JP6726599B2 - コンクリートキャスクおよびコンクリートキャスクの熱回収方法ならびにコンクリートキャスクの温度制御方法 - Google Patents

コンクリートキャスクおよびコンクリートキャスクの熱回収方法ならびにコンクリートキャスクの温度制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、キャニスタに収容された使用済核燃料を長期間貯蔵するためのコンクリートキャスクであって、崩壊熱の有効利用を図ることができるコンクリートキャスクおよびコンクリートキャスクの熱回収方法ならびにコンクリートキャスクの温度制御方法に関する。
コンクリートキャスクから使用済燃料の崩壊熱を冷却する技術として、特許文献1に、コンクリートキャスクの構造が開示されている。
特開2000−065993号公報 このコンクリートキャスクは、空冷式で、キャスク本体の底部に開口形成された空気導入口から、キャニスタの外周部の冷却通路を通って、キャスク本体の上部に開口形成された空気排出口に排出するものである。
上記キャスクは、キャニスタの崩壊熱を利用した自然循環式の空冷構造であるため、貯蔵庫や貯蔵ヤードの周辺雰囲気温度に依存している。しかしながら、キャニスタの状態や設置環境を考慮し、崩壊熱の有効利用可能なものや温度管理可能なものが望ましい。
本発明は上記問題点を解決して、崩壊熱による排熱の有効利用と排熱管理可能なコンクリートキャスクおよびコンクリートキャスクの熱回収方法ならびにコンクリートキャスクの温度制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係るコンクリートキャスクは、使用済燃料を収容した金属製のキャニスタと、このキャニスタを覆うコンクリート製のキャスク本体と、キャニスタとキャスク本体の間に形成された流体通路とを具備し、キャニスタと流体通路の間に、流体通路を流れる伝熱流体とキャニスタにそれぞれ接する複数の熱電変換素子を具備した熱電変換モジュールを設け、前記伝熱流体とキャニスタとの温度差により、前記熱電変換モジュールによりセーベック効果を利用して発電した電気エネルギを、前記熱電変換モジュールから取り出す発電回路を有し、給電によるペルチェ効果を利用して熱電変換モジュールによりキャニスタを加熱する給電回路と、発電回路を切り替える回路切替装置を備えた、ことを特徴とする。
上記構成によれば、熱電変換モジュールにより伝熱流体とキャニスタとの温度差により発電するので、キャニスタの崩壊熱を熱変換して効果的に冷却できるとともに、排熱エネルギを電気エネルギに変換して取り出し有効利用することができるとともに、崩壊熱の熱量が低下した時には、給電回路から熱電変換モジュールに給電してキャニスタを加熱し、温度低下による結露などに起因するキャニスタの腐食を未然に防止することができる
また上記構成において、流体通路に伝熱流体を強制的に送る流送装置を備え、発電回路から取り出された電気エネルギにより前記流送装置が駆動されることが望ましい。発電回路から取り出された電気エネルギにより流送装置を駆動して冷却空気を強制循環させることにより、冷却効率をさらに向上させることができる。
本発明に係るコンクリートキャスクにおける温度制御方法は、使用済燃料を収容した金属製のキャニスタと、このキャニスタを覆うコンクリート製のキャスク本体と、キャニスタとキャスク本体の間に形成された流体通路とを具備したコンクリートキャスクにおける温度制御方法であって、キャニスタおよび流体通路の伝熱流体にそれぞれ接する複数の熱電変換素子を具備した熱電変換モジュールを設け、キャニスタの高温時に、キャニスタと伝熱流体の温度差によりセーベック効果を利用して発電した電気エネルギを前記熱電変換モジュールから取り出し、キャニスタの低温時に、前記熱電変換モジュールに給電してペルチェ効果によりキャニスタを加熱することを特徴とする。
上記構成によれば、崩壊熱の熱量が大きい時には、熱電変換モジュールにより排熱を電気に変換して給電回路から回収し排熱エネルギの有効利用を図り、崩壊熱の熱量が低下した時には、給電回路から熱電変換モジュールに給電してキャニスタを加熱し、温度低下による結露などに起因するキャニスタの腐食を未然に防止することができる。
本発明に係るコンクリートキャスクによれば、熱電変換モジュールにより、キャニスタから発生した崩壊熱と伝熱流体との温度差を利用して、崩壊熱を効果的に吸熱変換してキャニスタを効果的に冷却できるとともに、排熱エネルギを電気エネルギとして回収し有効利用することができるとともに、崩壊熱の熱量が低下した時には、給電回路から熱電変換モジュールに給電してキャニスタを加熱し、温度低下による結露などに起因するキャニスタの腐食を未然に防止することができる
さらにコンクリートキャスクにおける温度制御方法によれば、崩壊熱の熱量が大きい時には、熱電変換モジュールにより排熱エネルギの有効利用を図り、崩壊熱の熱量が低下した時には、熱電変換モジュールに給電してキャニスタを加熱し、温度低下による結露などに起因するキャニスタの腐食を防止することができる。
本発明に係るコンクリートキャスクの実施例を示す縦断面図図である。 図1に示すA−A断面図である。 コンクリートキャスクを切り欠いた斜視図である。 コンクリートキャスクの熱電変換モジュールの設置状態を示す部分拡大縦断面図である。 (a),(b)は熱電変換モジュールの回路図である。 熱電変換モジュールの設置状態を示す分解斜視図である。 伝熱材である皺状金属箔を示す斜視図である。 (a)〜(d)は皺状金属箔の装着前、装着後の側面端面図を示し、(a)は平坦面への取付前、(b)は平坦面への取付加圧後、(c)は凸面への取付前、(d)は凸面への取付加圧後を示す。 天井面への熱電変換モジュールの取付を説明する斜視図である。 胴部側面への熱電変換モジュールの取付を説明する斜視図である。 使用済核燃料の発熱量と貯蔵(冷却)期間の関係を示すグラフである。
[実施の形態]
図11に示すように、使用済核燃料の長期の貯蔵期間では、初期に崩壊熱の発熱量が大変多いが、2〜5年の貯蔵期間を経ると崩壊熱の発熱量が急激に低下し、8〜10年前後で低い状態で安定して推移することがわかっている。
使用済核燃料を密閉して収容するキャニスタは、耐腐食性のオーステナイトステンレス鋼により製造されている。使用済核燃料を開口部から有底状の胴部内に収容した後、胴部の開口部が天板により閉鎖されると、胴部と天板の境界部がレーザ溶接により接合され密閉される。
このコンクリートキャスクでは、崩壊熱を利用してキャニスタ周囲に冷却空気(伝熱流体)を自然循環させ、キャニスタを冷却する。ところで、国内では、コンクリートキャスクは船による輸送が行われ、その貯蔵施設は沿岸部に設けられることが多い。このため、冷却空気に海塩粒子が含まれることが知られている。
レーザ溶接したオーステナイトステンレス鋼(SUS304L,SUS306Lなど)には、引張り残留応力が発生する。このため、キャニスタの製造後に、ピーニングやバニシングにより圧縮残留応力を与えて残留応力の軽減処理が行われる。
しかしながら、冷却空気に海塩粒子が含まれ、キャニスタの表面温度が100℃以下(30℃以上)で相対湿度が15%以上の場合、海塩粒子が液化・潮解して溶接部に付着し、結露する。これにより、多湿状態となり、塩化物イオンが発生して残留引張応力による応力腐食割れ(以下、SCCという)が発生する恐れがあるという問題があった。このため、コンクリートキャスクによりキャニスタに収容された使用済核燃料を長期間貯蔵する場合、SCCを未然に防止できる対策が要請されている。
[実施例1]
(コンクリートキャスク)
以下、本発明に係るコンクリートキャスクの実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、コンクリートキャスク11は、遊底筒状のコンクリート製のキャスク本体12と、キャスク本体12の上面開口部を覆う上蓋13とを具備し、キャスク本体12内にキャニスタ14が収容される。キャニスタ14は、円柱体状の金属(SUS304L,SUS306Lなど)製で、その内部には、平面視格子状の仕切り板を介して複数の使用済核燃料15が収容されている。
キャスク本体12は、コンクリート躯体16の各表面がそれぞれ金属製スキンプレート17で覆われ、内部にキャニスタ14の収容室18が形成されている。この収容室18の内周面には、キャニスタ14を外周側から支持して倒れ止めするキャニスタ支持材19が突設されている。また、収容室18の底部にキャニスタ14を下方から支持して固定するとともに、冷却空気の流動を許容する着座部材20が設置されている。前記キャニスタ支持材19は、たとえば図2に示すように、収容室18の内周面に、平面視でH型断面の鋼材が一定間隔ごとに突設されている。そしてキャニスタ支持材19間の空間が冷却空気(伝熱流体)が下方から上方に流れる外周冷却通路(流体通路)21に構成されている。
キャスク本体12には、底部外周に、たとえば90度ごとの4か所に流体導入口22が形成され、またキャスク本体12の上部で上面開口部外周近傍に、たとえば90度ごとの4か所に流体排出口23が形成されている。そして、流体導入口22から導入された冷却空気が直接、または着座部材20間に形成された底部冷却通路(冷却通路)を通り、外周冷却通路21から流体排出口23に送られて排出される。また外周冷却通路21から冷却空気(伝熱流体)がキャニスタ14の天蓋14rとコンクリートキャスク11の上蓋13の間の天井冷却通路(流体通路)24に流入され流体排出口23から排出される。これは、キャニスタ14から発生する崩壊熱により、流体導入口22から流体排出口23に自然循環されるからであり、これによりキャニスタ14から放出される崩壊熱を吸収して冷却する。
なお、これら流体導入口22および流体排出口23は、途中で折れ曲がる段差部22a,23aがそれぞれ形成されることにより、キャニスタ14から漏洩した放射線を遮断することができる。
図1において、25は流体導入口22またはその近傍に設置された吸引ファン(流送装置)、26は流体排出口22にまたはその近傍に設置された排気ファン(流送装置)である。27はキャニスタ14の表面温度を検出する温度センサで、たとえばキャニスタ14の下端側胴部の表面を測定するように設置される。28は、冷却通路21,24に設置された照明ランプで、ロボットやファイバースコープを使用して内部点検を実施する時に点灯させ使用するものである。
(熱電変換モジュール)
図1〜図3、図9および図10に示すように、一方の面がキャニスタ14の天蓋14rまたは胴部14bに接し、他方の面が冷却空気に接する同一構造の熱電変換モジュール30A,30Bが配置されている。
熱電変換モジュール30A,30Bは、図5(a)に示すように、P型半導体素子32とN型半導体素子33の厚み方向の一面を高温のキャニスタ14側に配置されて熱伝導され、厚み方向の他面を低温の冷却空気側に配置されて熱伝導され、それぞれの温度差を利用したゼーベック効果により、熱エネルギを電気エネルギに変換して、発電回路38から取り出し、吸引ファン25や排気ファン26を駆動したり、内部点検時に照明ランプ28を点灯して、崩壊熱による排熱エネルギの有効利用を図るものである。
またこの実施例では、図5(b)に示すように、熱電変換モジュール30A,30Bに給電して、ペルチェ効果によりキャニスタ14を加熱し、キャニスタ14の表面温度を100℃以上に保持することにより、冷却空気に含まれる海塩粒子が含まれる海水が液化・潮解してキャニスタ14の表面に付着し、結露するのを防止して、SCCの発生を未然に防止することができる。
すなわち、熱電変換モジュール30A,30Bは、P型半導体素子32およびN型半導体素子33と、P型半導体素子32およびN型半導体素子33の一面に配置されて互いに接続する一方の電極34と、P型半導体素子およびN型半導体素子の他面にそれぞれ配置された他方の電極35A,35Bとを有するモジュール本体31と、モジュール本体31の一方の面で電極34側に絶縁部材を介して配置されるか、または絶縁材料で形成された第1熱伝導体36と、モジュール本体31の他方の面で電極35A,35Bに絶縁部材を介して配置されるか、または絶縁材料で形成された第2熱伝導体37と、を具備している。ここで、第2熱伝導体37、電極35、半導体素子32,33、電極34および第1熱伝導体36は、図示しない絶縁性および低熱伝導性の締結具、たとえば樹脂製ボルトなどにより一体に組み立てられて互いに密着されている。なお、ここで第2熱伝導体37は、図示しないが、冷却空気の接触面積が大きい冷却フィン構造を採用してもよい。
(モジュールの取付構造)
ここで、同一部材には同一符号を付して説明は省略する。図4、図5、図9に示すように、熱電変換モジュール30Aをキャニスタ14の天蓋14rに取り付ける天部取付治具50は、たとえば図9に示すように、上蓋13の内面に設置される受圧板51と、受圧板51を反力受けとし第2熱伝導体37を介して熱電変換モジュール30Aを天蓋14r側に押し付ける複数のコイルばねからなる押圧部材52と、第1熱伝導体36と天蓋14rとの間に介在された皺状金属箔からなる伝熱材53と、を具備している。そして、伝熱材53は、押圧部材52により所定以上の加圧力で第2熱伝導体37と天蓋14rとの間で加圧圧縮されている。
図5、図10に示すように、熱電変換モジュール30Bをキャニスタ14の胴部14bの外周面に取り付ける胴部取付具55は、たとえば図10に示すように、外周部に着脱自在に配置される拘束具である金属性または樹脂製の薄板状の分割バンド56と、分割バンド56の内面に設置された受圧板51と、この受圧板51を反力受けとし第2熱伝導体37を介して熱電変換モジュール30Bを胴部14b側に押し付ける複数のコイルばねからなる押圧部材52と、第1熱伝導体36と胴部14bとの間に介在された皺状金属箔からなる伝熱材53と、を具備している。そして、伝熱材53は、押圧部材52により所定以上の加圧力で第2熱伝導体37と天蓋14rとの間で加圧圧縮されている。
(伝熱材)
ところで、面と面とが接する伝熱面が、完全な平坦面や平滑面でない場合、熱伝導性能が低い。たとえば特開2003−179273号公報には、モジュール本体と熱伝導体との界面に熱伝導グリースを塗布するものが提案されている。また特開2012−195441号公報には、モジュール本体と熱伝導体との間に多孔質金属部材を挟み込むものが提案されている。
しかしながら、本発明者は、熱伝導グリースは、シリコン樹脂を含有するものも見られ、熱伝導性能があまり良好でなく、また耐熱性が低く、高温の発熱体には適さないことを見出した。そして、多孔質金属部材を挟み込む場合、加圧圧縮されても微細な凹凸の隙間や変化の激しい凹凸に密着して追従することができず、空孔部分が生じて伝熱経路を遮断するおそれがあり、良好な熱伝導が期待できないことも見出した。
このため、熱伝導グリースに替えて、より高熱伝導の伝熱材を開発した。すなわち、高熱伝導性の箔状金属を用い、箔状金属に不規則な多数の皺を人為的に形成した皺状金属箔を、単数または複数枚重ねて、熱電変換モジュールに取り付けられた熱伝導体と発熱体(冷熱体)との界面に挟み込み、加圧して圧縮する伝熱材53である。この伝熱材53により、皺状金属箔は、熱伝導体や発熱体の伝熱面の微細な凹凸や面の変化に追従して密着し、かつ多数の皺間にできる空隙を無くして多数の伝熱経路が形成され、きわめて良好な伝熱材料となる。
たとえばアルミニウム箔を手で皺くちゃに圧縮した後、再度引き延ばして、ほぼ均一な厚みを有する伸縮性板状に形成することで高伝熱性の伝熱材53を得ることができる。ここで金属箔は、たとえば0.006mm〜0.5mmの厚みで、展伸性の高く柔軟性、可撓性で塑性変形するものが好適である。たとえば図7に示すように、厚み:Tが0.05mmのアルミニウム箔AFの場合、平面視でたとえば一辺:Mが500mmの正方形のものを、手で圧縮して多数の凹凸状の襞や皺を形成した後に再度延ばし、一辺:mが50mm〜150mm程度で厚み(山谷の高さ):tが5mm〜15mmの矩形板状に成形し、これを加圧圧縮して伝熱材53として使用する。ここで成形される皺は、均等に並ぶものより、縦横に交差して不均一に形成されるものが好ましい。また発熱体の表面性状により、皺状金属箔の厚みや重ね枚数が選択される。たとえばほぼ平坦な表面で微細の加工痕程度の発熱体であれば、単数の皺状金属箔でもよいが、平坦な表面に傷跡や溶接線、小さい段部があるような場合には皺状金属箔を複数枚、2〜4枚程度を重ねればよい。また平坦な表面でなく、凹凸部や段差が大きかったり、湾曲面や波状面などの場合には、皺状金属箔を5枚以上を重ねることにより、十分な伝熱性能を確保することができる。
また皺状金属箔の材質として、熱伝導率が150W/m・K以上のたとえば銀やアルミニウム、銅、その合金などの金属箔が最適であるが、熱伝導率が80W/m・K以上のジュラルミン、銅合金(黄銅など)、亜鉛、タングステン、モリブデン、マグネシウムやその合金などの金属箔も好適である。また、熱伝導グリースが最大300℃の耐熱温度であるのに対して、これら皺状金属箔、たとえばアルミニウムでは600℃の耐熱温度で十分な耐熱性が得られるため、焼却炉の壁面や排ガスダクトなど、高温の発熱体にも適している。
図8(a)(b)に示すように、キャニスタ14は、有底円筒状のキャニスタ本体14aに上面開口部が形成され、天蓋14rにより上面開口部が閉鎖されてレーザ溶接により密閉されているため、天蓋14rを含む天井面には、多数の凸条など凹凸状溶接線や段部などが形成されている。このためこれら凹凸部を吸収できるように十分な高さに形成して十分な変形量を確保した皺状金属箔からなる伝熱材53を使用する。これを所定以上の加圧力で圧縮することにより、天蓋14rの凹凸部を吸収して熱電変換モジュール30Aの平坦な第1熱伝導体36の表面と天蓋14rとを良好に密着させ、十分な伝熱性能を得ることができる。
また図8(c)(d)に示すように、キャニスタ本体14aの胴部14bは、外周面が曲率半径の大きい湾曲面(円弧面)状に形成されているため、熱電変換モジュール30Bの平坦な第1熱伝導体36の表面との間で加圧された伝熱材53は中央部が凹むことになる。このような場合、皺状金属箔を曲率半径に対応した複数枚を重ねて十分な厚みで変形量の大きい伝熱材53として所定以上の加圧力で圧縮することにより、平坦な第1熱伝導体36と湾曲面状の胴部14bとを良好に密着させ、十分な伝熱性能を得ることができる。
(発電回路)
図5(a)に示すように、前記発電回路38は、他方の電極35A,35Bの両端部にそれぞれ接続され、流体導入口22や流体排出口23から外部に取り出された正極リード線38aおよび負極リード線38bと、正極リード線38aから回路切替スイッチ(回路切替装置)41を介して吸気ファン25および/または排気ファン26の直流モータの電源端子に接続された正極ライン38cと、負極リード線38bから吸気ファン25および排気ファン26の直流モータMの電源端子に接続された負極ライン38dと、正極ライン38cから分岐され照明用スイッチ42を介して照明ランプ28に接続された照明ライン38eと、を具備している。
したがって、コンクリートキャスク11により使用済核燃料15を冷却貯蔵開始から数年間、崩壊熱による発生熱量が高くキャニスタ14が高温状態では、温度センサ27の検出信号に基づいて操作器付のコントローラ40により、回路切替スイッチ41がa接点に操作され、正極リード線38aと正極ライン38cとが接続される。これにより、熱電変換モジュール30A,30Bでゼーベック効果によりキャニスタ14と冷却空気の温度差を利用して発電した電気エネルギを、発電回路38を介して取り出し、キャニスタ14を効果的に冷却することができる。また回収した電気エネルギにより、吸気ファン25および排気ファン26を駆動して冷却空気量を増加させ、キャニスタ14をさらに効果的に冷却することができる。なお、回収した電気エネルギを蓄電装置に蓄電して貯蔵施設の他の電機設備に使用することができる。
(給電回路)
先に述べたように、使用済核燃料15を冷却貯蔵開始から8〜10年前後以上が経過して、温度センサ27により検出されたキャニスタ14の表面温度が低下した時に、温度センサ27の検出信号に基づいて、操作器の手動操作に基づいてコントローラ40が操作され、回路切替スイッチ41が操作されて給電回路43が使用される。
給電回路43は、図5(b)に示すように、発電回路38と共用の正極リード線38a、負極リード線38bおよび回路切替スイッチ41に加えて、外部直流電源44の正極端子と回路切替スイッチ41のb端子に接続された給電ライン(+)45aと、外部直流電源44の負極端子と負極リード線38bとを接続する給電ライン(−)45bとを具備している。
したがって、崩壊熱による発生熱量が低下してキャニスタ14が低温状態、湿度やその他の貯蔵施設内の条件などから、90〜120℃の間から選択された切替温度である110℃となると、温度センサ27の検出信号に基づいて、コントローラ43により回路切替スイッチ41がb接点に操作され、給電ライン(+)43aと正極リード線38aが接続される。これにより、外部直流電源44から熱電変換モジュールの電極34,35に給電され、ペルチェ効果により電気エネルギが熱エネルギに変換され、キャニスタ14が加熱される。これにより、冷却空気に含まれる水分の液化や海塩粒子の潮解を未然に防止してSCCの発生を未然に防止することができる。
ここで、キャニスタ14の全体に配置された熱電変換モジュール30A,30Bに給電したが、特に溶接線が集中してSCCが発生しやすい天蓋14r部分の熱電変換モジュール30Aにのみ給電してもよい。
(実施例の効果)
上記実施例によれば、冷却通路21,24の冷却空気とキャニスタ14との温度差により、セーベック効果を利用して熱電変換モジュール30A,30Bで発電するので、使用済核燃料によりキャニスタ14から発生する崩壊熱を熱変換してキャニスタ14を効果的に冷却できるとともに、排熱エネルギを電気エネルギに変換して取り出し、冷却空気用のファン25,26や照明ランプ28の電源として有効利用することができる。
また上記構成において、外周冷却通路21や天井冷却通路24に冷却空気を強制的に送る吸気ファン25や排気ファン26を備え、発電回路38から取り出した電気エネルギにより吸気ファン25や排気ファン26を駆動して、冷却空気を強制循環させることにより、キャニスタ14の冷却効率をさらに向上させることができる。
さらに上記構成において、崩壊熱による発生熱量が低下すると、キャニスタ14の温度を計測する温度センサ27の検出信号に基づいて、冷却空気に含まれる水分や塩分によりキャニスタ14の表面に、水分の凝縮や海塩粒子の潮解が生じやすい切替温度になると、コントローラ40により回路切替スイッチ41を操作して発電回路38から給電回路43に切り替える。これにより、外部直流電源44から熱電変換モジュール30A,30Bの電極34,35に給電されると、熱電変換モジュール30A,30Bではペルチェ効果により電気エネルギが熱エネルギに変換され、キャニスタ14が加熱される。これにより、冷却空気に含まれる水分の凝縮や海塩粒子の潮解を防止してSCCの発生を未然に防止することができる。
また、高熱伝導性の皺状金属箔からなる伝熱材53を、単数または複数枚重ねて、熱電変換モジュール30A,30Bの第1熱伝導体36とキャニスタ14との界面に挟み込み、加圧して圧縮したので、皺状金属箔では、キャニスタ本体14aの胴板14bや天蓋14rの表面の微細な凹凸や面の変化に追従して密着し、かつ多数の皺の間に生じる空隙を無くして多数の伝熱経路が形成される。したがって、伝熱材53により第1熱伝導体36とキャニスタ14の熱伝導特性をきわめて良好にすることができ、キャニスタ14から熱電変換モジュール30A,30Bへの熱伝導、または熱電変換モジュール30A,30Bからキャニスタ14への熱伝導を高い熱伝導率で効率よく行うことができる。
なお、上記実施例では、冷却通路21,24の伝熱流体を冷却空気としたが、冷却空気に替えて冷却水を循環させ、吸気ファン25および排気ファン26を給気ポンプおよび排気ポンプとしてキャニスタ14を冷却することもできる。
11 コンクリートキャスク
12 キャスク本体
13 上蓋
14 キャニスタ
14a キャニスタ本体
14b 胴部
14r 天蓋
15 使用済核燃料
21 外周冷却通路(流体通路)
22 流体導入口
23 流体排出口
24 天井冷却通路(流体通路)
25 吸気ファン(流送装置)
26 排気ファン(流送装置)
27 温度センサ
28 照明ランプ
30A,30B 熱電変換モジュール
38 発電回路
38a 正極リード線
38b 負極リード線
38c 正極ライン
38d 負極ライン
38e 照明ライン
40 コントローラ
41 回路切替スイッチ
42 照明用スイッチ
43 給電回路
43a 正極給電ライン
43b 負極給電ライン
44 外部直流電源
45a 給電ライン(+)
45b 給電ライン(−)
50 天部取付治具
55 胴部取付治具

Claims (3)

  1. 使用済燃料を収容した金属製のキャニスタと、このキャニスタを覆うコンクリート製のキャスク本体と、キャニスタとキャスク本体の間に形成された流体通路とを具備し、
    キャニスタと流体通路の間に、流体通路を流れる伝熱流体とキャニスタにそれぞれ接する複数の熱電変換素子を具備した熱電変換モジュールを設け、
    前記伝熱流体とキャニスタとの温度差により、前記熱電変換モジュールによりセーベック効果を利用して発電した電気エネルギを、前記熱電変換モジュールから取り出す発電回路を有し、
    給電によるペルチェ効果を利用して熱電変換モジュールによりキャニスタを加熱する給電回路と、発電回路を切り替える回路切替装置を備えた、
    ことを特徴とするコンクリートキャスク。
  2. 請求項1記載のコンクリートキャスクであって、
    流体通路に伝熱流体を強制的に送る流送装置を備え、
    発電回路から取り出された電気エネルギにより前記流送装置が駆動される
    ことを特徴とするコンクリートキャスク。
  3. 使用済燃料を収容した金属製のキャニスタと、このキャニスタを覆うコンクリート製のキャスク本体と、キャニスタとキャスク本体の間に形成された流体通路とを具備したコンクリートキャスクにおける温度制御方法であって、
    キャニスタおよび流体通路の伝熱流体にそれぞれ接する複数の熱電変換素子を具備した熱電変換モジュールを設け、
    キャニスタの高温時に、キャニスタと伝熱流体の温度差によりセーベック効果を利用して発電した電気エネルギを前記熱電変換モジュールから取り出し、
    キャニスタの低温時に、前記熱電変換モジュールに給電してペルチェ効果によりキャニスタを加熱する
    ことを特徴とするコンクリートキャスクにおける温度制御方法。
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