JP6723514B2 - 紙用添加剤および紙の製造方法 - Google Patents

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本発明は(メタ)アクリルアミド系ポリマーと架橋剤とを含む紙用紙力剤および紙の製造方法に関し、更に詳細には、高い乾燥紙力強度を付与する紙用紙力剤および紙の製造方法に関する。
抄紙機の高速化に伴う生産性の向上、あるいは紙質の品質向上を図る為に、製紙工程では種々のポリアクリルアミド系紙力剤が用いられている。ポリアクリルアミド系紙力剤はパルプスラリーに添加する内添紙力剤、紙表面に塗工する表面紙力剤として、紙質向上及び生産性向上を図るために改良が進んでいる。
例えば、表面強度を向上させるために、少なくともアクリルアミド類(a)と不飽和ジカルボン酸類(b)と(メタ)アリルスルホン酸及び/またはその塩(c)とを反応して得られるアニオン性アクリルアミド系樹脂[A]を含有する表面塗工剤組成物をライナーに塗工する(特許文献1参照)方法があげられる。またカルボキシル基含有不飽和単量体および(メタ)アクリルアミドからなるモノマー群をイオン系連鎖移動剤の存在下で共重合させてなる溶解度パラメーターが13〜17のポリアクリルアミド系板紙用表面紙力増強剤も提案(特許文献2)されている。
しかしながら、これらの発明では強度を向上させる方法としては不十分であり、特に、古紙のリサイクル率の向上、古紙の品質の低下を背景に、より高い強度を要求される紙種の紙力向上効果に関して十分に満足できるものではなかった。
一方、ケト基を有するポリビニルアルコールを紙に使用することが知られており、例えば、ダイアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコールと水溶性ヒドラジド化合物を特定の割合で有する表面サイズ剤を塗布する表面サイズ紙の製造方法(特許文献3)や、多孔質インク吸水層にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールとその架橋剤を使用するインクジェット記録用紙(特許文献4)などが開示されている。
しかしながらこれらの発明はポリビニルアルコールをベースとしており、紙用の強度向上剤としては十分に満足できるものではなかった。
また、コアシェル構造を有し、側鎖にジアセトン基を有する(メタ)アクリルアミド共重合体を保護層に用いた感熱記録材料(特許文献5)が開示されているが、本特許は感熱記録材料の耐水性およびバリア性を目的としており、紙力向上についての記載はない。
特開2007−23422号公報 特開2014−205938号公報 特開平10−298896号公報 特開2005−35007号公報 特開2010−36419号公報
本発明は、(メタ)アクリルアミド系ポリマーと架橋剤とを含む紙用紙力剤および紙の製造方法に関するものであり、紙の紙力増強効果に優れる(メタ)アクリルアミド系ポリマーと架橋剤とを含む紙用紙力剤及びその紙用紙力剤を用いる紙の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、高い紙力増強効果を有する紙用紙力剤を見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題を解決するための手段である本発明は、
(発明1)
(a)(メタ)アクリルアミド、(b)ケト基を有するモノマー、(c)アニオン性モノマーを必須成分とするモノマーを共重合させてなる(d)(メタ)アクリルアミド系ポリマーと、(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤とを含有することを特徴とする紙用紙力剤。
(発明2)
(発明1)に記載の前記(d)(メタ)アクリルアミド系ポリマー中に含まれる(b)ケト基を有するモノマー由来の骨格の含有量が1〜30mol%であることを特徴とする(発明1)に記載の紙用紙力剤。
(発明3)
(b)ケト基を有するモノマー由来の骨格と、(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤のモル比が100:10〜200であることを特徴とする(発明1)または(発明2)に記載の紙用添加剤。
(発明4)
(b)ケト基を有するモノマーのケト基がダイアセトン基および/またはアセトアセチル基であることを特徴とする(発明1)〜(発明3)のいずれか一項に記載の紙用紙力剤。
(発明5)
(d)(メタ)アクリルアミド系ポリマー中に含まれる(c)アニオン性モノマー由来の骨格の含有量が10〜80mol%であることを特徴とする(発明1)〜(発明4)のいずれか一項に記載の紙用紙力剤。
(発明6)
(発明1)〜(発明5)のいずれか一項に記載の紙用紙力剤を紙に塗工することを特徴とする紙の製造方法。
である。
本発明によって紙の紙力増強効果に優れるポリアクリルアミド系紙用紙力剤及びそのポリアクリルアミド系紙用紙力剤を用いる紙の製造方法を提供することができる。
本発明は、
(a)(メタ)アクリルアミド、
(b)ケト基を有するモノマー、
(c)アニオン性モノマー
を必須成分とする(d)(メタ)アクリルアミド系ポリマーと、
(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤
を含有することを特徴とする紙用紙力剤。
である。
前記(a)(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミド、又はメタクリルアミドであり、粉体でも、水溶液でも使用することができる。
前記(b)ケト基を有するモノマーとしては、アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクレート、4 − ビニルアセトアセトアニリド、アセトアセチルアリルアミド等が挙げられ、これらの一種を単独でまたは二種以上を併用して使用することができる。
上記(b)ケト基を有するモノマーの中でも、紙力の向上効果および経済性の点でダイアセトンアクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクレートが特に好ましい。
前記(c)アニオン性モノマーとしては、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸、不飽和テトラカルボン酸、不飽和スルホン酸、不飽和ホスホン酸およびそれらの塩類等が挙げられ、これらの一種を単独でまたは二種以上を併用して使用することができる。
これらのうち不飽和モノカルボン酸およびそれらの塩類としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリルアミド−N−グリコール酸、N−アクリロイルグリシン、3−アクリルアミドプロパン酸、4−アクリルアミドブタン酸およびそれらのナトリウム、カリウム塩等のアルカリ金属類またはアンモニウム塩等が挙げられる。
前記不飽和ジカルボン酸およびそれらの塩類の例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびそれらのナトリウム、カリウム塩等のアルカリ金属塩類またはアンモニウム塩等が挙げられる。
前記不飽和トリカルボン酸およびそれらの塩類の例としてはアコニット酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸、4−ペンテン−1,2,4−トリカルボン酸およびそれらのナトリウム、カリウム塩等のアルカリ金属塩類またはアンモニウム塩等が挙げられる。
前記不飽和テトラカルボン酸およびそれらの塩類の例としては、1−ペンテン−1,1,4,4−テトラカルボン酸、4−ペンテン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、3−ヘキセン−1,1,6,6―テトラカルボン酸およびそれらのナトリウム、カリウム塩等のアルカリ金属塩類又はアンモニウム塩等が挙げられる。
前記不飽和スルホン酸の例としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸およびそれらのナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等が挙げられる。
前記不飽和ホスホン酸の例としては、ビニルホスホン酸、α−フェニルビニルホスホン酸およびそれらのナトリウム、カリウム塩等のアルカリ金属塩類またはアンモニウム塩等が挙げられる。
上記のアニオン性ビニルモノマーの中でも紙力の向上効果及び経済性の点で、アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アリルスルホン酸およびその塩類が特に好ましく、さらにはアクリル酸が好ましい。
前記(d)(メタ)アクリルアミド系ポリマー中に含まれる(b)ケト基を有するモノマー由来の骨格の含有量は1〜30mol%が好ましい。含有量が1mol%よりも少ない場合、十分な紙力向上効果が得られない場合があり、また30mol%を超えた場合も、十分な紙力の向上効果が得られない場合がある。
前記(d)(メタ)アクリルアミド系ポリマー中に含まれる(c)アニオン性モノマー由来の骨格の含有量は10〜80mol%が好ましい。10mol%よりも少ない場合には、十分な紙力向上効果が得られない場合があり、また80mol%を超えた場合も、十分な紙力向上効果が得られない場合がある。
前記重合成分(a)〜(c)にこれら以外の他のモノマーを加えて重合することもできる。前記重合成分(a)〜(c)の合計100mol%に対して10mol%以下の割合で他のモノマーを加えて重合することができる。前記重合成分(a)〜(c)以外の他のモノマーとしては、カチオン性モノマー、ノニオン性モノマー、連鎖移動剤、架橋剤を挙げることができる。
前記カチオン性モノマーは、3級アミノ基、又は4級アンモニウム塩類を有するモノマーを挙げることができる。
前記3級アミノ基を有するモノマーとしては、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、前記3級アミノ基を有するモノマーの塩酸塩、及び硫酸塩等の無機酸塩類、並びに前記3級アミノ基を有するモノマーのギ酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩類が挙げられる。
また、前記4級アンモニウム塩類を有するモノマーとしては、前記3級アミノ基を有するモノマーと4級化剤との反応によって得られるモノマーが挙げられる。前記4級化剤としては、メチルクロライド、及びメチルブロマイド等のアルキルハライド、ベンジルクロライド、及びベンジルブロマイド等のアラルキルハライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、エピクロロヒドリン、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、並びにグリシジルトリアルキルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらの3級アミノ基、又は4級アンモニウム塩類を有するビニルモノマーは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記ノニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、スチレン誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びメチルビニルエーテル等を挙げることができる。これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記連鎖移動剤としてはアルキルメルカプタン類、チオグリコール酸及びそのエステル類、イソプロピルアルコール、並びにアリルアルコール、アリルアミン等のアリル基を有するモノマー等を挙げることができる。
前記架橋剤としては、例えば、N置換(メタ)アクリルアミド、ジ(メタ)アクリレート類、ビス(メタ)アクリルアミド類、ジビニルエステル類等の2〜4官能性ビニルモノマーのような多官能性モノマー等を挙げることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。架橋剤としては、前記多官能性モノマーの他に水溶性アジリジニル化合物、水溶性多官能エポキシ化合物、シリコン系化合物等を挙げることができ、これらの中でもN置換(メタ)アクリルアミドが好ましい。これらは、1種単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
前記N置換(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、及びN−t−オクチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
前記ジ(メタ)アクリレート類としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びグリセリンジ(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。前記のビス(メタ)アクリルアミド類としては、例えばN,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−ビスアクリルアミド酢酸、N,N’−ビスアクリルアミド酢酸メチル、N,N−ベンジリデンビスアクリルアミド、及びN,N’−ビス(アクリルアミドメチレン)尿素等を挙げることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。前記のジビニルエステル類としては、例えば、アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、及びジアリルサクシネート等を挙げることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。前記以外の2官能性モノマーとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、N−メチロールアクリルアミド、ジアリルジメチルアンモニウム塩、ジアリルアミン、ジアリルクロレンデート、グリシジル(メタ)アクリレート、及びシリコン系化合物等を挙げることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記3官能性モノマーとしては、例えば、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレート、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、トリアリルアミン、及びトリアリルトリメリテート等を挙げることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記4官能性モノマーとしては、例えば、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラアリルピロメリテート、N,N,N’,N’−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、テトラアリルアミン塩、及びテトラアリルオキシエタン等を挙げることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記水溶性アジリジニル化合物としては、例えば、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、及び4,4’−ビス(エチレンイミンカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等を挙げることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。前記水溶性多官能エポキシ化合物としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、及び(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル等を挙げることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。前記シリコン系化合物としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、3−(メタ)アクリロキシオクタデシルトリアセトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシ−2,5−ジメチルヘキシルジアセトキシメチルシラン、及びビニルジメチルアセトキシシラン等を挙げることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記(a)〜(c)の重合において使用する重合開始剤は、特に限定されるものではなく、公知のものが使用できる。例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の過酸化物、臭素酸ナトリウム、及び臭素酸カリウム等の臭素酸塩、過ホウ素酸ナトリウム、過ホウ素酸カリウム、及び過ホウ素酸アンモニウム等の過ホウ素酸塩、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、及び過炭酸アンモニウム等の過炭酸塩、過リン酸ナトリウム、過リン酸カリウム、及び過リン酸アンモニウム等の過リン酸塩等が例示できる。この場合、単独でも使用できるが、還元剤と組み合わせてレドックス系重合開始剤としても使用できる。
前記、重合開始剤と組み合わせて使用する還元剤としては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩あるいはN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の有機アミン、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩等のアゾ化合物、アルドース等の還元糖等が例示できる。これらの還元剤は1種単独で用いても良いし、2種類以上併用してもよい。
また、本発明において使用する重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸及びその塩等のアゾ化合物も使用可能である。これらの重合開始剤は1種単独で用いても良いし、2種類以上併用してもよい。
前記(a)〜(c)の重合による製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の各種の方法を採用することが出来る。例えば、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、撹拌機及び温度計を備えた反応容器に、前述した重合成分としてのモノマー(a)〜(c)と溶媒である水(必要に応じて有機溶媒を併用することも可能である)と、必要に応じて連鎖移動剤及び/又は架橋剤とを仕込み、さらに必要に応じて硫酸、塩酸等の酸もしくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリといったpH調整剤によりpHを調製する。その後重合開始剤を加え、反応温度20〜90℃で1〜5時間反応させ、(d)(メタ)アクリルアミド系ポリマーの水溶液を得ることが出来る。また、必要に応じて、モノマー、水、連鎖移動剤、架橋剤、pH調整剤、重合開始剤の一部または全量を反応容器に滴下しながら重合することもできる。
前記(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤としてはケト基を有するモノマーとの反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えばアルデヒド基含有化合物、分子内に一級アミノ基を2個以上含有する化合物、イソシアネート化合物が挙げられる。これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記アルデヒド基含有化合物としては、グリオキシル酸塩、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド等のモノアルデヒド類、グリオキザール、グルタルアルデヒド、マロンジアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ジアルデヒド澱粉等を挙げることができ、中でもグリオキシル酸塩やグリオキザールが好適に用いられる。グリオキシル酸塩にはグリオキシル酸の金属塩やアミン塩等が挙げられ、金属塩としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等の遷移金属、その他の亜鉛、アルミニウム等の金属とグリオキシル酸の金属塩、また、アミン塩としては、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等のアミン類とグリオキシル酸の塩が挙げられる。
前記分子内に一級アミノ基を2個以上含有する化合物における、一級アミノ基とは、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基の炭素原子に結合した一級アミノ基、及び窒素原子に結合した一級アミノ基( すなわちヒドラジンの末端アミノ基)である。紙力増強効果の観点から、ヒドラジン型のアミノ基が好ましく、特にヒドラジド、セミカルバジド、又はカルボヒドラジド構造であるものが好ましい。炭素原子に結合した一級アミノ基を2 個以上有する化合物の具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、メタキシレンジアミン、ノルボルナンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられ、ヒドラジン型のアミノ基を2個以上有する化合物の具体例としては、ヒドラジン及びその塩、カルボヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のポリカルボン酸ヒドラジド類、4,4’−エチレンジセミカルバジド、4,4’−ヘキサメチレンジセミカルバジド等のポリイソシアネートとヒドラジンの反応物、ポリアクリル酸ヒドラジド等のポリマー型ヒドラジド等が挙げられる。水溶性及び反応性の点で、アジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
本発明の紙用紙力剤における(b)ケト基を有するモノマー由来の骨格と、(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤のモル比が100:10〜200であることが好ましい(b)ケト基を有するモノマー由来の骨格100に対して、(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤のモル比が10より少ない場合は、十分な紙力向上効果が得られない場合があり、またモル比が200よりも多い場合は、紙力の向上効果が頭打ちになってしまう場合があり、経済的には不利益である。
(d)(メタ)アクリルアミド系ポリマーと(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤を混合することで紙用紙力剤とすることができる。(d)(メタ)アクリルアミド系ポリマーと(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤は、互いに相溶性に優れるが、総固形分濃度が30%よりも高い場合には、粘度が高くなりすぎてハンドリング性の低下が悪くなる場合がある。また、(d)(メタ)アクリルアミド系ポリマーと(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤を混ぜる際の温度は特に指定はないが、水溶液であるため100℃以下が好ましく、また、粘度の増加、析出物の発生などを抑制するためには、5℃以上の温度での混合が好ましい。
本発明の紙用紙力剤の使用方法としては、各種の原紙に塗工される方法、パルプスラリーに添加する方法が挙げられる。
本発明の紙用紙力剤を各種の原紙に塗工する場合、本発明の効果が損なわれない範囲で必要に応じてその他の薬剤を混合することができる。各種添加剤としては、ポリビニルアルコール類及び澱粉類等の表面紙力剤、表面サイズ剤、防滑剤、離型剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、染料、撥水剤などを挙げることができる。また、本発明の紙用紙力剤の塗工時の濃度は、固形分として0.1〜15質量%、好ましくは1〜10質量%で行われる。また塗工温度は、20〜80℃で行われるのが好ましい。また該紙用紙力剤の塗工量は、原紙のサイズ度、およびその他の要素を勘案して適宜設定することができるが、通常は固形分で0.05〜10g/m、好ましくは0.1〜5g/mである。
本発明の紙用紙力剤を各種の原紙に塗工する場合、公知の方法により紙に塗工することができ、例えば、サイズプレス、フィルムプレス、ゲートロールコーター、ブレードコーター、キャレンダー、バーコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーターを用いて塗工することが可能である。また、スプレー塗工を行うこともできる。
本発明の紙用紙力剤を各種のパルプスラリーに添加する場合、パルプスラリーはパルプを水で希釈してスラリー状にしたものであり、パルプとしては、クラフトパルプ及びサルファイトパルプ等の晒、又は未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプ、サーモメカニカルパルプ等の晒、又は未晒高収率パルプ、並びに新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙及び脱墨古紙等の古紙パルプ等を挙げることができ、本発明の紙用紙力剤はこれらのパルプスラリーのいずれにも使用することができる。
本発明の紙用紙力剤は、パルプスラリーにパルプの乾燥質量当たり通常0.01〜5.0固形分質量%、好ましくは0.1〜3.0固形分質量%を添加して使用することができる。硫酸バンドやポリ塩化アニミニウム(PAC)などのアルミニウム化合物を添加する場合には、0.5〜3.0固形分質量%を添加することが好ましい。また、本発明の紙用紙力剤をパルプスラリーに添加する方法としては、例えば、アルミニウム化合物を全く用いずに本発明の紙用紙力剤を添加する方法、アルミニウム化合物を添加した後に本発明の紙用紙力剤を添加する方法、本発明の紙用紙力剤を添加した後にアルミニウム化合物を添加する方法、アルミニウム化合物と本発明の紙用紙力剤を同時に添加する方法などが挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。
本発明の紙の製造にあたっては、硫酸アルミニウムを用いる酸性系、または、硫酸アルミニウムを全く用いないかあるいは少量用いる中性系のいずれのパルプスラリーを用いても良い。また、パルプスラリーに対して、酸性ロジン系サイズ剤、中性ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニルもしくはアルキルコハク酸無水物系サイズ剤などを添加しても良い。また、他に、パルプスラリーにサイズ定着剤、本発明以外の内添紙力剤、消泡剤、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン等の充填剤、pH調整剤、染料、蛍光増白剤等を適宜含有せしめてもよい。また、製造される紙は、通常、坪量が10〜400g/m程度である。
また、前記原料パルプからなるパルプスラリーに、填料、染料、本発明以外の内添紙力剤、湿潤紙力増強剤、及び歩留り向上剤等、前記サイズ剤以外の添加剤も必要に応じて使用しても良い。更にサイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、キャレンダー等で、澱粉、ポリビニルアルコール、アクリルアミド系ポリマー等の表面紙力増強剤、表面サイズ剤、染料、コーティングカラー、防滑剤等を必要に応じて塗布しても良い。
本発明の紙用紙力剤を塗工して製造される紙あるいは、本発明の紙用紙力剤をパルプスラリーに添加して製造される紙としては、PPC用紙・感光紙原紙・感熱紙原紙のような情報用紙、アート紙、キャストコート紙、上質コート紙等のコート原紙、ティシュペーパー、タオルペーパー、ナプキン原紙のような衛生用紙、果樹袋原紙、クリーニングタグ原紙、化粧板原紙・壁紙原紙、印画紙用紙、積層板原紙、食品容器原紙のような加工原紙、重袋用両更クラフト紙・片艶クラフト紙などの包装用紙、電気絶縁紙、ライナー、中芯、紙管原紙、石膏ボード原紙、新聞用紙、紙器用板紙等を挙げることができ、何れの抄紙工程においても、抄造された紙に有用な紙力向上効果を与えることができる。この中でも特に紙力が必要とされる紙に用いることが好ましい。なお、本発明でいう紙には板紙も含まれる。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、例中、%は、特にことわりのない限り、それぞれ質量%である。
実施例1
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を付した1リットル四つ口フラスコに、水545.0g、(a)(メタ)アクリルアミドとして50%アクリルアミド水溶液220.4g、(b)ケト基を有するモノマーとしてダイアセトンアクリルアミド52.5g、(c)アニオン性モノマーとして80%アクリル酸109.2gおよびメタリルスルホン酸ナトリウム4.4gを仕込んだ。次いで窒素ガス雰囲気下、45℃に昇温し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.44gを添加した。次いで、メタ重亜硫酸ナトリウム0.11gを加え、重合を開始させた。反応温度を90℃まで昇温させた後に、85℃を維持しながら2時間反応を行った。その後、水65.0gを投入し、固形分25.2%、粘度2,600mPa・s(25℃、ブルックフィールド回転粘度計使用)のポリアクリルアミド系重合物を得た。この重合物を固形分換算濃度で3%になるように水で希釈し、そこに(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドを(b):(e)のmol比率が100:50となるように加え紙用紙力剤を得た。この紙用紙力剤を中芯原紙(坪量120g/m)の両面にワイヤーバーを用いて塗布量4gとなるように塗工して塗工中芯を得た。この得られた塗工中芯は温度23℃、湿度50%の条件で12時間以上調湿した後、ショートスパン圧縮試験(SCT):ISO9895を測定した。結果を表1に示す。
実施例2〜24
(a)(メタ)アクリルアミド、(b)ケト基を有するモノマー、(c)アニオン性モノマー、(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤の比率を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして紙用紙力剤を得た。実施例1と同様の操作を行い、塗工中芯を作成し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤を使用しない以外は、実施例1と同様にして紙用紙力剤を得た。実施例1と同様の操作を行い、塗工中芯を作成し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例2〜16
(a)(メタ)アクリルアミド、(b)ケト基を有するモノマー、(c)アニオン性モノマーの比率を表2に示すように変えたこと以外は、比較例1と同様にして紙用紙力剤を得た。実施例1と同様の操作を行い、塗工中芯を作成し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例17
(a)(メタ)アクリルアミド、(b)ケト基を有するモノマー、(c)アニオン性モノマーの比率を表2に示すように変えたこと以外は、比較例1と同様にして紙用紙力剤を得た。アクリルアミド/アクリル酸/メタリルスルホン酸ナトリウムの重量比は35/65/2であり、特開2014−205938の実施例1で使用されているポリアクリルアミド共重合体(C)と同組成の紙用紙力剤となる。実施例1と同様の操作を行い、塗工中芯を作成し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例18
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、窒素ガス導入管を付した四つ口フラスコに水462.0g、50%アクリルアミド水溶液163.1g、ダイアセトンアクリルアミド21.6gを仕込んだ。
次いで窒素ガス雰囲気下、60℃に昇温し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.19gを加えた。
次いで、メタ重亜硫酸ナトリウム0.29gを加え、重合を開始させた。発熱を確認後、水111.0g、50%アクリルアミド水溶液163.1g、ダイアセトンアクリルアミド21.6g、過硫酸アンモニウム0.48gを加えた。次いで、メタ重亜硫酸ナトリウム0.36gを加えて、反応温度を90℃まで昇温させた。2時間反応させた時点で、水56.3gを投入し、固形分20.8%、粘度8,500mPa・s(25℃、ブルックフィールド回転粘度計使用)のポリアクリルアミド系重合物を得た。この重合物を固形分換算濃度で3%になるように水で希釈し、そこに(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドを(b):(e)のmol比率が100:50となるように加え紙用紙力剤を得た。この紙用紙力剤を中芯原紙(坪量120g/m)の両面にワイヤーバーを用いて塗布量4gとなるように塗工して塗工中芯を得た。この得られた塗工中芯は温度23℃、湿度50%の条件で12時間以上調湿した後、ショートスパン圧縮試験(SCT):ISO9895を測定した。結果を表2に示す。
比較例19
(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤を使用しない以外は、比較例18と同様にして紙用紙力剤を得た。比較例18と同様の操作を行い、塗工中芯を作成し、比較例18と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例20
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を付した1リットル四つ口フラスコに、水607.8g、(a)(メタ)アクリルアミドとして50%アクリルアミド水溶液249.6g、(b)ケト基を有するモノマーとしてダイアセトンアクリルアミド37.3g、カチオン性モノマーとして65%ジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液54.9g、および連鎖移動剤として75%2−プロペン−1−アミニウム,N−ヒドロキシエチル−N,N,2−トリメチル,クロライド水溶液2.1gを仕込んだ。次いで窒素ガス雰囲気下、50℃に昇温し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5gを添加した。次いで、メタ重亜硫酸ナトリウム0.1gを加え、重合を開始させた。反応温度を90℃まで昇温させた後に、85℃を維持しながら2時間反応を行った。その後、水47.6gを投入し、固形分20.2%、粘度4,200mPa・s(25℃、ブルックフィールド回転粘度計使用)のポリアクリルアミド系重合物を得た。この重合物を固形分換算濃度で3%になるように水で希釈し、そこに(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドを(b):(e)のmol比率が100:50となるように加え紙用紙力剤を得た。この紙用紙力剤を中芯原紙(坪量120g/m)の両面にワイヤーバーを用いて塗布量4gとなるように塗工して塗工中芯を得た。この得られた塗工中芯は温度23℃、湿度50%の条件で12時間以上調湿した後、ショートスパン圧縮試験(SCT):ISO9895を測定した。結果を表2に示す。
比較例21
(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤を使用しない以外は、比較例20と同様にして紙用紙力剤を得た。比較例20と同様の操作を行い、塗工中芯を作成し、比較例20と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例22
日本合成化学社製ゴーセファイマーZ100(アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール)を固形分換算濃度で3%になるように水で希釈し、そこにアジピン酸ジヒドラジドを固形分換算で0.3%添加した塗工液を得た。この塗工液を中芯原紙(坪量120g/m)の両面にワイヤーバーを用いて塗布量4gとなるように塗工して塗工中芯を得た。この得られた塗工中芯は温度23℃、湿度50%の条件で12時間以上調湿した後、ショートスパン圧縮試験(SCT):ISO9895を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006723514
Figure 0006723514
表1、表2中の略号は以下の通りである。
AAm : アクリルアミド、
DAAM : ダイアセトンアクリルアミド、
AAEM: 2-アセトアセトキシエチルメタクリレート
AAc : アクリル酸、
IA : イタコン酸、
AMPS : 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
SMAS : メタリルスルホン酸ナトリウム
DADMAC : ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、
ADH : アジピン酸ジヒドラジド
GOA : グリオキシル酸のカルシウム塩、
Gly : グリオキザール、
DETA : ジエチレントリアミン
実施例25
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、窒素ガス導入管を付した四つ口フラスコに水510.0g、50%アクリルアミド水溶液120.1g、30%硫酸水溶液24.2g、ジメチルアミノエチルメタクリレート23.0g、イタコン酸1.5g、ダイアセトンアクリルアミド19.0g、N,N−ジメチルアクリルアミド0.45g、メタリルスルホン酸ナトリウム0.89gを仕込んだ。次いで、窒素ガス雰囲気下、60℃に昇温し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.15gを加え、重合を開始させ反応温度を90℃まで昇温させた。その後、水80.0g、50%アクリルアミド水溶液132.9g、ジメチルアミノエチルメタクリレート0.9g、イタコン酸7.3g、N,N−ジメチルアクリルアミド0.45g、メタリルスルホン酸ナトリウム0.89gから成るモノマー混合液を加え、更に過硫酸アンモニウム0.56gを加え、2時間反応させた時点で、水58.7gを投入し、固形分20.8%のポリアクリルアミド系重合物を得た。なお、このポリアクリルアミド系重合物の組成は、表3に示した。
この重合物を固形分換算濃度で1%になるように水で希釈し、そこに(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドを(b):(e)のmol比率が100:50となるように加え紙用紙力剤を得た。
濃度2.4%、叩解度(カナディアンスタンダード・フリーネス)340、電導度200mS/mの段ボール古紙パルプスラリーに、パルプ固形分に対し、硫酸バンドをアルミナ換算で1.5重量%添加し、次いで、得られた紙用添加剤をパルプ固形分に対し、0.5固形分質量%添加した。このパルプスラリーを撹拌後、pH6.5の水でパルプ濃度を0.8%に希釈した後、角型シートマシンにて抄紙し、プレス後、ドラムドライヤーで100℃、120秒間乾燥させて、坪量120g/mの紙を得た。得られた紙については、紙は温度23℃、湿度50%の条件で12時間以上調湿した後、ショートスパン圧縮試験(SCT):ISO9895を測定した。結果を表3に示す。
実施例26〜29
(a)(メタ)アクリルアミド、(b)ケト基を有するモノマー、(c)アニオン性モノマー、(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤の比率を表3に示すように変えたこと以外は、実施例25と同様にして紙用紙力剤を得た。実施例25と同様の操作を行い、紙を作成し、実施例25と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
比較例23
(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤を使用しない以外は、実施例25と同様にして紙用紙力剤を得た。実施例25と同様の操作を行い、紙を作成し、実施例25と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
比較例24
(a)(メタ)アクリルアミド、(b)ケト基を有するモノマー、(c)アニオン性モノマーの比率を表3に示すように変えたこと以外は、比較例23と同様にして紙用紙力剤を得た。実施例25と同様の操作を行い、紙を作成し、実施例25と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006723514
表3中の略号は以下の通りである。
AAm : アクリルアミド、
DAAM : ダイアセトンアクリルアミド、
IA : イタコン酸、
SMAS : メタリルスルホン酸ナトリウム、
DM : ジメチルアミノエチルメタクリレート、
DMAA : N,N−ジメチルアクリルアミド
ADH : アジピン酸ジヒドラジド
表1、表2の結果より、本発明の紙用紙力剤を塗工して製造した実施例1〜24は、ケト基と反応可能な架橋剤を使用しなかった比較例1〜16に対して、およびケト基を有するモノマーを使用しなかった比較例17に対して、およびアニオン性モノマーを用いなかった比較例18〜21に対して、およびアセトアセチル基含有ポリビニルアルコールを用いた比較例22に対して得られた紙の紙力が高いことが分かる。
また表3の結果より、パルプスラリーに本発明の紙用紙力剤を添加して製造した実施例25〜29は、ケト基と反応可能な架橋剤を使用しなかった比較例23、24に対して、得られた紙の紙力が高いことが分かる。

Claims (6)

  1. (a)(メタ)アクリルアミド、(b)ケト基を有するモノマー、(c)アニオン性モノマーを必須成分とするモノマーを共重合させてなる(d)(メタ)アクリルアミド系ポリマーの水溶液と、(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤とを含有することを特徴とする紙用紙力剤。
  2. 請求項1に記載の前記(d)(メタ)アクリルアミド系ポリマー中に含まれる(b)ケト基を有するモノマー由来の骨格の含有量が1〜30mol%であることを特徴とする請求項1に記載の紙用紙力剤。
  3. (b)ケト基を有するモノマー由来の骨格と、(e)ケト基を有するモノマーと反応可能な架橋剤のモル比が100:10〜200であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙用添加剤。
  4. (b)ケト基を有するモノマーのケト基がダイアセトン基および/またはアセトアセチル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の紙用紙力剤。
  5. (d)(メタ)アクリルアミド系ポリマー中に含まれる(c)アニオン性モノマー由来の骨格の含有量が10〜80mol%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の紙用紙力剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の紙用紙力剤を紙に塗工することを特徴とする紙の製造方法。
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