JP2022530371A - ピリミド5員複素環化合物及び変異型idh2阻害薬としてのその使用 - Google Patents

ピリミド5員複素環化合物及び変異型idh2阻害薬としてのその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ピリミド5員複素環化合物及び変異型IDH2阻害薬としてのその使用に関する。詳細には、本発明において、変異型IDH2阻害薬としての機能を果たすことができるピリミド5員複素環化合物、若しくは立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬剤的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物を開示する。本発明は、前記化合物を含む医薬組成物、並びに変異型IDH2により媒介される疾病の予防及び/又は治療用医薬の製造におけるその使用にも関する。

Description

本発明は、医薬品化学分野、詳細には、ピリミド5員複素環化合物及び変異型IDH2阻害薬としてのその使用に関する。
イソクエン酸脱水素酵素(IDH)は、トリカルボン酸回路におけるイソクエン酸からのα-ケトグルタル酸(α-KG)の産生を触媒する主要律速酵素である。高等哺乳類において3種のサブタイプ、すなわち、IDH1、IDH2、及びIDH3がある。これらの中で、IDH1は、細胞質基質及びペルオキシソーム中に主に存在し、一方、IDH2及びIDH3は、ミトコンドリア中に主に存在する。IDH1及びIDH2はホモ二量体であり、酵素触媒機能を行うため補酵素としてニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)を使用する。IDH3は2つのαサブユニット、1つのβサブユニット及び1つのγサブユニットから成るヘテロ四量体であり、イソクエン酸からα-KGの産生を触媒するため補酵素としてニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を使用し、同時に、NADHを産生して細胞内の酸化還元反応を制御する。
研究により、脳腫瘍、白血病、軟骨肉腫、胆管細胞がん、その他を含む多くの異なる種類の腫瘍においてIDH1/2は変異を有することが分かった。IDH1と比較して、IDH2は、急性骨髄性白血病(AML)において8.7%~19%の変異率を有する。変異部位は、R140Q及びR172Kにおいて主に集中している。変異IDH2(IDH2m)は、その正常機能の損失を引き起こし、α-KGを発がん性代謝物2-ヒドロキシグルタル酸(2-HG)に変換し、2-HGを変異腫瘍細胞内に蓄積させる。研究により、α-KGが2-HGと構造的に類似していることが示された。2-HGは、α-KG依存性ジオキシゲナーゼ活性(DNA脱メチル化酵素及びヒストン脱メチル化酵素など)と競合的に結合し、ゲノムのいくつかの主領域においてヌクレオソーム及び/又はDNAの過剰メチル化をもたらす。この後成的変化は、正常細胞分化を妨げ、がんに至り得る未熟細胞の過剰増殖をもたらすと考えられる。
IDH2変異を有する腫瘍細胞では、変異型IDH2阻害薬は、変異酵素タンパク質と特異的に結合し、変異プロテアーゼの活性を効果的に阻害し、体中の発がん性代謝物2-HGを低減し、それにより、ヒストン及び/又はDNAの脱メチル化を誘導して腫瘍細胞分化の促進及び腫瘍発育の阻害の効果を達成する。新薬開発に参加するためにIDH2変異を標的とする会社は、主に、米国のAgios Pharmaceuticalsによって代表される。IDH2-R140Q変異を標的とする医薬エナシデニブは、2017年8月1日にFDAにより承認され、成功裏に販売された。しかしながら、IDH2阻害薬の研究開発では、化学的種類の多様化が不充分なので、新規な高有効性及び低毒性IDH2m阻害薬を開発する差し迫った必要性がある。
本発明の目的は、高選択性、高有効性及び低毒性を有する変異型IDH2阻害薬の分類を提供することである。
第一態様では、本発明は、式I:
Figure 2022530371000001
により表されるピリミド5員複素環化合物であって、前記式中、
1は、存在しないか又は水素、ハロゲン、-CN、置換若しくは非置換C1~C8アルキル、置換若しくは非置換C2~C8アルケニル、置換若しくは非置換C2~C8アルキニル、置換若しくは非置換C3~C10シクロアルキルから選択され;
2は、水素、ハロゲン、-CN、置換若しくは非置換C1~C8アルキル、置換若しくは非置換C2~C8アルケニル、置換若しくは非置換C2~C8アルキニル、置換若しくは非置換C3~C10シクロアルキル、置換若しくは非置換C1~C8アルコキシ、置換若しくは非置換C1~C8カルボキシ、置換若しくは非置換C2~C20エステル基、置換若しくは非置換C6~C10アリール、又はN、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有する置換若しくは非置換5~10員ヘテロアリールから選択され;
Xは、N、O、S又はCR5から選択され;R5は、水素、ハロゲン、-CN、置換若しくは非置換C1~C8アルキル、置換若しくは非置換C2~C8アルケニル、置換若しくは非置換C2~C8アルキニル、又は置換若しくは非置換C3~C10シクロアルキルであり;
1は、0、1、2、3、又は4であり;各Lは、独立して、存在しないか又はO、S、-CO-、-NH-若しくは-CH2-から選択され;
2は、0、1又は2であり;各Zは、独立して、存在しないか又はO、S、-CO-、-NH-若しくは-CH2-から選択され;
3は、水素、ハロゲン、-CN、置換若しくは非置換C1~C8アルキル、置換若しくは非置換C2~C8アルケニル、置換若しくは非置換C2~C8アルキニル、置換若しくは非置換C3~C10シクロアルキル、置換若しくは非置換C6~C10アリール、N、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有する置換若しくは非置換5~10員ヘテロアリール、N、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有する置換若しくは非置換4~8員複素環式基から選択され;
4は、水素、ハロゲン、CN、置換若しくは非置換C1~C8アルキル、置換若しくは非置換C2~C8アルケニル、置換若しくは非置換C2~C8アルキニル、置換若しくは非置換C3~C10シクロアルキル、置換若しくは非置換C6~C10アリール、N、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有する置換若しくは非置換5~10員ヘテロアリールから選択され;
特に明記されない限り、用語「置換(substituted)」は、次の基:ハロゲン、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、C3~C8シクロアルキル、ハロゲン化C3~C8シクロアルキル、オキソ、-CN、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、ベンジル、C6~C10アリール、ハロゲン化C6~C10アリール、N、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、N、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有するハロゲン化5~10員ヘテロアリールから選択される1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つなど)の置換基により置換されていることを表す、
化合物、もしくは立体異性体もしくは互変異性体、又はその薬剤的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
別の好ましい実施形態では、R3について、用語「置換(substituted)」は、次の基:ハロゲン、CN、ヒドロキシル、置換若しくは非置換C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル又は置換若しくは非置換C1~C6アルコキシから選択される1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つなど)の置換基により置換されていることを表す。
別の好ましい実施形態では、R4について、用語「置換(substituted)」は、次の基:ハロゲン、CN、ヒドロキシル、置換若しくは非置換C1~C6アルキル又はC1~C6ハロアルキルから選択される1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つなど)の置換基により置換されていることを表す。
別の好ましい実施形態では、エステル基は、-(置換若しくは非置換C1~C6アルキレン)-C(O)-O-(置換若しくは非置換C1~C6アルキル)を含む。
別の好ましい実施形態では、XはO又はSであり、R1は存在しない。
別の好ましい実施形態では、化合物は、式Ia:
Figure 2022530371000002
式中、R1、R2、R3、R4、L、及びm1は、上記定義されている通りである、
により表される構造を有する。
別の好ましい実施形態では、m1は2であり、-(L)m1-は、-NH-CH2又は-CH2-NH-である。
別の好ましい実施形態では、m2は2であり、-(Z)m2-は、-NH-CH2又は-CH2-NH-である。
別の好ましい実施形態では、LはNHであり、m1は1であり、Zは存在せず、m2は0である。
別の好ましい実施形態では、R3は、C3~C6シクロアルキル基である。
別の好ましい実施形態では、R2は、メチル又はトリフルオロメチルである。
別の好ましい実施形態では、R4は、フッ素置換フェニル基である。
別の好ましい実施形態では、Xは、CR5である。
別の好ましい実施形態では、R5はH、C1~C4アルキル、又はC3~C4シクロアルキルである。
別の好ましい実施形態では、前記化合物は、表1中の化合物#1、#2、#3、#4、#5、#6、#7、#8、#9、#10、#11、#12、#13、#14、#15、#16、#17、#18、#19、#20、#21、#22、#23、#24、#25、#26、#27、#28、#29、#30、#31、#32、#33、#34、#35、#36、#37、#38、#39、#40、#41、#42、#43、#44、#45、#46、#47、#48、#49、#50、若しくは#51、又はその薬剤的に許容可能な塩である。
別の好ましい実施形態では、前記化合物は、表1中の化合物#28、#48、#49、若しくは#51又はその薬剤的に許容可能な塩である。
別の好ましい実施形態では、化合物は:
Figure 2022530371000003
Figure 2022530371000004
Figure 2022530371000005
Figure 2022530371000006
Figure 2022530371000007
Figure 2022530371000008
Figure 2022530371000009
Figure 2022530371000010
Figure 2022530371000011
Figure 2022530371000012
Figure 2022530371000013
Figure 2022530371000014
Figure 2022530371000015
Figure 2022530371000016
Figure 2022530371000017
Figure 2022530371000018
Figure 2022530371000019
から選択される。
第二態様では、本発明は、(1)本発明の第一態様の化合物、若しくは立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬剤的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物;2)薬剤的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。
第三態様では、本発明は、変異型IDH2により媒介される疾病の予防及び/又は治療用医薬製造のための本発明の第一態様の化合物、若しくは立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬剤的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物、又は本発明の第二態様の医薬組成物の使用を提供する。
別の好ましい実施形態では、前記変異型IDH2により媒介される疾病は、がんであり;好ましくは、前記がんは、膀胱がん、乳がん、腎がん、肝がん、肺がん(小細胞肺がんを含む)、食道がん、胆嚢がん、卵巣がん、膵がん、胃がん、子宮頸がん、甲状腺がん、前立腺がん及び皮膚がん(扁平上皮がんを含む);例えば、白血病、急性リンパ性細胞白血病、急性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫及びバーキットリンパ腫を含むリンパ系の造血器腫瘍;例えば、線維肉腫及び横紋筋肉腫を含む間葉系細胞由来腫瘍;例えば、急性及び慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群及び前骨髄球性白血病を含む骨髄造血器腫瘍;例えば、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、及びシュワン腫を含む中枢神経系及び末梢神経系腫瘍;並びに例えば、メラノーマ、セミノーマ、テラトーマ、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、甲状腺濾胞がん及びカポジ肉腫を含む他の腫瘍から選択される。
第四態様では、式Iの化合物の製造方法であって、前記方法は: を含み、方法を提供する。
Figure 2022530371000020
(a)式(1)の化合物を、H-(L)m1-R3と反応させて、式(2)の化合物を製造することH-(L)m1-R3は、R3により置換されているアミン化合物又はホウ酸化合物若しくはホウ酸塩化合物であり;
Figure 2022530371000021
(b)式(2)の化合物を、H-(Z)m2-R4と反応させて、式(I)の化合物を製造することH-(Z)m2-R4は、R4により置換されているアミン化合物又はホウ酸化合物若しくは、ホウ酸塩若しくは有機スズ化合物であり;
式中、R1、R2、R3、R4、L、Z、m1、m2は、本発明の第一態様で定義されている通りである、
第五態様では、式Ia:
Figure 2022530371000022
式中、R1、R2、R3、R4、L、及びm1の定義は、本発明の第一態様で定義されている通りである、
により表される化合物の製造方法であって、前記方法は、
(a1)式(1a)の化合物を、N-ブロモコハク酸イミド又はS-(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムテトラフルオロボレート(梅本試薬)と反応させて、式(2a)の化合物を製造すること;
(b1)式(2a)の化合物を、ホウ酸化合物R2-B(OH)2と反応させて、式(Ia)により表される化合物を製造すること、
を含む方法を提供する。
第六態様では、変異型IDH2阻害薬であって、前記阻害薬は、本発明の第一態様の化合物、若しくは立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬剤的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物、又は本発明の第二態様の医薬組成物を含む、阻害薬を提供する。
第七態様では、変異型IDH2を含む腫瘍細胞増殖を阻害するためのインビトロ方法であって、前記方法は:本発明の第一態様の化合物、若しくは立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬剤的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物、又は本発明の第二態様の医薬組成物を、変異型IDH2と接触させて、それにより、前記変異型IDH2の活性を阻害することを含む、方法を提供する。
第八態様では、変異型IDH2により媒介される疾病の予防及び/又は治療方法であって、前記方法は:本発明の第一態様の化合物、若しくは立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬剤的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物、又は本発明の第二態様の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の好ましい実施形態では、対象は、ヒトなどの哺乳類を含む。
本発明の範囲内で、本発明の上記技術的特徴及び以下(実施例など)に詳述される技術的特徴を相互に組み合わせて、紙面の制約上本明細書に繰り返し記載されない新規又は好ましい技術的解決法を生成することができると理解されるべきである。
広範囲且つ徹底的研究の後、本発明者らは、変異型IDH2に対する優れた阻害作用を有する新規タイプの化合物を初めて開発した。本発明の化合物は、変異型IDH2に対する優れた選択性、正常細胞に対する極めて低い傷害性を有し、良好な創薬可能性及び薬物動態活性を有する。これに基づいて、本発明を完成した。
定義
本明細書で使用されるとき、用語「アルキル」は、直鎖又は分岐鎖アルキル基を含む。例えば、C1~C8アルキルは、1~8個(好ましくは、1~6個、より好ましくは1~3個)の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基を表し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルなどである。
本明細書で使用されるとき、用語「アルケニル」は、直鎖又は分岐鎖アルケニル基を含む。例えば、C2~C8アルケニルは、2~8個(好ましくは、2~4個)の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルケニル基を表し、例えば、エテニル、アリル、1-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、又は同様な基である。
本明細書で使用されるとき、用語「アルキニル」は、直鎖又は分岐鎖アルキニル基を含む。例えば、C2~C8アルキニルは、2~8個(好ましくは、2~4個)の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルケニル基を表し、例えば、エチニル、ブチニル、又は同様な基である。
本明細書で使用されるとき、用語「C3~C10シクロアルキル」は、3~10個(好ましくは、3~6個)の炭素原子を有するシクロアルキルを表す。これは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又は同種のものなど、単環式環であり得る。これは、架橋環又はスピロ環などの二環式環の形態であってもよい。
本明細書で使用されるとき、用語「C1~C8アルコキシは、1~8個(好ましくは、1~6個、より好ましくは1~3個)の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルコキシ基を表し;例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ及び同種のものである。
本明細書で使用されるとき、用語「N、S、及びOからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有する3~10員複素環式基」は、3~10個の環原子を有し、このうち1~3個はN、S、及びOからなる群から選択されるヘテロ原子である飽和又は部分的飽和環式基を表す。これは、単環式、架橋環又はスピロ環などの二環式又は多環式の形態であり得る。代表例としては:オキセタン、アゼチジン、テトラヒドロ-2H-ピラニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、ピロリジニル、及び同種のものが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、用語「C6~C10アリール基」は、6~10個の炭素原子を有するアリール基を表し、例えば、フェニル基又はナフチル基及び同種のものである。
本明細書で使用されるとき、用語「N、S、及びOからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール基」は、5~10個の環原子を有し、このうち、1~3個の環原子はN、S、及びOからなる群から選択される環式芳香族基を表す。これは、単環式環又は縮合環の形態であってよい。具体例は、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、(1,2,3)-トリアゾリル及び(1,2,4)-トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリルなどであり得る。
「置換若しくは非置換」であると特に指定されない限り、本発明に記載されている基は、次の基から選択される1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、5つなど)の置換基により置換されていてよい:ハロゲン、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、C3~C8シクロアルキル、ハロゲン化C3~C8シクロアルキル、オキソ、-CN、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、ベンジル、C6~C10アリール、ハロゲン化C6~C10アリール、N、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、N、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有するハロゲン化5~10員ヘテロアリール。
本明細書で使用されるとき、用語「ハロゲン」又は「ハロゲン原子」は、F、Cl、Br、及びIを表す。より好ましくは、ハロゲン又はハロゲン原子は、F、Cl及びBrから選択される。「ハロゲン化」は、F、Cl、Br、及びIから選択される原子により置換されていることを表す。
特に明記されない限り、本発明に記載されている構造式は、全ての異性体(鏡像異性体、ジアステレオマー及び幾何異性体(又は配座異性体)など)、例えば、不斉中心を含むR及びS立体配置、二重結合の(Z)及び(E)異性体などを含むことを意図している。したがって、本発明の化合物の単一立体化学異性体又はその鏡像異性体、ジアステレオマー又は幾何異性体(又は配座異性体)の混合物は全て本発明の範囲内である。
本明細書で使用されるとき、用語「互変異性体」は、異なるエネルギーを有する構造異性体は相互に変換する低エネルギー壁を越えることができることを意味する。例えば、プロトン互変異性体(例えば、プロトトロピー変化)としては、1H-インダゾール及び2H-インダゾールなど、プロトン移動による相互変換が挙げられる。原子価互変異性としては、いくつかの結合電子の再結合による相互変換が挙げられる。
本明細書で使用されるとき、用語「溶媒和物」は、特定の比率における本発明の化合物と溶媒分子との配位により形成された複合体を表す。
本明細書で使用されるとき、用語「水和物」は、本発明の化合物と水との配位により形成された複合体を表す。
有効成分
本明細書で使用されるとき、「本発明の化合物」は、式Iにより表される化合物を表し、異性体、ラセミ体、結晶又は非晶体、式Iの化合物の薬剤的に許容可能な塩、水和物又は溶媒和物も含む。
本明細書で使用されるとき、「薬剤的に許容可能な塩」は、本発明の化合物及び医薬として使用するのに適している酸又は塩基により生成される塩を表す。薬剤的に許容可能な塩としては、無機塩及び有機塩が挙げられる。塩の好ましい分類は、本発明の化合物と酸とにより生成された塩である。塩生成に適した酸としては、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びベンゼンスルホン酸などの有機酸;並びにアスパラギン酸及びグルタミン酸などの酸性アミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。塩の好ましい分類は、本発明の化合物と塩基とにより生成された塩である。塩生成に適した塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びリン酸ナトリウムなどの無機塩基、並びにアンモニア、トリエチルアミン、及びジエチルアミンなどの有機塩基が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物は、非晶体、結晶体、又はこれらの混合物であってよい。
本発明の特定の化合物は、水和された形態を含む溶媒和された形態だけでなく、溶媒和されずに存在することもできる。溶媒和された形態は、概して、溶媒和されていない形態と均等であり、本発明の範囲内に含まれるべきである。本発明の特定の化合物は、多形体又は非晶体で存在してよい。概して、本発明で考慮された応用を考える限り、全ての物理的形態は均等であり、本発明の範囲内に含まれるべきである。
本発明の化合物は、化合物を構成する同位体原子の1つ以上において原子同位体の非天然比率を含有してもよい。特定の同位体の非天然比率は、当該原子の天然に見られる量からその原子100%までと定義され得る。例えば、化合物には、トリチウム(3H)、ヨウ素125(125I)、又は炭素14(14C)などの放射性同位体、又は重水素(2H)若しくは炭素13(13C)などの非放射性同位体が組み込まれていてもよい。本願に記載されているこれらの使用に加えて、かかる同位体多様体はさらなる使用を提供し得る。例えば、本発明の化合物の同位体多様体は、さらなる使用、これらに限定されないが、診断及び/若しくはイメージング試薬、又は細胞傷害性/放射毒性治療薬としての使用を含む。加えて、本発明の化合物の同位体多様体は、薬物動態及び薬力学的特性を変化させて、それにより、治療中の安全性、忍容性又は有効性を増大する助けとなり得る。放射性であるか否かに関わらず、本発明の化合物の全ての同位体多様体は、本発明の範囲内に含まれるべきである。
別の好ましい実施形態では、R1、R2、R3、R4、L、Z、m1及びm2は、各々独立して、表1中の各化合物に対応する基である。
本発明の好ましい化合物を表1に示す:
Figure 2022530371000023
Figure 2022530371000024
Figure 2022530371000025
Figure 2022530371000026
製造方法
式Iの化合物の製造方法を提供し、前記方法は:
Figure 2022530371000027
(a)式(1)の化合物を、H-(L)m1-R3と反応させて、式(2)の化合物を製造することであって、H-(L)m1-R3はR3により置換されているアミン化合物又はホウ酸化合物若しくはホウ酸塩化合物であること;
Figure 2022530371000028
(b)式(2)の化合物を、H-(Z)m2-R4と反応させて、式(I)の化合物を製造することであって、H-(Z)m2-R4は、R4により置換されているアミン化合物又はホウ酸化合物若しくはホウ酸塩化合物若しくは有機スズ化合物であり;
1、R2、R3、R4、L、Z、m1、m2は、上記定義の通りであること、
を含む。
式Iaにより表される化合物の製造方法を提供し、
Figure 2022530371000029
式中、R1、R2、R3、R4、L、及びm1の定義は、上記定義の通りであり、
前記方法は:
(a1)式(1a)の化合物を、N-ブロモコハク酸イミド又はS-(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムテトラフルオロボレート(梅本試薬)と反応させて、式(2a)の化合物を製造すること;
(b1)式(2a)の化合物を、ホウ酸化合物R2-B(OH)2と反応させて、式(Ia)により表される化合物を製造すること、
を含む。
医薬組成物及び投与方法
本発明の化合物は優れた変異型IDH2阻害活性及び高選択性を有するので、本発明の化合物及び本発明の化合物を主要有効成分として含む医薬組成物を使用して、変異型IDH2により媒介される関連疾患を予防及び/又は治療(安定化、寛解又は治癒)することができる。代表的疾病としては、膀胱がん、乳がん、腎がん、肝がん、肺がん(小細胞肺がんを含む)、食道がん、胆嚢がん、卵巣がん、膵がん、胃がん、子宮頸がん、甲状腺がん、前立腺がん及び皮膚がん(扁平上皮がんを含む);例えば、白血病、急性リンパ性細胞白血病、急性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫及びバーキットリンパ腫を含むリンパ系の造血器腫瘍;例えば、線維肉腫及び横紋筋肉腫を含む間葉系細胞由来腫瘍;例えば、急性及び慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群及び前骨髄球性白血病を含む骨髄造血器腫瘍;例えば、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、及びシュワン腫を含む中枢神経系及び末梢神経系腫瘍;並びに例えば、メラノーマ、セミノーマ、テラトーマ、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、甲状腺濾胞がん及びカポジ肉腫を含む他の腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物の安全且つ有効な量及び薬剤的に許容可能な賦形剤又は担体を含む。用語「安全且つ有効な量」は、化合物の量が重篤な副作用を引き起こすことのなく病態を著しく改善するのに充分であることを表す。概して、医薬組成物は、投与当たり1~2000mgの本発明の化合物を含み、より好ましくは、投与当たり10~200mgの本発明の化合物を含む。好ましくは、用語「1回の投与量」は、カプセル剤又は錠剤である。
「薬剤的に許容可能な担体」は、ヒトの使用に適し、充分な純度及び充分に低毒性を有しなければならない1つ以上の相溶性個体又は液体充填剤又はゲル物質を表す。ここで「相溶性」は、組成物中に成分が本発明の化合物と、化合物の有効性を著しく低減することなく相互に配合することができることを意味する。薬剤的に許容可能な担体の例としては、セルロース及びその誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース、その他など)、ゼラチン、タルク、個体潤滑剤(ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムなど)、硫酸カルシウム、植物油(ダイズ油、ゴマ油、ピーナッツ油、オリーブ油、その他など)、ポリオール類(プロピレングリコール、グリセリン、マンニトール、ソルビトール、その他など)、乳化剤(Tween(登録商標)など)、湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)、着色料、香料、安定剤、酸化防止剤、防腐剤、発熱性物質を含まない水、その他が挙げられる。
本発明の化合物又は医薬組成物の投与方法は特に制限されず、代表的な投与方法としては(これらに限定されないが):経口、非経口(静脈内、筋肉内、又は皮下)が挙げられる。
経口投与用固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤が挙げられる。これらの剤形では、活性化合物を、例えば、クエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの従来の不活性賦形剤(又は担体)と混合、又は次の成分:(a)充填剤若しくは相溶化剤、例えば、デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール及びケイ酸;(b)ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖及びアラビアゴムなどの結合剤;(c)グリセリンなどの保湿剤;(d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定の複雑珪酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(e)パラフィンなどの徐放剤;(f)第四級アミン化合物などの吸収促進剤;(g)セチルアルコール及びグリセリルモノステアレートなどの湿潤剤;(h)カオリンなどの吸着剤;並びに(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物と混合する。カプセル剤、錠剤及び丸剤では、剤形は、緩衝剤を含有してもよい。
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤を、腸溶性コーティング及び当技術分野で公知の他の材料などのコーティング及びシェル材を用いて製剤することができる。これらは、不透明剤を含んでもよく、活性化合物又は組成物中の化合物を、消化管の特定部分で遅れて放出することができる。使用することができる埋め込み成分の例は、ポリマー物質及びワックス類である。必要に応じて、活性化合物を、上記賦形剤の1つ以上と共にマイクロカプセル中に成形することもできる。
経口投与用液体剤形としては、薬剤的に許容可能な乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤又はチンキ剤が挙げられる。活性化合物に加えて、液体剤形は、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、カルボン酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジメチルホルムアミド及び油類、特に綿実油、ピーナッツ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油又はこれらの物質の混合物など、当技術分野で通常に使用されている不活性希釈剤を含有してよい。
これらの不活性希釈剤に加えて、組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味料、香料及び香料などのアジュバントを含有してもよい。
活性化合物に加えて、懸濁液は、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、結晶セルロース、アルミニウムメトキシド及び寒天、又はこれらの物質の混合物、及び同種のものを含有してよい。
非経口注射用組成物は、生理的に許容可能な滅菌水性液剤若しくは非水性液剤、分散剤、懸濁剤又は乳剤、及び滅菌注射剤若しくは注射用分散剤に使用前に調製するための滅菌散剤を含有してよい。適切な水性及び非水性担体、希釈剤、溶媒又は賦形剤としては、水、エタノール、ポリオール及びこれらの適切な混合物が挙げられる。
本発明の化合物を、単独又は他の薬剤的に許容可能な化合物(例えば、抗がん剤)と併用して投与することができる。
併用して投与される場合、医薬組成物は、1つ以上(2つ、3つ、4つ、又はそれ以上)の他の薬剤的に許容可能な化合物(例えば、抗がん剤)をさらに含む。他の薬剤的に許容可能な化合物(例えば、抗がん剤)の1つ以上(2つ、3つ、4つ、又はそれ以上)を、本発明の化合物と同時に、別々に又は順次使用して変異型IDH2により媒介される疾病を予防及び/又は治療することができる。
医薬組成物を使用する場合、本発明の化合物の安全且つ有効な量を、治療を必要とする哺乳類(ヒトなど)に投与する。投与される用量は、薬剤的に考慮された有効な投与量である。60kgの体重を有する人に対して、毎日の投与量は、通常1~2000mg、好ましくは20~500mgである。もちろん、具体的な投与量は、熟練医師の範囲内である投与経路、患者の健康状態、その他などの因子も考慮すべきである。
本発明の主要な利点としては:
(1)本発明の化合物は、新規構造及び変異型IDH2に対する優れた阻害作用を有し、本発明の化合物は、野生型IDH2(IDH2/WT)に対してほとんど活性を有せず、良好な選択性を有する。
(2)本発明の化合物は、正常細胞に対して非常に低傷害性を有するので、比較的大用量範囲で対象に適用することができる。
(3)本発明の化合物は、良好な創薬可能性を有し、薬剤的に許容可能な塩に非常に容易に製剤することができ、それにより、製剤にさらに成形する助けとなる。
(4)本発明の化合物及び本発明の化合物を主要有効成分として含む医薬組成物を使用して変異型IDH2により媒介される疾病を予防及び/又は治療することができる。
本発明を、具体的実施形態と共に下記にさらに説明する。これらの実施形態は本発明を例証するために使用されるだけであり、本発明の範囲を限定するものでないと理解されるべきである。以下の実施例において具体的条件のない実験方法は、通常、Sambrook et al.,Molecular Cloning:Laboratory Manual(New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)に記載されている条件などの従来の条件に基づいているか、又は製造者により示された条件に従っている。特に明記されていない限り、パーセンテージ及び部は、重量基準のパーセンテージ及び部である。本発明の実施例で使用された原料又は装置は、特に明記されていない限り市販のものである。
実施例におけるコントロール化合物は、エナシデニブ(AG-221)、CAS:1446502-11-9であり、構造式は次の通りである:
Figure 2022530371000030
実施例1
Figure 2022530371000031
工程1:2-クロロ-9-イソプロピル-N-フェニル-9H-プリン-6-アミン(2)
2,6-ジクロロ-9-イソプロピル-9H-プリン(138mg、0.60mmol)及び8mlのn-ブタノールを、25ml丸底フラスコに添加した。Et3N(96mg、0.96mmol)及びアニリン(67mg、0.72mmol)を添加した。反応混合物を、100℃で16時間(一夜)撹拌し、真空濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:MeOH=20:1)により精製して2-クロロ-9-イソプロピル-N-フェニル-9H-プリン-6-アミン(144mg、収率83%)を白色固体として得た。
ESI m/z:415.2(M+H)+
工程2:9-イソプロピル-N,2-ジフェニル-9H-プリン-6-アミン(3)
2-クロロ-9-イソプロピル-N-フェニル-9H-プリン-6-アミン(100mg、0.35mmol)、フェニルボロン酸(50mg、0.4mmol)、Pd(PPh34(40mg、0.03mmol)、K2CO3(140mg、1mmol)、トルエン(5mL)、水(1mL)を、10mlシールド管中に充填した。反応混合物を、不活性気体下、100℃で3時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:1)により精製して収率80%で無色固体として生成物92mgを得た。
ESI m/z:330.2(M+H)+。1H NMR(DMSO-d6,400 MHz)δ 9.91(s,1H),8.41-8.44(m,3H),8.06(d,J=7.6Hz 2H),7.38~7.54(m,3H),7.36(m,2H),7.06(t,J=7.2Hz 1H),4.88~4.95(m,J=6.8Hz,1H),1.63(d,J=6.4Hz,6H)ppm。
実施例2
Figure 2022530371000032
工程1:2-クロロ-9-イソプロピル-N-(2-メトキシフェニル)-9H-プリン-6-アミン(2)
2,6-ジクロロ-9-イソプロピル-9H-プリン(115mg、0.50mmol)及び5mlのn-ブタノールを、10mlシールド管に充填した。Et3N(80mg、0.80mmol)及び2-メトキシアニリン(74mg、0.60mmol)を添加した。反応混合物を、100℃で4時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=3:2)により精製して、生成物を白色固体として得た(95mg、収率60%)。
分子式:C1516ClN5O,分子量:317.78,ESI m/z=318.1(M+H)+
工程2:9-イソプロピル-N-(2-メトキシフェニル)-2-フェニル-9H-プリン-6-アミン(3 EPT60049)
2-クロロ-9-イソプロピル-N-(2-メトキシフェニル)-9H-プリン-6-アミン(95mg、0.3mmol)、フェニルボロン酸(50mg、0.4mmol)、Pd(PPh34(34mg、0.03mmol)、K2CO3(139mg、1mmol)、ジオキサン(5mL)、水(1mL)を、10mlシールド管中に充填した。反応混合物を、不活性気体下、100℃で3時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:1)により精製して、生成物を白色ゾルとして得た(58mg、収率54%)。
分子式:C21215O,分子量:359.43,(ESI)m/z=360.2(M+H)+1H NMR(400MHz,DMSO-d6)8.63-8.66(m,1H),8.41(m,4H),7.48~7.55(m,3H),7.10~7.17(m,3H),4.91(m,J=6.8Hz,1H)3.94(s,3H)1.63(d,J=6.8Hz,6H)ppm。
実施例3
Figure 2022530371000033
工程1:2-クロロ-9-イソプロピル-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-9H-プリン-6-アミン(2)
2,6-ジクロロ-9-イソプロピル-9H-プリン(200mg、0.86mmol)及び10mL DMSOを10mlシールド管に充填した。t-BuOK(150mg、1.33mmol)及び2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(180mg、1.11mmol)を添加した。反応混合物を、マイクロ波により100℃で1時間加熱した。反応後、水(50mL)を混合物に添加した。混合物をEA(20mL 3)で抽出し、有機層を合わせて、無水炭酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。次いで、有機層を濃縮し、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発させて粉末状残渣を得た。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=7:3)により精製して黄色固体として標題化合物(225mg、収率73%)を得た。
分子式:C1412ClF36,分子量:(ESI) m/z=357.1(M+H)+
工程2:9-イソプロピル-2-フェニル-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-9H-プリン-6-アミン(3 EPT60050)
2-クロロ-9-イソプロピル-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-9H-プリン-6-アミン(50mg、0.14mmol)、フェニルボロン酸(18mg、0.15mmol)、Pd(PPh34(15mg、0.014mmol)、K2CO3(56mg、0.4mmol)、ジオキサン(5mL)、及び水(1mL)を、それぞれ、10mlシールド管中に充填した。反応混合物を、不活性気体下、100℃で1.5時間加熱した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=4:1)により精製して、生成物を白色固体として得た(15mg、収率26.7%)。
分子式:C201736,分子量:398.39,(ESI) m/z:399.2(M+H)+1H NMR(400MHz,DMSO-d6)10.84(s,1H),8.93(d,J=2.0Hz,1H),8.61(d,J=5.6Hz,1H),8.55(s,1H),8.39~8.41(m,2H),8.19~8.21(m,1H),7.48~7.54(m,3H),4.92(m,J=6.8Hz,1H),1.61(d,J=6.8Hz,6H)ppm。
実施例4
Figure 2022530371000034
工程1:(6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ボロン酸(2)
2-ブロモ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン(226mg、1.0mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’,5’,5’,5’,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキソボラン(dioxborane))(280mg、1.1mmol)、Pd(dppf)Cl2(140mg、0.2mmol)、AcOK(400mg、4.0mmol)を、それぞれ、10mlシールド管中に充填した。反応混合物を、不活性気体下、90℃で4時間加熱した。反応をLCMSによりモニターし、(ESI)m/z=192.09、SM-1は残っていなかった。粗生成物をさらに精製することなく次工程で使用した。
工程2:9-イソプロピル-2-(6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-9H-プリン-6-アミン(3 EPT60061)
2-クロロ-9-イソプロピル-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-9H-プリン-6-アミン(50mg、0.14mmol)、(6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ボロン酸(2.5mL、ジオキサン保存液)、Pd(dppf)Cl2(10mg、0.014mmol)、K2CO3(56mg、0.4mmol)を水(0.5mL)と共に添加し、20mlシールド管中に添加した。反応混合物を、不活性気体下、90℃で3時間加熱した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。残渣の油状物を黒色油状残渣になるまで濃縮・蒸発させた。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH:DCM=1:24)により精製して、生成物を白色固体として得た(30mg、収率46%)。
分子式:C201567,分子量:467.38,(ESI) m/z=468.2(M+H)+1HNMR(400MHz,DMSO-d6)10.93(s,1H),9.01(d,J=2.0Hz,1H),8.70(d,J=8.0Hz,1H),8.66(s,1H),8.53~8.54(d,J=5.6Hz,1H),8.42~8.44(m,1H),8.26(t,J=8.0Hz 1H),8.00(d,J=7.6Hz,1H)4.95(m,J=6.8Hz,1H),1.60~1.62(d,J=6.8Hz,6H)ppm。
実施例5
Figure 2022530371000035
工程1:9-イソプロピル-2-(ピリジン-3-イル)-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-9H-プリン-6-アミン(2 EPT60062)
2-クロロ-9-イソプロピル-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アシル)-9H-プリン-6-アミン(36mg、0.10mmol)、ピリジン-3-イルボロン酸(37mg、0.30mmol)、Pd(dppf)Cl2(7mg、0.01mmol)、K3PO4(84mg、0.4mmol)、ジオキサン(2.5mL)、及び水(0.5mL)を、それぞれ、10mlシールド管中に充填した。反応混合物を、不活性気体下、100℃で4時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH:DCM=1:10)により精製して、生成物を白色固体として得た(30mg、収率50%)。
分子式:C191637,分子量:399.38,(ESI) m/z=400.2(M+H)+1HNMR(400MHz,DMSO-d6)10.89(s,1H),9.52(d,J=1.6Hz,1H),8.82(d,J=2.0Hz,1H),8.58~8.68(m,4H),8.21~8.23(m,1H),7.53~7.56(m,1H),4.92(m,J=6.8Hz,1H),1.60~1.62(d,J=7.2Hz,6H)ppm。
実施例6
Figure 2022530371000036
工程1:2-クロロ-N-フェニル-9H-プリン-6-アミン(2)
2,6-ジクロロ-9H-プリン(2,589mg、3.11mmol)及び10mlのn-ブタノールを、25ml丸底フラスコに充填した。Et3N(944mg、9.35mmol)及びアニリン(348mg、3.74mmol)を添加した。反応混合物を100℃で16時間(一夜)撹拌し、LCMS分析により反応が完了したことを確認した。次いで、沈殿物をろ過し、MeOHで線上し、オフホワイトの固体として、66%の収率(505mg)で生成物を得た。
ESI m/z:246.1(M+H)+1H NMR(DMSO-d6,400MHz) δ 7.08(d,J=7.2Hz,1H),7.36(t,J=7.6Hz,2H),7.84(d,J=7.6Hz,2H),8.30(s,1H),10.18(s,1H),13.29(s,1H)ppm。
工程2:N,2-ジフェニル-9H-プリン-6-アミン(3、EPT60063)
化合物2(65mg、0.26mmol)並びにジオキサン(2.5mL)及び水(0.5mL)の混合物を10mLマイクロ波チューブに添加した。K2CO3(108mg、0.78mmol)、フェニルボロン酸(39mg、0.32mmol)及びPd(dppf)Cl2(19mg、0.026mmol)を添加した。反応混合物を、アルゴンマイクロ波下、100℃で4時間撹拌した。反応の完了をLCMS分析により確認した。混合物を室温(20℃)まで冷却し、沈殿物が生成し、これをろ過して集めた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10/1)により精製して所望の白色固体(38mg、収率54%)を得た。
ESI m/z:288.16(M+H)+1H NMR(DMSO-d6,400MHz) δ 7.07(d,J=7.2Hz,1H),7.40(t,J=7.6Hz,2H),7.53~7.43(m,3H),8.05(d,J=8.0Hz,2H),8.30(s,1H),8.39~8.37(m,2H),9.84(s,1H),13.20(s,1H)ppm。
実施例7
Figure 2022530371000037
工程1:2-クロロ-6-メチル-4-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(2)
2,4-ジクロロ-6-メチル-7H-ピリジン(1)(150mg、0.743mmol)、フェニルボロン酸(145mg、1.19mmol)、炭酸カリウム(513mg、3.71mmol)、ジオキサン/水(10/1、13mL)中のビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(84mg、0.12mmol)を、80℃で一夜窒素雰囲気下で撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル(30ml)及び水(30ml)で希釈した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(30ml)で抽出した。合成有機層を濃縮し、C18カラム(55%~60%のアセトニトリル/水濃度)を用いて精製し、オフホワイトの固体として標題化合物2(110mg、収率61%)を得た。
LC-MS[移動相:2.5分内で95%水及び5%CH3CNから5%水及び95%CH3CN]、Rt=1.64分;MS計算値:243.1;MS実測値:244.0[M+H]+1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 12.32(s,1H),8.13~8.11(m,2H),7.61~7.56(m,3H),6.67(s,1H),2.45(s,3H)。
工程2:6-メチル-N,4-ジフェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-アミン(3)
2-クロロ-6-メチル-4-フェニル-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン(2)(90mg、0.37mmol)及びアニリン(103mg、1.11mmol)をエチレングリコール(3mL)に溶解し、濃塩酸水溶液を1滴添加した。混合物を150℃、マイクロ波及び窒素雰囲気下シールド管中で10時間撹拌した。室温まで冷却後、混合物を水(30ml)に注ぎ入れ、酢酸エチル(15ml×2)で抽出し、塩水(30ml)で洗浄して濃縮した。残渣を、C18カラム(60%~70%のアセトニトリル/水)を用いて精製し、オフホワイトの固体として標題化合物(90mg、収率82%)を得た。
LC-MS純度:95.84%(214nm)、98.12%(254nm);MS計算値:300.1;MS実測値:301.0[M+H]+1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 11.55(s,1H),9.24 (s,1H),8.13(d,J=7.2Hz,2H),7.90(d,J=7.6Hz,2H),7.59~7.50(m,3H),7.27(t,J=7.6Hz,2H),6.87 (t,J=7.6Hz,1H),6.40(s,1H),2.37(s,3H)。
実施例8
Figure 2022530371000038
工程1:2-クロロ-6-メチル-N-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
エチレングリコール(4ml)中の2,4-ジクロロ-6-メチル-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン(1)(100mg、0.495mmol)及びアニリン(125mg、1.34mmol)の溶液に、濃塩酸水溶液4滴を添加した。混合物を窒素雰囲気下100℃で一夜撹拌した。室温まで冷却後、混合物を水(30ml)に注ぎ入れ、酢酸エチル(15ml×2)で抽出し、塩水(30ml)で洗浄して濃縮した。残渣を、C18カラム(50%~60%のアセトニトリル/水)を用いて精製し、オフホワイトの固体として標題化合物2(80mg、収率63%)を得た。
LC-MS[移動相:2.5分内で70%水及び30%CH3CNから5%水及び95%CH3CN]、Rt=1.30分;MS計算値:258.1;MS実測値:259.0[M+H]+1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 11.75(s,1H),9.48 (s,1H),7.76~7.74(dd,J=8.4,1.2Hz,2H),7.36(dd,J=8.4,3.2Hz,2H),7.06(t,J=7.6Hz,1H),6.40(s,1H),2.34(s,3H).
工程2:6-メチル-N,2-ジフェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
1,2-ジメトキシエタン/水(5/1、3.6mL)中の2-クロロ-6-メチル-N-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)(130mg、0.502mmol)、フェニルボロン酸(123mg、1.01mmol)、炭酸カリウム(347mg、2.51mmol)及びテトラキス(tetravalent)(トリフェニルホスフィン)パラジウム(58mg、0.05mmol)を、マイクロ波及び窒素下100℃、3.5時間撹拌した。室温まで冷却後、混合物を水(25ml)に注ぎ入れ、酢酸エチル(25ml×2)で抽出し、塩水(30ml)で洗浄して濃縮した。残渣を、C18カラム(50%~60%のアセトニトリル/水)を用いて精製し、オフホワイトの固体として標題化合物2(70mg、収率47%)を得た。
LC-MS(ESI):RT=2.253分、MS計算値:C19164:300.1、m/z実測値:301.0[M+H]+1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 11.69(s,1H),9.22(s,1H),8.37(d,J=7.2Hz,2H),7.98(d,J=7.6Hz,2H),7.50~7.37(m,5H),7.03(t,J=7.2Hz,1H),6.49(s,1H),2.39(s,3H)。
実施例9
Figure 2022530371000039
工程1:9-イソプロピル-2-(ピリジン-4-イル)-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-9H-プリン-6-アミン(2 EPT60072)
2-クロロ-9-イソプロピル-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-9H-プリン-6-アミン(50mg、0.14mmol)、ピリジン-4-イル-ボロン酸(50mg、0.40mmol)、Pd(dppf)Cl2(10mg、0.014mmol)、K3PO4(84mg、0.4mmol)を、10mLシールド管に添加し、次いで、ジオキサン(2.5mL)及び水(0.5mL)を添加した。混合物を、不活性気体下、100℃で4時間加熱した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に濃縮・蒸発させて粉末状残渣を得た。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH:DCM=1:10)により精製して白色固体として標題化合物(40mg、収率71%)を得た。
分子式:C191637,分子量:399.38,(ESI) m/z:400.2(M+H)+1HNMR(400MHz,DMSO-d6)10.97(s,1H),8.85(d,J=1.6Hz,1H),8.77~8.79(dd,J1=1.6Hz,J2=14.8Hz,2H),8.66~8.68(m,2H),8.27~8.30(m,3H),4.9(m,J=6.8Hz,1H),1.65(d,J=6.8Hz,6H)ppm。
実施例10
Figure 2022530371000040
工程1:9-イソプロピル-2-(ピリジン-2-イル)-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-9H-プリン-6-アミン(2 EPT60073)
2-クロロ-9-イソプロピル-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アシル)-9H-プリン-6-アミン(107mg、0.30mmol)、2-(トリブチルチニル)ピリジン(310mg、0.84mmol)、Pd(PPh3)4(35mg、0.03mmol)をジオキサン(5.0mL)と共に添加し、10mLシールド管に添加した。反応混合物を、不活性気体下、100℃で8時間加熱した。反応完了後、反応混合物をKF飽和水溶液(2mL)でクエンチし、有機相をシリカゲル(100~200メッシュ)と共に濃縮・蒸発させて粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH:DCM=1:19)により精製して黄色固体として標題化合物(55mg、収率46%)を得た。
分子式:C191637,分子量:399.38,(ESI) m/z=400.2(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)10.93(s,1H),9.22(d,J=2.5Hz,1H),8.78~8.80(m,1H),8.66(s,1H),8.62(d,J=5.5Hz,1H),8.44(d,J=8.0Hz,1H),8.35~8.36(m,1H),7.98~8.02(m,1H),7.51~7.55(m,1H),4.98(m,1H),1.63~1.65(d,J=7.0Hz,6H)ppm。
実施例11
Figure 2022530371000041
工程1:2-クロロ-7-メチル-N-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
2,4-ジクロロ-7-メチル-7H-ピリジン2,3-d]ピリミジン(101mg、0.50mmol)、t-BuOK(85mg、0.75mmol)、アニリン(70mg、0.75mmol)を、それぞれ、20mLシールド管に充填し、THF(5mL)を添加した。反応混合物を、室温で1.5時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=7:3)により精製して、生成物を白色固体として得た(63mg、収率49%)。
分子式:C1311ClN4,分子量:258.71,(ESI) m/z:259.1(M+H)+
工程2:7-メチル-N,2-ジフェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3 EPT60083)
2-クロロ-7-メチル-N-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(63mg、0.25mmol)、フェニルボロン酸(45mg、0.37mmol)、Pd(dppf)Cl2(18mg、0.025mmol)、K3PO4(110mg、0.5mmol)、ジオキサン(5mL)、及び水(1mL)を、シールド管に充填した。反応混合物を、不活性気体下、100℃で2時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=7:3)により精製して、生成物を白色固体として得た(20mg、収率27%)。
分子式:C19164,分子量:300.37,(ESI) m/z:301.2(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)9.43(s,1H),8.43~8.45(m,2H),7.99(d,J=7.5Hz,2H),7.39~7.51(m,5H),7.32(d,J=3.5Hz,1H),7.06(t,J=7.5Hz,1H),6.83(d,J=3.5Hz,1H),3.84(s,3H)ppm。
実施例12
Figure 2022530371000042
工程1:2-クロロ-9-イソプロピル-6-フェニル-9H-プリン(3)
2,6-ジクロロ-9-イソプロピル-9H-プリン(1,100mg、0.43mmol)、フェニルボロン酸(2.63mg、0.52mmol)、Pd(dppf)Cl2(3mg、0.0043mmol)及びK2CO4(120mg、0.86mmol)を、それぞれ、25ml丸底フラスコに入れた。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。反応物を、窒素雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=5:1)により精製を行い、2-クロロ-9-イソプロピル-6-フェニル-9H-プリン(3,100mg、収率84.73%)を白色固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=273.08 (M+H)+;RT=1.75分。
工程2:9-イソプロピル-N,6-ジフェニル-9H-プリン-2-アミン(EPT60086)
25ml丸底フラスコに、2-クロロ-9-イソプロピル-6-フェニル-9H-プリン(330mg、0.108mmol)、アニリン(415.6mg、0.162mmol)、Pd(OAc)2(0.24mg、1.08μmol)、BINAP(1.2mg、2.16μmol)及びCs2CO3(108mg、0.33mmol)を添加した。混合物を、ジオキサン(5ml)中に懸濁した。反応物を、窒素雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=5:1)により精製を行い、9-イソプロピル-N,6-ジフェニル-9H-プリン-2-アミン(EPT60086、20mg、収率55.2%)を黄色固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=330.21 (M+H)+;RT=1.84分。1H NMR(500MHz,DMSO) δ 9.59(s,1H),8.81(dd,J=8.1,1.5Hz,2H),8.43(s,1H),7.91(d,J=7.7Hz,2H),7.62~7.54(m,3H),7.35~7.30(m,2H),6.95(t,J=7.3Hz,1H),4.81(s,1H),1.61(d,J=6.8 Hz, 6H)。
実施例13
Figure 2022530371000043
工程1:2-クロロ-N-イソプロピル-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3)
2,4-ジクロロ-6-メチル-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン(1,202mg、1mmol)、プロパン-2-アミン(2.89mg、1.5mmol)及びDIPEA(258mg、2mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。反応混合物を、70℃においてジオキサン(5ml)中に溶解し、2時間撹拌した。EA(10ml×3)で抽出後、塩水(10ml×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空濃縮した。2-クロロ-N-イソプロピル-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(220mg、収率98.9%)を褐色固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=225.18 (M+H)+;RT=1.44分。
工程2:N-イソプロピル-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60087)
2-クロロ-N-イソプロピル-6-メチル-7H-ピリジノ[2,3-d]-4-アミノピリジン(3.50mg、0.22mmol)、フェニルボロン酸(4.32mg、0.27mmol)、Pd(dppf)Cl2(2mg、0.0022mmol)及びK3PO4(93mg、0.44mmol)を、それぞれ、25ml丸底フラスコに入れた。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。反応物を、窒素雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:1)により精製を行い、N-イソプロピル-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60087、10mg、収率16.87%)を黄色固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=267.2(M+H)+;RT=1.30分。
1H NMR(500MHz,DMSO) δ 11.35(s,1H),8.36~8.33(m,2H),7.45~7.35(m,3H),6.95(d,J=7.6Hz,1H),6.25(dd,J=1.9,1.0Hz,1H),4.51(d,J=6.9Hz,1H),2.32(d,J=0.7Hz,3H),1.28(d,J=6.5Hz,6H)。
実施例14
Figure 2022530371000044
工程1:2-クロロ-8-メチル-N-フェニル-9H-プリン-6-アミン(2)
20mlシールド管を、2,6-ジクロロ-8-メチル-9H-プリン(101mg、0.50mmol)及び5mlのn-ブタノールで満たした。DIPEA(129mg、1.0mmol)及びアニリン(70mg、0.75mmol)を添加した。反応混合物を、100℃で4時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH:DCM=1:10)により精製して、生成物を白色固体として得た(100mg、収率77.5%)。
分子式:C1210ClN5,分子量:259.70,(ESI) m/z:260.1(M+H)+
工程2:8-メチル-N,2-ジフェニル-9H-プリン-6-アミン(3、EPT60088)
2-クロロ-8-メチル-N-フェニル-9H-プリン-6-アミン(50mg、0.2mmol)、フェニルボロン酸(125mg、1.0mmol)、Pd(dppf)Cl2(30mg、0.04mmol)、K3PO4(212mg、1.0mmol)を、それぞれ、10mLシールド管に充填し、次いで、2,2,5mlのジオキサン及び1mLの水を添加した。反応混合物を、不活性気体下、100℃で22時間加熱した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:MeOH=19:1)により精製して黄色固体として標題化合物(40mg、収率66%)を得た。
分子式:C18155,分子量:301.35,(ESI) m/z:3020.2(M+H)+1H NMR(400MHz,DMSO-d6)12.91(s,1H),9.67(s,1H),8.33(d,J=7.2Hz,2H),8.02(d,J=8.0Hz,2H),7.32~7.48(m,5H),7.01(m,1H),2.50(s,3H)ppm。
実施例15
Figure 2022530371000045
工程1:2,4-ジクロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(3)
2-クロロ-N-イソプロピル-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-N-4-アミン(500mg、2.47mmol)、塩化トシル(705mg、3.71mmol)、DIPEA(957mg、7.42mmol)及びDMAP(30mg、0.25mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。反応混合物をDCM(5mL)中に溶解し、室温で2時間撹拌した。残渣を真空濃縮し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:1)により精製し、2,4-ジクロロ-6-メチル-7-トルエンスルホニル-7H-ピリジン[2,3-d]ピリミジン(3,800mg、収率91.24%)を黄色固体として得た。LCMS: (ESI) m/z=356.06(M+H)+;RT=1.88分。
工程2:2-クロロ-N-シクロプロピル(ring propyl)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(5)
2,4-ジクロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピリジン[2,3-d](3、100mg、0.28mmol)、シクロプロピルアミン(4.31mg、0.56mmol)及びDIPEA(108mg、0.84mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。反応混合物を、ジオキサン(5ml)中に溶解し、70℃で4時間撹拌した。残渣を真空で濃縮し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=85:15)により精製を行い、2-クロロ-N-シクロプロピル-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(5,100mg、収率94.98%)を白色固体として得た。LCMS: (ESI) m/z=377.89(M+H)+;RT=1.76分。
工程3:N-シクロプロピル-6-メチル-2-(ナフタレン-2-イル)-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(7)
2-クロロ-N-シクロプロピル-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(5、100mg、0.26mmol)、ナフタ-1-イルボロン酸(6、134mg、0.78mmol)、Pd(dppf)Cl2(19mg、0.026mmol)及びK3PO4(165mg、0.78mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。窒素雰囲気下、窒素雰囲気下100℃で一夜、反応を行った。生成物は、黄色固体のN-シクロプロピル-6-メチル-2-(ナフタレン-2-イル)-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(7,100mg、収率82.18%)であった。
LCMS: (ESI) m/z=469.29(M+H)+;RT=2.18分。
工程4:N-シクロプロピル-6-メチル-2-(ナフタレン-2-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60187)
25ml丸底フラスコ内で、N-シクロプロピル-6-メチル-2-(ナフタレン-2-イル)7-メチルスルホニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-N-4-アミン(100mg、0.21mmol)をMeONa(2mL、5.4Mメタノール溶液)中に溶解し、メタノール(10mL)を添加し、60℃で4時間撹拌した。残渣を真空で濃縮し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=5:1)により精製を行い、N-シクロプロピル-6-メチル-2-(ナフタレン-2-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60187 50mg、収率75.82%)を白色固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=315.21(M+H)+;RT=1.51分。
1H NMR(500MHz,DMSO) δ 11.49(s,1H),8.89(s,1H),8.55(d,J=8.4Hz,1H),8.04~7.89(m,3H),7.57~7.48(m,2H),7.43(d,J=3.1Hz,1H),6.32(s,1H),3.08(s,1H),2.35(s, 3H),0.88~0.83(m,2H),0.66~0.60(m,2H)。
実施例16
Figure 2022530371000046
工程1:N-イソプロピル-6-メチル-2-(ピリジン-2-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2 EPT60101)
2-クロロ-N-イソプロピル-6-メチル-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(100mg、0.44mmol)、2-(トリブチルスタンニル)ピリジン(300mg、0.81mmol)、Pd(PPh3)4(50mg、0.04mmol)をジオキサン(5.0mL)と共に添加し、10mLシールド管に充填した。反応混合物を、不活性気体下、100℃で16時間加熱した。反応完了後、反応混合物をKF飽和水溶液(2mL)でクエンチし、有機相をシリカゲル(100~200メッシュ)と共に濃縮・蒸発させて粉末状残渣を得た。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH:DCM=1:19)により精製して黄色固体として標題化合物(12mg、収率9%)を得た。
分子式:C15175,分子量:267.34,(ESI) m/z:268.2(M+H)+1H NMR(400MHz,DMSO-d6)11.37(s,1H)8.60(m,1H),8.28(d,J=8.0Hz,1H),7.80~7.84(m,1H),7.31~7.34(m,1H),6.95(d,J=8.0Hz,1H),6.26(s,1H),4.46~4.52(m,1H),2.30(s,3H),1.29(m,6H)ppm。
実施例17
Figure 2022530371000047
工程1:N-イソプロピル-6-メチル-2-(ピリジン-3-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60102)
2-クロロ-N-イソプロピル-6-メチル-7H-ピリジン-4-アミン(1.50mg、0.22mmol)、ピリジン-3-イルボロン酸(2.81mg、0.66mmol)、Pd(dppf)Cl2(16mg、0.022mmol)及びK3PO4(93mg、0.44mmol)を、それぞれ、25ml丸底フラスコに充填した。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。反応物を窒素雰囲気下100℃で一夜撹拌した。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:MeOH=95:5)により精製を行い、N-イソプロピル-6-メチル-2-(ピリジン-3-アシル)-7H-ピリジン-4-アミン(EPT60102、54mg、収率91.93%)を黄色固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=268.28(M+H)+;RT=1.21分。
1H NMR(500MHz,DMSO) δ 11.46(s,1H),9.47(d,J=1.4Hz,1H),8.60~8.54(m,2H),7.49~7.44(m,1H),7.08(d,J=7.6Hz,1H),6.28(d,J=0.8Hz,1H),4.51(dq,J=13.1,6.6Hz,1H),2.33(s,3H),1.28(d,J=6.5Hz,6H)。
実施例18
Figure 2022530371000048
工程1:N-イソプロピル-6-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60103)
2-クロロ-N-イソプロピル-6-メチル-7H-ピリジン-4-アミン(1.50mg、0.22mmol)、ピリジン-4-エチルボロン酸(2.81mg、0.66mmol)、Pd(dppf)Cl2(16mg、0.022mmol)及びK3PO4(93mg、0.44mmol)を、25ml丸底フラスコに入れた。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。反応物を窒素雰囲気下100℃で一夜撹拌した。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:MeOH=95:5)により精製を行い、N-イソプロピル-6-メチル-2-(ピリジン-4-アシル)-7H-ピリジン-4-アミン(EPT60103、50mg、収率85.12%)を黄色固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=268.28(M+H)+;RT=1.21分。
1H NMR(500 MHz,DMSO) δ 11.54(s,1H),8.64(dd,J=4.5,1.5Hz,2H),8.20(dd,J=4.5,1.6Hz,2H),7.13(d,J=7.6Hz,1H),6.31(d,J=0.8Hz,1H),4.52 (dd,J=13.5,6.7Hz,1H),2.34(s,3H),1.28(d,J=6.5Hz,6H)。
実施例19
Figure 2022530371000049
工程1:2-クロロ-N-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
n-ブタノール(5mL)中の化合物1(100mg、0.54mmol)の溶液を、Et3N(86.9mg、0.86mmol)及びアニリン(60.5mg、0.65mmol)と共に添加した。反応混合物を、100℃で16時間撹拌した。LCMS(EPN18040-002-1)は、反応が完了し、10%のSMが残存していることを示した。溶媒を真空で除去した。精製していない粗化合物を次工程で直接使用した。ESI m/z=245.31(M+H)+
工程2:N,2-ジフェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60098)
ジオキサン(5mL)中の化合物2(60mg、0.25mmol)の溶液及びH2O(1mL)を、それぞれ、Pd(dppf)Cl2(36.6mg、0.05mmol)及びK3PO4(182.6mg、0.86mmol)並びにフェニルボロン酸(149.5mg、1.23mmol)と共に添加した。反応混合物を、100℃で16時間(一夜)撹拌した。Ar下のLCMS(EPN18040-005-1)は、反応が完了し、10%のSMが残存していることを示した。溶媒を真空で濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EA=8:1)により精製して粗生成物を得た。残渣をK2CO3飽和溶液(100mL)で希釈し、混合物をCH2Cl2(50mL×3)で抽出し、次いで、飽和NaCl(100mL)で洗浄した。得られた有機層を無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去して、所望の生成物(40mg、収率57.1%)を白色固体として得た。
ESI m/z=287.12(M+H)+。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)11.82(s,1H),9.40(s,1H),8.38~8.40(m,2H),7.99~8.01(m,2H),7.48~7.51(m,2H),7.40~7.45(m,3H),7.27~7.28(m,1H),7.04~7.07(m,1H),6.82~6.83(m,1H)ppm。
実施例20
Figure 2022530371000050
工程1:2,4-ジクロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(2)
50ml丸底フラスコに、2,4-ジクロロ-6-メチル-7H-ピリジン[2,3-d](400mg、2.0mmol)、塩化4-メチルベンゼンスルホニル(570mg、3.0mmol)、DMAP(24mg、0.2mmol)、DIPEA(1mL)、次いでDCM(20mL)を添加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:10)により精製して白色固体として標題化合物(565mg、収率80%)を得た。
分子式:C1411Cl232S,分子量:356.22,(ESI) m/z=356.1(M+H)+
工程2:2-クロロ-6-メチル-7-トシル-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3)
2,4-ジクロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピロリン[2,3-d]ピリミジン(140mg、0.4mmol)、Cs2CO3(156mg、0.48mmol)、2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン(100mg、0.60mmol)をDMSO(4ml)と共に添加し、20mLシールド管に充填した。反応混合物を、室温で18時間撹拌し、70℃で2時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応完了後、水(20mL)を添加し、反応混合物をEA(20mL 2)で抽出した。有機相を、シリカゲル(100~200メッシュ)を用いて蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=3:2)により精製して白色固体として標題化合物(64mg、収率33%)を得た。分子式:C2015ClF352S,分子量:481.88,(ESI) m/z=482.2(M+H)+
工程3:6-メチル-2-フェニル-7-トシル-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(4)
2-クロロ-6-メチル-7-トルエンスルホニル-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アシル)-7H-ピロリン[2,3-d]フェニルボロン酸(12mg、0.1mmol)、Pd(dppf)Cl2(5mg、0.008mmol)、K3PO4(30mg、0.15mmol)をジオキサン(2mL)及び水(0.4mL)と共に添加し、10mLシールド管に充填した。反応混合物を、不活性気体下、100℃まで加熱し、1.5時間加熱した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:1)により精製して白色固体として標題化合物(20mg、収率77%)を得た。
分子式:C2620352S,分子量:523.53,(ESI) m/z=524.3(M+H)+
工程4:6-メチル-2-フェニル-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(5 EPT60121)
6-メチル-2-フェニル-7-トルエンスルホニル-N-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(20mg、0.04mmol)を、CH3OH(3mL)に溶解し、CH3ONa(5.4mol/L、0.5mL)を添加した。反応混合物を、55℃で2時間撹拌した。反応完了後、反応をNH4Cl飽和水溶液(1mL)でクエンチし、反応物を濃縮・蒸発させて油状残渣を得て、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、H2O/MeCN=2/3)により精製して標題化合物EPN18033-070-A(4mg、収率28%)を白色固体として得た。
分子式:C191435,分子量:369.35,(ESI) m/z=370.2(M+H)+1H NMR(400MHz,DMSO-d6)11.92(s,1H),10.05(s,1H),8.84(d,J=1.6Hz,1H),8.58(d,J=5.6Hz,1H),8.34(d,J=6.8Hz,2H),8.06(m,1H),7.41~7.49(m,3H),6.52(s,1H),2.29(d,J=3.6Hz,3H)ppm。
実施例21
Figure 2022530371000051
工程1:2-クロロ-N-(2-フルオロピリジン-4-イル)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
2,4-ジクロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピリジン[2,3-d]ピリミジン(66mg、0.2mmol)、Cs2CO3(65mg、0.2mmol)、2-フルオロピリジン-4-アミン(45mg、0.40mmol)を、それぞれ、20mlシールド管に充填し、DMSO(2mL)を添加した。反応混合物を、室温で18時間撹拌し、70℃で2時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=3:2)により精製して白色固体として標題化合物(26mg、収率32%)を得た。
分子式:C1915ClF52S,分子量:431.87,(ESI) m/z=432.2(M+H)+
工程2:N-(2-フルオロピリジン-4-イル)-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3)
2-クロロ-2-フルオロピリジン-4-アシル)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリジン-4-アミン(26mg、0.06mmol)、フェニルボロン酸(12mg、0.1mmol)、Pd(dppf)Cl2(5mg、0.008mmol)、K3PO4(30mg、0.15mmol)、ジオキサン(3mL)、及び水(0.5mL)を、10mLシールド管に充填した。反応混合物を、不活性気体下、100℃で5時間加熱した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:4)により精製して白色固体として標題化合物(22mg、収率78%)を得た。
分子式:C2520FN52S,分子量:473.53,(ESI) m/z=474.3(M+H)+
工程3:N-(2-フルオロピリジン-4-イル)-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(4 EPT60122)
N-(2-フルオロピリジン-4-アシル)-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロリン[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(22mg、0.046mmol)をCH3OH(3mL)に溶解し、CH3ONa(5.4mol/L、0.5mL)を添加した。反応混合物を、60℃で2時間撹拌した。反応完了後、反応をNH4Cl飽和水溶液(1mL)でクエンチし、反応物を濃縮・蒸発させて油状残渣を得た。生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、H2O/MeCN=2/3)を白色固体として得た(5mg、収率32%)。
分子式:C1814FN5,分子量:319.34,(ESI) m/z=320.2(M+H)+1H NMR(400MHz,DMSO-d6)11.90(s,1H),9.92(s,1H),8.31(d,J=7.2Hz,2H),8.07(d,J=5.6Hz,1H),7.93(s,1H),7.74(d,J=4.8Hz,1H),7.42~7.51(m,3H),6.52(s,1H),2.38(s,3H)ppm。
実施例22
Figure 2022530371000052
工程1:6-メチル-N2,N4-ジフェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン(EPT60123)
2,4-ジクロロ-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(0.25 1 50mg mmol)、アニリン(69mg、0.74mmol)、Pd(OAc)2(2.8mg、12.5μmol)、BINAP(15mg、25μmol)及びCs2CO3(245mg、0.75mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。混合物を、ジオキサン(2ml)中に懸濁した。反応物を、窒素雰囲気下、100℃で4時間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:MeOH=95:5)により精製を行って粗生成物を得て、次いで、逆相カラムクロマトグラフィー(NH4HCO3、0.5%水溶液)を使用して白色固体6-メチル-N2,N4-ジフェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン(EPT60123、4mg、収率5.08%)を得た。
LCMS: (ESI) m/z=316.25(M+H)+;RT=1.42分。
1H NMR(500MHz,DMSO) δ 11.07(s,1H),8.94(s,1H),8.75(s,1H),7.91(d,J=7.7Hz,2H),7.81(d,J=7.7Hz,2H),7.31(t,J=7.9Hz,2H),7.21(t,J=7.9Hz,2H),6.99(t,J=7.3Hz,1H),6.84(t,J=7.3Hz,1H),6.31(s,1H),2.29(s,3H)。
実施例23
Figure 2022530371000053
工程1:N-シクロプロピル-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3)
2,4-ジクロロ-6-メチル-7H-ピリジン[2,3-d](100mg、0.5mmol)、シクロプロピルアミン(2.42mg、0.75mmol)及びDIPEA(129mg、1mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。反応混合物をジメトキシ(2ml)に溶解し、70℃で2時間撹拌し、EA(10ml×3)で抽出し、塩水(10ml×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、2-クロロ-N-シクロプロピル-6-メチル-7H-ピリジン-4-アミン(3,110mg、収率99.1%)を黄色固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=223.22(M+H)+;RT=1.32分。
工程2:N-シクロプロピル-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60124)
2-クロロ-N-シクロプロピル-6-メチル-7H-ピリジノ[2,3-d]-4-アミノピリジン(3.50mg、0.22mmol)、フェニルボロン酸(4.80mg、0.66mmol)、Pd(dppf)Cl2(16mg、0.022mmol)及びK3PO4(93mg、0.44mmol)を、それぞれ、25ml丸底フラスコに入れた。
混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。窒素雰囲気下、窒素雰囲気下100℃で一夜、反応を行った。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:MeOH=95:5)により精製を行って粗生成物を得て、次いで、逆相カラムクロマトグラフィー(NH4HCO3、0.5%水溶液)を使用して白色固体N-シクロプロピル-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60124、20mg、収率34.3%)を得た。
LCMS: (ESI) m/z=265.24(M+H)+;RT=1.20分。
1H NMR(500MHz,DMSO) δ 11.41(s,1H),8.37(d,J=7.1Hz,2H),7.46~7.30(m,4H),6.28(s,1H),3.02(dt,J=10.0,3.3Hz,1H),2.32(d,J=0.7Hz,3H),0.84~0.78(m,2H),0.65~0.55(m,2H)。
実施例24
Figure 2022530371000054
工程1:2-クロロ-9-メチル-N-フェニル-9H-プリン-6-アミン(3)
2,6-ジクロロ-9-メチル-9H-プリン(1,100mg、0.49mmol)、アニリン(2.69mg、0.74mmol)及びDIPEA(191mg、1.48mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。反応混合物をジオキサン(5ml)に溶解し、70℃で4時間撹拌し、残渣を、真空で濃縮し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:MeOH=95:5)により精製して2-クロロ-9-メチル-N-フェニル-9H-プリン-6-アミン(3,120mg、収率94.55%)をオフホワイトの固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=260.19(M+H)+;RT=1.52分。
工程2:9-メチル-N,2-ジフェニル-9H-プリン-6-アミン(3、EPT60125)
2-クロロ-9-メチル-N-フェニル-9H-プリン-6-アミン(3.50mg、0.19mmol)、フェニルボロン酸(4.69mg、0.57mmol)、Pd(dppf)Cl2(14mg、0.019mmol)及びK3PO4(80mg、0.38mmol)を、それぞれ、25ml丸底フラスコに入れた。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。反応物を窒素雰囲気下100℃で一夜撹拌した。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:1)により精製を行い、9-メチル-N,2-ジフェニル-9H-プリン-6-アミン(EPT60125、40mg、収率69.94%)を黄色固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=302.25(M+H)+;RT=1.76分。
1H NMR(500MHz,DMSO) δ 9.90(s,1H),8.43(d,J=7.5Hz,2H),8.30(s,1H),8.05(d,J=7.9Hz,2H),7.55~7.46(m,3H),7.40(t,J=7.7Hz,2H),7.07(t,J=7.1Hz,1H),3.87(s,3H)。
実施例25
Figure 2022530371000055
工程1:2-(2-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60126)
化合物1(50mg、0.22mmol)を、2.5mLのジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)の溶液に添加し、K3PO4(163.4mg、0.77mmol)、Pd(dppf)Cl2(32.7mg、0.04mmol)及び2-フルオロフェニルボロン酸(154.0mg、1.1mmol)を添加した。反応混合物を、100℃で16時間(一夜)撹拌した。LCMS(EPN18040-009-1)は、反応が完了し、20%のSMが残存していることを示した。溶媒を真空で濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EA=8:1)を用いて精製し、次いで、フラッシュカラム(C18カラムクロマトグラフィー、H2O(NH4HCO3、0.8g/L)/CH3CN=70/30)を用いて精製して、標題の化合物(8.5mg、収率13.4%)を白色固体として得た。
ESI m/z=285.24(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)11.42(s,1H),9.94~9.98(m,1H),7.38~7.43(m,1H),7.20~7.26(m,2H),6.98~6.99(d,J=7.5Hz,1H),6.26(s,1H),4.38~4.42(m,1H),3.32(s,3H),1.23~1.25(d,J=6.5Hz,6H)ppm。
実施例26
Figure 2022530371000056
工程1:6-メチル-2,4-ジフェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(EPT60132)
2,4-ジクロロ-6-メチル-7H-ピリジン[2.50mg、0.25mmol]、フェニルボロン酸(2.90mg、0.75mmol)、Pd(dppf)Cl2(18mg、0.025mmol)及びK3PO4(159mg、0.75mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。窒素雰囲気下、窒素雰囲気下100℃で一夜、反応を行った。自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:1)を用いて、残渣を濃縮し、真空で精製して、6-メチル-2,4-ジフェニル-7H-ピロリン[2,3-d]ピリミジン(EPT60132、40mg、収率56.14%)を白色固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=286.20(M+H)+;RT=1.83分。
1H NMR(500MHz,DMSO) δ 12.17(s,1H),8.56~8.50(m,2H),8.31~8.26(m,2H),7.65~7.44(m,6H),6.65(s,1H),2.48(s,3H)。
実施例27
Figure 2022530371000057
工程1:N-(tert-ブチル)-2-クロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
2,4-ジクロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピリジン[2,3-d]ピリミジン(100mg、0.28mmol)、2-メチルプロピル-2-アミン(31mg、0.42mmol)及びDIPEA(108mg、0.84mmol)を、それぞれ、25ml丸底フラスコに入れた。反応混合物を、ジオキサン(5ml)中に溶解し、70℃で4時間撹拌した。残渣を真空で濃縮し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=85:15)により精製を行い、N-(tert-ブチル)-2-クロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(80mg、収率72,89%)を白色固体として得た。LCMS: (ESI) m/z=393.27(M+H)+;RT=1.93分。
工程2:N-(tert-ブチル)-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
N-(tert-ブチル)-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(80mg、0.2mmol)、フェニルボロン酸(6.73mg、0.6mmol)、Pd(dppf)Cl2(17mg、0.02mmol)及びK3PO4(127mg、0.6mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。反応物を窒素雰囲気下100℃で一夜撹拌した。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=5:1)により精製を行い、N-(tert-ブチル)-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(7.60mg、収率69.12%)を得た。
LCMS: (ESI) m/z=435.32(M+H)+;RT=2.02分。
工程3:N-(tert-ブチル)-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60133)
N-(tert-ブチル)-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(60mg、0.14mmol)を、MeONa(0.5ml、5.4M MeOH溶液)及びMeOH(5ml)に溶解し、混合物を50℃で一夜撹拌した。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=5:1)により精製を行い、N-(tert-ブチル)-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60133、20mg、収率51.02%)を白色固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=281.20(M+H)+;RT=1.49分。
1H NMR(500MHz,DMSO) δ 11.33(s,1H),8.36~8.33(m,2H),7.45(dd,J=10.3,4.6Hz,2H),7.40~7.36(m,1H),6.53(s,1H),6.35(dd,J=1.9,1.0Hz,1H),2.31(d,J=0.6Hz,3H),1.58(s,9H)。
実施例28
Figure 2022530371000058
工程1:N-シクロプロピル-2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60134)
2-クロロ-N-シクロプロピル-6-メチル-7H-ピリジノール[2,3-d]-4-アミノピリジン(1、50mg、0.22mmol)、(2-フルオロフェニル)ボロン酸(2.92mg、0.66mmol)、Pd(dppf)Cl2(16mg、0.022mmol)及びK3PO4(93mg、0.44mmol)を、それぞれ、25ml丸底フラスコに入れた。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。窒素雰囲気下、窒素雰囲気下100℃で一夜、反応を行った。溶媒を減圧下で除去した。自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:1)により精製を行って粗生成物を得て、次いで、逆相カラムクロマトグラフィー(NH4HCO3、0.5%水溶液)を使用して白色固体N-シクロプロピル-2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60134、6mg、収率9.67%):MeCN=55:45を得た。
LCMS: (ESI) m/z=283.16(M+H)+;RT=1.13分。
1H NMR(500MHz,DMSO) δ 11.44(d,J=35.0Hz,1H),8.02~7.89(m,1H),7.44~7.34(m,2H),7.28~7.19(m,2H),6.27(d,J=34.6Hz,1H),2.98~2.94(m,1H),2.33(s,3H),0.80~0.73(m,2H),0.62~0.55(m,2H)。
実施例29
Figure 2022530371000059
工程1:2-クロロ-N-(シクロプロピルメチル)-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
Et3N(202.2mg、2.0mmol)及びアミノメチルシクロプロパン(142.1mg、2.0mmol)を、EtOH(3ml)中の化合物1(100mg、0.50mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、80℃で2時間撹拌した。LCMS(EPN18040-010-1)は、反応が完了し、SMが残存しないことを示した。溶媒を真空で濃縮した。精製していない粗化合物を次工程で直接使用した。ESI m/z=237.21(M+H)+
工程2:N-(シクロプロピルメチル)-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60135)
3PO4(216.5mg、1.02mmol)、Pd(dppf)Cl2(47.4mg、0.058mmol)及びフェニルボロン酸(176.9mg、1.45mmol)を、それぞれ、ジオキサン(5mL)及びH2O(1mL)中の化合物2(68.5mg、0.29mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、100℃で16時間(一夜)撹拌した。Ar条件下、LCMS(EPN18040-012-1)は、反応が完了し、30%のSMが残存していることを示した。溶媒を真空で濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EA=8:1)を用いて精製し、次いで、フラッシュカラム(C-18カラムクロマトグラフィー、H2O(NH4HCO3、0.8g/L)/CH3CN=70/30)を用いて精製を行い、標題の化合物(7.5mg、収率9.3%)を淡黄色固体として得た。
ESI m/z=279.26(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)11.37(s,1H),8.34~8.36(m,2H),7.42~7.45(m,2H),7.31~7.39(m,2H),6.24(s,1H),3.44~3.50(m,2H),2.33(s,3H),1.18~1.21(m,1H),0.46~0.48(m,2H),0.33~0.36(m,2H)ppm。
実施例30
Figure 2022530371000060
工程1:N-ベンジル-2-クロロ-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
Et3N(101.16mg、1.0mmol)及びベンジルアミン(107.1mg、1.0mmol)を、EtOH(5ml)中の化合物1(100mg、0.50mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、80℃で2時間撹拌した。LCMS(EPN18040-014-1)は、反応が完了し、SMが残存しないことを示した。溶媒を真空で濃縮した。精製していない粗化合物を次工程で直接使用した。ESI m/z=273.28(M+H)+
工程2:N-ベンジル-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60136)
3PO4(150.2mg、0.71mmol)、Pd(dppf)Cl2(32.7mg、0.04mmol)及びフェニルボロン酸(122.1mg、1.0mmol)を、それぞれ、ジオキサン(5mL)及びH2O(1mL)中の化合物2(55mg、0.2mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、100℃で16時間(一夜)撹拌した。Ar下のLCMS(EPN18040-017-1)は、反応が完了し、20%のSMが残存していることを示した。溶媒を真空で濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EA=8:1)を用いて精製し、次いで、フラッシュカラム(C-18カラムクロマトグラフィー、H2O(NH4HCO3、0.8g/L)/CH3CN=70/30)を用いて精製を行い、標題の化合物(4.4mg、収率7%)を得た。ESI m/z=315.15(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)11.43(s,1H),8.31~8.33(m,2H),7.82~7.84(m,1H),7.39~7.43(m,4H),7.35~7.37(m,1H),7.29~7.32(m,2H),7.20~7.23(m,1H),6.25(s,1H),4.81~4.82(d,J=6.0Hz,2H),2.33(s,3H)ppm。
実施例31
Figure 2022530371000061
工程1:2-クロロ-N-(3-フルオロフェニル)-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
tBuOK(101.0mg、1.0mmol)、Pd(OAc)2(11.3mg、0.05mmol)、BINAP(62.3mg、0.1mmol)及び3-フルオロアニリン(134.2mg、1.1mmol)を、ジオキサン(3ml)中の化合物1(100mg、0.50mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、100℃で16時間(一夜)撹拌した。Ar下のLCMS(EPN18040-015-1)は、反応が完了し、20%のSMが残存していることを示した。溶媒を真空で濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=8:1)により精製して淡黄色固体として標題化合物(60mg、収率44.2%)を得た。
ESI m/z=277.21(M+H)+
工程2:N-(3-フルオロフェニル)-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60137)
Pd(dppf)Cl2(32.7mg、0.04mmol)、K2PO4(163.4mg、0.77mmol)及びフェニルボロン酸(134.2mg、1.1mmol)を、ジオキサン(5mL)及びH2O(1mL)中の化合物2(66.0mg、0.22mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、100℃で16時間(一夜)撹拌した。Ar下のLCMS(EPN18040-023-1)は、反応が完了し、5%のSMが残存していることを示した。反応混合物を真空で濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EA=8:1)を用いて精製して粗生成物を得た。固体を、フラッシュカラム(C-18カラムクロマトグラフィー、H2O(NH4HCO3、0.8g/L)/CH3CN=60/40)を用いてさらに精製して、標題の化合物(2.6mg、収率4.1%)を白色固体として得た。
ESI m/z=319.21(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)11.75(s,1H),9.44(s,1H),8.35~8.37(m,2H),8.09~8.13(m,1H),7.70 (m, 1H),7.49~7.52(m,2H),7.38~7.45(m,2H),6.81~6.85(m,1H),6.52(s,1H),2.4(s,3H)ppm。
実施例32
Figure 2022530371000062
工程1:2-クロロ-N-イソプロピル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
2,4-ジクロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1.0g、5.31mmol)、プロピレンジアミン(3.0mL)、及びDIPEA(1.0mL)を、それぞれ、20mLシールド管に充填し、次いで、ジオキサン(10ml)を添加した。反応混合物を、70℃で16時間撹拌した。反応完了後、混合物を、常圧真空蒸留下で濃縮した。残渣を、(EtOH)5mLに溶解し、水(20mL)と共に添加し、室温で10分間撹拌した。混合物をろ過し、固形物を集め、真空乾燥して、目的化合物(940mg、収率83%)を白色固体として得た。
分子式:C911ClN4,分子量:210.67,(ESI) m/z=211.2(M+H)+
工程2:N-イソプロピル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3 EPT60138)
2-クロロ-N-イソプロピル-7H-ピロール[2,3-d]ピリジン-4-アミン(440mg、4.0mmol)、フェニルボロン酸(1.22g、10.0mmol)、Pd(dppf)Cl2(140mg、0.2mmol)及びK3PO4(2.12g、10.0mmol)を、10mLシールド管に充填し、次いで、ジオキサン(15mL)及び水(3.0mL)を添加した。反応混合物を、不活性気体下、100℃で22時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:3)により精製して白色固体として標題化合物(224mg、収率44%)を得た。
分子式:C15164,分子量:252.32,(ESI) m/z=253.2(M+H)+1HNMR(500MHz,DMSO-d6)11.50(s,1H),8.37(m,2H),7.37~7.46(m,3H),7.19(d,J=7.5Hz,1H),7.08(m,1H),6.60(m,1H)4.56(m,1H),1.30(d,J=6.5Hz,6H)ppm。
実施例33
Figure 2022530371000063
工程1:6-ブロモ-N-イソプロピル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2 EPT60139)
N-イソプロピル-2-フェニル-7H-ピリジノール[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(200mg、0.8mmol)をDCM(30mL)中に溶解し、次いで、NBS(DCM(10mL)溶液中に溶解された114mg)を、0~10℃において30分間でゆっくりと添加した。反応混合物を、室温で20分間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:8)により精製して白色固体として標題化合物(152mg、収率57.5%)を得た。
分子式:C1515BrN4,分子量:331.22,(ESI) m/z=331.1(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)12.03(s,1H),8.35~8.37(m,2H),7.42~7.49(m,3H),7.36(d,J=2.5Hz,1H),5.99(d,J=7.5Hz,1H),4.55(m,1H),1.34(d,J=6.5Hz,6H)ppm。
実施例34
Figure 2022530371000064
工程1:N-シクロプロピル-2-(3-フルオロフェニル)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(7)
2-クロロ-N-シクロプロピル-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(100mg、0.26mmol)、(3-フルオロフェニル)ボロン酸(109mg、0.78mmol)、Pd(dppf)Cl2(19mg、0.026mmol)及びK3PO4(93mg、0.78mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。窒素雰囲気下、窒素雰囲気下100℃で一夜、反応を行った。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:1)により精製を行い、N-シクロプロピル-2-(3-フルオロフェニル)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(7、100mg、収率88.21%)を得た。LCMS: (ESI) m/z=437.32(M+H)+;RT=1.13分。
工程2:N-シクロプロピル-2-(3-フルオロフェニル)-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60152)
N-シクロプロピル-2-(3-フルオロフェニル)-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(100mg、0.23mmol)をMeONa(1ml、5.4MのMeOH溶液)に溶解し、これを25mL丸底フラスコに添加し、50℃で2時間撹拌した。残渣を真空で濃縮し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=4:1)により精製し、オフホワイトの固体N-シクロプロピル-2-(3-フルオロフェニル)-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60152、50mg、収率77.09%)を得た。
LCMS: (ESI) m/z=283.16(M+H)+;RT=1.31分。
1H NMR(500MHz,DMSO) δ 11.48(s,1H),8.21(d,J=7.8Hz,1H),8.07(d,J=10.0Hz,1H),7.48(td,J=8.0,6.2Hz,1H),7.42(d,J=3.1Hz,1H),7.21(d,J=2.7Hz,1H),6.30(s,1H),3.02(dd,J=6.6,3.4Hz, 1H),2.33(s,3H),0.84~0.79(m,2H),0.63~0.57(m,2H)。
実施例35
Figure 2022530371000065
工程1:((2-クロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2-メチルプロパン-2-オール(2)
Et3N(56.6mg、0.56mmol)及び1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール(49.8mg、0.56mmol)を、EtOH(5ml)中の化合物1(100mg、0.28mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、80℃で2時間撹拌した。LCMS(EPN18040-019-1)は、反応が完了し、SMが残存しないことを示した。溶媒を真空で濃縮した。精製していない粗化合物を次工程で直接使用した。
ESI m/z=409.28(M+H)+
工程2:2-メチル-1-((6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパン-2-オール(3)
3PO4(163.4mg、0.77mmol)及びPd(dppf)Cl2(35.9mg、0.04mmol)及びフェニルボロン酸(134.2mg、1.1mmol)を、それぞれ、ジオキサン(5mL)及びH2O(1mL)中の化合物2(90mg、0.22mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、100℃で16時間(一夜)撹拌した。Ar下のLCMS(EPN18040-021-1)は、反応が完了し、35%のSMが残存していることを示した。溶媒を真空で濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EA=8:1)を用いて精製し、次いで、フラッシュカラム(C-18カラムクロマトグラフィー、H2O(NH4HCO3、0.8g/L)/CH3CN=70/30)を用いて精製を行い、標題の化合物(43.5mg、収率43.8%)を淡黄色固体として得た。
ESI m/z=451.36(M+H)+
工程3:2-メチル-1-((6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパン-2-オール(EPT60153)
MeONa(0.5mL、2.7mmol)をMeOH(5mL)に添加された化合物3(43.5mg、0.10mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、60℃で4時間撹拌した。LCMS(EPN18040-025-1)は、反応が完了し、SMが残存しないことを示した。溶媒を真空で濃縮した。残渣をNH4Cl飽和溶液(30mL)で希釈し、混合物をCH2Cl2(30mL×3)で抽出し、飽和NaCl(30mL)で洗浄した。得られた有機層を無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去した。残渣を、フラッシュ(C-18カラムクロマトグラフィー、H2O(NH4HCO3、0.8g/L)/CH3CN=40/60)を用いて精製して、標題の化合物(5.8mg、収率20.3%)を白色固体として得た。
ESI m/z=297.23(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)11.43(s,1H),8.32~8.34(m,2H),7.42~7.45(m,2H),7.36~7.39(m,1H),7.14(s,1H),6.31(s,1H),5.01(s,1H),3.58~3.59(d,J=5.5Hz,2H),2.33(s,3H),1.17(s,6H)ppm。
実施例36
Figure 2022530371000066
工程1:2-クロロ-N-シクロペンチル-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
2,4-ジクロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピリジン[2,3-d]ピリミジン(100mg、0.28mmol)、シクロペンチルアミン(0.5mL)、DIPEA(0.5mL)を、それぞれ、20mlシールド管に充填し、2,4-ジクロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(100mg、0.28mmol)、シクロペンチルアミン(0.5mL)、ジオキサン(5ml)を添加した。反応混合物を、70℃で16時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。
分子式:C1921ClN42S,分子量:404.91,(ESI) m/z=405.3(M+H)+。SM-1は残存せず、粗生成物をさらに精製しないで次工程で使用した。
工程2:N-シクロペンチル-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3)
2-クロロ-N-シクロペンチル-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]2,3-d-ピリミジン-4-アミン(ジオキサン5mL中の粗生成物)、フェニルボロン酸(110mg、0.9mmol)、Pd(dppf)Cl2(20mg、0.03mmol)、K3PO4(210mg、1.0mmol)を、10mlシールド管に充填し、次いで、水(1.0mL)を添加した。反応混合物を、不活性気体下、100℃で16時間加熱した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:7)により精製して、生成物を白色固体として得た(100mg、収率80%)。
分子式:C252642S,分子量:446.57,(ESI) m/z=447.3(M+H)+
工程3:N-シクロペンチル-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(4 EPT60155)
N-シクロペンチル-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(100mg、0.22mmol)をCH3OH(5mL)に溶解し、CH3ONa(5.4M、0.5mL)を添加した。反応混合物を、55℃で20時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:3)により精製して、生成物を白色固体として得た(55mg、収率84%)。
分子式:C18204,分子量:292.39,(ESI) m/z=293.2(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)11.37(s,1H),8.34~8.36(m,2H),7.35~7.44(m,3H),7.08(d,J=7.0Hz,1H),6.27(s,1H),4.57(m,1H),2.31(s,3H),2.03~2.08(m,2H),1.73~1.74(m,2H),1.57~1.63(m,4H)ppm。
実施例37
Figure 2022530371000067
工程1:2-クロロ-N-シクロヘキシル-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
2,4-ジクロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピリジン[2,3-d]ピリミジン(100mg、0.28mmol)、シクロヘキシルアミン(0.5mL)、DIPEA(0.5mL)を、それぞれ、20mlシールド管に充填し、ジオキサン5mLを添加した。反応混合物を、70℃で16時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。
分子式:C2023ClN42S,分子量:418.94,(ESI) m/z:419.3(M+H)+。SM-1は残存しなかった。粗生成物をさらに精製しないで次工程で使用した。
工程2:N-シクロヘキシル-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3)
2-クロロ-N-シクロヘキシル-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]2,3-d-ピリミジン-4-アミン(ジオキサン5mL中の粗生成物)、フェニルボロン酸(110mg、0.9mmol)、Pd(dppf)Cl2(20mg、0.03mmol)、K3PO4(210mg、1.0mmol)を、10mlシールド管に充填し、次いで、水(1.0mL)を添加した。反応混合物を、不活性気体下、100℃で14時間加熱した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:9)により精製して白色固体として標題化合物(105mg、収率81%)を得た。
分子式:C262842S,分子量:460.60,(ESI) m/z=461.3(M+H)+
工程3:N-シクロヘキシル-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(4 EPT60156)
N-シクロヘキシル-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロール[2,3-d]ピリジン-4-アミン(105mg、0.22mmol)をCH3OH(5mL)に溶解し、CH3ONa(5.4M、0.5mL)を添加した。反応混合物を、55℃で20時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=3:7)により精製して、生成物を白色固体として得た(60mg、収率85%)。
分子式:C19224,分子量:306.41,(ESI) m/z=307.2(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)11.34(s,1H),8.33~8.35(m,2H),7.41~7.44(m,2H),7.35~7.38(m,1H),6.95(d,J=7.5Hz,1H),6.21(s,1H),4.15(m,1H),2.31(s,3H),2.03(m,2H),1.17~1.80(m,8H)ppm。
実施例38
Figure 2022530371000068
工程1:N-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
2-クロロ-N-シクロプロピル-6-メチル-7-トシル-7H-ピロリジン[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(75mg、0.2mmol)、2-(4-フルオロフェニル)-4,4,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキソボラン(100mg、0.45mmol)、Pd(dppf)Cl2(14」mg、0.02mmol)、K3PO4(120mg、0.6mmol)、水(1.0mL)、及びジオキサン(5ml)を、10mLシールド管に充填した。反応混合物を、不活性気体下、90℃で16時間加熱した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:4)により精製して白色固体として標題化合物(71mg、収率81%)を得た。
分子式:C2321FN42S,分子量:436.51,(ESI) m/z=437.3(M+H)+
工程3:N-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60157)
N-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(71mg、0.16mmol)をTHF(5mL)に溶解し、TBAF(1M、0.5mL)を添加した。反応混合物を、55℃で1時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:4)により精製して白色固体として標題化合物(32mg、収率69.5%)を得た。
分子式:C1815FN4,分子量:282.32,(ESI) m/z=283.3(M+H)+1H NMR(400MHz,DMSO-d6)11.36(s,1H),8.34~8.37(m,2H),7.32(d,J=3.2Hz,1H),7.18~7.22(m,2H),6.23(s,1H),2.97(m,1H),2.28(s,3H),0.74~0.83(m,2H),0.53~0.576(m,2H)ppm。
実施例39
Figure 2022530371000069
工程1:2-クロロ-N-イソブチル-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
Et3N(56.6mg、0.56mmol)及び2-メチルプロピル-1-アミン(40.9mg、0.56mmol)を、EtOH(3ml)中の化合物1(100mg、0.28mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、80℃で4時間撹拌した。LCMS(EPN18040-040-1)は、反応が完了し、SMが残存していないことを示した。溶媒を真空で濃縮した。精製していない粗化合物を次工程で直接使用した。ESI m/z=393.22(M+H)+
工程2:N-イソブチル-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3)
3PO4(163.5mg、0.81mmol)、Pd(dppf)Cl2(35.9mg、0.046mmol)及びフェニルボロン酸(134.2mg、1.15mmol)を、それぞれ、ジオキサン(5mL)及びH2O(1mL)中の化合物2(90mg、0.23mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、100℃で16時間(一夜)撹拌した。LCMS(EPN18040-041-1)は、反応が完了し、10%のSMが残存していることを示した。溶媒を真空で濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EA=8:1)を用いて精製し、次いで、フラッシュカラム(C-18カラムクロマトグラフィー、H2O(NH4HCO3、0.8g/L)/CH3CN=70/30)を用いて精製を行い、標題の化合物(15mg、収率15.1%)を淡黄色固体として得た。
ESI m/z=435.32(M+H)+
工程3:N-イソブチル-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60163)
MeONa(0.5mL、2.7mmol)をMeOH(3mL)に添加された化合物1(15mg、0.03mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、60℃で6時間撹拌した。LCMS(EPN18040-043-1)は、反応が完了し、SMが残存していないことを示した。溶媒を真空で濃縮した。反応混合物をNH4Cl飽和溶液(30mL)で希釈し、CH2Cl2(30mL×3)で抽出し、飽和NaCl(30mL)で洗浄した。得られた有機層を無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去した。フラッシュカラム(C-18カラムクロマトグラフィー、H2O(NH4HCO3、0.8g/L)/CH3CN=70/30)により精製を行って、標題の化合物(8.0mg、収率87%)を白色固体として得た。
ESI m/z=281.21(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)11.36(s,1H),8.34~8.35(d,J=8.5Hz,2H),7.41~7.44(m,2H),7.37(m,1H),7.24~7.26(m,1H),6.25(s,1H),3.50(m,2H),2.30(s,3H),2.02~2.04(m,1H),0.78~0.95(m,6H)ppm。
実施例40
Figure 2022530371000070
工程1:2-クロロ-6-メチル-4-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(2)
3PO4(320.5mg、1.51mmol)、Pd(dppf)Cl2(73.4mg、0.09mmol)及びフェニルボロン酸(52.5mg、1.0mmol)を、それぞれ、ジオキサン(5mL)及びH2O(1mL)中の化合物1(150mg、0.43mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、80℃で16時間(一夜)撹拌した。LCMS(EPN18040-028-1)は、反応が完了し、SMが残存していないことを示した。溶媒を真空で濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=8:1)により精製して淡黄色固体として標題化合物(90mg、収率54%)を得た。ESI m/z=398.20(M+H)+
工程2:N-イソプロピル-6-メチル-4-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-アミン(3)
tBuOK(47.1mg、0.42mmol)、pd(OAc)2(4.5mg、0.02mmol)、BINAP(24.9mg、0.21mmol)及びプロパン-2-アミン(25mg、0.42mmol)を、ジオキサン(3ml)中の化合物2(85mg、0.21mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、60℃で16時間(一夜)撹拌した。LCMS(EPN18040-034-1)は、反応が完了し、SMが残存していないことを示した。溶媒を真空で濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EA=8:1)を用いて精製し、次いで、フラッシュカラム(C-18カラムクロマトグラフィー、H2O(NH4HCO3、0.8g/L)/CH3CN=40/60)を用いて精製を行い、標題の化合物(30mg、収率34%)を淡黄色固体として得た。ESI m/z=421.88(M+H)+
工程3:N-イソプロピル-6-メチル-4-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-アミン(EPT60164)
MeONa(0.5mL、2.7mmol)をMeOH(3mL)に添加された化合物3(30mg、0.07mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、60℃で4時間撹拌した。LCMS(EPN18040-036-1)は、反応が完了し、SMが残存していないことを示した。溶媒を真空で濃縮した。反応混合物をNH4Cl飽和溶液(30mL)で希釈し、CH2Cl2(30mL×3)で抽出し、次いで、飽和NaCl(30mL)で洗浄した。得られた有機層を無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去した。H2O(NH4HCO3、0.8g/L)/CH3CN=70/30を備えたC-18カラムクロマトグラフィーにより精製を行って、標題の化合物(3.1mg、収率16.4%)を白色固体として得た。
(ESI) m/z=267.24 (M+H)+1H NMR(400MHz,DMSO-d6)11.12(s,1H),8.00~8.02(d,J=8.4Hz,2H),7.43~7.50(m,3H),6.22~6.26(m,2H),4.02(m,1H),2.26(s,3H),1.45~1.13(m,6H)ppm。
実施例41
Figure 2022530371000071
工程1:2-クロロ-N-(3-クロロフェニル)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
化合物1(100mg、0.50mmol)をDMSO(3ml)に添加し、Cs2CO3(182.5mg、0.56mmol)及び3-クロロアニリン(71.1mg、0.56mmol)を添加した。反応混合物を、40℃で16時間撹拌した。LCMS(EPN18040-027-1)は、反応が完了し、5%のSMが残存していることを示した。反応混合物をH2O(30mL)で希釈し、CH2Cl2(50mL×3)で抽出し、次いで、飽和NaCl(30mL)で洗浄した。得られた有機層を無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去して、所望の生成物(90mg、収率71.6%)を淡黄色固体として得た。
ESI m/z=447.20(M+H)+
工程2:N-(3-クロロフェニル)-6-メチル-2-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3)
3PO4(148.6mg、0.70mmol)、Pd(dppf)Cl2(29.3mg、0.04mmol)、及びフェニルボロン酸(122.0mg、1.0mmol)を、それぞれ、ジオキサン(5mL)及びH2O(1mL)中の化合物2(90mg、0.20mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、100℃で16時間(一夜)撹拌した。LCMS(EPN18040-031-1)は、反応が完了し、20%のSMが残存していることを示した。溶媒を真空で濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EA=8:1)を用いて精製し、次いで、フラッシュカラム(C-18カラムクロマトグラフィー、H2O(NH4HCO3、0.8g/L)/CH3CN=70/30)を用いて精製を行い、標題の化合物(20mg、収率20.3%)を白色固体として得た。
ESI m/z=489.25(M+H)+
工程3:N-(3-クロロフェニル)-6-メチル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60165)
MeONa(0.5mL、2.7mmol)をMeOH(3mL)に添加された化合物3(20mg、0.04mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、60℃で5時間撹拌した。LCMS(EPN18040-037-1)は、反応が完了し、SMが残存しないことを示した。溶媒を真空で濃縮した。反応混合物をH2O(30mL)で希釈し、CH2Cl2(30mL×3)で抽出し、次いで、飽和NaCl(30mL)で洗浄した。得られた有機層を無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去した。反応混合物をH2O(30mL)で希釈し、CH2Cl2(30mL×3)で抽出し、次いで、飽和NaCl(30mL)で洗浄した。得られた有機層を無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去した。残渣を、プレ薄層クロマトグラフィー(PE/EA=2/1)により精製して白色固体として所望の化合物(1.9mg、収率8.5%)を得た。
(ESI)m/z=335.22(M+H)+1H NMR(400MHz,DMSO-d6)11.73(s,1H),9.39(s,1H),8.32~8.34(m,3H),7.80~7.82(m,1H),7.35~7.47(m,4H),7.01~7.04(m,1H),6.47(m,1H),2.36(m,3H)ppm。
実施例42
Figure 2022530371000072
工程1:N-シクロプロピル-6-メチル-2-(m-トリル)-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
N-シクロプロピル-6-メチル-2-(m-トリル)-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d],m-トルエンボロン酸(40mg、0.3mmol)、Pd(dppf)Cl2(14mg、0.02mmol)、K3PO4(63mg、0.3mmol)を水(0.5mL)及びジオキサン(3mL)と共に添加し、10mLシールド管に充填した。反応混合物を、不活性気体下、90℃で16時間加熱した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:3)により精製して、生成物を白色固体として得た(84mg、収率97%)。
分子式:C242442S,分子量:432.54,(ESI) m/z=433.3(M+H)+
工程2:N-シクロプロピル-6-メチル-2-(m-トリル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3 EPT60166)
N-シクロプロピル-6-メチル-2-(m-トリル)-7-トシル-7H-ピロリン[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(84mg、0.20mmol)をTHF(5mL)に溶解し、TBAF(2M、2.0mL)を添加した。反応混合物を、55℃で24時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:3)により精製して白色固体として標題化合物(26mg、収率46%)を得た。
分子式:C17184,分子量:278.36,(ESI) m/z=279.2(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)11.39(s,1H),8.16~8.19(m,2H),7.29~7.32(m,2H),7.18(d,J=7.5Hz,1H),6.28(s,1H),3.01(s,1H),2.38(s,3H),2.32(s,3H),0.78~0.85(m,2H),0.58~0.61(m,2H)ppm。
実施例43
Figure 2022530371000073
工程1:N-シクロプロピル-6-メチル-2-(o-トリル)-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3)
2-クロロ-N-シクロプロピル-6-メチル-7-トシル-7H-ピロリン[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(50mg、0.13mmol)、o-トルエンボロン酸(53mg、0.39mmol)、Pd(dppf)Cl2(9mg、0.013mmol)及びK3PO4(83mg、0.39mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。窒素雰囲気下、窒素雰囲気下100℃で一夜、反応を行った。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=90:10)により精製を先ず行い、N-シクロプロピル-6-メチル-2-(o-トリル)-7-トルエンスルホニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(7、20mg、収率35.53%)を黄色固体として得た。
LCMS: (ESI) m/z=433.12(M+H)+;RT=1.91分。
工程2:N-シクロプロピル-6-メチル-2-(o-トリル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60167)
25ml丸底フラスコに、N-シクロプロピル-6-メチル-2-(o-トリル)-7-トルエンスルホニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(7、20mg、0.05mmol)を、TBAF(1ml、1.0Mテトラヒドロフラン溶液)及びテトラヒドロフラン(2ml)に溶解し、混合物を、50℃で4時間撹拌した。残渣を、自動フラッシュにより真空で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:メタノール=97:3)により精製して、黄色固体N-シクロプロピル-6-メチル-2-(o-トリル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60167、6mg、収率43.16%)を得た。
LCMS: (ESI) m/z=279.24(M+H)+;RT=1.23分。
1H NMR(500MHz,DMSO) δ 11.35(s,1H),7.73(d,J=6.4Hz,1H),7.31(d,J=2.5Hz,1H),7.24(d,J=5.8Hz,3H),6.27(s,1H),2.91(s,1H),2.55(s,3H),2.33(s,3H),0.75(d,J=5.2Hz,2H),0.57(s,2H)。
実施例44
Figure 2022530371000074
工程1:酢酸2-(2,4-ジヒドロキシ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル(3)
水(300mL)中の6-アミノピリミジン-2,4(1H,3H)ジオン(1)(15.0g、118mmol)の懸濁液に、酢酸ナトリウム(10.7g、130mmol)を添加した。混合物を95℃まで加熱した。4-クロロ-3-シュウ酸エチルエステル(2)(21.4g、130mmol)を滴下した。次いで、混合物を30分間放置し、95℃で一夜撹拌し、冷却してろ過した。ケーキを水(30ml×3)及びアセトン(30ml×2)で洗浄し、真空乾燥して、表題化合物(5.0g、収率18%)を黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6): δ 11.49(s,1H),11.15(s,1H),10.46(s,1H),6.05(s,1H),4.08(q,J=7.2Hz,2H),3.60(s,2H),1.20(t,J=7.2Hz,3H)。
工程2:酢酸2-(2,4-ジクロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル(4)
酢酸2-(2-フェニル-4-(フェニルアミノ)-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル(3)(5.00g、2.11mmol)、POCl3(12.9g、8.44mmol)を、トルエン(12ml)に添加した。反応物を70℃まで加熱し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.08g、5.49mmol)を10分間で滴下し、混合物を110℃で一夜撹拌した。混合物を室温まで冷却し、水(50mL)に注いだ。DIEA(10mL)を添加し、次いで、混合物を30分間撹拌し、酢酸エチル(50mL)と共に添加し、ろ過した。ろ液を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、混合有機層を塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮後、残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル、5:1から3:1)により精製して、1.1gの粗生成物を得た。粗油状物を(石油エーテル:酢酸エチル=10:1、5mL)メラミンと反応させて、黄色固体を得た(880mg、収率15%)。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6): δ 12.74(s,1H),6.54(s,1H),4.14(q,J=6.8Hz,2H),3.95(s,2H),1.21(t,J=6.8Hz,3H)。
工程3:酢酸2-(2-クロロ-4-(フェニルアミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル(5)
濃塩酸水溶液2滴を、エチレングリコール(15ml)中の酢酸エチル(4)(880mg、3.21mmol)及びアニリン(806mg、8.67mmol)の溶液に添加した。混合物を、95℃まで加熱し、5時間撹拌した。室温まで冷却後、混合物を80mlのm慈雨に注ぎ、10分間撹拌してろ過した。ろ過ケーキを水(10mL×5)及び石油エーテル(10mL×5)で洗浄し、真空乾燥して、表題化合物(950mg、収率90%)を桃色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6): δ 11.86(s,1H),9.61(s,1H),7.76(d,J=7.6Hz,2H),7.36(t,J=8.0Hz,2H),7.07(t,J=7.6Hz,1H),6.61(s,1H),4.13(q,J=7.2Hz,2H),3.81(s,2H),1.22(t,J=7.2Hz,3H)。
工程4:酢酸2-(2-フェニル-4-(フェニルアミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル(6、EPT60168)
DMA/水(5mL/1mL)中の酢酸2-エチル-2-(2-クロロ-4-(フェニルアミノ)-7H-ピロロ[2,3-d])エチル(5)(500mg、1.51mmol)、フェニルボロン酸(553mg、4.53mmol)、DIEA(974mg、7.55mmol)及びPd(PPh3)4(349mg、0.30mmol)をシールド管に添加し、混合物をマイクロ波下140℃で3時間撹拌した。室温まで冷却後、混合物を水(30ml)に注ぎ入れ、酢酸エチル(20ml×2)で抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残渣を、C18カラム(15分間中60%から80%までのアセトニトリル:水)により精製して、粗生成物(160mg)を得た。60mgの粗生成物を、プレ薄層クロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)により精製して黄色固体として標題化合物(30mg、収率14%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6): δ 11.79(s,1H),9.35(s,1H),8.37(d,J=9.2Hz,2H),7.98(d,J=10.4Hz,2H),7.51~7.40(m,5H),7.04(t,J=10.0Hz,1H),6.69(s,1H),4.14(q,J=9.6Hz,2H),3.85(s,2H),1.23(t,J=9.6Hz,3H)。
LC-MS[移動相:6.5分以内で80%水(0.02%NH4OAc)及び20%CH3CNから5%水(0.02%NH4OAc)及び95%CH3CNまで]、Rt=3.981分;純度:94.35%(214nm)、96.03%(254nm);MS計算値:372.2;MS実測値:373.0[M+H]+
実施例45
Figure 2022530371000075
工程2:N-シクロプロピル-6-メチル-2-(o-トリル)-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
3PO4(201.7mg、0.95mmol)、Pd(dppf)Cl2(36.6mg、0.05mmol)及び4-メチルフェニルボロン酸(183.6mg、1.35mmol)を、それぞれ、ジオキサン(5mL)及びH2O(1mL)中の化合物1(100mg、0.27mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、100℃で16時間(一夜)撹拌した。Ar条件下、LCMS(EPN18040-044-1)は、反応が完了し、30%のSMが残存していることを示した。溶媒を真空で濃縮した。残渣を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=20:1)により精製して淡黄色固体として標題化合物(60mg、収率43.8%)を得た。
ESI m/z=433.36(M+H)+
工程2:N-シクロプロピル-6-メチル-2-(p-トリル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60180)
MeONa(0.5mL、2.7mmol)をMeOH(3mL)に添加された化合物2(60mg、0.14mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、60℃で4時間撹拌した。LCMS(EPN18040-046-1)は、反応が完了し、SMが残存していないことを示した。溶媒を真空で濃縮した。反応混合物をNH4Cl飽和溶液(30mL)で希釈し、CH2Cl2(30mL×3)で抽出し、次いで、飽和NaCl(30mL)で洗浄した。得られた有機層を無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去した。H2O(NH4HCO3、0.8g/L)/CH3CN=70/30を備えたC-18カラムクロマトグラフィーにより精製を行って、標題の化合物(3.1mg、収率16.4%)を白色固体として得た。ESI m/z=279.24(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d6)11.26(s,1H),8.25~8.26(d,J=8.0Hz,2H),7.31~7.32(m,1H),7.22~7.24(m,2H),6.23(s,1H),2.99(s,1H),2.35(s,3H),2.31(s,3H),0.79~0.81(s,2H),0.58~0.59(s,2H)ppm。
実施例46
Figure 2022530371000076
工程1:N-イソプロピル-2,6-ジフェニル-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(5 EPT60181)
6-ブロモ-N-イソプロピル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(50mg、0.15mmol)、フェニルボロン酸(61mg、0.5mmol)、Pd(dppf)Cl2(10mg、0.015mmol)、K3PO4(110mg、0.5mmol)、水(1.0mL)、及びジオキサン(5mL)を、10mlシールド管に充填した。反応混合物を、不活性気体下、90℃で16時間加熱した。反応をLCMSによりモニターした。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=35:65)により精製して、生成物を白色固体として得た(30mg、収率60%)。
分子式:C21204,分子量:328.42,(ESI) m/z=329.3(M+H)+1H NMR(400MHz,DMSO-d6)11.86(s,1H),8.36~8.38(m,2H),7.33~7.50(m,8H),7.24(d,J=2.4Hz,1H),5.06(d,J=7.2Hz,1H),4.41~4.46(m,1H),1.17(d,J=6.4Hz,6H)ppm。
実施例47
Figure 2022530371000077
工程1:4-(4-(シクロプロピルアミノ)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-イル)フェノール(2)
2-クロロ-N-シクロプロピル-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(110mg、0.3mmol)、(4-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(84mg、0.6mmol)、Pd(dppf)Cl2(20mg、0.03mmol)、K3PO4(124mg、0.6mmol)、水(1.0mL)、ジオキサン(5mL)を、10mlシールド管に添加した。反応混合物を、不活性気体下、90℃で16時間加熱した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=3:7)により精製して白色固体として標題化合物(88.8mg、収率73.6%)を得た。
分子式:C232243S,分子量:434.51,(ESI) m/z=435.3(M+H)+
工程2:4-(4-(シクロプロピルアミノ)-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-イル)フェノール(3 EPT60182)
4-(4-(シクロプロピルアミノ)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-2-イル)フェノール(50mg、0.115mmol)をCH3OH(2mL)に溶解し、CH3ONa(1.0mL)を添加した。反応混合物を、55℃で16時間撹拌した。反応完了後、反応をNH4Cl飽和水溶液(1mL)でクエンチし、次いで、反応混合物をシリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮させて粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=2:3)により精製して白色固体として標題化合物(8mg、収率25%)を得た。
分子式:C16164O,分子量:280.33,(ESI) m/z=281.2(M+H)+1H NMR(400MHz,DMSO-d6)11.23(s,1H),9.54(s,1H),8.15(d,J=8.4Hz,2H),7.18(d,J=2.8Hz,1H),6.75(d,J=8.8Hz,2H),6.20(s,1H),2.94~2.98(m,1H),2.26(s,3H),0.73~0.77(m,2H),0.52~0.56(m,2H)ppm。
実施例48
Figure 2022530371000078
工程1:2-クロロ-N-シクロブチル-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
2,4-ジクロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(107mg、0.3mmol)及びシクロブチルアミン(185mg、2.6mmol)を、それぞれ、20mlシールド管に充填し、次いで、ジオキサン(5mL)を添加した。反応混合物を、70℃で3時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。
分子式:C1819ClN42S,分子量:390.89,(ESI) m/z=391.2(M+H)+、これを次工程で直接的に使用した。
工程2:N-シクロブチル-2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3)
2-クロロ-N-シクロブチル-6-メチル-7-トルエンスルホニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリジン-4-アミン(ジオキサン5mL中の粗生成物)、(2-フルオロフェニル)ボロン酸(140mg、1.0mmol)、Pd(dppf)Cl2(20mg、0.03mmol)、K3PO4(210mg、1.0mmol)を、10mlシールド管に充填し、次いで、水(1.0mL)を添加した。反応混合物を、不活性気体下、90℃で16時間加熱した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=15:85)により精製して白色固体として標題化合物(112mg、収率83%)を得た。
分子式:C2423FN42S,分子量:450.53,(ESI) m/z=451.3(M+H)+
工程4:N-シクロブチル-2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(4 EPT60183)
N-シクロブチル-2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(112mg、0.25mmol)をTHF(5mL)に溶解し、TBAF(2M、2.0mL)を添加した。反応混合物を、55℃で1時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=35:65)により精製して、生成物を白色固体として得た(35mg、収率47.3%)。
分子式:C1717FN4,分子量:296.35,(ESI) m/z=297.2(M+H)+1H NMR(400MHz,DMSO-d6)11.41(s,1H),7.91~7.95(m,1H),7.34~7.39(m,2H),7.16~7.23(m,2H),6.21(s,1H),4.61~4.67(m,1H),2.24~2.32(m,5H),1.96~2.06(m,2H),1.64~1.70(m,2H)ppm。
実施例49
Figure 2022530371000079
工程1:N-イソプロピル-2-フェニル-6-(トリフルオロメチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2 EPT60184)
N-イソプロピル-2-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(50mg、0.2mmol)、梅本試薬(136mg、0.4mmol)、4-メチルモルホリン(41mg、0.4mmol)を、10mlシールド管に充填し、DMF(1mL)を添加した。反応混合物を、室温で3時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応完了後、反応混合物を、シリカゲル(100~200メッシュ)と共に蒸発・濃縮して粉末状残渣を得た。生成物を、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM)により精製して、生成物を黄色固体として得た(18mg、収率28%)。
分子式:C161534,分子量:320.32,(ESI) m/z=321.2(M+H)+1H NMR(500MHz,DMSO-d612.78(s,1H),8.37~8.40(m,2H),7.67(d,J=7.5Hz,1H),7.43~7.50(m,3H),7.22(s,1H),4.54~4.58(m,1H),1.31(m,6H)ppm。
実施例50
Figure 2022530371000080
工程1:2-クロロ-6-メチル-N-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2)
2,4-ジクロロ-6-メチル-7-トシル-7H-ピリジン[2,3-d]ピリミジン(50mg、0.14mmol)、アニリン(26mg、0.28mmol)及びCs2CO3(138mg、0.42mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。反応混合物を、DMSO(3ml)中に懸濁し、50℃で1時間撹拌した。残渣を真空で濃縮して、2-クロロ-6-メチル-N-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(50mg、収率86.67%)を黄色固体として得た。粗生成物をさらに精製しないで次工程で使用した。
LCMS: (ESI) m/z=413.24(M+H)+;RT=1.88分。
工程2:2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-N-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3)
2-クロロ-6-メチル-N-フェニル-7-トシル-7H-ピリジノール[2,3-d]-4-アミノピリミジン(50mg、0.12mmol)、(2-フルオロフェニル)ボロン酸(50mg、0.36mmol)、Pd(dppf)Cl2(9mg、0.012mmol)及びK3PO4(51mg、0.24mmol)を、それぞれ、25ml丸底フラスコに充填した。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。窒素雰囲気下、窒素雰囲気下100℃で一夜、反応を行った。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:1)により精製を行い、2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-N-フェニル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(7、40mg、収率70.62%)を得た。LCMS: (ESI) m/z=473.33(M+H)+;RT=1.96分。
工程3:2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-N-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60185)
25ml丸底フラスコに、2-(2-フルオロフェニル)6-メチル-N-フェニル-7-メチルスルホニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(40mg、0.08mmol)を、TBAF(1ml、1.0Mテトラヒドロフラン溶液)及びテトラヒドロフラン(2ml)に溶解し、混合物を、50℃で8時間撹拌した。残渣を、自動フラッシュにより真空で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:メタノール=97:3)により精製して、白色固体2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-N-フェニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(10mg、EPT60185、収率39.31%)を得た。
LCMS: (ESI) m/z=319.21(M+H)+;RT=1.52分。
1H NMR(400MHz,dmso) δ 11.76(s,1H),9.23(s,1H),8.05~7.95(m,3H),7.46(dd,J=12.5,5.9Hz,1H),7.30(dt,J=8.2,6.7Hz,4H),6.98(t,J=7.3Hz,1H),6.51(s,1H),2.39(s,3H)。
実施例51
Figure 2022530371000081
工程1:N-シクロペンチル-2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(3)
2-クロロ-N-シクロペンチル-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(100mg、0.25mmol)、(2-フルオロフェニル)ボロン酸(105mg、0.75mmol)、Pd(dppf)Cl2(18mg、0.025mmol)及びK3PO4(106mg、0.5mmol)を、25ml丸底フラスコに添加した。混合物を、ジオキサン(5ml)及びH2O(1ml)中に懸濁した。窒素雰囲気下、窒素雰囲気下100℃で一夜、反応を行った。溶媒を減圧下除去し、自動フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=60:40)により精製を行い、N-シクロペンチル-2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(7、100mg、収率94.83%)を得た。
LCMS: (ESI) m/z=465.37(M+H)+;RT=1.99分。
工程2:N-シクロペンチル-2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60186)
25ml丸底フラスコに、N-シクロペンチル-2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-7-メチルスルホニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(40mg、0.09mmol)を、TBAF(1ml、1.0Mテトラヒドロフラン溶液)及びテトラヒドロフラン(2ml)に溶解し、混合物を、50℃で8時間撹拌した。残渣を、自動フラッシュにより真空で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:メタノール=97:3)により精製して、白色固体N-シクロペンチル-2-(2-フルオロフェニル)-6-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(EPT60186、25mg、収率38.4%)を得た。
LCMS: (ESI) m/z=311.21(M+H)+;RT=1.34分。
1H NMR(500MHz,DMSO) δ 11.42(s,1H),7.97(td,J=7.8,1.7Hz,1H),7.44~7.37(m,1H),7.28~7.19(m,2H),7.09(d,J=6.9Hz,1H),6.28(d,J=0.9Hz,1H),4.48(dd,J=13.8,6.9Hz,1H),2.32(s,3H),2.01(dd,J=9.3,5.4Hz,2H),1.72(s,2H),1.56(d,J=4.6Hz,4H)。
生物学的実施例
実施例52.IDH2/R140Qに対する化合物の阻害活性の決定
この実施例では、IDH2/R140Qに対する化合物の阻害活性を、補助因子NADPHの還元の測定によって決定した。化合物を、IDH2/R140Q及びNADPHと共にインキュベートし、次いで、反応をα-KGの添加により開始した。線形条件下反応の特定の時間後、リポアミド脱水素酵素及び対応する基質レサズリンを検出用に添加した。リポアミド脱水素酵素は、利用可能な補助因子NADPHを減算することによってIDH2/R140Q反応を停止した。これは、NADPHをNADPに酸化し、レサズリンを高蛍光性レゾルフィンに還元した。レゾルフィンの生成を検出して特定の反応時間後に残存する補助因子NADPHの量を定量した。
詳細には、96ウェルプレートで、50μLの全反応体積において、トリス-HCl 50mM(pH7.5)、150mM NaCl、10mM MgCl2、BSA 0.05%、10%グリセロール、及び2.5mM β-メルカプトエタノールを含む反応バッファ中1.2nM IDH2/R140Q、段階希釈された阻害剤、及び5μM NADPHの混合物を、25℃で16時間プレインキュベートした。α-KGを1mMまで添加し、25℃で40分間反応を行った。次いで、上記反応バッファで調製された25μlの停止混合溶液(リポアミド脱水素酵素36μg/mL、レサズリン30μM)を添加し、残存NADPHを測定するためにレサズリンをレゾルフィンに転換した。25℃における10分のインキュベーション後、蛍光値を、Ex544/Em590下Tecan INFINITE F FLEXにより測定した。各化合物について10種の濃度における酵素活性を測定し、酵素がない場合の複数のバックグラウンドホール及び化合物がない場合の完全酵素活性ホールを反応において残留した。系内のジメチルスルホキシド濃度は2%以下であった。XLFit5ソフトウェア(IDBS Software)を用いて式:Y=100/(1+10^((LogIC50-X)*HillSlope))によってIC50値を得た。本実施例のマルチウェルプレートはThermo Fisher Scientificから購入し、NADPH、α-KG、リポアミド脱水素酵素、及びレサズリンはShenggong Bioengineering Co.,Ltd.から購入し、IDH2/R140QはAbcam(ab198153)から購入した。
本実施例に記載されている生物学的方法に従って、選択された本発明の化合物を分析し、結果を表2に示す。これらの中で、表2中の「A」は、≦100nMのIC50を有するIDH2/R140Qに対する阻害活性を表し;「B」は、100nM<IC50≦1μMを有するIDH2/R140Qに対する阻害活性を表し;「C」は、1μM<IC50≦10μMを有するIDH2/R140Qに対する阻害活性を表し;「D」は、IC50>10μMを有するIDH2/R140Qに対する阻害活性を表す。
Figure 2022530371000082
Figure 2022530371000083
Figure 2022530371000084
Figure 2022530371000085
結果は、本願に列挙された化合物は非常に良好なIDH2/R140Q阻害活性を有することを示す。これらの中で、活性レベルA及びBを有する化合物の阻害効果は極めて明白である。
実施例53.野生型IDH2(IDH2/WT)に対する化合物の選択性の決定
化合物を、IDH2/WT及びNADPと共にインキュベートし、次いで、反応をイソクエン酸の添加により開始した。線形条件下反応の特定の時間後、リポアミド脱水素酵素及びレサズリンを添加して蛍光物質量を検出した。本実験では、NADPはNADPHに還元された。後者は、リポアミド脱水素酵素の作用下、レサズリンを高蛍光性レゾルフィンに還元した。IDH2/WTに対する化合物の阻害効果を算出するために、レゾルフィンの生成を検出して特定の反応時間後に生成された補助因子NADPHの量を定量した。
詳細には、96ウェルプレートで、50μLの全反応体積において、トリス-HCl 20mM(pH7.5)、150mM NaCl、10mM MgCl2、10%グリセロール、0.03% BSA、及び2.5mM β-メルカプトエタノールを含む反応バッファ中0.6nM IDH2/WT、段階希釈された阻害剤、及び50μM NADPの混合物を、25℃で16時間プレインキュベートした。イソクエン酸を50μMまで添加し、25℃で30分間反応を行った。次いで、上記反応バッファで調製された25μlの混合溶液(リポアミド脱水素酵素36μg/mL、レサズリン30μM)を添加し、生成されたNADPHを測定するためにレサズリンをレゾルフィンに変換した。25℃における10分のインキュベーション後、蛍光値を、Ex544/Em590下Tecan INFINITE F FLEXにより測定した。各化合物について10種の濃度における酵素活性を測定し、酵素がない場合の複数のバックグラウンドホール及び化合物がない場合の完全酵素活性ホールを反応において残留した。系内のジメチルスルホキシド濃度は2%以下であった。XLFit5ソフトウェア(IDBS Software)を用いて式:Y=100/(1+10^((LogIC50-X)*HillSlope))によってIC50値を得た。方法では、マルチウェルプレートはThermo Fisher Scientificから購入し、NADP、α-KG、リポアミド脱水素酵素、及びレサズリンはShenggong Bioengineering Co.,Ltd.から購入し、IDH2/WTは大腸菌(E.coli)過剰発現後精製することによって得た。いくつかの化合物の試験結果を表3に示す。
Figure 2022530371000086
結果は、本発明の化合物が野生型IDH2(IDH2/WT)に対する活性をほとんど有さず、良好な選択性を有することを示す。
実施例54.細胞レベルにおける変異型IDH2活性の阻害の検出
2-ヒドロキシグルタル酸脱水素酵素(2HGDH)は、2-HGの存在下でNAD+をNADHに還元することができる。後者は、ジアホラーゼ及びその基質レサズリンによって定量的に検出することができる。
IDH2/R140Q変異を過剰発現する神経膠腫細胞U87MGを、1%ピルビン酸ナトリウム高糖MEM、10%FBS中で培養し、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2、95%空気)中に培養するために入れた。
細胞を、トリプシンで消化させ、200μLの培地を用いて1×104の密度で96ウェルプレート中に播種し、37℃のインキュベーターにおいて一夜培養した。翌日、試験化合物を、DMSOに対して0.1%の最終濃度まで添加した。培養24時間後、100μLの培地を吸引し、10KD Nanosep(登録商標)限外ろ過(PALLから購入)1を使用して、4000gで10分間遠心分離した。結果を妨げる可能性がある培地中のタンパク質及び他の成分をろ過し、追跡方法を使用して2-HG含有量を検出した。50μLのCellTiter-Glo(Promegaから購入)を残った100μLの培地を含む96ウェルプレートに添加して、細胞生存率を検出した。
細胞外2-HG検出システム:
(1)50μL反応系:反応バッファ(50mMトリス pH7.5、100mM NaCl、20mM MgCl2、0.05% BSA)、このバッファにおいて、NAD+の最終濃度が40μMであり、2HGDHの最終濃度が20nMであり、試験サンプルを5μLの培地に添加し;反応溶液を混合し、遠心分離し、反応を暗所において25℃で1時間行った;
(2)25μL発色系:発色バッファ(50mMトリス pH7.5、100mM NaCl、20mM MgCl2、0.05% BSA)、このバッファにおいて、ジアホラーゼの最終濃度が36μg/mLであり、レサズリンナトリウムの最終濃度が3μMであり;(1)の25μLの上記発色溶液を50μLの反応系に添加し、次いで、混合及び遠心分離し、励起544nm/発光590nmで蛍光測定を直ぐに行った。
2-HG検量線の作成:2-HG母液を反応バッファで20μMに希釈し、全6点について2倍勾配希釈を行った。後で、上記2-HGを細胞外2-HG検出システムに従って測定し、検量線を算出して描いた。
細胞外2-HG含有量の算出:
細胞外2-HG検出システムで得られた蛍光値を、2-HG検量線を用いて算出し、培地中の2-HG含有量を算出し、DMSOをネガティブコントロールとして使用して2-HG活性を産生するIDH2/R140Q変異に対する化合物の阻害を算出した。
本発明の選択された化合物を本実施例に記載されている方法に従って分析し、結果を表3に示す。これらの中で、表4中の「A」は、≦100nMのIC50を有する細胞レベルにおけるIDH2/R140Qに対する阻害活性を表し;「B」は、100nM<IC50≦1μMを有する細胞レベルにおけるIDH2/R140Qに対する阻害活性を表し;「C」は、1μM<IC50≦10μMを有する細胞レベルにおけるIDH2/R140Qに対する阻害活性を表し;「D」は、IC50>10μMを有する細胞レベルにおけるIDH2/R140Qに対する阻害活性を表す。
Figure 2022530371000087
Figure 2022530371000088
Figure 2022530371000089
試験化合物は、IDH2/R140Q変異細胞が比較的低濃度において2-HGの産生を阻害することができ、細胞レベルにおいて変異IDH2の活性に対する化合物の阻害効果を示すことを、結果は示している。
本発明に述べられている全文献は、あたかも各文献が参考文献として個々に引用されているかのように、本願において参考文献として引用されている。加えて、本発明の上記教示内容を読んだ後、当業者は、本発明に対して様々な変更又は修正を行うことができ、これらの均等な形態も本願の附属のクレームにより定義されている範囲内にあると理解されるべきである。

Claims (15)

  1. 式I:
    Figure 2022530371000090
    により表されるピリミド5員複素環化合物であって、前記式中、
    1は、存在しないか又は水素、ハロゲン、-CN、置換若しくは非置換C1~C8アルキル、置換若しくは非置換C2~C8アルケニル、置換若しくは非置換C2~C8アルキニル、置換若しくは非置換C3~C10シクロアルキルから選択され;
    2は、水素、ハロゲン、-CN、置換若しくは非置換C1~C8アルキル、置換若しくは非置換C2~C8アルケニル、置換若しくは非置換C2~C8アルキニル、置換若しくは非置換C3~C10シクロアルキル、置換若しくは非置換C1~C8アルコキシ、置換若しくは非置換C1~C8カルボキシ、置換若しくは非置換C2~C20エステル基、置換若しくは非置換C6~C10アリール、又はN、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有する置換若しくは非置換5~10員ヘテロアリールから選択され;
    Xは、N、O、S又はCR5から選択され;R5は、水素、ハロゲン、-CN、置換若しくは非置換C1~C8アルキル、置換若しくは非置換C2~C8アルケニル、置換若しくは非置換C2~C8アルキニル、又は置換若しくは非置換C3~C10シクロアルキルであり;
    1は、0、1、2、3、又は4であり;各Lは、独立して、存在しないか又はO、S、-CO-、-NH-若しくは-CH2-から選択され;
    2は、0、1又は2であり;各Zは、独立して、存在しないか又はO、S、-CO-、-NH-若しくは-CH2-から選択され;
    3は、水素、ハロゲン、-CN、置換若しくは非置換C1~C8アルキル、置換若しくは非置換C2~C8アルケニル、置換若しくは非置換C2~C8アルキニル、置換若しくは非置換C3~C10シクロアルキル、置換若しくは非置換C6~C10アリール、N、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有する置換若しくは非置換5~10員ヘテロアリール、N、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有する置換若しくは非置換4~8員複素環式基から選択され;
    4は、水素、ハロゲン、CN、置換若しくは非置換C1~C8アルキル、置換若しくは非置換C2~C8アルケニル、置換若しくは非置換C2~C8アルキニル、置換若しくは非置換C3~C10シクロアルキル、置換若しくは非置換C6~C10アリール、N、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有する置換若しくは非置換5~10員ヘテロアリールから選択され;
    特に明記されない限り、用語「置換(substituted)」は、次の基:ハロゲン、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、C3~C8シクロアルキル、ハロゲン化C3~C8シクロアルキル、オキソ、-CN、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、ベンジル、C6~C10アリール、ハロゲン化C6~C10アリール、N、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、N、S及びOから選択される1~3個のヘテロ原子を有するハロゲン化5~10員ヘテロアリールから選択される1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つなど)の置換基により置換されていることを表す、
    化合物、若しくは立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬剤的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物。
  2. 前記化合物は、式Ia:
    Figure 2022530371000091
    により表される構造であって、前記式中、
    1、R2、R3、R4、L、及びm1は、請求項1で定義されている通りである、
    構造を有する、請求項1に記載の化合物。
  3. LはNHであり、m1は1であり、Zは存在せず、m2は0である、請求項1に記載の化合物。
  4. 2は、メチル又はトリフルオロメチルである、請求項1に記載の化合物。
  5. 4は、フッ素置換フェニル基である、請求項1に記載の化合物。
  6. Xは、CR5であり、R5は、H、C1~C4アルキル、又はC3~C4シクロアルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  7. 前記化合物は、表1中の化合物#1、#2、#3、#4、#5、#6、#7、#8、#9、#10、#11、#12、#13、#14、#15、#16、#17、#18、#19、#20、#21、#22、#23、#24、#25、#26、#27、#28、#29、#30、#31、#32、#33、#34、#35、#36、#37、#38、#39、#40、#41、#42、#43、#44、#45、#46、#47、#48、#49、#50、若しくは#51、又はその薬剤的に許容可能な塩である、請求項1に記載の化合物。
  8. 前記化合物は、表1中の化合物#28、#48、#49、若しくは#51又はその薬剤的に許容可能な塩である、請求項1に記載の化合物。
  9. (1)請求項1に記載の化合物、若しくは立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬剤的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物;
    (2)薬剤的に許容可能な担体、
    を含む医薬組成物。
  10. 変異型IDH2により媒介される疾病の予防及び/又は治療用医薬製造のための請求項1に記載の化合物、若しくは立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬剤的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物、又は請求項9に記載の医薬組成物の使用。
  11. 前記変異型IDH2により媒介される疾病は、がんであり;好ましくは、前記がんは、膀胱がん、乳がん、腎がん、肝がん、肺がん(小細胞肺がんを含む)、食道がん、胆嚢がん、卵巣がん、膵がん、胃がん、子宮頸がん、甲状腺がん、前立腺がん及び皮膚がん(扁平上皮がんを含む);例えば、白血病、急性リンパ性細胞白血病、急性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫及びバーキットリンパ腫を含むリンパ系の造血器腫瘍;例えば、線維肉腫及び横紋筋肉腫を含む間葉系細胞由来腫瘍;例えば、急性及び慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群及び前骨髄球性白血病を含む骨髄造血器腫瘍;例えば、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、及びシュワン腫を含む中枢神経系及び末梢神経系腫瘍;並びに例えば、メラノーマ、セミノーマ、テラトーマ、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、甲状腺濾胞がん及びカポジ肉腫を含む他の腫瘍から選択される、請求項10の使用。
  12. 式Iの化合物の製造方法であって、前記方法は:
    Figure 2022530371000092
    (a)式(1)の化合物を、H-(L)m1-R3と反応させて、式(2)の化合物を製造することであって、H-(L)m1-R3は、R3により置換されているアミン化合物又はホウ酸化合物若しくはホウ酸塩化合物である、こと;
    Figure 2022530371000093
    (b)式(2)の化合物を、H-(Z)m2-R4と反応させて、式(I)の化合物を製造することであって、H-(Z)m2-R4は、R4により置換されているアミン化合物又はホウ酸化合物若しくは、ホウ酸塩若しくは有機スズ化合物である、こと、
    を含み、
    前記式中、R1、R2、R3、R4、L、Z、m1、m2は、請求項1で定義されている通りである、
    方法。
  13. 式Iaにより表される化合物の製造方法であって、前記方法は:
    Figure 2022530371000094
    (a1)式(1a)の化合物を、N-ブロモコハク酸イミド又はS-(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムテトラフルオロボレート(梅本試薬)と反応させて、式(2a)の化合物を製造すること;
    (b1)式(2a)の化合物を、ホウ酸化合物R2-B(OH)2と反応させて、式(Ia)により表される化合物を製造すること、
    を含み、
    前記式中、R1、R2、R3、R4、L、及びm1の定義は、請求項1で定義された通りである、
    方法。
  14. 変異型IDH2を含む腫瘍細胞増殖のインビトロ阻害方法であって、前記方法は:請求項1~8に記載の化合物、若しくは立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬剤的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物、又は請求項9に記載の医薬組成物を、変異型IDH2と接触させて、それにより、前記変異型IDH2の活性を阻害することを含む、方法。
  15. 変異型IDH2により媒介される疾病の予防及び/又は治療方法であって、前記方法は:請求項1~8に記載の化合物、若しくは立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬剤的に許容可能な塩、水和物若しくは溶媒和物、又は請求項9に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
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