールフィン11Aと第二シールフィン11Bとの間の空間に積極的に導くことができる。すなわち、貫通部13が設けられることによって、スワールブレーカ12を十分に機能させることができる。他方で、上記のような貫通部13が形成されていない場合、スワールブレーカ12が蒸気の流れに対して大きな抵抗となるため、蒸気が当該スワールブレーカ12を避けて、第一シールフィン11Aとロータ2の外周面との間の間隙に流れ込んでしまう可能性がある。つまり、蒸気の流れをシールするとの目的を十分に達成することができなくなってしまう。しかしながら、上記のような構成によれば、このような可能性を低減することができる。
また、上記のスワール流れは、ロータ2の回転に伴って発生する。すなわち、このスワール流れは、軸線Ac方向一方側から他方側に向かうにしたがって、ロータ2の回転方向Dr後方側から前方側に向かうように流れる。このため、上記のような構成によれば、第一シールフィン11A上における単位領域S内のうち、回転方向Dr前方側の領域に貫通部13が形成されることから、スワール流れの流れ方向と、第一シールフィン11A上で貫通部13が設けられる位置とを対応させることができる。これにより、当該貫通部13にスワール流れを円滑に導くことができる。
加えて、上記の構成によれば、貫通部13が第一シールフィン11A上の単位領域Sにおける径方向外側の領域に形成されていることから、当該貫通部13を通じて第一シールフィン11Aと第二シールフィン11Bとの間の空間に導かれた蒸気を、当該空間に設けられたスワールブレーカ12に向けて積極的に案内することができる。すなわち、貫通部13が形成されることによって、スワールブレーカ12を十分に機能させることができる。
特に、上記のシール装置4では、軸線Acの径方向における貫通部13の寸法が、軸線Acの径方向における第一シールフィン11Aとロータ2の外周面(動翼の先端部)との間の離間寸法よりも大きく設定されている。これにより、スワール流れが第一シールフィン11Aと動翼の先端部との間に流れ込む可能性が低減されるとともに、当該スワール流れを貫通部13により円滑に導くことができる。
なお、上記実施形態では、軸線Ac方向一方側から見て、貫通部13が単位領域S内における径方向外側、かつ回転方向Dr前方の領域に設けられた開孔である例について説明した。しかしながら、貫通部13の態様は上記に限定されず、例えば図5に示すように、単位領域S内における回転方向Dr前方側の領域のおおむね全てが軸線Ac方向に貫通されていてもよい。このような構成によれば、上記の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、第一シールフィン11Aに対して施すべき加工処理をさらに簡素化することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について図6を参照して説明する。なお、上記の第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。同図に示すように、本実施形態に係るシール装置24では、スワールブレーカ22の構成が上記第一実施形態におけるスワールブレーカ12と異なっている。より具体的には、このスワールブレーカ22は、軸線Acの径方向から見て、当該軸線Acに対して斜めに延びている。言い換えれば、スワールブレーカ22は、軸線Ac方向一方側から他方側に向かうにしたがって、ロータ2の回転方向Dr前方側から後方側に向かって延びている。
上記第一実施形態で述べたように、第一シールフィン11Aの軸線Ac方向一方側では、ロータ2の回転方向Drと同じ方向に旋回するスワール流れが形成されている。このスワール流れは、貫通部13を通過した後、スワールブレーカ22に衝突する。
ここで、スワールブレーカ22は、軸線Acの一方側から他方側に向かうにしたがって回転方向Dr後方側から前方側に向かって延びている。すなわち、スワールブレーカ22の延びる方向と、スワール流れの流れ方向とがなす角度を直角に近づけることができる。これにより、当該スワール流れをスワールブレーカ22によって十分に遮ることができる。
なお、径方向から見て軸線Acに対してスワールブレーカ22がなす角度(傾斜角度α)は、測定等によって得られるスワール流れの旋回角度βに応じて適宜に設定されることが望ましい。例えば、旋回角度βが比較的に大きい場合には、スワールブレーカ22の傾斜角度αは比較的に小さい値に設定されることが望ましい。反対に、旋回角度βが比較的に小さい場合には、スワールブレーカ22の傾斜角度αは比較的に大きい値に設定されることが望ましい。より一般的には、上記の傾斜角度αと旋回角度βとの和(α+β)が、70以上110°以下の範囲内であることが望ましく、80°以上100°以下の範囲内であることがさらに望ましい。最も望ましくは、上記(α+β)の値は90°とされる。
なお、本実施形態では、上記スワールブレーカ22が、径方向から見て直線状に延びる板状をなしている例について説明した。しかしながら、スワールブレーカ22の態様はこれに限定されず、スワールブレーカ22は例えば径方向から見て翼型断面を有していてもよい。このような構成によっても、上記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について、図7と図8とを参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図7に示すように、本実施形態に係るシール装置34では、貫通部32として、第一シールフィン11Aの単位領域S内で径方向に間隔をあけて配列された2つの貫通孔(第一貫通孔32A、第二貫通孔32B)が形成されている。
第一貫通孔32Aは、単位領域S内において、相対的に径方向外側の領域に形成されている。第二貫通孔32Bは、単位領域S内において、相対的に径方向内側の領域に形成されている。また、これら第一貫通孔32A及び第二貫通孔32Bの入口側端部(軸線Ac方向一方側の端部)を結んだ線は、軸線Acに対する径方向に平行をなしている。言い換えると、第一シールフィン11Aの軸線Ac方向一方側において、これら第一貫通孔32Aの入口側端部と第二貫通孔32Bの入口側端部とは、周方向において同一の位置に形成されている。さらに、これら第一貫通孔32Aの入口側端部と第二貫通孔32Bの入口側端部とは、単位領域S内における周方向中央に位置している。
これら第一貫通孔32Aと第二貫通孔32Bとは、径方向から見て軸線Acに対して傾斜して延びている。より具体的には図8(a)に示すように、第一貫通孔32Aは、軸線Ac方向一方側から他方側に向かうにしたがってロータ2の回転方向Dr後方側から前方側に向かって延びている。他方で、図8(b)に示すように、第二貫通孔32Bは、軸線Ac方向一方側から他方側に向かうにしたがってロータ2の回転方向Dr前方側から後方側に向かって延びている。これにより、第一シールフィン11Aの軸線Ac方向他方側において、これら第一貫通孔32A及び第二貫通孔32Bの出口側端部は、周方向に互いに異なる位置に形成されている。なお、本実施形態では、第一貫通孔32A、第二貫通孔32Bはともに矩形の断面形状を有している。
このような構成によれば、径方向外側に位置する第一貫通孔32Aを通過した蒸気は、軸線Ac方向一方側から他方側に向かうにしたがってロータ2の回転方向Dr後方側から前方側に向かって流れる。他方で、径方向内側に位置する第二貫通孔32Bを通過した蒸気は、軸線Ac方向一方側から他方側に向かうにしたがって回転方向Dr前方側から後方側に向かって流れる。これにより、第一シールフィン11Aと第二シールフィン11B、及び周方向に互いに隣接する一対のスワールブレーカ12によって形成される空間内では、軸線Ac方向一方側から見て時計回りに流れる渦が形成される。すなわち、回転体の外周面近傍(第一シールフィン11A、又は第二シールフィン11Bの径方向内側の端部近傍)では、軸線Ac方向一方側から見て、上記の渦の流れ方向と、スワール流れの流れ方向とが互いに対向した状態となる。したがって、上記の構成によれば、第一貫通孔32A、及び第二貫通孔32Bによって形成された渦の流れによって、スワール流れを減殺することができる。
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいては、種々の変更を加えることが可能である。
なお、上記の第一、第三実施形態では、第一貫通孔32A、及び第二貫通孔32Bがともに矩形の断面形状を有する例について説明した。しかしながら、これら第一貫通孔32A、及び第二貫通孔32Bの態様は上記に限定されず、例えば円形や楕円形の断面形状を有していてもよい。
1…蒸気タービン
2…ロータ
3…ケーシング
4…シール装置
5…ジャーナル軸受
6…スラスト軸受
7…動翼段
8…静翼段
9…吸気口
10…排気口
11…シールフィン
12…スワールブレーカ
11A…第一シールフィン
11B…第二シールフィン
13…貫通部
24…シール装置
22…スワールブレーカ
34…シール装置
32…貫通部
32A…第一貫通孔
32B…第二貫通孔
Ac…軸線
Dr…回転方向
S…単位領域

Claims (6)

  1. 軸線回りに回転可能な回転体の外周面と、該回転体を外周側から覆うケーシングとの間を軸線方向一方側から他方側に向かって流通する流体の流れをシールするシール装置であって、
    前記ケーシングの内周面から軸線の径方向内側に向かって延びるとともに、軸線方向に配列された複数のシールフィンと、
    前記複数のシールフィンのうち、最も軸線方向一方側に位置する第一シールフィンと、該第一シールフィンの軸線方向他方側に隣接して設けられた第二シールフィンとを軸線方向に連結するとともに、周方向に間隔をあけて配列された複数のスワールブレーカと、
    を備え、
    前記第一シールフィンには、該第一シールフィンを軸線方向に貫通する貫通部が形成され
    該貫通部は、前記第一シールフィン上において、周方向に隣接する一対の前記スワールブレーカによって画成される単位領域のうち、前記回転体の回転方向前方側、かつ前記第一シールフィンにおける径方向外側の領域に偏って形成されているシール装置。
  2. 前記スワールブレーカは、軸線の径方向から見て、該軸線の一方側から他方側に向かうにしたがって前記回転体の回転方向前方側から後方側に向かって延びている請求項1に記載のシール装置。
  3. 軸線の径方向における前記貫通部の寸法は、軸線の径方向における前記第一シールフィンと前記回転体の外周面との間の離間寸法よりも大きく設定されている請求項1又は2に記載のシール装置。
  4. 軸線回りに回転可能な回転体の外周面と、該回転体を外周側から覆うケーシングとの間を軸線方向一方側から他方側に向かって流通する流体の流れをシールするシール装置であって、
    前記ケーシングの内周面から軸線の径方向内側に向かって延びるとともに、軸線方向に配列された複数のシールフィンと、
    前記複数のシールフィンのうち、最も軸線方向一方側に位置する第一シールフィンと、該第一シールフィンの軸線方向他方側に隣接して設けられた第二シールフィンとを軸線方向に連結するとともに、周方向に間隔をあけて配列された複数のスワールブレーカと、
    を備え、
    前記第一シールフィンには、該第一シールフィンを軸線方向に貫通する貫通部が形成され、
    該貫通部は、前記第一シールフィン上において、周方向に隣接する一対の前記スワールブレーカによって画成される単位領域のうち、前記単位領域における相対的に径方向外側の領域に形成された第一貫通孔、及び相対的に径方向内側の領域に形成された第二貫通孔であって、
    前記第一貫通孔は、軸線方向一方側から他方側に向かうにしたがって前記回転体の回転方向後方側から前方側に向かって延びて、
    前記第二貫通孔は、軸線方向一方側から他方側に向かうにしたがって前記回転体の回転方向前方側から後方側に向かって延びるシール装置。
  5. 軸線回りに回転可能な回転体の外周面と、該回転体を外周側から覆うケーシングとの間を軸線方向一方側から他方側に向かって流通する流体の流れをシールするシール装置であって、
    前記ケーシングの内周面から軸線の径方向内側に向かって延びるとともに、軸線方向に配列された複数のシールフィンと、
    前記複数のシールフィンのうち、最も軸線方向一方側に位置する第一シールフィンと、該第一シールフィンの軸線方向他方側に隣接して設けられた第二シールフィンとを軸線方向に連結するとともに、周方向に間隔をあけて配列された複数のスワールブレーカと、
    を備え、
    前記第一シールフィンには、該第一シールフィンを軸線方向に貫通する貫通部が形成され、
    該貫通部は、前記第一シールフィン上において、周方向に隣接する一対の前記スワールブレーカによって画成される単位領域のうち、前記単位領域における相対的に径方向外側の領域に形成された第一貫通孔、及び相対的に径方向内側の領域に形成された第二貫通孔であって、
    前記第一貫通孔は、軸線方向一方側から他方側に向かうにしたがって前記回転体の回転方向後方側から前方側に向かって延びて、
    前記第二貫通孔は、軸線方向一方側から他方側に向かうにしたがって前記回転体の回転方向前方側から後方側に向かって延び、
    前記スワールブレーカは、軸線の径方向から見て、該軸線の一方側から他方側に向かうにしたがって前記回転体の回転方向前方側から後方側に向かって延びているシール装置。
  6. 前記回転体としてのロータと、
    前記ケーシングと、
    請求項1からのいずれか一項に記載のシール装置と、
    を備える回転機械。
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