JP6223193B2 - ひげぜんまい及びその製造方法 - Google Patents
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Description
い腕との接触面積が増えるため、双方をより強く着けることができる。
ぜんまい部の表面の一部に、粘靱性の高い緩衝剤を設けることにより、ぜんまい部はもろさが緩和され、強靭にすることができる。
図1を用いてひげぜんまいの第1の実施形態を説明する。
図1(a)は、ひげぜんまいの平面図である。図1(b)は、ぜんまい部を拡大した図面であって、図1(a)に示す切断線A−A´における断面の様子を模式的に示す断面図である。
とする場合を例にして説明する。
このように幅方向に薄いぜんまい腕であっても、表面の一部2aに緩衝剤を設けることによって、ぜんまい部はもろさが緩和され、強靭にすることができる。
これは、ひげぜんまい1に対して欲するばね特性(例えば、ヤング率など)に鑑みて自由に選択することができる。
次に、ひげぜんまいのぜんまい部の異なる構成例を、図2を用いて説明する。この構成は、ぜんまい腕に段差部を設ける構成と、その段差部をさらに深くすることでぜんまい腕を貫通させ、ぜんまい腕に貫通孔を有する構成の例である。説明にあっては、周回方向の
1つのぜんまい腕を例にして説明する。
設けた凹形状の段差部とが繋がったものであり、それぞれの表面に形成する段差部の加工時に、その段差をさらに深く掘り下げる(エッチングする)ことにより容易に形成できる。そして、その貫通孔及び表面の一部2a、他の表面2bを覆うように緩衝剤66aが設けてある。
図3(a)に示すように、少なくともひげぜんまい1が取り出せる大きさの面積と厚みとを有するシリコンの基板200を準備する。ひげぜんまいの生産性を考慮に入れれば、ひげぜんまい1が多数個取り出せる大きさの基板200である方が好ましい。
初めにひげぜんまい1をX方向やY方向に可動できる可動台に置くなどする。その後に、図3(c)に示すように、緩衝剤6a〜6dとなる、例えば液状の樹脂6が満たされたディスペンサー10を用いて、可動台を所定の方向に可動させるなどしてぜんまい腕20a〜20dに、緩衝剤の元になる素材である適量の樹脂6を順次滴下する。
この第1の製造方法によれば、ぜんまい部の表面の一部に所望の量だけ緩衝剤を形成できるというメリットがある。
次に、ぜんまい腕に段差部を有するひげぜんまいの製造方法を説明する。説明にあっては、凹形状の段差部を形成する場合で説明する。
20dの幅に相当する部分(段差部は覆われている)を覆うようにマスク9を知られているフォトリソグラフィ技術で形成する。上述の通りこのマスク9は図示しないがひげぜんまい1の全体を形作る形状である。マスク9は、例えばシリコン酸化膜である。特に限定しないが、このマスク9は、基板200の表面より2μmの膜厚となるように形成する。
初めにひげぜんまい1をX方向やY方向に可動できる可動台に置くなどする。その後に、図5(c)に示すように、緩衝剤6a〜6dの元になる素材、例えば液状の樹脂6が満たされたディスペンサー10を用いて、可動台を所定の方向に可動させるなどして段差部7a〜7dに適量の樹脂6を順次滴下する。
次に、第3の製造方法を説明する。この製造方法も、ぜんまい腕に凹形状の段差部を有するひげぜんまいの製造方法に関するものであって、凹んだ段差部にのみ緩衝剤を設ける製造方法である。
様であるから、その説明は省略する。
図6(a)に示すように、凹形状の段差部7a〜7dを形成した基板200を、図4(c)に示す向きと上下を反転させた状態で樹脂6を浸み込ませた布製のシート11の上に載置する。すると、樹脂6は毛細管現象によって段差部7a〜7dに充填される。
次に、第4の製造方法を説明する。この製造方法も、第3の製造方法と同様に、図2(g)に示すような複数の段差部に同時に同量の緩衝剤を充填できるというメリットがある。なお、基板200に段差部7a〜7dを設けるまでの製造方法は、図4を用いてすでに説明した例と同様であるから、その説明は省略する。
図7(a)に示すように、段差部7a〜7dを形成した基板200を、樹脂6を入れた図示しない槽に浸漬させ、取り出す。そうすると、樹脂6が基板200の表面全体に付着する。もちろん、段差部7a〜7dにも充填される。
しているが、重要なことは樹脂6を段差部7a〜7dに充填するということであるから、他の部分に樹脂6が均一に付着していなくても構わない。
このときのマスク14は、シリコン酸化膜で、基板200の表面より2μmの膜厚となるように形成する。深堀りRIE技術に用いるガスも、混合ガス(SF6+C4F8)を用いる。
次に、第5の製造方法を説明する。この製造方法は、図2(c)に示すような構成を製造する方法である。ぜんまい腕の表面の一部に緩衝剤を設けると共に、第2及び第3の製造方法と同様に、複数の段差部に同時に同量の緩衝剤を充填できるというメリットがある。なお、基板200に段差部7a〜7dを設け、基板200の全面に樹脂6を形成するまでの製造方法は、図4及び図7(a)を用いてすでに説明した例と同様であるから、その説明は省略する。
図8(a)に示すように、すでに説明した製造方法を用いて、段差部7a〜7dを形成した基板200の全面に、緩衝剤の元になる素材である樹脂6を形成する。このとき、後の製造工程によりひげぜんまい1の表面の一部2aとなる面2a´の上部の樹脂6の膜厚が「t」となるようにする。「t」は、例えば1μmである。その後、樹脂6を前述のような手法で硬化処置を施す。
技術を用いてひげぜんまい1の表面(表面の一部2a)をドライエッチングすればよい。その際は、O2(酸素)プラズマを用いた異方性のドライエッチングを用いれば、ひげぜんまい1の表面の一部2aにある緩衝剤を図中上下方向に垂直に除去するため、段差部のみ緩衝剤を残すことができる。
2 ぜんまい部
2a 表面の一部
2b 他の表面
3 ひげ玉
3a 貫通孔
3b 接続部
4 ひげ持
6 樹脂
6a〜6d、16a、26a、36a、46a、56a、66a、76a 緩衝剤
70a、70b 段差部
70c 貫通孔
8、9、14 マスク
10 ディスペンサー
11 シート
13 研磨手段
16 フォトレジストマスク
Claims (9)
- 回転軸体と嵌合するための貫通孔を有するひげ玉と、前記ひげ玉と接続し、前記貫通孔を中心にして前記ひげ玉に巻回されるコイル形状のぜんまい部と、を有し、第1の材料を主成分とするひげぜんまいであって、
前記ぜんまい部の表面の一部に、前記第1の材料よりも粘靱性の高い第2の材料を主成分とする緩衝剤を設ける
ことを特徴とするひげぜんまい。 - 前記第1の材料は、シリコンである
ことを特徴とする請求項1に記載のひげぜんまい。 - 前記第2の材料は、樹脂である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のひげぜんまい。 - 前記ぜんまい部の表面の一部に凸形状又は凹形状の段差部を設け、
前記緩衝剤は、前記段差部を覆う
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のひげぜんまい。 - 第1の材料を主成分とするひげぜんまいのぜんまい部の表面の一部に、前記第1の材料よりも粘靱性の高い第2の材料を主成分とする緩衝剤を設けるひげぜんまいの製造方法であり、
基板をエッチングし、所定の形状のひげぜんまいを形成するエッチング工程と、
前記ぜんまい部の表面の一部に前記第2の材料の緩衝剤を形成する緩衝剤形成工程と、
を有することを特徴とするひげぜんまいの製造方法。 - 前記ぜんまい部の表面の一部に凸形状又は凹形状の段差部を形成する段差部形成工程
を有し、
前記緩衝剤形成工程は、前記段差部を覆うように前記緩衝剤を設ける
を有することを特徴とする請求項5に記載のひげぜんまいの製造方法。 - 前記緩衝剤形成工程は、前記緩衝剤の元になる素材を前記ぜんまい部の表面の一部に滴下して形成する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のひげぜんまいの製造方法。 - 前記緩衝剤形成工程は、前記緩衝剤の元になる素材を浸み込ませたシートの上に前記基板を載置することで前記ぜんまい部の表面の一部に前記緩衝剤を形成する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のひげぜんまいの製造方法。 - 前記緩衝剤形成工程は、前記緩衝剤の元になる素材を入れた槽に前記基板を浸漬することで前記ぜんまい部の表面の一部に前記緩衝剤を形成する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のひげぜんまいの製造方法。
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