JP6722630B2 - ニードルコークスの製造方法 - Google Patents

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本発明は電炉工業での電極に用いられる黒鉛電極形成の骨材として用いられるニードルコークスの製造方法に関する。
ニードルコークスは繊維状配向組織(針状組織)を示し、流れ模様に沿って、炭素六角網面が良く発達した黒鉛化しやすい組織を有している。このような特徴を持ったニードルコークスは、適切な手法でこれを粉砕し、粒配合調整を行った後、適量の粘結剤(バインダー)を加えて捏合成形し、焼成及び黒鉛化処理を行うことにより黒鉛成形体を得ることができる。
このようにして製造される黒鉛成形体の代表的なものとして電炉で使用される人造黒鉛電極があるが、近年電炉の生産性向上に伴い、電極使用条件が過酷になり、大電流を確保するために電極自体の電気抵抗が小さいことと、大電流による電極内に発生する温度差によって電極の折損事故が起きないこと、即ち耐熱衝撃特性が良好であること、即ち熱膨張係数(Coefficient of thermal expansion、以下、「CTE」と略する場合がある。)が極めて低いことが要求されている。黒鉛成形体のCTEを低くするためには、原料にCTEが低いニードルコークスを用いる必要がある。
ニードルコークスは、黒鉛電極を製造する原料であり、黒鉛成形体用コークスの製造方法の先行技術として特許文献1及び特許文献2があり、ニードルコークスの製造方法の先行技術として特許文献3がある。
特許文献1には、生コークスのか焼時に水蒸気を導入し、パッフィングを低減した黒鉛成形体用コークスの製造方法が開示されている。特許文献2には、か焼コークスを水蒸気雰囲気下において700℃以上で再か焼するパッフィングを低減した黒鉛成形体用コークスの製造方法が開示されている。
これらの手法は、生コークスおよびか焼コークスに水蒸気を作用させる温度が、特許文献1では1000〜1600℃、特許文献2では800〜1400℃と温度領域が広く且つ高温であるために、複数の異なる炭素質からなるか焼コークス中の針状組織が発達していない炭素質のみをガス化除去するという方法ではなく、針状組織が発達した炭素質までもガス化除去し、形成される微細構造によりパッフィングを低減する手法であるためにニードルコークスの歩留まり低下の問題を生じてしまう。
特許文献3には、石炭系ピッチの極性分子成分を低減した改質ピッチを用いることによるニードルコークスの製造に適した生コークスの製造方法が開示されており、生コークスの組織観察より、結晶性の高い組織を有する生コークスがニードルコークスの製造に適していることが開示されている。
しかしながら、上記技術は生コークスの原料を改質することにより、ニードルコークスの製造に適した生コークスを製造する技術であり、ニードルコークス中に存在する炭素質の結晶性に着目して、ニードルコークスに残留する結晶性の低い炭素質、もしくは針状組織が発達していない炭素質をガス化除去し、ニードルコークスのCTEを低減させる方法ではない。
特開昭61−14111号公報 特開昭61−14112号公報 特開2010−265367号公報
本発明の目的は、石炭系重質油の脱窒素、石油系重質油の脱硫黄などコストのかかる工程を経ることなく、黒鉛電極等の黒鉛成形体の原料である黒鉛成形体用コークスの製造に適した熱膨張係数(CTE)の低い、ニードルコークス(か焼コークス)を製造する手法を提供することにある。
電炉電極の製造及び使用にあたっての近年の技術革新に伴うニードルコークスへの物性向上要求に対して、ニードルコークスの物性改善を目的として開発・開示された製造技術が、いずれもニードルコークスの亀裂、細孔構造の変化というコークス構造の物理的側面でしか捉えていない点に本発明者らは注目した。
ニードルコークス中には、針状組織に成長していない、CTEが高い炭素質が一部残っている場合があり、この炭素質の存在が、ニードルコークスのCTEの低下を困難にしていることはわかっていたが、この炭素質を制御する方法については、これまで報告されていない。
本発明者らは、この針状組織に成長していない炭素質の制御について鋭意検討を行った。その結果、複数の異なる炭素質からなる、ニードルコークス中の炭素質を個別に化学的に制御するという方法を見出した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなることを特徴とする。
〔1〕生コークスを1200〜1600℃の温度にてか焼してか焼コークスを得る第一工程の後、水蒸気を作用させて再か焼させる第二工程によりニードルコークスを製造する方法であって、前記第二工程の温度領域を、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度を求めることにより決定した温度領域とすることを特徴とするニードルコークスの製造方法
〔2〕 前記第二工程の温度領域を、か焼コークスの重量変化速度に応じてか焼コークスの昇温速度が連続的に変化するようにか焼コークスの温度を制御し、水蒸気の存在下でか焼コークスを加熱ガス化して熱重量変化曲線(TG曲線)を求め、この曲線に基づいて、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度を求めることにより決定した温度領域とすることを特徴とする前記〔1〕に記載のニードルコークスの製造方法
〔3〕前記か焼コークスの重量変化速度に応じてか焼コークスの昇温速度を連続的に変化させか焼コークスの温度を制御して熱重量変化曲線(TG曲線)を求める方法は、
(A)あらかじめ任意の定速昇温条件を決めて定速昇温して定速昇温熱重量分析によりTG曲線を測定し、TG曲線より決定される又はTG曲線の微分曲線(DTG曲線)より推定される炭素質のガス化開始温度におけるDTG値(重量変化速度)の絶対値より小さい値を制御目標値に設定する工程と、
(B)工程(A)の定速昇温条件と同一又はその前後の条件でもって定速昇温して定速昇温熱重量分析し、か焼コークスの重量変化速度が前記重量変化速度の制御目標値よりもゆるやかなときには昇温速度は前記定速昇温条件と同一にし、か焼コークスの重量変化速度が前記重量変化速度の制御目標値よりも急激なときには昇温を停止もしくは昇温速度をゆるやかに制御して熱重量変化曲線(TG曲線)を求める工程
を含むことを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載のニードルコークスの製造方法
〔4〕前記第二工程においてか焼コークスに水蒸気を作用させる方法が、か焼装置内に水蒸気を吹き込む、または、第一工程で得たか焼コークスと水を混合して再か焼を実施する前記〔1〕〜〔3〕に記載のニードルコークスの製造方法
なお、本発明におけるニードルコークスは、黒鉛電極等の黒鉛成形体の原料となるニードルコークスおよびか焼コークスを意味するものである。
本発明では、水蒸気の存在下でニードルコークスを加熱ガス化した熱重量測定を実施し、針状組織が発達していない炭素質のガス化温度をあらかじめ測定することにより、水蒸気を含有する高温ガスを作用させる再か焼工程の温度を決定するため、針状組織が発達していない炭素質を選択的に水蒸気ガス化反応により、水素および二酸化炭素に変換、除去することができ、針状組織が発達した炭素質のみが残ったニードルコークスを製造することが可能となる。
すなわち、異なる炭素質からなる、ニードルコークス中の炭素質を個別に化学的に制御すること、つまり、ニードルコークスに残存している、針状組織が発達していない、CTEの高い炭素質を選択的にガス化除去し、針状組織の発達した、CTEの低い炭素質のみを残すことにより、CTEを低減したニードルコークスを製造することができる。
さらに、水蒸気ガス化反応により針状組織が発達していない炭素質が除去された後は、微細な空隙構造が形成されるので、これがガス抜け孔になり、パッフィングの低下にも効果がある。
本発明では、か焼コークスを水蒸気の存在下で再度か焼する際のか焼温度の温度領域を、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質のガス化開始温度付近に設定する点に特徴がある。
これにより、針状組織が発達していない炭素質のみをガス化除去し、針状組織が発達した炭素質のみが残存したニードルコークスを製造することが可能であり、ニードルコークス製造における歩留まり改善が期待できる。
か焼コークスのTG曲線 か焼コークスの偏光顕微鏡写真 針状組織が発達していない炭素質を除去した後の偏光顕微鏡写真
本発明のニードルコークスの製造方法は、生コークスを1200〜1600℃の温度にてか焼してか焼コークスを得る第一工程の後、水蒸気を作用させて再か焼させる第二工程によりニードルコークスを製造する方法であって、前記第二工程の温度領域を、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度を求めることにより決定する温度領域とすることを特徴とする。
か焼コークス中には、針状組織が発達していない、CTEが高い炭素質が一部残っている場合があり、この炭素質の存在が、ニードルコークスのCTEの低下を困難にしていることは周知のことである。すなわち、か焼コークス中から、この針状組織が発達していない炭素質を除去し、針状組織が発達した炭素質のみにすればニードルコークスのCTEを低下させることができる。
本発明は、前記第二工程において前記第二工程の温度領域を、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度を求めることにより決定する温度領域として、第一工程で生成したか焼コークスに水蒸気を作用させてニードルコークスを製造することにより、ニードルコークスのCTEを低下させることができる。
まず、前記第一工程について説明する。
第一工程は、生コークスを1200〜1600℃の温度にてか焼してか焼コークスを製造する。ここで第一工程は、公知の装置、手法により実施すればよい。
次に第二工程として、第一工程で得たか焼コークスを水蒸気と作用させ、ニードルコークスを製造する。
本発明の特徴は、前記第二工程の温度領域を、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度を求めることにより決定した温度領域とする点にある。
前記第二工程においてか焼コークスに水蒸気を作用させて再か焼させる方法としては、か焼装置内に水蒸気を吹き込む、または、第一工程で得たか焼コークスと水を混合してか焼を実施する方法がある。
第二工程に使用する装置としては、例えばロータリーキルン、ロータリーハース炉など既存のか焼装置が使用でき、特定の機種に限定されるものではない。本発明が開示した、か焼段階における水蒸気含有ガスの吹き込みと温度制御の条件が満たされれば、いかなるか焼装置に於いても実施が可能である。
ロータリーキルンにおいては、か焼コークスの出口側から水蒸気含有ガス供給ノズルを挿入して水蒸気を供給する装置を設計することができる。
ロータリーハース炉においては、固定屋根部分に水蒸気吹き込みノズルを設置し、本発明を実施することができる。
しかしながら、もっとも簡単な方法は、か焼コークスを再度か焼する際に、か焼装置内の最高温度をか焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度を求めることにより決定した温度領域に設定し、一度に、か焼コークスと水とを混合し、か焼装置に投入する方法である。
工業的な実績のある2段か焼によりニードルコークスを製造している場合、1段目のか焼装置では、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度を求めることにより決定した温度領域でか焼し、2段目のか焼装置にて、水蒸気の吹き込み、あるいは、1段目のか焼コークスと水との混合物の投入により、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度を求めることにより決定した温度領域で水蒸気ガス反応を実施することで、本発明を簡便に適応することが可能である。
か焼装置に投入する前に、か焼コークスに混合する水の量は、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度を求めることにより決定した水蒸気ガス化反応領域にて必要な水蒸気分圧、装置の大きさ、投入か焼コークスに含有される針状組織が発達していない炭素質の量から、化学工学的に簡単に算出できる。
水蒸気分圧に関しては、十分に水蒸気ガス化が進行する分圧であれば特に限定されないが、迅速に水蒸気ガス化を進行させる観点から、水蒸気分圧が1〜60kPa、より好ましくは、5〜50kPaであることが好ましい。
前記第二工程の温度領域を決定するために必要なか焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度は、具体的には、水蒸気の存在下でか焼コークスを加熱ガス化し、か焼コークスの重量変化速度に応じてか焼コークスの昇温速度が連続的に変化するようにか焼コークスの温度を制御して熱重量変化曲線(TG曲線)を求め、この曲線に基づいて、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質のガス化開始温度を求めることができる。
なお、TG曲線およびDTG曲線の解析からは、ガス化開始温度だけでなく、各炭素質成分の存在量も求めることができる。
ここで、熱重量変化曲線(TG曲線)は、昇温時におけるか焼コークスの温度(℃)と熱重量(g)との関係を示すものであり、このTGを微分した微分熱重量曲線(Derivative Thermo Gravimetry、以下、DTGと略す)は、温度と熱重量変化速度(g/秒)との関係を示すものである。
なお、TG曲線およびDTG曲線の測定は、熱重量測定が可能な公知の熱分析装置を用いることができる。
前記TG曲線を求めるとき、水蒸気の存在下でか焼コークスを加熱ガス化するが、水蒸気はか焼コークスに含まれる各炭素質のガス化剤として作用する。
以下、か焼コークスを水蒸気の存在下で加熱ガス化するTG曲線を求める方法について説明する。
前記TG曲線を求めるときに使用する試料は、実際に操業しているニードルコークスの製造ラインの水蒸気を作用させる前のか焼コークスを用いることができる。
既存のニードルコークス製造装置の改良ではなく、新たにニードルコークス製造装置を設置する場合には、第一工程の操業条件に合わせて生コークスからか焼コークスを試作し、それを試料としてTG曲線を求める。
か焼コークスのガス化は、熱重量同時測定装置等の温度制御可能な電気炉中にか焼コークスを入れた開放型の反応容器を設置し、水蒸気を流通させた雰囲気下で、炉内温度を昇温させることによりか焼コークスを加熱してガス化させる。
水蒸気を電気炉中に流通させることにより、水蒸気を連続供給でき、且つ、炭素からガス化したガスや発生するタール成分を連続除去することが可能となり、再現性の高いガス化量の測定が実現できる。
熱重量同時測定装置に導入するか焼コークスの形状は、測定容器に導入できれば特に限定されないが、均一な状態であることが好ましい。また、装置に導入するか焼コークスの形状、重量、寸法もしくは体積は装置内の天秤および/または試料容器に導入できれば特に限定されない。
TG曲線の測定は、水蒸気の存在下でか焼コークスを加熱ガス化し、か焼コークスの減量速度に応じてか焼コークスの昇温速度が連続的に変化するようにか焼コークスの温度を制御すればよい。
か焼コークスの重量変化速度に応じてか焼コークスの昇温速度を連続的に変化するようにか焼コークスの温度を制御する方法は、昇温方法を段階的もしくは連続的に変化させることができる。
段階的に変化させる方法としては、例えば、測定の初期は早い昇温速度で加熱し、重量変化が観測される評価温度付近では昇温速度を5〜20℃/minの間で段階的に制御する方法を挙げることができる。
ここで、昇温速度が遅すぎると、分析に時間がかかり迅速な分析法にはならない。一方、昇温速度が速すぎると、目的の炭素質のガス化反応が完了するより前に、他方の炭素質のガス化反応が開始するため、炭素質の分離が困難となる。
上記の理由より、昇温速度は5〜20℃/minであることが好ましい。
か焼コークスの加熱ガス化に用いる水蒸気は、不活性ガスと混合して用いることが好ましい。水蒸気分圧は特に限定されないが、0.1〜60kPaが好ましい。
水蒸気分圧が高くなると、ガス流路および熱重量同時測定装置内にて結露することがある。装置内にて結露が生じるとガス化量の測定が困難になる。
さらに、水蒸気分圧が小さすぎるとガス化反応速度が遅くなり、また一定の測定時間におけるガス化量が小さくなるため測定が困難となるため、可能な範囲で高いことが望ましい。
上記の理由より、水蒸気分圧は分析する全温度領域および装置内において結露しない水蒸気分圧で、且つ高い水蒸気分圧であることが好ましく、1〜60kPaがより好ましく、5〜50kPaの水蒸気分圧がさらに好ましい。
不活性ガスへの水蒸気の混合は、いかなる手法により実施してもよい。例えば、一定温度の水に不活性ガスをバブリングさせ、その温度における飽和蒸気圧分の水蒸気を付与する方法、またはシリンジポンプ等を用いて定量的に水をガス流に添加し、加熱により気化する方法などが利用できる。
より好ましい、前記か焼コークスの重量変化速度に応じてか焼コークスの昇温速度を連続的に変化させか焼コークスの温度を制御して熱重量変化曲線(TG曲線)を求める方法は、以下のような方法を例示することができる。
(A)あらかじめ任意の定速昇温条件を決めて定速昇温して定速昇温熱重量分析によりTG曲線を測定し、TG曲線より決定される又はTG曲線の微分曲線(DTG曲線)より推定される炭素質のガス化開始温度におけるDTG値(重量変化速度)の絶対値より小さい値を制御目標値に設定し、(B)工程(A)の定速昇温条件と同一又はその前後の条件でもって定速昇温して定速昇温熱重量分析し、か焼コークスの重量変化速度が前記重量変化速度の制御目標値よりもゆるやかなときには昇温速度は前記定速昇温条件と同一にし、か焼コークスの重量変化速度が前記重量変化速度の制御目標値よりも急激なときには昇温を停止もしくは昇温速度をゆるやかに制御して熱重量変化曲線(TG曲線)を求める工程を含む方法である。
か焼コークスに含まれる各炭素質成分のガス化開始温度および各炭素質成分の存在量を求めるには、か焼コークスに含まれる各炭素質成分の種類により、ガス化する温度および速度(DTG)が異なる点を利用する。か焼コークス中に存在する炭素質は、炭素質の結晶性もしくは配向性の差によりガス化する温度および速度(DTG)が異なる。
例えば、結晶性炭素質と非結晶性炭素質からなるか焼コークスの場合、非結晶性炭素質の方がより低い温度もしくはより早い速度でガス化反応が進行する。さらに例えば、配向性の高い炭素質と配向性の低い炭素質からなるか焼コークスの場合、配向性の低い炭素質の方がより低い温度もしくはより早い速度でガス化反応が進行する。
すなわち、加熱昇温時のTG曲線およびDTG曲線を解析することにより、か焼コークスに含まれる結晶性もしくは配向性の異なる炭素質のガス化反応を分離することができ、該当する重量変化量を計測することにより、各炭素質成分のガス化開始温度および各炭素質の存在量を分析することができる。
上記(A)の工程におけるあらかじめ定速昇温熱重量分析によりTG曲線を測定する方法は、水蒸気の存在下でか焼コークスを一定の昇温速度で加熱ガス化し、TG曲線を測定する。ここで、前述の理由より、昇温速度は5〜20℃/minであることが好ましい。
測定の温度範囲は、か焼コークス中の各炭素質のガス化反応が計測できる温度範囲であればよい。具体的には、低温側はか焼コークス原料となる生コークス製造時のコーキング温度付近、例えば450℃付近から、高温側は結晶性炭素質(黒鉛質)のガス化反応が生じる1600℃付近までの温度範囲を測定すればよい。
か焼コークス中に存在する複数の結晶性もしくは配向性の異なる炭素質(例えば、結晶性の低い順に炭素質1、炭素質2、炭素質3とする)のガス化開始温度は近いことが多く、各炭素質のガス化反応が連続して生じることが多い。この場合は、定速昇温によって得られるTG曲線の解析からは炭素質2、炭素質3のガス化開始温度を決定することは困難である。
得られたTG曲線より決定される又はTG曲線の微分曲線(DTG曲線)より推定される炭素質のガス化開始温度におけるDTG値(重量変化速度)の絶対値より小さい値を昇温速度の制御目標値とする方法は、以下のような方法により例示できる。
TG曲線を微分することによりDTG曲線を描き、各炭素質のガス化開始温度におけるDTG値を求め、その絶対値より小さい値を昇温速度の制御目標値に設定することができる。
上記(B)の工程では、重量変化速度が前記の制御目標値よりもゆるやかなときには、昇温速度は(A)の工程における定速昇温条件と同一、か焼コークスの重量変化速度が前記の制御目標値よりも急激なときには、昇温を停止もしくは昇温速度をゆるやかに制御し、TG曲線を測定する。
ここで、昇温速度の制御目標値は、試行錯誤により決定した値であっても良いが、(A)の工程に記載された手法により、定速昇温熱重量分析により測定したTG曲線の微分曲線(DTG曲線)より推定される炭素質のガス化開始温度におけるDTG値(重量変化速度)の絶対値より小さい値を制御目標値することがより好ましい。
定速昇温熱重量分析により前記の制御目標値を決定することにより、異なる炭素質の分析をより正確に進めることが可能となる。そして、前記の制御目標値を、ガス化開始温度におけるDTG値(重量変化速度)の絶対値に近づけることにより、より迅速に異なるか焼コークスの分析を進めることが可能となる。
各炭素質のガス化開始温度は、試料重量の減少が開始する温度もしくは試料重量の減少速度が変化する温度より、決定することができるが、各炭素質の試料重量の減少が開始する温度によるのが好ましい。
また、TG曲線に基づいて、か焼コークスに含まれる炭素質を分離定量することができる。
か焼コークスに含まれる炭素質を分離定量する方法は、得られたTG曲線を用いて、各炭素質のガス化開始温度を決定し、各炭素質のガス化開始温度で区分される温度範囲における各炭素質の存在量を測定することでできる。
また、ここで各炭素質の存在量の算出は、各炭素質がガス化する特定された温度領域における試料の重量変化量より算出するのが好ましいが、発生ガスに含まれる炭素量を計測する等により行ってもよい。
前記で分離定量したか焼コークス含まれる各炭素質の存在量は、第二工程においてか焼装置内に吹き込む水蒸気量、または、第一工程で得たか焼コークスと水を混合してか焼を実施する方法における水の量を決定するデータとして使用することができる。
以上、か焼コークスの重量変化速度に応じて昇温速度を連続的に変化させる温度制御方法による熱重量測定を用いることにより、異なる炭素質のガス化反応による重量減少の境界が明瞭に計測でき、炭素質のガス化開始温度の分離が精度良く測定できる。そして、各炭素質がガス化する特定された温度領域における試料の重量変化量またはガス化による発生ガスに含まれる炭素量を計測する等で、各炭素質の存在量を算出することができる。
一般的には、か焼コークス中の最もガス化開始温度が高い炭素質は、針状組織が発達した炭素質であるため、各炭素質のガス化開始温度と存在量がわかれば、針状組織が発達していない炭素質のガス化開始温度と針状組織が発達した炭素質のガス化開始温度を決定することができる。そして、その間の温度領域を前記第二工程の温度領域にすることができる。
前記TG曲線を求める手法を用いて、水蒸気の存在下で測定したか焼コークスのTG曲線より、針状組織が発達していない炭素質と針状組織が発達した炭素質を明確に分離することができ、かつ、それぞれの炭素質のガス化開始温度およびそれぞれの炭素質の存在量を定量化できる。
さらに、より厳密に、針状組織が発達していない炭素質のガス化開始温度と針状組織が発達した炭素質のガス化開始温度を決定するには、か焼コークスおよびニードルコークスの顕微鏡観察写真の定量的な画像解析より、針状組織が発達していない炭素質と針状組織が発達した炭素質の存在比を求め、TG曲線より解析したそれぞれの炭素質の存在比と比較することにより、針状組織が発達していない炭素質と針状組織が発達した炭素質のガス化開始温度を特定することもできる。
この新規な基礎的な知見は、か焼コークスを、再度か焼装置内で、針状組織が発達していない炭素質の水蒸気ガス化温度において、水蒸気ガス化反応を実施することで、針状組織が発達していない炭素質を水素、二酸化炭素としてガス化、除去することができ、再度か焼・水蒸気ガス化されたニードルコークスは、針状組織の発達した炭素質のみのニードルコークスになる。
か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度及び針状組織が発達した炭素質のガス化開始温度を求めることにより決定した温度領域による水蒸気ガス化法をニードルコークスの製造工程に適用することにより、針状組織が発達していない炭素質をガス化除去したニードルコークスを製造することができる。すなわち、CTEを低減させたニードルコークスを製造することができる。
さらに、水蒸気ガス化反応により針状組織が発達していない炭素質が除去された後は、微細な空隙構造が形成されるので、これがガス抜け孔になり、パッフィングの低下にも効果があると予想できる。
以下、実施例をもって本発明について説明する。
なおこれら実施例は、それぞれ、本発明を具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
(評価試料)
評価試料としたか焼コークスは、市場で調達した石炭重質油由来のか焼コークスである。
(熱重量分析装置)
熱重量測定装置には、水蒸気作動型示差熱天秤(株式会社リガク製TG−DTA/HUM−1)を用いた。
〔実施例1〕
評価試料を、およそ10mg、0.01mgまで精秤し、熱重量測定装置に導入した。ここにガス化剤として水蒸気と窒素を混合したガスを300ml/min流した。このときの水蒸気分圧は20kPaとした。ガス化剤を流通した条件で、重量変化速度の絶対値が制御値0.002%/秒よりも小さいときは10℃/min昇温速度で加熱昇温し、重量変化速度の絶対値が制御値0.002%/秒以上の場合は昇温を停止するように試料温度を制御して、TG曲線を計測した。ここで、重量変化速度の制御値0.002%/秒は、事前に等速昇温分析により得たDTG曲線の解析より決定した値である。
得られたTG曲線を図1に示した。
評価試料は、2段階の重量減少を示した。TG曲線より各段における重量減少が始まる温度を各段のガス化開始温度とした。1段目のガス化開始温度は1013℃、2段目のガス化開始温度は1113℃であった。
評価試料に対して、断面の偏光顕微鏡観察を実施し、針状組織が発達していない炭素質が多くあることを見出した。偏光顕微鏡写真の代表例を図2に示した。
図2の偏光顕微鏡写真を定量的に画像解析することにより、針状組織が発達していない炭素質と針状組織が発達している炭素質との面積比を算出した。解析の結果、針状組織が発達していない炭素質と針状組織が発達している炭素質との面積比は、28:72となった。
評価試料の2つの異なるガス化温度における重量比は34:66であった。水蒸気ガス化温度で区分される温度領域における重量比は、画像解析より算出した各炭素質の面積比はほぼ等しい割合を示した。
従って、評価試料のそれぞれの水蒸気ガス化温度においてガス化反応している炭素質は、低温側(水蒸気ガス化温度1013℃)は針状組織が発達していない炭素質、高温側(水蒸気ガス化温度1111℃)は針状組織が発達した炭素質であるといえる。
〔実施例2〕
実施例1の結果より、評価試料中の針状組織が発達していない炭素質をガス化除去するために必要な温度は、1013℃以上、1113℃未満であることがわかった。このため第二工程における針状組織が発達していない炭素質をガス化除去する温度領域を1100℃付近に決定した。
評価試料をおよそ10mg、0.01mgまで精秤し、熱重量測定装置に導入した。ここにガス化剤として水蒸気と窒素を混合したガスを300ml/min流した。このときの水蒸気分圧は20kPaとした。ガス化剤を流通した条件で、実施例1と同様に重量減少が大きくなる温度では温度を一定に保ちながら20℃/minの昇温速度で1100℃まで昇温し、30分間保持した後、降温して試料を取り出した。
取り出した試料について、実施例1と同様に断面の偏光顕微鏡観察を実施し、定量的な画像解析により、針状組織が発達していない炭素質と針状組織が発達している炭素質との面積比を算出した。代表的な偏光顕微鏡写真を図3に示した。
図3に示したように、明らかに針状組織が発達していない炭素質はほぼ消失していることがわかる。
画像解析結果からも、目視観察を支持する結果、すなわち、針状組織が発達していない炭素質と針状組織が発達している炭素質の面積比、0.3:99.7が得られた。
以上のことから、か焼コークスを、針状組織が発達していない炭素質が水蒸気ガス化反応する温度で、水蒸気と反応させることにより、か焼コークス中の針状組織が発達していない炭素質を選択的に除去できることがわかった。
本発明の手法を用いることにより、ニードルコークスに残存している、針状組織が発達していないCTEの高い炭素質を選択的にガス化除去し、針状組織の発達したCTEの低い炭素質のみを残すことにより、CTEを低減したニードルコークスを製造することができる。さらに針状組織が発達した炭素質のみが残存したニードルコークスを製造することが可能であり、ニードルコークス製造における歩留まり改善が期待できる。

Claims (2)

  1. 生コークスを1200〜1600℃温度にてか焼してか焼コークスを得る第一工程の後、水蒸気を作用させて再か焼させる第二工程によりニードルコークスを製造する方法であって、
    前記第二工程の温度領域を、か焼コークスの重量変化速度に応じてか焼コークスの昇温速度が連続的に変化するようにか焼コークスの温度を制御し、水蒸気の存在下でか焼コークスを加熱ガス化して熱重量変化曲線(TG曲線)を求め、この曲線に基づいて、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度を求めることにより決定した温度領域とし、
    前記か焼コークスの重量変化速度に応じてか焼コークスの昇温速度を連続的に変化させ、か焼コークスの温度を制御して熱重量変化曲線(TG曲線)を求める方法は、(A)あらかじめ任意の定速昇温条件を決めて定速昇温して定速昇温熱重量分析によりTG曲線を測定し、TG曲線より決定される又はTG曲線の微分曲線(DTG曲線)より推定される炭素質のガス化開始温度におけるDTG値(重量変化速度)の絶対値より小さい値を制御目標値に設定する工程と、(B)前記工程(A)の定速昇温条件と同一又はその前後の条件でもって定速昇温して定速昇温熱重量分析し、か焼コークスの重量変化速度が前記重量変化速度の制御目標値よりもゆるやかなときには昇温速度は前記定速昇温条件と同一にし、か焼コークスの重量変化速度が前記重量変化速度の制御目標値よりも急激なときには昇温を停止もしくは昇温速度をゆるやかに制御して熱重量変化曲線(TG曲線)を求める工程を含み、前記熱重量変化曲線(TG曲線)に基づいて、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質がガス化する温度を求める方法であり、
    前記第一工程で得られたか焼コークスを前記第二工程で前記第二工程の温度領域に加熱して水蒸気と作用させて、か焼コークスに残存している針状組織が発達していない炭素質をガス化させることを特徴とするニードルコークスの製造方法。
  2. 前記第二工程においてか焼コークスに水蒸気を作用させる方法が、か焼装置内に水蒸気を吹き込む、または、第一工程で得たか焼コークスと水を混合して再か焼を実施する請求項1に記載のニードルコークスの製造方法。
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