JP7283972B2 - 蒸気タービンの排気室 - Google Patents

蒸気タービンの排気室 Download PDF

Info

Publication number
JP7283972B2
JP7283972B2 JP2019093383A JP2019093383A JP7283972B2 JP 7283972 B2 JP7283972 B2 JP 7283972B2 JP 2019093383 A JP2019093383 A JP 2019093383A JP 2019093383 A JP2019093383 A JP 2019093383A JP 7283972 B2 JP7283972 B2 JP 7283972B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
straight portion
rotation axis
flow guide
steam turbine
exhaust chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019093383A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020186709A (ja
Inventor
直 谷口
亮 ▲高▼田
英司 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Marine Machinery and Equipment Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Marine Machinery and Equipment Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Marine Machinery and Equipment Co Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Marine Machinery and Equipment Co Ltd
Priority to JP2019093383A priority Critical patent/JP7283972B2/ja
Publication of JP2020186709A publication Critical patent/JP2020186709A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7283972B2 publication Critical patent/JP7283972B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Description

本開示は、蒸気タービンの排気室に関する。
従来、蒸気タービンの排気室においては、最終段動翼の下流においてディフューザ通路を形成するフローガイドの形状が排気性能に大きな影響を与えることが知られている。このような蒸気タービンの排気室に関する構成が特許文献1に開示されている。
特開2015-194085号公報
ところで、特許文献1に開示された蒸気タービンの排気室は、蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視において、フローガイドの下流側端部近傍が曲線状に形成されている。このような曲線部を含むフローガイドの製作は、上記側断面視において直線状に形成されたフローガイドの製作に比べて加工コストが嵩む。また、上記特許文献1のような蒸気タービンの排気室では、ディフューザ通路を通って排出される主排気流と、該ディフューザ通路通過後に渦状に流れる循環流との干渉により排気効率が低下する虞があった。
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも1つの実施形態は、排気効率向上とフローガイド製作の低コスト化とを両立できる蒸気タービンの排気室を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも1つの実施形態に係る蒸気タービンの排気室は、
ケーシングと、
前記ケーシング内に設けられるベアリングコーンと、
前記ケーシング内において前記ベアリングコーンの径方向外側に設けられ、前記ベアリングコーンとともにディフューザ通路を形成する通路形成面を有するフローガイドと、を備え、
前記フローガイドの前記通路形成面は、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記フローガイドにおける最上流側に配置される第1直線部であって、前記回転軸線と平行に、又は、前記回転軸線に対して所定の傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように、直線状に延在する第1直線部と、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第2直線部であって、前記回転軸線に対して前記第1直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第2直線部と、を含む。
蒸気タービンの排気室を製作する際、排気室性能の向上を図るために、該蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて曲線状のフローガイドが採用され得るが、曲線状のフローガイドの製作には複雑な加工工程が必要とされるため、同側断面視にて直線状のフローガイドを製作する場合に比べて工数及びコストが嵩む。
この点、上記(1)に示す蒸気タービンの排気室は、フローガイドの通路形成面が上記側断面視にて第1直線部と第2直線部とを含むように構成されるから、例えば上記側断面視にて曲線状のフローガイドを形成する場合に比べてフローガイドの製作にかかる工数及びコストを抑制することができる。また、第1直線部及び第2直線部は、ディフューザ通路に面する通路形成面が下流側に向けて拡径するように、隣接する端部同士が非平行に連続し、少なくとも第2直線部が蒸気タービンの中心軸線に対して下流側ほど拡径するように傾斜して設けられるから、例えばディフューザ通路を画定する通路形成面が回転軸線に平行な直線部とこれに直交する直線部とで構成される場合に比べて排気流を円滑に案内することができる。よって、排気効率向上とフローガイド製作の低コスト化とを両立できる蒸気タービンの排気室を提供することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記フローガイドの前記通路形成面は、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第2直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第3直線部であって、前記回転軸線に対して前記第2直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第3直線部、をさらに含んでいてもよい。
上記(2)の構成によれば、上記(1)の効果に加え、さらに第3直線部を含むことにより、フローガイドを通過した後の排気の循環流と主排気流との干渉を抑制することができる。よって、簡易な構成でありながら、フローガイド製作の工数を抑制しつつ、排気室性能をさらに向上させることができる。
(3)いくつかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記第3直線部は、前記回転軸線に対して直交する方向に沿って延在していてもよい。
上記(3)の構成によれば、フローガイドの第3直線部が、蒸気タービンの回転軸線と直交する方向に沿って延在することにより、ディフューザ通路通過後に渦状に流れる循環流が該ディフューザ通路を通って排出される主排気流に合流することを物理的に遮断することができるから、上記主排気流と循環流との干渉を効果的に抑制することができる。よって、排気効率の向上を図ることができる。
(4)いくつかの実施形態では、上記(2)又は(3)の構成において、
前記フローガイドの前記通路形成面は、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部の下流端から前記第2直線部の上流端に向かって直線状に延在する第4直線部であって、前記第1直線部及び前記第2直線部よりも短い第4直線部と、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第2直線部の下流端から前記第3直線部の上流端に向かって直線状に延在する第5直線部であって、前記第2直線部及び前記第3直線部よりも短い第5直線部と、をさらに含んでいてもよい。
上記(4)の構成によれば、第1直線部と第2直線部との間の第4直線部、及び、第2直線部と第3直線部との間の第5直線部により、ディフューザ通路を画定する通路形成面のうち、第1直線部と第4直線部との接続部、第4直線部と第2直線部との接続部、第2直線部と第5直線部との接続部、及び第5直線部と第3直線部との接続部に、流体的に凸形状の凸部が形成される。そして、これらの凸部を排気が通過する際に、各凸部において膨張波が発生する。これにより、排気(流体)を超音速偏向させて流体によるフローガイド形状への追随性を向上させることができるから、境界層の発達を抑制して有効流路面積低下による性能低下を抑制することができる。
なお、第4直線部は、例えば第1直線部と第2直線部との接合部における通路形成面側の角を上記側断面視にて直線状に面取りした面取り部であってもよい。同様に、第5直線部は、例えば第2直線部と第3直線部との接合部における通路形成面側の角を上記側断面視にて直線状に面取りした面取り部であってもよい。
(5)いくつかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視における前記第4直線部及び前記第5直線部の長さは、20mm以上、且つ70mm以下であってもよい。
上述した膨張波や超音速偏向は、蒸気タービンの大きさに関わらず、流路断面積が広がる方向に所定の角度を有する凸部を通過する際に生じる。従って、このような膨張波や超音速偏向を生じさせ得る凸部を形成するにあたり、第4直線部及び第5直線部の寸法が大き過ぎると排気室の設置面積の増加、又は有効流路面積の低下を招くため好ましくなく、逆に第4直線部及び第5直線部の寸法が小さ過ぎると十分な効果が得られない虞がある。
この点、上記(4)の構成によれば、第4直線部及び第5直線部を、回転軸線方向に沿う長さが20mm以上、且つ70mm以下の範囲内で形成することにより、排気室の設置面積の増加を抑制しつつ加工が容易な構成でありながら、上記(4)の利益を享受できる蒸気タービンの排気室を提供することができる。
(6)いくつかの実施形態では、上記(2)~(5)の何れか一つの構成において、
前記ベアリングコーンの径方向における前記第3直線部の長さ(S)と、前記径方向における前記第3直線部の基端部から前記ケーシングの内周面までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下であってもよい。
本発明者らは、鋭意研究の末、上述した(2)~(5)の何れか一つの構成において、ベアリングコーンの径方向における第3直線部の長さ(S)と、上記径方向における第3直線部の基端部からケーシングの内周面までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下の範囲内である場合に排気効率を向上させることができることを突き止めた。
つまり、排気室の排気効率は、第3直線部の長さが長すぎても短すぎても向上しないが、上記(6)の構成によれば、ベアリングコーンの径方向における第3直線部の長さ(S)と、上記径方向における第3直線部の基端部からケーシングの内周面までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下の範囲内となるように第3直線部を形成することにより、循環流と主排気流との干渉を抑制して排気効率を向上させることができる。
(7)いくつかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)が前記回転軸線の周方向において非一様に形成されてもよい。
蒸気タービンの周方向において、排気の循環流と主排気流との干渉が比較的起きやすい位置では蒸気タービンの径方向に沿う第3直線部の長さを長く確保することにより、上記循環流と主排気流との干渉を抑制して排気効率の向上を図ることができる。一方、上記周方向において循環流と主排気流との干渉が比較的起きにくい位置では第3直線部の高さを低くすることにより、フローガイドの製作コストを抑制ないし低減することができる。
よって、上記(7)の構成によれば、例えば排気の循環流と主排気流との干渉の起き易さに応じて径方向に沿ったフローガイドの第3直線部の長さ(S)を回転軸線の周方向において非一様に形成することにより、排気効率の向上とフローガイド製作の低コスト化とを両立可能な蒸気タービンの排気室を提供することができる。
(8)いくつかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)が、前記蒸気タービンの回転軸方向視において鉛直上方を0°として、-90~90°の範囲が90~270°の範囲よりも長く形成されてもよい。
蒸気タービンの周方向において、例えば排気室の下部に排気出口を設けて(下方排気)下方の排気を排出する構成とすれば、フローガイドにおいて周方向の下側に位置する第3直線部の長さは短くても排気干渉の影響は少ない。従って、上記(8)の構成によれば、排気室の下部から排気を抽出する構成を採用した排気室に適用して好適な蒸気タービンの排気室を提供することができる。
(9)いくつかの実施形態では、上記(7)又は(8)の構成において、
前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)のピークが、前記回転軸線の周方向において鉛直上方を0°として、0~90°の範囲で前記動翼の回転方向下流側に存在するように構成されてもよい。
ディフューザ通路通過後に渦状に流れる循環流と主排気流との干渉は、蒸気タービンの回転軸線の周方向において鉛直上方を0°とした場合に、0°より動翼の回転方向下流側にシフトした位置において生じやすい。
したがって、上記(9)の構成によれば、第3直線部の長さ(S)のピークが、上記回転軸線の周方向において鉛直上方を0°として、0~90°の範囲で動翼の回転方向下流側に存在するようにしてフローガイドが構成されるから、上記(7)で述べたように、排気効率の向上とフローガイド製作の低コスト化とを両立可能な蒸気タービンの排気室を提供することができる。
(10)いくつかの実施形態では、上記(4)~(9)のいずれか一つの構成において、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視において、前記第4直線部に対する前記第2直線部の傾斜角度は、10°以上、且つ20°以下であってもよい。
排気室の入口(上流側端部側)付近を通過中の排気、すなわち最終段動翼を通過した直後の排気(流体)は勢いが強く、その流れ方向を急激に変化させると剥離が発生して排気効率が低下するため好ましくない。
この点、上記(10)の構成によれば、第2直線部が、フローガイドにおいて該第2直線部の上流側に配置される第4直線部に対して10°以上、且つ20°以下の傾斜角度で連続することにより、第4直線部に沿う排気の流れが該第4直線部と第2直線部との接合部を通過する際に剥離が発生することを抑制して排気効率の低下を抑制することができる。
(11)いくつかの実施形態では、上記(4)~(10)のいずれか一つの構成において、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視において、前記第2直線部に対する前記第5直線部の傾斜角度は、10°以上、且つ20°以下であってもよい。
上記(11)の構成によれば、上記(10)で述べたように、フローガイドにおける最下流側に配置される第5直線部が、該第5直線部よりもフローガイドの上流側に配置される第2直線部に対して10°以上、且つ20°以下の傾斜角度で連続して形成されることにより、第2直線部に沿う排気の流れが該第2直線部と第5直線部との接合部を通過する際に剥離が発生することを抑制して排気効率の低下を抑制することができる。
(12)いくつかの実施形態では、上記(2)~(11)のいずれか一つの構成において、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部に対する前記第2直線部の傾斜角度は、前記第2直線部に対する前記第3直線部の傾斜角度以下であってもよい。
上述したように、排気室の入口(上流側端部側)付近を通過中の排気は勢いが強く、その流れ方向を急激に変化させると剥離が発生して排気効率が低下するため好ましくない。一方、排気室の出口側(下流)に存在する第3直線部は、該第3直線部よりも上流側に存在する第2直線部によって案内されることで径方向に向かう排気の流れがある程度形成されていることに加え、最終段動翼を通過した直後に比べて流路面積も広いため上記最終段動翼通過直後に比べて排気の勢いが弱い。このため、第2直線部に対する第3直線部の傾斜角度は、第1直線部に対する第2直線部の傾斜角度より大きくすることが可能である。
よって、上記(12)の構成によれば、剥離の発生を抑制しつつ、排気を効率的に案内して排気効率の向上を図ることができる。
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、排気効率向上とフローガイド製作の低コスト化とを両立できる蒸気タービンの排気室を提供することができる。
本開示の一実施形態に係る蒸気タービンの軸方向に沿った概略断面図である。 一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の構成例を示す側断面図である。 図2のA-A線に沿った断面図である。 一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の構成例を示す図である。 一実施形態における蒸気タービンの回転軸線方向からみた断面図である。 一実施形態における第4直線部および第5直線部を含むフローガイドの構成例を示す側断面図である。 一実施形態における第4直線部および第5直線部を含むフローガイドの構成例を示す側断面図であり、第4直線部及び第5直線部が通路形成面の面取りにより形成される様子を示す概略図である。 一実施形態における第4直線部および第5直線部の、回転中心軸方向に沿う長さを例示する概略図である。 一実施形態における第3直線部の設置角度範囲を例示する概略図である。 一実施形態における第3直線部の長さ(S)と、径方向(D)における第3直線部の基端部からケーシングの内壁面(内周面)までの距離(H)との比(S/H)の関係を示すグラフである。 一実施形態における第3直線部の構成例を示す、回転軸線方向視における概略図である。 一実施形態における第3直線部の、回転軸線周りにおける長さ分布を示すグラフである。 一実施形態における第3直線部の、回転中心軸周りにおける長さ分布の変形例を示す概略図である。 一実施形態における第4直線部および第5直線部の角度を例示する概略図である。
以下、図面を参照して本発明のいくつかの実施形態について説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、本発明の範囲をそれにのみ限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
まず、幾つかの実施形態に係る蒸気タービンの全体構成について説明する。
図1は、一実施形態における蒸気タービンの軸方向に沿った概略断面図である。図1に示すように、蒸気タービン1は、軸受部6によって回転自在に支持されるロータ2と、ロータ2に取付けられた複数段の動翼8と、ロータ2及び動翼8を収容する内側ケーシング11と、動翼8に対向するように内側ケーシング11に取付けられた複数段の静翼9と、を備えている。内側ケーシング11の外側には、外側ケーシング12が設けられている。
このような蒸気タービン1は、蒸気入口3から内側ケーシング11に蒸気が導入されると、蒸気が静翼9を通過する際に膨張して増速され、動翼8に対して仕事をしてロータ2を回転させるようになっている。
また、蒸気タービン1は排気室14を備えている。排気室14は、動翼8及び静翼9の下流側に位置する。すなわち、動翼8及び静翼9は、排気室14の上流側に設けられる。内側ケーシング11内にて動翼8及び静翼9を通過した蒸気(蒸気流れST1)は、排気室入口14Aから排気室14に流入し、排気室14の内部を通って、排気室14の下方側に設けられた排気室出口14Bから蒸気タービン1の外部に排出されるようになっている。
なお、排気室14の下方には、復水器(不図示)が設けられていてもよい。蒸気タービン1で動翼8に対して仕事をし終えた蒸気は、排気室14から排気室出口14Bを介して復水器に流入するようになっていてもよい。
次に、幾つかの実施形態に係る蒸気タービン1の排気室14の構成について、より具体的に説明する。
図2は一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の構成例を示す側断面図である。図3は図2のA-A線に沿った断面図である。
図2及び図3に非限定的に例示するように、本発明の少なくとも1つの実施形態に係る蒸気タービン1の排気室14は、ケーシング10と、ケーシング10内に設けられるベアリングコーン16と、ケーシング10内においてベアリングコーン16の径方向D外側に設けられ、ベアリングコーン16とともにディフューザ通路18(蒸気流路)を形成する通路形成面22を有するフローガイド20と、を備えている。なお、排気室14は下方側に排気室出口14Bを有し、この排気室出口14Bを介して、蒸気タービン1から蒸気が排出されるようになっている。
ケーシング10は、上述した蒸気タービン1の内側ケーシング11及び外側ケーシング12により構成される。
ベアリングコーン16は、ケーシング10内において、軸受部6を覆うようにしてフローガイド20の内周側に設けられている。また、図2に示すように、ベアリングコーン16の下流端16Aは、ケーシング10の内壁面10Aに接続されている。
ディフューザ通路18は、断面積が徐々に大きくなる形状を有し、蒸気タービン1の最終段動翼8Aを通過した高速の蒸気流れST1が該ディフューザ通路18に流入すると、蒸気流れST1が減速されて、その運動エネルギーが圧力へと変換(静圧回復)されるようになっている。
フローガイド20は、蒸気流れST1の下流側ほど拡径するようにして、下流端20Aが上流端20Bより大径に形成されている。つまり、フローガイド20は、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、少なくともその内側においてディフューザ通路18を画定する通路形成面22が下流側に向けて拡径するように、隣接する端部同士が非平行に連続する複数の直線部を含む。
なお、フローガイド20の下流端20Aとは、フローガイド20の軸方向における両端部のうち、蒸気流れST1の下流側に配置される端部であり、内径が大きいほうの端部のことをいう。また、フローガイド20の上流端20Bとは、フローガイド20の軸方向における両端部のうち、蒸気流れST1の上流側に配置される端部であり、内径が小さいほうの端部のことをいう。
そして、フローガイド20の通路形成面22は、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、フローガイド20における最上流側に配置される第1直線部31と、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、第1直線部31よりもフローガイド20の下流側に配置される第2直線部32と、を含む。
第1直線部31は、例えば図1及び図2に例示するように、回転軸線Cと平行に、又は、回転軸線Cに対して所定の傾斜角を有し、且つフローガイド20の下流側に向かうにつれて回転軸線Cとの距離が大きくなるように、直線状に延在している。すなわち、フローガイド20のうち、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて第1直線部31を含む上流側の部分は、中心軸が回転軸線Cに沿うようにして、円筒状に又は下流側が大径の円錐(又は円錐台)状に形成される。
第2直線部は、回転軸線Cに対して第1直線部31よりも大きな傾斜角を有し、且つフローガイド20の下流側に向かうにつれて回転軸線Cとの距離が大きくなるように直線状に延在している(図1及び図2参照)。すなわち、フローガイド20のうち、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて第2直線部32を含む部分は、中心軸が回転軸線Cに沿い、下流側が大径の円錐(又は円錐台)状に形成される(図3参照)。
ここで、蒸気タービン1の排気室14を製作する際、排気室性能の向上を図るために、該蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて曲線状のフローガイド20が採用され得るが、曲線状のフローガイド20の製作には複雑な加工工程が必要とされるため、同側断面視にて直線状のフローガイド20を製作する場合に比べて工数及びコストが嵩む。
この点、上述した構成を有する蒸気タービン1の排気室14は、フローガイド20の通路形成面22が上記側断面視にて第1直線部31と第2直線部32とを含むように構成されるから、例えば上記側断面視にて曲線状のフローガイドを形成する場合に比べてフローガイド20の製作にかかる工数及びコストを抑制することができる。また、第1直線部31及び第2直線部32は、ディフューザ通路18に面する通路形成面22が下流側に向けて拡径するように、隣接する端部同士が非平行に連続し、少なくとも第2直線部32が蒸気タービン1の回転軸線Cに対して下流側ほど拡径するように傾斜して設けられるから、例えばディフューザ通路18を画定する通路形成面22が回転軸線Cに平行な直線部とこれに直交する直線部とで構成される場合に比べて排気流(蒸気流れST1)を円滑に案内することができる。よって、排気効率向上とフローガイド20製作の低コスト化とを両立できる蒸気タービン1の排気室14を提供することができる。
さらに、第1直線部31及び第2直線部32を備えることにより、蒸気流れST1の主排気流と循環流ST2の干渉を抑制することができる。
続いて、図4は一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の構成例を示す図である。図5は蒸気タービンの回転軸線方向からみた断面図である。
図4及び図5に非限定的に例示するように、幾つかの実施形態では、上述した構成において、フローガイド20の通路形成面22は、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、第2直線部32よりもフローガイド20の下流側に配置される第3直線部33をさらに含んでいてもよい。
第3直線部33は、回転軸線Cに対して第2直線部32よりも大きな傾斜角を有し、且つフローガイド20の下流側に向かうにつれて回転軸線Cとの距離が大きくなるように直線状に延在していてもよい。すなわち、フローガイド20のうち、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて第3直線部33を含む部分は、中心軸が回転軸線Cに沿い、下流側が大径の円錐状、又は第2直線部32の下流端からロータ2の径方向に延びるように延在する環状ないしフランジ状に形成されていてもよい(図5参照)。
なお、第3直線部33は、径方向Dに沿う長さ(S)が回転軸線Cの周方向Rにおいて一様に形成されてもよい。つまり、フローガイド20において、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて第3直線部33を含む部分のうち大径側の端部は、軸方向視にて円(真円)形状に形成されていてもよい。
なお、上述した第1直線部31、第2直線部32及び第3直線部33を含む構成のフローガイド20において、第1直線部31は、排気室14内において蒸気流れST1の上流(最上流)側に位置する直線部(入口側直線部)である。また、第3直線部33は、排気室14内において蒸気流れST1の下流(最下流)側に位置する直線部(出口側直線部)であり、最終段動翼8Aを通過した蒸気流れST1の主排気流と、フローガイド20の下流端20Aを通過して旋回成分が付加された循環流ST2との干渉を抑制する衝立として機能し得る。そして、第2直線部32は、上記第1直線部31と第3直線部33とを接続する中間直線部である。
このように、第1直線部31及び第2直線部32に加えてさらに第3直線部33を含む構成によれば、フローガイド20を通過した後の蒸気流れST1の主排気流と循環流ST2との干渉を抑制することができる。よって、簡易な構成でありながら、フローガイド20製作の工数を抑制しつつ、排気室性能をさらに向上させることができる。
図6は一実施形態における第4直線部および第5直線部を含むフローガイドの構成例を示す側断面図である。図7は一実施形態における第4直線部および第5直線部を含むフローガイドの構成例を示す側断面図であり、第4直線部及び第5直線部が通路形成面の面取りにより形成される様子を示す概略図である。
図6及び図7に非限定的に例示するように、いくつかの実施形態では、上記の第3直線部33を含む構成において、フローガイド20の通路形成面22は、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、第1直線部31の下流端31Aから第2直線部32の上流端32Bに向かって直線状に延在する第4直線部34であって、第1直線部31及び第2直線部32よりも短い第4直線部34と、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、第2直線部32の下流端32Aから第3直線部33の上流端33Bに向かって直線状に延在する第5直線部35であって、第2直線部32及び第3直線部33よりも短い第5直線部35と、をさらに含んでいてもよい。
第4直線部34は、例えば図6に示すように、フローガイド20のうち、内周側の通路形成面22が第1直線部31で構成される部分と内周側の通路形成面22が第2直線部32で構成される部分とを接続するようにして円錐(又は円錐台)状に形成された拡径部の内周面であってもよい。同様に、第5直線部35は、フローガイド20のうち、内周側の通路形成面22が第2直線部32で構成される部分と内周側の通路形成面22が第3直線部33で構成される部分とを接続するようにして円錐(又は円錐台)状に形成された拡径部の内周面であってもよい。
なお、第4直線部34と第5直線部35とは、何れか一方のみ設けられていてもよい。
このように、第4直線部34及び第5直線部35を含む構成によれば、第1直線部31と第2直線部32との間の第4直線部34、及び、第2直線部32と第3直線部33との間の第5直線部35により、ディフューザ通路18を画定する通路形成面22のうち、第1直線部31と第4直線部34との接続部、第4直線部34と第2直線部32との接続部、第2直線部32と第5直線部35との接続部、及び第5直線部35と第3直線部33との接続部に、流体的に凸形状の凸部40が形成される。そして、これらの凸部40を排気が通過する際に、各凸部40において膨張波が発生する。これにより、排気(流体)を超音速偏向させて流体によるフローガイド形状への追随性を向上させることができるから、境界層の発達を抑制して有効流路面積低下による性能低下を抑制することができる。
なお、第4直線部34は、例えば図7に示すように、第1直線部31と第2直線部32との接合部における通路形成面22側の角を上記側断面視にて直線状に面取りした面取り部であってもよい。同様に、第5直線部35は、例えば第2直線部32と第3直線部33との接合部における通路形成面22側の角を上記側断面視にて直線状に面取りした面取り部であってもよい。
いくつかの実施形態では、上述した第4直線部34及び第5直線部35を含む構成において、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視における第4直線部34及び第5直線部35の長さは、それぞれ20mm以上且つ70mm以下であってもよい(例えば図8参照)。
つまり、第4直線部34及び第5直線部35各々の、回転軸線C方向に沿う長さをそれぞれt、tとした場合、20mm≦t≦70mm、および20mm≦t≦70mmを満たす。なお、このような範囲を満たす限り、tおよびtは、同一の値であってもよいし異なる値であってもよい。
上述した膨張波や超音速偏向は、蒸気タービン1の大きさに関わらず、流路断面積が広がる方向に所定の角度を有する凸部40を通過する際に生じる。従って、このような膨張波や超音速偏向を生じさせ得る凸部40を形成するにあたり、第4直線部34及び第5直線部35の寸法が大き過ぎると排気室14の設置面積の増加、又は有効流路面積の低下を招くため好ましくなく、逆に第4直線部34及び第5直線部35の寸法が小さ過ぎると十分な効果が得られない虞がある。
この点、第4直線部34及び第5直線部35を、回転軸線C方向に沿う長さが20mm以上、且つ70mm以下の範囲内で形成することにより、排気室の設置面積の増加を抑制しつつ加工が容易な構成でありながら、上述した実施形態で述べた利益を享受できる蒸気タービン1の排気室14を提供することができる。
続いて、幾つかの実施形態における第3直線部33の構成についてより詳細に説明する。
図9は一実施形態における第3直線部の設置角度範囲を例示する概略図である。
いくつかの実施形態では、例えば図4及び図6~9に例示するように、上述したいずれか一つの構成において、第3直線部33は、回転軸線Cに対して直交する方向に沿って延在していてもよい。
なお、本開示において、回転軸線Cに対して直交する方向は、回転軸線Cに対して90°のみならず、その前後に数度~十数度の範囲を含むものとする。例えば第3直線部33は、側断面視において鉛直上方を0°、蒸気流れST1におけるその上流側を正、下流側を負と定義した場合に、-10°~15°の範囲に設けられていてもよい(図9参照)。例えば図9では、鉛直方向に対して、蒸気流れST1におけるその上流側への傾斜角の許容範囲をθ、同下流側への傾斜角の許容範囲をθとして、0°≦θ≦15°、0°≦θ≦10°である場合を例示している。
上記のように、フローガイド20の第3直線部33が、蒸気タービン1の回転軸線Cと直交する方向に沿って延在する構成によれば、ディフューザ通路18通過後に渦状に流れる循環流ST2が該ディフューザ通路18を通って排出される主排気流ST1に合流することを物理的に遮断することができるから、上記主排気流ST1と循環流ST2との干渉を効果的に抑制することができる。よって、排気効率の向上を図ることができる。
図10は一実施形態における第3直線部の長さ(S)と、径方向(D)における第3直線部の基端部からケーシングの内壁面(内周面)までの距離(H)との比(S/H)の関係を示すグラフである。
いくつかの実施形態では、例えば図4及び図10に非限定的に例示するように、上述した第3直線部33が回転軸線Cに対して直交する方向に沿って延在する構成において、ベアリングコーン16の径方向Dにおける第3直線部33の長さ(S)と、径方向Dにおける第3直線部33の基端部33Aからケーシング10の内壁面10A(内周面)までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下(つまり0.2≦(S/H)≦0.5)であってもよい。
本発明者らは、鋭意研究の末、上述した第3直線部33が回転軸線Cに対して直交する方向に延在する構成において、ベアリングコーン16の径方向Dにおける第3直線部33の長さ(S)と、上記径方向Dにおける第3直線部33の基端部33Aからケーシング10の内周面10Aまでの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下の範囲内である場合に排気効率を向上させることができることを突き止めた。
つまり、排気室14の排気効率は、第3直線部33の長さが長すぎても短すぎても向上しないが、上記のように、ベアリングコーン16の径方向Dにおける第3直線部33の長さ(S)と、上記径方向Dにおける第3直線部33の基端部33Aからケーシング10の内周面10Aまでの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下の範囲内となるように第3直線部33を形成することにより、循環流ST2と主排気流ST1との干渉を抑制して排気効率を向上させることができる。
続いて、幾つかの実施形態における第3直線部33の構成についてより詳細に説明する。
図11は一実施形態における第3直線部の構成例を示す、回転軸線方向視における概略図である。図12は一実施形態における第3直線部の、回転軸線周りにおける長さ分布を示すグラフである。
いくつかの実施形態では、例えば図11及び図12に例示するように、上述した0.2≦(S/H)≦0.5を満たす構成において、フローガイド20は、径方向Dに沿った第3直線部33の長さ(S)が回転軸線Cの周方向において非一様に形成されてもよい。
つまり、第3直線部33は、ベアリングコーン16の径方向Dに沿う方向の長さSが、回転軸線Cを中心とする周方向Rにおいて異なる分布を有していてもよい。換言すれば、第3直線部33は、周方向Rにおける第1位置と、該第1位置とは上記周方向Rにおける位置が異なる第2位置であって上記第1位置とは径方向Dの長さ乃至幅が異なる第2位置と、を含み得る。
蒸気タービン1の周方向Rにおいて、排気の循環流ST2と主排気流ST1との干渉が比較的起きやすい位置では蒸気タービン1の径方向Dに沿う第3直線部33の長さを長く確保することにより、上記循環流ST2と主排気流ST1との干渉を抑制して排気効率の向上を図ることができる。一方、上記周方向Rにおいて循環流ST2と主排気流ST1との干渉が比較的起きにくい位置では第3直線部33の高さを低くすることにより、フローガイド20の製作コストを抑制ないし低減することができる。
よって、例えば排気の循環流ST2と主排気流ST1との干渉の起き易さに応じて径方向Dに沿ったフローガイド20の第3直線部33の長さ(S)を回転軸線Cの周方向Rにおいて非一様に形成することにより、排気効率の向上とフローガイド20製作の低コスト化とを両立可能な蒸気タービン1の排気室14を提供することができる。
いくつかの実施形態では、上述した径方向Dに沿う第3直線部33の長さが回転軸線Cの周方向において非一様である構成において、フローガイド20は、径方向Dに沿った第3直線部33の長さ(S)が、蒸気タービン1の回転軸線C方向視において鉛直上方を0°として、-90~90°の範囲が90~270°の範囲よりも長く形成されてもよい(例えば図11及び図12参照)。
つまり、第3直線部33は、回転軸線Cを中心とする周方向Rにおいて、上半分が下半分より径方向Dに長く形成され得る。
蒸気タービン1の周方向Rにおいて、例えば排気室14の下部に排気出口を設けて(下方排気)下方の排気を排出する構成とすれば、フローガイド20において周方向Rの下側に位置する第3直線部33の長さは短くても排気干渉の影響は少ない。従って、上述した第3直線部33の上半分が下半分より径方向Dに長く形成された構成によれば、排気室14の下部から排気を抽出する構成を採用した排気室14に適用して好適な蒸気タービン1の排気室14を提供することができる。
図13は一実施形態における第3直線部の、回転中心軸周りにおける長さ分布の変形例を示す概略図である。
いくつかの実施形態では、例えば図13に非限定的に例示するように、上述した径方向Dに沿う第3直線部33の長さが回転軸線Cの周方向において非一様、又は回転軸線Cを中心とする周方向Rにおいて、第3直線部33の上半分が下半分より径方向Dに長く形成された構成において、フローガイド20は、径方向Dに沿った第3直線部33の長さ(S)のピークが、回転軸線Cの周方向Rにおいて鉛直上方を0°として、0~90°の範囲で動翼8の回転方向(旋回方向)の下流側に存在するように構成されてもよい。
つまり、第3直線部33は、当該第3直線部33の上記径方向Dに沿う長さSがピーク値(Smax)となる周方向Rの角度位置が、鉛直上方(0°)よりも動翼8の回転方向下流側であって、フローガイド20の上半分を満たす位置にシフトして配置されるように構成され得る。
ディフューザ通路18通過後に渦状に流れる循環流ST2と主排気流ST1との干渉は、蒸気タービン1の回転軸線Cの周方向Rにおいて鉛直上方を0°とした場合に、0°より動翼8の回転方向下流側にシフトした位置において生じやすい。
したがって、上記のように、第3直線部33の長さ(S)のピークが、上記回転軸線Cの周方向Rにおいて鉛直上方を0°として、0~90°の範囲で動翼8の回転方向下流側に存在するようにしてフローガイド20が構成される構成によれば、排気効率の向上とフローガイド20製作の低コスト化とを両立可能な蒸気タービン1の排気室14を提供することができる。
図14は一実施形態における第4直線部および第5直線部の角度を例示する概略図である。
いくつかの実施形態では、例えば図14に非限定的に例示するように、上述した第4直線部34を含む構成(さらに第5直線部35を含んでいてもよい)において、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、第4直線部34(より詳細にはその仮想延長線)に対する第2直線部32の傾斜角度θは、10°以上、且つ20°以下であってもよい。つまり、回転軸線Cに対する第4直線部34の傾斜角と、回転軸線Cに対する第2直線部32の傾斜角との差であるθ(傾斜角度θ)は、10°≦θ≦20°を満たし得る。
排気室14の入口(上流側端部側)付近を通過中の排気、すなわち最終段動翼8Aを通過した直後の排気(流体)は勢いが強く、その流れ方向を急激に変化させると剥離が発生して排気効率が低下するため好ましくない。
この点、上記のように、フローガイド20の第2直線部32が、該第2直線部32よりもフローガイド20の上流側に配置される第4直線部34に対して10°以上、且つ20°以下の傾斜角度θで連続する構成によれば、第4直線部34に沿う排気の流れが該第4直線部34と第2直線部32との接合部を通過する際に剥離が発生することを抑制して排気効率の低下を抑制することができる。
いくつかの実施形態では、例えば図14に例示するように、上述した第5直線部35を含む構成(さらに第4直線部34を含んでいてもよい)において、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、第2直線部32(より詳細にはその仮想延長線)に対する第5直線部35の傾斜角度θは、10°以上、且つ20°以下であってもよい。つまり、回転軸線Cに対する第5直線部35の傾斜角と回転軸線Cに対する第2直線部32の傾斜角との差であるθ(傾斜角度θ)は、10°≦θ≦20°を満たし得る。
上記のように、フローガイド20の第5直線部35が、該第5直線部35よりもフローガイド20の上流側に配置される第2直線部32に対して10°以上、且つ20°以下の傾斜角度θで連続する構成によれば、第2直線部32に沿う排気の流れが該第2直線部32と第5直線部35との接合部を通過する際に剥離が発生することを抑制して排気効率の低下を抑制することができる。
いくつかの実施形態では、例えば図9に例示するように、上述下いずれか一つの構成において、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、第1直線部31(より詳細にはその仮想延長線)に対する第2直線部32の傾斜角度θは、第2直線部32(より詳細にはその仮想延長線)に対する第3直線部33の傾斜角度θ以下であってもよい。つまり、回転軸線Cに対する第2直線部32の傾斜角は、回転軸線Cに対する第2直線部32の傾斜角と回転軸線Cに対する第3直線部33の傾斜角との差以下であってもよく、上記θ及びθは、θ≦θを満たし得る。
上述したように、排気室14の入口(排気室入口14A)付近を通過中の排気は勢いが強く、その流れ方向を急激に変化させると剥離が発生して排気効率が低下するため好ましくない。一方、排気室14の出口側(下流)に存在する第3直線部33は、該第3直線部33よりも上流側に存在する第2直線部32によって案内されることで径方向Dに向かう排気の流れがある程度形成されていることに加え、最終段動翼8Aを通過した直後に比べて流路面積も広いため上記最終段動翼8A通過直後に比べて排気の勢いが弱い。このため、第2直線部32に対する第3直線部33の傾斜角度θは、第1直線部31に対する第2直線部32の傾斜角度θより大きくすることが可能である。
よって、上記のようにθ≦θを満たす構成によれば、剥離の発生を抑制しつつ、排気を効率的に案内して排気効率の向上を図ることができる。
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、排気効率向上とフローガイド製作の低コスト化とを両立できる蒸気タービンの排気室を提供することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変更を加えた形態や、これらの形態を組み合わせた形態も含む。
1 蒸気タービン
2 ロータ(タービンロータ)
3 蒸気入口
6 軸受部
8 動翼
8A 最終段動翼
9 静翼
10 ケーシング
10A 内壁面
11 内側ケーシング
12 外側ケーシング
14 排気室
14A 排気室入口
14B 排気室出口
16 ベアリングコーン
16A 下流端
18 ディフューザ通路
20 フローガイド
20A 下流端
20B 上流端
22 通路形成面
30 直線部
31 第1直線部(上流側直線部)
32 第2直線部(中間直線部)
33 第3直線部(下流側直線部/衝立)
33A 基端部
34 第4直線部(上流側面取り部)
35 第5直線部(下流側面取り部)
40 凸部
C 回転軸線(中心軸)
D 径方向
H 径方向における第3直線部の基端部からケーシングの内周面までの距離
R 周方向
S 第3直線部の径方向長さ
max 第3直線部の径方向長さのピーク
ST1 蒸気流れ(主排気流)
ST2 旋回流

Claims (10)

  1. 蒸気タービンの排気室であって、
    ケーシングと、
    前記ケーシング内に設けられるベアリングコーンと、
    前記ケーシング内において前記ベアリングコーンの径方向外側に設けられ、前記ベアリングコーンとともにディフューザ通路を形成する通路形成面を有するフローガイドと、を備え、
    前記フローガイドの前記通路形成面は、
    前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記フローガイドにおける最上流側に配置される第1直線部であって、前記回転軸線と平行に、又は、前記回転軸線に対して所定の傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように、直線状に延在する第1直線部と、
    前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第2直線部であって、前記回転軸線に対して前記第1直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第2直線部と、を含み、
    前記フローガイドの前記通路形成面は、
    前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第2直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第3直線部であって、前記回転軸線に対して前記第2直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第3直線部と、
    前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部の下流端から前記第2直線部の上流端に向かって直線状に延在する第4直線部であって、前記第1直線部及び前記第2直線部よりも短い第4直線部と、
    前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第2直線部の下流端から前記第3直線部の上流端に向かって直線状に延在する第5直線部であって、前記第2直線部及び前記第3直線部よりも短い第5直線部と、をさらに含む
    蒸気タービンの排気室。
  2. 蒸気タービンの排気室であって、
    ケーシングと、
    前記ケーシング内に設けられるベアリングコーンと、
    前記ケーシング内において前記ベアリングコーンの径方向外側に設けられ、前記ベアリングコーンとともにディフューザ通路を形成する通路形成面を有するフローガイドと、を備え、
    前記フローガイドの前記通路形成面は、
    前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記フローガイドにおける最上流側に配置される第1直線部であって、前記回転軸線と平行に、又は、前記回転軸線に対して所定の傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように、直線状に延在する第1直線部と、
    前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第2直線部であって、前記回転軸線に対して前記第1直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第2直線部と、
    前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第2直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第3直線部であって、前記回転軸線に対して前記第2直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第3直線部と、を含み、
    前記ベアリングコーンの径方向における前記第3直線部の長さ(S)と、前記径方向における前記第3直線部の基端部から前記ケーシングの内周面までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下であり、
    前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)が前記回転軸線の周方向において非一様に形成され、
    前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)が、前記蒸気タービンの回転軸方向視において鉛直上方を0°として、-90~90°の範囲が90~270°の範囲よりも長く形成される
    蒸気タービンの排気室。
  3. 蒸気タービンの排気室であって、
    ケーシングと、
    前記ケーシング内に設けられるベアリングコーンと、
    前記ケーシング内において前記ベアリングコーンの径方向外側に設けられ、前記ベアリングコーンとともにディフューザ通路を形成する通路形成面を有するフローガイドと、を備え、
    前記フローガイドの前記通路形成面は、
    前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記フローガイドにおける最上流側に配置される第1直線部であって、前記回転軸線と平行に、又は、前記回転軸線に対して所定の傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように、直線状に延在する第1直線部と、
    前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第2直線部であって、前記回転軸線に対して前記第1直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第2直線部と、
    前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第2直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第3直線部であって、前記回転軸線に対して前記第2直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第3直線部と、を含み、
    前記ベアリングコーンの径方向における前記第3直線部の長さ(S)と、前記径方向における前記第3直線部の基端部から前記ケーシングの内周面までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下であり、
    前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)が前記回転軸線の周方向において非一様に形成されると共に、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)のピークが、前記回転軸線の周方向において鉛直上方を0°として、0~90°の範囲で前記蒸気タービンの動翼の回転方向下流側に存在するように構成される
    蒸気タービンの排気室。
  4. 前記第3直線部は、前記回転軸線に対して直交する方向に沿って延在する
    請求項1~3のいずれか一項に記載の蒸気タービンの排気室。
  5. 前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視における前記第4直線部及び前記第5直線部の長さは、20mm以上、且つ70mm以下である
    請求項に記載の蒸気タービンの排気室。
  6. 前記ベアリングコーンの径方向における前記第3直線部の長さ(S)と、前記径方向における前記第3直線部の基端部から前記ケーシングの内周面までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下である
    請求項1又は5に記載の蒸気タービンの排気室。
  7. 前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)が前記回転軸線の周方向において非一様に形成される
    請求項6に記載の蒸気タービンの排気室。
  8. 前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視において、前記第4直線部に対する前記第2直線部の傾斜角度は、10°以上、且つ20°以下である
    請求項1又は5~7の何れか一項に記載の蒸気タービンの排気室。
  9. 前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視において、前記第2直線部に対する前記第5直線部の傾斜角度は、10°以上、且つ20°以下である
    請求項1又は5~8の何れか一項に記載の蒸気タービンの排気室。
  10. 前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部に対する前記第2直線部の傾斜角度は、前記第2直線部に対する前記第3直線部の傾斜角度以下である
    請求項1~9の何れか一項に記載の蒸気タービンの排気室。
JP2019093383A 2019-05-17 2019-05-17 蒸気タービンの排気室 Active JP7283972B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019093383A JP7283972B2 (ja) 2019-05-17 2019-05-17 蒸気タービンの排気室

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019093383A JP7283972B2 (ja) 2019-05-17 2019-05-17 蒸気タービンの排気室

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020186709A JP2020186709A (ja) 2020-11-19
JP7283972B2 true JP7283972B2 (ja) 2023-05-30

Family

ID=73221453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019093383A Active JP7283972B2 (ja) 2019-05-17 2019-05-17 蒸気タービンの排気室

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7283972B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015183693A (ja) 2014-03-24 2015-10-22 アルストム テクノロジー リミテッドALSTOM Technology Ltd 共振チャンバを備える蒸気タービン
JP2015194085A (ja) 2014-03-31 2015-11-05 株式会社東芝 蒸気タービン
JP2018115581A (ja) 2017-01-17 2018-07-26 株式会社東芝 タービン排気室

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0455202Y2 (ja) * 1986-01-24 1992-12-25

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015183693A (ja) 2014-03-24 2015-10-22 アルストム テクノロジー リミテッドALSTOM Technology Ltd 共振チャンバを備える蒸気タービン
JP2015194085A (ja) 2014-03-31 2015-11-05 株式会社東芝 蒸気タービン
JP2018115581A (ja) 2017-01-17 2018-07-26 株式会社東芝 タービン排気室

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020186709A (ja) 2020-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011007467A1 (ja) インペラおよび回転機械
JP2010216321A (ja) 蒸気タービンの動翼及びそれを用いた蒸気タービン
US20170241427A1 (en) Seal mechanism and rotating machine
WO2012124388A1 (ja) 遠心圧縮機のスクロール構造
US11149588B2 (en) Exhaust chamber of steam turbine, flow guide for steam turbine exhaust chamber, and steam turbine
KR20120096261A (ko) 공기조화기의 터보팬
WO2018181343A1 (ja) 遠心圧縮機
US20200011345A1 (en) Return stage of a multi-staged compressor or expander with twisted guide vanes
JP6726986B2 (ja) シール装置、回転機械
JP6783924B2 (ja) 蒸気タービンの排気室、及び、蒸気タービン
JP2008175124A (ja) 遠心圧縮機
JP2009133267A (ja) 圧縮機のインペラ
KR102247594B1 (ko) 볼류트 케이싱 및 이를 구비한 회전 기계
JP2018053952A (ja) シール機構、回転機械
JP7283972B2 (ja) 蒸気タービンの排気室
JP6763803B2 (ja) 遠心回転機械
JP2019035364A (ja) 蒸気タービン
JP2018135836A (ja) 遠心圧縮機
JP2017061898A (ja) 蒸気タービン
JP2005315216A (ja) 軸流水車
JP2005233154A (ja) 蒸気タービン
JP2007051551A (ja) 両吸込渦巻ポンプ
JP7161419B2 (ja) 遠心回転機械の製造方法、及び遠心回転機械
JP2019019765A (ja) 遠心圧縮機、ターボチャージャ
JP2021099087A (ja) 水車のドラフトチューブ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20210903

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20210903

A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20220315

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230518

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7283972

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150