JP6720745B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両制御装置に関する。
たとえば、特許文献1に記載される車両の制御装置は、運転支援制御部、ならびに運転支援制御部により生成される制御量に基づきステアリングモータおよびブレーキ装置の動作を制御する複数のアクチュエータ制御部を有している。運転支援制御部は、複数のアクチュエータ制御部のうち、いずれか1つに異常が発生した場合、異常が発生しているアクチュエータ制御部に対しては制御指示値を送信せず、正常なアクチュエータ制御部に対して異常が発生しているアクチュエータ制御部を考慮した制御指示値を送信することで、車両の走行状態を制御している。
特開2016−37077
たとえば、上記車両の制御装置では、ステアリング制御部に異常が発生した場合、異常が発生しているステアリング制御部を考慮した制御指示値を運転支援制御部からブレーキ制御部に出力し、ブレーキ制御部だけで車両の走行状態を制御している。
しかし、異常が発生しているステアリング制御部を考慮した制御指令値に基づき、ブレーキ制御部が車両Aの走行状態を制御するとしても、ブレーキ制御部がステアリング制御部の機能を有するわけではない。そのため、車両の走行状態の制御の精度が低下してしまう。
本発明の目的は、制御部に異常が発生したとしても、より適切に車両の走行状態を維持できる車両制御装置を提供することである。
上記目的を達成し得る車両制御装置は、車両の走行状態を表す状態量に基づき第1の指令値を生成する第1の制御部と、転舵力またはアシスト力を発生させるモータの状態量を検出する検出部と、前記第1の指令値および前記モータの状態量を用いて前記モータに対する第2の指令値を演算する第2の制御部と、を備える車両制御装置を前提としている。前記第2の制御部は、前記検出部により検出される前記状態量が正常か異常かを判定する異常判定部を有し、前記異常判定部は、前記状態量を異常と判定した場合、異常の状態に応じた前記第1の指令値を前記第1の制御部が演算するための前記モータの特性情報を前記第1の制御部に出力し、前記第1の制御部は、前記車両の走行状態を表す状態量および前記特性情報に基づき前記第1の指令値を演算する。
検出部により検出される状態量が異常である場合、第2の制御部にて演算される第2の指令値は、異常な状態量に基づき演算されたものであるため、第2の制御部におけるモータ駆動の制御が正常に実行されないおそれがある。
その点、上記構成によれば、異常判定部は、検出部により検出される状態量が異常であると判断した場合、第1の制御部により演算される第1の指令値を、検出部により検出される異常な状態量に応じたものにするためのモータの特性情報を第1の制御部に出力する。すなわち、検出部により検出される状態量が異常であっても、第1の制御部は異常の状態に対応した第1の指令値を演算する。このため、第2の制御部は第1の制御部から出力される異常な状態量に応じた第1の指令値に基づき第2の指令値を演算し、モータの駆動を制御する。したがって、検出部により検出される状態量の異常によって第2の制御部が第1の制御部により演算される第1の指令値に応じた本来の制御が実行できないとしても、検出部の異常に応じてより適切に車両の走行状態を維持することができる。
前記特性情報は、前記モータの出力を抑制するように設定されていることが好ましい。
上記したように、検出部により検出される状態量が異常である場合、第2の制御部における本来のモータ駆動の制御が実行されないおそれがある。すなわち、第1の制御部により生成される第1の指令値に応じたモータ出力に対して、第2の制御部により生成される第2の指令値に応じたモータ出力が追従できない状態となるおそれがある。
その点、異常判定部から第1の制御部に出力される特性情報は、モータの出力を抑制するように設定されている。そのため、特性情報に基づき第1の制御部により生成される第1の指令値は、モータの出力を抑制する指令値となっている。そのため、第2の制御部により生成される第2の指令値に応じたモータ出力は第1の制御部により生成される第1の指令値に応じたモータ出力に追従できるようになる。したがって、検出部の異常に応じてより適切に車両の走行状態を維持することができる。
前記特性情報は、前記モータの出力である回転数と回転トルクとの関係、および前記モータにおける出力変化を示すゲインと角周波数との関係を示したものであることが好ましい。
上記構成は、特性情報の一例である。上記の特性情報を使用することで検出部の異常に応じてより適切に車両の走行状態を維持することができる。
前記検出部の異常に応じた前記特性情報が記憶されている記憶部を備え、前記異常判定部は、前記状態量を異常と判定した場合、前記記憶部に記憶された前記特性情報を前記第1の制御部に出力することが好ましい。
上記構成によれば、第1の制御部に検出部から検出される状態量の異常に応じた第1の指令値を生成させるための特性情報が、記憶部に記憶されている。そのため、特性情報を検出部の異常発生のたびに演算する場合と比較して、車両制御装置の演算負荷をより低減することができる。
前記記憶部は、前記第2の制御部に設けられていることが好ましい。
外部サーバ等の記憶部に特性情報が記憶され、異常判定部は外部サーバから特性情報を取得することが考えられる。その場合、通信の遅延や特性情報の管理に手間がかかるおそれがある。
その点、第2の制御部の記憶部に特性情報を記憶させることにより、異常判定部と記憶部との間の迅速な通信および特性情報の管理を容易にすることができる。
本発明の車両制御装置によれば、制御部に異常が発生したとしても、より適切に車両の走行状態を維持できる。
車両制御装置の一実施の形態が搭載される車両の構成を示した概略図。 実施の形態におけるECUの機能的な構成を示したブロック図。 (a)は実施の形態のメモリに記憶されている回転角度および操舵トルクの関係を示したN−T線図における特性データを示したグラフ。(b)は実施の形態のメモリに記憶されている角周波数およびゲインの関係を示したボード線図における特性データを示したグラフ。
図1に示すように、車両Aは、操舵制御装置1、操舵機構2、転舵力付与機構3、トルクセンサ40、および各種センサ90を備えている。
操舵機構2は、ユーザのステアリング10の操作に基づいて転舵輪15を転舵させる。操舵機構2は、ステアリング10及びステアリング10と一体回転するステアリングシャフト11を備えている。ステアリングシャフト11は、ステアリング10と連結されたコラムシャフト11aと、コラムシャフト11aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト11bと、インターミディエイトシャフト11bの下端部に連結されたピニオンシャフト11cとを有している。ピニオンシャフト11cの下端部は、ラックアンドピニオン機構13を介して転舵シャフトとしてのラックシャフト12に連結されている。したがって、ステアリングシャフト11の回転運動は、ピニオンシャフト11cにおけるピニオン歯が設けられた部分及びラックシャフト12におけるラック歯が設けられた部分からなるラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12の軸方向(図1の左右方向)の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラックシャフト12の両端にそれぞれ連結されたタイロッド14を介して、左右の転舵輪15にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪15の転舵角が変化する。
転舵力付与機構3は、コラムシャフト11aに設けられた減速機構22と、回転軸21を有するモータ20と、を有している。モータ20の回転軸21の回転力は減速機構22を介してコラムシャフト11aに伝達される。モータ20は、転舵輪15の転舵角を変化させる操舵機構2に対する動力としての転舵力、またはステアリング10の操作をアシストするアシスト力の発生源として使用される。モータ20としては、例えば3相ブラシレスモータが採用される。モータ20には、回転軸21の回転角度θmを検出する回転角センサ41が設けられている。
トルクセンサ40は、コラムシャフト11aにおけるステアリング10と転舵力付与機構3との間に設けられている。トルクセンサ40は、ユーザのステアリング10の操作によりステアリングシャフト11に生じる操舵トルクThを検出する。
各種センサ90としては、車両の走行状態を検出するセンサとしてカーナビゲーション等で使用されるGPS(Global Positioning System)、および車速センサなどが採用されるとともに、車両の周辺情報を検出するセンサとしてカメラ、距離センサ、レーザー等が採用される。各種センサ90は、車両の走行状態あるいは車両の周辺情報を示す車両情報θconが生成される。
操舵制御装置1は、その動作モードとして自動操舵モードおよび手動操舵モードを有する。操舵制御装置1は、自動操舵の場合、操舵機構2に対して車両の進行方向を自動的に変位させる動力を付与するように、手動操舵モードの場合、操舵機構2に対してステアリング10の操作を補助するアシスト力を付与するようにモータ20の駆動を制御する。操舵制御装置1は、第1の制御部としての上位ECU4および第2の制御部として、上位ECU4に対する下位のEPSECU30を備えている。
上位ECU4には、各種センサ90により生成される車両情報θconおよび後述するEPSECU30から出力される特性データPsに基づき、車両Aの挙動を制御する上で最適な角度指令値θs*を所定の制御周期で生成する。角度指令値θs*は、転舵輪15の転舵角に換算可能な回転角、例えば、ステアリング10の回転角である操舵角の自動操舵制御における目標値である。また、上位ECU4には、図示しない切り替えスイッチが接続されている。切り替えスイッチは、操舵制御装置1の動作モードを自動操舵モードと手動操舵モードとの間で切り替える際、ユーザにより操作される。上位ECUは、切り替えスイッチのオン/オフの状態を示す指令信号S1を生成する。
EPSECU30は、上位ECU4から角度指令値θs*および指令信号S1を、トルクセンサ40から操舵トルクThを、モータ20の回転角センサ41から回転角度θmを読み込む。EPSECU30は、指令信号S1が切り替えスイッチがオンの状態である旨を示すものであるとき、自動操舵制御を実行する。また、EPSECU30は、指令信号S1が切り替えスイッチがオフの状態である旨を示すものであるとき、ステアリング10の操作を補助する手動操舵制御を実行する。尚、EPSECU30は、モータ20の回転数と回転トルクの特性およびモータ20の角周波数とゲインの特性を示す特性データPsを上位ECU4に出力する。
次にEPSECU30の機能的な構成を説明する。
図2に示すように、EPSECU30は、自動操舵制御部31、EPS制御部32、切り替え部33、インバータ34、電流センサ35、異常判定部36を備えている。自動操舵制御部31は上位ECU4により演算される角度指令値θs*に基づき、モータ制御信号Smを生成する。EPS制御部32は、トルクセンサ40から検出される操舵トルクThに基づき、モータ制御信号Smを生成する。インバータ34は、モータ制御信号Smに基づき図示しないバッテリの直流電力を3相の交流電力に変換する。インバータ34により生成される交流電力は、モータ20に駆動電力として供給される。電流センサ35は、インバータ34からモータ20に供給される実電流Iを検出する。
EPS制御部32は、アシストトルク演算部32a、電流減算器37、電流F/B制御部38、および指令値演算部39を備えている。
アシストトルク演算部32aは、トルクセンサ40により検出される操舵トルクThに基づいて、モータ20に発生させるべきアシストトルクの目標値としての電流指令値Ih*を演算する。
電流減算器37は、アシストトルク演算部32aにより演算された電流指令値Ih*から電流センサ35により検出される実電流Iを減算することにより、電流偏差ΔIを演算する。
電流F/B制御部38は、電流センサ35により検出される実電流Iを、アシストトルク演算部32aにより演算された電流指令値Ih*に近づけるようにフィードバック制御を実行する。すなわち、電流F/B制御部38は、電流減算器37により検出される電流偏差ΔIをなくすように電圧指令値V*を演算する。
指令値演算部39は、電流F/B制御部38により演算された電圧指令値V*に基づきインバータ34を駆動させるためのモータ制御信号Smを演算する。インバータ34は、モータ制御信号Smに基づき動作する。モータ20はインバータ34を通じて給電されることにより回転する。このモータ20の回転力がアシストトルクとしてコラムシャフト11aに伝達されることにより、ユーザのステアリング10の操作が補助される。
自動操舵制御部31は、変換器31a、位置減算器31b、位置フィードバック制御部(以下、「位置F/B制御部」という)31c、電流減算器37、電流フィードバック制御部(以下、「電流F/B制御部」という)38、および指令値演算部39を備えている。尚、電流減算器37、電流フィードバック制御部38、および指令値演算部39はEPS制御部32と共用される部分である。
変換器31aは、所定の周期で生成される角度指令値θs*を、所定の変換係数を用いて、モータ20の回転角度の目標値である回転角度指令値θm*に変換する。モータ20の回転軸21は、減速機構22、ステアリングシャフト11、ラックシャフト12を介して転舵輪15と連動する。すなわち、ステアリング10の操舵角との間の目標回転角である角度指令値θs*とモータ20の回転角度指令値θm*には相関がある。そのため、角度指令値θs*を、所定の変換係数を用いて回転角度指令値θm*に変換することができる。
位置減算器31bは、変換器31aにより変換された回転角度指令値θm*から回転角センサ41により検出される回転角度θmを減算することにより角度偏差Δθを演算する。
位置F/B制御部31cは、回転角センサ41により検出される回転角度θmを、変換器31aにより変換された回転角度指令値θm*に近づけるようにフィードバック制御を実行する。すなわち、位置F/B制御部31cは、位置減算器31bにより演算された角度偏差Δθに基づき、モータ20に出力させるべきモータトルクを示す転舵力の目標値とし電流指令値Is*を演算する。
電流減算器37は、位置F/B制御部31cにより演算された電流指令値Is*から電流センサ35により検出される実電流Iを減算することにより、電流偏差ΔIを演算する。
電流F/B制御部38は、電流センサ35により検出される実電流Iを、位置F/B制御部31cにより演算された電流指令値Is*に近づけるようにフィードバック制御を実行する。すなわち、電流F/B制御部38は、電流減算器37により検出される電流偏差ΔIをなくすように電圧指令値V*を演算する。
指令値演算部39は、電流F/B制御部38により演算された電圧指令値V*に基づきインバータ34を駆動させるためのモータ制御信号Smを演算する。インバータ34は、モータ制御信号Smに基づき動作する。モータ20はインバータ34を通じて給電されることにより回転する。このモータ20の回転力が転舵力としてコラムシャフト11aに伝達されることにより、転舵輪15の転舵角が変化する。
切り替え部33は、自動操舵制御および手動操舵制御の切り替えを行う。切り替え部33は、定数「0」が記憶されている。定数「0」は、自動操舵制御部31にて演算される電流指令値Is*およびEPS制御部32にて演算される電流指令値Ih*のいずれかを「0」にする観点で設定されている。
切り替え部33は、指令信号S1が切り替えスイッチオンの状態を示すものである場合、アシストトルク演算部32aにより演算された電流指令値Ih*に対して定数「0」を乗算する。このため、電流減算器37に入力される電流指令値Ih*は「0」となる。したがって、電流減算器37では、位置F/B制御部31cにより演算された電流指令値Is*から電流センサ35により検出される実電流Iが減算されることにより電流偏差ΔIが演算される。すなわち、自動操舵制御が実行される。
切り替え部33は、指令信号S1が切り替えスイッチオフの状態を示すものである場合、位置F/B制御部31cにより演算された電流指令値Is*に対して定数「0」を乗算する。このため、電流減算器37に入力される電流指令値Is*は「0」となる。したがって、電流減算器37では、アシストトルク演算部32aにより演算された電流指令値Ih*から電流センサ35により検出される実電流Iが減算されることにより電流偏差ΔIが演算される。その電流偏差ΔIに基づき、モータ制御信号Smを演算するためEPS操舵制御が実行される。
異常判定部36は、判定部36aおよび記憶部としてのメモリ36bを備えている。
メモリ36bには、特性データPsが記憶されている。特性データPsとしては、たとえばモータ20の回転数とモータ20の回転トルクの特性を示す特性データPs1および特性データPs2、モータ20の周波数特性を示す特性データPs3および特性データPs4がある。
図3(a)に示すように、特性データPs1および特性データPs2は、モータ20の回転数および回転トルクの関係を示したN−T線図における特性線図上のプロット点データである。詳しくは、回転角センサ41が正常であるときの特性線図(実線)上における16点のプロット点の座標データを特性データPs1、回転角センサ41が異常であるときの特性線図(二点鎖線)上における16点のプロット点の座標データを特性データPs2としてメモリ36bに記憶されている。また、図3(b)に示すように、特性データPs3および特性データPs4は、モータ20の角周波数とゲインの関係を示したボード線図における特性線図上のプロット点データである。詳しくは、回転角センサ41が正常であるときの特性線図(実線)上における16点のプロット点の座標データを特性データPs3、回転角センサ41が異常であるときの特性線図(二点鎖線)上における16点のプロット点の座標データを特性データPs4としてメモリ36bに記憶されている。
ここで、特性データPsは次のように設定される。
特性データPs1,Ps3は、回転角センサ41が正常である場合に、モータ20の出力を最適に活用する観点で設定されている。具体的には、図3(a)に示す特性データPs1は、車両Aの走行状態を最適に制御するために決定されたモータ20の回転数と回転トルクを最適に活用する観点で設定されている。図3(b)に示す特性データPs3は、車両Aの走行状態を最適に制御するために決定されたモータ20の回転速度に対する出力の変化を最適に活用する観点で設定されている。
特性データPs2,Ps4は、回転角センサ41が異常である場合に、回転角センサ41が正常である場合(図3(a)および図3(b)に実線で示される特性線図)と比較して、どの程度モータ20の出力を抑えるかという観点に基づき設定される。具体的には、図3(a)に示す特性データPs2は、モータ20の回転数および回転トルクをどの程度抑えるかという観点で設定されている。図3(b)に示す特性データPs4は、モータ20の回転速度に対する出力の変化を(上位ECU4により演算される)角度指令値θs*に応じたモータ20の回転速度に対する出力の変化に追従させるためにはどの程度モータ20の出力を抑えるかという観点で設定されている。
特性データPsを設定するのは、次の理由による。
自動操舵制御を実行する場合、回転角センサ41により検出される回転角度θmに異常があるとき、EPSECU30は、上位ECU4により演算される角度指令値θs*に応じてモータ20の回転を制御しようとしても、その角度指令値θs*に応じた本来の制御が実行できなくなる。たとえば、上位ECU4からEPSECU30に対してより速い角度変化を要求する指令、すなわち、角周波数がより大きい領域(図3(b)の右側の領域)におけるモータ20の回転指令が出力された場合、回転角センサ41に異常があるときには、その角度変化の速度に追従できない状態となる。すなわち、回転角センサ41が異常である場合、モータ20は角周波数が大きくなる領域では高速回転が難しくなる。そのため、モータ20の出力が低下しはじめる(ゲインが低下しはじめる)周波数帯域を高周波数帯域から低周波数帯域に変更することで、モータ20の高周波数帯域での出力を抑える。また、モータ20の周波数特性の変更に伴って、図3(a)に示すように、モータ20の回転数および回転トルクの出力を抑える。したがって、モータ20の角周波数が大きい領域において、モータ20を高速回転させることが難しいためモータ20の出力を回転角センサ41の異常に応じて抑えることが好ましい。
判定部36aは、回転角センサ41により検出される回転角度θm、およびトルクセンサ40から検出される操舵トルクThを読み込み、回転角センサ41の異常有無を判定する。判定部36aは、たとえば、読み込んだ操舵トルクThの絶対値が所定値以上となっているのにもかかわらず、回転角センサ41から検出される回転角度θmの出力値が固定された状態が所定時間以上継続する場合に異常と判定するものとする。判定部36aは、読み込んだ回転角度θmが正常であると判定した場合、メモリ36bに記憶された特性データPs1および特性データPs3を読み込み、この読み込んだ特性データPsを上位ECU4に対して出力する。判定部36aは、読み込んだ回転角度θmに異常が発生していると判定した場合、メモリ36bに記憶された特性データPs2、特性データPs4を読み込み、この読み込んだ特性データPsを上位ECU4に対して出力する。上位ECU4は、異常判定部36から出力される特性データPsを考慮して、角度指令値θs*を演算する。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1)異常判定部36は、回転角センサ41により検出される回転角度θmが異常であると判断した場合、メモリ36bに記憶されている回転角センサ41の異常に応じた特性データPs2,Ps4を上位ECU4に出力する。上位ECU4は、異常判定部36から出力された特性データPsに基づき、回転角センサ41の異常に応じた角度指令値θs*を演算する。EPSECU30は、回転角センサ41の異常に応じた角度指令値θs*に基づきモータ20の駆動を制御する。したがって、回転角センサ41の異常によってEPSECU30が上位ECU4により演算される角度指令値θs*に応じた本来の制御が実行できないとしても、回転角センサ41の異常に応じてより適切に車両の走行状態を維持することができる。
(2)回転角センサ41により検出される回転角度θmが異常である場合、EPSECU30における本来のモータ駆動の制御が実行されないおそれがある。すなわち、上位ECU4により生成される角度指令値θs*に応じたモータ20の出力に対して、EPSECU30により生成されるモータ制御信号Smに応じたモータ20の出力が追従できないおそれがある。
その点、異常判定部36から上位ECU4に出力される特性データPs2,Ps4は、モータ20の出力を抑制する観点で設定されている。そのため、特性データPs2,Ps4に基づき上位ECUにより生成される角度指令値θs*は、モータ20の出力を抑制するものとなっている。そのため、EPSECU30により生成されるモータ制御信号Smに応じたモータ20の出力は上位ECU4により生成される角度指令値θs*に応じたモータ20の出力に追従できるようになる。
(3)また、上位ECU4に回転角センサ41の異常に応じた角度指令値θs*を演算させるための特性データPsが、メモリ36bに記憶されている。そのため、特性データPsを回転角センサ41の異常発生のたびに演算する場合と比較して、車両制御装置の演算負荷をより低減することができる。
(4)また、外部サーバ等のメモリに特性データPsが記憶され、異常判定部36は外部サーバから特性データPsを取得することが考えられる。その場合、通信の遅延や特性データPsの管理に手間がかかるおそれがある。
その点、EPSECU30のメモリ36bに特性データPsを記憶させることにより、異常判定部36とメモリ36bとの間の迅速な通信および特性データPsの管理を容易にすることができる。
尚、本実施の形態は、技術的に矛盾が生じない範囲で以下のように変更してもよい。
・本実施の形態において、メモリ36bには回転角センサ41の異常に応じた特性データPsを記憶していたが、これに限らない。たとえば、電流センサ35に異常が生じた場合における特性データPsを記憶しておいてもよい。この場合、判定部36aは電流センサ35により検出される実電流Iを取り込み、この取り込まれた実電流Iの異常判定をする。判定部36aは、実電流Iが異常であるとき、特性データPsを上位ECU4に出力する。また、回転角センサ41および電流センサ35の異常以外の異常に応じた特性データPsを記憶してもよい。この場合であっても、判定部36aは、その異常に応じた特性データPsを上位ECU4に出力する。このようにしても、本実施の形態と同様の効果を得られる。
・本実施の形態において、メモリ36bには、図3(a)および図3(b)に示すN−T線図およびボード線図における特性線図上のそれぞれ16点のプロット点を特性データPsとして記憶されていたが、これに限らない。たとえば、製品仕様によってプロットする点の数を変更してもよい。
・本実施の形態において、メモリ36bには、N−T線図およびボード線図における特性線図上のプロット点である特性データPsを記憶させていたが、これに限らない。たとえば、回転角センサ41の異常に応じて、上位ECU4により演算される角度指令値θs*をある一定の割合で変化させる定数を記憶させておいてもよい。例えば、モータ20の出力を50%低下させるという観点で定数を設定し、メモリ36bに記憶させておいてもよい。このようにしても、上位ECU4は回転角センサ41の異常に応じた角度指令値θs*を演算することができる。尚、上記した定数設定の観点については一例であり、製品仕様によって適宜変更して定数を設定することが好ましい。
・本実施の形態において、メモリ36bは、異常判定部36に設けられているが、これに限らない。たとえば、EPSECU30内の異常判定部36の外部、および車両Aの外部に設けられた外部サーバに設けてもよい。ただし、外部サーバにメモリ36bが設けられる場合は、本実施の形態における(1)〜(3)の効果が得られる。
・本実施の形態においては、車両Aを自動操舵制御する場合、自動操舵制御部31の位置F/B制御部31cにて角度フィードバック制御を実施していたが、これに限らない。たとえば、位置F/B制御部31cを角速度F/B制御部として、角速度フィードバック制御をしてもよい。この場合、回転角センサ41から検出される回転角度θmから現在の操舵角と角速度を演算する演算部を設け、上位ECU4において角度フィードバック制御を実行するようにする。詳しくは、演算部で回転角度θmに基づいて演算された操舵角を上位ECU4に出力し、上位ECU4はその操舵角および各種センサ90により生成される車両情報θconをもとに追加の操舵角を演算する。角度F/B制御部は、追加の操舵角および演算部で回転角度θmに基づいて演算された角速度を読み込む。角度F/B制御部は、読み込んだ追加の操舵角から角速度指令値を演算し、その角速度指令値および演算部にて演算された角速度を用いてフィードバック制御を実行することで、電流指令値Is*を演算するようにする。このようにしても本実施の形態の(1)〜(4)の効果が得られる。
・本実施の形態においては、上位ECU4に対しての下位の制御部としてEPSECU30を設けていたが、ブレーキ制御部も追加してもよい。たとえば、この場合、EPSECU30が特性データPsに基づき演算された角度指令値θs*に応じてモータ20の出力を抑えて車両Aの走行状態を維持しつつ、ブレーキ制御部においてモータ20の出力を抑えた分を補助するように制御する。このようにすることで、より適切に車両Aの走行状態を維持することができる。
・本実施の形態においては、センサおよびECUをそれぞれ用途によって1つずつ使用していたが、これに限らない。例えば、センサおよびECUをそれぞれ二重化することによって二系統にしてもよい。このような構成とすることで、一方の系統が故障した場合、他方の系統で動作させることで車両制御装置の安全性が向上できる。尚、その場合、その動作に必要な特性データPs(駆動方式およびモータ20の出力50%低下等)をメモリ36bに記憶させておいてもよい。また、センサおよびECUを多重化し、多系統としてもよい。そのようにすることで車両制御装置の安全性をより向上させることができる。尚、センサおよびECUの多重化に応じて、特性データPs(どの系統でどのように駆動させるかを示す駆動方式およびモータ20の出力特性)を適宜変更してメモリ36b記憶させておいてもよい。
1…操舵制御装置、2…操舵機構、3…転舵力付与機構、4…上位ECU、30…EPSECU、36…異常判定部、36a…判定部、36b…メモリ、θs*…角度指令値、Ps…特性データ。

Claims (5)

  1. 車両の走行状態を表す状態量に基づき第1の指令値を生成する第1の制御部と、
    転舵力またはアシスト力を発生させるモータの状態量を検出する検出部と、
    前記第1の指令値および前記モータの状態量を用いて前記モータに対する第2の指令値を生成する第2の制御部と、を備える車両制御装置において、
    前記第2の制御部は、前記検出部により検出される前記状態量が正常か異常かを判定する異常判定部を有し、
    前記異常判定部は、前記状態量を異常と判定した場合、異常の状態に応じた前記第1の指令値を前記第1の制御部が生成するための前記モータの特性情報を前記第1の制御部に出力し、
    前記第1の制御部は、前記車両の走行状態を表す状態量および前記特性情報に基づき前記第1の指令値を生成する車両制御装置。
  2. 前記特性情報は、前記モータの出力を抑制するように設定されている請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記特性情報は、前記モータの出力である回転数と回転トルクとの関係、および前記モータにおける出力変化を示すゲインと角周波数との関係を示したものである請求項2に記載の車両制御装置。
  4. 前記検出部の異常に応じた前記特性情報が記憶されている記憶部を備え、
    前記異常判定部は、前記状態量を異常と判定した場合、前記記憶部に記憶された前記特性情報を前記第1の制御部に出力する請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両制御装置。
  5. 前記記憶部は、前記第2の制御部に設けられている請求項4に記載の車両制御装置。
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