JP6721454B2 - 時計用部品 - Google Patents

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本発明は、時計用部品における機械的強度の向上に関する。
近年、腕時計は電子式時計と機械式時計とに二分されている。電子式時計は様々な機能を備えた携帯用電子機器として、機械式時計は手作りの高級装飾品として、それぞれ市場が形成されている。
機械式時計においては、時分針や秒針を駆動する機構は、ぜんまい、てん輪、がんぎ車、アンクル歯車、輪列等の部品で構成されている。従来、これらの部品には金属材が用いられていたが、金属材は磁気の影響を受けやすくまた大量生産に適していないので、現在はシリコン材を用いMEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)技術でこれらの部品を形成するようになった。
シリコン材にMEMS技術を用いて形成した部品は、そのままでは機械的強度が十分でないため、MEMS技術を用いて形成した部品の表面に被膜を形成し機械的強度を高める技術が開示されている。(例えば特許文献1)
特許文献1に開示された時計用の微小機械部品は、シリコン製コアを備え、その表面の全体または一部に、天然の二酸化ケイ素(以降、SiO)の5倍の厚さの非晶質材料による被膜を形成し機械的強度を高める構造としている。
実用新案登録第3154091号公報(第1頁、図1)
しかし、特許文献1に示した従来技術においては、微小機械部品の表面または一部に形成する非晶質材料の厚さは十分でないため、微小機械部品の機械的強度が高めることができないという課題がある。また微小機械部品の機械的強度を高めるために非晶質材料を厚く形成することは、工程に時間がかかり生産性が低いという課題がある。詳述すると、時計用の部品として求められる100cm以上の耐衝撃高さを確保するためには、部品の表面に1μmから10μmの厚さの膜が必要であることが一般に知られているが、特許文献1に示した従来技術では部品の表面の膜は、天然のSiOの厚さ1nmから10nmの5倍の5nmから50nmであり、耐衝撃高さの向上に必要な1μmから10μmの厚さを著しく下回る。
また微小機械部品の表面または一部にSiOの被膜を1μmから10μm形成するためには、5時間以上の被膜生成時間が必要であることが一般に知られている。すなわち特許文献1に示した従来技術では、時計用部品としての耐衝撃高さを十分高められず、また被膜を厚くして耐衝撃高さを高めるためには、被膜生成に多大の時間を要し部品の生産性を悪化させる、という課題がある。
本発明の目的は上記課題を解決し、シリコンなど脆弱性材料を用いた時計用部品の表面に十分な厚みの被膜を効率よく形成し、耐衝撃高さ等の機械的強度を高めた時計用部品を実現することである。
上記課題を解決するため本発明の時計用部品は下記記載の構成を採用する。
本発明の時計用部品は、回転軸体と嵌合するための貫通孔を有し、回転軸体を中心として回転又は揺動する脆性材料からなる母材の表面に樹脂層を設けた時計用部品であって、樹脂層は、パラキシリレン系樹脂が、2μm以上、10μm以下の厚みで形成されていることを特徴とする。
これにより、パラキシリレン系樹脂による樹脂層を短時間で母材の表面に形成することが可能となり生産性が向上するとともに、時計用部品の総重量の増加を最小限にとどめながら機械的強度を向上させることができる。
また樹脂層の厚みが3μm以上、5μm以下であることがより望ましい。
これにより、パラキシリレン系樹脂の樹脂層による機械的強度の向上が最適になり、母材の特性を損なわず機械的強度を向上した時計用部品が形成される。
また、母材はシリコンであることが望ましい。
これにより、シリコンにMEMS技術を適用して時計用部品を効率的に生産することが可能となる。
また時計用部品はひげぜんまいであっても良い。
本発明によれば、時計用部品の表面に軽量かつ十分な厚さの樹脂膜を短い生成時間で形成することができて生産性が向上するとともに、耐衝撃高さ等の機械的強度や耐久性を高めた時計用部品の形成が可能となる。
本発明の第1実施形態における時計用部品の構造を示す平面図である。 本発明の実施形態における時計用部品の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態における時計用部品の製造工程を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における時計用部品の製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態における時計用部品の製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態における時計用部品の製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態における時計用部品の製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態における時計用部品の製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態における時計用部品の製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態における時計用部品の特性を示すグラフである。 本発明の実施形態における時計用部品の特性を示すグラフである。 本発明の実施形態における時計用部品の特性を示すグラフである。 本発明の実施形態における時計用部品の特性を示すグラフである。 本発明の実施形態における応用例を示す斜視図である。 本発明の実施形態における応用例を示す斜視図である。
本発明は、時計用部品の母材として脆性材料を用いた場合、その表面に、パラキシリレ
ン系樹脂による樹脂層を2μm以上、10μm以下で形成し、時計用部品の特性を損なわず時計用部品の機能を維持しつつ時計用部品の機械的強度の向上と生産性の向上を達成するものである。
以下、図1Aから図8を用いて本発明の時計用部品の詳細を、ひげぜんまいを例に説明する。図1A及び図1Bは、本発明の実施形態における時計用部品の構造を示す平面図及び断面図、図2は図1A及び図1Bに示す時計用部品の製造工程を示すフローチャート、図3Aから図3Cは図1A及び図1Bに示す時計用部品の製造方法を示す断面図、図4Aから図4Cは図3Cに続く時計用部品の製造方法を示す断面図、図5から図8は本発明の実施形態における時計用部品の特性を示すグラフである。
図1Aから図4Cを用いて、本発明の実施形態における時計用部品の構造について説明する。
以下、本発明の実施形態における時計用部品として機械式腕時計用の部品である「ひげぜんまい」を例に説明するが、本発明はこれに限らず他の時計用部品に広く適用可能である。
[ひげぜんまいの構成の説明:図1A及び図1B]
図1A及び図1Bを用いて本実施形態を詳述する。図1Aは、本発明の実施形態におけるひげぜんまい1の平面図であって、ひげぜんまい1を図示しない機械式腕時計の回転軸体の軸方向から平面視したときの様子を示している。説明のため、ひげぜんまい1は渦巻き状のバネの巻き数が4巻きの場合を示している。
図1Aにおいて、ひげぜんまい1は、中心部に図示しない機械式腕時計の回転軸体であるてん真と嵌合するための貫通孔3aを有するひげ玉3と、貫通孔3aを中心にしてひげ玉3に巻回されるように形成されたコイル形状のぜんまい部2と、ぜんまい部2の巻き終わりと接続するひげ持4とから構成されている。ぜんまい部2の巻き始めとひげ玉3とは接続部3bで接続している。ひげ持4には、ひげぜんまい1を機械式腕時計の筐体に固定するための貫通孔4aが設けられている。
ひげぜんまい1を構成する母料としては、水晶、シリコン、シリコン酸化物、などを主成分とする単結晶材料や透明感のある装飾性を付与できるガラスから構成することができる。母料をシリコンとすれば、軽いひげぜんまいを構成できて便利である。以後の説明にあっては、ひげぜんまい1の材料を、軽くて加工しやすいという特徴を有するシリコンを母材とする場合を例に説明する。
ひげぜんまい1を構成する材料としてシリコンを用いた場合、ひげぜんまい1の製造や加工に際して、シリコン半導体基板の加工工程として知られている深堀りRIE技術を用いることができ、半導体装置を製造する際と同様な公知の製造技術を用いることができる。
ぜんまい部2は一体で形成されており、ひげ玉3の周囲を巻回されているような形状を有している。
図1Bは、図1Aに示すぜんまい部2のA−A’断面図である。図1Bではぜんまい部2のA−A’断面である4つのぜんまい部2の断面を拡大して示してあり、4つの断面にぜんまい腕20a、20b、20c、20dの符号を付与して説明する。
図1Bに示すように、ひげぜんまい1のバネ部の断面は矩形であり、この矩形形状を変えてひげぜんまい1のバネ定数を調整する。
ぜんまい部2は間隔k1の渦巻きを形成しており、ぜんまい腕20aから20dの各々
の形状は、ぜんまいによって異なるが、おおよそ幅eは20μmから60μm、高さhは70μmから200μmの範囲である。
ひげぜんまい1の全部の表面に、ひげぜんまい1の機械的強度の向上と高耐久性を確保するため高分子材を用いた樹脂層6が形成されている。
樹脂層6はシリコンよりも剛性が低い樹脂であるパラキシリレン系樹脂を用い形成され、その厚さtは2μm以上10μm以下であって、機械的強度を高めるための最適な厚さは3μm以上5μm以下である。
上記説明では、樹脂層6を時計用部品全面に形成する例を説明したが、強度を高めたい部分のみに樹脂層6を形成してもよく、例えば、ひげぜんまい1のぜんまい部2のみに樹脂層6を形成してもよい。
[実施形態における時計用部品の製造方法の説明:図2]
図2を用いて本発明の時計用部品の製造方法を説明する。図2は本発明の時計用部品であるひげぜんまい1の製造工程を示すフローチャートである。図2に示すように、ひげぜんまい1の製造方法はステップST1からステップST3で構成される。
ステップST1は、ひげぜんまい1の素材であるシリコン基板に外形形成用マスクを形成する外形マスク形成工程であり、ステップST2はシリコン基板からひげぜんまい1の全体の形状を形成する外形エッチング工程であり、ステップST3は、全体の形状が形成されたひげぜんまい1の表面に樹脂層6を形成する樹脂層形成工程である。
[各工程の説明:図3Aから図4C]
以下、図3Aから図4Cを用いてステップST1からステップST3の詳細を説明する。図3Aから図3BはステップST1に関し、図3Cから図4BはステップST2に関し、図4CはステップST3に関する。なお図3Aから図4Cにおいては図1Aに示すひげぜんまい1のA−A’断面に対応する部分のみを図示している。
[外形マスク形成工程(ステップST1)の説明:図3Aから図3B]
図3Aから図3Bは、ひげぜんまい1の外形を形成するための外形マスク形成工程である。なお説明のため、図3Aから図4Cに示す断面図は、図1Aに示すひげぜんまい1のA−A’断面に対応する部分を図示しており、他の部分についても同様である。
<外形マスク形成工程(ステップST1)>
図3Aに示すように、少なくともひげぜんまい1が取り出せる大きさと厚みとを有するシリコン基板200の上面200u及び下面200bにレジストRを塗付する。
シリコン基板200は、ひげぜんまい1が多数個取り出せる大きさが好ましい。またレジストRはフォトリソグラフィで多用される樹脂系の液体レジストを用いる。
次に図3Bに示すように、シリコン基板200のぜんまい部2となるぜんまい腕20aから20dの幅eに相当する部分を覆うように、液体レジストRをフォトリソグラフィでパターン化し、開口部9wを備えた外形形成用マスク9を形成する。上述の通りこの外形形成用マスク9は図示しないがひげぜんまい1の全体を形作る形状である。
以上でステップST1が終了する。
<外形エッチング工程(ステップST2)>
次に図3Cに示すように、シリコン基板200をボッシュプロセスとして知られた方法を用いてエッチングする。詳細には外形形成用マスク9を形成したシリコン基板200にエッチング用ガスG1とパッシベーション用ガスG2とを交互に各々所定の時間印加する
図3Cに示すように、シリコン基板200は外形形成用マスク9で覆われた部分を除いて外形線cに沿ってボッシュプロセスによりエッチングされ、最終的に図4Aに示すように、外形形成用マスク9で一部が覆われたぜんまい腕20aからぜんまい腕20dが、基板200からエッチングにより離断される。
この後、図4Bに示すように、アルカリ水溶液を用いて外形形成用マスク9を除去し、ひげぜんまい1の外形が形成された未処理ひげぜんまい1pが形成される。図4Bにおいて図示していないが未処理ひげぜんまい1pは、シリコン基板200からエッチングによってぜんまい部2の全体が離断され、ひげ玉3の貫通穴3a及びひげ持4の貫通穴4aは貫通して形成されている。
以上でステップST2が終了する。
[樹脂膜形成工程(ステップST3)の説明:図4C]
図4Cは樹脂層形成工程(ステップST3)を説明する断面図である。ステップST3では、未処理ひげぜんまい1pに、樹脂層6を形成する。
<ステップST3>
図示していないが、未処理ひげぜんまい1pを純水等で洗浄し不純物を除去する。
次に図4Cに示すように、未処理ひげぜんまい1pの全表面に、気相蒸着重合法の薄膜形成プロセスによって、パラキシリレン系樹脂による樹脂層6を形成する。本実施形態では樹脂層6の厚さtは4μmである。以上でステップST3が終了する。
以上述べたステップST1からステップST3の工程の後、ひげぜんまい1の完成形を得る。
[実施形態における効果の説明:図5から図8]
図5から図8を用いて実施形態における効果を説明する。図5から図8は、パラキシレン系樹脂膜の有用性確認実験の結果を示すグラフであり、各々SiO被膜による測定結果を参照データとして示している。
まず図5は、図1Aに示すシリコンを母材としたひげぜんまい1の表面に形成されたパラキシリレン系樹脂及びSiO被膜の厚さと耐衝撃高さとの関係を示すグラフ、図6はシリコンに形成されたパラキシリレン系樹脂及びSiO被膜の厚さと膜の形成時間との関係を示すグラフ、図7はシリコンに形成されたパラキシリレン系樹脂及びSiO被膜の厚さと形成した膜の相対重量との関係を示すグラフ、図8はシリコンに形成されたパラキシリレン系樹脂及びSiO被膜の厚さと膜を形成したシリコンのヤング率の変動割合(%)との関係を示すグラフであって、グラフ上の白抜きの菱形はパラキシリレン系樹脂膜の測定点で、黒い四角はSiO被膜の測定点である。
図5に示す時計用部品の耐衝撃性の評価結果を示すグラフは、シリコンで形成した時計用部品として、ぜんまい腕の寸法が幅eを20μmから60μm、高さhを70μmから200μmの範囲で作成した複数の寸法のひげぜんまいを用意し、アンクル及び歯車としては厚みが200μmから400μmのものを用意して、上記時計用部品の表面に形成されたパラキシリレン系樹脂及びSiO被膜の厚さと耐衝撃高さとの関係を評価した結果である。
図5に示すように、シリコンで形成した時計用部品に、100cmの高さから落下させ
ても破損しない耐衝撃性を付与するためにはSiO被膜において1から10μmの厚さが必要であり、一方パラキシリレン系樹脂膜においては2から10μmの厚さが必要である。すなわちパラキシリレン系樹脂膜はSiO被膜と同等の強度を有している。
さらに最も高い耐衝撃性が得られるのは、SiO被膜において2μmから5μmの厚さが必要であり、一方パラキシリレン系樹脂膜においては3μmから5μmの厚さであることがわかる。
また図6は、シリコンを母材とした時計用部品に形成されたパラキシリレン系樹脂及びSiO被膜の厚さと膜を形成するために要した時間との関係を示すグラフである。図6に示すように、SiO被膜において1μmの厚さの膜を生成するために要する時間は略5時間であり、一方パラキシリレン系樹脂膜において2μmの厚さの膜を生成するために要する時間は略2時間である。
すなわちパラキシリレン系樹脂膜を用いれば、SiO被膜における生成時間の1/2程度の時間で、SiO被膜と同等の機械的強度を有する膜を形成可能である。
また図7は、シリコンを母材とした時計用部品に形成されたパラキシリレン系樹脂及びSiO被膜の厚さと、形成された膜の重量との関係を示すグラフであって、形成された膜の重量は、同体積のシリコンの重量を1として相対重量で示している。
図7に示すように、SiO被膜とパラキシリレン系樹脂膜を同じ厚さになるように形成すると、パラキシリレン系樹脂膜の相対重量はSiO被膜の1/2以下である。一般にシリコンの材料特性は、形成された膜の重量によって影響を受けるので、SiO被膜より軽いパラキシリレン系樹脂膜はシリコンの材料特性を損なわず有利である。
また図8は、シリコンを母材とした時計用部品に形成されたパラキシリレン系樹脂及びSiO被膜の厚さと、膜を形成したシリコンの23℃におけるヤング率の変動割合(%)との関係を示すグラフであって、ヤング率の変動割合(%)は膜の厚さが0の場合を基準に示している。
図8に示すように、SiO被膜とパラキシリレン系樹脂膜を同じ厚さに形成すると、パラキシリレン系樹脂膜のヤング率の変動割合はSiO被膜におけるヤング率の変動割合の略70%である。シリコンで時計用部品を形成した場合、表面に形成された膜の厚さによってヤング率が変化し時計用部品の剛性が変化する。その結果、時計の諸特性が変化するので、パラキシリレン系樹脂膜はSiO被膜よりヤング率の変動割合が少なく時計用部品として優れている。
以上述べたように、本発明によるパラキシリレン系樹脂膜を設けた時計用部品は、耐衝撃高さ等の機械的強度と、生産性と、シリコンの特性への影響との3点において、SiO被膜を用いた従来技術に勝り、優れた時計用部品を実現することが可能となる。
[実施形態の応用例:図9及び図10]
図9及び図10を用いて本発明を上記実施形態とは異なる時計用部品へ適用した例を説明する。図9及び図10は、本発明の応用例を示す斜視図であって、図9はガンギ歯車体11、図10はアンクル体31として知られている腕時計の部品である。
時計用部品として、ガンギ歯車体11などの輪列部品やアンクル体31をシリコンやガラスなどの脆性材料で形成した場合においても、表面にパラキシリレン系樹脂膜を樹脂層6として2μm以上、10μm以下の厚みで形成しておくことで、耐衝撃性を向上させるとともに重量の増加を抑制することが可能となる。さらに好ましくは、樹脂層6を3μm以上、5μm以下の厚みで形成しておくとよい。
[実施形態の応用例の効果]
本発明をガンギ歯車体11やアンクル体31に応用した場合の効果は、ひげぜんまいを例として説明した実施形態の効果と同様に、ガンギ歯車体11、アンクル体31において機械的強度を高め、かつヤング率の低下と重量の増加とを最小限に抑えることである。
以上説明した実施形態は、これに限定されるものではなく、それぞれの実施形態を組み合わせて構成しても構わない。また、本発明の要旨を満たすものであれば任意に変更することができることはいうまでもない。
1 ひげぜんまい
1p 未処理ひげぜんまい
11 ガンギ歯車体
11a、31a シリコンコア
31 アンクル体
2 ぜんまい部
20a、20b、20c、20d ぜんまい腕
3 ひげ玉
3b ひげ玉固定部
3a、4a 貫通孔
3b 接続部
4 ひげ持
6 樹脂層
9 外形形成用マスク
9w マスク開口部
200 シリコン基板
200u 上面
200b 下面
R レジスト
c 外形線
t (樹脂膜の)厚さ
e ぜんまい腕幅
h ぜんまい腕高さ
k1 ぜんまい部間隔
G1 エッチング用ガス
G2 パッシべーション用ガス

Claims (4)

  1. 回転軸体と嵌合するための貫通孔を有し、前記回転軸体を中心として回転又は揺動する脆性材料からなる母材の表面に樹脂層を設けた時計用部品であって、
    前記樹脂層は、パラキシリレン系樹脂が、2μm以上、10μm以下の厚みで形成されていることを特徴とする時計用部品。
  2. 前記樹脂層の厚みが3μm以上、5μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の時計用部品。
  3. 前記母材は、シリコンである
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時計用部品。
  4. 前記時計用部品は、ひげぜんまいである
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の時計用部品。
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