以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る第1の車載装置151および第2の車載装置152、および運行管理センタ140を含む運行管理システムの構成を示す図である。運行管理システムは、作業現場となる鉱山全体の運行を管理する監視局である運行管理センタ140と、ダンプトラック110Aやショベル110Bなどの大型車両110に搭載される第1の車載装置151と、大型車両に比べて大きさの小さい小型車両130に搭載される第2の車載装置152と、を含む。
ダンプトラック110Aは、積荷が積み込まれる荷台(ベッセル)と、荷台を上下方向に回動(起伏動)させる荷台操作用の油圧シリンダと、を備えた作業車両である。ショベル110Bは、走行体上に旋回可能に設けられた旋回体と、ブーム、アームおよびバケット、ならびにこれらを駆動する油圧シリンダ等を有するフロント作業装置を備える作業車両である。
車載装置151は運行管理センタ140と無線通信で接続され、車載装置152は運行管理センタ140と無線通信で接続されていない。大型車両110や小型車両130などの車両は、相互に無線の直接通信である車車間通信により、情報のやりとりを行う。
大型車両110に搭載される車載装置151は、運転支援装置101、運行管理用端末102、オペレータ用ユーザI/F103、および車両制御システム104を備えている。これらの装置は、CAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークを介して接続されている。なお、各車載装置151を構成する各装置は、一つのネットワークを介して接続されている場合に限らず、各装置同士が個別に接続されていてもよい。図1の例では、運転支援装置101と運行管理用端末102を別の制御装置としているが、これらの制御装置の機能を1つにまとめて1つの制御装置にしてもよい。
運転支援装置101、運行管理用端末102、および車両制御システム104は、それぞれCPU(Central Processing Unit)や、記憶装置であるRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含むコンピュータである。なお、後述するデータベース205(図2参照)の各管理テーブルは、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置に格納される。
小型車両130に搭載される車載装置152は、運転支援装置101、およびオペレータ用ユーザI/F103を備えている。これらの装置は、CANなどの車載ネットワークを介して接続されている。運転支援装置101およびオペレータ用ユーザI/F103は、大型車両110の車載装置151が備えているものと、小型車両130の車載装置152が備えているものとで同様であるので、同一の符号を付す。
運転支援装置101は、自車両の位置を捕捉するための自車両位置取得装置191と、他車両と通信を行う車車間通信装置192を備えている。自車両位置取得装置191としてはGPS(Global Positioning System)受信装置が一般的であるが、Inertial Measurement Unit(IMU)やビーコンを用いても良い。運行管理用端末102は、運行管理センタ140と通信を行うセンタ通信装置193を備えている。
図2は、第1の実施の形態に係る運転支援装置101の構成を示す図である。図2に示すように、運転支援装置101は、自車両情報取得部201、車車間通信部202、運行管理用端末通信部203、オペレータ通知部204、データベース205、自車両状態判定部206、他車両状態判定部207、干渉リスク判定部208、警告情報生成送信部220、報知情報生成送信部221、送信制御部222、および制御信号生成部209を備えている。なお、第1の車載装置151の運転支援装置101と、第2の車載装置152の運転支援装置101は同様の構成であるので、主に、第1の車載装置151の運転支援装置101を例に説明する。第2の車載装置152の運転支援装置101については、第1の車載装置151の運転支援装置101と異なる部分について説明する。
運転支援装置101は、自車両に搭載される車車間通信装置192により、他車両に搭載される車車間通信装置と車車間通信を行うことで、それぞれが搭載されている車両に関する情報をやりとりする。車車間通信部202は、中継局を介さない直接の無線通信である車車間通信を他車両との間で行う。なお、無線通信の方式としては、たとえば、WiFiのAd−Hocモードや、802.11pなどの通信方式や、鉱山内において共通で独自の周波数帯を用いた通信方式を採用することができる。
運転支援装置101は、自車両に関する情報(以下、自車両情報とも記す)および他車両に関する情報(以下、他車両情報とも記す)を取得して、自車両の状態および他車両の状態を監視する。監視により、後述するように、自車両が特殊な状態になったり、他車両が特殊な状態になったことが判定されると、運転支援装置101は、自車両が特殊な状態になったことを含む自車両情報や、他車両が特殊な状態になったことを含む他車両情報をセンタ通信装置193や車車間通信装置192を介して、鉱山内の車両に送信し、車両同士の干渉を防止する。
車車間通信部202は、車車間通信装置192から他車両情報(図4参照)を取得する。また、車車間通信部202は、車車間通信装置192を介して、周囲の他車両に自車両情報および他車両情報(図4参照)を送信する。
自車両情報取得部201は、自車両位置取得装置191から自車両の位置に関する情報(以下、自車両位置情報と記す)を取得する。なお、自車両位置取得装置191を運転支援装置101に接続すること(図1参照)に代えて、自車両位置取得装置191を運行管理用端末102に接続し、運行管理用端末102から運転支援装置101に自車両位置情報を送信してもよい。この場合、自車両情報取得部201は、運行管理用端末102を介して、自車両位置取得装置191により取得された自車両位置情報を取得する。
自車両情報取得部201は、車両制御システム104から自車両を制御するための自車両制御情報を取得する。つまり、自車両情報取得部201は、自車両を制御するための自車両制御情報および上述した自車両位置情報を取得する。
車両制御システム104は、自車両の各部を制御するシステムであり、ステアリングセンサ(不図示)やブレーキペダルセンサ(不図示)などの各種センサ、後述の制御信号生成部209等から出力される舵角やブレーキ圧などの情報に基づいて、操舵装置や制動装置などの制御を行う。また、車両制御システム104は、車速センサ(不図示)やジャイロセンサ(不図示)で検出された情報を運転支援装置101に出力する。
運行管理用端末102は、センタ通信装置193により、運行管理センタ140との間で無線通信を行うことにより、自車両の作業状態を表す情報を所定の間隔で運行管理センタ140に送信する。運行管理用端末102は、運行管理センタ140から送信される運行管理情報、および他車両情報を所定の間隔で受信する。運行管理用端末102は、自車両の運行管理情報、および他車両情報を内部に記憶し、これらの運行管理情報を運転支援装置101に出力する。
運行管理用端末通信部203は、運行管理用端末102を介して、センタ通信装置193により受信された運行管理情報、およびセンタ通信装置193により受信された他車両情報を取得する。運行管理情報には、車両の運行を管理するための情報であって、オペレーション指示など、自車両のオペレーションに関する情報を含んでいる。なお、センタ通信装置193により受信された大型車両110の他車両情報には、その車両の現在のオペレーション状態など、その車両のオペレーションに関する情報が含まれている。
運行管理用端末通信部203は、運行管理用端末102を介して、自車両情報や他車両情報(図5(a)参照)を運行管理センタ140に送信する。
運転支援装置101は、車車間通信で取得した他車両情報の中に、後述する「特殊な状態」にある他車両の情報が含まれている場合、その該当他車両の情報を周囲の別の他車両に配信するか否かを判定する。該当他車両の情報を周囲の別の他車両に配信すると判定されると、運転支援装置101は、車車間通信により、周囲の他車両に、該当他車両の情報を配信し、さらに運行管理用端末102を介して運行管理センタ140に該当他車両の情報を送信する。
運行管理センタ140は、各車両から送信された「特殊な状態」にある他車両の情報を受信し、記憶装置に記憶し、所定の間隔で最新の情報を運行管理下にある各車両(本実施の形態では、大型車両110)に配信する。
運転支援装置101は、センタ通信で取得した他車両情報の中に、後述する「特殊な状態」にある他車両の情報が含まれている場合、その該当他車両の情報を周囲の別の他車両に配信するか否かを判定する。該当他車両の情報を周囲の別の他車両に配信すると判定されると、運転支援装置101は、車車間通信により、周囲の他車両に、該当他車両の情報を配信する。
運転支援装置101は、自車両の状態が周囲に配信すべき状態であるか否かを判定する。自車両の状態が周囲に配信すべき状態であると判定されると、運転支援装置101は、車車間通信により、周囲の他車両に自車両の情報を配信し、さらに運行管理用端末102を介して運行管理センタ140に自車両の情報を送信する。
オペレータ用ユーザI/F103は、運転支援装置101からオペレータに情報を伝達するためのヒューマンインターフェースであり、たとえば、液晶パネルなどの表示装置やスピーカなどの音声出力装置である。オペレータ用ユーザI/F103は、運転支援装置101から警告信号が出力されると、警告信号に基づいて、警告画像や警告音声をオペレータに対して報知する。つまり、オペレータ用ユーザI/F103は、自車両のオペレータに対して警告を行う警告装置としての機能を有している。
データベース205は、自車両生データ管理テーブル211、他車両生データ管理テーブル212、自車両状態判定結果管理テーブル213、および他車両状態判定結果管理テーブル214を有している。
自車両生データ管理テーブル211には、自車両情報取得部201および運行管理用端末通信部203により取得された自車両情報が格納される。他車両生データ管理テーブル212には、車車間通信部202および運行管理用端末通信部203により取得された他車両情報が格納される。
自車両状態判定部206は、自車両生データ管理テーブル211に格納されている自車両情報に基づき、自車両が「特殊な状態」にあるか否かを判定する。ここで、「特殊な状態」とは、運行管理センタ140および他車両のいずれとも通信が行えなくなった状態、または、運行管理センタ140および他車両のいずれとも通信が行えなくなる状態への遷移が推定される状態と定義する。なお、小型車両130の車載装置152は、運行管理センタ140との通信機能を備えていない。このため、車載装置152を搭載する車両に対しての「特殊な状態」とは、いずれの他車両とも通信が行えなくなった状態、または、いずれの他車両とも通信が行えなくなる状態への遷移が推定される状態と定義される。
運行管理センタ140および他車両のいずれとも通信が行えなくなった状態の具体例には、車両の電源が落とされた状態がある。運行管理センタ140および他車両のいずれとも通信が行えなくなる状態への遷移が推定される状態の具体例には、車両の電源が落とされることが推定される状態がある。
自車両状態判定部206は自車両が「特殊な状態」にあるか否かを判定するために停止状態検知部226と、非稼働状態検知部227と、受信状態検知部228を有する。停止状態検知部226は自車両の車速が0の状態がどれだけ継続しているかを監視する。非稼働状態検知部227は、自車両のオペレーション状態を監視する。受信状態検知部228は車車間通信が可能な他車両が存在するか否かの判定と、自車両が運行管理センタ140と通信可能な状態にあるか否かの判定を行う。
自車両の特殊な状態の判定処理について、以下、説明する。特殊な状態の判定処理は、大型車両110の運転支援装置101と小型車両130の運転支援装置101とで異なる。
小型車両130の運転支援装置101の自車両状態判定部206は、次の条件1が成立した場合に、自車両の車両状態は、特殊な状態の一つである「停止準備中」であると判定する。
(条件1)自車両の車速が0の状態(すなわち自車両が停止している状態)が予め定められた一定時間T1の間、継続した場合
なお、自車両の車速が0の状態が一定時間T1の間、継続していることは、停止状態検知部226により検出される。
停止準備中であると判定された場合、小型車両130の運転支援装置101の自車両状態判定部206の受信状態検知部228は、車車間通信が可能な他車両が存在するか否かを判定する。停止準備中であると判定され、かつ、車車間通信が可能な他車両が存在しないと判定された場合、自車両状態判定部206は、自車両の車両状態として「停止準備中:通知先無」を表す値「1」を自車両状態判定結果管理テーブル213に設定する。停止準備中であると判定され、かつ、車車間通信が可能な他車両が存在すると判定された場合、自車両状態判定部206は、車両状態として「停止準備中:通知先有」を表す値「2」を自車両状態判定結果管理テーブル213に設定する。
大型車両110の運転支援装置101の自車両状態判定部206は、次の条件2および条件3のいずれかが成立した場合に、自車両の車両状態は、特殊な状態の一つである「停止準備中」であると判定する。
(条件2)自車両のオペレーション状態が「稼働無」の状態であり、かつ、自車両の車速が0の状態(すなわち自車両が停止している状態)が予め定められた一定時間T2の間、継続した場合
なお、自車両のオペレーション状態が「稼働無」の状態であることは、非稼働状態検知部227により検出され、自車両の車速が0の状態が一定時間T2の間、継続していることは、停止状態検知部226により検出される。
(条件3)イグニッションスイッチがオフ位置に操作された場合
ここで、条件1で用いられる一定時間T1と、条件2で用いられる一定時間T2は、予め記憶装置に記憶されている閾値であり、T1とT2とで異なる時間を設定してよいし、同じ時間を設定してもよい。たとえば、T1=10秒、T2=5秒として、一定時間T2を一定時間T1よりも短い時間に設定することができる(T2<T1)。条件2では、車速だけでなく、オペレーション状態を判定に用いているので、時間閾値T2が時間閾値T1よりも短くても適切に自車両が特殊な状態にあるか否かを判定することができる。
停止準備中であると判定された場合、大型車両110の運転支援装置101の自車両状態判定部206の受信状態検知部228は、自車両が運行管理センタ140と通信可能な状態であり、かつ、車車間通信が可能な他車両が存在するか否かを判定する。
自車両が運行管理センタ140と通信可能な状態に無いと判定された場合、あるいは、車車間通信が可能な他車両が存在しないと判定された場合、自車両状態判定部206は、自車両の車両状態として「停止準備中:通知先無」を表す値「1」を自車両状態判定結果管理テーブル213に設定する。
自車両が運行管理センタ140と通信可能な状態にあると判定され、かつ、車車間通信が可能な他車両が存在すると判定された場合、自車両状態判定部206は、車両状態として「停止準備中:通知先有」を表す値「2」を設定する。
条件1、条件2および条件3のいずれも非成立の場合、自車両状態判定部206は、自車両が「特殊な状態」にないと判定する。自車両が「特殊な状態」にないと判定された場合、自車両状態判定部206は、自車両の車両状態として「通常稼働中」を表す値「0」を設定する。
小型車両130の運転支援装置101において、車両状態として、「1(停止準備中:通知先無)」が設定された後、車車間通信が可能な他車両が存在すると判定される、または、条件1が非成立になると、自車両状態判定部206は、自車両が「特殊な状態」から通常の状態に遷移したと判定し、その判定結果を報知情報生成送信部221に出力する。報知情報生成送信部221は、後述する自車両のオペレータ(ドライバー)に対する警告を解除するために、警告解除信号を生成し、オペレータ通知部204に出力する。オペレータ通知部204は、この警告解除信号をオペレータ用ユーザI/F103に出力する。
同様に、大型車両110の運転支援装置101において、車両状態として、「1(停止準備中:通知先無)」が設定された後、車車間通信が可能な他車両が存在すると判定される、または、条件2および条件3のいずれもが非成立になると、自車両状態判定部206は、自車両が「特殊な状態」から通常の状態に遷移したと判定し、その判定結果を報知情報生成送信部221に出力する。報知情報生成送信部221は、後述する自車両のオペレータ(ドライバー)に対する警告を解除するために、警告解除信号を生成し、オペレータ通知部204に出力する。オペレータ通知部204は、この警告解除信号をオペレータ用ユーザI/F103に出力する。
自車両状態判定部206は、自車両状態の判定結果に基づいて、自車両状態判定結果管理テーブル213を更新する。自車両状態判定結果管理テーブル213に格納された、自車両が「特殊な状態」にあることを含む自車両情報は、送信制御部222を介して車車間通信部202および運行管理用端末通信部203に出力される。
オペレータ通知部204は、自車両状態判定部206による自車両状態の判定結果に基づき報知情報生成送信部221が生成した警告信号や、干渉リスク判定部208から取得したリスク判定結果に基づき警告情報生成送信部220が生成した他車両との干渉警告信号をオペレータ用ユーザI/F103に出力する。
他車両状態判定部207は他車両が「特殊な状態」にあるか否かを判定するために停止状態検知部229と、非稼働状態検知部230と、受信状態検知部231と、を有する。停止状態検知部229は他車両の車速が0の状態がどれだけ継続しているかを監視する。非稼働状態検知部230は、他車両のオペレーション状態を監視する。受信状態検知部231は、他車両が運行管理センタ140と通信可能な状態にあるか否かの判定を行う。
他車両状態判定部207は、他車両生データ管理テーブル212に格納されている他車両情報に基づき、他車両が「特殊な状態」にあるか否かを判定する。
他車両の特殊な状態の判定処理について、以下、説明する。他車両状態判定部207は、次の条件4が成立した場合に、他車両の車両状態は、特殊な状態の一つである「電源停止中」であると判定する。なお、本明細書では、判定の対象となる他車両や、特殊な状態と判定された他車両のことを、適宜、該当他車両と記す。該当他車両が電源停止中であるか否かの判定は、車車間通信装置192を介して取得した情報に基づいて行う。
(条件4)該当他車両の情報の生成時刻からの経過時間が予め定められた一定時間T3を経過しており、かつ、該当他車両と自車両との相対距離が予め定められた一定範囲内であり、かつ、該当他車両の車速が0の状態(すなわち該当他車両が停止している状態)である場合
なお、該当他車両の車速が0の状態が一定時間T3の間、継続していることは、停止状態検知部229により検出される。
条件4に用いられる一定範囲は、車車間通信が行える範囲に相当し、記憶装置に予め記憶されている。つまり、条件4が成立する状況は、車車間通信が行える範囲に該当他車両が停車しているにもかかわらず、車車間通信が行われていない状況であるので、条件4が成立することにより、該当他車両は電源が停止されている状態であることを判定することができる。
他車両状態判定部207は、上記条件4が非成立である場合、以下の条件5および条件6が成立しているか否かを判定する。
他車両状態判定部207は、次の条件5が成立した場合に、他車両の車両状態は、特殊な状態の一つである「停止準備中」であると判定する。該当他車両が停止準備中であるか否かの判定は、車車間通信装置192を介して取得した情報に基づいて行う。
(条件5)該当他車両の車種が小型車両130であり、該当他車両の車速が0の状態(すなわち該当他車両が停止している状態)が予め定められた一定時間T1の間、継続した場合
なお、該当他車両の車速が0の状態が一定時間T1の間、継続していることは、停止状態検知部229により検出される。
該当他車両(小型車両130)が停止準備中であると判定された場合、他車両状態判定部207は、該当他車両の車両状態として「停止準備中:通知先無」を表す値「1」を他車両状態判定結果管理テーブル214に設定する。
他車両状態判定部207は、次の条件6が成立した場合に、該当他車両の車両状態は、特殊な状態の一つである「停止準備中」であると判定する。該当他車両が停止準備中であるか否かの判定は、車車間通信装置192を介して取得した情報に基づいて行う。
(条件6)該当他車両の車種が大型車両110であり、かつ、該当他車両のオペレーション状態が「稼働無」の状態であり、かつ、該当他車両の車速が0の状態(すなわち該当他車両が停止している状態)が予め定められた一定時間T2の間、継続した場合
なお、該当他車両のオペレーション状態が「稼働無」の状態であることは、非稼働状態検知部230により検出され、該当他車両の車速が0の状態が一定時間T2の間、継続していることは、停止状態検知部229により検出される。
該当他車両が停止準備中であると判定された場合、他車両状態判定部207の受信状態検知部231は、該当他車両が運行管理センタ140と通信可能な状態にあるか否かを判定する。
該当他車両(大型車両110)が停止準備中であると判定され、かつ、該当他車両が運行管理センタ140と通信可能な状態に無いと判定された場合、他車両状態判定部207は、該当他車両の車両状態として「停止準備中:通知先無」を表す値「1」を他車両状態判定結果管理テーブル214に設定する。また、該当他車両が停止準備中であると判定され、かつ、該当他車両が運行管理センタ140と通信可能な状態にあると判定された場合、他車両状態判定部207は、該当他車両の車両状態として「停止準備中:通知先有」を表す値「2」を設定する。
条件4、条件5および条件6のいずれも非成立の場合、他車両状態判定部207は、該当他車両が「特殊な状態」にないと判定する。該当他車両が「特殊な状態」にないと判定された場合、他車両状態判定部207は、該当他車両の車両状態として「通常稼働中」を表す値「0」を設定する。
他車両状態判定部207は、他車両状態の判定結果に基づいて、他車両状態判定結果管理テーブル214を更新する。他車両状態判定結果管理テーブル214に格納された、他車両が「特殊な状態」にあることを含む他車両情報は、送信制御部222により車車間通信部202および運行管理用端末通信部203に出力される。
送信制御部222は、自車両生データ管理テーブル211の自車両情報を車車間通信部202に出力する。送信制御部222は、自車両状態判定結果管理テーブル213に自車両が「特殊な状態」にあると設定されているときは、自車両状態判定結果管理テーブル213の内容を車車間通信部202と運行管理用端末通信部203に出力する。さらに、送信制御部222は、他車両状態判定結果管理テーブル214に「特殊な状態」にある他車両が設定されているときは、該当他車両に関する他車両生データ管理テーブル212と他車両状態判定結果管理テーブル214の内容を車車間通信部202と運行管理用端末通信部203に出力する。
自車両生データ管理テーブル211に格納されている自車両の情報(自車両の位置情報を含む)と、他車両生データ管理テーブル212に格納されている他車両の情報(他車両の位置情報を含む)は、干渉リスク判定部208に出力される。
干渉リスク判定部208は、データベース205から取得した自車両の情報、および他車両の情報に基づいて、自車両と他車両との干渉のリスクがあるか否かを判定する。干渉リスク判定部208は、たとえば、自車両と、自車両の周囲に存在する他車両との相対距離が予め定められた一定の距離以下になった場合に、干渉のリスクがあると判定し、他車両との相対距離が一定距離よりも大きい場合に干渉のリスクはないと判定する。
自車両と他車両との干渉のリスクがあると判定された場合、干渉リスク判定部208は、干渉リスクの判定結果を警告情報生成送信部220に出力する。警告情報生成送信部220は干渉リスクの判定結果に基づき干渉警告信号を生成し、オペレータ通知部204および制御信号生成部209に出力する。
オペレータ通知部204は、警告情報生成送信部220から取得した干渉警告信号をオペレータ用ユーザI/F103に出力する。オペレータ用ユーザI/F103に干渉警告信号が入力されると、表示装置や音声出力装置からなるオペレータ用ユーザI/F103は、警告画像を表示したり、警告音声を出力したりする。
制御信号生成部209は、警告情報生成送信部220から取得した干渉警告信号に基づき、リスクを回避するための制御信号を生成し、車両制御システム104に出力する。車両制御システム104にリスクを回避するための制御信号が入力されると、車両制御システム104は、自車両の制動装置(不図示)を作動させ、自車両を減速させるなどの回避制御を実行する。制御信号生成部209は、干渉リスク判定部208から取得したリスク判定結果に基づき、リスクを回避するための制御信号を生成し、車両制御システム104に出力する。
なお、小型車両130の車載装置152は、運行管理用端末102や車両制御システム104を備えていない。つまり、車載装置152の運転支援装置101では、運行管理用端末通信部203や制御信号生成部209を省略することができる。小型車両130に搭載された運転支援装置101の干渉リスク判定部208は、車車間通信部202で取得した他車両の情報(他車両の位置情報を含む)、および自車両情報取得部201で取得した自車両の情報(自車両の位置情報を含む)に基づいて、自車両と他車両との干渉のリスクがあるか否かを判定する。小型車両130の運転支援装置101は、大型車両110の運転支援装置101と同様、干渉のリスクがあると判定された場合、オペレータ用ユーザI/F103を介して、小型車両130に搭乗しているオペレータに対して警告を行う。
図3は、オペレータ用ユーザI/F103の一例である表示装置の表示画面1101を示す図である。図3(a)は、警告が行われていない通常時の表示画面1101の一例を示している。通常時、オペレータ用ユーザI/F103の表示画面1101には、自車両の周辺の地図画像が表示されている。表示画面1101には、自車両が黒三角で表示され、車車間通信やセンタ通信で得られた他車両の位置が白三角で表示されている。図示しないが、干渉リスク判定部208により、他車両との干渉のリスクがあると判定された場合、オペレータ通知部204で生成された警告信号に基づき、警告画像が表示画面1101に表示される。
図3(b)は、自車両が「特殊な状態」にあり、オペレータに通知をする必要がある場合に表示される表示画面1101の一例を示している。運行管理センタ140および他車両のいずれとも通信が行えなくなった状態で、自車両の電源が落とされてしまうと、自車両の存在を他車両が認識させることができなくなる。そこで、自車両状態判定部206において、自車両が「特殊な状態」にあると判定された場合、オペレータ用ユーザI/F103は、オペレータ通知部204で生成された警告信号に基づき、警告画像150を表示画面1101に表示させる。
警告画像150は、電源を切らないようにオペレータに注意を喚起する画像であり、たとえば、「電源を切らないでください」という文章の画像である。なお、警告画像150が表示された状態が維持されると、自車両の周囲の状況の把握が困難になる。このため、警告画像150が表示されてから一定時間経過後に警告画像150を非表示にして、図3(a)に示すような通常時の表示画面1101に戻してもよい。なお、特殊な状態が継続している場合は、定期的に警告画像150を表示させることが好ましい。また、警告画像150は、非表示にすることに代えて、縮小画像に縮小させてもよい。
図3(c)は、自車両の状態が「特殊な状態」から通常の状態に遷移し、オペレータへの警告を解除する場合の表示画面1101の一例を示している。オペレータ用ユーザI/F103は、オペレータ通知部204から警告解除信号が入力されると、警告画像150に代えて、警告が解除された旨の警告解除画像153を表示画面1101に表示する。
通常の状態では、運行管理センタ140および他車両の少なくともいずれかと通信ができる状態にある。したがって、警告解除画像153は、電源を切ってもよいことをオペレータに通知する画像であり、たとえば、「電源をお切りいただけます」といった文章の画像である。警告解除画像153は、警告解除画像153が表示されてから予め定められた一定時間の経過後に非表示となり、図3(a)に示すような通常時の表示画面1101に戻る。
図4は、運転支援装置101の車車間通信部202で送受信される車車間通信データのフォーマットを示す図である。車車間通信で送受信される車車間通信データ300は、送信元データ301、追加車両データ数303、および追加車両データ数303で設定された数Nの特殊状態車両データ(1)・・・特殊状態車両データ(N)304を有している。なお、Nは1以上の整数である。
送信元データ301は、送信元生データ305、および送信元判定結果データ306を有している。送信元生データ305には、自車両に関する具体的なデータとして、車両識別子341、車種342、位置343、車速344、進行方向345、車体向き346、およびオペレーション状態347が含まれている。
車両識別子341は、送信元の車両が、鉱山現場にいる車両のいずれかであるかを一意に識別するための識別子であり、車両同士で互いに重複しない値が予め設定されている。車両識別子341には、車車間通信データ300を送信した運転支援装置101が搭載されている車両の識別子の値が設定されている。
車種342は、送信元の車両の種類を識別する識別子である。車種342には、たとえば、ダンプトラック、ショベル、ホイールローダ、グレーダー、ドーザー、ドリル、小型車両など、それぞれの車両の種類に応じた値が設定される。
位置343は、送信元の車両の位置を表すデータである。位置343には、自車両情報取得部201で取得された鉱山内での自車両の位置に応じた緯度と経度がそれぞれ設定される。
車速344は、送信元の車両の速度を表すデータである。車両の速度は、たとえば、車速センサ(不図示)から出力され、車両制御システム104を介して自車両情報取得部201に入力された車速パルス信号に基づいて生成される。なお、車両の速度は、自車両情報取得部201で測定された位置の変化量に基づいて生成することもできる。
進行方向345は、送信元の車両の進行方向を表すデータである。進行方向345は、たとえば、ジャイロセンサ(不図示)から出力され、車両制御システム104を介して自車両情報取得部201に入力された車両の速度ベクトルの向きである。
車体向き346は、送信元の車両の向きを表すデータである。車体向き346は、たとえば、車両が直進しているときには進行方向345と同じ値になる。一方、車両が後退しているときには、進行方向345の値と車両向き346の値の差は180度となり、互いに正反対の方向を示す。
オペレーション状態347は、運行管理システムで管理されている送信元の車両の現在の状態を表すデータであり、運行管理用端末通信部203で取得される。オペレーション状態347には、たとえば、自車両の車種がダンプトラックの場合、「稼働無」、「搬送中(FULL)」、「積込中」、「放土中」、「搬送中(EMPTY)」などの状態が設定される。
送信元判定結果データ306には、自車両に対する状態判定の結果を表す具体的なデータとして、特殊状態348、およびセンタとの通信有無349が含まれている。
特殊状態348は、運行管理センタ140や自車両の周囲の他車両に対して通知をすべき自車両の「特殊な状態」に関する情報である。特殊状態348には、「停止準備中」や「通常稼働中」などが設定される。
センタとの通信有無349は、送信元の車両が、現在、運行管理センタ140と通信できているか否かを表す情報である。なお、小型車両130のように運行管理用端末102を搭載していない車両から送信される車車間通信データ300では、センタとの通信有無349には常に「0(通信無)」が設定される。
特殊状態車両データ304は、他車両状態判定部207が該当他車両の状態について周囲の他車両に対して配信すべきと判定した場合に配信される、「特殊な状態」にある他車両の情報を有している。本実施の形態では、特殊状態車両データ304のそれぞれには、特殊状態車両生データ307、および特殊状態車両判定結果データ308が含まれている。
特殊状態車両生データ307は、他車両との干渉のリスク判定に用いる他車両に関する情報を有している。本実施の形態では、特殊状態車両生データ307には、車両識別子311、車種312、位置313、車速314、進行方向315、車体向き316、およびオペレーション状態317が含まれている。
車両識別子311は、特殊状態にあると判定された該当他車両が、鉱山現場にいる車両のいずれかであるかを一意に識別するための識別子である。車両識別子311には、該当他車両から送信された車車間通信データ300の送信元データ301の車両識別子341、または、後述するセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363に設定された該当他車両の車両識別子311が設定される。
車種312は、該当他車両の種類を識別する識別子である。車種312には、該当他車両から送信された車車間通信データ300の送信元データ301の車種342、または、後述するセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363に設定された該当他車両の車種312が設定される。
位置313は、該当他車両の位置を表す情報である。位置313には、該当他車両から送信された車車間通信データ300の送信元データ301の位置343、または、後述するセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363に設定された該当他車両の位置313が設定される。
車速314は、該当他車両の速度を表す情報である。車速314には、該当他車両から送信された車車間通信データ300の送信元データ301の車速344、または、後述するセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363に設定された該当他車両の車速314が設定される。
進行方向315は、該当他車両の進行方向を表す情報である。進行方向315には、該当他車両から送信された車車間通信データ300の送信元データ301の進行方向345、または、後述するセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363に設定された該当他車両の進行方向315が設定される。
車体向き316は、該当他車両の向きを表す情報である。車体向き316には、該当他車両から送信された車車間通信データ300の送信元データ301の車体向き346、または、センタ配信データ360の特殊状態車両データ363に設定された該当他車両の車体向き316が設定される。
オペレーション状態317は、運行管理システムで管理されている該当他車両の状態を表す情報である。オペレーション状態317には、該当他車両から送信された車車間通信データ300の送信元データ301のオペレーション状態347、または、センタ配信データ360の特殊状態車両データ363に設定された該当他車両のオペレーション状態317が設定される。
特殊状態車両判定結果データ308は、該当他車両に対する状態判定の結果を表す情報を有している。特殊状態車両判定結果データ308には、特殊状態318、センタとの通信有無319、および経過時間320が含まれている。
特殊状態318は、運行管理センタ140や自車両の周囲の他車両に対して通知をすべき該当他車両の「特殊な状態」に関する情報である。特殊状態318には、該当他車両から送信された車車間通信データ300の送信元データ301の特殊状態348、または、後述するセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363に設定された該当他車両の特殊状態318、または他車両状態判定部207により特殊な状態にあると判定された該当他車両の車両状態が設定される。
センタとの通信有無319は、該当他車両が、現在、運行管理センタ140と現在通信できているか否かを表す情報である。センタとの通信有無319には、該当他車両から送信された車車間通信データ300の送信元データ301に設定されたセンタとの通信有無349、または、後述するセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363に設定された該当他車両のセンタとの通信有無319が設定される。
経過時間320は、該当他車両の情報を取得してから経過した時間である。
図5(a)は、運転支援装置101が運行管理用端末102を介して運行管理センタ140に送信するセンタ通知データ(車両からセンタへ送信されるデータ)350のフォーマットを示す図である。車両から運行管理センタ140へ送信されるセンタ通知データ350は、追加車両データ数353、および追加車両データ数353で設定された数Nの特殊状態車両データ(1)・・・特殊状態車両データ(N)354を有している。
特殊状態車両データ354は、車車間通信データ300の特殊状態車両データ304と同一の構造を有しているので、説明を省略する。
図5(b)は、運転支援装置101が運行管理用端末102を介して運行管理センタ140から受信するセンタ配信データ(センタから車両へ送信されるデータ)360のフォーマットを示す図である。運行管理センタ140から車両へ送信されるセンタ配信データ360は、オペレーション指示361、特殊状態車両データ数362、特殊状態車両データ数362で設定された数Nだけの特殊状態車両データ(1)・・・特殊状態車両データ(N)363を有している。
オペレーション指示361は、運行管理センタ140が該当車両を管理するためのオペレータに対する作業指示の情報である。オペレーション指示361には、たとえば、積込先を指定する情報や、搬送先を指定する情報などが設定される。
特殊状態車両データ363は、車車間通信データ300の特殊状態車両データ304と同一の構造を有しているので、説明を省略する。
図6は、自車両生データ管理テーブル211の構成の一例を示す図である。図6に示すように、自車両生データ管理テーブル211には、複数の項目を有する自車両データ401と、自車両データ401の項目ごとに設定される値402と、その値402が更新設定された時刻である更新時刻403が格納されている。
自車両データ401には、車両識別子411、車種412、緯度413、経度414、車速415、進行方向416、車体向き417、オペレーション状態418、電源状態419、およびセンタ通信状態420が、項目として予め設定されている。
値402は、自車両データ401の各項目に関し、自車両情報取得部201や運行管理用端末通信部203、自車両状態判定部206により設定される。
車両識別子411は、車両を一意に識別するための識別子である。車両識別子411の値402には、自車両を識別するための識別子(たとえば、「T001」)が予め設定されており、稼働中に更新されることはない。車種412は、車両の種類を識別する識別子である。車種412の値402には、自車両の車種(たとえば、「ダンプトラック」)が予め設定されており、稼働中に更新されることはない。
自車両の位置情報である緯度413および経度414、自車両の速さを表す車速415、自車両の速度ベクトルの向きを表す進行方向416、ならびに、自車両の向きを表す車体向き417のそれぞれの値は、自車両情報取得部201が自車両に関する情報を取得するたびに更新される。なお、上述したように更新対象の項目に対応する更新時刻403についても、値402の更新時の時刻に更新される。
オペレーション状態418は、運行管理システムで管理されている自車両の現在の状態を表す情報であり、運行管理用端末通信部203で取得される。オペレーション状態418には、「0(未設定)」、「1(稼働無)」、「2(搬送中(FULL))」、「3(積込中)」、「4(放土中)」、「5(搬送中(EMPTY))」などの値が設定される。なお、オペレーション状態の設定方法として、運行管理センタ140から送信される情報(オペレーション指示361)に基づいて設定することに代えて、自車両状態判定部206で自車両の現在のオペレーション状態を判断し、設定してもよい。この場合、自車両状態判定部206は、たとえば、ダンプトラック110Aのサスペンションの圧力情報に基づき、車両状態が積込中の状態であるか否かや、未積載であるか否かを判定する。
オペレーション状態418の値402および更新時刻403は、運行管理用端末通信部203が運行管理システムで管理されている自車両の状態を取得するたびに運行管理用端末通信部203により更新される。
電源状態419は、自車両の電源の状態を表す情報である。電源状態419の値402は、自車両情報取得部201で電源の状態が遷移したタイミングで更新される。そのため、更新時刻403は、電源の状態が遷移した時刻を表している。
センタ通信状態420は、現在、自車両が運行管理センタ140との通信が可能な状態にあるか否かを表す情報である。センタ通信状態420には、運行管理センタ140との通信が可能な状態にある場合には「1(可能)」が設定され、運行管理センタ140との通信が不可能な状態にある場合には「0(不可能)」が設定される。
運行管理センタ140との通信が可能な状態にあるか否かの判定は、自車両状態判定部206の受信状態検知部228で実行される。受信状態検知部228は、運行管理センタ140からの情報を受信した場合、運行管理センタ140との通信が可能な状態にあると判定し、センタ通信状態420の値402に「1(可能)」を設定し、更新時刻403を設定時刻に更新する。
受信状態検知部228は、運行管理センタ140からの情報を予め定められた一定時間(閾値)の間、受信しなかった場合、運行管理センタ140との通信が不可能な状態にあると判定し、判定結果を出力する。具体的には、受信状態検知部228は、周期的にセンタ通信状態420の更新時刻403を取得し、現在時刻と更新時刻403との差分値が時間閾値以上であるか否かを判定する。現在時刻と更新時刻403の差分値が時間閾値以上である場合、受信状態検知部228は、通信不可能な状態にあると判定し、センタ通信状態420の値402に「0(不可能)」を設定し、更新時刻403を設定時刻に更新する。
図7は、他車両生データ管理テーブル212の構成の一例を示す図である。図7に示すように、他車両生データ管理テーブル212には、車両識別子501、車種502、緯度503、経度504、車速505、進行方向506、車体向き507、オペレーション状態508、特殊状態509、経過時間510、センタ通信状態511、受信時刻512、および取得手段513の各データが、各他車両に対応して行ごとに格納されている。なお、他車両生データ管理テーブル212には、同じ車両であっても、複数の取得手段513がある場合、取得手段513ごとに各データが格納されている。
車車間通信部202や運行管理用端末通信部203で「特殊な状態」にある該当他車両の情報が受信された場合、運転支援装置101は、他車両生データ管理テーブル212の各行に対し、上書き処理や追加処理を実行する。なお、運転支援装置101は、上書き処理や追加処理など、最後に更新してから予め定められた一定時間以上、更新がなかった場合、その行に対し、削除処理を実行する。
車両識別子501は、鉱山現場にいる車両を一意に識別するための識別子であり、車両同士で重複しない値が予め設定されている。車種502は、車両識別子501で識別された該当他車両の種類を識別する識別子である。緯度503および経度504は、該当他車両の位置を表す情報である。
車速505は、該当他車両の速さを表す情報である。進行方向506は、該当他車両の速度ベクトルの向きを表す情報である。車体向き507は、該当他車両の向きを表す情報である。オペレーション状態508は、運行管理システムとして管理している該当他車両の状態を表す情報である。
特殊状態509は、該当他車両が運行管理センタ140や自車両の周囲の他車両に通知すべき「特殊な状態」にあるか否かを表す情報である。経過時間510は、該当他車両の情報を受信したタイミングで、該当他車両の情報が該当他車両において生成されてから経過した時間を表す情報である。
センタ通信状態511は、該当他車両が運行管理センタ140と通信が可能な状態にあったか否かを示し、「1」は受信時刻において通信可能であったことを表し、「0」は受信時刻において通信不可能であったことを表している。受信時刻512は、該当他車両の情報を車車間通信部202、または運行管理用端末通信部203を介して取得した時刻を表す情報である。
取得手段513は、該当他車両の情報を取得した手段を表す情報であり、車車間通信部202を介して取得したのか、あるいは、運行管理用端末通信部203を介して取得したのかを示している。取得手段513に設定される値(「0」〜「3」)が示す内容は以下のとおりである。「0」は未設定であることを示し、「1」は車車間通信部202を介して直接該当他車両から取得したことを示し、「2」は運行管理用端末通信部203を介して取得したことを示し、「3」は車車間通信部202を介して該当他車両とは別の他車両から間接的に取得したことを示している。
−車車間通信によるデータ更新(直接取得)−
車車間通信部202は、車車間通信データ300を受信すると、受信した情報に基づき、他車両生データ管理テーブル212を更新する。
車車間通信部202は、車車間通信データ300の送信元データ301に設定されている車両識別子341と同一の値を車両識別子501に設定し、取得手段513が「1(車車間通信で直接取得)」となっているデータを検索する。該当するデータが存在しない場合、車車間通信部202は、入力されたデータを新規データとして追加する追加処理を実行する。該当するデータが存在する場合、車車間通信部202は、入力されたデータに基づいて、上書き処理を実行する。データの上書き処理や新規データの追加処理の際、車車間通信部202は、以下のデータ設定処理を実行する。
車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の車種502に車車間通信データ300の送信元データ301の車種342を設定する。車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の緯度503および経度504に車車間通信データ300の送信元データ301の位置343(緯度および経度)を設定する。
車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の車速505に車車間通信データ300の送信元データ301の車速344を設定する。車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の進行方向506に車車間通信データ300の送信元データ301の進行方向345を設定する。
車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の車体向き507に車車間通信データ300の送信元データ301の車体向き346を設定する。車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212のオペレーション状態508に車車間通信データ300の送信元データ301のオペレーション状態347を設定する。
車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の特殊状態509に車車間通信データ300の送信元データ301の特殊状態348を設定する。車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212のセンタ通信状態511に車車間通信データ300の送信元データ301のセンタとの通信有無349を設定する。
車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の経過時間510に0.0を設定し、受信時刻512に追加処理または上書き処理を実行した時刻を設定する。なお、新規データの追加処理を実行した場合、車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の車両識別子501に車車間通信データ300の送信元データ301の車両識別子341を設定し、取得手段513に「1(車車間通信で直接取得)」を設定する。
−車車間通信によるデータ更新(間接取得)−
図4に示す車車間通信データ300の追加車両データ数303に1以上の値が設定されている場合、車車間通信部202は、設定されている特殊状態車両データ304ごとに、入力された情報に基づいて他車両生データ管理テーブル212を更新する。
車車間通信部202は、車車間通信データ300の特殊状態車両データ304に設定されている車両識別子311と同一の値を車両識別子501に設定し、取得手段513が「3(車車間通信で間接取得)」となっているデータを検索する。該当するデータが存在しない場合、車車間通信部202は、入力されたデータを新規データとして追加する追加処理を実行する。該当するデータが存在する場合、車車間通信部202は、入力されたデータに基づいて、上書き処理を実行する。
車車間通信部202は、車車間通信データ300の特殊状態車両データ304の経過時間320と、他車両生データ管理テーブル212に既に設定されているデータの受信時刻512と現在時刻の差分値(現在時刻−受信時刻)と経過時間510を加算した時間Tp1とを比較する。車車間通信部202は、時間Tp1よりも経過時間320の方が小さい場合、入力されたデータに基づいて上書き処理を実行する。データの上書き処理や新規データの追加処理の際、車車間通信部202は、以下のデータ設定処理を実行する。
車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の車種502に車車間通信データ300の特殊状態車両データ304の車種312を設定する。車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の緯度503および経度504に車車間通信データ300の特殊状態車両データ304の位置313(緯度および経度)を設定する。
車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の車速505に車車間通信データ300の特殊状態車両データ304の車速314を設定する。車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の進行方向506に車車間通信データ300の特殊状態車両データ304の進行方向315を設定する。
車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の車体向き507に車車間通信データ300の特殊状態車両データ304の車体向き316を設定する。車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212のオペレーション状態508に車車間通信データ300の特殊状態車両データ304のオペレーション状態317を設定する。
車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の特殊状態509に車車間通信データ300の特殊状態車両データ304の特殊状態318を設定する。車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212のセンタ通信状態511に車車間通信データ300の特殊状態車両データ304のセンタとの通信有無319を設定する。
車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の経過時間510に車車間通信データ300の特殊状態車両データ304の経過時間320を設定し、受信時刻512に追加処理または上書き処理を実行した時刻を設定する。なお、新規データの追加処理を実行した場合、車車間通信部202は、他車両生データ管理テーブル212の車両識別子501に車車間通信データ300の特殊状態車両データ304の車両識別子311を設定し、取得手段513に「3(車車間通信で間接取得)」を設定する。
−センタからの配信によるデータ更新−
運行管理用端末通信部203は、センタ配信データ360を受信すると、受信した情報に基づき、自車両生データ管理テーブル211と他車両生データ管理テーブル212を更新する。
図5(b)に示すセンタ配信データ360の特殊状態車両データ数362に1以上の値が設定されている場合、運行管理用端末通信部203は、設定されている特殊状態車両データ363ごとに、入力された情報に基づいて他車両生データ管理テーブル212を更新する。
運行管理用端末通信部203は、センタ配信データ360の特殊状態車両データ363に設定されている車両識別子311と同一の値を車両識別子501に設定し、取得手段513が「2(センタとの通信で取得)」となっているデータを検索する。該当するデータが存在しない場合、運行管理用端末通信部203は、入力されたデータを新規データとして追加する追加処理を実行する。該当するデータが存在する場合、運行管理用端末通信部203は、入力されたデータに基づいて、上書き処理を実行する。
運行管理用端末通信部203は、センタ配信データ360の特殊状態車両データ363の経過時間320と、他車両生データ管理テーブル212に既に設定されている情報の受信時刻512と現在時刻の差分値(現在時刻−受信時刻)と経過時間510を加算した時間Tp2とを比較する。運行管理用端末通信部203は、時間Tp2よりも経過時間320の方が小さい場合、入力されたデータに基づいて上書き処理を実行する。データの上書き処理や新規データの追加処理の際、運行管理用端末通信部203は、以下のデータ設定処理を実行する。
運行管理用端末通信部203は、他車両生データ管理テーブル212の車種502にセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363の車種312を設定する。運行管理用端末通信部203は、他車両生データ管理テーブル212の緯度503および経度504にセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363の位置313(緯度および経度)を設定する。
運行管理用端末通信部203は、他車両生データ管理テーブル212の車速505にセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363の車速314を設定する。運行管理用端末通信部203は、他車両生データ管理テーブル212の進行方向506にセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363の進行方向315を設定する。
運行管理用端末通信部203は、他車両生データ管理テーブル212の車体向き507にセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363の車体向き316を設定する。運行管理用端末通信部203は、他車両生データ管理テーブル212のオペレーション状態508にセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363のオペレーション状態317を設定する。
運行管理用端末通信部203は、他車両生データ管理テーブル212の特殊状態509にセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363の特殊状態318を設定する。運行管理用端末通信部203は、他車両生データ管理テーブル212のセンタ通信状態511にセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363のセンタとの通信有無319を設定する。
運行管理用端末通信部203は、他車両生データ管理テーブル212の経過時間510にセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363の経過時間320を設定し、受信時刻512に追加処理または上書き処理を実行した時刻を設定する。なお、新規データの追加処理を実行した場合、運行管理用端末通信部203は、他車両生データ管理テーブル212の車両識別子501にセンタ配信データ360の特殊状態車両データ363の車両識別子311を設定し、取得手段513に「2(センタとの通信で取得)」を設定する。
図8は、自車両状態判定結果管理テーブル213の構成の一例を示す図である。自車両状態判定結果管理テーブル213は、上述したように、自車両状態判定部206の判定結果に基づいて、自車両状態判定部206により更新される。
図8に示すように、自車両状態判定結果管理テーブル213には、車両状態601、オペレータへの通知602、センタへの通知603、更新時刻604の自車両に関する各データが格納されている。車両状態601は、自車両が「特殊な状態」にあるか否かを表す情報である。上述したように、本実施の形態において、「特殊な状態」にない場合とは「0(通常稼働中)」の場合であり、「特殊な状態」にある場合とは「0(通常稼働中)」以外の状態の場合である。
オペレータへの通知602は、自車両の情報をオペレータに通知する必要があるか否かを表す情報である。自車両の情報をオペレータに通知する必要があるか否かは、自車両状態判定部206により判定される。オペレータに通知する必要がないと判定されると、自車両状態判定部206は、オペレータへの通知602に「0(非通知)」を設定する。オペレータに通知する必要があると判定されると、自車両状態判定部206は、オペレータへの通知602に「1(通知)」を設定する。
センタへの通知603は、自車両の情報を運行管理センタ140に通知する必要があるか否かを表す情報である。自車両の情報を運行管理センタ140に通知する必要があるか否かは、自車両状態判定部206により判定される。運行管理センタ140に通知する必要がないと判定されると、自車両状態判定部206は、センタへの通知603に「0(非通知)」を設定する。自車両状態判定部206により、運行管理センタ140に通知する必要があると判定されると、自車両状態判定部206は、センタへの通知603に「1(通知)」を設定する。
更新時刻604は、自車両の車両状態601が変更されたときの時刻が設定される。なお、更新時刻604は、初期値として運転支援装置101が起動した時刻が設定される。
図9は、他車両状態判定結果管理テーブル214の構成の一例を示す図である。他車両状態判定結果管理テーブル214は、上述したように、他車両状態判定部207の判定結果に基づき更新される。他車両状態判定結果管理テーブル214には、検出された全ての他車両の現在の状態が設定されている。
図9に示すように、他車両状態判定結果管理テーブル214には、車両識別子701、取得手段702、車両状態703、他車両への通知704、センタへの通知705、更新時刻706の各データが、各他車両に対応して行ごとに格納される。なお、上述した他車両生データ管理テーブル212では、一の車両に対し複数行のデータが登録される場合がある(図7参照)。これに対し、他車両状態判定結果管理テーブル214には、一の車両に対し複数行のデータが登録されることはなく、一の車両に対し一行のデータが登録される。
車両識別子701は、鉱山現場にいる車両を一意に識別するための識別子であり、車両同士で重複しない値が予め設定されている。車両状態703は、該当他車両が「特殊な状態」にあるか否かを表す情報である。上述したように、本実施の形態において、「特殊な状態」にない場合とは「0(通常稼働中)」の場合であり、「特殊な状態」にある場合とは「0(通常稼働中)」以外の状態の場合である。
取得手段702は、該当他車両の車両状態703を設定するために用いられた最新の他車両の情報がどの取得手段で得られた情報なのかを表す情報である。取得手段702に設定される値(「0」〜「3」)が示す内容は、上述した取得手段513で設定される値と同じであるので説明を省略する。
他車両への通知704は、該当他車両の情報を他車両に通知する必要があるか否かを表す情報である。該当他車両の情報を他車両に通知する必要があるか否かは、他車両状態判定部207により判定される。他車両に通知する必要がないと判定されると、他車両状態判定部207は、他車両への通知704に「0(非通知)」を設定する。他車両に通知する必要があると判定されると、他車両状態判定部207は、他車両への通知704に「1(通知)」を設定する。
たとえば、取得手段702が「3(車車間通信で間接取得)」に設定されている場合であって、車両状態703に「特殊な状態」を表す値(1〜3)が設定されているときには、何度も情報を転送することを避けるため、他車両状態判定部207は他車両に通知する必要がないと判定し、「0(非通知)」を設定する。
センタへの通知705は、該当他車両の情報を運行管理センタ140に通知する必要があるか否かを表す情報である。該当他車両の情報を運行管理センタ140に通知する必要があるか否かは、他車両状態判定部207により判定される。運行管理センタ140に通知する必要がないと判定されると、他車両状態判定部207は、センタへの通知705に「0(非通知)」を設定する。運行管理センタ140に通知する必要があると判定されると、他車両状態判定部207は、センタへの通知705に「1(通知)」を設定する。
たとえば、取得手段702が「2(センタとの通信で取得)」に設定されている場合、既に運行管理センタ140が情報を保有しているので、他車両状態判定部207は運行管理センタ140に通知する必要がないと判定し、「0(非通知)」を設定する。
更新時刻706は、該当他車両の車両状態703が変更されたときの時刻が設定される。
送信制御部222は、自車両生データ管理テーブル211の情報と自車両状態判定結果管理テーブル213の情報に基づき、車車間通信データ300(図4参照)を生成する。
−車車間通信データの送信元データの生成−
車車間通信データ300の送信元データ301のうち、送信元生データ305は自車両生データ管理テーブル211に基づいて生成される。送信制御部222は、送信元生データ305の車両識別子341に自車両生データ管理テーブル211の車両識別子411の値402を設定する。送信制御部222は、送信元生データ305の車種342に自車両生データ管理テーブル211の車種412の値402を設定する。
送信制御部222は、送信元生データ305の位置343に自車両生データ管理テーブル211の緯度413および経度414の値402を設定する。送信制御部222は、送信元生データ305の車速344に自車両生データ管理テーブル211の車速415の値402を設定する。
送信制御部222は、送信元生データ305の進行方向345に自車両生データ管理テーブル211の進行方向416の値402が設定される。送信制御部222は、送信元生データ305の車体向き346に自車両生データ管理テーブル211の車体向き417の値402を設定する。
送信制御部222は、送信元生データ305のオペレーション状態347に自車両生データ管理テーブル211のオペレーション状態418の値402を設定する。
車車間通信データ300の送信元データ301のうち、送信元判定結果データ306は自車両生データ管理テーブル211および自車両状態判定結果管理テーブル213に基づいて生成される。送信制御部222は、送信元判定結果データ306の特殊状態348に自車両状態判定結果管理テーブル213の車両状態601を設定する。送信制御部222は、送信元判定結果データ306のセンタとの通信有無349に自車両生データ管理テーブル211のセンタ通信状態420の値402を設定する。
−車車間通信データの特殊状態車両データの生成−
送信制御部222は、他車両状態判定結果管理テーブル214の車両状態703に「0(通常稼働中)」以外の状態である「特殊な状態」が設定されている場合、他車両生データ管理テーブル212と他車両状態判定結果管理テーブル214の値に基づいて、1台目の特殊状態車両データ304(特殊状態車両データ(1))を生成する。
送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)304の車両識別子311に他車両生データ管理テーブル212の車両識別子501を設定する。送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)304の車種312に他車両生データ管理テーブル212の車種502を設定する。
送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)304の位置313に他車両生データ管理テーブル212の緯度503および経度504を設定する。送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)304の車速314に他車両生データ管理テーブル212の車速505を設定する。
送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)304の進行方向315に他車両生データ管理テーブル212の進行方向506を設定する。送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)304の車体向き316に他車両生データ管理テーブル212の車体向き507を設定する。
送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)304のオペレーション状態317に他車両生データ管理テーブル212のオペレーション状態508を設定する。送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)304の特殊状態318に他車両状態判定結果管理テーブル214の車両状態703を設定する。
送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)304のセンタとの通信有無319に他車両生データ管理テーブル212のセンタ通信状態511を設定する。送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)304の経過時間320に「0」を設定する。
送信制御部222は、他車両状態判定結果管理テーブル214の車両状態703に「0(通常稼働中)」以外の状態である「特殊な状態」が設定されている車両が複数台存在する場合、他車両生データ管理テーブル212と他車両状態判定結果管理テーブル214の値に基づいて、2台目以降も該当する台数(N)分、特殊状態車両データ304(特殊状態車両データ(2))から特殊状態車両データ304(特殊状態車両データ(N))までを生成する。
−センタ通知データの特殊状態車両データの生成−
送信制御部222は、自車両状態判定結果管理テーブル213の車両状態601に「0(通常稼働中)」以外の状態である「特殊な状態」が設定されている場合、自車両生データ管理テーブル211と自車両状態判定結果管理テーブル213の値に基づいて、1台目の特殊状態車両データ354(特殊状態車両データ(1))を生成する。
送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)354の車両識別子311に自車両生データ管理テーブル211の車両識別子411の値402を設定する。送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)354の車種312に自車両生データ管理テーブル211の車種412の値402を設定する。
送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)354の位置313に自車両生データ管理テーブル211の緯度413および経度414の値402を設定する。送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)354の車速314に自車両生データ管理テーブル211の車速415の値402を設定する。
送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)354の進行方向315に自車両生データ管理テーブル211の進行方向416の値402を設定する。送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)354の車体向き316に自車両生データ管理テーブル211の車体向き417の値402を設定する。
送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)354のオペレーション状態317に自車両生データ管理テーブル211のオペレーション状態418の値402を設定する。送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)354の特殊状態318に自車両状態判定結果管理テーブル213の車両状態601の値402を設定する。
送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)354のセンタとの通信有無319に自車両生データ管理テーブル211のセンタ通信状態420の値402を設定する。送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ(1)354の経過時間320に「0」を設定する。
図10は、運転支援装置101で実行される周期処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、ステップS901において、運転支援装置101は、自車両状態判定結果管理テーブル213の自車両の状態を更新する自車両状態更新処理を実行する。自車両状態更新処理により、図8に示す自車両状態判定結果管理テーブル213が更新される。
図11は、運転支援装置101で実行される自車両状態更新処理を示すフローチャートである。図11に示すように、ステップS1001において、自車両状態判定部206は、自車両生データ管理テーブル211、自車両状態判定結果管理テーブル、および、他車両生データ管理テーブル212のデータを取得し、ステップS1002へ進む。
ステップS1002において、自車両状態判定部206は、現在の自車両の状態を判定する自車両状態判定処理を実行する。
図12は、運転支援装置101で実行される自車両状態判定処理を示すフローチャートである。図12に示すように、ステップS1401において、自車両状態判定部206は、自車両の車種412が小型車両130であるか否かを判定する。換言すれば、ステップS1401は、自車両が運行管理センタ140の管理下にあるか否かを判定する処理である。ステップS1401で肯定判定されるとステップS1402へ進み、ステップS1401で否定判定されるとステップS1404へ進む。
ステップS1402において、自車両状態判定部206は、車速415が0の状態が予め定められた一定時間T1の間、継続しているか否かを判定する。ステップS1402で肯定判定されるとステップS1403へ進み、ステップS1402で否定判定されるとステップS1411へ進む。
ステップS1403において、自車両状態判定部206は、他車両生データ管理テーブル212の情報に基づき、車車間通信が可能な他車両が自車両の周囲に存在するか否かを判定する。ステップS1403で車車間通信が可能な他車両が存在しないと判定されるとステップS1409へ進み、ステップS1403で車車間通信が可能な他車両が存在すると判定されるとステップS1410へ進む。
ステップS1404において、自車両状態判定部206は、イグニッションスイッチがオフ位置に操作されているか否か、すなわち電源状態419が「イグニッション(IGN) OFF」か否かを判定する。ステップS1404で肯定判定されるとステップS1407へ進み、ステップS1404で否定判定されるとステップS1405へ進む。
ステップS1405において、自車両状態判定部206は、自車両のオペレーション状態418が「1(稼働無)」の状態であるか否かを判定する。ステップS1405で肯定判定されるとステップS1406へ進み、ステップS1405で否定判定されるとステップS1411へ進む。
ステップS1406において、自車両状態判定部206は、自車両の車速415が0の状態が予め定められた一定時間T2の間、継続しているか否かを判定する。ステップS1406で肯定判定されるとステップS1407へ進み、ステップS1406で否定判定されるとステップS1411へ進む。
ステップS1407において、自車両状態判定部206は、自車両のセンタ通信状態420が「1(可能)」の状態であるか否かを判定する。ステップS1407で肯定判定されるとステップS1408へ進み、ステップS1407で否定判定されるとステップS1412へ進む。
ステップS1408において、自車両状態判定部206は、他車両生データ管理テーブル212の情報に基づき、車車間通信が可能な他車両が自車両の周囲に存在するか否かを判定する。ステップS1408で車車間通信が可能な他車両が存在しないと判定されるとステップS1412へ進み、ステップS1408で車車間通信が可能な他車両が存在すると判定されるとステップS1413へ進む。
ステップS1409およびステップS1412において、自車両状態判定部206は、現在の自車両の車両状態が停止準備中であり、かつ、通知先が無い状態にあると判定し、現在の自車両の車両状態を「1(停止準備中:通知先無)」に設定し、図12に示す自車両状態判定処理を終了する。
ステップS1410およびステップS1413において、自車両状態判定部206は、現在の自車両の車両状態が停止準備中であり、かつ、通知先が有る状態にあると判定し、現在の自車両の車両状態を「2(停止準備中:通知先有)」に設定し、図12に示す自車両状態判定処理を終了する。
ステップS1411において、自車両状態判定部206は、現在の自車両の車両状態が通常稼働中であると判定し、現在の自車両の車両状態を「0(通常稼働中)」に設定し、図12に示す自車両状態判定処理を終了する。
図12に示す自車両状態判定処理が終了すると、図11のステップS1003へ進む。ステップS1003において、自車両状態判定部206は、自車両の車両状態601に変化があるか否かを判定する。
自車両の状態に変化がある場合とは、現在の自車両の車両状態601と一制御周期前の自車両の車両状態601とが異なる場合である。自車両の状態に変化がない場合とは、現在の自車両の車両状態601と一制御周期前の自車両の車両状態601とが同じ場合である。ステップS1003で肯定判定されるとステップS1004へ進み、ステップS1003で否定判定されると図11に示す自車両状態更新処理を終了する。
ステップS1004において、自車両状態判定部206は、現在の自車両の車両状態601に応じて自車両状態判定結果管理テーブル213のオペレータへの通知602、およびセンタへの通知603を更新してステップS1005へ進む。
現在の自車両の車両状態601が「0(通常稼働中)」である場合、自車両状態判定部206は、オペレータへの通知602に「0(非通知)」を設定し、センタへの通知603に「0(非通知)」を設定する。
現在の自車両の車両状態が「1(停止準備中:通知先無)」である場合、自車両状態判定部206は、オペレータへの通知602に「1(通知)」を設定し、センタへの通知603に「1(通知)」を設定する。
現在の自車両の車両状態が「2(停止準備中:通知先有)」である場合、自車両状態判定部206は、オペレータへの通知602に「0(非通知)」を設定し、センタへの通知603に「1(通知)」を設定する。
ステップS1005において、自車両状態判定部206は、自車両状態判定結果管理テーブル213の更新時刻604を現在の時刻に更新し、図11に示す自車両状態更新処理を終了する。
図11に示す自車両状態更新処理が終了すると、図10のステップS902へ進む。ステップS902において、自車両状態判定部206は、オペレータへの通知が必要か否か、すなわちオペレータへの通知602が「1(通知)」に設定されているか否かを判定する。ステップS902で肯定判定されるとステップS903へ進み、ステップS902で否定判定されるとステップS904へ進む。
ステップS903において、報知情報生成送信部221は、警告信号を生成し、オペレータ通知部204に出力する。オペレータ通知部204は、警告信号をオペレータ用ユーザI/F103に送信し、オペレータ用ユーザI/F103の表示画面に警告画像(図3(b)参照)を表示させるなどの警告出力処理を実行し、ステップS904へ進む。なお、ステップS903において、電源状態419が「イグニッション(IGN) OFF」の場合、運転支援装置101の電源が切れないように運転支援装置101の電源コントローラを制御するようにしてもよい。
運転支援装置101は、ステップS905からステップS908までの処理を各他車両について行うループ処理を実行する(ステップS904)。運転支援装置101により検出されている全ての他車両についてループ処理(ステップS904)が終了すると、ステップS909へ進む。ステップS905において、運転支援装置101は、他車両状態判定結果管理テーブル214の他車両の状態を更新する他車両状態更新処理を実行する。
図13は、運転支援装置101で実行される他車両状態更新処理を示すフローチャートである。図13に示すように、ステップS1101において、他車両状態判定部207は、他車両生データ管理テーブル212および他車両状態判定結果管理テーブル214のデータを取得し、ステップS1102へ進む。
他車両状態判定部207は、ステップS1103からステップS1114までの処理を各他車両について行うループ処理を実行する(ステップS1102)。他車両生データ管理テーブル212で管理対象として設定されている全ての他車両についてループ処理(ステップS1102)が終了すると、図13に示す他車両状態更新処理を終了する。
ステップS1103において、他車両状態判定部207は、他車両生データ管理テーブル212(図7参照)の情報に基づき、各他車両に対し、複数の情報源(取得手段)が存在しているか否かを判定する。たとえば、図7に示すように、車両識別子501が「T002」の車両は、取得手段513として「1(車車間通信で直接取得)」と「2(センタとの通信で取得)」が存在しているため、複数の情報源が存在していると判定される。同様に、車両識別子501が「L001」の車両は、取得手段513として「1(車車間通信で直接取得)」と「2(センタとの通信で取得)」が存在しているので、複数の情報源が存在していると判定される。これに対し、車両識別子501が「T003」の車両は、取得手段513として「2(センタとの通信で取得)」しか存在していないので、複数の情報源は存在していないと判定される。ステップS1103で肯定判定されるとステップS1104へ進み、ステップS1103で否定判定されるとステップS1105へ進む。
ステップS1104において、他車両状態判定部207は、該当他車両の複数の情報源に対して、受信時刻512から経過時間510を差し引いた時刻を比較し、最新の情報を抽出し、ステップS1105へ進む。他車両状態判定部207は、受信時刻512から経過時間510を差し引いた時刻、すなわち該当他車両の情報の生成時刻が遅い方、すなわちより現在に近い時刻を最新の情報として抽出する。
ステップS1105において、他車両状態判定部207は、現在の各他車両の状態を判定する他車両状態判定処理を実行する。
図14は、運転支援装置101で実行される他車両状態判定処理を示すフローチャートである。図14に示すように、ステップS1501において、他車両状態判定部207は、取得手段が「1(車車間通信で取得)」であるか否かを判定する。ステップS1501で肯定判定されるとステップS1502へ進み、ステップS1501で否定判定されるとステップS1514へ進む。
ステップS1502において、他車両状態判定部207は、該当他車両の情報の生成時刻からの経過時間が予め定められた一定時間T3を経過しているか否かを判定する。ステップS1502で肯定判定されるとステップS1503へ進み、ステップS1502で否定判定されるとステップS1504へ進む。
ステップS1503において、他車両状態判定部207は、該当他車両と自車両の相対距離が予め定められた一定の範囲内であり、かつ、該当他車両の車速505が0の状態であるか否かを判定する。ステップS1503で肯定判定されるとステップS1509へ進み、ステップS1503で否定判定されるとステップS1504へ進む。
ステップS1504において、他車両状態判定部207は、該当他車両の車種502が小型車両130であるか否かを判定する。換言すれば、ステップS1504は、自車両が運行管理センタ140の管理下にあるか否かを判定する処理である。ステップS1504で肯定判定されるとステップS1505へ進み、ステップS1504で否定判定されるとステップS1506へ進む。
ステップS1505において、他車両状態判定部207は、該当他車両の車速505が0の状態が予め定められた一定時間T1の間、継続しているか否かを判定する。ステップS1505で肯定判定されるとステップS1510へ進み、ステップS1505で否定判定されるとステップS1511へ進む。
ステップS1506において、他車両状態判定部207は、該当他車両のオペレーション状態508が「1(稼働無)」の状態であるか否かを判定する。ステップS1506で肯定判定されるとステップS1507へ進み、ステップS1506で否定判定されるとステップS1511へ進む。
ステップS1507において、他車両状態判定部207は、該当他車両の車速505が0の状態が予め定められた一定時間T2の間、継続しているか否かを判定する。ステップS1507で肯定判定されるとステップS1508へ進み、ステップS1507で否定判定されるとステップS1511へ進む。
ステップS1508において、他車両状態判定部207は、該当他車両のセンタ通信状態511が「1(可能)」の状態であるか否かを判定する。ステップS1508で肯定判定されるとステップS1512へ進み、ステップS1508で否定判定されるとステップS1513へ進む。
ステップS1509において、他車両状態判定部207は、現在の該当他車両の車両状態が電源停止中であり、検出が不能な状態にあると判定し、該当他車両の状態を「3(電源停止中:検出不能)」に設定し、図14に示す他車両状態判定処理を終了する。
ステップS1510およびステップS1513において、他車両状態判定部207は、現在の該当他車両の車両状態が停止準備中であり、かつ、通知先が無い状態にあると判定し、現在の該当他車両の車両状態を「1(停止準備中:通知先無)」に設定し、図14に示す他車両状態判定処理を終了する。
ステップS1511において、他車両状態判定部207は、現在の該当他車両の車両状態が通常稼働中であると判定し、現在の該当他車両の車両状態を「0(通常稼働中)」に設定し、図14に示す他車両状態判定処理を終了する。
ステップS1512において、他車両状態判定部207は、現在の該当他車両の車両状態が停止準備中であり、かつ、通知先が有る状態にあると判定し、現在の該当他車両の車両状態を「2(停止準備中:通知先有)」に設定し、図14に示す他車両状態判定処理を終了する。
ステップS1514において、他車両状態判定部207は、現在の該当他車両の車両状態を運行管理センタ140から配信された特殊状態509に設定し、図14に示す他車両状態判定処理を終了する。つまり、ステップS1514において、他車両状態判定部207は、他車両生データ管理テーブル212の特殊状態509の値をそのまま現在の車両状態として設定する。
図14に示す他車両状態判定処理が終了すると、図13のステップS1106へ進む。ステップS1106において、他車両状態判定部207は、該当他車両の状態に変化があるか否かを判定する。
該当他車両の状態に変化がある場合とは、現在の該当他車両の車両状態703と一制御周期前の該当他車両の車両状態703とが異なる場合である。該当他車両の状態に変化がない場合とは、現在の該当他車両の車両状態703と一制御周期前の該当他車両の車両状態703とが同じ場合である。ステップS1106で肯定判定されるとステップS1107へ進み、ステップS1106で否定判定されるとステップS1111へ進む。
ステップS1107において、他車両状態判定部207は、現在の該当他車両の車両状態703や取得手段513に応じて他車両状態判定結果管理テーブル214の他車両への通知704、およびセンタへの通知705を更新してステップS1108へ進む。
該当他車両の取得手段513が「2(センタとの通信で取得)」である場合、他車両状態判定部207は、他車両への通知704に「1(通知)」を設定し、センタへの通知705に「0(非通知)」を設定する。
該当他車両の取得手段513が「3(車車間通信で間接取得)」である場合、他車両状態判定部207は、他車両への通知704に「0(非通知)」を設定し、センタへの通知705に「0(非通知)」を設定する。
該当他車両の取得手段513が「1(車車間通信で直接取得)」であり、かつ、該当他車両の車両状態が「0(通常稼働中)」である場合、他車両状態判定部207は、他車両への通知704に「0(非通知)」を設定し、センタへの通知705に「0(非通知)」を設定する。
該当他車両の取得手段513が「1(車車間通信で直接取得)」であり、かつ、センタ通信状態511が「1(可能)」であり、かつ、該当他車両の車両状態703が「0(通常稼働中)」以外の場合、他車両状態判定部207は、他車両への通知704に「1(通知)」を設定し、センタへの通知705に「0(非通知)」を設定する。
該当他車両の取得手段513が「1(車車間通信で直接取得)」であり、かつ、センタ通信状態511が「0(不可能)」であり、かつ、該当他車両の車両状態が「0(通常稼働中)」以外の場合、他車両状態判定部207は、他車両への通知704に「1(通知)」を設定し、センタへの通知705に「1(通知)」を設定する。
ステップS1108において、他車両状態判定部207は、他車両状態判定結果管理テーブル214の更新時刻706を現在の時刻に更新し、ステップS1111へ進む。
ステップS1111において、他車両状態判定部207は、該当他車両の情報の取得手段702が「2(センタとの通信で取得)」であり、かつ、該当他車両の車両状態703と取得手段513が「2(センタとの通信で取得)」における該当他車両の特殊状態509とが同じであるか否かを判定する。ステップS1111で肯定判定されるとステップS1113へ進み、ステップS1111で否定判定されるとステップS1112へ進む。
ステップS1112において、他車両状態判定部207は、該当他車両の他車両状態判定結果管理テーブル214のセンタへの通知705を「1」に設定し、ステップS1113へ進む。
ステップS1113において、他車両状態判定部207は、該当他車両の情報の取得手段702に「3(車車間通信で間接取得)」であり、かつ、該当他車両の車両状態703と取得手段513が「3(車車間通信で間接取得)」における該当他車両の特殊状態509とが同じであるか否かを判定する。ステップS1113で肯定判定されると、該当他車両に対する処理を終了し、次の他車両の処理に遷移する。ステップS113で否定判定されると、ステップS1114へ進む。
ステップS1114において、他車両状態判定部207は、該当他車両の他車両状態判定結果管理テーブル214の他車両への通知704を「1」に設定し、該当他車両に対する処理を終了し、次の他車両の処理に遷移する。
ステップS906において、干渉リスク判定部208は、自車両と、他車両生データ管理テーブル212で管理されている他車両との干渉のリスクを算出する処理を実行し、ステップS907に進む。リスクを算出する方法としては、自車両と該当他車両との相対距離からリスクを算出したり、将来の移動経路の重複および干渉が推定されるまでの時間(Time To Collision)を算出してリスクを算出する方法等がある。
ステップS907において、干渉リスク判定部208は、ステップS906で演算されたリスクの値に基づいて、干渉のリスクがあるか否かを判定する。リスクの判定方法としては、たとえば、自車両と該当他車両との相対距離が短いほど、リスクの値が高くなるように演算された場合、リスクの値が予め定められた閾値を超えると、干渉のリスクがあると判定される。ステップS907でリスクがあると判定された場合、ステップS908へ進み、ステップS907でリスクがないと判定された場合、該当他車両に関する処理を終了し、次の他車両に関する処理に遷移する。
ステップS908において、警告情報生成送信部229は、干渉警告信号を生成し、オペレータ通知部204に出力する。オペレータ通知部204は、干渉警告信号をオペレータ用ユーザI/F103に送信し、オペレータ用ユーザI/F103の表示画面に、干渉のリスクがあることを表す警告画像を表示させるなどの警告出力処理を実行し、該当他車両に関する処理を終了し、次の他車両に関する処理に遷移する。
全ての他車両に対してのループ処理(ステップS904)が完了すると、ステップS909に進む。ステップS909において、送信制御部222は、車車間で通知すべき車両があるか否かを判定する。具体的には、ステップS909において、送信制御部222は、他車両状態判定結果管理テーブル214の他車両への通知704が「1(通知)」に設定されている車両があるか否かを判定する。
他車両への通知704が「1(通知)」に設定されている車両がある場合、送信制御部222は、車車間で通知すべき車両があると判定し、ステップS910へ進む。他車両への通知704が「1(通知)」に設定されている車両がない場合、送信制御部222は、車車間で通知すべき車両がないと判定し、ステップS911へ進む。
ステップS911において、送信制御部222は、自車両生データ管理テーブル211のデータを送信元生データ305に反映させ、自車両状態判定結果管理テーブル213のデータを送信元判定結果データ306に反映させてなる送信元データ301を含む車車間通信データ300を生成し、車車間通信部202に出力する。車車間通信部202は、車車間通信データ300を車車間通信装置192を介して他車両に送信し、ステップS912へ進む。
ステップS911における送信元データ301の生成処理の詳細は、以下のとおりである。送信制御部222は、車両識別子411を車両識別子341に反映させ、車種412を車種342に反映させる。送信制御部222は、緯度413および経度414を位置343へ反映させる。また、送信制御部222は、進行方向416、車体向き417およびオペレーション状態418を、進行方向345、車体向き346およびオペレーション状態347へ反映させる。さらに、送信制御部222は、車両状態601を特殊状態348に反映させ、センタへの通知603をセンタとの通信有無349に反映させる。なお、送信制御部222は、追加車両データ数303に「0」を設定する。つまり、車車間通信部202は、特殊状態車両データ304を含まない車車間通信データ300を車車間通信装置192を介して、他車両に送信する。
ステップS910において、ステップS911と同様、送信制御部222は、自車両生データ管理テーブル211のデータを送信元生データ305に反映させ、自車両状態判定結果管理テーブル213のデータを送信元判定結果データ306に反映させてなる送信元データ301を生成する。さらに、ステップS910において、送信制御部222は、他車両生データ管理テーブル212のデータを特殊状態車両生データ307に反映させ、他車両状態判定結果管理テーブル214のデータを特殊状態車両判定結果データ308に反映させてなる特殊状態車両データ304を生成する。送信制御部222は、送信元データ301および特殊状態車両データ304を含む車車間通信データ300を車車間通信部202に出力する。車車間通信部202は、車車間通信データ300を車車間通信装置192を介して他車両に送信し、ステップS912に進む。
ステップS910における特殊状態車両データ304の生成処理の詳細は、以下のとおりである。送信制御部222は、他車両状態判定結果管理テーブル214で他車両への通知704が「1」になっている他車両の情報を特殊状態車両データ304に反映する。送信制御部222は、他車両への通知704が「1(通知)」になっている他車両の数を追加車両データ数303に設定し、その数の特殊状態車両データ304を生成する。送信制御部222は、車両識別子701に基づき、車両識別子501を抽出し、抽出された車両識別子501で特定される他車両生データ管理テーブル212のデータを特殊状態車両生データ307に反映する。
送信制御部222は、車両識別子501を車両識別子311に反映させ、車種502を車種312に反映させる。送信制御部222は、緯度503および経度504を位置313へ反映させる。また、送信制御部222は、進行方向506、車体向き507およびオペレーション状態508を、進行方向315、車体向き316およびオペレーション状態317へ反映させる。さらに、送信制御部222は、車両状態703を特殊状態318に反映させ、センタへの通知705をセンタとの通信有無319に反映させる。なお、送信制御部222は、他車両生データ管理テーブル212の経過時間510に受信時刻512と現在時刻の差分値を足した値を、経過時間320に設定する。
ステップS912において、送信制御部222は、自車両状態判定結果管理テーブル213のセンタへの通知603が「1(通知)」に設定されているか否か、および、自車両状態判定結果管理テーブル213の更新時刻604からの経過時間(現在時刻−更新時刻)が予め設定された基準時間(T4)以内であるか否かを判定する。センタへの通知603が「1(通知)」に設定されている場合、および、更新時刻604からの経過時間が基準時間(T4)以内である場合、少なくともいずれかが満たされている場合、ステップS913へ進む。センタへの通知603が「1(通知)」に設定されていない場合であって、更新時刻604が基準時間(T4)以内でないとき、ステップS914へ進む。
ステップS913において、送信制御部222は、他車両状態判定結果管理テーブル214のセンタへの通知704が「1(通知)」に設定されている他車両が存在するか否かを判定する。ステップS913で肯定判定、すなわち運行管理センタ140に通知すべき他車両が存在すると判定された場合、ステップS915へ進む。ステップS913で否定判定、すなわち運行管理センタ140に通知すべき他車両は存在しないと判定された場合、ステップS916へ進む。
ステップS916において、送信制御部222は、追加車両データ数353に「1」を設定し、1台目の特殊状態車両データ354に自車両生データ管理テーブル211のデータおよび自車両状態判定結果管理テーブル213のデータを反映させる。送信制御部222は、追加車両データ数353および特殊状態車両データ354を含むセンタ通知データ350を運行管理用端末通信部203に出力する。運行管理用端末通信部203は、センタ通知データ350をセンタ通信装置193を介して運行管理センタ140に送信し、ステップS918へ進む。
ステップS915において、送信制御部222は、追加車両データ数353に、センタへの通知705が「1(通知)」になっている他車両の数に1を加えた値を設定し、その数の特殊状態車両データ354を生成する。
ステップS915において、ステップS916と同様、送信制御部222は、1台目の特殊状態車両データ354に自車両生データ管理テーブル211のデータおよび自車両状態判定結果管理テーブル213のデータを反映させる。さらに、ステップS915において、送信制御部222は、2台目以降の特殊状態車両データ354に他車両生データ管理テーブル212のデータ、および、他車両状態判定結果管理テーブル214のデータをステップS910と同様に、特殊状態車両データ354に反映させる。送信制御部222は、追加車両データ数353および特殊状態車両データ354を含むセンタ通知データ350を運行管理用端末通信部203に出力する。運行管理用端末通信部203は、センタ通知データ350をセンタ通信装置193を介して運行管理センタ140に送信し、ステップS918に進む。
ステップS914において、送信制御部222は、他車両状態判定結果管理テーブル214のセンタへの通知704が「1(通知)」に設定されている他車両が存在するか否かを判定する。ステップS914で肯定判定、すなわち運行管理センタ140に通知すべき他車両が存在すると判定された場合、ステップS917へ進む。ステップS914で否定判定、すなわち運行管理センタ140に通知すべき他車両は存在しないと判定された場合、ステップS918へ進む。
ステップS917において、送信制御部222は、追加車両データ数303に、センタへの通知705が「1(通知)」になっている他車両の数を設定し、センタへの通知705が「1(通知)」になっている他車両ごとに特殊状態車両データ354を生成する。特殊状態車両データ354の生成方法は、ステップS910やステップS915と同様であるので、説明を省略する。送信制御部222は、特殊状態車両データ354の生成が完了すると、追加車両データ数353および特殊状態車両データ354を含むセンタ通知データ350を運行管理用端末通信部203に出力する。運行管理用端末通信部203は、センタ通知データ350をセンタ通信装置193を介して運行管理センタ140に送信し、ステップS918へ進む。
ステップS918において、他車両生データ管理テーブル212の受信時刻512を参照し、予め定めた時間(T5)以上、時間が経過している情報を削除し、ステップS919に進んで処理を終了する。処理が終了すると、所定の制御周期経過後にステップS901以降の処理が再び実行される。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)第1の車載装置151は、運行管理センタ140と通信を行うセンタ通信装置193および他車両と通信を行う車車間通信装置192を備え、運行管理センタ140の管理下にある大型車両110に搭載されている。
車載装置151の運転支援装置101は、車載装置151が搭載される自車両(大型車両110)の位置情報を取得する自車両情報取得部201としての機能を備えている。車載装置151の運転支援装置101は、自車両が特殊な状態にあるか否かを判定する自車両状態判定部206、および、車車間通信装置192を介して取得した情報に基づいて、他車両が特殊な状態にあるか否かを判定する他車両状態判定部207としての機能を有している。なお、特殊な状態とは、通信が行えなくなった状態、または、通信が行えなくなる状態への遷移が推定される状態である。
車載装置151の運転支援装置101は、自車両が特殊な状態にあると判定された場合には、自車両が特殊な状態にあることを運行管理センタ140および他車両に送信し、他車両状態判定部207により所定の他車両が特殊な状態にあると判定された場合には、所定の他車両が特殊な状態にあることを運行管理センタ140および所定の他車両とは異なる他車両に送信する送信制御部222としての機能を有している。
車載装置151の運転支援装置101は、運行管理センタ140との通信が行える場合には運行管理センタ140から受信した情報および自車両の位置情報に基づいて自車両と他車両との干渉のリスクを判定し、運行管理センタ140との通信が行えない場合には他車両から受信した情報および自車両の位置情報に基づいて自車両と他車両との干渉のリスクを判定する干渉リスク判定部208としての機能を有している。
車載装置151の運転支援装置101は、自車両と他車両との干渉のリスクがあると判定された場合、自車両のオペレータに対する警告情報を生成し、出力する警告情報生成送信部220としての機能を備えている。
このように、大型車両110に搭載される第1の車載装置151を構成した。第1の車載装置151は、自車両や他車両が「特殊な状態」にあると判定されると、その他の車両に対する送信制御として、車車間通信やセンタ通信により、特殊な状態にある車両の位置情報を送信する。つまり、車載装置151は、特殊な状態にある車両の位置情報を直接、あるいは車車間通信を介して運行管理センタ140に送信する。その結果、特殊な状態にある車両の位置情報が、車車間通信やセンタ通信により、鉱山内の各車両に通知することができるので、車両同士の干渉を防止することができる。
また、本実施の形態によれば、たとえば、運行管理センタ140からのデータの更新頻度が低く、車両の最新の位置情報が検出されていない状態で電源が落とされるような場合や、運行管理センタ140との通信ができないエリア内に存在する車両の電源が落とされるような場合であっても、電源が落とされる前の段階で、当該車両が特殊な状態であることが判定され、当該特殊な状態にある車両の情報を他の車両に通知することができるので、車両同士の干渉を防止することができる。
(2)第1の車載装置151と通信を行う第2の車載装置152は、他車両と通信を行う車車間通信装置192を備えているが、運行管理センタ140と通信を行うセンタ通信装置193を備えていない、運行管理センタ140の管理下にない小型車両130に搭載されている。
車載装置152の運転支援装置101は、車載装置152が搭載される自車両(小型車両130)の位置情報を取得する自車両情報取得部201と、自車両が特殊な状態にあるか否かを判定する自車両状態判定部206と、車車間通信装置192を介して取得した情報に基づいて、他車両が特殊な状態にあるか否かを判定する他車両状態判定部207としての機能を有している。
車載装置152の運転支援装置101は、自車両が特殊な状態にあると判定された場合には、自車両が特殊な状態にあることを他車両に送信し、所定の他車両が特殊な状態にあると判定された場合には、所定の他車両が特殊な状態にあることを所定の他車両とは異なる他車両に送信する送信制御部222としての機能を有している。
車載装置152の運転支援装置101は、他車両から受信した情報および自車両の位置情報に基づいて自車両と他車両との干渉のリスクを判定する干渉リスク判定部208としての機能を有している。車載装置152の運転支援装置101は、自車両と他車両との干渉のリスクがあると判定された場合、自車両のオペレータに対する警告情報を生成し、出力する警告情報生成送信部220としての機能を備えている。
このように、小型車両130に搭載される第2の車載装置152を構成したので、上記(1)と同様の作用効果を得ることができる。
(3)車載装置151,152は、自車両が特殊な状態にあると判定された場合に、自車両のオペレータに対して、自車両が特殊な状態にあることを報知するための報知情報を生成し、出力する報知情報生成送信部221としての機能を備えている。たとえば、自車両(大型車両110)のオペレーション状態が「稼働無」の状態であり、かつ、自車両の車速が0の状態が予め定められた一定時間T2の間、継続した場合、図3に示すように、オペレータ用ユーザI/F103の表示画面に「電源を切らないでください」という警告画像が表示される。これにより、オペレータに電源を切らないように注意を促すことができる。オペレータは、通信が回復されるまで電源を切ってはいけないことを知ることができる。オペレータは、運行管理センタ140および他車両の少なくともいずれかと通信ができる状態になる場所まで、自車両を移動させてから電源を落とすことで、自車両の位置情報を他車両に送信することができる。
(4)車載装置151の運転支援装置101は、予め定められた時間(T2)の間、自車両(大型車両110)が停止している状態が継続され、かつ、自車両が稼働されていない状態であるときに、自車両が特殊な状態にあると判定する。また、車載装置151,152の運転支援装置101は、予め定められた時間(T2)の間、他車両(大型車両110)が停止している状態が継続され、かつ、他車両が稼働されていない状態であるときに、他車両が特殊な状態にあると判定する。なお、ショベル110Bにおいて、車両が稼働されている状態とは、フロント作業装置を駆動させたり、旋回体を駆動させたりして、掘削作業やクレーン作業などを行っている状態のことを指す。また、ダンプトラック110Aにおいて、車両が稼働されている状態とは、荷台を油圧シリンダにより駆動させて放土作業を行っている状態や、ショベル110Bによって積荷が積み込まれている積込作業を行っている状態、ダンプトラック110Aを目的地へ搬送する搬送作業を行っている状態のことを指す。
大型車両110では、停止した状態で作業を行うため、車両が稼働されていない状態であることを条件に含めることで、適切に、特殊な状態にあるか否かを判定することができる。
(5)車載装置151,152の運転支援装置101は、予め定められた時間(T1)の間、他車両(小型車両130)が停止している状態が継続されたときに、他車両が特殊な状態にあると判定する。小型車両130は、運行管理下にないので、停止した状態の継続時間で特殊な状態にあることを判定する。上述した大型車両110が特殊な状態であるか否かを判定する場合に比べて、閾値としての時間(T1)を長く設定することで(T1>T2)、特殊な状態であるか否かを適切に判定することができる。
(6)車載装置151,152の運転支援装置101は、運行管理センタ140から自車両に送信される他車両の運行管理情報(オペレーション状態)に基づいて、他車両が稼働されていない状態であるか否かを判定する。これにより、運行管理センタ140から配信される運行管理情報を利用して、運行管理下にある他車両が特殊な状態にあるか否かを判定することができる。
(7)車載装置151の運転支援装置101は、自車両から所定の範囲内に存在している他車両から、予め定められた時間の間、車車間通信装置192を介した受信が無かったときに、他車両が特殊な状態にあると判定する。所定の範囲内とは、車車間通信が可能な範囲内であることを意味している。現在取得済みの当該他車両の位置情報に基づき、自車両と車車間通信が可能な範囲内に他車両が存在しているにもかかわらず、その他車両から車車間通信により受信が無いことで、その他車両が電源を落とし、停車している状態であると推定することができる。これにより、その他車両が特殊な状態であると判定し、この他車両とは異なる他車両に、その情報を送信することで、車両間の干渉を適切に防止することができる。
(8)運行管理センタ140との通信が可能な第1の車載装置151と、車車間通信を介して第1の車載装置151と通信が可能な第2の車載装置152とによって、運行管理システムを構成した。これにより、運行管理下にある車載装置151を備えた大型車両110と、運行管理下にない車載装置152を備えた小型車両130を含む、車両間の干渉を効果的に防止することができる。
(9)車載装置151は、特殊な状態になった他車両に関する情報を無駄なく運行管理センタ140に送信する構成であり、必要なデータに絞って、円滑に送信を行い、各車両間で最新の情報を共有することができる。これにより、運行管理センタ140と通信するデータ量を最小限に留めることを実現しつつ、低遅延で特殊な状態にある車両の情報を、その車両の周囲に存在する車両に通知して、干渉を防止することができる。
(10)自車両と他車両の作業の優先度の優劣に応じて、干渉リスク判定のアルゴリズムを調整することで、採掘業務への影響を最小限に抑えつつ、車両同士の干渉を回避することもできる。
(11)車載装置151の運転支援装置101は、電源停止操作(イグニッションスイッチオフ)が行われた場合に、自車両が「特殊な状態」にあると判定し、電源が落とされる前に、運行管理センタ140や他車両に対し、自車両が「特殊な状態」にあることを含む自車両の情報を送信するようにした。これにより、大型車両110の電源停止操作が行われると、作業履歴や点検履歴を車載装置151から運行管理センタ140に送信する終了処理時間を利用して、運行管理センタ140に自車両が「特殊な状態」にあることを通知することができる。
−第2の実施の形態−
図15および図16を参照して、第2の実施の形態に係る運行管理システムを説明する。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。図15は、図1と同様の図であり、第2の実施の形態に係る第1の車載装置151および第2の車載装置152、および運行管理センタ140を含む運行管理システムの構成を示す図である。図16は、第2の実施の形態に係る運転支援装置101の構成を示す図である。
第2の実施の形態に係る運転支援装置101は、第1の実施の形態の構成に加え、車両に搭載されるセンサ1302からの検出信号に基づき、他車両の位置を検知する他車両検知部1301を備えている。他車両を検知するのに用いるセンサ1302としては、ミリ波レーダーやレーザーレーダ、ステレオカメラ等で構成することができる。
他車両検知部1301から入力された情報は、データベース205の他車両生データ管理テーブル212に格納される。第2の実施の形態では、他車両生データ管理テーブル212の取得手段513に設定される値として、「4」が追加される。「4」は、センサ1302を介して取得したことを示している。
第2の実施の形態では、他車両検知部1301で検出された他車両の位置情報に基づき、緯度503および経度504を設定する。また、第2の実施の形態では、車両状態として「遮蔽物による未検出状態」などのセンサ1302による他車両検知に関係する車両状態が加わる。
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果に加え、次の作用効果を得ることができる。
(12)車車間通信装置192やセンタ通信装置193を備えていない他車両の位置情報を別の他車両に送信することができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
運行管理センタ140で管理されていない小型車両130の車載装置152を運転支援装置101のみで構成してもよい。また、小型車両130の車載装置152の運転支援装置101は、車車間通信により、自車両位置情報を周囲の他車両に送信する機能のみを備えるようにしてもよい。
(変形例2)
上述した実施の形態では、条件2は、自車両のオペレーション状態が「稼働無」の状態であり、かつ、自車両の車速が0の状態が予め定められた一定時間T2の間、継続した場合とする例について説明したが、本発明はこれに限定されない。条件2に代えて、条件2Bとして、自車両の車速が0の状態が予め定められた一定時間T2の間、継続した場合とすることができる。
(変形例3)
上述した実施の形態では、車速が0であるか否かによって、車両が停止しているか否かを判定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。車速は、車速センサの精度等を考慮して、0.5〜2.0km/hの車速閾値を設定し、車速が車速閾値以下である場合に車両が停止していると判定してもよい。
(変形例4)
上述した実施の形態では、運転支援装置101がオペレータ通知部204および制御信号生成部209の双方を備える例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、干渉のリスクがあると判定された場合に、警告のみを出力し、ブレーキ制御などをしない構成の場合、制御信号生成部209を省略することができる。
(変形例5)
上述した実施の形態では、特殊な状態に関し、「車両の電源が落とされた状態」を「運行管理センタ140および他車両のいずれとも通信が行えなくなった状態」の一例として説明し、「車両の電源が落とされることが推定される状態」を「運行管理センタ140および他車両のいずれとも通信が行えなくなる状態への遷移が推定される状態」の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、大型車両110の近くに小型車両130が位置することに起因して、小型車両130がいずれの他車両とも車車間通信を行えなくなった状態や、車車間通信を行えなくなることが推定される状態を、上記「特殊な状態」に含まれるようにしてもよい。
(変形例6)
上述した実施の形態では、緯度および経度により車両の位置を表している例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、鉱山内に位置の基準点を設け、その基準点に対する相対位置を表す専用の座標系の値などを用いて、車両の位置を表してもよい。
(変形例7)
上述した実施の形態では、第1の車載装置151が搭載される車両の例としてダンプトラック110Aやショベル110Bについて説明したが、本発明はこれに限定されない。クレーンやホイールローダ、グレーダー、ドーザー、ドリル等、種々の作業車両に第1の車載装置151を搭載し、本発明を同様に適用することができる。
(変形例8)
上述した実施の形態では、大型車両110に搭載される車載装置151が運行管理用端末102を備えている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。複数の大型車両110のうち、いくつかの大型車両に搭載される車載装置は、運行管理用端末102を備えていない車載装置152(小型車両130の車載装置と同じ車載装置)であってもよい。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。