JP6726054B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クランク軸を備える車両用駆動装置に関する。
クランク軸にトルクコンバータ等の回転体を連結するため、クランク軸と回転体との間にはドライブプレート等のプレート部材が設けられている。また、クランク軸の振動を抑制するため、プレート部材にウェイトを固定する技術や、プレート部材に肉抜き部を形成する技術が提案されている(特許文献1および2参照)。
特開2005−83524号公報 特開2014−84983号公報
ところで、クランク軸の振動を抑制するため、プレート部材にウェイトを固定することや、プレート部材に肉抜き部を形成することは、プレート部材の剛性バランスを崩す要因である。このように、プレート部材の剛性バランスを崩すことは、トルクコンバータ等の回転体を傾動させる要因となっていた。このため、クランク軸の振動を抑制しつつ、回転体の傾動を抑制することが求められている。
本発明の目的は、クランク軸の振動を抑制しつつ、回転体の傾動を抑制することにある。
本発明の車両用駆動装置は、エンジンに回転自在に設けられ、コネクティングロッドを支持する複数のクランクピンが形成されるクランク軸と、前記クランク軸とこれに軸方向に対向する回転体との間に設けられ、前記クランク軸と前記回転体とを連結するプレート部材と、を有し、前記複数のクランクピンのうち、前記回転体側に配置されるクランクピンは基準クランクピンであり、前記プレート部材は、前記クランク軸に連結される中央部と、前記回転体に連結されるととも開口部が形成される外周部と、を備え、前記プレート部材の前記中央部と前記外周部との間の環状領域には、前記基準クランクピンの同位相側にのみ形成される円形の第1開口部、前記基準クランクピンの逆位相側にのみ形成される円形の第2開口部、および前記第2開口部とは別の開口部であって前記基準クランクピンの逆位相側にのみ形成される円形の第3開口部のみが設けられ、前記第3開口部は、前記第1開口部よりも小さく形成され、前記第2開口部は、前記第1開口部と同一または異なる大きさに形成され、かつ前記第3開口部と同一または異なる大きさに形成され、前記第1開口部、前記第2開口部および前記第3開口部からなる開口部群は、第1直線に線対称であり、かつ前記第1直線に直交する第2直線に非線対称であ前記プレート部材の質量中心は、前記プレート部材の回転中心よりも前記基準クランクピンの逆位相側に位置する。
本発明によれば、プレート部材は、基準クランクピンの同位相側に形成される円形の第1開口部と、基準クランクピンの逆位相側に形成される円形の第2開口部と、基準クランクピンの逆位相側に形成されて第1開口部よりも小さな円形の第3開口部と、を備え、第1開口部、第2開口部および第3開口部からなる開口部群は、第1直線に線対称であり、かつ前記第1直線に直交する第2直線に非線対称である。これにより、クランク軸の振動を抑制しつつ、回転体の傾動を抑制することができる。
本発明の一実施の形態としての車両用駆動装置を上方から示す概略図である。 クランク軸とトルクコンバータとの連結構造を示す断面図である。 図2の矢印A方向からドライブプレートを単体で示す正面図である。 クランク軸とドライブプレートとの位置関係を示す概略図である。 (a)〜(d)は、ドライブプレートに作用する遠心力を示す模式図である。 比較例1のドライブプレートが連結されたクランク軸の振動状況を示す模式図である。 ドライブプレートが連結されたクランク軸の振動状況を示す模式図である。 比較例2のドライブプレートを示す模式図である。 比較例2のドライブプレートの取付構造を示す模式図である。 (a)および(b)は、比較例2のドライブプレートの変形状況を示す模式図である。 (a)および(b)は、ドライブプレートの変形状況を示す模式図である。 本発明の他の実施の形態に係るドライブプレートを示す正面図である。 本発明の他の実施の形態に係るドライブプレートを示す正面図である。 本発明の他の実施の形態に係るドライブプレートを示す正面図である。 本発明の他の実施の形態に係るドライブプレートを示す正面図である。 本発明の他の実施の形態に係るドライブプレートを示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態としてのパワーユニット(車両用駆動装置)10を上方から示す概略図である。図1に示すように、車両に搭載されるパワーユニット10は、エンジン11とこれに連結されるトランスミッション12とを有している。エンジン11を構成するシリンダブロック13にはジャーナルボア14が形成されており、ジャーナルボア14には図示しない軸受メタルを介してクランク軸15が回転自在に支持されている。なお、図示するエンジン11は、水平対向型の4気筒エンジンである。
クランク軸15は、回転中心に設けられる複数のクランクジャーナルJ1〜J5と、クランクジャーナルJ1〜J5を連結する複数のクランクスローT1〜T4と、を有している。クランクスローT1〜T4は、回転中心から偏心するクランクピンP1〜P4を備えるとともに、クランクジャーナルJ1〜J5とクランクピンP1〜P4とを連結するクランクアーム20を備えている。クランクピンP1〜P4にはコネクティングロッド21が支持されており、コネクティングロッド21にはピストン22が連結されている。
クランクスローT1〜T4のそれぞれには、クランクピンP1〜P4の逆位相側に延びるバランスウェイト23が設けられている。なお、クランク軸15の両端に配置されるクランクスローT1,T4のバランスウェイト23は、クランク軸15の中央に配置されるクランクスローT2,T3のバランスウェイト23よりも小さく設定されている。また、クランク軸15の一端部には出力フランジ24が設けられており、この出力フランジ24にはトルクコンバータ(回転体)30が連結されている。さらに、クランク軸15の他端部には補機駆動軸25が設けられており、この補機駆動軸25にはクランクプーリ26が取り付けられている。
図2はクランク軸15とトルクコンバータ30との連結構造を示す断面図である。図2に示すように、クランク軸15の出力フランジ24には、複数のネジ孔24aが形成されている。この出力フランジ24には、ドライブプレート(プレート部材)31の中央部31aが締結ボルト32を用いて取り付けられている。また、トルクコンバータ30には外殻を構成するポンプシェル33が設けられており、ポンプシェル33の外周面にはネジ孔34aを備えた取付部34が固定されている。このポンプシェル33の取付部34には、ドライブプレート31の外周部31bが締結ボルト35を用いて取り付けられている。すなわち、クランク軸15とこれに軸方向に対向するトルクコンバータ30とは、ドライブプレート31を介して互いに連結されている。なお、ドライブプレート31の中央部31aには、締結ボルト32を挿入するための貫通孔36が形成されており、ドライブプレート31の外周部31bには、締結ボルト35を挿入するための貫通孔37が形成されている。
トルクコンバータ30は、ポンプシェル33に固定されるポンプインペラ40と、ポンプインペラ40に対向するタービンランナ41と、を備えている。トルクコンバータ30はステータ42を備えており、ステータ42はポンプインペラ40とタービンランナ41との間に配置されている。タービンランナ41にはタービンハブ43が連結されており、タービンハブ43にはタービン軸44が連結されている。トルクコンバータ30の出力軸であるタービン軸44には、ミッションケース45内の変速機構46が連結されている。また、トルクコンバータ30のポンプシェル33は、軸受47を介してミッションケース45に支持されている。なお、滑り要素であるトルクコンバータ30には、ポンプシェル33とタービン軸44とを連結するロックアップクラッチ48が設けられている。
[ドライブプレートのアンバランス形状]
ドライブプレート31のアンバランス形状について説明する。図3は図2の矢印A方向からドライブプレート31を単体で示す正面図である。図4はクランク軸15とドライブプレート31との位置関係を示す概略図である。図4には図1のA−A線に沿う断面が概略的に示されている。また、図5(a)〜(d)は、ドライブプレート31に作用する遠心力を示す模式図である。図5(a)〜(d)には、クランク軸15と一体に回転するドライブプレート31の回転状況が90°毎に示されている。
図3および図4に示すように、ドライブプレート31には、厚み方向に貫通する円形の開口部51〜53が複数形成されている。一対の第1開口部51は、基準クランクピンであるクランクピンP4の同位相側に配置されている。また、一対の第2開口部52および一対の第3開口部53は、クランクピンP4の逆位相側に配置されている。さらに、クランクピンP4の同位相側に配置される第1開口部51の直径D1は、クランクピンP4の逆位相側に配置される第3開口部53の直径D3よりも大きく設計されている。このように、第1開口部51と第3開口部53との大きさを互いに相違させることにより、クランクピンP4の逆位相側では質量が増加するようにドライブプレート31が構成される一方、クランクピンP4の同位相側では質量が減少するようにドライブプレート31が構成される。
すなわち、ドライブプレート31においては、クランクピンP4の逆位相側に位置する部位が、質量の大きな慣性マス領域54として形成される一方、クランクピンP4の同位相側に位置する部位が、質量の小さな肉抜き領域55として形成される。このように、ドライブプレート31に慣性マス領域54を形成することにより、ドライブプレート31の重心Cmは、回転中心C1からクランクピンP4の逆位相側にずれた状態となる。すなわち、ドライブプレート31は、重心Cmが回転中心C1から外れるアンバランス形状を有している。これにより、図5(a)〜(d)に矢印αで示すように、ドライブプレート31に作用する遠心力を、クランクピンP4の逆位相側に片寄らせることができ、後述するように、クランク軸15の振動を抑制することができる。
図1に示すように、基準クランクピンであるクランクピンP4とは、クランクピンP1〜P4のうち、最もトルクコンバータ30側に配置されるクランクピンである。また、図4に示すように、クランクピンP4の同位相側とは、基準線LaよりもクランクピンP4に近づく側であり、クランクピンP4の逆位相側とは、基準線LaよりもクランクピンP4から離れる側である。また、基準線Laとは、クランク軸15の回転中心C1とクランクピンP4の軸中心C2とを結ぶ直線Lbに直交し、かつクランク軸15の回転中心C1を通過する直線である。なお、クランク軸15とドライブプレート31との回転中心は互いに一致する。
[クランク軸の振動抑制]
次いで、比較例1を用いてクランク軸15に発生する振動について説明した後に、ドライブプレート31によるクランク軸15の振動抑制について説明する。図6は比較例1のドライブプレート100が連結されたクランク軸15の振動状況を示す模式図である。また、図7はドライブプレート31が連結されたクランク軸15の振動状況を示す模式図である。なお、図6に示されるクランク軸15には、重心が回転中心に一致するドライブプレート100が連結されている。なお、図6において、図1に記載される部品と同様の部品については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、クランク軸15が回転する際には、白抜きの矢印で示すように、クランクピンP1〜P4に対して、コネクティングロッド21およびピストン22の慣性力が作用する。図示するクランク軸15の回転角においては、クランク軸15の中央部が矢印A方向に付勢され、クランク軸15の両端部が矢印B方向に付勢されるため、クランク軸15は矢印A方向に凸の弓形に変形する。そして、更にクランク軸15が180°回転すると、クランク軸15の中央部が矢印B方向に付勢され、クランク軸15の両端部が矢印A方向に付勢されるため、クランク軸15は矢印B方向に凸の弓形に変形する。このようなクランク軸15の弓形変形が繰り返され、クランク軸15には振動が発生していた。
そこで、図7に示すように、本発明の一実施の形態であるパワーユニット10には、アンバランス形状を備えたドライブプレート31が設けられている。このドライブプレート31をクランク軸15に固定することにより、クランク軸15に対してクランクピンP4の逆位相側に遠心力を作用させることができる。すなわち、図7に示すように、クランクピンP4の慣性力βを打ち消すように、クランク軸15の出力フランジ24に遠心力αを作用させることができる。これにより、クランクジャーナルJ5の変位を抑制することができ、クランク軸15の振動を抑制することができる。さらに、クランク軸15に連結されるクランクプーリ26には、クランクピンP1の逆位相側にウェイト27が設けられている。これにより、クランクジャーナルJ1の変位を抑制することができ、クランク軸15の振動を抑制することができる。
前述したように、アンバランス形状のドライブプレート31を用いることにより、クランク軸15に対してドライブプレート31の遠心力を作用させることができ、クランク軸15の振動を抑制することができる。しかしながら、ドライブプレート31をアンバランス形状に形成した場合には、プレート自体の剛性バランスを崩してしまうことが多い。ドライブプレート31の剛性バランスが崩れることは、ドライブプレート31の一様な変形を阻害する要因であることから、後述するように、トルクコンバータ30を傾動させてしまう要因となっていた。
[トルクコンバータの傾動状況]
続いて、比較例2を用いてトルクコンバータ30の傾動状況について説明した後に、ドライブプレート31によるトルクコンバータ30の傾動抑制について説明する。図8は比較例2のドライブプレート200を示す模式図であり、図9は比較例2のドライブプレート200の取付構造を示す模式図である。また、図10(a)および(b)は比較例2のドライブプレート200の変形状況を示す模式図である。なお、図10(a)に示したクランク軸15の回転角と、図10(b)に示したクランク軸15の回転角とは、互いに180°ずれている。なお、図8〜図10において、図1〜図3に記載される部位や部品と同様の部位や部品については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、ドライブプレート200は、厚み方向に貫通する複数の開口部201が形成されている。これらの開口部201は、クランクピンP4の同位相側に配置されている。すなわち、ドライブプレート200においては、クランクピンP4の同位相側に位置する部位が、質量の小さい肉抜き領域202として構成されている。また、ドライブプレート200においては、クランクピンP4の逆位相側に位置する部位が、質量の大きい慣性マス領域203として構成されている。このように、ドライブプレート200は、重心Cmが回転中心C1から外れるアンバランス形状を有している。
図9に示すように、クランク軸15とトルクコンバータ30とは、ドライブプレート200を介して互いに連結されている。ところで、トルクコンバータ30内にはオイルが供給されることから、矢印Fで示すように、トルクコンバータ30にはクランク軸15に向かう推力が発生する。そして、トルクコンバータ30は、ドライブプレート200を軸方向に付勢していた。ここで、アンバランス形状のドライブプレート200は、高剛性の慣性マス領域203と低剛性の肉抜き領域202とを備えることから、慣性マス領域203よりも肉抜き領域202が変形し易いという特性を有している。したがって、図10(a)および(b)に矢印X1で示すように、クランク軸15が回転する際には、慣性マス領域203よりも肉抜き領域202が大きく変形し、トルクコンバータ30の傾動が繰り返されていた。このように、ドライブプレート200の剛性バランスが崩れることは、ドライブプレート200の一様な変形を阻害する要因であり、トルクコンバータ30を傾動させる要因であった。
[ドライブプレートの剛性バランス]
続いて、パワーユニット10が備えるドライブプレート31の剛性バランスについて説明する。前述したように、ドライブプレート31においては、第3開口部53が第1開口部51よりも小さく形成されている。これにより、ドライブプレート31においては、クランクピンP4の逆位相側に位置する部位が、高剛性の慣性マス領域54として形成される一方、クランクピンP4の同位相側に位置する部位が、低剛性の肉抜き領域55として形成されている。そこで、図3に示すように、ドライブプレート31の慣性マス領域54には、第2開口部52が形成されている。このように、ドライブプレート31の慣性マス領域54に第2開口部52を形成することにより、慣性マス領域54の剛性を下げることができる。これにより、慣性マス領域54と肉抜き領域55との剛性を互いに近づけることができるため、ドライブプレート31の剛性バランスを良好に保つことができる。
しかも、第1開口部51、第2開口部52および第3開口部53からなる開口部群60は、直線(第1直線)L1に対して線対称に形成されており、かつ直線L1に直交する直線(第2直線)L2に対して非線対称に形成されている。開口部群60の対称軸である直線L1は、ドライブプレート31の回転中心C1と重心(質量中心)Cmとを結ぶ直線である。このように、開口部群60を線対称に形成すること、つまり直線L1を対称軸とする線対称に形成することにより、ドライブプレート31のアンバランス量を調整するための第1および第3開口部51,53と、ドライブプレート31の剛性バランスを調整するための第2開口部52とを、ドライブプレート31上にバランス良く配置することができる。これにより、アンバランス量に対する影響を抑えながら第2開口部52を開口させることができ、ドライブプレート31のアンバランス量を確保しつつ剛性バランスのバラツキを抑制することができる。
また、図3に示すように、第1開口部51、第2開口部52および第3開口部53は、ドライブプレート31の周方向に配置されている。さらに、第2開口部52は、第1開口部51と第3開口部53との間に配置されている。このように、第1開口部51と第3開口部53との間に第2開口部52を配置することにより、ドライブプレート31のアンバランス量を確保しつつ、ドライブプレート31に第2開口部52を開口させることができる。この点からも、ドライブプレート31のアンバランス量を確保しつつ剛性バランスのバラツキを抑制することができる。
[ドライブプレートの変形状況]
続いて、ドライブプレート31の変形状況について説明する。図11(a)および(b)はドライブプレート31の変形状況を示す模式図である。なお、図11(a)に示したクランク軸15の回転角と、図11(b)に示したクランク軸15の回転角とは、互いに180°ずれている。
前述したように、高剛性の慣性マス領域54に第2開口部52を形成することにより、慣性マス領域54の剛性を下げることができる。これにより、慣性マス領域54と肉抜き領域55との剛性を互いに近づけることができるため、トルクコンバータ30の傾動を抑制することができる。すなわち、トルクコンバータ30によってドライブプレート31が付勢されると、図11(a)および(b)に矢印X2,X3で示すように、ドライブプレート31の肉抜き領域55が変形するだけでなく、ドライブプレート31の慣性マス領域54を変形させることができる。これにより、肉抜き領域55と慣性マス領域54との変位量を互いに近づけることができるため、トルクコンバータ30の傾動を抑制することができる。このように、トルクコンバータ30の傾動を抑制することにより、パワーユニット10を構成する各種部品の負荷を軽減することができ、パワーユニット10の耐久性を向上させることができる。
これまで説明したように、ドライブプレート31に形成される第1開口部51と第3開口部53との大きさを相違させることにより、ドライブプレート31に慣性マス領域54と肉抜き領域55とを形成することができる。これにより、ドライブプレート31の重心Cmを回転中心C1から外すことができ、クランク軸15の振動を抑制することができる。さらに、ドライブプレート31の慣性マス領域54に第2開口部52を形成することにより、慣性マス領域54の剛性を下げることができる。これにより、慣性マス領域54と肉抜き領域55との剛性を互いに近づけることができるため、ドライブプレート31における剛性バランスのバラツキを抑制することができ、トルクコンバータ30の傾動を抑制することができる。しかも、ドライブプレート31に対して新たな部品を追加する必要が無いため、ドライブプレート31のコストを抑制することが可能である。また、各開口部51〜53が円形であることから、開口部群60を備えたドライブプレート31の製造や品質管理が容易となり、この点からもドライブプレート31のコストを抑制することができる。
[実施形態2]
図3に示す例では、クランクピンP4の軸中心C2、ドライブプレート31の回転中心C1、およびドライブプレート31の重心Cmが、同一直線上に配置されているが、これに限られることはなく、軸中心C2、回転中心C1、および重心Cmを同一直線上から外しても良い。ここで、図12は本発明の他の実施の形態(実施形態2)に係るドライブプレート(プレート部材)70を示す正面図である。なお、図12において、図3に示した部位と同様の部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図12に示すように、ドライブプレート70の回転中心C1とクランクピンP4の軸中心C2とを通過する直線Lbから、ドライブプレート70の重心Cmが外れるようにドライブプレート70には開口部群71が形成されている。すなわち、開口部群71の対称軸である直線L1が直線Lbに対して傾斜するように、ドライブプレート70には開口部51,52,53からなる開口部群71が形成されている。このように、ドライブプレート70に開口部群71を形成した場合であっても、第1開口部51をクランクピンP4の同位相側に配置し、第2開口部52および第3開口部53をクランクピンP4の逆位相側に配置し、かつ開口部群71を直線L1に対して線対称に構成することにより、前述したドライブプレート31と同様の効果を得ることができる。なお、開口部群71は、直線L1に直交する直線L2に対して非線対称に構成されている。
[実施形態3]
図3に示す例では、ドライブプレート31の回転中心C1を中心とする仮想円Ca上に、第1開口部51、第2開口部52および第3開口部53の中心を配置しているが、これに限られることはなく、大きさの異なる仮想円上に各開口部51,52,53を配置しても良い。ここで、図13は本発明の他の実施の形態(実施形態3)に係るドライブプレート(プレート部材)75を示す正面図である。なお、図13において、図3に示した部位と同様の部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図13に示すように、ドライブプレート75には、第1開口部51、第2開口部52および第3開口部53からなる開口部群76が形成されている。第1開口部51の中心51cは、回転中心C1を中心とする仮想円Cb上に配置され、第2開口部52の中心52cは、回転中心C1を中心とする仮想円Cc上に配置され、第3開口部53の中心53cは、回転中心C1を中心とする仮想円Cd上に配置される。このように、各開口部51〜53の中心51c〜53cを異なる仮想円Cb〜Cd上に配置した場合であっても、第1開口部51をクランクピンP4の同位相側に配置し、第2開口部52および第3開口部53をクランクピンP4の逆位相側に配置し、かつ開口部群76を直線L1に対して線対称に構成することにより、前述したドライブプレート31と同様の効果を得ることができる。なお、開口部群76は、直線L1に直交する直線L2に対して非線対称に構成されている。
[実施形態4]
図3に示す例では、第2開口部52が基準線Laに触れないように、第2開口部52の全てをクランクピンP4の逆位相側に配置しているが、これに限られることはなく、第2開口部52の一部が基準線Laに触れていても良い。ここで、図14は本発明の他の実施の形態(実施形態4)に係るドライブプレート(プレート部材)80を示す正面図である。なお、図14において、図3に示した部位と同様の部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図14に示すように、ドライブプレート80には、第1開口部51、第2開口部52および第3開口部53からなる開口部群81が形成されている。慣性マス領域54の剛性を低下させる第2開口部52においては、第2開口部52の一部が基準線Laに触れるものの、第2開口部52の中心52cが基準線LaよりもクランクピンP4の逆位相側に配置されている。このように、第2開口部52の一部が基準線Laに触れている場合であっても、第2開口部52の中心52cを基準線LaよりもクランクピンP4の逆位相側に配置することにより、第2開口部52はクランクピンP4の逆位相側に配置されることになる。このように、第1開口部51をクランクピンP4の同位相側に配置し、第2開口部52および第3開口部53をクランクピンP4の逆位相側に配置し、かつ開口部群81を直線L1に対して線対称に構成することにより、前述したドライブプレート31と同様の効果を得ることができる。なお、開口部群81は、直線L1に直交する直線L2に対して非線対称に構成されている。
[実施形態5]
図3に示す例では、一対の第1開口部51、一対の第2開口部52、および一対の第3開口部53によって開口部群60を構成しているが、これに限られることはなく、各開口部51〜53の個数を変更しても良い。ここで、図15は本発明の他の実施の形態(実施形態5)に係るドライブプレート(プレート部材)85を示す正面図である。なお、図15において、図3に示した部位と同様の部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図15に示すように、ドライブプレート85には、1つの第1開口部51、一対の第2開口部52、および1つの第3開口部53からなる開口部群86が形成されている。このように、第1開口部51および第3開口部53の個数を減らした場合であっても、第1開口部51をクランクピンP4の同位相側に配置し、第2開口部52および第3開口部53をクランクピンP4の逆位相側に配置し、かつ開口部群86を直線L1に対して線対称に構成することにより、前述したドライブプレート31と同様の効果を得ることができる。なお、開口部群86は、直線L1に直交する直線L2に対して非線対称に構成されている。
[実施形態6]
図3に示す例では、一対の第1開口部51、一対の第2開口部52、および一対の第3開口部53によって開口部群60を構成しているが、これに限られることはなく、各開口部51〜53の個数を変更しても良い。ここで、図16は本発明の他の実施の形態(実施形態6)に係るドライブプレート(プレート部材)90を示す正面図である。なお、図16において、図3に示した部位と同様の部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図16に示すように、ドライブプレート90には、1つの第1開口部51、1つの第2開口部52、および1つの第3開口部53からなる開口部群91が形成されている。このように、第1開口部51、第2開口部52および第3開口部53の個数を減らした場合であっても、第1開口部51をクランクピンP4の同位相側に配置し、第2開口部52および第3開口部53をクランクピンP4の逆位相側に配置し、かつ開口部群91を直線L1に対して線対称に構成することにより、前述したドライブプレート31と同様の効果を得ることができる。なお、開口部群91は、直線L1に直交する直線L2に対して非線対称に構成されている。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、1つまたは2つの第1開口部51を形成し、1つまたは2つの第2開口部52を形成し、1つまたは2つの第3開口部53を形成しているが、これに限られることはなく、3つ以上の第1開口部51、第2開口部52および第3開口部53を形成しても良い。また、図示する例では、第2開口部52を第1開口部51よりも小さく形成し、かつ第2開口部52を第3開口部53よりも大きく形成しているが、これに限られることはない。例えば、第2開口部52を第1開口部51よりも大きく形成しても良く、第2開口部52を第3開口部53よりも小さく形成しても良く、第2開口部52を第1開口部51と同じ大きさに形成しても良く、第2開口部52を第3開口部53と同じ大きさに形成しても良い。なお、第1開口部51、第2開口部52および第3開口部53の大きさや位置については、図示する形状や位置に限られることはなく、各種条件に応じて適宜設定することが可能である。
前述の説明では、エンジン11として水平対向型の4気筒エンジンを例示しているが、これに限られることはなく、シリンダ数やシリンダ配列を変更した他の形式のエンジンであっても良い。また、前述の説明では、回転体としてトルクコンバータ30を採用しているが、これに限られることはない。例えば、回転体として発進クラッチを構成するクラッチハウジングを採用しても良く、回転体としてフライホイールを採用しても良い。また、前述の説明では、クランク軸15の各クランクスローT1〜T4にバランスウェイト23を設けているが、これに限られることはない。ドライブプレート31によって、クランクピンP4に作用する慣性力を低減することができるため、クランクスローT4のバランスウェイト23を削減しても良い。同様に、クランクプーリ26のウェイト27によって、クランクピンP1に作用する慣性力を低減することができるため、クランクスローT1のバランスウェイト23を削減しても良い。
10 パワーユニット(車両用駆動装置)
11 エンジン
15 クランク軸
30 トルクコンバータ(回転体)
31 ドライブプレート(プレート部材)
51 第1開口部
52 第2開口部
53 第3開口部
60 開口部群
70 ドライブプレート(プレート部材)
71 開口部群
75 ドライブプレート(プレート部材)
76 開口部群
80 ドライブプレート(プレート部材)
81 開口部群
85 ドライブプレート(プレート部材)
86 開口部群
90 ドライブプレート(プレート部材)
91 開口部群
P1 クランクピン
P2 クランクピン
P3 クランクピン
P4 クランクピン(基準クランクピン)
C1 回転中心
Cm 重心(質量中心)
L1 直線(第1直線,対称軸)
L2 直線(第2直線)

Claims (6)

  1. エンジンに回転自在に設けられ、コネクティングロッドを支持する複数のクランクピンが形成されるクランク軸と、
    前記クランク軸とこれに軸方向に対向する回転体との間に設けられ、前記クランク軸と前記回転体とを連結するプレート部材と、
    を有し、
    前記複数のクランクピンのうち、前記回転体側に配置されるクランクピンは基準クランクピンであり、
    前記プレート部材は、前記クランク軸に連結される中央部と、前記回転体に連結されるととも開口部が形成される外周部と、を備え、
    前記プレート部材の前記中央部と前記外周部との間の環状領域には、前記基準クランクピンの同位相側にのみ形成される円形の第1開口部、前記基準クランクピンの逆位相側にのみ形成される円形の第2開口部、および前記第2開口部とは別の開口部であって前記基準クランクピンの逆位相側にのみ形成される円形の第3開口部のみが設けられ、
    前記第3開口部は、前記第1開口部よりも小さく形成され、
    前記第2開口部は、前記第1開口部と同一または異なる大きさに形成され、かつ前記第3開口部と同一または異なる大きさに形成され、
    前記第1開口部、前記第2開口部および前記第3開口部からなる開口部群は、第1直線に線対称であり、かつ前記第1直線に直交する第2直線に非線対称であ
    前記プレート部材の質量中心は、前記プレート部材の回転中心よりも前記基準クランクピンの逆位相側に位置する、
    車両用駆動装置。
  2. 請求項1記載の車両用駆動装置において、
    前記開口部群の対称軸である前記第1直線は、前記プレート部材の回転中心と質量中心とを結ぶ直線である、
    車両用駆動装置。
  3. 請求項1または2記載の車両用駆動装置において、
    前記プレート部材は、複数の前記第2開口部を備える、
    車両用駆動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用駆動装置において、
    前記プレート部材は、複数の前記第1開口部と、複数の前記第3開口部と、を備える、
    車両用駆動装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用駆動装置において、
    前記第1開口部、前記第2開口部および前記第3開口部は、前記プレート部材の周方向に配置され、
    前記第1開口部と前記第3開口部との間に、前記第2開口部が配置される、
    車両用駆動装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用駆動装置において、
    前記回転体は、トルクコンバータである、
    車両用駆動装置。
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