本明細書では、特に断りのない限り、後述の用語及び表現はすべて下記の意味で使用される。ある特定の用語又は表現は、特別に定義されていない場合、不確実または不明確と判断されるべきではなく、通常の意味に従って理解すべきである。本明細書で記載されている商品名は、かかる商品またはその有効成分を指す。
C1-8とは、炭化水素基に含まれる炭素原子の数を意味する。例えば、C1とは、炭素原子を1個のみ含有し、C2とは、炭素原子を2個含有する等々を意味する。
式(I)で示される化合物では、用語「C1-8アルキル基」とは、炭素原子を1〜8個含有する直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが包含される。
「C2-8アルケニル基」とは、炭素原子を2〜8個含有し、且つ二重結合を1個含有する直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を意味し、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基などが包含される。
「C2-8アルキニル基」とは、炭素原子を2〜8個含有し、且つ三重結合を1個含有する直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を意味し、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基などが包含される。
「C3-7シクロアルキル基」とは、炭素原子を3〜7個含有する単環式または二環式炭化水素基を意味し、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロヘプチル基などが包含される。
ここで用いる用語「薬学的に許容される」とは、化合物、材料、組成物及び/又は剤形は、信頼できる医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激性、アレルギー性反応又はほかの問題や合併症がなく、ヒトや動物の組織と接触して使用することに適し、合理的な利益/リスク比に見合ったことを意味する。
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明で見出された特定の置換基を有する化合物と、比較的無毒性の酸または塩基とを用いて調製される本発明の化合物の塩を意味する。本発明の化合物が、相対的に酸性の官能基を含むとき、純粋溶液または好適な不活性溶媒中で、十分量の塩基を係る化合物の中性の形態と接触させることによって、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミン、もしくはマグネシウムの塩、または類似の塩が包含される。本発明の化合物が、相対的に塩基性の官能基を含むとき、純粋溶液または好適な不活性溶媒中で、十分量の酸を係る化合物の中性の形態と接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸または亜リン酸などの無機酸の塩、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの有機酸の塩が挙げられ、さらに、アミノ酸(例えばアルギニンなど)の塩、およびグルクロン酸などの有機酸の塩も含まれる(Berge et al.,”Pharmaceutical Salts”,Journal of Pharmaceutical Science 66:1−19(1977)を参照)。本発明のある特定の化合物は、塩基性の官能基及び酸性の官能基を含むため、任意の塩基付加塩または酸付加塩に変換されることが可能である。
従来の方式で塩を塩基または酸と接触させ、さらに親化合物を単離することによって、化合物の中性の形態を得ることが好ましい。化合物の親の形態は様々な塩の形態とは、ある物理的特性で異なって、例えば、極性溶媒における溶解性が異なっている。
本明細書で用いる「薬学的に許容される塩」は、本発明化合物の誘導体であり、酸との塩又は塩基との塩を形成する形で前記親化合物を修飾する。薬学的に許容される塩の実例として、例えばアミンのような塩基の無機酸又は有機酸の塩、例えばカルボン酸のような酸のアルカリ金属塩又は有機塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。薬学的に許容される塩は、一般の非毒性塩又は親化合物の第四級アンモニウム塩、例えば非毒性の無機酸又は有機酸からなる塩を含む。一般の非毒性塩は、無機酸及び有機酸に由来する塩を含むが、これらに限定されるものではない。前記無機酸又は有機酸は、アセチルサリチル酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、炭酸水素イオン、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、フォリン酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸から選択される。
本発明の薬学的に許容される塩は、酸性又は塩基性部分を含む親化合物から通常の化学的方法により合成できる。一般的に、このような塩は、水中又は有機溶媒中又はこの2種の混合物中で、これらの化合物の遊離酸又は塩基の形態を化学量論的に適量な塩基又は酸と反応させて調製される。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒質が好ましい。
塩の形態に加えて、本発明はプロドラッグ形態の化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学的変化し、本発明の化合物に転化する化合物である。さらに、プロドラッグは、エクスビボ環境において、化学的方法または生化学的方法によって本発明の化合物に変換することができる。
本発明のある化合物は、非溶媒和形態又は溶媒和形態(水和形態を含む)で存在してもよい。一般的に、溶媒和形態は非溶媒和形態と等価であり、本発明の範囲に含まれる。
本発明のある化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有してもよい。ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、および個々の異性体は本発明の範囲に含まれる。
本明細書に記載のラセミ体、ambiscalemic and scalemic又は鏡像体的に純粋な化合物の図式的表現は、Maehr,J.Chem.Ed.1985,62:114−120。1985年、62:114−120に基づく。特に断りのない限り、くさび形結合及び破線結合で1つの立体中心の絶対配置を示す。上記化合物がオレフィン系二重結合又は他の幾何不斉中心を含む場合、特に断りのない限り、それらはE、Z幾何異性体を含む。同様に、すべての互変異性体形態は本発明の範囲内に含まれる。
本発明の化合物は特定の幾何又は立体異性体形態で存在し得る。本発明では、このような化合物のすべて、例えば、シスおよびトランス異性体、(−)−及び(+)−エナンチオマー、(R)−及び(S)−鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、及びそのラセミ混合物並びに他の混合物、例えば、エナンチオマー又はジアステレオマーリッチな混合物のような混合物はすべて本発明に含まれるものとする。アルキル基などの置換基では、他の不斉炭素原子が存在してもよい。このような異性体およびこれらの混合物はすべて、本発明に含まれるものとする。
キラル合成又はキラル剤あるいは他の従来技術によって光学活性な(R)−と(S)−異性体及びDとL異性体を調製することができる。本発明の化合物のエナンチオマーを得たい場合、不斉合成あるいはキラル補助剤の誘導体化によって調製することができる。ここで、得られたジアステレオマー混合物を分離し、且つ補助基が切断されることによって、純粋なエナンチオマーを提供することができる。あるいは、分子にアルカリ性官能基(例えばアミノ基)又は酸性官能基(例えばカルボキシル基)が含まれる場合、適当な光学活性な酸又はアルカリとジアステレオマーの塩を形成した後、当業界公知の方法によって、ジアステレオマーを分離し、純粋なエナンチオマーを回収する。なお、エナンチオマー及びジアステレオマーの分離は、通常、クロマトグラフィーによって行い、上記クロマトグラフィーは、キラル固定相を用い、且つ化学誘導法と併用してもよい(例えば、アミンからアミノギ酸塩を生成する)。
本発明の化合物は、前記化合物を構成する1つの又は多数の原子に非天然存在割合の同位元素原子を含んでもよい。例えば、放射性同位元素、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素−125(125I)又はC−14(14C)で化合物を標識することができる。本発明の化合物のすべての同位元素組成の変化は、放射性であるか否かにかかわらず、すべて本発明の範囲内に含まれる。
用語「薬学的に許容される担体」とは、本発明の有効量の活性物質を送達することができ、活性物質の生理活性を妨害せず、且つホストや患者への毒性副作用がないいかなる製剤又は担体媒質を意味する。代表的な担体は、水、油、野菜とミネラル、クリームベース、ローションベース、軟膏ベース等を含む。これらのベースは、懸濁化剤、増粘剤、浸透促進剤などを含む。これらの製剤は化粧品又は局所適用医薬品分野において周知されているものである。担体の他の情報について、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Ed.,Lippincott,Williams&Wilkins(2005)を参照されたい。この文献の内容が参照として本明細書に組み込まれる。
用語「賦形剤」とは、通常、有効な医薬組成物を配合するのに必要な担体、希釈剤及び/又は媒質を意味する。
薬物又は薬理学的に活性な薬剤について、「有効量」もしくは「治療有効量」とは、無毒性で、所望の効果をもたらすに足る薬物または薬剤の使用量を意味する。本発明における経口剤型に関して、組成物における1種の活性物質の「有効量」とは、該組成物における別の活性物質と併用するときに所望の効果を達成するのに必要な使用量を意味する。有効量は人によって異なり、受容者の年齢及び一般状況に依存し、活性物質の種類にも依存する。個々のケースにおける適切な有効量は、当業者が通常の実験によって決めることができる。
用語「有効成分」、「治療剤」、「活性物質」又は「活性剤」とは、標的障害、疾患又は病症を有効に治療できる化学物質を意味する。
用語「置換される」とは、特定の原子上の任意の1つ又は多数の水素原子が置換基に置換されたことを指す。重水素及び水素の異性体を含み、特定の原子の原子価状態が正常であり、置換された後の化合物が安定であればよい。置換基がケトン基(即ち、=O)である時、2つの水素原子が置換されたことを意味する。ケトンの置換は、アリール基で発生しない。用語「置換されてもよい」とは、置換されてもよく、置換されなくてもよいことを意味する。特に断りのない限り、置換基の種類及び数は、化学的に実現可能であれば任意であってもよい。
化合物の組成又は構造で何らの変数(例えばR)が1個以上含まれる場合、それぞれ独立して定義される。したがって、例えば、1つの基が0〜2個のRで置換される場合、前記基は最大で2個のRで置換されてもよく、且つすべてのRが各々独立している定義を有する。また、置換基及び/又はその変異体の組み合わせが、このような組み合わせにより安定した化合物が生成される場合に限って許される。
ある置換基の結合がある環上の2個の原子にそれぞれ結合できる場合、このような置換基は、この環上の任意の原子に結合してもよい。例示されている置換基のどの原子により、化学構造一般式で表される範囲内であるものの、具体的に説明されていない化合物に結合されるか明示されていない場合、このような置換基は任意の原子によって結合することができる。ただし、置換基及び/又はその変異体の組み合わせが、このような組み合わせにより安定した化合物が生成される場合に限って許される。例えば、構造単位
とは、シクロヘキシル基又はシクロヘキサジエンの任意の位置で置換されてもよいことを意味する。
アルキル基及びヘテロアルキル基原子団に由来する置換基は通常、「アルキル置換基」と呼ばれ、−R’、−OR’、=O、=NR’、=N‐OR’、−NR’R”、−SR’、ハロゲン、−SiR’R”R”’、OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R”、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、NR’C(O)NR”R”’、−NR”C(O)2R’、−NR””’−C(NR’R”R’”)=NR””、NR””C(NR’R”)=NR’”、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R”、NR”SO2R’、−CN、−NO2、−N3、−CH(Ph)2及びフルオロ(C1−C4)アルキル基から選択された1個又は複数個であってもよいが、これらに限定されるものではない。ここで、置換基の数が0〜(2m’+1)であり、m’はこれら原子団中の炭素原子の合計数を表す。R’、R”、R”’、R””及びR””’は各々独立して、水素、置換または非置換のヘテロアルキル基、置換または非置換のアリール基(例えば1〜3個のハロゲンで置換されたアリール基)、置換または非置換のアルキル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基又はアラルキル基から選択されることが好ましい。1個以上のR’、R”、R”’、R””及びR””’基が存在する場合に、これらの基がそれぞれ独立していると同じように、本発明の化合物はR基を1個以上含む場合、R基はそれぞれ独立している。R’及びR”が同じ窒素原子に結合されるとき、該窒素原子と5−,6−又は7−員環を形成してもよい。例えば、−NR’R”とは、1−ピロリジニル基及び4−モルホリニル基を含むが、これらに限定されるものではないことを意味する。上記置換基に関する説明によれば、当業者は、用語「アルキル基」とは、炭素原子が水素原子でない基に結合されてなる基、例えばハロアルキル基(例えば−CF3、−CH2CF3)及びアシル基(例えば−C(O)CH3、−C(O)CF3、−C(O)CH2OCH3等)を含むことを意味すると理解できる。
アルキル基原子団の置換基に似ており、アリール基及びヘテロアリール基置換基は通常、「アリール置換基」と呼ばれ、例えば−R’、−OR’、−NR’R”、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R”R”’、OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R”、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、NR’C(O)NR”R”’、−NR”C(O)2R’、−NR””’−C(NR’R”R’”)=NR””、NR””C(NR’R”)=NR’”、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R”、NR”SO2R’、−CN、−NO2、−N3、−CH(Ph)2、フルオロ(C1−C4)アルコキシ基及びフルオロ(C1−C4)アルキル基(ただし、置換基の数が0〜芳香環上のオープンな原子価の合計数であり、R’、R”、R”’、R””及びR””’は独立して、好ましくは水素、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のヘテロアルキル基、置換または非置換のアリール基及び置換または非置換のヘテロアリール基から選択される。)等から選択される。1個以上のR’、R”、R”’、R””及びR””’基が存在する場合に、これらの基がそれぞれ独立していると同じように、本発明の化合物はR基を1個以上含む場合、R基はそれぞれ独立している。
アリール基又はヘテロアリール環の隣接原子上の2個の置換基は、一般式−T−C(O)−(CRR’)q−U−(式中、T及びUは独立して、−NR−、−O−、CRR’-又は単結合から選択され、qは0〜3の整数を表す。)で表される置換基で置換されてもよい。代替例として、アリール基又はヘテロアリール基環の隣接原子上の2個の置換基は、一般式−A(CH2)rB−(式中、A及びBは独立して−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2NR’−又は単結合から選択され、rは1〜4の整数を表す。)で表される置換基で置換されてもよい。これにより形成された新しい環上の1個の単結合を二重結合に代替してもよい。代替できる選択肢として、アリール基又はヘテロアリール基環の隣接原子上の2個の置換基は、一般式−A(CH2)rB−(s及びdは各々独立して0〜3の整数から選択され、Xは−O−、−NR’、−S−、−S(O)−、−S(O)2−又は−S(O)2NR’−を表す。)で表される置換基で置換されてもよい。置換基R、R’、R”及びR”’は各々独立して水素、及び置換または非置換の(C1−C6)アルキル基から選択されるものが好ましい。
特に断りのない限り、用語「ハロゲン化元素」又は「ハロゲン」自体、或いは他の置換基の一部として、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を表す。また、用語「ハロアルキル基」とは、モノハロアルキル基及びポリハロアルキル基を含むことを意味する。例えば、用語「ハロ(C1−C4)アルキル基」とは、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、4−クロロブチル基および3−ブロモプロピル基等を含むが、これらに限定されるものではないことを意味する。
ハロアルキル基の実例として、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、およびペンタクロロエチル基を含むが、これらに限定されるものではない。「アルコキシ基」とは、酸素架橋による特定数の炭素原子を有する上記アルキル基を指す。C1-6アルコキシ基は、C1、C2、C3、C4、C5及びC6のアルコキシ基を含むが、これらに限定されるものではない。アルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基およびS−ペントキシ基を含むが、これらに限定されるものではない。「シクロアルキル基」は、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基又はシクロペンチル基の飽和環状基を含む。C3-7シクロアルキル基は、C3、C4、C5、C6及びC7シクロアルキル基を含む。「アルケニル基」は、任意の安定したサイトに1個又は複数の炭素−炭素二重結合が存在している直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を含ものであり、例えばエテニル基及びプロペニル基が挙げられる。
用語「ハロ」又は「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味する。
特に断りのない限り、用語「ヘテロ」とは、ヘテロ原子又はヘテロ原子団(つまり、ヘテロ原子を含む原子団)を意味し、炭素(C)及び水素(H)以外の原子、並びにこれらのヘテロ原子を含む原子団を含み、例えば酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、−O−、−S−、=O、=S、−C(=O)O−、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)、−S(=O)2−、及び置換されていてもよい−C(=O)N(H)−、−N(H)−、−C(=NH)−、−S(=O)2N(H)−又は−S(=O)N(H)−を含む。
特に断りのない限り、「環」は、置換または非置換のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロシクロアルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。いわゆる環は、単環、環集合、スピロ環、縮合環または架橋環を含む。環上の原子数は通常、環の員数として定義されており、例えば「5〜7員環」とは、5〜7個の原子が環状に配置されていることを意味する。特に断りのない限り、この環は、1〜3個のヘテロ原子を有していてもよい。したがって、「5〜7員環」は、例えばフェニルピリジン及びピペリジル基を含む。また、用語「5〜7員ヘテロシクロアルキル基環」は、ピリジル基及びピペリジル基を含むが、フェニル基を含まない。用語「環」はさらに、少なくとも1個の環を含む環系を含み、環系における「環」は全て独立して上記の定義を有する。
特に断りのない限り、用語「ヘテロ環」又は「複素環基」とは、ヘテロ原子又はヘテロ原子団を含む安定した単環式、二環式または三環式ものを意味し、飽和、部分的に不飽和又は不飽和(芳香族)でもよく、炭素原子及びそれぞれ独立してN、O及びSから選択される1、2、3又は4個の環ヘテロ原子を含み、上記任意のヘテロ環はベンゼン環に縮合して二環式を形成してもよい。窒素及び硫黄のヘテロ原子は酸化されてもよい(つまり、NO及びS(O)pでもよい)。窒素原子は、置換されても置換されていなくてもよい(つまり、N又はNRでもよい。ただし、RはH、又は本明細書に定義されている他の置換基を表す。)。このヘテロ環は、いかなるヘテロ原子又は炭素原子のペンダント基に結合して安定した構造を形成することもできる。生成された化合物は安定したものであれば、本明細書に記載のヘテロ環は、炭素位置又は窒素位置で置換されてもよい。ヘテロ環における窒素原子は第四級アンモニウム化されてもよい。1つの好ましい形態は、ヘテロ環におけるS及びO原子の合計数が1を超えると、これらのヘテロ原子は互いに隣接しないものとする。もう1つの好ましい形態は、ヘテロ環におけるS及びO原子の合計数が1以下であるものとする。本明細書では、用語「芳香族複素環基」又は「ヘテロアリール基」とは、安定した5、6、7員単環式又は二環式、或いは7、8、9又は10員二環式複素環基の芳香環を意味し、炭素原子及びそれぞれ独立してN、O及びSから選択される1、2、3又は4個の環ヘテロ原子を含み、窒素原子は、置換されても置換されていなくてもよい(つまり、N又はNRでもよい。ただし、RはH、又は本明細書に定義されている他の置換基を表す。)。窒素及び硫黄のヘテロ原子は酸化されてもよい(つまり、NO及びS(O)pでもよい)。なお、芳香族複素環上のS及びO原子の合計数が1以下である。架橋環もヘテロ環に定義されている範囲内である。1個又は複数の原子(つまり、C、O、N又はS)が、隣接していない2個の炭素原子又は窒素原子に結合する場合に、架橋環が形成される。好ましい架橋環として、1個の炭素原子、2個の炭素原子、1個の窒素原子、2個の窒素原子及び1個の炭素−窒素基を含むが、これらに限定されるものではない。なお、通常、1個の架橋により、単環式が三環式に変換される。架橋環では、環上の置換基は架橋にあることも可能である。
複素環化合物の実例は、アクリジニル基、アゾシニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾメルカプトフラニル基、ベンゾメルカプトフェニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサゾリニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾテトラゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリニル基、カルバゾリル基、4aH−カルバゾリル基、カルボリニル基、ベンゾジヒドロピラニル基、クロメン基、シンノリンデカヒドロキノリン基、2H,6H−1,5,2-ジチアジン基、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラニル基、フラニル基、フラザニル基、イミダゾールアルキル基、イミダゾリニル基、イミダゾリル基、1H−インダゾール基、インドールアルケニル基、ジヒドロインドリル基、インドリジニル基、インドリル基、3H−インドリル基、isatino基、イソベンゾフラニル基、ピラン基、イソインドリル基、イソジヒドロインドリル基、イソインドリル基、インドリル基、イソキノリン基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、メチレンジオキシフェニル基、モルホリノ基、ナフチリジニル基、オクタヒドロイソキノリン基、オキサジアゾール基、1,2,3−オキサジアゾール基、1,2,4−オキサジアゾール基、1,2,5−オキサジアゾール基、1,3,4−オキサジアゾール基、オキサゾールアルキル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキシインドリル基、ピリミジニル基、フェナントリジニル基、フェナントロリル基、フェナジン基、フェノチアジン基、ベンゾキサンチニル基、フェノキサジニル基、フタラジニル基、ピペラジニル基、ピペリジル基、ピペリジノニル基、4−ピペリジノニル基、ピペロニル基、プテリジニル基、プリニル基、ピラニル基、ピラジン基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピラゾリル基、ピリダジン基、ピリドオキサゾール基、ピリドイミダゾール基、ピリドチアゾール基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、ピラゾリル基、キナゾリニル基、キノリン基、4H−キノリジニル基、キノキサリニル基、キヌクリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロイソキノリン基、テトラヒドロキノリン基、テトラアゾール基、6H−1,2,5−チアジアジニル基、1,2,3−チアジアゾール基、1,2,4−チアジアゾール基、1,2,5−チアジアゾール基、1,3,4−チアジアゾール基、チアントレニル基、チアゾリル基、イソチアゾリルチエニル基、チエニル基、チエノオキサゾリル基、チエノチアゾリル基、チエノイミダゾリル基、チエニル基、トリアジニル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、1,2,5−トリアゾリル基、1,3,4−トリアゾリル基及びキサンテニル基を含むが、これらに限定されるものではない。また、縮合環及びスピロ環化合物も含まれる。
特に断りのない限り、用語「炭化水素基」又はその下位概念(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基等)自体又は他の置換基の一部である場合は、直鎖状、分枝鎖状、又は環状の炭化水素原子団又はその組み合せを示し、完全飽和、一価又は多価不飽和であったり、単一置換、二置換又は多置換であったり、一価(例えば、メチル基)、二価(例えば、メチレン基)又は多価(例えば、メチン基)であったり、二価又は多価原子団を含んだり、指定数の炭素原子(例えばC1−C10は炭素数1〜10を示す)を有したりすることができる。「炭化水素基」は、脂肪炭化水素基及び芳香炭化水素基を含むが、これらに限定されるものではない。前記脂肪炭化水素基は、鎖状及び環状を含み、具体的に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を含むが、これらに限定されるものではない。前記芳香炭化水素基は、6〜12員の芳香炭化水素基、例えば、フェニル基、ナフタレン基等を含むが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施例において、用語「アルキル基」は、直鎖状又は分枝鎖状又は環状の原子団又はそれらの組み合せを示し、完全飽和、一価又は多価不飽和であってもよく、また二価及び多価原子団を含んでよい。飽和炭化水素基の実例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロプロピルメチル基、及びn−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の原子団の同族体又は異性体を含むが、これらに限定されるものではない。不飽和アルキル基は、1つの又は複数の二重結合又は三重結合を有し、その実例は、ビニル基、2−アリル基、ブテニル基、クロチル基、2−イソペンテニル基、2−(ブタジエニル)基、2,4−ペンタジエニル基、3−(1,4−ペンタジエニル)基、エチニル基、1−及び3−プロピニル基、3−ブチニル基、及び高級同族体及び異性体を含むが、これらに限定されるものではない。
特に断りのない限り、用語「ヘテロ炭化水素基」あるいはその下位概念(例えば、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、ヘテロアリール基等)自体あるいは及び他の用語と併用される場合は、安定した直鎖状、分枝鎖状又は環状の炭化水素原子団又はその組み合せを示し、一定数の炭素原子及び少なくとも1つのヘテロ原子が含まれる。いくつかの実施例において、用語「ヘテロアルキル基」自体あるいは他の用語と併用される場合は、安定した直鎖状、分枝鎖状の炭化水素原子団又はその組み合せを示し、一定数の炭素原子及び少なくとも1つのヘテロ原子が含まれる。1つの典型な実施例において、ヘテロ原子は、B、O、N及びSより選ばれ、窒素及び硫黄原子は、酸化されてもよく、アザ原子は、第四級アンモニウム化されてもよい。ヘテロ原子B、O、N及びSは、ヘテロ炭化水素基の任意の内部位置に配置されてもよい(前記炭化水素基が分子の他の部分に付着している位置を含む)。実例は、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−CH2−CH2、−S(O)−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−CH=CH−O−CH3、−CH2−CH=N−OCH3および−CH=CH−N(CH3)−CH3を含むが、これらに限定されるものではない。最大で2つのヘテロ原子が連続であってもよく、例えば−CH2−NH−OCH3が挙げられる。
用語「アルコキシ基」、「アルキルアミノ基」及び「アルキルチオ基」(又はチオアルコキシ基)は、慣用表現であり、それぞれ、1つの酸素原子、アミノ基又は硫黄原子を通して分子の他の部分に結合するアルキル基を示す。
特に断りのない限り、用語「環状炭化水素基」、「複素環炭化水素基」又はその下位概念(例えば、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロシクロアルキニル基等)自体又は他の用語と一緒に使用される場合は、それぞれ環状の「炭化水素基」、「ヘテロ炭化水素基」を示す。さらに、複素炭化水素基又は複素環炭化水素基(例えばヘテロアルキル基、複素環アルキル基)について、ヘテロ原子は前記複素環が付着する分子の他の部分の位置を占めることができる。シクロアルキル基の実例は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基等を含むが、これらに限定されるものではない。複素環基の非限定的な実例は、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)基、1−ピペリジル基、2−ピペリジル基、3−ピペリジル基、4−モルホリノ基、3−モルホリノ基、テトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロフランインドール−3−イル基、テトラヒドロチオフェン−2−イル基、テトラヒドロチオフェン−3−イル基、1−ピペラジニル基及び2−ピペラジニル基を含む。
特に断りのない限り、用語「アリール基」は、多価不飽和芳香族炭化水素置換基を意味し、単一置換、二置換又は多置換されてもよく、一価、二価又は多価であってもよく、単環又は多環(例えば1〜3環、そのうち、少なくとも1環が芳香族)であってもよく、それらは縮合又は共有結合している。用語「ヘテロアリール基」は、1〜4個のヘテロ原子を含むアリール基(又は環)を示す。1つの典型的な実例において、ヘテロ原子は、B、N、O及びSより選ばれ、窒素及び硫黄原子は、酸化されてもよく、窒素原子は、第四級アンモニウム化されてもよい。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を通して分子の他の部分に結合されてもよい。アリール基又はヘテロアリール基の非限定的な実例は、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、3−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、ピラジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、2−フェニル−4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ベンゾチアゾリル基、プリニル基、2−ベンゾイミダゾリル基、5−インドリル基、1−イソキノリン基、5−イソキノリン基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、3−キノリン基及び6−キノリン基を含む。上記任意のアリール基及びヘテロアリールシクロ基の置換基は、後述の許容される置換基より選ばれる。
便宜上、アリール基は、他の用語と併用する場合(例えば、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基)、上記で定義されたアリール基及びヘテロアリールシクロ基を含む。したがって、用語「アラルキル基」は、アリール基がアルキル基に付着している原子団(例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、ピリジルメチル基等)を含む。また、炭素原子(例えばメチレン基)が、例えば酸素原子に置き換えられたアルキル基、例えば、フェノキシメチル基、2−ピリジルオキシメチル基、3−(1−ナフチルオキシ)プロピル基等を含む。
用語「脱離基」は、置換反応(例えば、求核置換反応)によって他の官能基又は原子に置換することができる官能基又は原子を指す。例えば、代表的な脱離基は、トリフルオロメタンスルホン酸メチル;塩素、臭素、ヨウ素;例えばメタンスルホネート、トルエンスルホネート、p−ブロモベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート等のスルホネート基;例えばアセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基等のアシルオキシ基を含む。
用語「保護基」は、「アミノ保護基」、「ヒドロキシ保護基」又は「メルカプト保護基」を含むが、これらに限定されるものではない。用語「アミノ保護基」とは、アミノ基の窒素位置での副反応の阻止に適用する保護基を指す。代表的なアミノ保護基は、ホルミル基;例えばアルカノイル基(例えばアセチル基、トリクロロアセチル基又はトリフルオロアセチル基)のアシル基;例えばtert−ブトキシカルボニル基(Boc)等のアルコキシカルボニル基;例えばベンジルオキシカルボニル基(Cbz)及び9-フルオレンメトキシカルボニル基(Fmoc)のアリールメトキシカルボニル基;例えばベンジル基(Bn)、トリベンゼンメチル基(Tr)、1,1−ビス(4’−メトキシフェニル)メチル基のアリールメチル基、例えばトリメチルシリル(TMS)及びtert−ブチルジメチルシリル(TBS)のシリル基等を含むが、これらに限定されるものではない。用語「ヒドロキシ保護基」は、ヒドロキシの副反応の阻止に適する保護基を指す。代表的なヒドロキシ保護基は、例えばメチル基、エチル基及びtert−ブチル基のアルキル基;例えば、アルカノイル基(例えばアセチル基)のアシル基;例えばベンジル基(Bn)、パラメトキシベンジル基(PMB)、9−フルオレンメチル基(Fm)及びジフェニルメチル基(ジフェニルメチル基、DPM)のアリールメチル基;例えばトリメチルシリル基(TMS)及びtert−ブチルジメチルシリル基(TBS)のシリル基等を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の化合物は、当業者に熟知されている多くの合成方法により調製されることができ、以下に例示されている発明を実施するための形態、それと他の化学合成方法とを組み合わせてなる実施の形態、及び当業者に熟知されている同等の方法が含まれる。好ましい実施の形態は、本発明の実施例を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用される溶媒は市販品である。反応は、通常、不活性窒素ガスで、無水溶媒中で行われる。プロトン核磁気共鳴のデータは、Bruker Avance III 400(400MHz)分光計に記録される。化学シフトは、テトラメチルシランの低磁場側の(ppm)で示される。質量スペクトルは、アジレント1200シリーズプラス6110(&1956A)により測定される。LC/MS又はShimadzu MSは1つのDAD:SPD‐M20A(LC)及びShimadzu Micromass 2020検出器を含む。質量分析計は、正又は負モードで操作されるエレクトロスプレーイオン化源(ESI)を備える。
Shimadzu SIL−20Aオートサンプラー及び日本島津DAD:SPD−M20A検出器を備える島津LC20ABシステムにより、高速液体クロマトグラフィーを行い、Xtimate C18(3μmフィラー、規格2.1×300mm)クロマトグラフィーカラムを用いる。0−60AB 6分の方法:直線勾配を適用し、100%A(Aは0.0675%TFA水溶液)で溶出を開始し、60%B(Bは0.0625%TFAのMeCN溶液)で溶出を終了させる。全過程を4.2分間とし、その後は60%Bで1分間溶出する。さらに100:0になるまでクロマトグラフィーカラムを0.8分間再平衡化し、合計実行時間を6分間とする。10−80AB 6分の方法:直線勾配を適用し、90%A(Aは0.0675%TFA水溶液)溶出を開始し、80%B(Bは0.0625%TFAのアセトニトリル溶液)で溶出を終了させる。全過程を4.2分間とし、その後は80%Bで1分間溶出する。さらに100:0になるまでクロマトグラフィーカラムを0.8分間再平衡化し、合計実行時間を6分間とする。カラム温度は50℃であり、流速は0.8mL/minである。ダイオードアレイ検出器の走査波長は200〜400nmである。
Sanpont−groupのシリカゲルGF254にて、薄層クロマトグラフィー分析(TLC)を行い、UVを用いてスポットを可視化する。場合によっては、追加の可視化法も用いる。これらの場合には、ヨウ素(シリカゲル10gにヨウ素を約1g添加し、完全に混合したもの)、バニリン(バニリン約1gを10% H2SO4100mLに溶解させたもの)、ニンヒドリン(Aldrichより購入)又は特殊顕色剤((NH4)6Mo7O24・4H2O、(NH4)2Ce(IV)(NO3)65g、H2O 450mL及び濃H2SO4 50mLを完全に混合したもの)によりプレートを展開し、化合物を可視化する。Still,W.C.;Kahn,M.;and Mitra,M.Journal of Organic Chemistry,1978,43,2923−2925.に開示されているものと類似する方法により、Silicycleの40‐63μm(230〜400メッシュ)のシリカゲルカラム上でフラッシュカラムクロマトグラフィーを行う。フラッシュカラムクロマトグラフィー又は薄層クロマトグラフィーでよく用いられる溶媒は、ジクロロメタン/カルビノール、酢酸エチル/カルビノール及びヘキサン/酢酸エチルの混合物である。
Gilson−281 Prep LC 322システムにてギルソンUV/VIS−156検出器を用いて調製クロマトグラフィーで分析を行う。クロマトグラフィーカラムとして、Agella Venusil ASB Prep C18、5μm、150×21.2mm、Phenomenex Gemini C18、5μm、150×30mm、Boston Symmetrix C18、5μm、150×30mm、あるいはPhenomenex Synergi C18、4μm、150×30mmを使う。流速が約25mL/minである時は、低勾配のアセトニトリル/水で化合物を溶出する。水にはHCl 0.05%、HCOOH 0.25%又はNH3・H2O 0.5%が含まれ、合計実行時間は8〜15分間である。
本発明が提供する選択的CDK4/6阻害剤は、非小細胞肺がん、食道がん、結腸直腸がん及び急性骨髄性白血病等一連のがん治療に使用されることができる。選択的CDK4/6阻害剤は、単独の薬剤として使用されてもよく、又は他の化学療法剤と併用されてもよい。
本発明では、以下の略語を使用する。すなわち、MWはマイクロ波を示し、r.t.は室温を示し、aqは水溶液を示し、DCMはジクロロメタンを示し、THFはテトラヒドロフランを示し、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを示し、DMSOはジメチルスルホキシドを示し、EtOAcは酢酸エチルを示し、EtOHはエタノールを示し、MeOHはメタノールを示し、BOCはアミン保護基であるtert−ブチルカルボニル基を示し、Boc2Oはジ−tert−ブチルジ炭酸エステルを示し、HOAc酢酸を示し、TEAは2,2,2−トリフルオロエチルアミンを示し、DIPEAはN,N−ジイソプロピルエチルアミンを示し、TEA又はEt3Nはトリエチルアミンを示し、BnNH2はベンジルアミンを示し、PMBNH2はp−メトキシベンジルアミンを示し、MnO2は二酸化マンガンを示し、HATUはO−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩を示し、POCl3は三塩化酸化りんを示し、NaHは水素化ナトリウムを示し、LiAlH4は水素化アルミニウムリチウムを示し、Pd2(dba)3はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を示し、Pd(dppf)Cl2は[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(1:1)を示し、Pd(OAc)2は酢酸パラジウムを示し、Pd(PPh3)4はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を示し、PPh3はトリフェニルホスフィンを示し、Xantphosは9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンを示し、Xphosは2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリ−イソプロピル−1,1’−ビフェニルを示し、BINAPは(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを示し、Xphos−PD−G2はクロロ−(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2,4,6−トリイソプロピル−1,1−ビフェニル)[2‐(2‐アミノ‐1,1−ビフェニル)]パラジウム(II)を示し、NISはN−ヨードこはく酸イミドを示し、NBSはN−ブロモスクシンイミドを示し、NCSはN−クロロこはく酸イミドを示し、t−BuOKはtert−ブチル酸カリウムを示し、t−BuONaはtert−ブトキシナトリウムを示し、Cs2CO3は炭酸セシウムを示し、K2CO3は炭酸カリウムを示し、NaBH(OAc)3はトリアセトキシ水素化ほう素ナトリウムを示し、NaBH3CNはシアノトリヒドロほう酸ナトリウムを示し、NaHCO3は炭酸水素ナトリウムを示し、Na2SO4は硫酸ナトリウムを示し、KOAcは酢酸カリウムを示し、Xantphosは4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンを示す。
本発明の化合物は、当業者に熟知されている多くの合成方法により調製されることができ、以下に例示されている発明を実施するための形態、それと他の化学合成方法とを組み合わせてなる実施の形態、及び当業者に熟知されている同等の方法が含まれる。好ましい実施の形態は、本発明の実施例を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の化合物は、一連の合成工程により調製されることができ、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、m、n、Q、T及びWは上記に定義されたとおりである。
反応スキーム1 式Iで示される化合物を調製する。
Y=R4の場合、反応スキーム1で示される上記反応では、2−H−ピラゾール誘導体(A)と2−アリールアミン(B)を反応させて式Iで示される化合物を得た。該反応では、適切な触媒(例えばPd2(dba)3)、適切なリガンド(例えばXantphos)、適切なアルカリ(例えばCs2CO3)、適切な溶媒(例えば1,4−ジオキサン)が必要である。反応スキーム1によると、該反応はより好ましくは高温下で行われる。
Q−YがN−Bocの場合、反応スキーム1で示される下記反応では、式Iで示される化合物は同様に、2−H−ピラゾール誘導体(A)と2−アリールアミン(B)を反応させて得られる。ただし、Boc基を強酸(例えばTFA)の存在下で除去し、アミン(C)を得、最後にアミン(C)を還元的アミノ化又は求核置換(例えばNaBH3CN又はハロアルキル)の条件下でアルキル化反応させて式Iで示される化合物を得ることが必要とされる。
反応スキーム2 2−H−ピラゾール誘導体(A)を調製する。
は
である。
反応スキーム2で示される反応では、5−ブロモ−2H−インダゾール(D)とハロアルキルR2X(E)を反応させて5−ブロモ−2H−インダゾール(F)を調製することができる。この反応では、適切なアルカリ(例えばNaH又はMeONa)、適切な溶媒(例えばTHF)が必要である。5−ブロモ−2H−インダゾール(F)をハロゲン化することにより、5−ブロモ−2H−インダゾール(G)を調製することができる。この反応では、適切なハロゲン化試薬(例えばBr2、NBS又はNIS)、適切な溶媒(例えばDMF又はMeCN)が必要である。5−ブロモ−2H−インダゾール(I)は、ホウ酸エステル(H)のパラジウム触媒カップリングにより調製することができる。この反応では、適切な触媒(例えばPd(dppf)Cl2)、適切なアルカリ(例えばK2CO3)、適切な溶媒(例えば1,4−ジオキサン及び水)が必要である。5−ブロモ−2H−インダゾール(K)は、ビス(ピナコラト)ジボロン(J)のパラジウム触媒カップリングにより調製することができる。この反応では、適切な触媒(例えばPd(dppf)Cl2)、適切なアルカリ(例えばKOAc)、適切な溶媒(例えば1,4−ジオキサン)が必要である。2−H−ピラゾール誘導体(A)は、化合物(L)のパラジウム触媒カップリングにより調製することができる。この反応では、適切な触媒(例えばPd(dppf)Cl2)、適切なアルカリ(例えばK2CO3)、適切な溶媒(例えば1,4−ジオキサン)が必要である。反応スキーム2によると、該反応はより好ましくは高温下で行われる。2−H−ピラゾール誘導体(A’)は、化合物(A)のロジウム触媒による水素化により調製することができる。この反応では、適切な触媒(例えばRh(PPh3)3Cl)、適切な溶媒(例えばテトラヒドロフラン)が必要である。R1’はR1還元後のアルキル基を示す。
反応スキーム3 2−H−ピラゾール誘導体(A)を調製する。
は
である。
反応スキーム3で示される反応では、化合物(J)と塩化物(N)とを反応させて化合物(O)を調製することができる。この反応では、適切なアルカリ(例えばLiHMDS)、適切な溶媒(例えばTHF)が必要である。化合物(O)から、環化反応により2−H−ピラゾール(Q)を調製することができる。この反応では、適切なアルキルヒドラジン(P)、適切な溶媒(例えばEtOH)が必要である。2−H−ピラゾール(R)は接触水素化により調製することができる。この反応では、適切な触媒(例えばPd/C)、適切な溶媒(例えばMeOH)が必要である。2−H−ピラゾール誘導体(A)は、化合物(L)から調製することができる。この反応では、適切なアルカリ(例えばEt3N)、適切な溶媒(例えばTHF)が必要である。反応スキーム3によると、該反応はより好ましくは高温下で行われる。
反応スキーム4 2−アリールアミン(B)を調製する。式中、WはS又はOを示し、且つTはCを示す。
反応スキーム4で示される反応では、ピリジン臭化物(U)は、2−ブロモ−5−ヒドロキシ−ピリジン(S)と市販のチオール又はアルコール(T)をMitsunobu反応させて調製される。その後、パラジウム触媒の条件下で、ピリジン臭化物(U)が2−アリールアミン(B)に変換される。この反応では、適切な触媒(例えばPd2(dba)3)、適切なアルカリ(例えばLiHMDS)、適切な溶媒(例えばトルエン)が必要である。反応スキーム4によると、該反応はより好ましくは高温下で行われる。
反応スキーム5 2−アリールアミン(B)を調製する。Wは直接に結合している単結合である。
反応スキーム5で示される反応では、Wが直接に結合している単結合である場合、2−アリールアミン(B)は下記2種の方法で調製されることができる。1)4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−5,6−ジヒドロ−1−(2H)−カルボン酸tert−ブチルブチルエステル(X)と、ニトロピリジン(W)を、まずパラジウム触媒の存在下でカップリング反応させ、その後にニトロ基及び二重結合を還元する方法。2)ニトロピリジン(W)上の臭素原子を、市販のアミン(V)で置換した後に、ニトロ基を還元する方法。
以下の実施例を参照しながら、本発明について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
発明A
中間体A、中間体B及び中間体Cを調製するための一般方法。
第1のステップ
5−ブロモ−2−(H)−インダゾール
85%のヒドラジン水和物(103.00g、2.06mol、23.20当量)水溶液に5−ブロモ−2−フルオロベンズアルデヒド(18.00g、88.67mmol、1.00当量)を徐々に添加し、滴下過程で、白色の固体が徐々に析出した。混合物を110℃で16時間撹拌した。LCMSにてほとんどが目的化合物であると示された後に、混合物を16℃までに冷却し、濾過し、濾過ケーキを水(100ml)で洗浄して粗生成物を得た。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して(石油エーテル:酢酸エチル=3:2)得られた標題の化合物(6.50g、32.99mmol、収率37.21%)は白色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:197.1(M+1)。
第2のステップ
5−ブロモ−2−メチル−2H−インダゾール
30℃、窒素ガス雰囲気で、5−ブロモ−2H−インダゾール(20.00g、101.51mmol、1.00当量)とナトリウムメトキシド(5.48g、5.48mmol、5.48当量)のメタノール(150.00ml)溶液にヨードメタン(57.00g、401.58mmol、3.96当量)を滴下し、滴下時間を1時間に制御した。その後、混合物を85℃までに加熱して5時間撹拌し、LCMSにて原料がほとんど消費され、且つ所望の化合物のMSが検出されたと示された後に、混合物を16℃までに冷却して濃縮し、粗生成物を得た。3%のNaHCO3水溶液(30ml)で希釈し、酢酸エチル(80ml×2)で抽出し、有機相を減圧下で濃縮した。残留物をクロマトグラフィーによって精製して(石油エーテル:酢酸エチル=30:1〜1:1)、得られた標題の化合物(8.40g、39.80mmol、収率39.21%)は灰色の固体であった。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.33(s,1H),7.95(s,1H),7.58(d,J=8.0Hz,1H),7.30(dd,J=1.8Hz,8Hz,1H),4.18(s,1H)。LCMS(ESI)m/z:210.8(M+1)。
第3のステップ
5−ブロモ−3−ヨード−2−メチル−2H−インダゾール
30℃で、5−ブロモ−2−メチル−2H−インダゾール(8.40g、39.80mmol、1.00当量)の塩化メチレン(90ml)溶液にピリジン(4.72g、59.70mmol、1.5当量)と[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(20.54g、47.76mmol、1.20当量)を添加して混合物を0.5時間撹拌し、次いで、ヨード(12.12g、47.76mmol、1.20当量)を添加して23.5時間撹拌し続けた。LCMSにて反応が完全に進行したと示された後に、混合物を濾過して得られた標題の化合物(8.20g、粗生成物)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:336.9(M+1)。
第4のステップ
5−ブロモ−2−メチル−3−イソプロペニル2H−インダゾール
窒素ガス雰囲気で、5−ブロモ−3−ヨード−2−メチル−2H−インダゾール(7.68g、22.79mmol、1.00当量)とイソプロペニルホウ酸エステル(4.21g、25.07mmol、1.11当量)の1,4−ジオキサン(90.00ml)溶液にK2CO3(9.45g、68.38mmol、3.00当量)の飽和水溶液(30ml)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(1.86g、2.28mmol、0.10当量)を添加し、混合物を100℃で3時間撹拌した。TLCにて反応がほぼ終了したと示された後に、混合物を30℃までに冷却し、濾過し、ろ液を酢酸エチル(100ml×3)で抽出し、水(50ml×3)で洗浄し、飽和食塩水(20ml×3)洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過して濃縮し、残留物をクロマトグラフィーによって精製して(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)、得られた標題の化合物(5.36g、21.34mmol、収率93.66%)は黄色のオイル状物であった。
第5のステップ
2−メチル−3−イソプロペニル−5−ホウ酸エステル−2H−インダゾール
窒素ガス雰囲気で、5−ブロモ−2−メチル−3−イソプロペニル−2H−インダゾール(2.80g、11.15mmol、1.00当量)とビス(ピナコラト)ジボロン(3.40g、13.38mmol、1.20当量)の1,4−ジオキサン(56.00ml)溶液にKOAc(3.28g、33.45mmol、3.00当量)とPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(1.82g、2.23mmol、0.20当量)を添加し、混合物を100℃で5時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行し、且つ目的化合物のMSが検出されたと示された後に、混合物を16℃までに冷却し、混合物を酢酸エチル(20ml)で希釈し、濾過してろ液を得た。ろ液をクロマトグラフィーによって精製して(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)得られた標題の生成物(3.30g、9.96mmol、収率89.33%、純度90%)は紫色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:299.1(M+1)。
第6のステップ
5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチル−3−イソプロペニル2H−インダゾール
窒素ガス雰囲気で、2,4−ジクロロ−5−フルオロ−ピリミジン(147.83mg、885.34μmol、1.20当量)と2−メチル−3−イソプロペニル−5−ホウ酸エステル−2H−インダゾール(220.00mg、737.78μmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(4ml)溶液にK2CO3(305.91mg、2.21mmol、3.00当量)とPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(120.50mg、147.56μmol、0.20当量)を添加し、混合物を100℃で3.5時間撹拌した。TLCにてほとんどの原料が完全に反応し、LCMSにてほとんどが目的生成物のMSであると示された後に、混合物を30℃までに冷却して濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(5ml)で洗浄し、ろ液を濃縮し、残留物をクロマトグラフィーによって精製して(石油エーテル:酢酸エチル=1:0〜6:1)、得られた標題の生成物(中間体A)(210.0mg、693.69μmol、収率94.02%)は明るい黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:303.0(M+1)。
第7のステップ
5−フルオロ−4−(2−メチル−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル−カーバメートtert−ブチル
5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチル−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−2H−インダゾール(中間体A)(1.00g、3.30mmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(15.00ml)溶液にカルバミン酸tert−ブチル(966.49mg、8.25mmol、2.50当量)、炭酸カリウム(1.37g、9.90mmol、3.00当量)、酢酸パラジウム(74.09mg、330.00μmol、0.10当量)及びXantphos(381.89mg、660.00μmol、0.20当量)を添加した。容器内を窒素ガスで3回置換し、100℃で18時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行し、且つ生成物が検出されたと示された。溶液を20℃までに冷却して濾過した。ろ液を減圧して濃縮し、標題の化合物(3.00g、粗生成物)を得た。粗生成物は淡黄色の固体であった。粗生成物は精製する必要がなく、直接に次のステップで使用された。LCMS(ESI)m/z:384.1(M+1)。
第8のステップ
5−フルオロ−4−(2−メチル−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
tert−ブチル−5−フルオロ−4−(2−メチル−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル−カーバメート(3.00g、3.31mmol、1.00当量)の塩化メチレン(30.00ml)溶液にトリフルオロ酢酸(10.00ml)を滴下した。溶液を15℃で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)にて原料が完全に感応したと示された。溶液を30℃で減圧して減圧蒸留した。粗生成物を塩化メチレン(100ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(100ml)と飽和食塩水(100ml)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムで精製し(石油エーテル:酢酸エチル=5:1〜3:1)、標題の化合物(770.00mg、2.72mmol、収率:82.11%)を得た。生成物は褐色の固体であった。
第9のステップ
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
5−フルオロ−4−(2−メチル−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン(770.00mg、2.72mmol、1.00当量)のメタノール(20.00ml)溶液にパラジウム炭素(250.00mg)を添加した。水素ガス(15psi)雰囲気で溶液を50℃に加熱して24時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に反応したと示され、且つ生成物が検出された。反応液を20℃までに冷却し、濾過し、ろ液を濃縮して標題の化合物(中間体B)(600.00mg、2.10mmol、収率:77.26%)を得られた。生成物は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.55(s,1H),8.20(d,J=3.9Hz,1H),7.96(d,J=9.2Hz,1H),7.69(d,J=9.7Hz,1H),5.06(br s,2H),4.17(s,3H),3.54−3.45(m,1H),1.57(d,J=7.2Hz,6H)。
第10のステップ
5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチル−3−イソプロピル−2H−インダゾール
5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチル−3−イソプロペニル2H−インダゾール(中間体A)(36.50g、120.57mmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン(182.5ml)溶液にRh(PPh3)3Cl(11.16g、12.06mmol、0.10当量)を添加した。反応系を水素ガスで何回も置換した。混合物を50℃、水素ガス圧力50Psiの条件下で24時間撹拌した。LCMSにて反応が十分に進行したと示された。混合物を25℃までに冷却し、減圧濃縮した。残留物にメタノール(100ml)を添加し、16時間撹拌し、次いで濾過し、濾過ケーキをメタノール(15ml×3)で洗浄し、濾過ケーキを減圧乾燥し、得られた標題の化合物(中間体C)(28.00g、91.88mmol、収率:76.20%)は微黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)8.69(s,1H),8.49(d,J=3.5Hz,1H),8.06(d,J=9.3Hz,1H),7.73(d,J=9.3Hz,1H),4.19(s,3H),3.58‐3.49(m,1H),1.59(d,J=7.2Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:305.2(M+1)。
実施例1
N−(5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−アミン
第1のステップ
6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−アミン
3−アミノ−6−クロロピリダジン(3.00g、23.16mmol、1.00当量)と1−メチルピペラジン(8.10g、80.87mmol、3.49当量)マイクロ波管に添加して管を封じ込め、混合物をマイクロ波で170℃に加熱して1.5時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示され、混合物を20℃までに冷却して減圧濃縮し、残留物を分取HPLC(アルカリ性)によって精製し、得られた標題の化合物(3.53g、18.27mmol、収率78.87%)は白色の固体であった。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ7.11(d,J=9.6Hz,1H),6.73(d,J=9.6Hz,1H),5.63(s,2H),3.30−3.24(m,4H),2.42−2.36(m,4H),2.19(s,3H)。LCMS(ESI)m/z:194.1(M+1)。
第2のステップ
N−(5−フルオロ−4−(2−メチル−3−イソプロペニル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−アミン
窒素ガス雰囲気で、5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチル−3−イソプロペニル−2H−インダゾール(中間体A)(350.00mg、1.16mmol、1.00当量)と6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−アミン(228.65mg、1.18mmol、1.02当量)の1,4−ジオキサン(8ml)溶液にCs2CO3(753.39mg、2.31μmol、2.00当量)、Xantphos(267.59mg、462.46μmol、0.40当量)とPd2(dba)3(211.74mg、231.21μmol、0.20当量)を添加し、混合物を100−110℃で16時間撹拌した。TLC及びLCMSにて原料が完全に反応したと示された後に、混合物を20℃までに冷却し、且つ酢酸エチル(20ml)で希釈し、濾過し、ろ液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をメタノール(10ml)に添加し、25℃で黄色の沈殿物が析出したするまでに静置し、濾過し、濾過ケーキを少量のメタノールで洗浄し、乾燥して得られた標題の化合物(120.00mg、258.53μmol、収率22.29%、純度99%)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:460.3(M+1)。
第3のステップ
N−(5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−アミン
Pd/C(50mg)のメタノール(10ml)溶液にN−(5−フルオロ−4−(2−メチル−3−イソプロペニル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−アミン(120.00mg、261.14μmol、1.00当量)を添加し、反応系に水素ガスを導入し、且つ圧力を15Psiに維持し、混合物を40−50℃で8時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された後に、濾過し、ろ液を濃縮し、残留物を分取HPLC(塩酸)により精製し、標題の化合物(57.00mg、123.50μmol、収率47.29%)を得た。1H NMR(400MHz,methanol−d4)δ8.72(s,1H),8.46(d,J=4.0Hz,1H),8.41(d,J=9.6Hz,1H),8.06(d,J=9.2Hz,1H),7.65(d,J=9.2Hz,1H),7.40(d,J=9.2Hz,1H),4.20(s,3H),3.68−3.61(m,5H),2.63(t,J=4.8Hz,4H),2.39(s,3H),1.59(d,J=7.2Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:462.2(M+1)。
実施例2
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−(ピペラジン−1−イル)ピラジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
4−(5−ブロモピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
2,5−ジブロモピラジン(10.00g、42.04mmol、1.00当量)の1−メチル−2−ピロリドン(100ml)溶液にピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(7.83g、42.04mmol、1.00当量)とK2CO3(8.72g、63.06mmol、1.50当量)を添加し、混合物を100℃に加熱し、且つ18時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)にて反応が完全に進行したと示された後に、混合物を20℃までに冷却し、且つ水(200ml)で希釈し、酢酸エチル(200ml×2)で抽出し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過して濃縮した。残留物をクロマトグラフィーによって精製して(石油エーテル:酢酸エチル=20:1〜5:1)、得られた標題の化合物(11.00g、2.05mmol、収率76.24%)は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.15(d,J=1.38Hz,1H)7.87(d,J=1.38Hz,1H)3.56(s,8H)1.49(s,9H)。
第2のステップ
4−(5−アミノピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、4−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(10.00g、29.14mmol、1.00当量)とテトラフルオロほう酸トリ−t−ブチルホスフィン(2.54g、8.74mmol、0.30当量)のトルエン(100ml)溶液にLHMDS(1M、60.00ml、2.06当量)とPd2(dba)3(2.60g、2.84mmol、0.10当量)を添加し、混合物を65℃で16時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された後に、混合物を20℃までに冷却し、水(50ml)で急冷し、酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。有機相を合併して濃縮し、残留物を酢酸エチル(100ml)で溶解させさせ、且つ分取HPLC(アルカリ性)で精製し、得られた標題の化合物(5.00g、17.90mmol、収率61.43%)はオレンジ色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:280.1(M+1)。
第3のステップ
4−(5−((5−フルオロ−4−(2−メチル−3−(イソプロペニル)−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチル−3−イソプロペニル−2H−インダゾール(200.00mg、660.65μmol、1.00当量)と4−(5−アミノピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(246.06mg、792.78μmol、1.20当量)の1,4−ジオキサン(10ml)溶液にCs2CO3(430.51mg、1.32mmol、2.00当量)、Xantphos(152.91mg、264.26μmol、0.40当量)、とPd2(dba)3(120.99mg、132.13μmol、0.20当量)を添加し、混合物を110〜120℃で16時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された後に、混合物を25℃までに冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄し、ろ液を濃縮し、残留物を分取TLC(塩化メチレン:メタノール=20:1)で精製し、得られた標題の化合物(150.00mg、247.43μmol、収率37.45%、純度90%)は緑色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:546.2(M+1)。
第4のステップ
4−(5−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−(5−((5−フルオロ−4−(2−メチル−3−(イソプロペニル)−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(90.00mg、164.95μmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液にPd/C(100mg)と触媒量の酢酸を添加し、反応系に水素ガスを導入し、且つ圧力を15psiに維持し、混合物を50〜60℃で16時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された後に、混合物を20℃までに冷却し、濾過し、ろ液を濃縮して標題の化合物(90.00mg、粗生成物)を得た。粗生成物を直接に次のステップで使用した。LCMS(ESI)m/z:548.3(M+1)。
第5のステップ
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−(ピペラジン−1−イル)ピラジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン
4−(5−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(90.00mg、164.34μmol、1.00当量)のメタノール(5ml)溶液に塩酸−メタノール(4M、1ml、20mmol、1.00当量)を添加し、混合物を30〜40℃で3時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール=30:1)にて原料が完全に消費されたと示され、LCMSにて生成物が49%、副生成物が44%を占めていると示された後に、混合物を25℃までに冷却し、濃縮し、残留物を分取HPLC(塩酸)で精製し、標題の化合物(6.00mg、13.41μmol、収率8.16%)を得た。1H NMR(400MHz,methanol−d4)δ8.96(s,1H),8.68(d,J=4.4Hz,1H),8.31(d,J=9.2Hz,1H),8.12(s,1H),7.79(d,J=8.8Hz,1H),4.29(s,3H),3.91(t,J=4.8Hz,4H),3.74‐3.69(m,1H),3.43(t,J=5.2Hz,4H),1.65(d,J=7.2Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:448.1(M+1)。
実施例3
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
4−(6−ニトロ−3−ピリジニル)−1−ピペラジンカルボン酸tert−ブチル
5−ブロモ−2−ニトロピリジン(20.00g、98.53mmol、1.00当量)のジメチルスルホキシド(52ml)溶液にピペラジン−1カルボン酸tert−ブチル(24.00g、128.86mmol、1.31当量)とトリエチルアミン(20.00g、197.65mmol、2.01当量)を添加した。溶液を60℃に加熱して18時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)にて反応が完全に進行したと示された。溶液を水(200ml)で希釈して30分間撹拌した後に、濾過した。濾過ケーキを水で洗浄し、真空乾燥して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムで(石油エーテル:酢酸エチル=50:1〜20:1)で精製して得られた標題の化合物(27.00g、87.57mmol、収率:88.87%)は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.18(d,J=9.03Hz,1H),8.13(d,J=2.89Hz,1H),7.21(dd,J=9.10,2.95Hz,1H),3.69−3.59(m,4H),3.51−3.40(m,4H),1.49(s,9H)。
第2のステップ
4−(6−アミノピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、4−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(28.00g、90.81mmol、1.00当量)のメタノール(600ml)溶液にパラジウム炭素(6%、1.7g)を添加した。懸濁液から気体を排気し、且つ水素ガスを何回充填した。溶液を50℃、水素ガス(50psi)雰囲気で18時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール=10:1)にて原料が完全に反応したと示された。懸濁液を濾過し、ろ液を蒸留して得られた標題の化合物(24.13g、86.69mmol、収率:95.46%)は紫色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.78(d,J=2.64Hz,1H)7.18(dd,J=8.78,2.89Hz,1H)6.50(d,J=8.78Hz,1H)4.21(br s,2H)3.60−3.54(m,4H)3.00−2.92(m,4H)1.48(s,9H)。
第3のステップ
4−(6−((5−フルオロ−4−(2−メチル−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチル−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−2H−インダゾール(中間体A)(200.00mg、660.65μmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(10.00ml)溶液に、4−(6−アミノピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(220.67mg、792.79μmol、1.20当量)、Pd2(dba)3(60.50mg、66.07μmol、0.10当量)及びXantphos(76.45mg、132.13μmol、0.20当量)と炭酸セシウム(430.51mg、1.32mmol、2.00当量)を添加した。溶液を窒素ガス雰囲気で110℃に昇温して16時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。溶液を25℃までに冷却し、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取TLC(酢酸エチル:石油エーテル=1:2)で精製して得られた標題の化合物(320.00mg、587.57μmol、収率:88.94%)は淡黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:545.3(M+1)。
第4のステップ
4−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、4−(6−((5−フルオロ−4−(2−メチル−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルのメタノール(20.00ml)溶液にパラジウム炭素(200.00mg)と酢酸(2.10g、34.97mmol、59.52当量)を添加した。懸濁液から気体を排気し、且つ水素ガスを何回充填した。溶液を50℃、水素ガス(32psi)雰囲気で96時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。懸濁液を25℃までに冷却し、濾過し、濃縮して得られた標題の化合物(500.00mg、粗生成物)はオフホワイトの固体であった。LCMS(ESI)m/z:547.1(M+1)。
第5のステップ
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−(ピペラジン−1−イル(ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン
25℃で、4−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(500.00mg、914.68μmol、1.00当量)の塩化メチレン(5.00ml)溶液に、トリフルオロ酢酸(2.09g、18.29mmol、20.00当量)をまとめて1回で添加した。溶液を0.5時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。溶液を減圧濃縮して組成生物を得た。粗生成物を分取HPLC(塩酸)で標題の化合物(99.69mg、223.26μmol、収率:24.41%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.98(s,1H),8.85(d,J=3.39Hz,1H),8.53(d,J=9.03Hz,1H),8.32(dd,J=9.72,2.20Hz,1H),8.01−7.96(m,1H),7.93(d,J=9.03Hz,1H),7.60(d,J=9.66Hz,1H),4.39(s,3H),3.79(dt,J=13.90,6.92Hz,1H),3.65−3.56(m,4H),3.49(d,J=5.02Hz,4H),1.69(d,J=7.03Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:447.1(M+1)。
実施例4
N−(5−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−ピペラジン−1−イル−2−ピリジル)ピリミジン−2−アミン(210.00mg、470.30μmol、1.00当量)のメタノール(5.00ml)溶液にアセトアルデヒド(77.69mg、705.46μmol、1.50当量)、NaBH3CN(59.11mg、940.61μmol、2.00当量)と酢酸(14.12mg、235.15μmol、0.50当量)を添加した。溶液を20℃で2時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。溶液を濾過し、ろ液を減圧濃縮して組成生物を得た。粗生成物を分取HPLC(塩酸)で標題の化合物(66.50mg、128.83μmol、収率:27.39%、純度:99%、塩酸塩)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.97(s,1H),8.84(d,J=3.6Hz,1H),8.52(d,J=9.2Hz,1H),8.32(dd,J=9.7,2.8Hz,1H),7.98(d,J=2.8Hz,1H),7.92(d,J=9.0Hz,1H),7.59(d,J=9.5Hz,1H),4.38(s,3H),4.02‐3.93(m,2H),3.82−3.74(m,3H),3.38‐3.34(m,4H),3.32−3.28(m,2H),1.69(d,J=7.0Hz,6H),1.46(t,J=7.3Hz,3H)。LCMS(ESI)m/z:475.2(M+1)。
実施例5
N−(6−(1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
4−(6−クロロピリダジン−3−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
3,6−ジクロロピリダジン(2.00g、13.42mmol、1.05当量)、1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.56g、12.78mmol、1.00当量)のジメチルスルホキシド(15.00ml)溶液にトリエチルアミン(3.88g、38.34mmol、3.00当量)をまとめて1回で添加した。溶液を80℃に加熱して7時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に反応し、且つ生成物のMSが検出されたと示された。溶液を25℃までに冷却し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=30:1〜20:1)精製して標題の化合物(1.20g、粗生成物)を得た。粗生成物は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.18(d,J=9.4Hz,1H),6.79(d,J=9.4Hz,1H),3.87−3.57(m,6H),3.39−3.23(m,2H),1.99−1.93(m,2H),1.40(s,9H)。LCMS(ESI)m/z:313.1(M+1)。
第2のステップ
4−(6−(5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン(中間体B)(200.00mg、700.97μmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(3.00ml)溶液に4−(6−クロロピリダジン−3−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル、炭酸セシウム(575.00mg、1.76mmol、2.52当量)、Pd2(dba)3(65.00mg、70.98μmol、0.10当量)及びXantphos(85.00mg、146.90μmol、0.21当量)を添加した。容器内の空気を窒素ガスで3回置換した。混合物を100℃に加熱し18時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に反応し、且つ生成物が検出されたと示された。溶液を20℃までに冷却し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取TLC(酢酸エチル)で精製して標題の化合物(120.00mg、213.66μmol、収率30.48%)を得、生成物は淡黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:562.2(M+1)。
第3のステップ
N−(6−(1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
4−(6−(5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピリダジン−3−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(120.00mg、213.66μmol、1.00当量)の塩化メチレン(2.00ml)溶液にトリフルオロ酢酸(1.00ml)を滴下した。溶液を25℃で1時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に反応し、且つ生成物が検出されたと示された。溶液を減圧濃縮して組成生物を得た。粗生成物を分取HPLC(塩酸)で精製して標題の化合物(45.38mg、98.32μmol、収率:46.02%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.96(s,1H)8.85(d,J=3.4Hz,1H)8.48(d,J=9.2Hz,1H)8.08(d,J=10.0Hz,1H)7.90(d,J=9.2Hz,2H)4.36(s,3H)4.11(t,J=5.0Hz,2H)3.89(t,J=5.9Hz,2H)3.76(quin,J=7.0Hz,1H)3.52(t,J=5.1Hz,2H)3.48−3.36(m,2H)2.28(br s,2H)1.68(d,J=7.0Hz,6H)。
実施例6
N−(6−(3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
1−(6−クロロピリダジン−3−イル)−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン
3,6−ジクロロピリダジン(1.20g、8.05mmol、1.00当量)、N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン(1.01g、8.86mmol、1.10当量)及びトリエチルアミン(815.06mg、8.05mmol、1.00当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(15.00ml)溶液を80℃に加熱して16時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行し、且つ生成物MSが検出されたと示された。溶液を25℃までに冷却した。混合物を分取HPLCで精製して得られた標題の化合物(1.40g、6.18mmol、収率:76.71%)は鮮やかな紫色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:227.1(M+1)。
第2のステップ
N−(6−(3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン(中間体B)(150.00mg、525.73μmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(3.00ml)溶液に1−(6−クロロピリダジン−3−イル)−N,N−ジメチル−ピロリジン−3−アミン(143.03mg、630.88μmol、1.20当量)、炭酸セシウム(428.23mg、1.31mmol、2.50当量)、Pd2(dba)3(48.14mg、52.57μmol、0.10当量)及びXantphos(60.84mg、105.15μmol、0.20当量)を添加した。容器を窒素ガスで3回置換した。混合物を100℃に加熱して18時間撹拌した。LCMSにて一部の原料が反応しておらず、且つ生成物が検出されたと示された。溶液を20℃までに冷却して塩化メチレン(10ml)で希釈した後に濾過した。ろ液を濃縮して粗生成物を得、粗生成物を分取HPLC(塩酸)で標題の化合物(15.33mg、32.24μmol、収率:6.13%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.94(s,1H),8.81(d,J=3.4Hz,1H),8.46(d,J=9.3Hz,1H),7.99(br s,1H),7.92−7.78(m,2H),4.35(s,3H),4.26−4.09(m,2H),4.01−3.85(m,2H),3.84‐3.64(m,2H),3.02(s,6H),2.66(br s,1H),2.46(dd,J=7.9,13.1Hz,1H),1.67(d,J=7.0Hz,6H)。
実施例7
3−[4−[6−[[5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2-メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−3−ピリジニル]ピペラジン−1−イル]プロパンニトリル
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−ピリジン−1−イル−2−ピペラジン)ピリミジン−2−アミン(200.00mg、447.91μmol、1.00当量)のジメチルスルホキシド(4ml)溶液に炭酸カリウム(123.81mg、895.82μmol、2.00当量)と3−ブロモプロピオニトリル(120.01mg、895.82μmol、73.63μl、2.00当量)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMSにて約50%の原料が存在していると示された。次いで、混合物を50℃に加熱し、50℃で2時間撹拌し、LCMSにて約16%の原料が存在していると示された。次に、混合物にメタノール(3ml)を添加した。混合物を50℃で2時間撹拌し続けた。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を25℃までに冷却して濃縮した後にメタノールを除去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物を水(15ml)で希釈し、濾過し、得られた濾過ケーキをメタノール(5ml)撹拌し、標題の化合物(146.40mg、276.05μmol、収率:61.63%、純度:94.2%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.68(s,1H),8.38−8.31(m,2H),8.07−8.02(m,2H),7.99(s,1H),7.73(d,J=9.16Hz,1H),7.34(dd,J=9.03,3.01Hz,1H),4.19(s,3H),3.57−3.46(m,1H),3.22−3.14(m,4H),2.82−2.75(m,2H),2.74−2.67(m,4H),2.60−2.55(m,2H),1.59(d,J=7.03Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:500.3(M+1)。
実施例8
2−[4−[6−[[5‐フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−3−ピリジニル]ピペラジン−1−イル]アセトニトリル
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−ピペラジン−1−イル−2−ピリジル)ピリミジン−2−アミン(50.00mg、111.98μmol、1.00当量)のジメチルスルホキシド(3ml)の溶液に炭酸カリウム(30.95mg、223.96μmol、2.00当量)とブロモアセトニトリル(26.86mg、223.96μmol、2.00当量)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を濃縮し、次に水(10ml)で希釈した。水相を酢酸エチル(10ml×3)で抽出した。合併した有機相を飽和食塩水(15ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。該粗生成物をメタノール(5ml×2)で撹拌して精製し、標題の化合物(12. 40mg、24.52μmol、収率:21.89%、純度:96%)を得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ9.70(s,1H),8.67(s,1H),8.58(d,J=3.96Hz,1H),8.14−8.00(m,2H),7.92(d,J=9.23Hz,1H),7.66(d,J=9.23Hz,1H),7.43(dd,J=9.04Hz,3.01Hz,1H),4.14(s,3H),3.81(s,2H),3.60(td,J=13.85,6.83Hz,1H),3.22−3.11(m,4H),2.69−2.60(m,4H),1.50(d,J=6.97Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:486.3(M+1)。
実施例9
N−[5−[4−(2−アミノエチル)ピペラジン−1−イル]−2−ピリジニル]−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
2−(4−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)アセトニトリル
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−ピペラジン−1−イル−2−ピリジル)ピリミジン−2−アミン(17.60g、39.42mmol、1.00当量)と炭酸カリウム(10.90g、78.84mmol、2.00当量)のジメチルスルホキシド(176.00ml)溶液に2−ブロモアセトニトリル(9.46g、78.84mmol、5.26ml、2.00当量)を添加した。混合物を30℃で1時間撹拌した。LC−MSにて該反応が終了したと示された。混合物を水(30ml)に投入して濾過した。得られた濾過ケーキを水(5ml×2)で洗浄し、真空乾燥させ、得られた標題の化合物(16.00g、32.95mmol、83.59%収率)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:486.3(M+1)。
第2のステップ
N−[5−[4−(2−アミノエチル)ピペラジン−1−イル]−2−ピリジニル]−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
50Psiの水素ガス圧力下で、2−(4−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)アセトニトリル(6.00g、12.36mmol、1.00当量)とラネーニッケル(8.47g、98.88mmol、8.00当量)を、アンモニア水(10.00ml)とテトラヒドロフラン(100.00ml)の混合溶液中で50℃で撹拌して16時間反応させた。LC−MSにて該反応が終了したと示された。混合物を濾過した。得られた濾過ケーキをエタノール(100ml×3)で洗浄した。合併した有機相を真空濃縮し、粗生成物を得、該残留物を分取HPLC(塩酸)で精製し、標題の化合物(6.50g、10.85mmol、収率:87.80%、純度:100%、塩酸塩)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.90(s,1H),8.79(d,J=3.6Hz,1H),8.39−8.22(m,2H),7.95(d,J=2.9Hz,1H),7.82(d,J=9.2Hz,1H),7.58(d,J=9.7Hz,1H),4.30(s,3H),3.73(td,J=14.0,7.1Hz,3H),3.68−3.54(m,6H),3.50(br.s.,2H),3.34(br.s.,2H),1.65(d,J=7.0Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:490.3(M+1)。
実施例10
2−[4−[6−[[5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−3−ピリジニル]ピペラジン−1−イル]エタノール
第1のステップ
2−[4−[6−[[5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−3−ピリジニル]ピペラジン−1−イル]エタノール
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−ピペラジン−1−イル−2−ピリジル)ピリミジン−2−アミン(2.00g、4.48mmol、1.00当量)と2−ブロモ−1−エタノール(1.68g、13.44mmol、954.55μl、3.00当量)のエタノール(30.00ml)溶液にジイソプロピルエチルアミン(1.74g、13.44mmol、2.35ml、3.00当量)を添加した。この混合物を80℃に加熱して16時間撹拌した。LC−MSにて原料がほとんど完全に消費され、且つ所望の化合物のMSが検出されたと示された。この混合物を25℃までに冷却し、濾過した。濾過ケーキをメタノール(10ml)で撹拌し、この化合物を濾過し、濾過ケーキを乾燥し、標題の化合物(1.50g、2.97mmol、収率:66.20%、純度:97%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.74(s,1H),8.44(d,J=3.9Hz,1H),8.23(d,J=9.0Hz,1H),8.07(d,J=8.9Hz,1H),8.01(d,J=2.6Hz,1H),7.65(d,J=9.2Hz,1H),7.49(dd,J=9.0,2.9Hz,1H),4.19(s,3H),3.75(t,J=6.0Hz,2H),3.64(td,J=14.1,7.0Hz,1H),3.26−3.18(m,4H),2.80−2.70(m,4H),2.62(t,J=6.0Hz,2H),1.60(d,J=7.0Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:491.3(M+1)。
実施例11
(4−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン−2−イル)メタノール
第1のステップ
ピペラジン−2−イルメタノール
0℃で、水素化リチウムアルミニウム(5.61g、147.74mmol、1.5当量)のテトラヒドロフラン(300ml)懸濁液に2−ピペラジンカルボン酸(20.00g、98.49mmol、1.00当量、2塩酸塩)を複数回に分けて添加した。混合物を70℃に加熱して18時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応混合物を0℃までに降温して水(5ml)及び水酸化ナトリウム水溶液(15%、5ml)で急冷した。混合物を濾過し、濾過ケーキを塩化メチレン(100ml)で洗浄し、ろ液を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に、濃縮して得られた標題の化合物(2.4g、20.66mmol、収率:20.98%)は淡黄色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.54(dd,J=4.1,10.7Hz,1H),3.40(d,J=7.2Hz,1H),3.02−2.95(m,1H),2.90(dd,J=11.9,2.6Hz,3H),2.81−2.75(m,4H),2.47(dd,J=11.8,10.3Hz,1H),1.41(s,1H)。
第2のステップ
(4−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペラジン−2−イル)メタノール
ピペラジン−2−イルメタノール(2.4g、20.66mmol、1.00当量)のジメチルスルホキシド(20.00ml)に5−ブロモ−2−ニトロピリジン(4.19g、20.66mmol、1.00当量)及びトリエチルアミン(4.18g、41.32mmol、2.00当量)を添加した。反応混合物を50℃に加熱して18時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応液は直接に次のステップで使用された。LCMS(ESI)m/z:293.1(M+1)。
第3のステップ
2−(((tert−ブトキシカルボニル)オキシ)メチル)−4−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
(4−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペラジン−2−イル)メタノール(4.92g、20.65mmol、1.00当量)の塩化メチレン(40.00ml)溶液にトリエチルアミン(6.27g、61.95mmol、3.00当量)及び二炭酸ジ−t−ブチル(9.01g、41.3mmol、2.00当量)を添加した。混合物を15℃で18時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)にて原料が完全に転化したと示された。反応液を水(100ml)で希釈して真空中で塩化メチレンを除去した。水相を酢酸エチル(50ml×3)で抽出した。合併した有機相を水(50ml)及び飽和食塩水(30ml)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮して残留物を得た。該残留物をクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1〜3:1)で精製して得られた標題の化合物(1.5g、3.42mmol、収率:16.57%)は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.18(d,J=9.03Hz,1H)8.11(d,J=3.01Hz,1H)7.20(dd,J=9.16,3.14Hz,1H)4.46(br.s.,1H)4.12‐4.25(m,2H)4.02(br.s.,1H)3.93(d,J=13.30Hz,1H)3.70−3.80(m,1H)3.28−3.43(m,2H)3.14−3.25(m,1H)1.50(s,9H)1.46(s,9H)。
第4のステップ
4−(6−アミノ−3−ピリジル)−2−(tert−ブトキシカルボニルオキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
2−(((tert−ブトキシカルボニル)オキシ)メチル)−4−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(500mg、1.14mmol、1.00当量)のメタノール(30.00ml)溶液に湿潤パラジウム炭素(200.00mg)を添加した。反応フラスコをアルゴンガス及び水素ガス3回置換した。水素ガス(15Psi)圧力下で、混合物を15℃で18時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)にて原料が完全に転化したと示された。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをメタノール(10ml)で洗浄した。ろ液を濃縮して得られた残留物を分取TLC(酢酸エチル)で精製して得られた標題の化合物(200.00mg、489.61μmol、収率:42.95%)は褐色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:409.2(M+1)。
第5のステップ
2−(((tert−ブトキシカルボニル)オキシ)メチル)−4−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、4−(6−ア ミノ−3−ピリジル)−2−(tert−ブトキシカルボニルオキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(200.00mg、489.61μmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(5ml)溶液に5−(2−クロロ−5−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール(中間体C)(150.70mg、494.51μmol、1.01当量)、炭酸セシウム(319.05mg、979.22μmol、2.00当量)、Pd2(dba)3(44.83mg、48.96μmol、0.10当量)及びXantphos(56.66mg、97.92μmol、0.20当量)を添加した。反応フラスコを窒素ガスで3回置換した。混合物を100℃に加熱して18時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応液を15℃までに冷却して濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(5ml)で洗浄した。ろ液を濃縮して得られた残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製して得られた標題の化合物(104.00mg、153.67μmol、収率:31.39%)は褐色の固体であった。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.69(s,1H),8.37(d,J=4.0Hz,1H),8.07−7.98(m,2H),7.73(d,J=9.2Hz,1H),7.35(dd,J=2.9,9.1Hz,1H),4.49(br.s.,1H),4.46−4.25(m,2H),4.19(s,3H),4.03(br.s.,1H),3.57−3.50(m,2H),3.39(d,J=11.5Hz,1H),3.23(t,J=9.6Hz,1H),2.94−2.69(m,2H),1.60(d,J=7.0Hz,6H),1.50(s,9H),1.50(s,9H)。
第6のステップ
(4−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン−2−イル)メタノール
2−(((tert−ブトキシカルボニル)オキシ)メチル)−4−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(100mg、147.76μmol、1.00当量)の塩化メチレン(2.00ml)にトリフルオロ酢酸(1.00ml)を添加した。混合物を15℃で1時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応液を濃縮して得られた残留物を分取HPLC(塩酸)で精製して目的化合物(43.08mg、78.41μmol、収率:53.07%、塩酸塩)を得た。1H NMR(400MHz,methanol−d4)δ8.92(s,1H),8.80(d,J=3.5Hz,1H),8.41(d,J=9.2Hz,1H),8.30(dd,J=2.5,9.7Hz,1H),7.96(d,J=2.5Hz,1H),7.85(d,J=9.0Hz,1H),7.57(d,J=9.5Hz,1H),4.33(s,3H),3.96−3.84(m,3H),3.84−3.69(m,2H),3.57(d,J=12.9Hz,2H),3.39(dt,J=3.0,12.1Hz,1H),3.28−3.09(m,2H),1.65(d,J=7.0Hz,6H)LCMS(ESI)m/z:477.2(M+1)。
実施例12
N−[5−[3−(エチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−2−ピリジニル]−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
(3S)−ピロリジン−3−オール(3.50g、28.32mmol、1.00当量、塩酸塩)の塩化メチレン(30.00ml)溶液にトリエチルアミン(11.46g、113.28mmol、4.00当量)及び二炭酸ジ−t−ブチル(8.04g、36.82mmol、1.30当量)を添加した。混合物を20℃で18時間撹拌した。TLCにて反応が完全に進行したと示された。混合物を水(10ml)で希釈し、次いでクエン酸水溶液(10%、20ml)を添加した。水相を塩化メチレン(10ml×2)で抽出し、合併した有機相を飽和食塩水洗浄し(20ml×1)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、得られた標題の化合物(4.00g、粗生成物)は黄色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ4.42−4.32(m,1H),3.49−3.35(m,3H),3.31−3.19(m,1H),2.08−1.82(m,2H),1.51−1.42(m,9H)。
第2のステップ
3−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
0℃で、(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(500.00mg、2.67mmol、1.00当量)の塩化メチレン(10.00ml)溶液にデス−マーチンペルヨージナン(1.70g、4.01mmol、1.50当量)を複数回に分けて添加した。混合物を20℃までに昇温した後に、混合物を20℃で18時間撹拌した。TLCにて反応が完全に進行したと示された。反応液を10mlの30%亜硫酸ナトリウム溶液で急冷し、さらに、炭酸水素ナトリウム(5ml)溶液を添加した。水相を塩化メチレン(5ml×3)で抽出した。合併した有機相を飽和食塩水(15ml×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、得られた標題の化合物(453.00mg、粗生成物)は黄色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ3.85−3.65(m,4H),2.66−2.52(m,2H),1.51−1.44(m,9H)。
第3のステップ
3−[ベンジル(エチル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
0℃で、3−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(353.00mg、1.91mmol、1.00当量)の塩化メチレン(8.00ml)溶液にジベンジルエチルアミン(309.90mg、2.29mmol、1.20当量)及び酢酸(1.15mg、19.10μmol、0.01当量)を添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(647.69mg、3.06mmol、1.60当量)を添加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を水(10ml)で急冷した。水相を塩化メチレン(10ml×2)で抽出した。合併した有機相を飽和食塩水(10ml×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。該粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=20:1〜10:1)で精製し、得られた標題の化合物(211.00mg、693.10μmol、収率:36.29%)は無色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.38−7.28(m,4H),7.25(d,J=6.27Hz,1H),3.71−3.06(m,7H),2.59(q,J=7.15Hz,2H),2.06−1.98(m,1H),1.90−1.77(m,1H),1.46(s,9H),1.04−0.97(m,3H)。LCMS(ESI)m/z:305.3(M+1)。
第4のステップ
N−ベンジル−N−エチル−ピロリジン−3−アミン
3−[ベンジル(エチル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.00g、6.57mmol、1.00当量)の塩化メチレン(12ml)溶液にトリフルオロ酢酸(4.59g、40.27mmol、6.13当量)を添加した。混合物を20℃で30分間撹拌した。TLCにて反応が完全に進行したと示された。反応液を濃縮し、得られた標題の化合物(2.00g、粗生成物,トリフルオロ酢酸塩)は黄色のオイル状物であった。LCMS(ESI)m/z:205.3(M+1)。
第5のステップ
N−ベンジル−N−エチル−1−(6−ニトロ−3−ピリジル)ピロリジン−3−アミン
N−ベンジル−N−エチル−ピロリジン−3−アミン(2.00g、4.63mmol、1.00当量、トリフルオロ酢酸塩)のジメチルスルホキシド(10.00ml)溶液にトリエチルアミン(2.74g、27.06mmol、5.85当量)及び5−ブロモ−2−ニトロピリジン(1.13g、5.55mmol、1.20当量)を添加した。混合物を90℃で18時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を水(20ml)で希釈し、水相を酢酸エチル(15ml×4)で抽出した。合併した有機相を飽和食塩水(20ml×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。該粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=10:1〜3:1)で精製し、得られた標題の化合物(700.00mg、粗生成物)は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.16(d,J=9.04Hz,1H),7.77(d,J=3.01Hz,1H),7.41−7.28(m,4H),6.81(dd,J=9.14,2.92Hz,1H),3.85−3.25(m,8H),2.68(q,J=7.03Hz,2H),2.36−1.97(m,2H),1.09(t,J=7.06Hz,3H)。LCMS(ESI)m/z:327.2(M+1)。
第6のステップ
5−[3−[ベンジル(エチル)アミノ]ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−アミン
N−ベンジル−N−エチル−1−(6−ニトロ−3−ピリジル)ピロリジン−3−アミン(450.00mg、1.38mmol、1.00当量)のエタノール(10ml)溶液に亜鉛粉末(360.62mg、5.52mmol、4.00当量)及び塩化アンモニウム(737.48mg、13.80mmol、10.00当量)を添加した。混合物を70℃に加熱して3時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を25℃までに冷却した時に、濾過し、ろ液を濃縮し、得られた標題の化合物(216.00mg、粗生成物)は紫色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:297.2(M+1)。
第7のステップ
N−[5−[3−[ベンジル(エチル)アミノ]ピロリジン−1−イル]−2−ピリジニル]−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾールオキサジアゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
窒素ガス雰囲気で、5−[3−[ベンジル(エチル)アミノ]ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−アミン(129.00mg、435.21μmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(4.00ml)溶液に5−(2−クロロ−5−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール(中間体C)(159.16mg、522.25μmol、1.20当量)、Pd2(dba)3(39.85mg、43.52μmol、0.10当量)、Xantphos(50.36mg、87.04μmol、0.20当量)及び炭酸セシウム(354.50mg、1.09mmol、2.50当量)を添加した。混合物を110℃で18時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を25℃までに冷却し、次いで、濃縮して粗生成物を得た。該粗生成物を分取TLC(酢酸エチル)で精製し、得られた標題の化合物(145.00mg、粗生成物)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:565.3(M+1)。
第8のステップ
N−[5−[3−(エチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−2−ピリジニル]−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
N−[5−[3−[ベンジル(エチル)アミノ]ピロリジン−1−イル]−2−ピリジニル]−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン(181.00mg、320.52μmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン(5ml)の溶液に湿潤パラジウム炭素(400.00mg)及びギ酸アンモニウム(2.02g、32.05mmol、100.00当量)を添加した。混合物を60℃で16時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を25℃までに冷却した後に、濾過した。ろ液を濃縮して粗生成物を得、次に該粗生成物を分取HPLC(塩酸)で精製し、標題の化合物(34.64mg、59.47μmol、収率:18.56%、純度:94%、塩酸塩)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.89(s,1H),8.75(d,J=3.64Hz,1H),8.35(d,J=9.29Hz,1H),7.92(dd,J=9.60,2.95Hz,1H),7.81(d,J=9.16Hz,1H),7.64(d,J=2.89Hz,1H),7.53(d,J=9.54Hz,1H),4.30(s,3H),4.18−4.02(m,1H),3.61−3.85(m,4H),3.54−3.41(m,1H),3.23(q,J=7.24Hz,2H),2.69−2.52(m,1H),2.44−2.27(m,1H),1.65(d,J=7.03Hz,6H),1.40(t,J=7.28Hz,3H)。LCMS(ESI)m/z:475.3(M+1)。
実施例13
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−[5−(ピペリジン−4−イル)−2−ピリジニル]ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
4−[6−[[5−フルオロ−4−(3―イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−3−ピリジニル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、5−(2−クロロ−5−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール(1.00g、3.28mmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(10ml)溶液に4−(6−アミノ−3−ピリジル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.09g、3.94mmol、1.20当量)、Pd2(dba)3(150.18mg、164.00μmol、0.05当量)、Xantphos(189.79mg、328.00μmol、0.10当量)及び炭酸セシウム(2.14g、6.56μmol、2.00当量)を添加した。混合物を110℃で16時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を塩化メチレン(10ml)で希釈し、濾過した。ろ液を濃縮して粗生成物を得た。該粗生成物をメタノール(10ml)で撹拌して精製し、標題の化合物(1.11g、粗生成物)を得た。LCMS(ESI)m/z:546.2(M+1)。
第2のステップ
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−[5−(ピペリジン−4−イル)−2−ピリジニル]ピリミジン−2−アミン
4−[6−[[5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−3−ピリジニル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.08g、1.98mmol、1.00当量)の塩化メチレン(12ml)の溶液にトリフルオロ酢酸(5.36g、46.97mmol、3.48ml、23.72当量)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を0.7g取り出し、分取HPLC(塩酸)で精製し、得られた標題の化合物(183.40mg、350.38μmol、収率:17.70%、純度:99.05%)は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.93(s,1H),8.83(d,J=3.51Hz,1H),8.32−8.45(m,3H),7.85(d,J=9.03Hz,1H),7.62(d,J=9.16Hz,1H),4.33(s,3H),3.74(d,J=6.99Hz,1H),3.57(d,J=12.67Hz,2H),3.10−3.27(m,3H),2.20(d,J=13.68Hz,2H),1.96‐2.10(m,2H),1.66(d,J=7.03Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:446.2(M+1)。
実施例14
3−[4−[6−[[5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−3−ピリジニル]−1−ピペリジニル]プロパンニトリル
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−[5−(4−ピペリジニル)−2−ピリジニル]ピリミジン−2−アミン(1.25g、1.86mmol、1.00当量、トリフルオロ酢酸塩)のメタノール(10ml)溶液にトリエチルアミン(1.10g、10.82mmol、1.50ml、5.82当量)を添加した。混合物を25℃で30分間撹拌し、次に炭酸カリウム(514.14mg、3.72mmol、2.00当量)及び3−ブロモプロピオニトリル(498.37mg、3.72mmol、305.75μl、2.00当量)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を濃縮し、水(15ml)で希釈し、その後に濾過し、濾過ケーキを得た。濾過ケーキをメタノール(8ml)で撹拌し、標題の化合物(217.00mg、412.59μmol、収率:22.18%、純度:94.8%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.70(s,1H),8.42−8.36(m,2H),8.19(d,J=2.13Hz,1H),8.02−8.09(m,2H),7.74(d,J=9.16Hz,1H),7.58(dd,J=8.66Hz,2.38Hz,1H),4.19(s,3H),3.59−3.45(m,1H),3.04(d,J=11.29Hz,2H),2.91−2.73(m,2H),2.60−2.47(m,3H),2.23(dt,J=11.48Hz,2.51Hz,2H),1.93−1.72(m,4H),1.59(s,6H)。LCMS(ESI)m/z:499.3(M+1)。
実施例15
N−(5−((1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(3−プロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
5−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)−(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、5−(2−クロロ−5−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール(中間体C)(376.67mg、1.24mmol、1.20当量)、5−(6−アミノ−3−ピリジニル)−(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸tert‐ブチル(300.00mg、1.03mmol、1.00当量)、炭酸セシウム(671.19mg、2.06mmol、2.00当量)、Pd(OAc)2(46.25mg、206.00μmol、0.20当量)及びXPhos(196.41mg、412.00μmol、0.40当量)の1,4−ジオキサン(10.00ml)溶液を窒素ガスで3回置換し、且つこの混合物を100℃で16時間撹拌した。LCMSにて反応が終了したことが示された。この混合物を減圧濃縮して残留物を得、且つ該残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:2)で精製し、得られた標題の化合物(350.00mg、粗生成物)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:559.3(M+1)。
第2のステップ
N−(5−((1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
0℃で、15分間内で、5−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)−(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸tert−ブチル(365.00mg、653.36μmol、1.00当量)の塩化メチレン(8.00ml)溶液にトリフルオロ酢酸(4.00ml)を滴下し、且つこの反応液を15℃で80分間反応させた。LCMSにて反応が終了した示された。この混合物を減圧濃縮して残留物を得、且つ該残留物を分取HPLC(塩酸)で精製し、標題の化合物(110.00mg、239.90μmol、収率:36.72%、純度:100%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.92(s,1H),8.78(d,J=3.51Hz,1H),8.43(d,J=9.29Hz,1H),7.98(dd,J=9.66,2.89Hz,1H),7.88−7.83(m,1H),7.72(d,J=2.89Hz,1H),7.54(d,J=9.54Hz,1H),4.83(s,1H),4.62(s,1H),4.34(s,3H),3.80(dd,J=10.60,2.32Hz,1H),3.77−3.70(m,1H),3.55(d,J=10.54Hz,1H),3.50−3.41(m,2H),2.36(d,J=11.29Hz,1H),2.17(d,J=11.42Hz,1H),1.66(d,J=7.03Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:459.3(M+1)。
実施例16
N−(5−(1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
(S)−1−ベンゾイル-プロリンメチルエステル
L−プロリンメチルエステル塩酸塩(20.00g、120.76mmol、1.00当量)の塩化メチレン(300.00ml)溶液にトリエチルアミン(36.66g、362.28mmol、3.00当量)及び塩化ベンゾイル(16.98g、120.76mmol、1.00当量)を添加した。反応混合物を15℃で18時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応液を濃縮して得られた残留物を酢酸エチル(200ml)で希釈、且つ水(100ml)、クエン酸水溶液(2.5%、100ml)及び飽和炭酸水素ナトリウム(100ml)の順で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に、濃縮して得られた標題の化合物(24.00g、102.89mmol、収率:85.20%)は白色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.63−7.52(m,2H),7.45−7.38(m,3H),4.68(dd,J=5.2,8.2Hz,1H),3.82−3.75(m,3H),3.66(td,J=7.0,10.2Hz,1H),3.57−3.53(m,1H),2.40−2.17(m,1H),2.07−1.98(m,2H),1.95−1.82(m,1H)。
第2のステップ
1−ベンゾイル−2−(ニトリル)ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル
−78℃で、(S)−1−ベンゾイル−2−カルボン酸メチルエステル(10.00g、42.87mmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン(150.00ml)溶液にリチウムジイソプロピルアミドのテトラヒドロフラン(2mol/L、25.72ml、1.20当量)溶液を滴下し、且つこの混合物を1時間撹拌した。次に、この混合物に2−ブロモアセトニトリル(6.17g、51.44mmol、1.20当量)のテトラヒドロフラン(30.00ml)溶液を滴下した。この混合物を15℃で18時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(100ml)で急冷して液体を分離し、水相を酢酸エチル(100ml)で抽出した。合併した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して得られた標題の化合物(12.00g、粗生成物)は褐色のオイル状物であった。この粗生成物は直接に次のステップで使用された。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.60−7.54(m,2H),7.50−7.40(m,3H),3.81(s,3H),3.80−3.77(m,1H),3.77−3.73(m,1H),3.71−3.64(m,1H),3.15(d,J=17.2Hz,1H),2.44−2.27(m,2H),2.17−2.05(m,2H)。
第3のステップ
1−ベンゾイル−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−6−オン
1−ベンゾイル−2−(ニトリル)ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル(5.00g、18.36mmol、1.00当量)及びアンモニア水(5.00ml)のメタノール(100.00ml)溶液にラネーニッケル(5.00g)を添加した。反応フラスコをアルゴンガス及び水素ガスで順次に3回置換した。水素ガス55Psi圧力下で、混合物を70℃に加熱して18時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応混合物を25℃までに冷却して濾過した。ろ液濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=3:1〜塩化メチレン:メタノール=30:1)で精製し、得られた標題の化合物(2.25g、収率:50.17%)は茶色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.62−7.50(m,2H),7.45−7.35(m,3H),5.84(br.s.,1H),3.71−3.53(m,3H),3.42−3.34(m,1H),2.95(ddd,J=12.8,9.7,6.8Hz,1H),2.34(td,J=6.7,12.5Hz,1H),2.20−1.96(m,3H),1.94−1.82(m,1H)。
第4のステップ
1−ベンジル−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン
0℃で、水素化リチウムアルミニウム(7.13g、187.99mmol、5.60当量)のテトラヒドロフラン(300.00ml)懸濁液に1−ベンゾイル−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−6−オン(8.2g、33.57mmol、1.00当量)を複数回に分けて投入した。原料投入後に混合物を70℃に加熱して2時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応混合物を15℃までに冷却して水(7ml)で急冷し、さらに水酸化ナトリウム水溶液(15%、7ml)及び水(21ml)を添加した。混合物を濾過し、ろ液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラム(塩化メチレン:メタノール=30:1〜10:1)で得られた標題の化合物(3.67g、16.97mmol、収率:50.54%)は淡黄色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.36−7.28(m,4H),7.26−7.20(m,1H),3.69(d,J=13.2Hz,1H),3.59(d,J=13.2Hz,1H),3.13−3.04(m,2H),2.99(td,J=10.8,7.7Hz,1H),2.77(d,J=11.2Hz,1H),2.70−2.62(m,1H),2.59−2.51(m,1H),2.01(td,J=12.9,8.1Hz,2H),1.92−1.85(m,2H),1.80−1.71(m,2H),1.59(ddd,J=12.6,7.6,4.6Hz,1H)。
第5のステップ
1−ベンジル−7−(6−ニトロピリジン−3−イル)−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン
1−ベンジル−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン(1.80g、8.32mmol、1.00当量)及び5−ブロモ−2−ニトロピリジン(1.81g、8.90mmol、1.07当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(20.00ml)溶液にトリエチルアミン(1.80g、17.80mmol、2.14当量)を添加した。この混合物を100℃に加熱して18時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応混合物を15℃までに冷却して酢酸エチル(40ml)で希釈し、次に水(50ml×2)で2回洗浄した。水相を酢酸エチル(20ml)で抽出した。合併した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、且つ濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1〜1:1)で精製して得られた標題の化合物(1.65g、4.88mmol、収率:58.60%)は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.18(d,J=9.0Hz,1H),7.83(d,J=2.9Hz,1H),7.37−7.29(m,5H),7.27−7.22(m,1H),6.86(dd,J=9.1,2.9Hz,1H),3.78−3.70(m,1H),3.70−3.61(m,2H),3.57−3.45(m,2H),3.27(d,J=10.3Hz,1H),2.83−2.74(m,1H),2.69(td,J=7.4,9.3Hz,1H),2.35(td,J=12.5,9.0Hz,1H),1.98−1.82(m,5H)。
第6のステップ
5−(1−ベンジル−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−7−イル)ピリジン−2−アミン
1−ベンジル−7−(6−ニトロ−3−ピリジル)−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン(2.60g、7.68mmol、1.00当量)のエタノール(40.00ml)溶液に亜鉛粉末(2.01g、30.73mmol、4.00当量)及び塩化アンモニウム(4.11g、76.83mmol、10.00当量)を添加した。この混合物を80℃に加熱して3時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応混合物を15℃までに冷却してエタノール(30ml)で希釈し後に、濾過した。濾過ケーキをエタノール(30ml)で洗浄した。ろ液を濃縮して得られた粗生成物を分取HPLC(アルカリ性)で精製して得られた標題の化合物(560.00mg、1.72mmol、収率:22.34%、純度:94.5%)は赤色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.52(d,J=2.8Hz,1H),7.36−7.28(m,4H),7.21−7.14(m,1H),6.86(dd,J=8.8,3.0Hz,1H),6.51(d,J=8.7Hz,1H),3.98(br.s.,2H),3.74(d,J=13.3Hz,1H),3.63(d,J=13.2Hz,1H),3.47−3.38(m,2H),3.24(q,J=8.6Hz,1H),3.04(d,J=9.4Hz,1H),2.77−2.59(m,2H),2.37(s,1H),2.27(td,J=12.5,8.6Hz,1H),2.02−1.75(m,6H)。
第7のステップ
N−(5−(1−ベンジル−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−7−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
窒素ガス雰囲気で、5−(1−ベンジル−1,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−7−イル)ピリジン−2−アミン(370mg、1.20mmol、1.00当量)及び5−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール(438.84mg、1.44mmol、1.20当量)のテトラヒドロフラン(20.00ml)溶液にカリウムt−ブトキシド(403.84mg、3.60mmol、3.00当量)及び[2−(2−アミノエチル)フェニル]−パラジウム;2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル錯体(88.63mg、120.00mmol、0.10当量)を添加した。この混合物を80℃に加熱して18時間撹拌した。LCMSにて9.9%の原料が残り、且つ33.6%の目的生成物が検出されたと示された。反応混合物を15℃までに冷却して水(20ml)及び酢酸エチル(20ml)で希釈し、濾過した。ろ液を分離した後に水相を酢酸エチル(20ml×2)で2回抽出した。合併した有機相を飽和食塩水(10ml)で洗浄した後に濃縮した。得られた残留物を分取TLC(酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製して得られた標題の化合物(220.00mg、381.47μmol、収率:31.79%)は褐色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.69(s,1H),8.34(d,J=4.0Hz,1H),8.22(br.s.,1H),8.06(d,J=9.3Hz,1H),7.89(br.s.,1H),7.78−7.69(m,2H),7.40−7.29(m,4H),7.27−7.22(m,1H),7.00(dd,J=2.9,9.0Hz,1H),4.17(s,3H),3.74(br.s.,1H),3.70−3.59(m,1H),3.56−3.49(m,3H),3.33(q,J=8.4Hz,1H),3.13(d,J=9.2Hz,1H),2.75(br.s.,1H),2.69(br.s.,1H),2.31(br.s.,1H),1.95−1.84(m,5H),1.60(d,J=7.0Hz,6H)。
第8のステップ
N−(5−(1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
80℃で、N−(5−(1−ベンジル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−7−イル)−2−ピリジニル)−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン(220.00mg、381.47μmol、1.00当量)、ギ酸アンモニウム(481.12mg、7.63mmol、20.00当量)及び湿潤Pd/C(220.00mg)をテトラヒドロフラン(22.00ml)及びメタノール(22.00ml)の混合物中で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が終了した示された。混合物を濾過してろ液を真空濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(塩酸)で精製し、標題の化合物(30.00mg、80.56μmol、収率:21.12%、純度:98%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.92(s,1H),8.78(d,J=3.5Hz,1H),8.41(d,J=9.2Hz,1H),8.00−7.81(m,2H),7.66(d,J=2.5Hz,1H),7.55(d,J=9.5Hz,1H),4.34(s,3H),3.93(d,J=10.9Hz,1H),3.80−3.67(m,2H),3.65−3.47(m,4H),2.64−2.54(m,1H),2.53−2.43(m,1H),2.35−2.18(m,4H),1.67(d,J=7.0Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:487.4(M+1)。
実施例17
5−フルオロ−N−(5−(ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b][1,4]オキサジン−6−(2H)−イル)ピリジン−2−イル)−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
3−ブロモ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ピロリン(8.00g、47.28mmol、1.00当量)のエチレングリコール(30.00ml)溶液にN−ブロモスクシンイミド(9.26g、52.01mmol、1.10当量)を複数回に分けて添加した。この混合物を15℃で16時間撹拌した。LC−MS及びTLCにて反応が完全に進行したと示された。水(100ml)を混合物に添加した。得られた混合物を15℃で0.5時間撹拌し、且つ酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。合併した有機相を硫酸ナトリウムで乾燥して真空濃縮し、得られた標題の化合物(14.00g、粗生成物)は白色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ4.31(br.s.,1H),4.17(d,J=5.5Hz,1H),3.98−3.92(m,1H),3.87−3.82(m,1H),3.77−3.72(m,2H),3.71−3.58(m,2H),3.57−3.39(m,1H),2.06−2.01(m,1H),1.49(d,J=6.7Hz,9H)。LCMS(ESI)m/z:264.0(M+1−56)。
第2のステップ
3−ブロモ−4−(2−(トシルオキシ)エトキシ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
0℃で、3−ブロモ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(14.00g、45.14mmol、1.00当量)、トリエチルアミン(6.85g、67.71mmol、1.50当量)及び4−ジメチルアミノピリジン(551.48mg、4.51mmol、0.10当量)のトルエン(100.00ml)の溶液にp−トルエンスルホニルクロリド(11.19g、58.68mmol、1.30当量)を添加した。混合物を10℃で16時間撹拌して、LC−MS及びTLCにて反応が完全に進行したと示された。混合物を水(100ml)で希釈し、水相を酢酸エチル(100ml)で抽出した。合併した有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(30ml×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して真空濃縮し、粗生成物を得、カラム(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)で精製し、得られた標題の化合物(11.10g、23.90mmol、収率:52.95%)は白色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.81(d,J=8.3Hz,2H),7.38(d,J=8.0Hz,2H),4.19−4.11(m,3H),4.10−4.02(m,1H),3.90−3.66(m,5H),3.45−3.29(m,1H),2.48(s,3H),1.49(s,9H)。LCMS(ESI)m/z:408.0(M+1−56)。
第3のステップ
4−ベンジル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b][1,4]オキサジン−6−(2H)−カルボン酸tert−ブチル
140℃で、3−ブロモ−4−(2−(p−トルエンスルホニルオキシ)エトキシ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(11.10g、23.90mmol、1.00当量)及びベンジルアミン(7.68g、71.70mmol、3.00当量)のキシレン(150.00ml)を16時間撹拌した。TLC及びLC−MSにて反応が終了した示された。混合物を真空濃縮し、残留物を得、それを酢酸エチル(100ml)及び水(100ml)で希釈した。水相を酢酸エチル(100ml×2)で抽出した。合併した有機相を硫酸ナトリウムで乾燥して真空濃縮し、粗生成物を得、カラムで精製し(PE:EA=20:1〜4:1)、得られた標題の化合物(5.80g、14.21mmol、収率:59.45%、純度:78%)は黄色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.81(d,J=8.3Hz,2H),7.38(d,J=8.0Hz,2H),4.19−4.11(m,3H),4.10−4.02(m,1H),3.90−3.66(m,5H),3.45−3.29(m,1H),2.48(s,3H),1.49(s,9H)。LCMS(ESI)m/z:319.1(M+1)。
第4のステップ
4−ベンジル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b][1,4]オキサジン
0℃で、4−ベンジル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b][1,4]オキサジン−6−(2H)−カルボン酸tert−ブチル(2.90g、9.11mmol、1.00当量)の酢酸エチル(30.00ml)溶液に塩酸/酢酸エチル(30.00ml)を添加した。混合物を10℃で16時間撹拌した。LC−MSにて該反応が終了したと示された。混合物を真空濃縮し、得られた標題の化合物(2.60g、8.93mmol、収率:98.00%、塩酸塩)は白色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:219.3(M+1)。
第5のステップ
4−ベンジル‐6−(6−ニトロピリジン−3−イル)オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b][1,4]オキサジン
80℃で、4−ベンジル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b][1,4]オキサジン(2.60g、8.93mmol、1.00当量、2HCl)、5−ブロモ−2−ニトロピリジン(1.81g、8.93mmol、1.00当量)及びトリエチルアミン(3.61g、35.72mmol、4.00当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(30.00ml)の混合物を16時間撹拌した。LC−MSにて反応が終了したと示された。混合物を酢酸エチル(40ml)及び水(120ml)で希釈し、酢酸エチル(40ml×3)で抽出した。合併した有機相を硫酸ナトリウムで乾燥して真空濃縮し、粗生成物を得、カラム(石油エーテル:酢酸エチル=3:1〜1:1)で精製し、得られた標題の化合物(2.00g、5.88mmol、収率:65.80%)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:341.1(M+1)。
第6のステップ
5−(4−ベンジル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b][1,4]オキサジン−6−(2H)−イル)ピリジン−2−アミン
80℃で、4−ベンジル−6−(6−ニトロピリジン−3−イル)オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b][1,4]オキサジン(2.00g、5.88mmol、1.00当量)、鉄粉(1.64g、29.40mmol、5.00当量)及び塩化アンモニウム(3.15g、58.80mmol、10.00当量)のエタノール(50.00ml)及び水(10.00ml)の混合物を16時間撹拌した。LC−MSにて反応が終了したと示された。混合物を濾過してろ液を真空濃縮し、粗生成物を得、それを分取HPLC(トリフルオロ酢酸)で精製し、得られた標題の化合物(1.00g、3.13mmol、収率:53.15%、純度:97%)は褐色のオイル状物であった。LCMS(ESI)m/z:311.2(M+1)。
第7のステップ
N−(5−(4−ベンジル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b][1,4]オキサジン−6−(2H)−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
窒素ガス雰囲気で、5−(4−ベンジルヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b][1,4]オキサジン−6−(2H)−イル)ピリジン−2−アミン(300.00mg、966.53μmol、1.00当量)、5−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチルインダゾール(中間体C)(294.55mg、966.53μmol、1.00当量)、[2−(2−アミノエチル)フェニル]−パラジウムクロリド;ジシクロヘキシル−[2−(2,4,6−トリイソプロピル−イル)フェニル]ホスフェート(71.40mg、96.65μmol、0.10当量)及びカリウムt−ブトキシド(325.36mg、2.90mmol、3.00当量)のテトラヒドロフラン(30.00ml)溶液を80℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が終了したと示された。該混合物に水(30ml)及び酢酸エチル(30ml)を添加し、且つ20℃で15分間撹拌し、次に濾過して、溶液を分離した。水相を酢酸エチル(20ml×2)で抽出した。合併した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥して真空濃縮し、粗生成物を得、それを分取TLCプレート(塩化メチレン:メタノール=10:1)で精製し、得られた標題の化合物(190.00mg、265.95μmol、収率:27.52%、純度:81%)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:579.4(M+1)。
第8のステップ
5−フルオロ−N−(5−(ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b][1,4]オキサジン−6−(2H)−イル)ピリジン−2−イル)−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
N−(5−(4−ベンジル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b][1,4]オキサジン−6−(2H)−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン(160.00mg、276.49μmol、1.00当量)、ギ酸アンモニウム(348.38mg、5.53mmol、20.00当量)及び湿潤Pd/C(15.00mg)のテトラヒドロフラン(16.00ml)及びメタノール(16.00ml)の混合溶液を80℃で16時間撹拌した。LC−MSにて所望の生成物が生成されたと示された。混合物を濾過してろ液を真空濃縮し、粗生成物を得、それを分取HPLC(塩酸)で精製し、標題の化合物(20.00mg、40.94μmol、収率:14.81%、純度:100%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.89(s,1H),8.75(d,J=3.6Hz,1H),8.33(d,J=9.0Hz,1H),7.90(d,J=7.7Hz,1H),7.81(d,J=9.0Hz,1H),7.62(s,1H),7.54(d,J=9.4Hz,1H),4.59(br.s.,1H),4.30(s,3H),4.19(br.s.,1H),4.11(d,J=11.9Hz,1H),3.97−3.79(m,3H),3.79−3.67(m,2H),3.58(d,J=11.0Hz,1H),3.51(br.s.,1H),3.28(d,J=13.1Hz,1H),1.65(d,J=6.9Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:489.4(M+1)。
実施例18
1−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン2−オン
第1のステップ
N−(5−ブロモ−2−ピリジニル)−N−tert−ブトキシカルボニルカルバミン酸tert−ブチル
0℃で、2−アミノ−5−ブロモピリジン(2.00g、11.56mmol、1.00当量)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.48g、34.68mmol、6.05ml、3.00当量)及びジメチルアミノピリジン(282.46mg、2.31mmol、0.20当量)の塩化メチレン(30.00ml)溶液にジ−tert−ブチルカーボネート(7.57g、34.68mmol、7.97ml、3.00当量)を添加した。反応混合物を30℃で16時間撹拌した。LC−MS及びTLCにて反応が終了したと示された。混合物を真空濃縮し、粗生成物を得た。それをカラム分離(酢酸エチル:石油エーテル=50:1)で精製して得られた標題の化合物(2.00g、5.36mmol、収率:46.35%)は白色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.55(d,J=2.3Hz,1H),7.86(dd,J=2.5,8.4Hz,1H),7.20(d,J=8.5Hz,1H),1.47(s,18H)。LCMS(ESI)m/z:373.1(M+1)。
第2のステップ
3−オキソピペラジン−1−カルボン酸ベンジル
0℃で、炭酸ナトリウム(24.77g、233.73mmol、3.00当量)、2−ピペラジノン(7.80g、77.91mmol、1.00当量)の酢酸エチル(70.00ml)及び水(70.00ml)の混合物溶液にクロロギ酸ベンジル(16.79g、93.49mmol、13.99ml、95%純度、1.20当量)を添加した。反応混合物を30℃で16時間撹拌した。TLCにて反応が完全に進行したと示された。混合物を酢酸エチル(80ml×3)で抽出した。合併した有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(80ml×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して真空濃縮し、粗生成物を得、該粗生成物を(石油エーテル:酢酸エチル=20:1.80ml)で撹拌した。得られた混合物を30℃で15分間撹拌して濾過した。固体を真空で乾燥し、得られた標題の化合物(15.50g、66.17mmol、収率:84.93%)は白色の固体であった。
第3のステップ
4−[6−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ピリジニル]−3−オキソ−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル
窒素ガス雰囲気で、3−オキソピペラジン−1−カルボン酸ベンジル(4.00g、17.08mmol、1.00当量)、N−(5−ブロモ−2−ピリジル)−N−tert−ブトキシカルボニルカルバミン酸tert−ブチル(6.37g、17.08mmol、1.00当量)、N,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(602.09mg、6.83mmol、734.26μl、0.40当量)、炭酸カリウム(7.08g、51.24mmol、3.00当量)及びCuI(650.42mg、3.42mmol、0.20当量)の1,4−ジオキサン(80.00ml)混合物を100℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が終了したと示された。混合物を濾過し、ろ液を真空濃縮し、粗生成物を得、それを分取TLCで精製し(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)、標題の化合物とモノBoc生成物の混合物(3.20g、粗生成物)を得た。LCMS(ESI)m/z:527.2(M+1)。
第4のステップ
4−(6−アミノ−ピリジン−3−イル)−3−オキソ−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル
0℃で、4−[6−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ピリジニル]−3−オキソ−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル(3.20g、6.08mmol、1.00当量)的塩化メチレン(20.00ml)溶液にトリフルオロ酢酸(10.00ml)を添加した。反応混合物を30℃で2時間撹拌した。LC−MSにて該反応が終了したと示された。反応混合物を真空濃縮し、粗生成物を得た後に、それを塩化メチレンで希釈した。炭酸カリウム(10g)混合物に添加した。得られた混合物を30℃で15分間撹拌して濾過した。ろ液を真空濃縮し、得られた標題の化合物(2.00g、粗生成物)は褐色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ7.87(d,J=2.5Hz,1H),7.42−7.36(m,4H),7.25−7.13(m,2H),6.63(d,J=8.8Hz,1H),5.21(s,2H),4.28(br.s.,2H),3.88(br.s.,2H),3.73(t,J=5.3Hz,2H)。LCMS(ESI)m/z:327.1(M+1)。
第5のステップ
4−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)−3−オキソピペラジン−1−カルボン酸ベンジル
窒素ガス雰囲気で、5−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチルインダゾール(中間体C)(1.60g、5.25mmol、1.00当量)、ベンジル4−(6−アミノピリジン−3−イル)−3−オキソ−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.06g、6.30mmol、1.20当量)、炭酸セシウム(5.13g、15.75mmol、3.00当量)、XPhos(500.58mg、1.05mmol、0.20当量)及びPd(OAc)2(117.87mg、525.00μmol、0.10当量)の1,4−ジオキサン(50.00ml)混合物を110℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が終了したと示された。混合物を濾過し、ろ液を真空濃縮し、粗生成物を得た。該粗生成物をカラムで精製し(塩化メチレン:メタノール=20:1)、得られた標題の化合物(2.40g、3.59mmol、収率:68.42%、純度:89%)は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.65(s,1H),8.70(s,1H),8.57(d,J=9.0Hz,1H),8.45(d,J=3.8Hz,1H),8.33(d,J=2.5Hz,1H),8.05(d,J=9.2Hz,1H),7.75(d,J=9.2Hz,1H),7.67(dd,J=8.9,2.6Hz,1H),7.47−7.31(m,5H),5.22(s,2H),4.37(s,2H),4.20(s,3H),3.93−3.86(m,2H),3.82−3.72(m,2H),3.58−3.46(m,1H),1.61(d,J=7.0Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:595.2(M+1)。
第6のステップ
1−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペリジン2−オン
水素ガス雰囲気で、4−(6−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)−3−オキソピペラジン−1−カルボン酸ベンジル(2.40g、3.59mmol、1.00当量)及び湿潤Pd/C(400.00mg、純度:10%)のメタノール(20.00ml)及びテトラヒドロフラン(20.00ml)混合物を30℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が終了したと示された。混合物を濾過し、ろ液を真空濃縮し、粗生成物を得、それを塩化メチレン(20ml)で希釈した。該混合物に塩酸/酢酸エチル(5ml、4M)を滴下し、次いで真空濃縮し、粗生成物を得、それを分取HPLC(塩酸)で精製し、標題の化合物(1.25g、2.32mmol、収率:64.62%、純度:99%、塩酸塩)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.92(s,1H),8.83(d,J=3.6Hz,1H),8.63(d,J=2.1Hz,1H),8.45(dd,J=2.5,9.4Hz,1H),8.36(d,J=9.3Hz,1H),7.86−7.78(m,1H),7.67(d,J=9.5Hz,1H),4.31(s,3H),4.20−4.10(m,4H),3.83−3.68(m,3H),1.66(d,J=7.0Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:461.2(M+1)。
実施例19
N‐[5−(3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−2−ピリジニル]−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
3−(6−ニトロ−3−ピリジニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチル
3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチル(1.00g、4.71mmol、1.00当量)のジメチルスルホキシド(20.00ml)溶液にトリエチルアミン(1.43g、14.13mmol、3.00当量)及び5−ブロモ−2−ニトロピリジン(1.15g、5.65mmol、1.20当量)を添加した。混合物を100℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を20℃までに冷却した後に、混合物に40ml水を添加し、水相を塩化メチレン(50ml×2)で抽出し、飽和食塩水(50ml×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をメタノール(2ml×3)で撹拌して精製し、得られた標題の化合物(639.00mg、粗生成物)は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.18(d,J=9.2Hz,1H),8.09(d,J=3.0Hz,1H),7.15(dd,J=9.2Hz,3.0Hz,1H),4.47(br.s.,2H),3.58(d,J=10.0Hz,2H),3.27(br.s.,2H),2.12−1.99(m,2H),1.86−1.76(m,2H),1.49(s,9H)。LCMS(ESI)m/z:335.2(M+1)。
第2のステップ
3−(6−アミノ−3−ピリジニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチル
水素ガス(15psi)条件下で、3−(6−ニトロ−3−ピリジニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチル(339.00mg、1.01mmol、1.00当量)のメタノール(11.00ml)溶液にパラジウム炭素(50.00mg)を添加した。反応混合物を20℃で18時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を濾過し、濃縮し、得られた標題の化合物(287.00mg、粗生成物)は紫色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:305.2(M+1)。
第3のステップ
3−[6−[[5−フルオロ−4−(3―イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−3−ピリジニル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、3−(6−アミノ−3−ピリジニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチル(140.00mg、459.94μmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン溶液に5−(2−クロロ−5−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール(中間体C)(249.50mg、818.69μmol、1.78当量)、Xantphos(79.84mg、137.98μmol、0.30当量)、炭酸セシウム(446.58mg、1.37mmol、2.98当量)及びPd2(dba)3(63.18mg、68.99μmol、0.15当量)を添加した。混合物を110℃で18時間撹拌した。LC−MS原料が完全に反応し、生成物が検出されなかったと示された。TLCにて原料が完全に反応し、且つ新しい2点のスポットが生成されたと示された。反応混合物を濾過し、濾過ケーキを10mlの水で溶解させ、水相を塩化メチレン(10ml×2)で抽出した。合併した有機相を飽和食塩水(10ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、得られた標題の化合物(25.00mg、粗生成物)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:573.3(M+1)。
第4のステップ
N−[5−(3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−2−ピリジニル]−5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−アミン
3−[6−[[5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−3−ピリジニル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチル(25.00mg、43.66μmol、1.00当量)の塩化メチレン(2ml)溶液にトリフルオロ酢酸(765.00mg、6.71mmol、153.67当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。反応混合物を濃縮して粗生成物を得た。該粗生成物を分取HPLCの(塩酸)で精製し、標題の化合物(11.80mg、22.82μmol、収率:52.27%、純度:91.39%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.89(s,1H),8.77(d,J=3.5Hz,1H),8.35(d,J=9.2Hz,1H),8.25(dd,J=9.5,2.1Hz,1H),7.87(d,J=1.9Hz,1H),7.81(d,J=9.0Hz,1H),7.55(d,J=9.5Hz,1H),4.30(s,5H),3.84−3.67(m,3H),3.36−3.32(m,2H),2.20(s,4H),1.64(d,J=6.9Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:473.3(M+1)。
実施例20
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(4−メチル−ピペラジン−1−イル−2−ピリジニル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
4−[6−[[5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−4−メチル−3−ピリジル]ピペラジン−1‐カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、4−(6−アミノ−4−メチル−3−ピリジニル]ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(200.00mg、684.04μmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(5.00mL)溶液に5−(2−クロロ−5−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール(中間体C)(250.15mg、820.85μmol、1.20当量)、Pd2(dba)3(62.64mg、68.40μmol、0.10当量)、Xantphos(79.16mg、136.81μmol、0.20当量)及び炭酸セシウム(445.75mg、1.37mmol、2.00当量)を添加した。混合物を110℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を濃縮し、粗生成物を分取TLC(酢酸エチル:石油エーテル=2:1)で精製し、得られた標題の化合物(150.00mg、粗生成物)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:561.4(M+1)。
第2のステップ
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(4−メチル−ピペラジン−1−イル−2−ピリジニル)ピリミジン−2−アミン
20℃で、4−[6−[[5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−4−メチル−3−ピリジル]ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(150.00mg、267.54μmol、1.00当量)の塩化メチレン(4ml)溶液にトリフルオロ酢酸(1.53g、13.42mmol、50.16当量)を添加した。反応混合物を0.5時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を濃縮して粗生成物を得、それを分取HPLC(塩酸)で精製し、標題の化合物(111.60mg、224.54μmol、収率:83.93%、純度:100%、塩酸塩)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.93(s,1H),8.83(d,J=3.51Hz,1H),8.32−8.45(m,3H),7.85(d,J=9.03Hz,1H),7.62(d,J=9.16Hz,1H),4.33(s,3H),3.74(d,J=6.99Hz,1H),3.57(d,J=12.67Hz,2H),3.10−3.27(m,3H),2.20(d,J=13.68Hz,2H),1.96−2.10(m,2H),1.66(d,J=7.03Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:446.2(M+1)。
発明B
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール‐5−イル)−N−(5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミンの製造
実施例21
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
第1のステップ
5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチル−3−イソプロペニル2H−インダゾール
窒素ガス雰囲気で、2−メチル−3−イソプロペニル−5−ホウ酸エステル−2H−インダゾール(500.00mg、1.68mmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(10ml)と水(2ml)の混合溶液に2−クロロ−5−フルオロ−4−ヨードピリジン(518.98mg、2.02mmol、1.20当量)、K2CO3(696.58mg、5.04mmol、3.00当量)及びPd(dppf)Cl2(122.93mg、168.00μmol、0.10当量)を添加し、混合物を110℃で3時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示され、混合物を20℃までに冷却した後に、水(10ml)を添加し、酢酸エチル(15ml×3)で抽出した。有機相を合併して塩水(15ml×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。ろ液を濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=30:1〜5:1)で精製し、得られた標題の生成物(500mg、1.66mmol、収率:98.63%)は黄色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.32(d,J=2.1Hz,1H),7.89(s,1H),7.77(dd,J=9.0,0.8Hz,1H),7.52−7.47(m,2H),5.69(t,J=1.5Hz,1H),5.35(s,1H),4.22(s,3H),2.30(d,J=1.0Hz,3H)。LCMS(ESI)m/z:302.0(M+1)。
第2のステップ
5−(2−クロロ−5−フルオロピリジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール
5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチル−3−イソプロペニル2H−インダゾール(500mg、1.66mmol、1.00当量)のメタノール(5ml)とテトラヒドロフラン(5ml)の混合溶液にRh(PPh3)3Cl(153.59mg、166.00μmol、0.1当量)を添加した。系に水素ガスを導入し、且つ圧力を50Psiに維持し、混合物を50℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を20℃までに冷却し、濃縮して残留物を得た。該残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=20:1〜5:1)で精製し、得られた標題の化合物(460.00mg、1.51mmol、収率:91.23%)は白色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.33(d,J=2.3Hz,1H),8.05(s,1H),7.75(dd,J=9.0,0.8Hz,1H),7.50(d,J=5.6Hz,1H),7.45(td,J=9.0,1.7Hz,1H),4.20(s,3H),3.55−3.48(m,1H),1.58(d,J=7.0Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:304.0(M+1)。
第3のステップ
4−(5−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、5−(2−クロロ−5−フルオロピリジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール(200.00mg、658.41μmol、1.00当量)及び4−(6−アミノ−3−ピリジン)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(274.90mg、987.62μmol、1.50当量)の1,4−ジオキサン(8ml)溶液にCs2CO3(643.57mg、1.98mmol、3.00当量)、Xantphos(76.19mg、131.68μmol、0.20当量)、及びPd2(dba)3(60.29mg、65.84μmol、0.10当量)を添加し、混合物を110℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示され、混合物を20℃までに冷却し、濾過した。濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄し、ろ液を濃縮し、得られた標題の化合物(350.00mg、粗生成物)は黒色のオイル状物であり、精製せずに直接次のステップで使用された。LCMS(ESI)m/z:546.4(M+1)。
第4のステップ
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
4−(5−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(350.00mg、641.44μmol、1.00当量)の塩化メチレン(5ml)溶液にトリフルオロ酢酸(2.0ml)を添加し、混合物を20℃で0.5時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を減圧濃縮して塩化メチレン及びトリフルオロ酢酸を除去して残留物を得た。該残留物を分取HPLC(塩酸)で精製し、標題の化合物(250.00mg、558.27μmol、収率:87.03%、純度:99.49%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.47(d,J=2.6Hz,1H),8.39(s,1H),8.21(dd,J=9.7,2.9Hz,1H),7.89(d,J=2.8Hz,1H),7.87−7.80(m,2H),7.44(d,J=9.5Hz,1H),7.40(d,J=5.5Hz,1H),4.31(s,3H),3.76−3.69(m,1H),3.56−3.51(m,4H),3.50−3.45(m,4H),1.64(d,J=7.0Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:304.0(M+1)。
発明C
中間体Dを製造するための一般の方法
第1のステップ
5−ブロモ−2,3−ジフルオロベンズアルデヒド
2,3−ジフルオロベンズアルデヒド(3.00g、21.22mmol、1.00当量)硫酸(18.4mol/L、10.20ml、8.89当量)に溶解させ、40分間内で60℃加熱した。この時、20分間内で1−ブロモピロリジン−2,5−ジオン(4.51g、25.33mmol、1.20当量)を3回分けて添加した。窒素ガス雰囲気で3時間加熱し、TLC及びHPLCにて反応が完全に進行したと示された。反応混合物を氷水に投入して石油エーテル(30ml×2)で2回抽出し、水(30ml×2)及び飽和食塩水(30ml×2)で洗浄し、次に減圧濃縮した。濃縮して得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)で精製して得られた標題の化合物(2.10g、9.50mmol、45.00%収率)は黄色の液体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ10.29(s,1H),7.77(br s,1H),7.65−7.54(m,1H)。
第2のステップ
(トランス)‐5−ブロモ−2,3−ジフルオロベンズアルデヒド−O−メチルオキシム
5−ブロモ−2,3−ジフルオロベンズアルデヒド(1.50g、6.79mmol、1.00当量)、酸素−メチルヒドロキシルアミン(680.52mg、8.15mmol、1.20当量)及び炭酸カリウム(1.13g、8.15mmol、1.20当量)混合物のジメチルエーテル(20.00ml)溶液を40℃に加熱して14時間撹拌した。TLCにて約1%の原料が反応しなかったと示された。反応混合物を濾過し、ろ液を減圧濃縮して標題の化合物(1.00g、粗生成物)を得、さらに精製せずに直接次のステップに使用された。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.22(s,1H),7.77−7.75(m,1H),7.35−7.27(m,1H),4.04(s,3H)。
第3のステップ
5−ブロモ−7−フルオロ−2H−インダゾール
(トランス)−5−ブロモ−2,3−ジフルオロベンズアルデヒド−O−メチルオキシム(4.90g、19.60mmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン(35.00ml)とヒドラジン水和物(20.60g、411.51mmol、21.00当量、85%規格)溶液を90℃に加熱して72時間撹拌した。LC−MSにて20%の原料が反応しなかったと示された。有機溶媒を濃縮し、得られた混合物を酢酸エチル(20ml)で希釈して水(20ml×2)で洗浄し、次に減圧濃縮して残留物を得た。この残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=60:1〜40:1)で精製して得られた標題の化合物(3.25g、12.09mmol、61.69%収率、80%純度)は白色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:215.0(M+1)。
第4のステップ
5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール
窒素ガスの存在下で、30℃で30分間内で5−ブロモ−7−フルオロ−2H−インダゾール(1.10g、5.12mmol、1.00当量)とナトリウムメトキシド(552.71mg、10.23mmol、2.00当量)のメタノール(20.00ml)にヨードメタン(1.09g、7.67mmol、1.50当量)を滴下した。30分間内で混合物を85℃に加熱して5時間撹拌した。LC−MSにて約3%の原料が反応しなかったと示された。反応混合物を30℃までに冷却して減圧濃縮し、3%の炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、次に酢酸エチル(20ml×2)で抽出した。有機相を減圧下で濃縮して残留物を得、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1〜5:1)で精製して得られた標題の化合物(360.00mg、1.57mmol、30.66%収率)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:229.0(M+1)。
第5のステップ
5−ブロモ−7−フルオロ−3−ヨード−2−メチル−2H−インダゾール
30℃で5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール(500.00mg、2.18mmol、1.00当量)の塩化メチレン(5.00ml)溶液にピリジン(259.00ml、3.27mmol、1.50当量)及び[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(1.13g、2.62mmol、1.20当量)を添加し、30分間撹拌した。30℃でさらにヨード(664.86mg、2.62mmol、1.20当量)を添加して23.5時間撹拌した。LC−MSにて原料が完全に転化したと示された。反応液を濾過して濾過ケーキを得、溶媒(石油エーテル:塩化メチレン=2:1,10ml)で洗浄し、得られた標題の化合物(300.00mg、828.31μmol、38.00%収率,98%純度)は白色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:354.8(M+1)。
第6のステップ
6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−3−(プロペン−2−イル)−2H−インダゾール
ガス雰囲気で5−ブロモ−7−フルオロ−3−ヨード−2−メチル−2H−インダゾール(320.00mg、901.56μmol、1.00当量)及び2−イソプロペニル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(181.80mg、1.08mmol、1.20当量)のテトラヒドロフラン(8.00ml)と水(5.00μl)溶液に炭酸カリウム(373.81mg、2.70mmol、3.00当量)及びPd(dppf)Cl2(131.93mg、180.31μmol、0.20当量)を添加した。50〜60℃で反応混合物を16時間撹拌した。LC−MSにて55%の目的生成物が生成されたと示された。TLCにて原料が完全に転化したと示された。混合物を濾過し、ろ液を濃縮した。濃縮して得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により得られた標題の化合物(210.00mg、780.35μmol、86.56%収率)は茶色の液体であった。LCMS(ESI)m/z:268.9(M+1)。
第7のステップ
4−フルオロ−2−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3−(プロペン−2−イル)−2H−インダゾール
窒素ガス雰囲気で5−ブロモ−7−フルオロ−3−イソプロペニル−2−メチル−2H−インダゾール(302.00mg、1.12mmol、1.00当量)及びビス(ピナコラト)ジボロン(341.30mg、1.34mmol、1.20当量)のテトラヒドロフラン(10.00ml)溶液に水を3滴、Pd(dppf)Cl2(163.90mg、224.00μmol、0.20当量)及び酢酸カリウム(329.75mg、3.36mmol、3.00当量)を添加した。80〜90℃で混合物を14時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)にてほとんどの原料が反応し終わったと示された。混合物を25℃までに冷却して濾過し、ろ液を濃縮した。濃縮して得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=8:1)で精製して得られた標題の化合物(306.00mg、967.80μmol、86.41%収率)は白色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:317.2(M+1)。
第8のステップ
5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−7−フルオロ−2−メチル3−(プロペン−2−イル)−2H−インダゾール
窒素ガス雰囲気で2,4−ジクロロ−5−フルオロ−ピリミジン(177.44mg、1.06mmol、1.20当量)及び7−フルオロ−3−イソプロペニル−2−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インダゾール(280.00mg、885.57μmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン溶液に炭酸カリウム(367.18mg、2.66mmol、3.00当量)、Pd(dppf)Cl2(129.59mg、177.11μmol、0.20当量)及び3滴の水を添加した。80〜90℃で混合物を16時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)にてほとんどの原料が転化したと示された。混合物を25℃までに冷却して濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(3ml×2)で洗浄し、ろ液を濃縮した。濃縮して得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=7:1)により標題の化合物(中間体D)(260.00mg、802.57μmol、90.63%収率、99%純度)を得た。LCMS(ESI)m/z:320.9(M+1)。
実施例22
5−フルオロ−4−(7−フルオロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
4−(6−((5−フルオロ−4−(7−フルオロ−2−メチル−3−(イソ−プロペン−2−イル)−2−(H)−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert-ブチル
窒素ガス雰囲気で、5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−7−フルオロ−2−メチル−3−(2−イソプロペニル)−2H−インダゾール(中間体D)(100mg、311.80mmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(3ml)溶液に4−(6−アミノ−3−ピリジニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(99.81mg、358.57mmol、1.15当量)、炭酸セシウム(203.18mg、623.6mmol、2.00当量)、Pd2(dba)3(57.1mg、62.36μmol、0.2当量)及びXantphos(72.17mg、124.72μmol、0.40当量)を添加した。混合物を窒素ガスで3回置換し、100℃に加熱して18時間撹拌した。LC−MSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応液を25℃までに冷却して塩化メチレン(5ml)で希釈した後に濾過した。ろ液を濃縮して得られた残留物を分取TLC(酢酸エチル)で精製して得られた標題の化合物(100.00mg、177.74μmol、収率:57.01%)は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.38(d,J=3.9Hz,1H),8.30(s,1H),8.03(d,J=2.8Hz,1H),7.80(d,J=12.7Hz,1H),7.38(dd,J=9.0,2.9Hz,1H),5.75−5.69(m,1H),5.37(s,1H),4.23(s,3H),3.67−3.56(m,4H),3.17−3.04(m,4H),2.31(s,3H),1.50(s,9H)。
第2のステップ
4−(6−((5−フルオロ−4−(7−フルオロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−(6−((5−フルオロ−4−(7−フルオロ−2−メチル−3−(2−イソプロペニル)−2H−インダゾール‐5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(100.00mg、177.74μmol、1.00当量)のメタノール(10.00ml)と酢酸(500μl)混合溶液にトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド(49.33mg、53.32μmol、0.3当量)を添加した。反応フラスコをアルゴンガス及び水素ガスで3回置換した。水素ガス(50psi)圧力下で、混合物を50℃に加熱して18時間撹拌した。LC−MSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応液を25℃までに冷却して濾過し、ろ液を濃縮して得られた残留物を分取TLC(酢酸エチル)で精製して得られた標題の化合物(15mg、粗生成物)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:565.3(M+1)。
第3のステップ
5−フルオロ−4−(7−フルオロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン
4−(6−((5−フルオロ−4−(7−フルオロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(15mg、26.57μmol、1.00当量)の塩化メチレン(1ml)溶液にトリフルオロ酢酸(500μl)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。LCMSにて原料が完全に転化し、且つ目的生成物が検出されたと示された。反応液を濃縮して得られた残留物を分取HPLC(塩酸)で精製し、標題の化合物(3.88mg、8.27μmol、収率:31.12%、純度:99%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.73(d,J=3.9Hz,1H),8.63(s,1H),8.27(dd,J=2.6,9.7Hz,1H),7.91(d,J=2.4Hz,1H),7.84(d,J=13.2Hz,1H),7.55(d,J=9.7Hz,1H),4.22(s,3H),3.71−3.61(m,1H),3.60−3.51(m,4H),3.49−3.41(m,4H),1.59(d,J=7.0Hz,6H)LCMS(ESI)m/z:465.2(M+1)。
実施例23
2−[4−[6−[[5−フルオロ−4−(7−フルオロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−3−ピリジル]ピペラジン−1−イル]エタノール
第1のステップ
2−[4−[6−[[5−フルオロ−4−(7−フルオロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ]−3−ピリジル]ピペラジン−1−イル]エタノール
5−フルオロ−4−(7−フルオロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−N−(5−ピペラジン−1−イル−2−ピリジニル)ピリミジン−2−アミン(80.00mg、172.22μmol、1.00当量)及び2−ブロモ−1−エタノール(64.56mg、516.66μmol、3.00当量)のアセトニトリル(5.00ml)溶液にジイソプロピルエチルアミン(66.77mg、516.66μmol、3.00当量)を添加した。混合物を70℃に加熱して16時間撹拌した。LC−MSにて原料がほとんと消費され、且つ所望の化合物のMSが検出されたと示された。この反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物を酢酸エチル(10ml)で希釈して水(5×3ml)及び塩水(3×5ml)の順で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を濃縮して残留物を得た。この残留物を分取HPLC(アルカリ性条件)で精製して標題の化合物(20.31mg、39.14μmol、収率:22.72%、純度:98%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.59(s,1H),8.48(d,J=3.5Hz,1H),8.18(d,J=8.8Hz,1H),8.01(br.s,1H),7.80(d,J=12.5Hz,1H),7.73−7.63(m,1H),4.22(s,3H),3.76(t,J=5.8Hz,2H),3.71−3.60(m,1H),3.24(br s,5H),2.76(br.s,4H),2.64(t,J=5.5Hz,2H),1.60(d,J=7.0Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:509.3(M+1)。
発明D
中間体Eの一般的な合成
第1のステップ
3−イソブチリル−4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
0℃で、4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(128.07g、549.04mmol、1.95当量)のトルエン(600.00ml)溶液にLiHMDS(550ml、550.00mmol、1.95当量)を徐々に滴下し、この混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、0℃で、反応混合物に2−メチルプロピオニルクロリド(30.00g、281.56mmol、1.00当量)を徐々に滴下し、滴下終了後に、混合物を25℃に加熱して18時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)にて原料が完全に反応したと示された。反応混合物に10%の酢酸水溶液(100ml)を添加して急冷し、液体を分離し、有機相を水(500mL)及び飽和食塩水(500mL)の順で洗浄した。得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥濾過し、ろ液を濃縮し、残留物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=50:1〜20:1)で精製し、得られた標題の化合物(57.00g、粗生成物)は淡黄色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ16.10(s,1H),7.38−7.36(m,5H),5.18(s,2H),4.33(s,2H),3.69−3.66(m,2H),2.68−2.57(m,1H),2.48(br s,2H),1.14(d,J=6.4Hz,6H)。
第2のステップ
6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)カルボン酸ベンジル
25℃で、3−イソブチリル−4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(57.00g、187.90mmol、1.00当量)のエタノール(600.00ml)溶液に、添加し40%のメチルヒドラジン水溶液(110.00g、954.53mmol、5.08当量)を添加した。混合物を1時間撹拌した。LC−MSにて原料が完全に反応したと示された。反応溶液を濃縮し、粗生成物を得、それを分取HPLC(トリフルオロ酢酸)で精製し、積分溶液を得た。積分溶液中のアセトニトリルを濃縮して除去し、炭酸水素ナトリウムで水相のpHが8となるように調整し、次に塩化メチレン(500ml×2)で2回抽出した。合併した有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を濃縮し、得られた標題の化合物(6.50g、20.74mmol、11.4%収率)は無色のオイル状物であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.43−7.29(m,5H),5.18(s,2H),4.58(s,2H),3.82−3.71(m,5H),3.03(quin,J=7.0Hz,1H),2.82−2.67(m,2H),1.28(d,J=6.4Hz,6H)。
第3のステップ
3−イソプロピル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−C]ピリジン
25℃で、6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)カルボン酸ベンジル(6.50g、20.74mmol、1.00当量)のメタノール(100.00ml)溶液に、Pd/C(1.00g)及び濃度12mol/Lの塩酸(1.00ml)溶液を添加し、窒素ガス及び水素ガスの順でそれぞれ3回置換し、反応液に水素ガスを導入し、反応系を圧力50psiに維持したまま2時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)にて原料が完全に反応したと示された。反応混合物を濾過し、ろ液を濃縮し、得られた標題の化合物(5.25g、粗生成物)は灰白色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ9.93(br s,2H),4.31(br s,2H),3.76(s,3H),3.09−2.98(m,3H),2.10(br s,2H),1.26(d,J=7.0Hz,6H)。
第4のステップ
5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3C]ピリジン
25℃で、3−イソプロピル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(5.25g、20.75mmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン(60.00ml)溶液に、2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(3.50g、20.96mmol、1.01当量)及びトリエチルアミン(9.51g、94.01mmol、4.53当量)を添加しし、反応混合物を18時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)にて原料が完全に反応したと示された。反応溶液を水(200mL)で希釈し、次に酢酸エチル(200ml×2)で抽出した。合併した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を得、それをクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1〜2:1)で精製し、得られた標題の化合物(中間体E)(5.60g、18.08mmol、87.12%収率)は灰白色の固体であった。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.94(d,J=6.0Hz,1H),4.84(s,2H),4.03(t,J=5.8Hz,2H),3.79(s,3H),3.07(spt,J=7.1Hz,1H),2.88(t,J=5.7Hz,2H),1.32(d,J=7.2Hz,6H)。
実施例24
5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)−N−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン
第1のステップ
6−ニトロ−5’,6’−ジヒドロ−[3,4’−ビピリジン]−1’(2’H)カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、5−ブロモ−2−ニトロピリジン(10.00g、49.26mmol、1.02当量)の1,4−ジオキサン(120ml)と水(10ml)の混合溶液に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(15.00g、48.51mmol、1.00当量)、炭酸カリウム(5.9g、72.77mmol、1.50当量)、及びPd(dppf)Cl2(1.77g、2.43mmol、0.05当量)を添加し、次に反応混合物を80℃に加熱し、18時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)にて原料が完全に反応したと示された。反応溶液を濾過し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過濃縮し、粗生成物を得、それをクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製し、得られた標題の化合物(18.70g、粗生成物)は淡黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.64(d,J=2.0Hz,1H),8.24(d,J=8.4Hz,1H),7.95(dd,J=8.5,2.3Hz,1H)6.33(br s,1H)4.16(d,J=2.6Hz,2H),3.69(t,J=5.6Hz,2H),2.57(br s,2H),1.50(s,9H)。
第2のステップ
4−(6−アミノピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−(6−ニトロ−3−ピリジニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(18.70g、48.51mmol、1.00当量)のメタノール(500ml)溶液に、Pd/C(2.00g)を添加し、反応系を窒素ガス及び水素ガスの順でそれぞれ3回置換し、反応液に水素ガスを導入し、反応系圧力を50psiに維持し、反応混合物を50℃までに昇温し、18時間撹拌した。LC−MSにて原料が完全に反応したと示された。混合物を濾過し、ろ液を濃縮し、得られた標題の化合物(10.40g、37.50mmol、77.31%収率)は灰白色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.92(d,J=2.4Hz,1H),7.31−7.27(m,1H),6.48(d,J=8.5Hz,1H),4.35(br s,2H),4.23(br s,2H),2.78(t,J=12.1Hz,2H),2.60−2.48(m,1H),1.78(br s,2H),1.61−1.52(m,2H),1.48(s,9H)。
第3のステップ
5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−アミン
0℃で、水素化リチウムアルミニウム(2.05g、54.09mmol、3.00当量)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液に、4−(6−アミノ−3−ピリジル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(5.00g、3.18mmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を徐々に滴下し、滴下終了後に、混合物を70℃に加熱して2時間撹拌した。LC−MSにて原料が完全に反応したと示された。0℃で、反応混合物に20%の水酸化カリウム水溶液(4mL)を添加し、急冷して反応させ、大量の固体が生成され、反応混合物を濾過し、ろ液を濃縮し、得られた標題の化合物(4.00g、粗生成物)は白色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.93(d,J=2.3Hz,1H),7.31(dd,J=8.4,2.4Hz,1H),6.46(d,J=8.4Hz,1H),4.33(br s,2H),2.95(d,J=11.7Hz,2H),2.41−2.32(m,1H),2.31(s,3H),2.04−1.98(m,2H),1.80−1.67(m,4H)。
第4のステップ
5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−6,7−ジヒドロ−2Hピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)−N−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2-アミン
窒素ガス雰囲気で、5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(中間体E)(2.00g、6.46mmol、1.00当量)のトルエン(20.00ml)溶液に、5−(1−メチル−4−ピペリジニル)ピリジン−2−アミン(1.36g、7.10mmol、1.10当量)、炭酸セシウム(4.21g、12.91mmol、2.00当量)、Pd2(dba)3(400.00mg、436.81μmol、0.07当量)及びXantphos(520.00mg、898.69μmol、0.14当量)を添加した。混合物を110℃に加熱して18時間撹拌した。LC−MSにて原料が完全に反応したと示された。反応混合物を20℃までに冷却し、濃縮し、残留物を得た。それをクロマトグラフィー(酢酸エチル〜塩化メチレン:メタノール=10:1)で精製し、粗生成物を得、それを分取HPLC(アルカリ性)で精製し、標題の化合物(2.48g、4.61mmol、71.42%収率)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.27(d,J=1.9Hz,1H),8.13(d,J=7.2Hz,1H),8.01(d,J=8.5Hz,1H),7.45(d,J=8.8Hz,1H),5.01(s,2H),4.16(t,J=5.8Hz,2H),3.77(s,3H),3.65(d,J=12.3Hz,2H),3.26−3.12(m,3H),3.09−2.98(m,1H),2.93(s,3H),2.86(t,J=5.8Hz,2H),2.22−1.98(m,4H),1.34(d,J=7.0Hz,6H)。
実施例25
N−(5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−6,7−ジヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イル)−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−アミン
窒素ガス雰囲気で、5−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(中間体E)(200.00mg、645.64μmol、1.00当量)及び6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリダジン−3−アミン(124.77mg、645.64μmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(5.00ml)の溶液に、炭酸セシウム(420.72mg、1.29mmol、2.00当量)、Pd2(dba)3(59.12mg、64.56μmol、0.10当量)及びXantphos(74.72mg、129.13μmol、0.20当量)を添加し、次に反応混合物を110℃に加熱し、16時間撹拌した。LC−MSにて原料が完全に反応したと示された。反応混合物を25℃までに冷却し、濾過して減圧濃縮し、粗生成物を得、それを分取HPLC(アルカリ性)で精製し、標題の化合物(132.29mg、283.54μmol、43.92%収率)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.23(d,J=9.91Hz,1H),7.93(d,J=6.90Hz,1H),7.34(d,J=9.91Hz,1H),4.85(s,2H),4.02(t,J=5.84Hz,2H),3.77(s,3H),3.63−3.57(m,4H),3.17(q,J=7.00Hz,1H),2.81(t,J=5.77Hz,2H),2.65−2.59(m,4H),2.38(s,3H),1.32(d,J=7.03Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:467.2(M+1)。
実施例26
5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)−N−(5−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
1−メチル−4−(6−ニトロピリジン−3−イル)−1,4−ジアゼパン
5−ブロモ−2−ニトロピリジン(2.00g、9.85mmol、1.00当量)及び1−メチル−1,4−ジアゼパン(1.69g、14.78mmol、1.50当量)のジメチルスルホキシド(20.00ml)溶液に、炭酸カリウム(2.72g、19.70mmol、2.00当量)を添加し、混合物を80℃に加熱して16時間撹拌した。LC−MSにて原料が完全に反応したと示された。反応混合物を25℃までに冷却して水(50ml)を添加し、次に酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。合併した有機相を飽和食塩水(100ml×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過濃縮し、粗生成物を得た。それをクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=30:1〜1:3)で精製し、得られた標題の化合物(2.00g、8.46mmol、85.94%収率)は白色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:237.1(M+1)。
第2のステップ
5−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−2−アミン
25℃で、1−メチル−4−(6−ニトロピリジン−3−イル)−1,4−ジアゼパン(2.00g、8.46mmol、1.00当量)のメタノール(20.00ml)溶液に、Pd/C(10%、500mg)を添加した。反応系を窒素ガス及び水素ガスの順でそれぞれ3回置換した。反応液に水素ガスを導入し、反応系の圧力を15psiに維持し、2時間撹拌した。TLCにて原料が完全に反応したと示された。反応混合物を濾過し、減圧濃縮し、得られた標題の化合物(1.70g、8.24mmol、97.41%収率)は白色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:207.1(M+1)。
第3のステップ
5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)−N−(5−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン
窒素ガス雰囲気で、5−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(中間体E)(200.00mg、645.64μmol、1.00当量)及び5−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−2−アミン(159.83mg、774.77μmol、1.20当量)の1,4−ジオキサン(5.00ml)溶液に、炭酸セシウム(420.72mg、1.29mmol、2.00当量)、Pd2(dba)3(59.12mg、64.56μmol、0.10当量)及びXantphos(74.72mg、129.13μmol、0.20当量)を添加し、次に反応混合物を110℃に加熱し、16時間撹拌した。LC−MSにて原料が完全に反応したと示された。反応混合物を25℃までに冷却し、濾過して減圧濃縮し、粗生成物を得た。それを分取HPLC(アルカリ性)で精製し、標題の化合物(93.10mg、194.12μmol、30.07%収率)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ7.91−7.84(m,2H),7.77(d,J=3.01Hz,1H),7.22(dd,J=9.16,3.14Hz,1H),4.85(s,2H),4.01(t,J=5.83Hz,2H),3.77(s,3H),3.62−3.57(m,2H),3.52(t,J=6.27Hz,2H),3.17(q,J=7.03Hz,1H),2.83−2.75(m,4H),2.67−2.61(m,2H),2.40(s,3H),2.06(dt,J=11.51,5.98Hz,2H),1.36−1.29(m,6H)。LCMS(ESI)m/z:480.2(M+1)。
実施例27
N−(5−(4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
N,N−ジメチル−1−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペリジン−4−アミン
窒素ガス雰囲気で、N,N−ジメチルピペリジン−4−アミン(100.00mg、779.97μmol、1.00当量)及び5−ブロモ−2−ニトロピリジン(158.33mg、779.97μmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(5ml)溶液に、BINAP(48.57mg、78.00μmol、0.10当量)、炭酸セシウム(508.26mg、1.56mmol、2.00当量)及びPd(OAc)2(17.51mg、78.00μmol、0.10当量)を添加し、次に反応混合物を90℃に加熱し、16時間撹拌した。TLCにて原料が完全に反応したと示された。反応混合物を濾過濃縮して粗生成物を得、それを分取TLC(塩化メチレン:メタノール=10:1)で精製し、得られた標題の化合物(125.00mg、499.40μmol、64.03%収率)は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.20−8.14(m,2H),7.21(dd,J=9.2,3.2Hz,1H),3.99(d,J=13.2Hz,2H),3.12−3.02(m,2H),2.47−2.39(m,1H),2.33(s,6H),2.01(d,J=12.4Hz,2H),1.70−1.64(m,2H)。LCMS(ESI)m/z:251.1(M+1)。
第2のステップ
5−(4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−アミン
N,N−ジメチル−1−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペリジン−4−アミン(525.00mg、2.10mmol、1.00当量)のメタノール(10ml)溶液にPd−C(10%、100mg)を添加した。反応系を窒素ガス及び水素ガスの順でそれぞれ3回置換し、反応液に水素ガスを導入し、反応系の圧力を15psiに維持し、4時間撹拌した。TLCにて原料が完全に反応したと示された。反応混合物を濾過し、ろ液を濃縮し、得られた標題の化合物(450.00mg、2.04mmol、97.27%収率)は黄色の固体であった。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ7.65−7.61(m,1H),7.34(dd,J=9.2,2.4Hz,1H),6.59(dd,J=8.8,0.8Hz,1H),3.52−3.44(m,2H),2.65(dt,J=12.4,2.4Hz,2H),2.42−2.38(m,6H),2.05−1.98(m,2H),1.67(dq,J=12.4,4.4Hz,2H)。LCMS(ESI)m/z:221.0(M+1)。
第3のステップ
N−(5−(4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−アミン
窒素ガス雰囲気で、5−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(中間体E)(150.00mg、484.23μmol、1.00当量)及び5−[4−(ジメチルアミノ)−1−ピペリジニル]ピリジン−2−アミン(128.02mg、581.08μmol、1.20当量)の混合物の1,4−ジオキサン(5.00ml)溶液に、Pd2(dba)3(44.34mg、48.42μmol、0.10当量)、炭酸セシウム(315.54mg、968.46μmol、2.00当量)及びXantphos(56.04mg、96.85μmol、0.20当量)を添加し、次に反応混合物を110℃に加熱し、16時間撹拌した。LC−MSにて原料が完全に反応したと示された。反応混合物を25℃までに冷却し、濾過して濃縮し、粗生成物を得、それを分取HPLC(ギ酸)で精製し、標題の混合(81.64mg、165.39μmol、34.16%収率)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.01−7.86(m,3H),7.51(dd,J=9.16,2.76Hz,1H),4.85(s,2H),4.06−3.96(m,2H),3.84−3.72(m,5H),3.38−3.33(m,1H),3.17(dt,J=14.02,6.98Hz,1H),2.90(s,6H),2.85−2.77(m,4H),2.22(d,J=12.05Hz,2H),1.90(qd,J=12.03,3.70Hz,2H),1.32(d,J=7.03Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:494.2(M+1)。
実施例28
N 5 −(2−(ジメチルアミノ)エチル)−N 2 −(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イル)−N 5 −メチルピリジン−2,5−ジアミン
第1のステップ
N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−N−メチル−6−ニトロピリジン−3−アミン
5−ブロモ−2−ニトロピリジン(2.00g、9.85mmol、1.00当量)及びN,N,N−トリメチルエタン−1,2−ジアミン(1.51g、14.78mmol、1.50当量)のジメチルホルムアミド(20.00ml)溶液に炭酸カリウム(2.72g、19.70mmol、2.00当量)をまとめて1回で添加した。反応混合物を90℃に加熱して16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。反応液を25℃までに冷却した後に、反応液に水(50ml)を添加した。反応混合物を酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。有機相を合併した後に飽和食塩水(100ml×3)で洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=30:1〜1:3)で精製し、得られた標題の化合物(1.50g、6.69mmol、収率67.91%)は白色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.19−8.15(m,1H),7.99(d,J=3.14Hz,1H),7.02(dd,J=9.29,3.14Hz,1H),3.63−3.57(m,2H),3.16(s,3H),2.57−2.51(m,2H),2.31(s,6H)。LCMS(ESI)m/z:225.1(M+1)。
第2のステップ
N3−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−N3−メチルピリジン−3,6−ジアミン
窒素ガス雰囲気で、N,N,N’−トリメチル−N’−(6−ニトロ−3−ピリジル)エタン−1,2−ジアミン(1.50g、6.69mmol、1.00当量)のメタノール(15.00ml)溶液にPd/C(300mg)を添加した。懸濁液用をH2で何回置換した後に、25℃、H2(1気圧)の保護下で、2時間撹拌した。TLCにて反応が完全に進行したと示された。反応液を濾過し、濃縮して得られた標題の化合物(1.20g、6.18mmol、収率92.33%)は白色の固体であり、さらなる精製を行うことは不要であった。LCMS(ESI)m/z:195.1(M+1)。
第3のステップ
N5−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−N2−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イル)メチルピリジン−2,5−ジアミン
マイクロ波管に5−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(中間体E)(150.00mg、484.23μmol、1.00当量)、N3−(2−(ジメチルアミノ)エチル−N3−メチルピリジン−3,6−ジアミン(112.89mg、581.08μmol、1.20当量)、炭酸セシウム(315.54mg、968.46μmol、2.00当量)、Pd2(dba)3(88.68mg、96.85μmol、0.20当量)及びXantphos(56.04mg、96.85μmol、0.20当量)の1,4−ジオキサン(5.00ml)溶液を添加した。反応液を窒素ガスで何回置換した後に130℃に加熱し、2.5時間撹拌した。LC−MSにて反応物が完全に反応しておらず、約14%の生成物が生成されたと示された。反応液が25℃までに冷却した後に、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(塩酸)で精製して標題の化合物(91.63mg、7μmol、収率47%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4):δ8.25(d,J=7.03Hz,1H),8.03(dd,J=9.54,3.01Hz,1H),7.95(d,J=2.89Hz,1H),7.46(d,J=9.54Hz,1H),5.08(s,2H),4.25(t,J=5.58Hz,2H),4.06(s,3H),3.88(t,J=7.22Hz,2H),3.45(t,J=7.22Hz,2H),3.40−3.35(m,1H),3.15−3.07(m,5H),3.0−22.97(m,6H),1.43(d,J=7.03Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:468.3(M+1)。
実施例29
4−(6−((5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−オール
第1のステップ
4−(6−アミノピリジン−3−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−カルボン酸tert−ブチル
−70℃で、2−アミノ−5−ブロモピリジン(1.00g、5.78mmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン(13.00ml)溶液にn−ブチルリチウム(2.5M、7.07ml、3.06当量)を徐々に滴下した。−70℃で1.5時間撹拌した後に、反応液を25℃に昇温し、次に2時間撹拌した。LC−MSにて依然として約19%の反応物が残っていると示された。LC−MSにていくつかの新しいスポットが生成され、約8%の生成物が生成されたと示された。反応液を−70℃で水及び飽和塩化アンモニウム溶液で急冷し、次に25℃に戻った。混合物を酢酸エチル(50ml×3)で抽出し、合併した有機相を飽和食塩水(20ml×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(アルカリ性)によって精製し得られた標題の化合物(300.00mg、1.02mmol、収率17.69%)は黄色のオイル状物であった。1H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ7.98(d,J=2.07Hz,1H),7.43(dd,J=8.67,2.45Hz,1H),6.38(d,J=8.67Hz,1H),5.75(s,2H),4.89(s,1H),3.79(d,J=9.80Hz,2H),3.11(br s,2H),1.77−1.63(m,2H),1.62−1.52(m,2H),1.41(s,9H)。LCMS(ESI)m/z:294.0(M+1)。
第2のステップ
4−(6−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2Hピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イルアミノピリジン−3−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、4−(6−アミノ−3−ピリジル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(130.00mg、443.14μmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(5.00ml)溶液に5−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(中間体E)(164.73mg、531.77μmol、1.20当量)、Pd2(dba)3(40.58mg、44.31μmol、0.10当量)、Xantphos(51.28mg、88.62μmol、0.20当量)及び炭酸セシウム(288.77mg、886.28μmol、2.00当量)を添加した。反応混合物を110℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行し、且つ生成物が検出されたと示された。反応液が25℃までに冷却した時に、吸引ろ過し、ろ液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取TLC(塩化メチレン:メタノール=10:1)で精製して得られた標題の化合物(220.00mg、粗生成物)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:567.2(M+1)。
第3のステップ
4−(6−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イルアミノピリジン−3−イル)ピペリジン−4−オール
0℃で、4−(6−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イルアミノピリジン−3−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−カルボン酸tert−ブチル(220.00mg、388.23μmol、1.00当量)の塩化メチレン(4.00ml)溶液にトリフルオロ酢酸(2.00ml)を添加した。反応混合物を25℃に加熱し、1時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行し、且つ生成物が検出されたと示された。反応液を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(塩酸)で精製して標題の化合物(115.01mg、246.51μmol、収率63.50%)を得た。1H NMR(300MHz,Methanol−d4)δ8.53(d,J=1.9Hz,1H),8.35(dd,J=9.0,2.3Hz,1H),8.29(d,J=6.6Hz,1H),7.50(d,J=9.0Hz,1H),4.26(t,J=5Hz,2H),4.07(s,3H),3.60−3.32(m,7H),3.16−3.06(m,2H),2.47−2.30(m,2H),2.02(d,J=13.8Hz,2H),1.49−1.40(m,6H)。LCMS(ESI)m/z:467.2(M+1)。
実施例30
N−(5−(1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2-アミン
第1のステップ
4−(6−ニトロピリジン−3−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
5−ブロモ−2−ニトロピリジン(2.00g、9.85mmol、1.00当量)及び1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.37g、11.82mmol、1.20当量)のジメチルスルホキシド(20.00ml)溶液に炭酸カリウム(2.72g、19.70mmol、2.00当量)をまとめて1回で添加し。反応混合物を80℃に加熱して16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行し、且つ生成物が検出されたと示された。反応液を25℃までに冷却し、反応液に水(50ml)を添加し、その後、酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。合併した有機相を飽和食塩水(100ml×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル:酢酸エチル=30:1〜1:3)得られた標題の化合物(2.00g、6.20mmol、収率62.99%)は白色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:323.1(M+1)。
第2のステップ
4−(6−アミノピリジン−3−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、4−(6−ニトロピリジン−3−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.80g、5.58mmol、1.00当量)のメタノール(20.00ml)溶液にPd/C(300mg)を添加した。懸濁液をH2で何回置換した後に、25℃、H2(1気圧)の保護下で2時間撹拌した。TLCにて反応が完全に進行し、且つ新しいスポットが生成されたと示された。反応液を濾過し、ろ液を濃縮して得られた粗生成物(1.70g、粗生成物)は白色の固体であった。粗生成物は精製せずに直接次のステップで使用された。LCMS(ESI)m/z:293.2(M+1)。
第3のステップ
4−(6−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピリジン−3−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、5−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(中間体E)(200.00mg、645.64μmol、1.00当量)の1,4−ジオキサン(5.00ml)溶液に4−(6−アミノピリジン−3−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(226.53mg、774.77μmol、1.20当量)、Pd2(dba)3(59.12mg、164.56μmol、0.01当量)、炭酸セシウム(420.72mg、1.29mmol、2.00当量)及びXantphos(74.72mg、129.13μmol、0.20当量)を添加した。反応混合物を110℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行し、且つ所望の生成物が検出されたと示された。反応液を25℃までに冷却し、吸引ろ過し、ろ液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取TLC(酢酸エチル)で精製して得られた標題の化合物(250.00mg、粗生成物)は白色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:566.2(M+1)。
第4のステップ
N−(5−(1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−アミン
25℃、窒素ガス雰囲気で、4−(6−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピリジン−3−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(250.00mg、441.95μmol、1.00当量)の塩化メチレン(5.00ml)溶液にトリフルオロ酢酸(3ml)を添加した。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行し、且つ所望の生成物が検出されたと示された。反応液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(塩酸)で精製して標題の化合物(127.94mg、274.80μmol、収率62.18%)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.23(d,J=6.78Hz,1H),7.94(dd,J=9.47,2.70Hz,1H),7.86(d,J=2.64Hz,1H),7.41(d,J=9.41Hz,1H),5.04−5.14(m,2H),4.24(t,J=5.21Hz,2H),4.06(s,3H),3.83−3.94(m,2H),3.65(t,J=6.02Hz,2H),3.45−3.53(m,2H),3.34−3.42(m,3H),3.06−3.13(m,2H),2.24−2.33(m,2H),1.44(d,J=7.03Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:466.2(M+1)。
実施例31
N−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イル)−5−(ピペラジン−1−イル)ピラジン−2−アミン
第1のステップ
4−(5−アミノピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
窒素ガス雰囲気で、4−(5−ブロモピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(10.00g、29.14mmol、1.00当量)及びトリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(2.54g、8.74mmol、0.30当量)のトルエン(100.00ml)溶液にLiHMDS(1M、60.00ml、2.06当量)及びPd2(dba)3(2.60g、2.84mmol、0.10当量)を添加した。反応液を65℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行し、且つ所望の生成物が検出されたと示された。反応混合物を25℃までに冷却し、反応液に水(50ml)を添加して急冷し反応させ、酢酸エチルで抽出した(100ml×3)。合併した有機相を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(アルカリ)で精製して得られた標題の化合物(5.00g、17.90mmol、収率61.43%)はオレンジ色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:280.1(M+1)。
第2のステップ
4−(5−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
マイクロ波管に5−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(中間体E)(500.00mg、1.61mmol、1.00当量)、4−(5−アミノピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(495.97mg、1.78mmol、1.10当量)の1,4−ジオキサン(16.00ml)溶液にPd2(dba)3(147.81mg、161.41μmol、0.10当量)、BINAP(201.01mg、322.82μmol、0.20当量)及びナトリウムt−ブトキシド(232.67mg、2.42mmol、1.50当量)並びに水(400.00μl)を添加した。反応系に窒素ガスを導入して2分間撹拌し、次に管を封じ込み、140℃に加熱して4時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行し、且つ所望の生成物が検出されたと示された。反応液を珪藻土で濾過し(酢酸エチル洗浄し)、ろ液を水(20ml)で洗浄した。有機相を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製して得られた標題の化合物(800.00mg、粗生成物)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:553.3(M+1)。
第3のステップ
N−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イル)−5−(ピペラジン−1−イル)ピラジン−2−アミン
4−(5−((5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−6,7−ジヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(800.00mg、1.45mmol、1.00当量)の塩化メチレン(15.00ml)溶液にトリフルオロ酢酸(23.03g、201.95mmol、139.28当量)を添加した。反応混合物を30℃で7時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行し、且つ所望の生成物が検出されたと示された。反応液を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(塩酸)で精製して標題の化合物(213.05mg、435.69μmol、収率30.05%)を得た。1H NMR(400MHz,methanol−d4):δ8.26(s,1H),8.16−8.24(m,2H),5.20(s,2H),4.36(br s,2H),4.07(s,3H),3.84−3.98(m,4H),3.35−3.44(m,5H),3.15(br s.,2H),1.33−1.53(m,6H)。LCMS(ESI)m/z:453.2(M+1)。
実施例32
N−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イル)−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピラジン−2−アミン
30℃で、5−フルオロ−4−(3−イソプロピル−2−メチル−6,7−ジヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)−N−(5−(ピラジン−1−イル)ピラジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン(250.00mg、552.45μmol、1.00当量)のメタノール(25.00ml)溶液にNaBH3CN(69.43mg、1.10mmol、2.00当量)、HCHO(24.89mg、828.68μmol、1.50当量)及びトリフルオロ酢酸(62.99mg、552.45μmol、1.00当量)を添加した。反応混合物を30℃で4時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。反応混合物を濃縮乾燥し、得られた粗生成物をまず分取HPLC(塩酸)で精製し、次にシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製し、標題の化合物(35.03mg、75.08μmol、13.59%収率)を得た。1H NMR(400MHz,methanol−d4)δ8.88(s,1H),7.97(d,J=1.13Hz,1H),7.93(d,J=6.90Hz,1H),4.04(t,J=5.84Hz,2H),3.75−3.79(m,3H),3.57−3.67(m,4H),3.12−3.22(m,1H),2.77−2.85(m,6H),2.52(s,3H),2.03(s,1H),1.33(d,J=7.03Hz,6H),1.28−1.32(m,1H)。LCMS(ESI)m/z:467.2(M+1)。
実施例33
5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)−N−(4−メチル−5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
5−ブロモ−4−メチル−2−ニトロピリジン
0℃までに冷却したH2SO4(184.00g、1.88mol、23.39当量)にH2O2(58.06g、1.71mol、21.28当量)を徐々に滴下し、滴下過程では温度を−20℃未満に維持し、その後、5−ブロモ−4−メチルピリジン−2−アミン(15.00g、80.20mmol、1.00当量)のH2SO4(100.00ml)混合物を添加した。反応混合物をまず氷浴で45分間撹拌し、その後に30℃に昇温した。3時間後に反応液の色が草色から山吹色に徐々に変化した。反応混合物に氷(500ml)を添加し、析出した固体を濾過、水洗し、その後に真空中で乾燥し、得られた標題の化合物(12.00g、55.29mmol、68.95%収率)は明るいオレンジ色の固体であって、さらなる精製は行われなかった。LCMS(ESI)m/z:216.9(M+1),218.9(M+3)。
第2のステップ
4−(4−メチル−6−ニトロピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
N2の保護下で、5−ブロモ−4−メチル−2−ニトロピリジン(500.00mg、2.30mmol、1.00当量)、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(514.05mg、2.76mmol、1.20当量)、BINAP(286.43mg、460.00μmol、0.20当量)及びCs2CO3(1.05g、3.22mmol、1.40当量)の1,4−ジオキサン(20.00ml)混合液にPd2(dba)3(210.62mg、230.00μmol、0.10当量)を添加した。反応混合物を110℃、N2の保護下で16時間撹拌した。LCMSにて反応が完全に進行したと示された。反応混合物を20℃までに冷却し、次に濾過し、ろ液を濃縮乾燥した後にTLCプレート(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)で精製し、得られた標題の化合物(420.00mg、1.30mmol、56.65%収率)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:323.0(M+1)。
第3のステップ
4−(6−アミノ−4−メチルピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
N2の保護下で、4−(4−メチル−6−ニトロピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(350.00mg、651.45μmol、1.00当量)のメタノール(15.00ml)溶液に10%のPd−C(200mg)を添加し、この懸濁液を真空排出した後に、水素ガスを充填し、次に30℃、H2(15psi)条件下で1.5時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を濾過濃縮して乾燥し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製し、得られた標題の化合物(125.00mg、427.53μmol、65.63%収率)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:293.2(M+1)。
第4のステップ
4−(6−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−(6−アミノ−4−メチルピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(124.59mg、426.12μmol、1.10当量)、5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−3−イソプロピル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(中間体E)(120.00mg、387.38μmol、1.00当量)、Pd2(dba)3(35.47mg、38.74μmol、0.10当量)、Xantphos(44.83mg、77.48μmol、0.20当量)及びCs2CO3(252.43mg、774.76μmol、2.00当量)の1,4−ジオキサン(20.00ml)混合物に、N2を充填し、反応混合物を110℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。反応混合物を濾過濃縮して乾燥し、得られた粗生成物を酢酸エチル(50ml)で希釈し、水(20ml)で洗浄し、有機相を蒸留した後に分取TLCプレート(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製し、得られた目的化合物(150.00mg、265.17μmol、68.45%収率)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:566.3(M+1)。
第5のステップ
5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)−N−(4−メチル−5−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン
4−(6−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−メチル2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(150.00mg、265.17μmol、1.00当量)の塩化メチレン(7.50ml)溶液に、トリフルオロ酢酸(11.52g、101.00mmol、380.87当量)を滴下した。反応混合物を30℃で2時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。混合物濃縮して乾燥し、得られた粗生成物を分取HPLC(ギ酸)で精製し、得られた標題の化合物(121.00mg、236.52μmol、89.19%収率)は黄色のオイルであった。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.15(d,J=7.2Hz,1H),8.05(s,1H),7.24(s,1H),5.00(s,2H),4.16(t,J=5.8Hz,2H),3.81(s,3H),3.51−3.39(m,4H),3.31−3.24(m,4H),3.24−3.16(m,1H),2.89(t,J=5.8Hz,2H),2.55−2.45(m,3H),1.36(d,J=7.2Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:466.2(M+1)。
発明E
5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2,7,7−トリメチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)−N−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミンの合成
実施例34
5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2,7,7−トリメチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)−N−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
3,3−ジメチル−4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
0℃で、4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(2.00g、8.57mmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン(25ml)溶液に水素化ナトリウム(719.88mg、18.00mmol、2.10当量)及びヨウ化カリウム(3.80g、26.74mmol、3.12当量)をまとめて1回で添加した。混合物を30℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。反応混合物に塩化アンモニウム塩溶液(50ml)を添加し、次に酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。有機相を濃縮して乾燥し、得られた残留物を分取TLCプレート(石油エーテル:酢酸エチル=6:1)で精製し、得られた標題の化合物(870.00mg、3.33mmol、38.86%収率)は透明なオイルであった。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ7.38−7.33(m,5H),5.19(s,2H),3.81−3.77(t,J=6.4Hz,2H),3.50−3.46(m,2H),2.50(s,2H),1.11−1.04(m,6H)。LCMS(ESI)m/z:284.1(M+1)。
第2のステップ
5−(イソブチリル)−3,3−ジメチル−4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
0℃で、3,3−ジメチル−4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(6.00g、22.96mmol、1.00当量)のトルエン(150.00ml)溶液にLDA(2M、22.96ml、2.00当量)をまとめて1回で添加し、反応混合物をこの温度で30分間撹拌した後に、塩化イソブチリル(3.67g、34.44mmol、1.50当量)を添加し、次に徐々に30℃までに昇温して16時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=6:1)にて反応が完全に進行したと示された。反応混合物を塩化アンモニウム溶液(80ml)で急冷し、次に酢酸エチル(100ml×2)で抽出した。有機相を合併した後に濃縮して乾燥し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=50:1)で精製し、得られた標題の化合物(5.60g、16.90mmol、73.60%収率)は黄色のオイルであった。
第3のステップ
6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル2,7,7−トリメチル2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−カルボン酸ベンジル
5−(イソブチリル)−3,3−ジメチル−4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(3.90g、11.77mmol、1.00当量)及び40%のメチルヒドラジン水溶液(13.99g、121.47mmol、10.32当量)のエタノール(35.00ml)溶液に酢酸(706.66mg、11.77mmol、1.00当量)をまとめて1回で添加した。反応混合物を32℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。反応液を濃縮して乾燥し、得られた粗生成物を分取TLCプレート(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製し、得られた標題の化合物(600.00mg、1.76mmol、14.93%収率)は透明なオイルであった。LCMS(ESI)m/z:342.2(M+1)。
第4のステップ
3−イソプロピル−2,7,7−トリメチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン
N2の保護下で、6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル2,7,7−トリメチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−カルボン酸ベンジル(600.00mg、1.76mmol、1.00当量)のメタノール(20.00ml)溶液に10%のPd/C(0.4g)を添加し、この懸濁液を真空排出した後に水素ガスを充填し、次に30℃、H2(15psi)条件下で2時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。混合物を濾過濃縮して乾燥し、得られた標題の化合物(323.00mg、1.56mmol、88.53%収率)は黄色のオイルであった。LCMS(ESI)m/z:208.2(M+1)。
第5のステップ
5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3−イソプロピル−2,7,7−トリメチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン
30℃で、3−イソプロピル−2,7,7−トリメチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(323.00mg、1.56mmol、1.00当量)及び2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(338.62mg、2.03mmol、1.30当量)のテトラヒドロフラン(25.00ml)溶液にトリエチルアミン(1.58g、15.58mmol、10.00当量)を添加し、反応混合物を30℃で12時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。反応混合物を飽和食塩水(20ml)で希釈し、次に酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。有機相を合併した後に乾燥し、得られた残留物を分取TLCプレート(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)で精製し、得られた標題の化合物(380.00mg、1.12mmol、72.11%収率)は黄色のオイルであった。LCMS(ESI)m/z:338.1(M+1)。
第6のステップ
5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2,7,7−トリメチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)−N−(5−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン
N2の保護下で、5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3−イソプロピル−2,7,7−トリメチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(380.00mg、1.12mmol、1.00当量)、5−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−アミン(257.07mg、1.34mmol、1.20当量)及びCs2CO3(729.84mg、2.24mmol、2.00当量)の1,4−ジオキサン(25.00ml)混合物にPd2(dba)3(102.56mg、112.00mmol、0.10当量)及びXantphos(129.61mg、224.00μmol、0.20当量)をまとめて1回で添加した。反応混合物にN2を充填し、次に反応混合物を110℃で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。反応混合物に水(10ml)を添加して希釈し、次いで、酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。有機相を合併した後に乾燥し、得られた残留物をまず分取HPLC(塩酸)で精製し、次にSFC(AD-3S_5_40_3ML、Column:Chiralpak AD−3100×4.6mm I.D.3μm,Mobile phase:40%ethanol(0.05%DEA)in CO2,Flow rate:3mL/min Wavelength:220nm)で精製し、標題の化合物(60.00mg、121.80μmol、10.87%収率)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.36(s,1H),8.30(d,J=6.8Hz,1H),8.27−8.19(m,1H),7.56−7.48(m,1H),5.09(s,2H),4.12(s,3H),4.05(s,2H),3.73−3.60(m,2H),3.44−3.35(m,1H),3.31−3.25(m,1H),3.21−3.09(m,1H),2.96(s,3H),2.35(s,1H),2.26−2.08(m,4H),1.51−1.44(m,12H)。LCMS(ESI)m/z:493.3(M+1)。
発明F
N−(5−(1,4−ジアザ−ヘプチル−1−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−フェニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−アミンの合成
実施例35
N−(5−(1,4−ジアザヘプチル−1−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−フェニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−アミン
第1のステップ
6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−フェニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−カルボン酸ベンジル
3−(2−プロピオニルオキシ)−4−オキソ-ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(500.00mg、1.65mmol、1.00当量)のエタノール(5.00ml)溶液にフェニルヒドラジン(178.24mg、1.65mmol、1.00当量)を添加し、反応混合物を80℃に加熱してこの温度下で4時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)及びLC−MSにて反応が完全に進行したと示された。反応混合物を25℃までに冷却し、次に減圧濃縮して溶媒を除去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製し、得られた標題の化合物(330.00mg、878.92μmol、53.27%収率)は赤色のオイルであった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.50−7.36(m,10H),5.23(s,2H),4.70(s,2H),3.83(br s,2H),3.07(q,J=7.0Hz,1H),2.86(br s,2H),1.28−1.20(m,6H)。LCMS(ESI)m/z:376.1(M+1)。
第2のステップ
4,5,6,7−テトラヒドロ−3−イソプロピル−2−フェニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン
6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−フェニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−カルボン酸ベンジル(330.0mg、878.92μmol、1.00当量)のメタノール(5.00ml)溶液に10%のパラジウム炭素(50mg)を添加し、反応混合物を25℃、H2(15Psi)の条件下で2時間撹拌した。TLC(塩化メチレン:メタノール=10:1)にて反応が完全に進行したと示された。反応混合物を濾過し、ろ液を濃縮し、得られた標題の化合物(200.00mg、粗生成物)は黄色のオイルであった。
第3のステップ
5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3−イソプロピル−2−フェニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン
4,5,6,7−テトラヒドロ−3−イソプロピル−2−フェニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(200.00mg、828.74μmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン(5.00ml)溶液にトリエチルアミン(167.72mg、1.66mmol、2.00当量)及び2,4−ジクロロ−5−フルオロ−ピリミジン(166.05mg、994.49μmol、1.20当量)を添加した。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。反応混合物を濃縮して乾燥し、得られた残留物を分取TLCプレート(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製し、得られた標題の化合物(190.00mg、510.97μmol、61.66%収率)は白色の固体であった。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.99(d,J=6.0Hz,1H),7.52−7.43(m,3H),7.40−7.36(m,2H),4.97(s,2H),4.12(t,J=5.9Hz,2H),3.10(q,J=7.1Hz,1H),2.99(t,J=5.9Hz,2H),1.30(d,J=7.0Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:372.0(M+1)。
第4のステップ
4−(6−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−フェニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−アミノピリジン−3−イル)−1,4−ジアザ−ヘプチル−1−カルボン酸tert−ブチル
N2の保護下で、5−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3−イソプロピル−2−フェニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(190.00mg、510.97μmol、1.00当量)、4−(6−アミノ−3−ピリジニル)−1,4−ジアゼピン−1−カルボン酸tert−ブチル(224.10mg、766.46μmol、1.50当量)の1,4−ジオキサン(5.00ml)混合液にCs2CO3(499.45mg、1.53mmol、3.00当量)、Xantphos(59.13mg、102.19μmol、0.20当量)、及びPd2(dba)3(46.79mg、51.10μmol、0.10当量)を添加した。反応混合物を120℃に加熱してこの温度下で16時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。反応混合物を濾過し、ろ液を濃縮し、得られた残留物を分取TLCプレート(ピュア酢酸エチル)で精製し、得られた標題の化合物(100.00mg、粗生成物)は黄色の固体であった。LCMS(ESI)m/z:628.3(M+1)。
第5のステップ
N−(5−(4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−フェニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−アミン
4−(6−(5−フルオロ−4−(6,7−ジヒドロ−3−イソプロピル−2−フェニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5(4H)−イル)ピリミジン−2−アミノピリジン−3−イル)−1,4−ジアザヘプチル−1−カルボン酸tert−ブチル(100.00mg、159.30μmol、1.00当量)の塩化メチレン(3.00ml)溶液にトリフルオロ酢酸(1ml)を添加した。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌した。LC−MSにて反応が完全に進行したと示された。反応混合物を減圧濃縮して溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLC(塩酸)で精製し、標題の化合物(50.00mg、94.76μmol、59.49%収率)を得た。1H NMR(400MHz,Methanol−d4)δ8.24(d,J=6.8Hz,1H),7.92(dd,J=9.4,2.8Hz,1H),7.86(d,J=2.6Hz,1H),7.73−7.68(m,3H),7.65−7.57(m,2H),7.39(d,J=9.5Hz,1H),5.17(s,2H),4.31(t,J=5.0Hz,2H),3.92−3.84(m,2H),3.65(t,J=6.0Hz,2H),3.52−3.45(m,2H),3.41−3.36(m,2H),3.14(t,J=5.1Hz,2H),3.06(td,J=14.0,6.9Hz,1H),2.33−2.24(m,2H),1.37(d,J=7.0Hz,6H)。LCMS(ESI)m/z:528.2(M+1)。
<薬理部分>
本発明に係る化合物は、例えばCDK2酵素に対する活性はCDK4/6よりも劣っている(IC50値比較)選択的CDK4/6阻害剤である。以下の実験結果により、本特許で例示されている化合物は確かに特定のCDK4/6阻害剤であり、且つ潜在的な抗がん剤として使用できるものである。ここでいうIC50とは、50%という最大阻害作用を発揮する場合の試薬の濃度を示す。本発明に係る化合物はさらに、例えば実施例13は排出トランスポーターの基質ではないのに対して、palbociclib及びLY2835219は実験により排出トランスポーターの基質であると証明されているように、自ら予測できない生理活性も有する。さらに、実施例13の脳組織における曝露量は、同時間帯のpalbociclib及LY2835219の脳組織における曝露量をはるかに上回っている。これに基づき、実施例13は、palbociclib及びLY2835219よりも、乳がん患者のうち約15%を占めている乳がんの脳転移患者を治療する潜在力を持っていると推測できる。ここで示した生理活性は、一部の実施例の代表的な生理活性に過ぎない。
<生化学実験>
<実験材料>
CDK2/cyclin A、CDK4/cyclin D1、CDK6/cyclin D1(Life technology)。ULight標識ポリペプチド基質ULight−4E−BP1及びULight−MBP(PerkinElmer)。ユーロピウム標識抗ミエリン塩基性タンパク抗体及びユーロピウム標識ウサギ由来抗体(PerkinElmer)、Envisionマルチラベルプレートリーダーで信号を検出する(PerkinElmer)。
<実験方法>
被験化合物を3倍希釈し、10段階の濃度勾配があり、最終的な濃度範囲が5μM〜0.25nMである。
・CDK2/cyclin Aの酵素反応系
標準的なLance Ultra方法は、10μLの酵素反応系で行われ、CDK2/cyclin Aタンパク 0.5nM、ULight−MBPポリペプチド 100nM及びATP 25μMを含む。それぞれ酵素緩衝液で溶解させ、緩衝液は成分として、pH7.5の2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸 50mM、エチレンジアミン四酢酸 1mM、塩化マグネシウム 10mM、0.01%のBrij−35、ジチオスレイトール 2mMを含む。反応開始後に、トップシールフィルムTopSeal−AでOptiPlate384ウェルプレートを封止し、室温で60分間インキュベートした。
・CDK4/cyclin D1の酵素反応系
標準的なLance Ultra方法は、10μLの酵素反応系で行われ、CDK4/cyclin D1タンパク 0.3nM、ULight−4E−BP1ポリペプチド 50nM、及びATP 350μMを含む。それぞれ酵素緩衝液で溶解させ、緩衝液は成分として、pH7.5の2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸 50mM、エチレンジアミン四酢酸 1mM、塩化マグネシウム 10mM、0.01%のBrij−35、ジチオスレイトール 2mMを含む。反応開始後に、トップシールフィルムTopSeal−AでOptiPlate384ウェルプレートを封止し、室温で180分間インキュベートした。
・CDK6/cyclin D1の酵素反応系
標準的なLance Ultra方法は、10μLの酵素反応系で行われ、CDK6/cyclin D1タンパク 0.8nM、ULight−4E−BP1ポリペプチド 50nM、及びATP 250μMを含む。それぞれ酵素緩衝液で溶解させ、緩衝液は成分として、pH7.5の2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸 50mM、エチレンジアミン四酢酸 1mM、塩化マグネシウム 10mM、0.01%のBrij−35、ジチオスレイトール 2mMを含む。反応開始後に、トップシールフィルムTopSeal−AでOptiPlate384ウェルプレートを封止し、室温で180分間インキュベートした。
酵素反応終止緩衝液を用意し、1倍希釈された検出緩衝液でEDTAを溶解させ、終止反応を室温で5分間行った。それぞれCDK2/cyclin A、CDK4/cyclin D1及びCDK6/cyclin D1反応に(それぞれユーロピウム標識抗ミエリン塩基性タンパク抗体及びユーロピウム標識ウサギ由来抗体で配合された)検出混合液を5μL添加した。室温で60minインキュベートし、時間分解蛍光共鳴エネルギー転移の原理を用いて、Envision装置で反応信号を検出した。
<データ分析>
方程式(Max−Ratio)/(Max−Min)*100%で生データを阻害率に換算し、IC50値を、4パラメータ曲線フィッティング(iDBS XLFIT5のModel 205)を用いることによって生成することができる。表1には、本発明の化合物のCDK2/CDK4/CDK6キナーゼに対する阻害活性を示している。
<細胞実験>
<実験材料>
RPMI 1640培地、ウシ胎児血清、ペニシリン/ストレプトマイシン抗生物質(Promega(Madison,WI)から購入)。MCF−7細胞株及びMDA−MB−436細胞株(ヨーロッパ細胞培養コレクション(ECACC)から購入)。Envisionマルチラベルプレートリーダー(PerkinElmer)。
<実験方法>
MCF−7細胞を黒色384ウェルプレートに播種し、45μLの細胞懸濁液を各ウェルに分注し、MCF−7細胞200個が含まれている。細胞プレートを二酸化炭素培養器で夜通し培養した。
被験化合物をBravoで10段階目の濃度までに3倍希釈し、即ち10μMから0.508nMまでに希釈し、ダブルウェル試験を設置した。中間プレートに49μLの培地を添加し、対応する位置に合わせて、1ウェル当たり1μLの勾配を移行させ、化合物を中間プレート上に希釈し、均一に混合した後に、1ウェル当たり5μLを細胞プレートに移行させた。細胞プレートを二酸化炭素培養器で6日間培養した。
細胞プレートに1ウェル当たり25μLのPromega CellTiter‐Glo試薬を添加し、室温で10分間インキュベートし、発光信号を安定化させた。PerkinElmer Envisionマルチラベルプレートリーダーで数値を読み取った。
<データ分析>
方程式(Max−Ratio)/(Max−Min)*100%で生データを阻害率に換算し、IC50値を、4パラメータ曲線フィッティング(iDBS XLFIT5のModel 205)を用いることによって生成することができる。表1には、本発明の化合物のMCF−7及びMDA−MB−436細胞増殖に対する阻害活性を示している。
<実験結論>
本発明の化合物は、CDK4及びCDK6キナーゼに対して顕著な阻害活性を有し、且つCDK2キナーゼに対して比較的高い選択性を有する。また、本発明の化合物はエストロゲン受容体陽性MCF−7乳がん細胞に対して顕著な増殖阻害活性を示したが、エストロゲン受容体陰性MDA−MB−436細胞に対する増殖阻害活性が悪かった。そのうち、実施例3、9、10、15では、対照化合物Palbociclib及びLY2835219よりも高いCDK4及びCDK6キナーゼに対する阻害活性が認められ、実施例3、7、9、10、15では対照化合物Palbociclib及びLY2835219よりも高いMCF−7細胞に対する増殖阻害活性が認められた。実施例7では、対照化合物LY2835219よりも高いエストロゲン受容体陽性乳がん細胞に対する増殖阻害活性選択性が認められた(MCF−7/MDA−MB−436)。
<実験方法>
Caco−2細胞双方向透過性評価実験
<実験目的>
Caco−2細胞は、腸管吸収の研究のために広く利用されているin vitroモデルであり、ヒト大腸がん細胞である。単層Caco−2細胞モデルは、腸管吸収過程における受動輸送および能動輸送プロセスの評価に広く利用されている。GF120918Aは、強力な排出トランスポーター阻害剤であり、これら排出トランスポーターには、P糖タンパク質(P−gp)および乳がん耐性タンパク質(BCRPの)等が含まれている。本実験では、実施例7と対照化合物Palbociclib及びLY2835219がCaco−2細胞モデルを透過する双方向透過性を測定し、且つGF120918Aを添加することにより、被験化合物の排出トランスポーターを評価した。
<実験過程>
標準的な実験条件は以下のようである。
−測定濃度:2μM(DMSO≦1%);
−繰り返し:n=2;
−方向:双方向性輸送、A→B及びB→Aの2方向を含む;
−インキュベート時間:単一の時点、2時間;
−輸送緩衝液:HBSS,pH7.4;
−インキュベート条件:37℃,5%CO2。
インキュベート終了後、投与孔及び受容孔内の試料溶液を取って、直ちに内部標準物質を含む冷アセトニトリル溶液と混合した。LC/MS/MS法を用いて試験化合物の(初回投与液、投与孔上澄み液、受容液を含む)すべての試料における濃度を分析した。さらに、見かけの透過係数、フラックスレシオ等のパラメータを計算した。
<実験結論>
表2には、実施例7と対照化合物Palbociclib及びLY2835219のCaco−2単層細胞における透過係数を示している。対照化合物Palbociclib及びLY2835219に比べ、実施例7はより高い透過性を有し、且つ体内吸収及び輸送は排出トランスポーターに影響される可能性が比較的低かった。より優れた透過性によって、実施例7が体内組織(例えば乳管、肺)における分布がより多くなり、より優れた体内抗腫瘍薬効をもたらすことが可能となる。また、より優れた透過性によって、実施例7が血液脳関門を通過し、乳がん又は肺がんの脳転移を治療する目的を達成することも可能となる。
<実験方法>
脳透過性の研究
<実験目的>
SDラットを被験動物として、LC/MS/MS法を用いて、実施例7と対照化合物Palbociclib及びLY2835219を経口投与後の異なる時点でのラットの脳及び血漿中の薬物濃度を測定し、その脳組織の分布特徴を評価した。
<実験過程>
生後7〜9週の健康成熟雄SDラット、計12匹を上海SLAC実験動物有限公司から購入した。適量な被験化合物を秤量し、化合物を1mg/mLの0.5%メチルセルロース懸濁液に配合した。ラットに単回経口投与し、投与量が10mg/kgであった。投与後0.5時間、2時間、8時間、24時間の時点でそれぞれ3匹を殺した。全血及び脳組織を収集し、全血の遠心分離をし(3000g、15分間、4℃)、血漿を調製し、メタノール:りん酸緩衝液=1:2をホモジネートとして5:1の配合比で脳組織試料とホモジネートし、脳ホモジネート試料を調製した。LC/MS/MS法を用いて各試料の薬物濃度を測定し、AUCデータを計算して曝露量を評価した。
<実験結論>
表3には経口投与量が10mg/kgの場合、本発明の実施例7と対照化合物Palbociclib及びLY2835219の脳組織における曝露量データを示している。その結果、0.5時間及び2時間という2時点で、本発明の実施例7は対照化合物Palbociclib及びLY2835219よりも高いラット脳組織における曝露量を有し、実施例7がガン脳転移治療の薬物に開発するのに適していることが分かった。また、8時間後に、本発明の実施例7の脳部における曝露量が明らかに低減し、対照化合物PalbociclibとLY2835219の間にあり、本発明の実施例7が脳部に長時間蓄積せず、より良い安全性を有することが分かった。
<実験方法>
生体内薬効研究
皮下にMCF−7乳がん患者由来のヒト腫瘍細胞株に基づいた異種移植(CDX)が移植されたBALB/cヌードマウスに生体内薬効実験を行った。
<実験過程>
BALB/cヌードマウス、雌性、6〜8週、体重は約18〜22g。マウスを病原体のない特定な環境、且つ個別換気ケージ(1ケージ当たりマウス10匹)で収容した。すべてのケージで寝具及び水を用意し、使用前に消毒作業を行った。全ての動物が規格認証された商業実験室食物を自由に取ることができる。合計で100匹の上海BK Laboratory Animal Co.,LTDから購入されたマウスが研究に使用された。各マウスの左脇腹皮下にエストロゲン錠剤(0.36g、60日間徐放)を埋め込み、3日間後に、腫瘍を成長させるために、各マウスの右脇腹皮下に腫瘍細胞(10×106、0.2mlリン酸塩緩衝液)を埋め込んだ。平均腫瘍体積が約150〜200mm3になった時点から投与し始めた。被験化合物を毎日経口投与し、投与量は表5に示している。腫瘍体積について、3日間毎に2次元カリパスで腫瘍体積を測定し、体積の単位をmm3とし、下式により計算した。V=0.5a×b2(式中、aとbはそれぞれ腫瘍の長径及び短径を表す。)。抗腫瘍薬効は、化合物で処理済み動物の平均腫瘍増加体積を未処理動物の平均腫瘍増加体積で割った結果で確認した。
<実験結論>
本発明の実施例3及び実施例7は、MCF−7乳がん患者由来のヒト腫瘍細胞株に基づいた異種移植(CDX)モデルにおいて顕著な抗腫瘍活性を示した。表4に示したように、実験開始から21日間経った後、未投与動物群の腫瘍体積は最初の187mm3から1443mm3に急成長したのに対して、同時期の実施例3投与動物群の腫瘍体積はただ最初の187mm3から432mm3に徐々に成長し、成長速度が対照化合物Palbociclib及びLY2835219投与群より明らかに遅かった。実施例3の投与量(25mg/kg)が対照化合物LY2835219(50mg/kg)の半分又は対照化合物Palbociclib(45mg/kg)(実験により、Palbociclib高投与量に耐えられないことが証明された)のほぼ半分であるため、実施例3の抗腫瘍活性がこの2つの対照化合物に比べて顕著に優れていると考えられる。また、投与21日間後に、実施例7投与動物群の腫瘍体積が最初の187mm3から350mm3に徐々に成長し、成長速度が同じ投与量の対照化合物LY2835219投与群より明らかに遅かった。これにより、同じ投与量の場合、対照化合物LY2835219に比べ、実施例7はより顕著な抗腫瘍活性を有することが示された。