JP6722609B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、レーザ加工装置に係り、特にレーザピーニングに好適な技術に関する。
原子力プラントなどの溶接部に残留している引張応力に起因した応力腐食割れへの対策として、レーザピーニングによる表面改質技術が知られている。
レーザピーニングの施工のためにはレーザ光の照射点が液体に覆われる必要がある。このため、例えば加圧水型原子炉圧力容器上蓋など、レーザピーニングの施工対象となる箇所が気中となる場合には、施工対象に照射するレーザ光と同軸状に液体を噴出させる気中レーザピーニングの技術が提案されている。
レーザピーニングを施工する際に照射するレーザ光の散乱を防ぐため、レーザ光の照射点に存在する液体については流れの乱れがなく、また気泡などが含まれないことが好ましい。レーザ光と同軸状に液体を噴出させるなど、気中の施工対象箇所に対してレーザ光を透過させる液体を噴流として噴出させて気中レーザピーニングを施工しようとする場合、安定したレーザピーニングの施工のためには、噴流の内部のレーザ光が透過する領域(ポテンシャルコア)の流れを、乱れが小さく気泡を含まないような状態に維持することが重要となる。
特開平8−206869号公報 特開2006−137998号公報
しかしながら、気中の施工対象箇所にレーザ光を透過させる液体を噴流として噴出させてレーザピーニングを施工しようとする場合、レーザピーニングの施工中、施工対象箇所に衝突した噴流が飛び散った液滴や、この液滴が施工対象箇所近傍の構造物などを伝わった液滴などがレーザ光を透過させている噴流に干渉する虞がある。これらの液滴などが噴流に干渉すると、噴流内部の流れが乱れて一時的にポテンシャルコアが縮小あるいは消失し、レーザ光の散乱が生じてその伝送が不安定化するという課題がある。
本発明の実施形態は上述の課題を解決するためになされたもので、例えば気中レーザピ
ーニングなど、レーザ光を透過させる液体を噴流として噴出させてレーザ光による各種加
工を施工するに際し、噴流が施工対象箇所に衝突して生じた液滴が噴流に干渉することに
よってレーザ光の伝送が不安定化することを防ぎ、気中環境での安定的なレーザ加工の施
工を可能とするレーザ加工装置を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の実施形態にかかるレーザ加工装置は、施工対象箇所に照射するレーザ光を発振するレーザ発振器と、前記施工対象箇所における前記レーザ光の照射点を液体で覆うように前記施工対象箇所に向けて前記液体を噴流として噴出する噴流ノズルと、噴流ノズルと前記施工対象箇所の間に前記噴流の噴射方向に延びるように配置されて前記噴流の少なくとも一部を覆い、かつ、前記噴流が前記施工対象箇所に衝突して生じる飛散液体の前記噴流への干渉を防ぐ保護カバーと、を備えるレーザ加工装置であって、前記保護カバーに軸方向に間隔をあけて複数設けられ、前記レーザ光による光の輝度を検出する光センサをさらに備えることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、例えば気中レーザピーニングなど、レーザ光を透過させる液体を噴流として噴出させて気中環境で行なう各種のレーザ加工において、安定的な施工が可能となる。
第1実施形態にかかるレーザ加工装置の模式構造図。 第1実施形態にかかるレーザ加工装置の第1変形例を示す構成図。 第1実施形態にかかるレーザ加工装置の第2変形例を示す構成図、(a)はその側面図、(b)は正面図。 第1実施形態にかかるレーザ加工装置の第3変形例を示す構成図。 レーザ光によって生じる光の輝度の分布を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は第1の実施形態にかかるレーザ加工装置の模式構成図である。
図1に示すように、実施形態にかかるレーザ加工装置100は、レーザ発振器1、レーザ光伝送装置2および噴流ノズル3を備え、施工対象4の施工対象箇所にレーザ発振器1で発振したレーザ加工のためのレーザ光10を照射するとともに、噴流ノズル3から施工対象箇所に向けて噴流11を噴出させるよう構成されている。
レーザ発振器1は、レーザ加工のためのレーザ光10を発振するための構成である。発振するレーザ光10は、レーザ加工の目的に応じた波長を有するパルスレーザあるいは連続光レーザである。なお、レーザ加工がレーザピーニングである場合、レーザ光10は例えばNd:YAGレーザによる、波長1064nmまたは532nm、パルス幅が数ns〜数十nsのパルスレーザなどとすることが好ましい。
レーザ光伝送装置2は、レーザ発振器1が発振したレーザ光10を施工対象4に導くため光学伝送系であり、ミラーやプリズム、レンズなどの各種光学素子を空間中に配置して構成される。本実施形態において、レーザ光伝送装置2は、それぞれレーザ光10を反射させる2つのミラー2aおよび2b、およびこれらのミラー2aおよび2bで反射したレーザ光10を収束させるためのレンズ2cから構成されている。レンズ2cを、収束させるレーザ光10の光軸に関する軸方向に移動可能に配置することにより、レーザ光10の収束する焦点の位置を変更できるように構成することも可能である。レーザ光伝送装置2は、出射するレーザ光が施工対象4の施工対象箇所に導かれるように配置される。
噴流ノズル3は、施工対象4の施工対象箇所におけるレーザ光10の照射点を液体で覆うように施工対象箇所に向けて液体を噴流11として噴出させるよう構成される。本実施形態における噴流ノズル3は、噴流を噴射する噴射口3a、噴射口3aから噴流として噴射される液体を供給する供給配管3b、およびレーザ光を噴流と同軸に照射するための透過窓3cを備える。
すなわち、本実施形態においては、噴流ノズル3の噴射口3aの中心軸(すなわち、噴射口3aから噴射される噴流の中心軸)と同軸に透過窓3cが配置される。透過窓3cは、その表面(両面)が噴射口3aの中心軸に垂直となるように配置され、レーザ光伝送装置2を出射してレーザ光が透過窓3cの表面に垂直に入射するように構成される。なお、レーザ光伝送装置2と噴流ノズル3とを一体的な構成としても構わない。この場合でも、噴流ノズル3の透過窓3cにレーザ光伝送装置2から出射するレーザ光10が入射するように構成される。
噴流ノズル3には、噴射口3aに液体供給源6からの液体を供給する供給配管3bが、噴射口3aの中心軸に対して角度を有するように設けられており、特に本実施形態では、供給配管3bの中心軸は噴出口3aの中心軸と直交している。すなわち、供給配管3bは、噴流の中心軸となる噴射口3aの中心軸に対する径方向に延びるように噴流ノズル3に設けられている。換言すると、噴流ノズル3は、供給される液体が噴射口3aの中心軸に対する径方向外側から径方向内側(すなわち噴射口3aの中心軸に沿う中心部)に向かって供給され、噴流ノズル3の中心部において供給された液体の流れの方向が噴射口3aの中心軸方向に変えられる。噴流ノズル3の中心部にて噴射口3aの中心軸方向に流れの向きが変わった液体は、噴出口3aから噴流11として施工対象箇所に向かって噴出するように構成される。なお、本実施形態においては、供給配管3bの中心軸を噴出口3aの中心軸に直交するように構成したが、供給配管3bを、その中心軸が噴出口3aの中心軸に対して噴出口3aの中心軸を含む平面内において予め定めた角度を有するように配置してもよい。この場合、供給配管3bの中心軸の向きが噴出口3aの上流側となるように傾けて配置することが好ましい。
噴流ノズル3の透過窓3cは、噴流ノズル3の供給配管3bの接続部近傍の噴射口3aに対向する位置に、上述のように噴射口3aの中心軸と同軸に設けられる。透過窓3cの表面と噴流ノズル3の本体との間にはそれぞれOリング3dが取り付けられ、透過窓3cのOリング3dが取り付けられる反対側面の外側には押さえリング3eが取り付けられる。このように透過窓3cを、押さえリング3eでOリング3dを押さえ付けるように噴流ノズル3の本体に取り付けることで、供給配管3bから噴射口3cの中心軸に沿う噴流ノズル中心部に供給される液体が透過窓3cと噴流ノズル3の本体との隙間から流出しないよう液密に構成される。なお、レーザ光伝送装置2のレンズ2cから透過窓3cに入射するときのレーザ光10の径は、噴流ノズル3の噴射口3aの径以下となっている。レーザ光伝送装置2、透過窓3cに入射するレーザ光10の径が噴射口3aの径よりも十分に小さくなるような位置に配置されることが好ましい。本実施形態においては、このようにしてレーザ光伝送装置2からのレーザ光10を透過窓3cを介して噴射口3aから噴射する噴流と同軸に入射させることができ、したがって施工対象4の施工対象箇所において、レーザ光10の照射点が噴流11による液体に覆われるよう構成している。
さらに、本実施形態にかかるレーザ加工装置100は、噴流ノズル3と施工対象4の施工対象箇所の間に配置される保護カバー5を備えている。保護カバー5は、噴流11の噴射方向(すなわち、噴流ノズル3の噴射口3aや噴流11の軸方向)に延びる筒状部材などとして構成され、噴流11の少なくとも一部を外側から覆う形状となっており、噴流ノズル3の噴射口3aから噴出した噴流11が施工対象4に衝突して生じる飛散液体が噴流11(またはレーザ光10)へ干渉することを防ぐよう構成されている。なお、保護カバー5を円筒などの筒状部材として構成する場合、たとえば噴流11の下部など、施工対象4に衝突した噴流11による飛散液体がレーザ光10や噴流11に干渉する可能性の少ない周方向の一部分については開口させても構わない。また、保護カバー5は噴流11の少なくとも一部だけでなくレーザ光10の少なくとも一部も同時に外側から覆うように構成されることが好ましい。
保護カバー5は、噴流ノズル3側の噴流ノズル側端部5aが噴流ノズル3の噴射口3の外側に取り付けられて設けられており、噴流ノズル3により支持される。保護カバー5の施工対象4側の施工対象側端部5bは施工対象4の表面に接しないよう、レーザ伝送装置2のレンズ2cにより収束させるレーザ光10の焦点よりも噴射口3側に位置するように配置される。施工対象4の施工対象箇所と保護カバー5の施工対象側端部5bとの軸方向距離は、噴流11の流量や流速、また施工対象4の表面粗さなどの表面性状に応じて予め設定した範囲内になるようにすることが好ましい。
このように構成された本実施形態のレーザ加工装置100の作用、および本実施形態にかかるレーザ加工方法について以下に説明する。
本実施形態にかかるレーザ加工方法は、レーザ光を発振するレーザ光発振ステップと、発振したレーザ光を施工対象箇所に照射するステップと、レーザ光の照射点を覆う液体を施工対象箇所に向けて噴流11として噴出させる噴流噴出ステップと、噴流11が施工対象箇所に衝突して生じる飛散液体の噴流11(またはレーザ光10)への干渉を防ぐ防護ステップと、を備える。
レーザ光発振ステップにおいては、レーザ加工装置100のレーザ発振器1によりレーザ光10を発振する。レーザ加工がレーザピーニングである場合、上述のように、レーザ光10を、例えばNd:YAGレーザによる、波長1064nmまたは532nm、パルス幅が数ns〜数十nsのパルスレーザなどとすることが好ましい。
照射ステップにおいては、レーザ光発振ステップで発振したレーザ光10をレーザ光伝送装置2内に照射し、ミラー2aおよび2bで反射させた後にレンズ2cに導き、レンズ2cを通過して収束していくレーザ光10を、噴流ノズル3の透過窓3cと噴流ノズル3の噴射口3aを介して施工対象4の施工対象箇所に照射する。
噴流噴出ステップにおいては、噴流ノズル3の液体供給配管3bを介して、噴流ノズル3の外側から噴流ノズル3の噴射口3aの中心軸に沿う中心部に液体を供給する。噴流ノズル3の中心部に供給された液体はその流れの方向を噴射口3aの中心軸方向に変えられ、噴出口3aから噴流11として施工対象箇所に向かって噴出し、施工対象4の施工対象箇所であるレーザ光10の照射点を液体で覆う。
噴流噴出ステップにおいて噴流ノズル3の噴射口3aから噴出した噴流11は、施工対象4の施工対象箇所に衝突する。施工対象箇所に衝突した噴流11は、保護カバー5と施工対象4との軸方向の間隙から施工対象箇所の周囲に飛び散り、また周囲に飛び散った後に施工対象箇所近傍の構造物を伝わるなどして飛散液体(液滴)となる。本実施形態における防護ステップは、飛散液体が噴流噴出ステップで噴出させている噴流11に干渉、すなわち接触することを防ぐステップである。本実施形態においては特に、噴流11を軸方向に覆う保護カバー5を備えることにより、噴流11が施工対象4の施工対象箇所に衝突して発生した飛散液体は保護カバー5に当たって流下するため、飛散液体が噴流11には直接接触しないようにしている。
本実施形態によれば、施工対象4に衝突した噴流11によって生じる飛散液体の噴流11への干渉を防ぐことができる。すなわち、噴流11に飛散液体が干渉して噴流11の内部の流れが乱れ、噴流11のポテンシャルコアが縮小あるいは消失してレーザ光の散乱が生じることを防止することができ、レーザ光10の伝送の不安定化を防ぐことが可能となる。
このように、本実施形態によれば、レーザ光10を透過させる液体を噴流11として噴出させてレーザ光10による各種加工を施工するに際し、噴流11が施工対象箇所に衝突して生じた飛散液体が噴流11に干渉することによってレーザ光10の伝送が不安定化することを防ぎ、気中環境での安定的なレーザ加工の施工が可能となる。
さらに、図2ないし図4を用いて本実施形態の変形例についてそれぞれ説明する。図2は本実施形態の第1変形例を示す模式図、図3は本実施形態の第2変形例を示す模式図であり、(a)はその側面図、(b)は正面図である。また、図4は本実施形態の第3変形例を示す模式図である。なお、第1変形例ないし第3変形例は、それぞれ単独で適用することはもちろん、適宜組み合わせて適用することも可能である。また、図2ないし図4において、図1と同等な構成要件については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図2(a)(b)に示すように、本実施形態の第1変形例においては、保護カバー5をレーザ光10や噴流11(噴流ノズル3の噴出口3a)の軸方向(噴射方向)に伸縮させる伸縮機構を設け、保護カバー5を伸縮自在となるように構成している。すなわち、この変形例において、噴出ノズル3は噴出口3aの径方向外側に図示しない噴出口3aの軸方向に延びる凹部を有し、この凹部内に保護カバー5の噴流ノズル側端部5aが配置されるように構成される。噴出ノズル3の噴出口3aの径方向外側に設けられる図示しない凹部の噴射口3aの中心軸に対する断面形状は、例えば保護カバー5の中心軸に対する断面形状が円筒形状である場合は円筒断面など、保護カバー5を収容できるような形状になっている。さらに、噴流ノズル3には保護カバー駆動装置5eが伸縮機構として設けられ、保護カバー5を噴流ノズル3の噴出口3aの軸方向に移動させることができるように構成される。
このような構成により、噴流ノズル3に設けた保護カバー駆動装置5eを駆動して保護カバー5の施工対象4側となる施工対象側端部5bの位置を調整する。これにより、噴流11が施工対象4に衝突して生じる飛散液体による干渉から噴流11を保護する範囲(あるいは、保護カバー5の施工対象4側となる施工対象側端部5bと施工対象4の間の距離)を、例えば噴流ノズル3の噴射口3aと施工対象4との距離、施工対象4の表面の性状、噴流11の流量や流速、またレーザ光10の焦点位置などの種々の施工条件に応じて自由かつ柔軟に調整することが可能となる。
例えば、噴射口3aなどの噴流ノズル3の予め定めた部位と施工対象4の施工対象箇所とのレーザ加工の施工中の距離を非接触で計測する距離センサなどを設け、この距離センサで計測した噴流ノズル3から施工対象4までの距離に基づいて、保護カバー5の軸方向の長さを調整するように構成すれば、噴流ノズル3の位置を変えながらレーザ加工を行なう場合でも、飛散液体の噴流11への干渉をできるだけ小さくすることができる。
また、図3(a)および(b)に示す実施形態の第2変形例のように、保護カバー5の施工対象4側となる施工対象側端部5bに、保護カバー5の施工対象4側となる施工対象側端部5bと施工対象4との間隙を保つための接触部材5cを噴流11の外周部の1箇所以上に位置するよう設けてもよい。接触部材5cの先端部の形状は、球形状やパラボラ形状など施工対象4に点接触するか接触面積が小さくなるような形状とする。図3のように、接触部材5cは保護カバー5の周方向に3箇所など複数(2箇所以上)設けることができるが、接触部材5cを複数設ける場合は複数の接触部材5cが周方向に間隔をおいて配置されるようにすることが好ましい。また、接触部材5cの先端部は軟質材とすることが好ましく、または表面に親水性あるいは疎水性の加工をすることが好ましい。
このように保護カバー5の施工対象4側となる施工対象側端部5bに接触部材5cを設ける場合、レーザ加工の施工中には接触部材5cの先端部が施工対象4に点接触し、したがって保護カバー5の施工対象4側となる施工対象側端部5b(すなわち、接触部材5cが保護カバー5に取り付けられている部分)は施工対象4の表面に対して予め定められた距離だけ離れた位置に配置される。噴流ノズル3の噴射口から噴出する噴流11は、施工対象4に衝突した後に飛散液体となり周囲に飛び散るが、保護カバー5の施工対象4側となる施工対象側端部5bと施工対象4の表面との間には間隙があるため、この間隙から飛散液体は保護カバー5の外周側まで飛散する。このとき、施工対象4の表面の一部には接触部材5cの先端部が接触しているものの、接触部材5cの先端部が施工対象4の表面に点接触するか接触面接が小さくなるように構成されていれば、飛散液体が接触部材5cにさらに衝突することで噴流11に影響を与える虞を小さくすることができる。
本実施形態の第2変形例によれば、保護カバー5の施工対象4側となる施工対象側端部5bと施工対象4の表面との距離を予め定められた距離に保ち、これにより安定的なレーザ加工の施工が可能となる。
さらに図4に示す本実施形態の第3変形例のように、保護カバー5の内周に、レーザ光10による光の輝度を検出する光センサ5dを設ける構成としてもよい。この場合、光センサ5dはレーザ光10および噴流11の方向に沿って間隔をあけて複数個設けることが好ましく、図4の変形例では、保護カバー5の内周面の噴流11の方向(すなわち、保護カバー5の長手方向)に沿う上下に、それぞれ位置A〜Eの等間隔な5つずつの光センサ5dを配置している。なお、保護カバー5がレーザ光10による光を透過する素材である場合、光センサ5dを保護カバー5の外周に配置し、保護カバー5を透過する光の輝度を検出するよう構成しても構わない。
このような構成により、レーザ加工中、光センサ5dを用いて噴流11内を透過するレーザ光10によって生じる光の輝度を保護カバー5の長手方向の位置ごとにそれぞれ計測する。そして、この第3変形例においては、光センサ5dが検出した輝度値の分布を評価することでレーザ光10が安定して正常に照射されているかを判定する。
この判定の様子を図5を用いて説明する。図5は、レーザ光10によって生じる光の輝度の保護カバー5の長手方向の輝度分布を示すグラフであり、(a)はレーザ光10が安定して(正常に)照射されているとき、(b)はレーザ光10が、何らかの異常によりレーザ光10が正常に照射されていないときを示している。いずれのグラフにおいても、横軸の左側が噴流ノズル3の噴射口3a側、右側が施工対象4側を示しており、縦軸は輝度値である。図5中のAないしEの点はそれぞれ、図4のAないしEの位置に配置された光センサ5dの輝度検出値22であることを表している。
図5(a)に示すように、レーザ光10が正常に照射されているときは、光センサ5dによるそれぞれの位置における検出輝度値22は保護カバー5の噴流ノズル側端部5aから施工対象側端部5bにかけてレーザ光10が収束していくにつれて徐々に上昇し、正常時輝度分布23は単調増加の関数のような分布となる。
一方、レーザ光10が正常に照射されていない異常時には、例えば、噴流11が施工対象4に衝突して生じる飛散液体の噴流11への干渉、レーザ光10の光軸ずれ、また噴流11の流量や流速が適正でないことによる噴流11の乱れ、または噴流11内の気泡の発生などの事象が生じる。
これらの事象が生じると、当該事象が生じた部分でレーザ光10の散乱が生じることにより、図5(b)の位置Cのように一部の位置で検出輝度値22が高くなり、その位置よりも施工対象4側で検出輝度値22が低くなる傾向が見られる。したがって異常時輝度分布24は、正常時輝度分布23のような単調増加関数分布ではなく、極値を有する分布となる。
このように、保護カバー5の長手方向の位置ごとのレーザ光10によって生じる光の輝度を光センサ5dによりそれぞれ計測し、光センサ5dが検出した輝度値の分布を評価することで、レーザ光10が安定して正常に照射されているかを判定することができる。輝度値の分布の評価を行なうに際し、例えば、噴流11内をレーザ光10が安定して照射されているときに光センサ5dで検出されるべき輝度値に関する保護カバー5の長手方向の分布を予め求めておき、実際に光センサ5dで計測された輝度値との比較を行なうなどとすればより正確な判定が可能となる。
なお、図4に示すように保護カバー5の長手方向の位置ごとに上下など複数の光センサ5dを配置する場合、位置ごとに複数配置されている光センサ5dの検出した輝度値の合計、相加平均や相乗平均など種々の数学的処理を行なった値、あるいは複数の光センサ5dのうちの予め定めた代表光センサ5dの検出した輝度値をその位置での輝度値とすればよい。
本発明の実施形態とその変形例を説明したが、これらの実施形態およびその変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態およびその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…レーザ発振器、2…レーザ光伝送装置、2a,2b…ミラー、2c…レンズ、3…噴流ノズル、3a…噴射口、3b…液体供給配管、3c…透過窓、3d…Oリング、3e…押さえリング、4…施工対象、5…保護カバー、5a…噴流ノズル側端部、5b…施工対象側端部、5c…接触部材、5d…光センサ、5e…保護カバー駆動装置、6…液体供給源、10…レーザ光、11…噴流、22…検出輝度値、23…正常時輝度分布、24…異常時輝度分布。

Claims (3)

  1. 施工対象箇所に照射するレーザ光を発振するレーザ発振器と、
    前記施工対象箇所における前記レーザ光の照射点を液体で覆うように前記施工対象箇所に向けて前記液体を噴流として噴出する噴流ノズルと、
    噴流ノズルと前記施工対象箇所の間に前記噴流の噴射方向に延びるように配置されて前記噴流の少なくとも一部を覆い、かつ、前記噴流が前記施工対象箇所に衝突して生じる飛散液体の前記噴流への干渉を防ぐ保護カバーと、
    を備えるレーザ加工装置であって、
    前記保護カバーに軸方向に間隔をあけて複数設けられ、前記レーザ光による光の輝度を検出する光センサをさらに備える
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記レーザ光は、前記噴流ノズルから噴出する噴流に同軸に照射されるよう構成されることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
  3. 前記保護カバーを前記噴流の噴射方向に伸縮させる伸縮機構をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーザ加工装置。
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