JP6725404B2 - 弾性波素子および弾性波装置 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)を用いた弾性波素子に関す
る。
弾性波素子として、圧電基板の主面上に設けられたIDT(InterDigital Transducer
)電極を有するものが知られている。このような弾性波素子は、例えば、分波器の送信フィルタ、受信フィルタなどに利用されている。
IDT電極は、例えば、対向する一対のバスバーと、それぞれのバスバーから他方のバスバー側へ交互に延出された複数の電極指と、この電極指の延伸方向に他方のバスバーから延出したダミー電極と、を備えている。
高周波向けの弾性波素子としては、例えばリーキー波を利用した素子が使用されている。このリーキー波を利用した弾性波素子は、励振した弾性波が圧電基板に漏洩してしまうという性質を持っているため、損失を低減することが難しかった。
これに対し、例えば特許文献1〜4に示されているように、一般的なAl電極によりも密度の高い電極材料を利用して、ラブ波を励振させる弾性波素子が提案されている。特許文献1〜4によれば、電極指を構成する金属膜の材料と膜厚とを調整することで損失の少ない弾性波素子を提供する例が開示されている。
特開1994−164306 特開昭59−156013 特開1988−260213 特開2016−136712
このようなIDT電極を用いる弾性波素子において、さらなる低損失化が求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みて案出されたものであり、その目的は、損失(ロス)の少ない弾性波素子を提供することにある。
本発明の一態様としての弾性波素子は、リチウムタンタル酸結晶からなる圧電基板と、前記圧電基板の上面に配置されたIDT電極と、を備える。そして、前記IDT電極の前記電極指の周期で規格化した平均の規格化厚みであるt2は、構成する材料の平均のヤング率をE(GPa)、平均の密度をρ(g/cc)とすると、以下の関係を満たす。
11.08×E0.3/ρ0.707−1≦t2≦11.08×E0.3/ρ0.707+1
上記の構成からなる弾性波素子は、損失の少ないものとなる。
本発明の第1の実施形態に係る弾性波素子の平面図である。 図1のII−II線における断面図である。 SAW素子の周波数特性を示す線図である。 SAW素子の周波数特性を示す線図である。 SAW素子の電極膜厚とスプリアス幅との相関を示す線図である。 (a),(b)はそれぞれ、SAW素子の電極膜厚とスプリアス幅との相関を示す線図である。 SAW素子を構成する電極材料定数と規格化厚みt2との関係を示す図である。 実施例および比較例の周波数特性を示す線図である。 SAW素子を構成する電極材料定数およびt2とt1との差分の関係を示す図である。 IDT電極の層構成とそれによるFOMとの関係を示す線図である。 他の実施形態に係る電極指32の要部拡大断面図である。 (a)は、IDT電極に加わる応力をシミュレーションした結果を示す線図であり、(b)は、Mo層の厚みを変化させたときのAl層下面における平均応力をシミュレーションした結果を示す線図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、IDT電極の材料を異ならせたときの膜特性を示す線図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、IDT電極の材料を異ならせたときの膜特性を示す線図である。 他の実施形態に係るSAW素子を示す要部断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る弾性波素子(以下、SAW素子という)について図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
また、変形例等において、既に説明された実施形態と共通または類似する構成について、既に説明された実施形態と共通の符号を用い、また、図示や説明を省略することがある。
<実施形態>
(SAW素子の構成)
(基本構成)
図1は、本発明の実施形態に係るSAW素子1の基本構成を示す平面図である。図2は、図1のII−II線における要部断面図である。SAW素子1は、弾性波としてSAWを利用し、図1に示すように、圧電基板2、圧電基板2の上面2Aに設けられた励振電極3(以下、IDT電極3と記載する)を有している。IDT電極3は、互いに対向する2本のバスバー31と、各バスバー31から他のバスバー31側へ延びる複数の電極指32と、それぞれの電極指32に対向するダミー電極33を有している。
ここで、本実施形態では、IDT電極3を構成する材料と厚みとを後述の構成とすることにより、損失の少ないSAW素子1を提供することができる。以下、各構成について詳述する。
圧電基板2は、タンタル酸リチウム(LiTaO:LT)結晶からなる圧電性を有す
る単結晶の基板によって構成されている。カット角は適宜なものとされてよい。例えば、タンタル酸リチウムであれば、42°±10°Y−Xカット,0°±10°Y−Xカットなどである。
なお、以下では、主として圧電基板2がタンタル酸リチウムからなる38°以上48°以下Y−Xカットである態様を例にとって説明するものとする。特に断りがない限り、後述するシミュレーション結果等は、タンタル酸リチウムからなる38°以上48°以下Y−Xカットのものである。
圧電基板2の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。一例として、圧電基板2の厚み(z方向)は、平面方向全体に亘って一定であり、0.2mm以上0.5mm以下を例示できる。
圧電基板2の上面2AにはIDT電極3が配置されている。IDT電極3は、図1に示すように、第1櫛歯電極30aおよび第2櫛歯電極30bを有している。なお、以下の説明では、第1櫛歯電極30aおよび第2櫛歯電極30bを単に櫛歯電極30といい、これらを区別しないことがある。
櫛歯電極30は、図1に示すように、互いに対向する2本のバスバー31(第1バスバー31a,第2バスバー31b)と、各バスバー31から他のバスバー31側へ延びる複数の電極指32とを有している。そして、1対の櫛歯電極30は、第1電極指32aと第2電極指32bとが、弾性波の伝搬方向に互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。第1電極指32aは第1バスバー31aに電気的に接続されており、第2電極指32bは第2バスバー31bに電気的に接続されている。
ここで、第1バスバー31aと第2バスバー31bとは異なる電位に接続されている。
また、櫛歯電極30は、それぞれの電極指32に対向するダミー電極33を有している。第1ダミー電極33aは、第1バスバー31aから第2電極指32bに向かって延びている。第2ダミー電極33bは、第2バスバー31bから第1電極指32aに向かって延びている。
バスバー31は、例えば概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されている。従って、バスバー31の互いに対向する側の縁部は直線状である。複数の電極指32は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、弾性波の伝搬方向に概ね一定の間隔で配列されている。
これ以降、第1バスバー31aおよび第2バスバー31bを単にバスバー31といい、第1と第2とを区別しないことがある。同様に、第1電極指32aおよび第2電極指32bを単に電極指32といい、第1ダミー電極33aおよび第2ダミー電極33bを単にダミー電極33といい、第1と第2とを区別しないことがある。
IDT電極3を構成する一対の櫛歯電極30の複数の電極指32は、図面のx方向に繰り返し配列されるように並んでいる。より詳しくは、図2に示すように、第1電極指32aおよび第2電極指32bは、圧電基板2の上面2Aに間隔をあけて交互に繰り返し配置されている。
このように、IDT電極3を構成する一対の櫛歯電極30の複数の電極指32は、ピッチPt1となるように設定されている。ピッチPt1は、複数の電極指32の中心間の間隔(繰り返し間隔)であり、例えば共振させたい周波数での弾性波の波長λに応じて調整
する。
ここでピッチPt1は、図2に示すように、弾性波の伝搬方向において、第1電極指32aの中心から当該第1電極指32aに隣接する第2電極指32bの中心までの間隔を指すものである。
この複数の電極指32に直交する方向に伝搬する弾性波が発生する。従って、圧電基板2の結晶方位を考慮した上で、2本のバスバー31は、弾性波を伝搬させたい方向に交差する方向において互いに間隔を開けて対向するように配置される。複数の電極指32は、弾性波を伝搬させたい方向に対して直交する方向に延びるように形成される。
IDT電極3は、電圧が印加されると、圧電基板2の上面2A付近においてx方向に伝搬する弾性波を励起する。励起された弾性波は、電極指32の非配置領域(隣接する電極指32間の長尺状の領域)との境界において反射して定在波が形成される。定在波は、当該定在波と同一周波数の電気信号に変換され、電極指32によって取り出される。このようにして、SAW素子1は、1ポートの共振子として機能する。
反射器4は、弾性波の伝搬方向においてIDT電極3を挟むように配置されている。反射器4は、概ね格子状に形成されている。すなわち、反射器4は、弾性波の伝搬方向に交差する方向において互いに対向する反射器バスバー41と、これらバスバー41間において弾性波の伝搬方向に直交する方向に延びる複数の反射電極指42とを有している。反射器バスバー41は、例えば概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、弾性波の伝搬方向に平行に配置されている。
反射器4は、例えば、IDT電極3と同一の材料によって形成されるとともに、IDT電極3と同等の厚みに形成されている。
(IDT電極3)
ここで、IDT電極3の構成について説明する。従来より、損失の少ないSAW素子としてラブ波を用いる構成が知られている。これは、IDT電極3を密度の高い電極膜で構成することで、SAWの音速を厚み方向に放射されるバルク波の速度よりも遅くし、厚み方向へのバルク波放射を抑制することで、損失を抑制するものである。
このようなIDT電極3を構成する密度の高い電極膜として、例えば電極材料をMoとし、電極指の周期(すなわち、電極指32のピッチPt1×2)で規格した電極膜厚(以下、規格化厚みという)を2%〜20%までを変更したときのSAW素子の共振特性をシミュレーションした。規格化厚み2%は、ラブ波を用いないリーキー波を用いたSAW共振子において、Mo電極の最もSAWの損失の少ない厚みである。なお、シミュレーションの基本条件は以下の通りである。
<基本条件>
ピッチPt1:1μm
電極指Duty比:0.5
電極指本数:無限周期
図3は、シミュレーション結果を示す線図である。横軸は周波数(単位:MHz)、縦軸はインピーダンスの絶対値(単位:ohm)を示している。図3に示すように、規格化厚みを厚くするにつれてバルク波放射により損失が大きくなっていくが、規格化厚みが10%を超えると規格化厚み2%のときよりも共振、反共振ともに特性が鋭くなっており、損失が抑制されていることが確認できる。すなわち、Mo電極においては、規格化厚みを10%以上としたときにバルク波放射による損失を抑制したSAW素子1を提供すること
ができる。このような、バルク波放射による影響が少なくなる(なくなる)規格化厚みをt1とする。t1は反共振周波数が、電極ピッチに対応するバルク波の周波数よりも低くなる厚みである。図中においてt1よりも規格化厚みが厚い領域をバルク波無放射領域と示している。
一方で、規格化厚みがさらに厚くなると、共振周波数より低周波数側にレイリー波の影響によりスプリアスが発生する。このスプリアスは、存在は知られているが詳細については検討されていなかった。そこで、本開示では、このスプリアスの影響を抑制し、損失の少ないSAW素子1を提供可能な構成について検討した。
スプリアスと電極構造との関連を確認するために、IDT電極3の電極の規格化厚みを10%〜14%まで0.5%刻みで変更したモデルを作成し、周波数特性をシミュレーションした。シミュレーションの基本条件は上述のモデルと同様である。
図4に、上述のシミュレーション結果を表示した。なお、スプリアスと共振の関係を見やすくするため、共振周波数が同じになるように適宜周波数を調整した。図4から明らかなように、スプリアスR1は、規格化厚みを増加させるに従い高周波数側に移動していくことが確認された。さらに、スプリアスR1の振幅は、規格化厚みを増加させるに従い徐々に小さくなった後に徐々に大きくなっていく様子が確認された。
このようなスプリアスR1の大きさを比較するパラメーターとして、「スプリアス幅」を導入する。スプリアス幅とは、スプリアス周辺のインピーダンスの位相が89.99995°以上となる周波数幅をスプリアス周波数で除した値のことであり、スプリアス強度の指標として使用する。
このスプリアス幅の規格化厚みに対する変動および圧電基板2のカット角に対する変動の様子をシミュレーションした結果を図5に示す。図5において、横軸は規格化厚み(単位:%)を、縦軸はスプリアス幅(単位:%)を示している。また、図5にはLiTaOからなる圧電基板2のカット角を40°、42°、44°とした場合についてのシミュレーション結果を示した。
図5からも明らかなように、SAW素子1には、スプリアス幅を小さくすることのできる規格化厚みが存在し、かつその厚みは圧電基板2のカット角を変更しても大きく変化しないことを確認した。具体的には、電極材料としてMoを用いる場合には、圧電基板2のカット角に依存することなく規格化厚み10.5%〜13%がスプリアスR1の影響を抑制でき、特に12.0〜12.5%としたときに最もスプリアスR1の影響を抑制できる。なお電極の規格化厚みが15%を超えると、スプリアスR1がラブ波の共振と同等の大きさになってしまうためフィルタとしての適用が困難になる。
IDT電極3の電極材料としてW,Cuを用いて、同様にシミュレーションを行なった結果を図6に示す。図6(a)は、IDT電極3の材料としてWを用いた場合の例を示し、図6(b)は、IDT電極3の材料としてCuを用いた場合の例を示している。図6(b)において、圧電基板2のカット角が42°のときと44°のときの特性を示す線は重複している。
図6に示す通り、W,Cuについてもスプリアス幅を小さくすることのできるカット角に依存しない規格化厚みが存在することが確認できた。この値は、Mo同様、圧電基板2のカット角には依存しない値となっていた。具体的には、Cuの場合には9.5%〜11%であり、より好ましくは10.5%±0.5%であった。Wの場合には7〜8.5%であり、より好ましくは8%±0.5%であった。
なお、W,Cuにおいて、スプリアスR1がラブ波の共振と同等の大きさになる規格化厚みは、それぞれ9.5%,12%であった。
上述の特性を電極材料の密度とヤング率とで規定した結果を図7に示す。図7において縦軸はIDT電極3の電極材料のヤング率(GPa)を示し、横軸は同電極材料の密度(g/cc)を示し、電極の材料定数(ヤング率と密度)それぞれに応じたスプリアスR1のスプリアス強度が最小となる電極の規格化厚み(t2,単位:%)を等高線で示したものである。
図7に示す通り、電極の材料定数により、最適な規格化厚みであるt2を算出することができる。このt2を一般式で表すと以下の通りとなる。
t2=a×E/ρ ・・・・式(1)
t2:スプリアスR1が最小となる規格化厚み(単位:%)
E :IDT電極3の電極材料のヤング率(単位:GPa)
ρ :IDT電極3の電極材料の密度(単位:g/cc)
a、b、c:係数 a=11.08,b=0.300,c=0.707
なお、上述の式(1)の妥当性を検証するために、図3〜図5と同様のシミュレーションを行なって得た値と式(1)で算出した値とを比較した。具体的には、IDT電極3の電極材料としてMo,W,Cu,Alについて、図3〜図5と同様のシミュレーションを行なった結果、t2は順に12.5%,8%,10.5%,18%となった。これに対して、式(1)で算出したt2は順に12.2%,8.3%,9.9%,19.7%となり、上記の式の妥当性を確認できた。
以上より、t2の値は、t1よりも大きい値であり、かつ式(1)の値から+1.5%の範囲の値とすればよい。これは図5、6からも明らかなように、式(1)の値よりも小さい値の範囲では、式(1)の値から離れる従いスプリアス強度は大きくなるが、その強度は小さく、かつ強度の変化率も大きくない。以上より、t1よりも大きい値であればスプリアスの影響をある程度抑制できた状態と言える。一方で、式(1)の値よりも大きい値の範囲では、式(1)の値から離れる従いスプリアス強度は大きくなり、かつ強度の変化率も大きいため、式(1)の値から+1.5%の範囲とすることが好ましい。以上より、t2の値を式(1)の値から±1.5%の範囲とすれば、レイリー波によるスプリアスR1の影響を抑制した、ロスの少ないSAW素子1を提供することができる。
さらに、t2の値を、式(1)の値から±1%の範囲の値としてもよい。その場合には、式(1)の値よりも大きい値の範囲であってもスプリアス強度が倍増しない範囲内に収めることができる。より好ましくは、±0.5%の範囲の値とすればよい。この場合には、式(1)の値を中心とする特にスプリアス強度を抑制した領域におさめることができる。このような値とすることで、レイリー波によるスプリアスR1の影響を抑制した、ロスの少ないSAW素子1を提供することができる。
さらに、図3からも明らかなように、電極指32のピッチPt1が同じ場合には、通常のSAW共振子に比べて、規格化厚みがt1よりも厚い本開示のSAW共振子1の共振周波数は低くなる。そこで、本開示のSAW共振1を用いて通常のSAW共振子と同一の共振周波数を得る場合には、ピッチPt1を小さくすることとなり、その結果、SAW共振子1の小型化を実現できる。
なお、付言すると、本開示のSAW素子1は、スプリアスR1の出現周波数やスプリアス強度やその傾向および、これらのスプリアスの諸特性とIDT電極3の電極材料および厚みとの関係、圧電基板2のカット角との関係について、初めて見出し、さらに一般化し
て上述の式(1)を満たすIDT電極3を備えることを提案したものである。
(他の実施形態)
上述の例では、IDT電極3の材料定数に応じた規格化厚みをt2とする場合について説明したが、さらに材料定数が特定の条件を満たしていてもよい。
発明者が鋭意検討を重ねた結果、IDT電極3の規格化厚みのt1とt2との差が小さすぎると、共振周波数よりも高周波数側でロスが増加することを見出した。図8に、IDT電極3の電極材料を異ならせたときの周波数特性を示す。横軸は周波数(単位:MHz)であり、縦軸は位相(単位:deg)を示している。位相が90°、−90°に近い程損失が少ないことを示す。
図8において、IDT電極3の電極材料としてAl,W,Cu,Moを用いて、規格化厚みをそれぞれの材料に応じた厚みであるt2としたときの共振子インピーダンスの位相特性を示した。また、比較例として通常の厚み(規格化厚み8%)のAl電極からなるIDT電極を用いたときの位相特性を重ねて表示している。なお、スプリアスと共振の関係を見やすくするため、共振周波数が同じになるように適宜周波数を調整した。また、電極材料および膜厚を変化させた結果、Δf(共振周波数と反共振周波数との差分)の大きさが変化しているため、反共振周波数(右肩)の位置は一致していない。
この図から明らかなように、比較例の特性に比べ、IDT電極3の厚みをt2としたときの周波数特性は、反共振周波数付近の肩部(右肩)の位相が、反共振点より低周波側では90°に近く、反共振点より高周波側では−90°に近くなっている。これは共振子の損失が低減されていることを示している。さらに比較例では反共振周波数から離れた高周波数側(図中の表示で2100MHz付近よりも高周波側)で位相特性の盛り上がり(損失の増加)があるが、IDT電極3の厚みをt2としたときにはほとんど無い。このように、広い周波数範囲で損失が低減されていることが確認された。
一方で、IDT電極3としてAlを用いて規格化厚みを18%とした場合の周波数特性を確認すると、反共振周波数の少し高周波側から若干位相特性が盛り上がっている(損失が発生している)ことが確認できる。これは、IDT電極3の材料としてAlを用いた場合には、t2がt1と近すぎて(ほぼ同一)、反共振周波数近傍でバルク波放射の影響が生じてしまうためと推測される。
このことから、IDT電極3の電極厚みをt2とすることを想定すると、t2とt1の差分を一定以上とることで、高周波数側の損失を低減することができることが分かった。そこで、図9に、IDT電極3の電極材料の材料定数とt2とt1との差分(t2−t1)の関係を示す等高線グラフを示す。図9において横軸は電極材料の密度(単位:g/cc)、縦軸はヤング率(単位:GPa)を示している。そして、t2−t1の値を等高線で表示している。
図9から明らかなように、差分を一定以上確保するためには、ヤング率および密度を一定以上とすることが必要であることが分かった。具体的には、t2とt1との差分を2.5%以上とすることでレイリー波の影響を十分おさえるとともに共振周波数よりも高周波数側の領域でも安定してロスを抑制することができる。t2とt1との差分を2.5%以上とすることのできる範囲として、ヤング率は150GPよりも大きく、密度は5g/ccよりも大きい領域を例示できる。
なお、図9中において破線で囲む領域は、t2−t1に関するシミュレーションが成立しない領域である。
IDT電極3の電極材料として上述の関係を満たす場合には、共振周波数の低周波数側のロス、反共振周波数近傍のロスの低減に加え、反共振周波数よりも高周波数側におけるロスも低減することができ、さらに損失の少ないSAW素子1を提供することができる。このような材料として具体的には、MoやWを例示することができる。
(他の実施形態)
上述の例では、IDT電極3を構成する電極材料として単一の材料からなる場合について説明したが、互いに異なる材料からなる2以上の層を積層した構成であってもよい。この場合には概略的に積層体を構成する複数の材料からなる層のそれぞれを、ある特定の材料からなる層で構成したときの厚み(換算厚み)に換算し、その合計の厚みが式(1)を満たすように各層を設計する。
ここで、換算厚みについて説明する。例えば、材料1からなる層の厚みを材料2で構成した場合の換算厚みは、(材料1からなる層の厚み)×(材料1のヤング率×材料1の密度)0.5/(材料2のヤング率×材料2の密度)0.5で算出できる。
すなわち、IDT電極3が積層体で構成される場合には、IDT電極3の平均の規格化厚みt2は、各層の厚みをいずれか1つの層に換算した換算厚みを算出し、その合計値としている。
積層体を構成する材料の組み合わせ及び膜厚比率および積層順については適宜設計すればよいが、例えば、電気抵抗に着目して設計してもよい。前述の実施形態で例示したMoは、t2−t1の差分を確保することができるという利点を有する一方で、電気抵抗が大きい。具体的には、従来用いられてきたAlの電気抵抗が2.7×10−6ohm・cmであるのに対して、Moは5.7×10−6ohm・cmであり2倍以上となっている。さらに従来のAl電極の厚みが8%であるのに対して、Moもt2は12.5%であることを考慮すると、IDT電極3としてみたときの電極抵抗は約1.4倍大きくなっていることになる。すなわち、IDT電極3としての抵抗を検証する性能指数(FOM:Figure
of Merit)として、規格化厚み(%)を電気抵抗(×10−6ohm・cm)で割った
値を定義すると、通常のAl電極では3.0であるのに対して、Moを用いてt2を12.5%とした場合は2.2となっていることになり、電極としての電気抵抗によりロスが発生することとなる。
そこで、IDT電極3を、FOMが3.0以上になるように、電気抵抗の小さい材料と、密度の高い材料とを組み合わせればよい。
例えば、電気抵抗の小さいAlと、密度の高い材料であるMoとを組み合わせた場合について検討する。圧電基板2に近い側からMo、Alの順に積層した場合、スプリアスR1が最小になるようなAlとMoとの各層の膜厚の組み合わせは、tAl=−3.5×tMo+42.7の関係式(以下式(2)とする)で表される。すなわち、tAlは、式(2)の値から±1.5%の範囲とすればよい。より好ましくは、式(2)の値から±1.0%、もしくは±0.5%の範囲とすればよい。なお、この式は、上記した換算厚みを使用した場合に、式(1)で計算されるt2に近い値を取る。具体的には、式(1)で和えられるt2の値から±1.5%の範囲に含まれている。
ここで、tAlはAlの層の規格化厚み(%)であり、tMoはMo層の規格化厚み(%)を示す。同様にこれらの積層体全体のFOMを比較して3.0を超えるように各層の厚みを決定すればよい。このような関係を図10に示す。なお、積層体のFOMは以下のように計算すればよい。
積層体のFOM=(材料1の規格化厚み)/(材料1の抵抗率)+(材料2の規格化厚み)/ (材料2の抵抗率)
図10において、縦軸の第1軸(左軸)はtAlの規格化厚みを示し、横軸はtMoの規格化厚みを示す。この関係で式(1)を満たす関係をL1で示す。一方で、縦軸の第2軸(右軸)は積層体全体のFOMを示す。ここで、tMoを変化させたときの、積層体全体のFOMの関係をL2にしめす。この図から分かるように、Mo層の厚みであるtMoを11.5%以下とすることで、FOMは3.0を超え、電気抵抗によるロスの少ないIDT電極3を提供することができる。
なお、Mo層の厚みtMoをさらに薄くしていくと、FOMは上昇するが、積層体全体の厚みが急速に厚くなり、生産性が低下するとともに、t2−t1も少なくなっていく。以上より、Al層とMo層との積層体でIDT電極3を構成する場合には、Mo層の厚みtMoは10.5〜11%とすることで、電極抵抗をおさえつつ生産性も維持することができる。
また、異なる材料からなる二層を積層してIDT電極3を構成する場合には、その積層順は圧電基板2への成膜性を考慮して決めたり、使用環境における安定性(酸化性等)を考慮して決めたりしてもよいが、強度をもとに決定してもよい。
IDT電極3の強度に着目する場合について検討する。図11にIDT電極3の一部である電極指32の断面図を示す。圧電基板2は電圧の印加により変形するため、圧電基板2に近い方が電極にかかる応力は強くなる。このため、圧電基板2に近い側に強度の高い層を配置してもよい。すなわち、Al層とMo層の場合には、図11に示すように、Mo層32xを圧電基板2の側に配置し、その上にAl層32yを配置してもよい。
次に、図11に示すIDT電極3に加わる振動応力について検討する。図12に、IDT電極に加わる振動の応力をシミュレーションした結果を示す。シミュレーションは共振子に1Vp−pの高周波電圧がかかった場合の、Al層32yの最下面(Al層32yとMo層32xとの境界付近)に発生する応力を計算している。
図12(a)の横軸は1本の電極指32の幅方向(図11の横方向)の断面位置であり
、X=0は電極指の幅方向の中心である。Al層32yの最下面の応力を計算した理由は、この位置がAl電極にかかる応力が最も大きく、強度的に最も厳しい状態にあるからである。なお、Mo層32xはAlに比べて10倍以上の強度を有するため、Mo層32x,Al層32yを合わせても、Al層32yの最下面における応力強度が重要となってくる。
図12(a)において、通常のAlのみからなる一層のIDT電極3の場合の電極指32に加わる応力についてL11で示す。L11から明らかなように、電極指32の面内で応力分布が発生しており、端部において応力集中している様子が確認された。
これに対して、同じく図12(a)に、図11に示す構成のIDT電極3における電極指32の応力についてL21〜L23に示す。L21は、Mo層32xの厚みが10%、Al層32yの厚みが7.5%の積層体の場合のAl層32yの最下面における応力分布を示している。同様に、L22は、Mo層32xの厚みが11%、Al層32yの厚みが4.5%の積層体の場合を、L23はMo層32xの厚みが12%、Al層32yの厚みが0.5%の積層体の場合をそれぞれ示している。いずれの膜厚の組み合わせも、式(1)および図10に示す関係を満たす構成である。
なお、シミュレーションでは共振周波数を一致させるように、ピッチを調整している。
このため、電極指32の幅がAl一層の場合と積層体のときとで異なっている。
L21〜L23から明らかなように、図11に示す構成においては、電極指32の端部に応力集中は生じていない。このため、図11に示す構成のIDT電極3を備える場合には、破壊源を有さないため信頼性の高いSAW素子1を提供できるものとなる。
図12(b)に、Al層32yの最下面の平均応力を示す。図12(b)において、横軸はMo層32xの規格化厚みを示し、縦軸は、Al層32yの最下面における平均応力の値を示す。Mo層32xの厚みが10%以下の場合には、Al層のみの場合に比べて平均応力が大きくなってしまい、従来例よりも振動によって破壊されやすくなる。このため、Mo層32xの厚みは10%を超える厚みとすることが好ましい。
図13,図14に、積層体で構成されるIDT電極3の材料の組み合わせを異ならせた場合について、(a)に膜構成とFOMとの関係を(図10相当)、(b)に積層界面における応力分布を(図12(a)相当)、(c)に膜構成と積層界面における平均応力との関係(図12(c)相当)を、それぞれ示した。
具体的には、図13に、Wからなる層とAlからなる層とを、圧電基板2から近い側からこの順に積層してなるIDT電極の場合について示している。同様に、図14に、Cuからなる層とAlからなる層とを、圧電基板2から近い側からこの順に積層してなるIDT電極の場合について示している。
Alからなる層とWからなる層とを積層した場合について検討すると、スプリアスR1が最小になるようなAlとWとの各層の膜厚の組み合わせは、tAl=−5.54×t+44.9の関係式(以下、式(3)という)であらわされる。すなわち、tAlは、式(3)の値から±1.5%の範囲とすればよい。より好ましくは、式(3)の値から±1.0%、もしくは±0.5%の範囲とすればよい。式(3)は、上記した換算厚みを使用したばあい、式(1)で計算されるt2に近い値をとることを確認している。
ここで、tAlはAlの層の規格化厚み(%)であり、tはW層の規格化厚み(%)を示す。同様にこれらの積層体全体のFOMを比較して3.0を超えるように各層の厚みを決定すればよい。
図13(a)において、式(3)を満たす関係を線L1Wで示す。さらにtを変化させたときの、積層体全体のFOMの関係をL2Wでしめす。この線図より、tは7.5%以下とすることでFOMを3.0以上とすることができることが分かった。
次に図11と同様に、Alからなる層を上側に位置させたときの、IDT電極3内における応力分布を図13(b)に示す。積層体とすることで、電極指の端部における応力集中はなくなっていることが確認できた。
さらに、図13(c)に示すように、tを6.5%よりも厚くすることで、Al単層の場合よりも平均応力を小さくすることができることを確認した。
同様に、Alからなる層とCuからなる層とを積層した場合について検討すると、スプリアスR1が最小になるようなAlとCuとの各層の膜厚の組み合わせは、tAl=−2.86×tCu+30.2の関係式(以下、式(4)という)であらわされる。すなわち、tAlは、式(4)の値から±1.5%の範囲とすればよい。より好ましくは、式(3)の値から±1.0%、もしくは±0.5%の範囲とすればよい。式(4)は、上記した換算厚みを使用したばあい、式(1)で計算されるt2の値に近い値をとることを確認し
ている。
ここで、tAlはAlの層の規格化厚み(%)であり、tCuはCu層の規格化厚み(%)を示す。同様にこれらの積層体全体のFOMを比較して3.0を超えるように各層の厚みを決定すればよい。
図14(a)において、式(4)を満たす関係を線L1Cuで示す。さらにtCuを変化させたときの、積層体全体のFOMの関係をL2Cuでしめす。この線図より、tCuをどのような比率で存在させた場合であってもFOMを3.0以上とすることができることが分かった。
次に図11と同様に、Alからなる層を上側に位置させたときの、IDT電極3内における応力分布を図14(b)に示す。積層体とすることで、電極指の端部における応力集中はなくなっていることが確認できた。
さらに、図14(c)に示すように、tCuを8.5%よりも厚くすることで、Al単層の場合よりも平均応力を小さくすることができることを確認した。
(他の実施形態)
上述の構成では、電極指32の交差幅が一定の場合について説明した。これに対して、電極指32の交差幅を変化させるアポタイズ型の電極指構成としてもよい。
上述のシミュレーションにおいて、IDT電極の電極指の公差幅(y方向)を無限、電極指のx方向の繰り返し数を無限としているが、有限の場合には公差幅方向(y方向)に振動モードが発生してしまい、共振特性にリップルが発生する。これに対応するために、IDT電極3の構成をアポタイズさせてもよい。
また、上述の例では、IDT電極3の材料による共振周波数と反共振周波数との差(Δf)の大きさについては特に言及していないが、厚みをt2としたときに、Mo、Wは概ね、通常のSAW共振子の場合と同じ大きさであった。これに対して、Al,Cuの場合にはΔfが狭くなっていた。具体的には、Al、Cu,Mo,Wの順にΔfが大きくなっていた。
以上より、Δfを小さくしたい場合には、AlやCuを含む積層体としたり、Δfを大きくしたい場合には、Wを含む積層体にしたりして調整してもよい。
また、上述の構成では、圧電基板は充分に厚い場合について説明したが、その下面に支持基板を貼り合せてもよい。
図15に、SAW素子1の変形例の断面図を示す。図15において、圧電基板2の下面2Bには、支持基板7が貼り合わされている。すなわち、本例では圧電基板2と支持基板7との貼り合せ基板で素子基板を構成している。
このような場合には、圧電基板2の厚みを、例えば1μm〜30μmとしてもよい。
支持基板7は、例えば、圧電基板2の材料よりも熱膨張係数が小さい材料によって形成されている。これによって、SAW素子1の電気特性の温度変化を補償することができる。このような材料としては、例えば、シリコン等の半導体、サファイア等の単結晶および酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックを挙げることができる。なお、支持基板7は、互いに異なる材料からなる複数の層が積層されて構成されていてもよい。
支持基板7の厚みは、例えば、支持基板7の平面方向全体に亘って一定であり、その大きさは、SAW素子1に要求される仕様等に応じて適宜に設定されてよい。ただし、支持基板7の厚みは、温度補償が好適に行われたり、圧電基板2の強度を補強したりできるように、圧電基板2の厚みよりも厚くされる。一例として、支持基板7の厚みは100μm以上300μm以下である。支持基板7の平面形状および各種寸法は、例えば、圧電基板2と同等である。
圧電基板2および支持基板7は、例えば、不図示の接着層を介して互いに貼り合わされている。接着層の材料は、有機材料であってもよいし、無機材料であってもよい。有機材料としては、例えば、熱硬化性樹脂等の樹脂が挙げられる。無機材料としては、例えば、SiOが挙げられる。また、圧電基板2および支持基板7は、接着面をプラズマなどで活性化処理した後に接着層無しに貼り合わせる、いわゆる直接接合によって貼り合わされていても良い。
このような、素子基板を用いたSAW素子においては、電極膜の結晶性・密着性を向上させるために、基板と電極膜、または積層電極の各層の間に、適宜密着層を挿入しても、全体の動作原理に大きな影響を与えない限り問題ない。密着層としては、一般的には、たとえば数nm〜数10nmのTi、もしくはCrが使用される。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよく、また上述した実施形態は、適宜に組み合わされてよい。
また、本発明のシミュレーションは、全て電極のDuty比が0.5の時について行ったが、別のDuty比の場合でも、同様の議論が成り立つ。例えば、Duty比が0.5よりも大きい場合はt1、t2、その他電極厚みは本発明掲載の値よりも若干小さくなるし、Duty比が0.5より小さい場合はt1、t2、その他電極厚みは本発明掲載の値よりも若干大きくなる。いずれにしても、本発明に沿った検討により、t1、t2、その他電極厚みを求めることができる。
1・・・弾性波装置
2・・・圧電基板
3・・・IDT電極
30・・櫛歯電極
31・・バスバー
32・・電極指
33・・ダミー電極
7・・・支持基板

Claims (12)

  1. 42°±10°Y−Xカット,0°±10°Y−Xカットのリチウムタンタル酸結晶からなる圧電基板と、前記圧電基板の上面に配置された、複数の電極指を有するIDT電極と、を備え、
    前記IDT電極の前記電極指の周期で規格化した平均の規格化厚みであるt2(%)は、構成する材料の平均のヤング率をE(GPa)、平均の密度をρ(g/cc)とすると、
    11.08×E0.3/ρ0.707−1.5≦t2≦11.08×E0.3/ρ0.707+1.5
    の関係を満た
    前記IDT電極は、複数の層が積層された積層体であり、
    前記複数の層の各層の規格化厚みをその層を構成する電気抵抗(×10 −6 ohm・cm)で割った値の合計値が3.0以上である、
    弾性波素子。
  2. 前記IDT電極は、Eが150GPaよりも大きく、ρが5g/ccよりも大きい、請求項1に記載の弾性波素子。
  3. 前記積層体は、前記圧電基板の側に配置されたMoからなり規格化厚みがtMo(%)である層と、その上に積層されたAlからなり規格化厚みがtAl(%)である層とで構成され、
    −3.5×tMo+41.2<tAl<−3.5tMo+43.2の関係を満たす、請求項1または2に記載の弾性波素子。
  4. Moは10%より厚く、11.5%より薄い、請求項に記載の弾性波素子。
  5. 前記積層体は、前記圧電基板の側に配置されたWからなり規格化厚みがt(%)である層と、その上に積層されたAlからなり規格化厚みがtAl(%)である層とで構成され、
    −5.54t+42.4<tAl<−5.54t+46.4の関係を満たす、請求項1または2に記載の弾性波素子。
  6. は10%より厚く、11.5%より薄い、請求項に記載の弾性波素子。
  7. 前記積層体は、前記圧電基板の側に配置されたCuからなり規格化厚みがtCu(%)である層と、その上に積層されたAlからなり規格化厚みがtAl(%)である層とで構成され、
    −2.86tCu+27.7<tAl<−2.86tCu+31.7の関係を満たす、請求項1または2に記載の弾性波素子。
  8. Cuは8.5%より厚い、請求項に記載の弾性波素子。
  9. 前記IDT電極はアポタイズ型である、請求項1乃至のいずれかに記載の弾性波素子。
  10. 前記圧電基板の下面に、前記圧電基板よりも線膨張係数の小さい材料からなり、前記圧電基板の厚みよりも厚い支持基板が配置された、請求項1乃至のいずれかに記載の弾性波素子。
  11. 前記圧電基板と前記支持基板との間に、有機材料からなる層もしくは無機材料からなる層が位置する、請求項10に記載の弾性波素子。
  12. 前記圧電基板と前記支持基板との間に、SiO 層が位置する、請求項10に記載の弾性波素子。
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