JP6722564B2 - 超電導ケーブルおよび超電導ケーブルの製造方法 - Google Patents

超電導ケーブルおよび超電導ケーブルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、超電導ケーブルおよび超電導ケーブルの製造方法に関する。
従来、超電導ケーブルにおいては、芯材(フォーマー)の外周に、不織布等の絶縁体を介して複数のテープ状の超電導線材が螺旋状に巻回されている。また、特許文献1に示す超電導ケーブルのように、大電流送電を可能とするために、超電導テープを、同心円状に多層に配置している構成のものも知られている。なお、多層配置された超電導線材の層間にも、電気絶縁をとる絶縁紙が設けられる。
ところで、超電導ケーブルを使用する際には、通常、超電導線材よりも長い間隔をあけて配置された接続対象物同士を接続する。例えば、芯材の外周に一層の超電導線材層を有するケーブルを使用する場合、同構造のケーブル端部の芯材を同一軸上で接合し、接合した芯材上で、それぞれの芯材の外周に絶縁紙を介して巻き付けられた複数の超電導線材の端部同士を接続することで、接続対象物同士を電気的に接続している。
特開2010−263699号公報
しかしながら、複数の超電導線材同士を、手作業でそれぞれ一本ずつハンダを用いて接続するため、接続作業に手間がかかり、接続抵抗値のばらつきが一層大きくなるという問題がある。また、芯材上に巻き付けられた複数の超電導線材の端部同士を接続する場合、絶縁紙にハンダが流れて、各超電導線材の接続が適切になされず、結果として、接続部分近傍における各超電導線材の接続抵抗値のばらつきが大きくなるという問題があった。
本発明の目的は、複数の超電導線材同士を、ハンダを介して容易に直接接続でき、接続抵抗のばらつきが少ない好適な通電容量を確保できる超電導ケーブル及び超電導ケーブルの製造方法を提供することである。
本発明に係る超電導ケーブルは、
芯材と、
芯材の外周に配置された絶縁紙と、
前記絶縁紙を介して前記芯材の外周に複数巻き付けられる超電導線材をそれぞれ有し、互いの超電導線材同士がハンダ接続される第1超電導線材群及び第2超電導線材群と、
を有し、
前記第1超電導線材群と前記第2超電導線材群のそれぞれの複数の前記超電導線材同士は、重なる複数の前記超電導線材同士の外周に配置された仮止め部材により仮止め固定された状態でハンダ接続されている構成を採る。
本発明に係る超電導ケーブルの製造方法は、
芯材の周囲に巻き付けた絶縁紙の上に複数巻き付けた超電導線材を接続する超電導ケーブルの製造方法であって、
前記絶縁紙上の前記超電導線材の端部同士を接続する領域にハンダ防止膜を巻き付ける工程と、
前記ハンダ防止膜の上に超電導線材同士を交差させた後に線状部材にて固定する工程と、
前記線状部材の上から線ハンダを巻き付ける工程と、
前記線ハンダを加熱して溶融する工程と、
を有するようにした。
本発明によれば、複数の超電導線材同士を、ハンダを介して容易に直接接続でき、接続抵抗のばらつきが少ない好適な通電容量を確保できる。
本発明の一実施の形態に係る超電導ケーブルを示す外観図である。 図1のA−A線断面図である。 超電導線材の要部構成を示す図である。 超電導ケーブルにおける複数の超電導線材の製造方法の説明に供する部分断面図である。 超電導ケーブルにおける複数の超電導線材の製造方法の説明に供する部分断面図である。 超電導ケーブルにおける複数の超電導線材の製造方法の説明に供する部分断面図である。 超電導ケーブルにおける複数の超電導線材の製造方法の説明に供する部分断面図である。 超電導ケーブルにおける複数の超電導線材の製造方法の説明に供する部分断面図である。 超電導ケーブルにおける複数の超電導線材の製造方法の説明に供する部分断面図である。 超電導ケーブルにおける複数の超電導線材の製造方法の説明に供する部分断面図である。 図9に示す接続部分の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る超電導ケーブルを示す外観図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。なお、各図に示すCLは、超電導ケーブルの中心軸である。
超電導ケーブル1は、芯材20と、絶縁紙30と、超電導線材40、50と、ハンダ防止膜60と、保護層70と、仮止め部材80と、ハンダ層90と、を有する。
超電導ケーブル1では、芯材20上に絶縁紙30を介して一端側から延在するように配置される複数の超電導線材40と、他端側から延在するように配置される複数の超電導線材50とを接続する。
接続する複数の超電導線材40、50は、第1ケーブル1aの第1超電導線材群としての超電導線材40と、第2ケーブル1bの第2超電導線材群としての超電導線材50である。離れた距離にある接続対象物同士であっても、超電導線材40、50同士をケーブルの長手方向に接続することによって長尺の超電導ケーブル1を構成し、この超電導ケーブル1によって接続対象物を互いに確実に電気的に良好な状態で接続できる。
第1ケーブル1aは、図3に示すように、フォーマーと呼ばれる円柱状の芯材21の外周上に絶縁紙31を巻き付け、この巻き付けた絶縁紙31上に複数の超電導線材40が重ならないように螺旋状に、互いに隙間を空けて巻き付けることで構成される。なお、第2ケーブル1bも、第1ケーブル1aと同様に構成され、芯材22の外周上に絶縁紙32を巻き付け、この巻き付けた絶縁紙32上に複数の超電導線材50が重ならないように螺旋状に巻き付けられている。
図2に示す超電導ケーブル1では、第1ケーブル1aの芯材21と第2ケーブル1bの芯材22とを同軸上に接合して芯材20を構成している。
芯材(フォーマー)20は、長尺の部材であり、外周上に互いを接続する超電導線材40、50が配置される。芯材20は、本実施の形態では、導電性を有し、ここでは銅棒により構成される。なお、芯材20はより線で棒状に形成してもよく、銅製筒状に形成されてもよい。芯材20は、本実施の形態では、同形状の第1ケーブル1aの芯材21と第2ケーブル1bの芯材22とを同軸で互いに突き合わせて一体とした芯材20としているが、一本の芯材20であってもよい。
絶縁紙30(31、32)は、芯材20の周囲に、芯材20を覆うように巻き付けられており、芯材20と、超電導線材40、50との間に介設される。
ここでは、絶縁紙30は第1ケーブル1aの絶縁紙31と第2ケーブル1bの絶縁紙32とにより構成されるが、絶縁紙31、32を一枚の絶縁紙で構成してもよい。なお、絶縁紙30は、芯材20と超電導線材40,50との間の絶縁層が形成されればよいので、複数枚の絶縁紙を用いて形成してもよいことは勿論である。
ハンダ防止膜60は、絶縁紙30と、複数の超電導線材40及び複数の超電導線材50との間で、超電導線材40、50の接続領域に配置される。
具体的には、ハンダ防止膜60は、芯材20の外周の絶縁紙30上において、第1ケーブル1aの複数の超電導線材40の端部と、第2ケーブル1bの複数の超電導線材50の端部との接続部分の下方に配設される。
ハンダ防止膜60は、超電導線材40、50の端部同士が、ハンダ(ハンダ層90を構成する)により接続される際に、超電導線材下方の絶縁紙へのハンダの流れを防止するハンダ流れ防止層として機能する。
本実施の形態では、ハンダ防止膜60は、導電性を有し、ハンダ防止膜60上で接続される超電導線材同士の通電性を向上させている。ハンダ防止膜60は、超電導線材40、50同士が芯材20の延在方向に沿うように薄いシート状であることが望ましく、本実施の形態では、銅箔であり、銅箔を超電導線材の接続部分の下方の絶縁紙の外周に巻き付けることで形成されている。なお、ハンダ防止膜60は、導電性を有していなくてもよく、また、銅以外の金属製の箔であってもよい。
複数の超電導線材40と、複数の超電導線材50とは、ハンダ防止膜60上で互いの端部を接触させている。
複数の超電導線材40と、複数の超電導線材50は、それぞれ芯材21、22上で螺旋状に配置されているので、ハンダ防止膜60上では、軸方向に対して互いに交差して重なるように配置されている。本実施の形態では、複数の超電導線材40と複数の超電導線材50は、互いの超電導線材が同じ間隔で配置されており、ハンダ防止膜60上で、複数の超電導線材40毎に、もう一方の複数の超電導線材50がそれぞれ重なるように配置されている。
保護層70は、ハンダ防止膜60の端部と超電導線材との接触を防止する。保護層70は、どのような材料で形成されてもよいが、ハンダ防止60と超電導線材40、50との間の緩衝材となり、互いを損傷させない材料であることが望ましい。本実施の形態では、保護層70は、クレープ紙であり、クレープ紙をハンダ防止膜60と、絶縁紙30とに架け渡すように配置し、ハンダ防止膜60の端部を覆う。ハンダ防止膜60が金属等、超電導線材40、50よりも硬質の材料で形成する場合、ハンダ防止膜60の端部が、直接超電導線材40、50の接触することを防止する。
仮止め部材80は、ハンダ防止膜60上で、互いの端部を重ね合わせて接触してなる超電導線材40、50の接続部分を外周から押圧し、仮止めする。
仮止め部材80は、ここでは、線状であり、複数の超電導線材40、50の重なり合う端部同士の外周に、超電導線材40、50の延在方向の一端側から他端側に覆うように巻き付けることで、超電導線材40、50をハンダ防止膜60上に、ハンダ防止膜60に接触させた状態で位置決めしている。仮止め部材80は、線状であるので、巻回対象となる超電導線材40、50の接続部分の外周の形状に追従して、外周に巻き付けることができる。これにより、重なり合う超電導線材40、50の同士に外周側から、全面的に均一な力を付与して、互いを接触する方向に押圧できる。
仮止め部材80は、樹脂製、或いは、金属製でもよく、本実施の形態では、導電性を有する金属製の線状部材、例えば、銅線であり、超電導線材40、50同士をハンダ防止膜60に押し付けた状態で導通可能に接続する。また、仮止め部材80が銅線であることから、仮止め部材80自体も複数の超電導線材同士を導通可能にする。
仮止め部材80は、線状部材同士の隙間に入り込むハンダを保持しており、このハンダにより、複数の超電導線材40、50同士の接続部分を覆う仮止め部材80は中実構造となり、より強固に超電導線材40、50同士は接合された状態となる。
ハンダ層90は、仮止め部材80の外周側に、仮止め部材80を覆うように配置され、仮止め部材80を含め、仮止め部材80から下方の超電導線材40、50同士の接続部分を確実に導通可能な状態で接合している。
ハンダ層90を構成するハンダは、棒ハンダ、ハンダペースト等どのような形状のハンダを用いても良いが、本実施の形態では、例えば、線状の、糸ハンダ(線ハンダ)を用いるとよい。線ハンダを、仮止め部材80の外周側から、筒状となるように巻き付けるだけで、仮止め部材80に対して、仮止め部材80の外周側から覆うように配置でき、且つ、超電導線材同士を互いの接触方向に押圧した状態で接続させた状態にできる。
ハンダ層90の外周には、被覆部99が配置され、超電導線材40、50の接続部分を被覆することで外部と接触を保護している。
被覆部99は、超電導線材40、50の接続部分の外周に、当該接続部分を覆うように配置され、絶縁材料で形成されることが好ましい。また、被覆部99は、耐熱性を有することが好ましい。被覆部99は、本実施の形態では、耐熱範囲が−60℃から+256℃までの温度範囲で使用可能であり、且つ、摩擦係数も少なく耐水性・耐溶剤性・耐電圧性に優れるテフロン(登録商標)テープ、カプトンテープ等で構成される。これにより、ハンダ層90を形成する際のハンダ溶融温度で熱せられても、劣化すること無くハンダ層90を保持できるだけでなく、ハンダ自体が付着せず、更に伸縮性を有するため、ハンダ層90を形成した際に、ハンダ厚は均等になり、溶融ハンダの流出を防止する。本実施の形態では、テフロン(登録商標)テープを接続部分上(具体的には、複数の超電導線材40、50の接続部分と、この接続部分に連続する超電導線材40、50上)に、隙間無く巻き付けることで被覆部99を構成している。
<製造方法>
図4〜図11を参照して超電導ケーブル1の製造方法を説明する。
図4〜図10は、超電導ケーブル1における複数の超電導線材の製造方法の説明に供する部分断面図であり、図11は、図9に対応する接続部分の斜視図である。
まず、図4に示すように、芯材20の外周において、接続対象となる複数の超電導線材40、50同士を配置する。図4では、ケーブル1aの芯材21とケーブル1bの芯材22とを付き合わせて芯材20を構成する。この芯材20の外周に巻き付けられた絶縁紙31、32上に、芯材20の一端側から延びるケーブル1aの複数の超電導線材40の端部と、芯材20の他端側ケーブル1bの複数の超電導線材50の端部とを重なるように位置させる。
次いで、図5に示すように、絶縁紙30と、接続対象となる複数の超電導線材40、50の端部同士との間に、つまり、超電導ケーブル1において超電導線材40、50の接続領域に、ハンダ防止膜60を配置する。例えば、複数の超電導線材40、50同士の端部を重なるように近づけて、その重なる位置に対応する絶縁紙30上に、銅箔等のハンダ防止膜60を巻き付けて配置する。ここでは、ハンダメッキされた銅箔を絶縁紙30上に巻き付けてハンダ防止膜60を形成する。すなわち、超電導線材40、50同士を接続する領域にハンダ防止膜60を形成する(ハンダ防止膜形成工程)。なお、絶縁紙30は不織布であってもよく、芯材20に不織布及び絶縁紙30が巻き付けられていても良い。
次いで、図6に示すように、ハンダ防止膜60の両端部61、62のそれぞれを保護層70で覆う。例えば、絶縁紙30上のハンダ防止膜60の両端部61、62を覆うように、クレープ紙を、ハンダ防止膜60と、絶縁紙30とに跨がるように、それぞれの外周に巻き付けることで、ハンダ防止膜60の両端部61、62を覆う保護層70を形成する。すなわち、ハンダ防止膜60の端部領域に保護層70を形成する(保護層形成工程)。これにより、ハンダ防止膜60が金属製であっても、超電導線材40、50に直接接触することがなく、金属等の硬質の材料に接触することによる超電導線材40、50の損傷を防止できる。
次いで、図7に示すように、ハンダ防止膜60上で複数の超電導線材40、50の端部同士を重ねて配置する。本実施の形態では、超電導線材40はそれぞれ軸心に対して螺旋状に巻き付けられているので、芯材20の延在方向(軸方向)に対して互いに交差して配置される。
そして、重ね合わせた超電導線材40、50の端部同士上に、仮止め部材80を配置して、超電導線材40、50を仮止めする(図8参照)。具体的には、ここでは、仮止め部材80は、錫メッキ軟銅線等の線状部材であり、線状部材を、重ね合わせた超電導線材40、50の端部同士の上に巻き付けてバインドする(線状部材巻き付け工程)。仮止め部材80である線状部材は、隙間無く巻き付けてもよい。仮止め部材80を配置することにより複数の超電導線材40、50の互いの端部どうしを接触させた状態で一括して集合させた状態を保持できる。
このように超電導線材40、50の端部同士が重なる接続部分を仮止め部材80により仮止めした後、図9及び図11に示すように、仮止め部材80上にハンダ層90を形成する。具体的には、接続部分上の仮止め部材80を覆うように、ハンダ層90となる線ハンダ92を密に巻き付ける(ハンダ巻き付け工程)。
次いで、図10に示すように、ハンダ層90を覆うように、ハンダ層の外周に被覆部99を形成する。被覆部99は、耐熱性を有する部材、ここでは可撓性を有するテープ材により形成する。具体的には、上述したようにテフロン(登録商標)テープを、ハンダ層90により覆われる接続部分と、接続部分近傍の超電導線材40、50の外周部分を含めて隙間無く覆うように巻き付けて被覆部99を形成する。すなわち、線ハンダを覆うようにテフロン(登録商標)テープを巻き付ける(テフロン(登録商標)テープ巻き付け工程)。
被覆層99は、特にハンダ層90を完全に覆うように形成される。
そして、被覆部99を形成した接続部分に対して被覆部99の外部から加熱して、ハンダ層90を構成する線ハンダを溶融する。被覆部99は、耐熱性が高く、ハンダ溶融温度でも安定しているため、ハンダが外部に流れ出すことがない。
また、ハンダを被覆部99の外方から加熱すると、図2に示すように、線ハンダが溶融し、仮止め部材80によりバインドさせている超電導線材40、50側に流れて固着する(加熱溶融工程)。
このとき互いに接触した状態の超電導線材40、50の端部どうしが仮止め部材80とともに固着される。
ハンダを加熱すると、溶融したハンダは、超電導線材40、50から下方の絶縁紙30側に流れるが、絶縁紙30上にはハンダ防止膜60が配置されているので、絶縁紙30に回り込むことがない。よって、絶縁紙30にフラックスが付着することが無く、超電導線材40、50と絶縁紙30との接触部分にフラックスが付着することによる絶縁性能の劣化を防止できる。
また、ハンダ防止膜60まで流れるハンダは、ハンダ防止膜60を介して超電導線材40、50においてハンダ防止膜60側への回り込みが促進され、超電導線材40、50同士は確実に導通可能な状態で固着させる。さらに、ハンダ防止膜60がハンダメッキされた銅箔であれば、超電導線材40、50は、ハンダ防止膜60とも導通可能な状態で接続される。
このように、本実施の形態の超電導ケーブル1は、芯材20と、芯材20の外周に配置された絶縁紙30と、絶縁紙30を介して芯材20の外周に複数巻き付けられる超電導線材40、50をそれぞれ有し、互いの超電導線材40、50同士がハンダ接続される第1超電導線材群及び第2超電導線材群と、絶縁紙30と、第1超電導線材群及び第2超電導線材群との間で、絶縁紙30に巻き付けられ、且つ、導電性を有し、ハンダの絶縁紙30への流入を防止するハンダ防止膜60とを有する。第1超電導線材群と第2超電導線材群のそれぞれの複数の超電導線材40、50同士は、ハンダ防止膜60上で重ねて配置されるとともに、重なる複数の超電導線材40、50同士の外周に配置された仮止め部材80により仮止め固定された状態でハンダ接続されている。
本実施の形態の超電導ケーブル1によれば、芯材20上に巻きまわされた複数の超電導線材40、50同士を、ハンダを介して容易に直接接続することにより、一度の複数の超電導線材同士を接続して、接続抵抗のばらつきが少ない好適な通電容量を確保できる。これにより、従来と異なり、芯材20の直上に巻かれた不織布等の絶縁紙30上で超電導線材40、50が接続されることからハンダの流れが阻害されることがなく、複数の超電導線材同士を1本1本接続させることなく作業性に優れる。
また、本実施の形態によれば、ケーブルの太さに関わらず、同じ材料で対応でき、汎用性が高く、安価で超電導ケーブルを組み立てることができる。
[実施例1]
芯材20としての銅棒の外周に巻き付けた絶縁紙30としての保護層上に、銅箔を巻き付けてハンダ防止膜60を形成し、ハンダ防止膜60の両端部を覆うようにクレープ紙を巻き付けて保護層70を設けた。次いで、複数の超電導線材40、50を保護層70上に位置させつつ、超電導線材40、50の端部同士を、ハンダ防止膜60上で、超交差させて重ねて配置し、仮止め部材80としての錫メッキ軟銅線を超電導線材40、50の上から巻き付けてバインドすることで仮固定する。次いで、超電導線材40、50を仮固定した錫メッキ軟銅線を覆うように線ハンダを密に巻き付けて、その上から被覆部99となるテフロン(登録商標)テープを隙間無く巻き付けて、テフロン(登録商標)テープの上から加熱することによって、線ハンダを溶融して超電導線材40、50同士を固着して、超電導ケーブル1と同様の構成の実施例1の超電導ケーブルを組み立てた。この実施例1の超電導ケーブルにおいて、複数の超電導線材40、50の接続部分近傍の超電導線材(ここではNo.1〜No.12の12本)毎の接続抵抗値を測定した。その結果、表1に示す抵抗値が測定された。
Figure 0006722564
[比較例1]
実施例1の超電導ケーブルと同様の超電導ケーブルを組み立てる際に、仮止め部材80としての錫メッキ軟銅線を用いることなく、比較例1としての超電導ケーブルを組み立てた。そして、実施例1の超電導ケーブルと同様に、比較例1における超電導ケーブルの複数の超電導線材40、50の接続部分近傍の超電導線材(ここではNo.1〜No.12の12本)の接続抵抗値を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0006722564
[比較例2]
実施例1の超電導ケーブルと同様の超電導ケーブルを組み立てる際に、銅箔(ハンダ防止膜60)を用いることなく、比較例2としての超電導ケーブルを組み立てた。そして、実施例1の超電導ケーブルと同様に、比較例2における超電導ケーブルの複数の超電導線材40、50の接続部分近傍の超電導線材(ここではNo.1〜No.12の12本)の接続抵抗値を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0006722564
実施例1における超電導線材同士の接続部分近傍の各超電導線材の抵抗値は、0.015〜0.025μΩの範囲内であり、平均0.023μΩであった。また、比較例1における超電導線材同士の接続部分近傍の各超電導線材の抵抗値は、3.40〜9.20μΩの範囲内で、比較例1の超電導線材No.11では3.40μΩ、超電導線材No.10では9.20μΩ、ある超電導線材No.4では6.20μΩであり、広い範囲でのバラツキがあり、平均5.20μΩであった。実施例1と比較例1との相違は、仮止め部材80としての錫メッキ軟銅線の有無である。実施例1では、錫メッキ軟銅線によって、芯材の周回りに配置される複数の超電導線材同士を、芯材表面に向かって略均等な押圧力で押圧して、確実に密着させることができる。この状態でそれぞれをハンダ接合することによって、芯材の周回りで接合される複数の超電導線材同士の接触抵抗は小くなり、且つ、バラツキが少なっている。よって、実施例1は、比較例1よりも各超電導線材における接続抵抗値が小さく、更に、実施例1の各超電導線材同士の接続抵抗値のバラツキの範囲も小さく、通電容量が大きかった。
また、比較例2における超電導線材同士の接続部分近傍の各超電導線材の抵抗値は、5.10〜7.50μΩの範囲内で、ある超電導線材No.4では5.10μΩ、ある超電導線材No.9では6.35μΩ、ある超電導線材No.10では7.50μΩであり、バラツキがあり、平均6.19μΩであった。実施例1と比較例2との相違は、ハンダ防止膜である銅箔の有無である。実施例1では、銅箔によって、超電導線材を密に接続するハンダが、超電導線材の下方に流れて不織布に付着することが防止されるとともに、銅箔によって超電導線材下方へのハンダの回り込みが促進されて通電容量が大きくなった。また、実施例1では、比較例2よりも各超電導線材における接続抵抗値が小さく、更に、実施例1の各超電導線材同士の接続抵抗値のバラツキの範囲も小さかった。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる超電導ケーブル及び超電導ケーブルの製造方法は、距離の離れた電力機器同士などの接続対象物同士を接続する際に有用である。
1 超電導ケーブル
1a、1b ケーブル
20、21、22 芯材
30、31、32 絶縁紙
40、50 超電導線材
60 ハンダ防止膜
70 保護層
80 仮止め部材
90 ハンダ層
99 被覆層

Claims (7)

  1. 芯材と、
    芯材の外周に配置された絶縁紙と、
    前記絶縁紙を介して前記芯材の外周に複数巻き付けられる超電導線材をそれぞれ有し、互いの超電導線材同士がハンダ接続される第1超電導線材群及び第2超電導線材群と、
    を有し、
    前記第1超電導線材群と前記第2超電導線材群のそれぞれの複数の前記超電導線材同士は、重なる複数の前記超電導線材同士の外周に配置された仮止め部材により仮止め固定された状態でハンダ接続されている、
    ことを特徴とする超電導ケーブル。
  2. 前記絶縁紙と、前記第1超電導線材群及び前記第2超電導線材群との間で、前記絶縁紙に巻き付けられ、且つ、導電性を有し、前記ハンダの前記絶縁紙への流入を防止するハンダ防止膜を有し、
    前記第1超電導線材群と前記第2超電導線材群のそれぞれの複数の前記超電導線材同士は、前記ハンダ防止膜上で重ねて配置される、
    ことを特徴とする請求項1記載の超電導ケーブル。
  3. 複数の前記超電導線材と、前記ハンダ防止膜との間には、前記ハンダ防止膜の端部を覆う保護層が設けられている、
    ことを特徴とする請求項2記載の超電導ケーブル。
  4. 前記仮止め部材の外周には、前記仮止め部材とともに、仮止め固定された状態でハンダ接続されている超電導線材同士を被覆し、且つ耐熱性を有する被覆部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の超電導ケーブル。
  5. 芯材の周囲に巻き付けた絶縁紙の上に複数巻き付けた超電導線材を接続する超電導ケーブルの製造方法であって、
    前記絶縁紙上の前記超電導線材の端部同士を接続する領域にハンダ防止膜を巻き付ける工程と、
    前記ハンダ防止膜の上に超電導線材同士を交差させた後に線状部材にて固定する工程と、
    前記線状部材の上から線ハンダを巻き付ける工程と、
    前記線ハンダを加熱して溶融する工程と、
    を有する、
    ことを特徴とする超電導ケーブルの製造方法。
  6. 前記超電導線材同士を接続する領域に前記ハンダ防止膜を形成する工程後、
    前記ハンダ防止膜の端部領域に保護層を形成する工程を有する、
    ことを特徴とする請求項5記載の超電導ケーブルの製造方法。
  7. 前記線ハンダを巻き付ける工程後、線ハンダを覆うようにテフロンテープを巻き付ける工程を有する、
    請求項5または6に記載の超電導ケーブルの製造方法。
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