JP6726321B2 - テトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)の製造方法 - Google Patents

テトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)の製造方法 Download PDF

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Description

現代有機化学から、とりわけ不飽和C原子間の結合形成のための遷移金属触媒作用によるクロスカップリング反応をもはや除いて考えることはできない。例えば、ここでは抗生物質のバンコマイシンのような作用物質を製造するためのスズキカップリング、または共役ポリマーを製造するためのスティルカップリングが挙げられる。このために断然、遷移金属触媒としてPd(0)錯体が最も頻繁に使用される。Pd(0)錯体の重要な種類は、例えばテトラキス(トリフェニルホスファン)パラジウム(0)のようなパラジウム(0)トリアリールホスファン錯体である。
テトラキス(トリフェニルホスファン)パラジウム(0)の合成は、Coulson, Tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0), Inorganic Synthesis; 1972, 121-123頁から公知である。この場合、PdCl2およびPPh3から出発してDMSO溶液中でヒドラジン水和物を用いて、錯体である酸化状態(0)のPdを有するテトラキス(トリフェニルホスファン)パラジウムが得られる。ヒドラジン水和物および他のヒドラジン誘導体は毒性でありかつ発がん性であることがあるので、労働安全性を高めるために、反応体としてヒドラジン水和物およびヒドラジン誘導体を置き換えるという不断の努力がなされている。
国際公開第2010/128316号(WO 2010/128316)は、Pd(II)化合物を少なくとも1つの溶媒中で塩基および配位子L(PPh3)と反応させるヒドラジン水和物不含の製造方法を記載している。この収率は、この場合、典型的には66〜93%である。
本発明の課題は、できる限り高い収率を可能にし、かつヒドラジン水和物の使用を省く、テトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)の製造方法を開発することであった。
このため、Pd(II)化合物もしくはPd(IV)化合物を有機溶媒中で少なくとも1つの塩基および少なくとも1つの有機還元剤を用いて少なくとも1つのトリヒドロカルビルホスファン配位子と反応させる方法が提供される。
具体的には、この問題は、有機溶媒の50〜100質量%が少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒からなる有機溶媒中でのテトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)の製造方法において、
a)有機溶媒中に可溶であるパラジウム(II)化合物およびパラジウム(IV)化合物からなる群から選択される少なくとも1つのパラジウム化合物を、
b)アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属−C1〜C4−アルコラート、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属−C1〜C4−アルコラートおよび合計で2〜12の炭素原子を有するアルキルアミンからなる群から選択される少なくとも1つの塩基、
c)少なくとも1つのトリヒドロカルビルホスファン、および
d)この方法で使用されるその他の成分とは異なる少なくとも1つの有機還元剤
と反応させることを特徴とする、テトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)の製造方法により解決される。
成分b)との関連でおよびこれ以降で、成分d)との関連でも使用される「アルカリ金属」または「アルカリ土類金属」の概念はそれぞれ、リチウム、ナトリウムもしくはカリウムまたはマグネシウム、カルシウムもしくはバリウムを表す。
本方法により、テトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)は、ヒドラジン水和物を使用せずに、使用された少なくとも1つのパラジウム化合物中のパラジウムを基準として、95%を超える収率で製造することができる。
少なくとも1つの、好ましくは1つだけのパラジウム化合物は、有機溶媒中に可溶である酸化状態(II)および(IV)のパラジウム化合物から選択することができる。好ましくは、少なくとも1つのパラジウム化合物は、アルカリテトラハロゲノパラジウム(II)酸塩、アンモニウムテトラハロゲノパラジウム(II)酸塩、アルカリヘキサハロゲノパラジウム(IV)酸塩、アンモニウムヘキサハロゲノパラジウム(IV)酸塩、パラジウム(II)ハロゲン化物、硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)、ビス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(II)二ハロゲン化物、Pd(COD)Cl2(COD=シクロオクタジエン)、Pd(CH3CN)2Cl2、Pd(C65CN)2Cl2および酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される化合物である。ハロゲンは、塩素、臭素、またはヨウ素、ことに塩素または臭素であることができる。好ましい実施形態の場合に、パラジウム化合物はPdCl2である。
成分a)のアルカリテトラハロゲノパラジウム(II)酸塩およびアルカリヘキサハロゲノパラジウム(IV)酸塩との関連で使用される「アルカリ」の概念は、ナトリウムまたはカリウムを表す。
本発明の場合、有機溶媒は、少なくとも1つの、好ましくは1つだけの極性非プロトン性有機溶媒を50〜100質量%の量で、ことに90〜100質量%の量で、特別には100質量%含む。本発明の文脈で、「極性」は、150kJ/mol以上のET(30)値を有する溶媒を意味する。好ましくは、極性非プロトン性溶媒は、170kJ/mol以上のET(30)値を有する(ET(30)値については、C. Reichardt, Chem. Rev. 1994, 94, 2319 - 2358を参照)。好まし極性非プロトン性溶媒は、第三級カルボン酸アミド(例えばDMF)、スルホキシド(例えばDMSO)、ケトン(例えばアセトン)、ラクトン(例えばガンマ−ブチロラクトン)、ラクタム(例えばN−メチル−2−ピロリドン)、ニトリル(例えばアセトニトリル)、尿素誘導体、スルホン、カルボン酸エステル(例えば酢酸エチルエステル)および炭酸エステルからなる群から選択される。特に、DMF、DMSO、アセトン、ガンマ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸エチルエステルおよびアセトニトリルが好ましい。
少なくとも1つの極性非プロトン性有機溶媒の他に、少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒と混合する1つ以上の他の有機溶媒を使用することもできる。このような他の有機溶媒は、極性プロトン性溶媒(例えばアルコール)および無極性溶媒(例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン)の群から選択することができる。好ましい極性プロトン性溶媒は、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノールおよびベンジルアルコールのようなアルコールである。1つ以上の他の有機溶媒は、少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒についての上述の量の記載に対応して、全体の有機溶媒の0〜50質量%、ことに0〜10質量%、特別には0質量%となる。
少なくとも1つ、好ましくは1つだけの塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属−C1〜C4−アルコラート、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属−C1〜C4−アルコラートおよび全体で2〜12の炭素原子を有するアルキルアミンからなる群から選択することができる。水酸化物、ことにアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素塩、ことにアルカリ金属炭酸水素塩、例えば炭酸水素ナトリウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムおよびトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミンが好ましい。
ことに、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素塩、ことにアルカリ金属炭酸水素塩、例えば炭酸水素ナトリウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、トリエチルアミンが好ましく、特別には無機塩基、つまりアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素塩、ことにアルカリ金属炭酸水素塩、例えば炭酸水素ナトリウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムが好ましい。
一実施形態の場合に、少なくとも1つの、好ましくは1つだけの有機還元剤は、アスコルビン酸、ギ酸、ならびに上述の酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、還元性に作用するフェノール、例えばヒドロキノン、ピロカテキン、レゾルシン、ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノン、還元性に作用するフェノール誘導体および還元性に作用する糖、例えば単糖、二糖またはオリゴ糖からなる群から選択される。特に好ましい還元性に作用する糖は、マンノース、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトースおよびガラクトースである。有機還元剤として、アスコルビン酸およびギ酸、ことにアスコルビン酸が好ましい。少なくとも1つの有機還元剤は、本発明による方法で使用されたその他の成分(有機溶媒ならびに成分a)〜c)を含める)とは異なる。
少なくとも1つの、好ましくは1つだけのトリヒドロカルビルホスファンの3つのヒドロカルビル基は、非置換のおよび置換されたアリール基、開鎖アルキル基および環状アルキル基からなる群から、しかも任意の組合せで選択することができる。好ましくは、トリヒドロカルビルホスファンは、3つの同じヒドロカルビル基を有する。トリヒドロカルビルホスファンの置換されたアリール基は、それぞれ一置換、二置換または三置換されていてよい。アルキル置換基として、1〜10の炭素原子を有するアルキル置換基が好ましい。
一実施形態の場合に、これはそれぞれ1〜10の炭素原子を有する3つのアルキル基を有するトリアルキルホスファンである。トリアルキルホスファンのアルキル基は、同じまたは異なっていてよい。このようなトリアルキルホスファンの好ましいアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基およびアダマンチル基、ことにエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基およびシクロヘキシル基である。
好ましい実施形態の場合に、これはトリアリールホスファン、ことに非置換のトリフェニルホスファンである。
トリヒドロカルビルホスファンは、その他の点では、次のものからなる群から選択されていてもよい:フェニル−ジ−tert−ブチルホスファン、ジ−tert−ブチル−ネオペンチルホスファン、トリシクロヘキシルホスファン、トリ(tert−ブチル)ホスファン、トリス(パラ−トリル)ホスファン、トリス(オルト−トリル)ホスファン、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスファン、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスファン、1−アダマンチル−ジ−tert−ブチルホスファン、ベンジル−ジ−1−アダマンチルホスファン、n−ブチル−ジ−1−アダマンチルホスファン、シクロヘキシル−ジ−(tert−ブチル)ホスファン、シクロヘキシル−ジフェニルホスファン。
本発明の好ましい実施形態は、有機溶媒の50〜100質量%、好ましくは100質量%が、DMF、DMSO、アセトン、ガンマ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸エチルエステルおよびアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒からなる、ことに50〜100質量%、好ましくは100質量%がDMSOからなる有機溶媒中でのテトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)の製造方法において、
a)アルカリテトラハロゲノパラジウム(II)酸塩、アンモニウムテトラハロゲノパラジウム(II)酸塩、アルカリヘキサハロゲノパラジウム(IV)酸塩、アンモニウムヘキサハロゲノパラジウム(IV)酸塩、パラジウム(II)ハロゲン化物、硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)、ビス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(II)二ハロゲン化物、Pd(COD)Cl2(COD=シクロオクタジエン)、Pd(CH3CN)2Cl2、Pd(C65CN)2Cl2および酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される少なくとも1つのパラジウム化合物、ことにPdCl2を、
b)アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩およびトリエチルアミンからなる群から選択される、ことにアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択される少なくとも1つの塩基、
c)少なくとも1つのトリヒドロカルビルホスファン、ことにトリフェニルホスファン、および
d)ギ酸、アスコルビン酸、ならびにこれらの酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩から選択される少なくとも1つの還元剤、ことにアスコルビン酸と反応させる
ことを特徴とする、テトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)の製造方法である。
特に高い収率を達成するために、本発明による方法を不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。不活性ガスは、例えば窒素またはアルゴンを含むことができる。
少なくとも1つの還元剤は、パラジウムを基準として、例えばパラジウム(0)に還元するために少なくとも必要な当量の1〜3倍量で使用される。
パラジウム(II)1モル当量当たり、例えば2〜4モル当量の塩基、もしくはパラジウム(IV)1モル当量当たり、例えば4〜8モル当量の塩基が使用される。
少なくとも1つのトリヒドロカルビルホスファンは、好ましくは、パラジウムを基準として4〜6倍のモル量で使用される。
有機溶媒を基準として、使用されたパラジウムの濃度は、例えば0.05mol/L〜0.25mol/Lの範囲内、好ましくは0.10mol/L〜0.15mol/Lの範囲内にあってよい。
好ましくは、本発明による方法はワンポット反応である。通常では有機溶媒を装入し、反応体をこの溶媒中に導入する。
反応温度は45〜80℃の範囲内、ことに55〜70℃の範囲内にあってよい。
後処理は、当業者に周知の方法により、例えば手間のかかる精製方法を必要とせずに行うことができる。例えば、液相から固体として生じたテトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)は、例えば濾過、遠心分離、デカントにより分離することができる。分離された固体を水で洗浄してよい。これに続いて、水と混合可能なアルコール(例えばイソプロパノール)および引き続きアルカン(例えば石油エーテル)を用いたさらなる洗浄工程を行ってよい。引き続き、この生成物を減圧下で乾燥させてよい。
本発明による方法を用いて、テトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)錯体を、ヒドラジン水和物を使用せずに高い収率で製造することができる。ことに、本発明の方法により、簡単に、使用された少なくとも1つのパラジウム化合物中のパラジウムを基準として95%以上の収率が可能である。
実施例
実施例1
DMSO約215g、PdCl2 5.032g(Pd 3.000g、28.19mmol)、PPh3 37.5g(PPh3 143.13mmol)ならびにアスコルビン酸9.9g(C686 56.25mmol)およびNaHCO3 6.6g(78.56mmol)を四ツ口フラスコ中に装入し、DMSO約10gですすいだ。引き続き、この混合物を室温で20分間攪拌した。その後、この懸濁液を60℃の内部温度に加熱した。この温度に到達した後、この混合物は鮮やかな黄色を有した。
60℃で2時間の攪拌時間の後に、室温(22℃)に受動的に冷却した。
この懸濁液をテフロンホースを介してアルゴンを用いて、アルゴンで不活性化されたリバースフリット(フリットG3)中に移し、濾過した。フラスコ内容物をDMSO 15gですすぎ、同様にフリットに移した。明赤色の濾液と明黄色の濾過ケーキが生じた。
リバースフリット上の生成物を完全脱塩水4×80g、イソプロパノール3×30g、および石油ベンジン3×20gで洗浄した。濾過ケーキを、減圧下で約40分間乾燥させた。
明黄色の粉末が生じた。
この生成物をパラジウム含有率について調査した。さらに、IRスペクトルを測定し、かつ元素分析を実施した。
生成物 =32.003g
Pd含有率 =9.15質量%(質量について3回決定、理論値9.20質量%)
Pd =2.92g(使用量:3.00g)
収率 =使用したPdCl2中のパラジウムを基準として97.6%
IR: 純粋Pd(PPh34についての参照スペクトルに相当
元素分析: Pd(PPh34について計算値 C74.84%、H5.23%、O0%、P10.72%;実測値 C74.30%、H5.35%、O<0.2%、P10.55%。
実施例2〜4
実施例1と同様にさらなる試験を実施した。いくつかの相違点は、使用される塩基の種類にあるが、残りの全ての物質およびモル物質量は維持された:
Figure 0006726321

Claims (16)

  1. 有機溶媒の50〜100質量%が少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒からなる有機溶媒中でのテトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)の製造方法において、
    a)前記有機溶媒中に可溶であるパラジウム(II)化合物およびパラジウム(IV)化合物からなる群から選択される少なくとも1つのパラジウム化合物を、
    b)アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属−C1〜C4−アルコラート、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属−C1〜C4−アルコラートおよび合計で2〜12の炭素原子を有するアルキルアミンからなる群から選択される少なくとも1つの塩基、
    c)少なくとも1つのトリヒドロカルビルホスファン、および
    d)前記方法で使用されるその他の成分とは異なる少なくとも1つの有機還元剤
    と反応させ、前記少なくとも1つの有機還元剤は、アスコルビン酸、ギ酸、ならびに前記酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、フェノール、フェノール誘導体および糖からなる群から選択されることを特徴とする、テトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)の製造方法。
  2. 前記少なくとも1つのパラジウム化合物は、アルカリテトラハロゲノパラジウム(II)酸塩、アンモニウムテトラハロゲノパラジウム(II)酸塩、アルカリヘキサハロゲノパラジウム(IV)酸塩、アンモニウムヘキサハロゲノパラジウム(IV)酸塩、パラジウム(II)ハロゲン化物、硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)、ビス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(II)二ハロゲン化物、Pd(COD)Cl2 (COD=シクロオクタジエン)、Pd(CH3CN)2Cl2、Pd(C65CN)2Cl2および酢酸パラジウム(II)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記パラジウム化合物はPdCl2であることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒は、第三級カルボン酸アミド、スルホキシド、ケトン、ラクトン、ラクタム、ニトリル、尿素誘導体、スルホン、カルボン酸エステルおよび炭酸エステルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒は、DMF、DMSO、アセトン、ガンマ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸エチルエステルおよびアセトニトリルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの有機還元剤は、アスコルビン酸およびギ酸から選択されることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つのトリヒドロカルビルホスファンの3つのヒドロカルビル基は、非置換のアリール基、置換されたアリール基、開鎖アルキル基および環状アルキル基からなる群から任意の組合せで選択されることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つのトリヒドロカルビルホスファンはトリフェニルホスファンであることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記有機溶媒の50〜100質量%が、DMF、DMSO、アセトン、ガンマ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸エチルエステルおよびアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒からなり、
    前記少なくとも1つのパラジウム化合物は、アルカリテトラハロゲノパラジウム(II)酸塩、アンモニウムテトラハロゲノパラジウム(II)酸塩、アルカリヘキサハロゲノパラジウム(IV)酸塩、アンモニウムヘキサハロゲノパラジウム(IV)酸塩、パラジウム(II)ハロゲン化物、硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)、ビス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(II)二ハロゲン化物、Pd(COD)Cl2(COD=シクロオクタジエン)、Pd(CH3CN)2Cl2、Pd(C65CN)2Cl2および酢酸パラジウム(II)からなる群から選択され、
    前記少なくとも1つの塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩およびトリエチルアミンからなる群から選択され、かつ
    前記少なくとも1つの有機還元剤は、ギ酸およびアスコルビン酸、ならびに前記酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩から選択される、請求項1記載の方法。
  10. 前記少なくとも1つのパラジウム化合物はPdCl2であり、かつ前記少なくとも1つの有機還元剤はアスコルビン酸である、請求項記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つのトリヒドロカルビルホスファンはトリフェニルホスファンである、請求項9または10記載の方法。
  12. 前記少なくとも1つの有機還元剤を、パラジウムを基準として、パラジウム(0)に還元するために少なくとも必要な当量の1〜3倍量で使用することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. パラジウム(II)1モル当量当たり塩基2〜4モル当量、およびパラジウム(IV)1モル当量当たり塩基4〜8モル当量を使用することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 前記少なくとも1つのトリヒドロカルビルホスファンを、パラジウムを基準として4〜6倍のモル量で使用することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 前記有機溶媒を基準として、使用されるパラジウムの濃度は、0.05mol/L〜0.25mol/Lの範囲内にあることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 固体として生じたテトラキス(トリヒドロカルビルホスファン)パラジウム(0)を液相から濾過、遠心分離またはデカントにより分離し、分離された固体を水で洗浄し、場合により、水と混合可能なアルコールおよび引き続きアルカンを用いるさらなる洗浄工程を行い、引き続き生成物を減圧下で乾燥させることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
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