JP7283972B2 - 蒸気タービンの排気室 - Google Patents
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ケーシングと、
前記ケーシング内に設けられるベアリングコーンと、
前記ケーシング内において前記ベアリングコーンの径方向外側に設けられ、前記ベアリングコーンとともにディフューザ通路を形成する通路形成面を有するフローガイドと、を備え、
前記フローガイドの前記通路形成面は、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記フローガイドにおける最上流側に配置される第1直線部であって、前記回転軸線と平行に、又は、前記回転軸線に対して所定の傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように、直線状に延在する第1直線部と、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第2直線部であって、前記回転軸線に対して前記第1直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第2直線部と、を含む。
この点、上記(1)に示す蒸気タービンの排気室は、フローガイドの通路形成面が上記側断面視にて第1直線部と第2直線部とを含むように構成されるから、例えば上記側断面視にて曲線状のフローガイドを形成する場合に比べてフローガイドの製作にかかる工数及びコストを抑制することができる。また、第1直線部及び第2直線部は、ディフューザ通路に面する通路形成面が下流側に向けて拡径するように、隣接する端部同士が非平行に連続し、少なくとも第2直線部が蒸気タービンの中心軸線に対して下流側ほど拡径するように傾斜して設けられるから、例えばディフューザ通路を画定する通路形成面が回転軸線に平行な直線部とこれに直交する直線部とで構成される場合に比べて排気流を円滑に案内することができる。よって、排気効率向上とフローガイド製作の低コスト化とを両立できる蒸気タービンの排気室を提供することができる。
前記フローガイドの前記通路形成面は、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第2直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第3直線部であって、前記回転軸線に対して前記第2直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第3直線部、をさらに含んでいてもよい。
前記第3直線部は、前記回転軸線に対して直交する方向に沿って延在していてもよい。
前記フローガイドの前記通路形成面は、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部の下流端から前記第2直線部の上流端に向かって直線状に延在する第4直線部であって、前記第1直線部及び前記第2直線部よりも短い第4直線部と、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第2直線部の下流端から前記第3直線部の上流端に向かって直線状に延在する第5直線部であって、前記第2直線部及び前記第3直線部よりも短い第5直線部と、をさらに含んでいてもよい。
なお、第4直線部は、例えば第1直線部と第2直線部との接合部における通路形成面側の角を上記側断面視にて直線状に面取りした面取り部であってもよい。同様に、第5直線部は、例えば第2直線部と第3直線部との接合部における通路形成面側の角を上記側断面視にて直線状に面取りした面取り部であってもよい。
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視における前記第4直線部及び前記第5直線部の長さは、20mm以上、且つ70mm以下であってもよい。
この点、上記(4)の構成によれば、第4直線部及び第5直線部を、回転軸線方向に沿う長さが20mm以上、且つ70mm以下の範囲内で形成することにより、排気室の設置面積の増加を抑制しつつ加工が容易な構成でありながら、上記(4)の利益を享受できる蒸気タービンの排気室を提供することができる。
前記ベアリングコーンの径方向における前記第3直線部の長さ(S)と、前記径方向における前記第3直線部の基端部から前記ケーシングの内周面までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下であってもよい。
つまり、排気室の排気効率は、第3直線部の長さが長すぎても短すぎても向上しないが、上記(6)の構成によれば、ベアリングコーンの径方向における第3直線部の長さ(S)と、上記径方向における第3直線部の基端部からケーシングの内周面までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下の範囲内となるように第3直線部を形成することにより、循環流と主排気流との干渉を抑制して排気効率を向上させることができる。
前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)が前記回転軸線の周方向において非一様に形成されてもよい。
よって、上記(7)の構成によれば、例えば排気の循環流と主排気流との干渉の起き易さに応じて径方向に沿ったフローガイドの第3直線部の長さ(S)を回転軸線の周方向において非一様に形成することにより、排気効率の向上とフローガイド製作の低コスト化とを両立可能な蒸気タービンの排気室を提供することができる。
前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)が、前記蒸気タービンの回転軸方向視において鉛直上方を0°として、-90~90°の範囲が90~270°の範囲よりも長く形成されてもよい。
前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)のピークが、前記回転軸線の周方向において鉛直上方を0°として、0~90°の範囲で前記動翼の回転方向下流側に存在するように構成されてもよい。
したがって、上記(9)の構成によれば、第3直線部の長さ(S)のピークが、上記回転軸線の周方向において鉛直上方を0°として、0~90°の範囲で動翼の回転方向下流側に存在するようにしてフローガイドが構成されるから、上記(7)で述べたように、排気効率の向上とフローガイド製作の低コスト化とを両立可能な蒸気タービンの排気室を提供することができる。
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視において、前記第4直線部に対する前記第2直線部の傾斜角度は、10°以上、且つ20°以下であってもよい。
この点、上記(10)の構成によれば、第2直線部が、フローガイドにおいて該第2直線部の上流側に配置される第4直線部に対して10°以上、且つ20°以下の傾斜角度で連続することにより、第4直線部に沿う排気の流れが該第4直線部と第2直線部との接合部を通過する際に剥離が発生することを抑制して排気効率の低下を抑制することができる。
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視において、前記第2直線部に対する前記第5直線部の傾斜角度は、10°以上、且つ20°以下であってもよい。
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部に対する前記第2直線部の傾斜角度は、前記第2直線部に対する前記第3直線部の傾斜角度以下であってもよい。
よって、上記(12)の構成によれば、剥離の発生を抑制しつつ、排気を効率的に案内して排気効率の向上を図ることができる。
図1は、一実施形態における蒸気タービンの軸方向に沿った概略断面図である。図1に示すように、蒸気タービン1は、軸受部6によって回転自在に支持されるロータ2と、ロータ2に取付けられた複数段の動翼8と、ロータ2及び動翼8を収容する内側ケーシング11と、動翼8に対向するように内側ケーシング11に取付けられた複数段の静翼9と、を備えている。内側ケーシング11の外側には、外側ケーシング12が設けられている。
このような蒸気タービン1は、蒸気入口3から内側ケーシング11に蒸気が導入されると、蒸気が静翼9を通過する際に膨張して増速され、動翼8に対して仕事をしてロータ2を回転させるようになっている。
なお、排気室14の下方には、復水器(不図示)が設けられていてもよい。蒸気タービン1で動翼8に対して仕事をし終えた蒸気は、排気室14から排気室出口14Bを介して復水器に流入するようになっていてもよい。
図2は一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の構成例を示す側断面図である。図3は図2のA-A線に沿った断面図である。
図2及び図3に非限定的に例示するように、本発明の少なくとも1つの実施形態に係る蒸気タービン1の排気室14は、ケーシング10と、ケーシング10内に設けられるベアリングコーン16と、ケーシング10内においてベアリングコーン16の径方向D外側に設けられ、ベアリングコーン16とともにディフューザ通路18(蒸気流路)を形成する通路形成面22を有するフローガイド20と、を備えている。なお、排気室14は下方側に排気室出口14Bを有し、この排気室出口14Bを介して、蒸気タービン1から蒸気が排出されるようになっている。
ベアリングコーン16は、ケーシング10内において、軸受部6を覆うようにしてフローガイド20の内周側に設けられている。また、図2に示すように、ベアリングコーン16の下流端16Aは、ケーシング10の内壁面10Aに接続されている。
ディフューザ通路18は、断面積が徐々に大きくなる形状を有し、蒸気タービン1の最終段動翼8Aを通過した高速の蒸気流れST1が該ディフューザ通路18に流入すると、蒸気流れST1が減速されて、その運動エネルギーが圧力へと変換(静圧回復)されるようになっている。
フローガイド20は、蒸気流れST1の下流側ほど拡径するようにして、下流端20Aが上流端20Bより大径に形成されている。つまり、フローガイド20は、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、少なくともその内側においてディフューザ通路18を画定する通路形成面22が下流側に向けて拡径するように、隣接する端部同士が非平行に連続する複数の直線部を含む。
なお、フローガイド20の下流端20Aとは、フローガイド20の軸方向における両端部のうち、蒸気流れST1の下流側に配置される端部であり、内径が大きいほうの端部のことをいう。また、フローガイド20の上流端20Bとは、フローガイド20の軸方向における両端部のうち、蒸気流れST1の上流側に配置される端部であり、内径が小さいほうの端部のことをいう。
そして、フローガイド20の通路形成面22は、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、フローガイド20における最上流側に配置される第1直線部31と、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、第1直線部31よりもフローガイド20の下流側に配置される第2直線部32と、を含む。
第2直線部は、回転軸線Cに対して第1直線部31よりも大きな傾斜角を有し、且つフローガイド20の下流側に向かうにつれて回転軸線Cとの距離が大きくなるように直線状に延在している(図1及び図2参照)。すなわち、フローガイド20のうち、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて第2直線部32を含む部分は、中心軸が回転軸線Cに沿い、下流側が大径の円錐(又は円錐台)状に形成される(図3参照)。
この点、上述した構成を有する蒸気タービン1の排気室14は、フローガイド20の通路形成面22が上記側断面視にて第1直線部31と第2直線部32とを含むように構成されるから、例えば上記側断面視にて曲線状のフローガイドを形成する場合に比べてフローガイド20の製作にかかる工数及びコストを抑制することができる。また、第1直線部31及び第2直線部32は、ディフューザ通路18に面する通路形成面22が下流側に向けて拡径するように、隣接する端部同士が非平行に連続し、少なくとも第2直線部32が蒸気タービン1の回転軸線Cに対して下流側ほど拡径するように傾斜して設けられるから、例えばディフューザ通路18を画定する通路形成面22が回転軸線Cに平行な直線部とこれに直交する直線部とで構成される場合に比べて排気流(蒸気流れST1)を円滑に案内することができる。よって、排気効率向上とフローガイド20製作の低コスト化とを両立できる蒸気タービン1の排気室14を提供することができる。
さらに、第1直線部31及び第2直線部32を備えることにより、蒸気流れST1の主排気流と循環流ST2の干渉を抑制することができる。
図4及び図5に非限定的に例示するように、幾つかの実施形態では、上述した構成において、フローガイド20の通路形成面22は、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、第2直線部32よりもフローガイド20の下流側に配置される第3直線部33をさらに含んでいてもよい。
なお、第3直線部33は、径方向Dに沿う長さ(S)が回転軸線Cの周方向Rにおいて一様に形成されてもよい。つまり、フローガイド20において、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて第3直線部33を含む部分のうち大径側の端部は、軸方向視にて円(真円)形状に形成されていてもよい。
なお、上述した第1直線部31、第2直線部32及び第3直線部33を含む構成のフローガイド20において、第1直線部31は、排気室14内において蒸気流れST1の上流(最上流)側に位置する直線部(入口側直線部)である。また、第3直線部33は、排気室14内において蒸気流れST1の下流(最下流)側に位置する直線部(出口側直線部)であり、最終段動翼8Aを通過した蒸気流れST1の主排気流と、フローガイド20の下流端20Aを通過して旋回成分が付加された循環流ST2との干渉を抑制する衝立として機能し得る。そして、第2直線部32は、上記第1直線部31と第3直線部33とを接続する中間直線部である。
図6及び図7に非限定的に例示するように、いくつかの実施形態では、上記の第3直線部33を含む構成において、フローガイド20の通路形成面22は、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、第1直線部31の下流端31Aから第2直線部32の上流端32Bに向かって直線状に延在する第4直線部34であって、第1直線部31及び第2直線部32よりも短い第4直線部34と、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、第2直線部32の下流端32Aから第3直線部33の上流端33Bに向かって直線状に延在する第5直線部35であって、第2直線部32及び第3直線部33よりも短い第5直線部35と、をさらに含んでいてもよい。
なお、第4直線部34と第5直線部35とは、何れか一方のみ設けられていてもよい。
なお、第4直線部34は、例えば図7に示すように、第1直線部31と第2直線部32との接合部における通路形成面22側の角を上記側断面視にて直線状に面取りした面取り部であってもよい。同様に、第5直線部35は、例えば第2直線部32と第3直線部33との接合部における通路形成面22側の角を上記側断面視にて直線状に面取りした面取り部であってもよい。
つまり、第4直線部34及び第5直線部35各々の、回転軸線C方向に沿う長さをそれぞれt4、t5とした場合、20mm≦t4≦70mm、および20mm≦t5≦70mmを満たす。なお、このような範囲を満たす限り、t4およびt5は、同一の値であってもよいし異なる値であってもよい。
この点、第4直線部34及び第5直線部35を、回転軸線C方向に沿う長さが20mm以上、且つ70mm以下の範囲内で形成することにより、排気室の設置面積の増加を抑制しつつ加工が容易な構成でありながら、上述した実施形態で述べた利益を享受できる蒸気タービン1の排気室14を提供することができる。
図9は一実施形態における第3直線部の設置角度範囲を例示する概略図である。
いくつかの実施形態では、例えば図4及び図6~9に例示するように、上述したいずれか一つの構成において、第3直線部33は、回転軸線Cに対して直交する方向に沿って延在していてもよい。
なお、本開示において、回転軸線Cに対して直交する方向は、回転軸線Cに対して90°のみならず、その前後に数度~十数度の範囲を含むものとする。例えば第3直線部33は、側断面視において鉛直上方を0°、蒸気流れST1におけるその上流側を正、下流側を負と定義した場合に、-10°~15°の範囲に設けられていてもよい(図9参照)。例えば図9では、鉛直方向に対して、蒸気流れST1におけるその上流側への傾斜角の許容範囲をθ3、同下流側への傾斜角の許容範囲をθ4として、0°≦θ3≦15°、0°≦θ4≦10°である場合を例示している。
いくつかの実施形態では、例えば図4及び図10に非限定的に例示するように、上述した第3直線部33が回転軸線Cに対して直交する方向に沿って延在する構成において、ベアリングコーン16の径方向Dにおける第3直線部33の長さ(S)と、径方向Dにおける第3直線部33の基端部33Aからケーシング10の内壁面10A(内周面)までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下(つまり0.2≦(S/H)≦0.5)であってもよい。
つまり、排気室14の排気効率は、第3直線部33の長さが長すぎても短すぎても向上しないが、上記のように、ベアリングコーン16の径方向Dにおける第3直線部33の長さ(S)と、上記径方向Dにおける第3直線部33の基端部33Aからケーシング10の内周面10Aまでの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下の範囲内となるように第3直線部33を形成することにより、循環流ST2と主排気流ST1との干渉を抑制して排気効率を向上させることができる。
図11は一実施形態における第3直線部の構成例を示す、回転軸線方向視における概略図である。図12は一実施形態における第3直線部の、回転軸線周りにおける長さ分布を示すグラフである。
いくつかの実施形態では、例えば図11及び図12に例示するように、上述した0.2≦(S/H)≦0.5を満たす構成において、フローガイド20は、径方向Dに沿った第3直線部33の長さ(S)が回転軸線Cの周方向において非一様に形成されてもよい。
つまり、第3直線部33は、ベアリングコーン16の径方向Dに沿う方向の長さSが、回転軸線Cを中心とする周方向Rにおいて異なる分布を有していてもよい。換言すれば、第3直線部33は、周方向Rにおける第1位置と、該第1位置とは上記周方向Rにおける位置が異なる第2位置であって上記第1位置とは径方向Dの長さ乃至幅が異なる第2位置と、を含み得る。
よって、例えば排気の循環流ST2と主排気流ST1との干渉の起き易さに応じて径方向Dに沿ったフローガイド20の第3直線部33の長さ(S)を回転軸線Cの周方向Rにおいて非一様に形成することにより、排気効率の向上とフローガイド20製作の低コスト化とを両立可能な蒸気タービン1の排気室14を提供することができる。
つまり、第3直線部33は、回転軸線Cを中心とする周方向Rにおいて、上半分が下半分より径方向Dに長く形成され得る。
いくつかの実施形態では、例えば図13に非限定的に例示するように、上述した径方向Dに沿う第3直線部33の長さが回転軸線Cの周方向において非一様、又は回転軸線Cを中心とする周方向Rにおいて、第3直線部33の上半分が下半分より径方向Dに長く形成された構成において、フローガイド20は、径方向Dに沿った第3直線部33の長さ(S)のピークが、回転軸線Cの周方向Rにおいて鉛直上方を0°として、0~90°の範囲で動翼8の回転方向(旋回方向)の下流側に存在するように構成されてもよい。
つまり、第3直線部33は、当該第3直線部33の上記径方向Dに沿う長さSがピーク値(Smax)となる周方向Rの角度位置が、鉛直上方(0°)よりも動翼8の回転方向下流側であって、フローガイド20の上半分を満たす位置にシフトして配置されるように構成され得る。
したがって、上記のように、第3直線部33の長さ(S)のピークが、上記回転軸線Cの周方向Rにおいて鉛直上方を0°として、0~90°の範囲で動翼8の回転方向下流側に存在するようにしてフローガイド20が構成される構成によれば、排気効率の向上とフローガイド20製作の低コスト化とを両立可能な蒸気タービン1の排気室14を提供することができる。
いくつかの実施形態では、例えば図14に非限定的に例示するように、上述した第4直線部34を含む構成(さらに第5直線部35を含んでいてもよい)において、蒸気タービン1の回転軸線Cを含む側断面視にて、第4直線部34(より詳細にはその仮想延長線)に対する第2直線部32の傾斜角度θ6は、10°以上、且つ20°以下であってもよい。つまり、回転軸線Cに対する第4直線部34の傾斜角と、回転軸線Cに対する第2直線部32の傾斜角との差であるθ6(傾斜角度θ6)は、10°≦θ6≦20°を満たし得る。
この点、上記のように、フローガイド20の第2直線部32が、該第2直線部32よりもフローガイド20の上流側に配置される第4直線部34に対して10°以上、且つ20°以下の傾斜角度θ6で連続する構成によれば、第4直線部34に沿う排気の流れが該第4直線部34と第2直線部32との接合部を通過する際に剥離が発生することを抑制して排気効率の低下を抑制することができる。
よって、上記のようにθ1≦θ2を満たす構成によれば、剥離の発生を抑制しつつ、排気を効率的に案内して排気効率の向上を図ることができる。
2 ロータ(タービンロータ)
3 蒸気入口
6 軸受部
8 動翼
8A 最終段動翼
9 静翼
10 ケーシング
10A 内壁面
11 内側ケーシング
12 外側ケーシング
14 排気室
14A 排気室入口
14B 排気室出口
16 ベアリングコーン
16A 下流端
18 ディフューザ通路
20 フローガイド
20A 下流端
20B 上流端
22 通路形成面
30 直線部
31 第1直線部(上流側直線部)
32 第2直線部(中間直線部)
33 第3直線部(下流側直線部/衝立)
33A 基端部
34 第4直線部(上流側面取り部)
35 第5直線部(下流側面取り部)
40 凸部
C 回転軸線(中心軸)
D 径方向
H 径方向における第3直線部の基端部からケーシングの内周面までの距離
R 周方向
S 第3直線部の径方向長さ
Smax 第3直線部の径方向長さのピーク
ST1 蒸気流れ(主排気流)
ST2 旋回流
Claims (10)
- 蒸気タービンの排気室であって、
ケーシングと、
前記ケーシング内に設けられるベアリングコーンと、
前記ケーシング内において前記ベアリングコーンの径方向外側に設けられ、前記ベアリングコーンとともにディフューザ通路を形成する通路形成面を有するフローガイドと、を備え、
前記フローガイドの前記通路形成面は、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記フローガイドにおける最上流側に配置される第1直線部であって、前記回転軸線と平行に、又は、前記回転軸線に対して所定の傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように、直線状に延在する第1直線部と、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第2直線部であって、前記回転軸線に対して前記第1直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第2直線部と、を含み、
前記フローガイドの前記通路形成面は、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第2直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第3直線部であって、前記回転軸線に対して前記第2直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第3直線部と、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部の下流端から前記第2直線部の上流端に向かって直線状に延在する第4直線部であって、前記第1直線部及び前記第2直線部よりも短い第4直線部と、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第2直線部の下流端から前記第3直線部の上流端に向かって直線状に延在する第5直線部であって、前記第2直線部及び前記第3直線部よりも短い第5直線部と、をさらに含む
蒸気タービンの排気室。 - 蒸気タービンの排気室であって、
ケーシングと、
前記ケーシング内に設けられるベアリングコーンと、
前記ケーシング内において前記ベアリングコーンの径方向外側に設けられ、前記ベアリングコーンとともにディフューザ通路を形成する通路形成面を有するフローガイドと、を備え、
前記フローガイドの前記通路形成面は、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記フローガイドにおける最上流側に配置される第1直線部であって、前記回転軸線と平行に、又は、前記回転軸線に対して所定の傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように、直線状に延在する第1直線部と、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第2直線部であって、前記回転軸線に対して前記第1直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第2直線部と、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第2直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第3直線部であって、前記回転軸線に対して前記第2直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第3直線部と、を含み、
前記ベアリングコーンの径方向における前記第3直線部の長さ(S)と、前記径方向における前記第3直線部の基端部から前記ケーシングの内周面までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下であり、
前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)が前記回転軸線の周方向において非一様に形成され、
前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)が、前記蒸気タービンの回転軸方向視において鉛直上方を0°として、-90~90°の範囲が90~270°の範囲よりも長く形成される
蒸気タービンの排気室。 - 蒸気タービンの排気室であって、
ケーシングと、
前記ケーシング内に設けられるベアリングコーンと、
前記ケーシング内において前記ベアリングコーンの径方向外側に設けられ、前記ベアリングコーンとともにディフューザ通路を形成する通路形成面を有するフローガイドと、を備え、
前記フローガイドの前記通路形成面は、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記フローガイドにおける最上流側に配置される第1直線部であって、前記回転軸線と平行に、又は、前記回転軸線に対して所定の傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように、直線状に延在する第1直線部と、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第2直線部であって、前記回転軸線に対して前記第1直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第2直線部と、
前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第2直線部よりも前記フローガイドの下流側に配置される第3直線部であって、前記回転軸線に対して前記第2直線部よりも大きな傾斜角を有し、且つ前記フローガイドの下流側に向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように直線状に延在する第3直線部と、を含み、
前記ベアリングコーンの径方向における前記第3直線部の長さ(S)と、前記径方向における前記第3直線部の基端部から前記ケーシングの内周面までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下であり、
前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)が前記回転軸線の周方向において非一様に形成されると共に、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)のピークが、前記回転軸線の周方向において鉛直上方を0°として、0~90°の範囲で前記蒸気タービンの動翼の回転方向下流側に存在するように構成される
蒸気タービンの排気室。 - 前記第3直線部は、前記回転軸線に対して直交する方向に沿って延在する
請求項1~3のいずれか一項に記載の蒸気タービンの排気室。 - 前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視における前記第4直線部及び前記第5直線部の長さは、20mm以上、且つ70mm以下である
請求項1に記載の蒸気タービンの排気室。 - 前記ベアリングコーンの径方向における前記第3直線部の長さ(S)と、前記径方向における前記第3直線部の基端部から前記ケーシングの内周面までの距離(H)との比(S/H)が、0.2以上、且つ0.5以下である
請求項1又は5に記載の蒸気タービンの排気室。 - 前記フローガイドは、前記径方向に沿った前記第3直線部の長さ(S)が前記回転軸線の周方向において非一様に形成される
請求項6に記載の蒸気タービンの排気室。 - 前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視において、前記第4直線部に対する前記第2直線部の傾斜角度は、10°以上、且つ20°以下である
請求項1又は5~7の何れか一項に記載の蒸気タービンの排気室。 - 前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視において、前記第2直線部に対する前記第5直線部の傾斜角度は、10°以上、且つ20°以下である
請求項1又は5~8の何れか一項に記載の蒸気タービンの排気室。 - 前記蒸気タービンの回転軸線を含む側断面視にて、前記第1直線部に対する前記第2直線部の傾斜角度は、前記第2直線部に対する前記第3直線部の傾斜角度以下である
請求項1~9の何れか一項に記載の蒸気タービンの排気室。
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