JP6718246B2 - バンプストッパ構造 - Google Patents

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Description

この発明は、ダンパのピストンロッドに取り付けられ、ダンパ本体の上動時に上面部が受け部に当接して衝撃吸収を行うバンプストッパ構造に関する。
従来から車両のサスペンション装置として、車輪支持部材と車体側部材との間にストラット式のダンパ装置を介設して車輪の振動を吸収するようにしたものが知られている。
このようなサスペンション装置においては、ダンパ本体と、バンプストッパを受け止める受け部との間に、ダンパ本体の変位量が急激に大きく変化するバンプ時に、その衝撃荷重(ダンパ本体の突上げ荷重)を受け止めて吸収するバンプストッパが設けられている。
この種のバンプストッパには、受け部側に固定されるタイプのものとダンパのロッド側に取り付けられるタイプのものとがある。
このうち、前者の場合は受け部側にバンプストッパの取付構造を設ける必要があるため、装置自体が大型化するおそれがあるのに対して、後者の場合には、バンプストッパをその弾性力を活かして、ダンパのロッドに対して摺動可能に取り付けることができるため、バンプストッパをコンパクトに配置することができるメリットがある。
しかしその一方で、後者の場合は、バンプストッパがダンパのロッドに対して固定されず、上述したように、摺動可能な状態で取り付けられるため、バンプ時においてダンパ本体が上動してバンプストッパに衝突すると、バンプストッパがダンパのロッドに沿ってスライドして、その上面部が受け部への当接時に異音が発生するおそれがあった。
しかも、バンプストッパは、ダンパのロッドとの接触抵抗により、バンプ時にダンパ本体が衝突直後にダンパのロッドに沿って滑らかにスライドせず、スライド開始前の位置において踏ん張るように留まりながらある程度圧縮する。その後、バンプストッパは、その圧縮に対する反力も加わった状態で一気に上動して上面部が受け部に衝突するため、バンプ時に打音のような異音が発生するおそれもあった。
バンプ時に、ダンパのロッド側に取り付けられるタイプのバンプストッパの上面部が受け部に衝突する際に異音が発生するという上述した課題に対して、例えば、下記特許文献1が提案されている。
特許文献1には、後端側(上面部側)に、バンプストッパ受け止め部材(受け部)側に向かって長く突出するとともに、上方程径方向外側に拡がるように長尺状に突出したリップ(12)と、該リップ(12)が所定量だけ撓むとバンプストッパ受け止め部材に当接する半球状に突出したリップ(16)との2種類のリップを備えたバンプストッパが開示されている(特許文献1中の図6参照)。
しかしながら特許文献1のバンプストッパの場合、長尺状のリップ(12)を、径方向外側へ撓むように径方向外側に拡がる形状で形成しているため、該リップ(12)がバンプストッパ受け止め部材への当接時には上面部に対して径方向外側へはみ出して撓み変形することになる。
そうすると、バンプストッパがバンプストッパ受け止め部材への当接時にリップ(12)による十分な衝撃吸収性能(緩衝性能)を得るためにリップ(12)が径外方向に撓むことができるスペースをバンプストッパの径方向外側周辺に確保する必要があり、バンプストッパの配置箇所をコンパクト化することができない点で改善の余地があった。
その一方で長尺状のリップ(12)を、バンプストッパの上面部の径方向内側に撓むように形成した場合には、該長尺状のリップ(12)が撓み変形時に半球状のリップ(16)に重なることにより十分な衝撃吸収性能を得ることができないおそれがあった。
また、特許文献2には、受け部との当接時の緩衝用の突起として、上面部から上方へ向けて突出させた環状の突起を備えたバンプストッパが開示されている。
しかし、特許文献2の突起は、上面部から真直ぐに上方へ向けて突出しているため(特許文献2中の図4、図6参照)、受け部との当接時に突起が径方向内側と径方向外側とのいずれの側へ倒れるかについて特定し難い。このため、受け部との当接時に突起が撓み変形する際に、該突起が上面部に対して径外方向へ確実にはみ出さないようにしようとするためには、突起を上面部の真中辺りのみに配置せざるを得ないことや突起の長さを十分に確保できないという制約を受けることなる。
従って、特許文献2のバンプストッパは、突起による十分な衝撃吸収性能を得ることができないおそれがあり、上述した特許文献1のバンプストッパも含めて結果的に異音防止効果が期待できないおそれがあった。
特開2006−38022号公報 特開昭62−215137号公報(特公平03−056333号公報)
そこでこの発明は、バンプストッパの配置箇所をコンパクトにしつつ、突起による異音防止効果を得ることを目的とする。
この発明のバンプストッパ構造は、ダンパのピストンロッドにバンプストッパを備え、該バンプストッパ上方に、ダンパ本体の上動時に前記バンプストッパの上面部が当接する受け部が配置されたバンプストッパ構造であって、前記バンプストッパの前記上面部に、上方へ突出する突起を備え、上記突起は、前記受け部と当接した際に所定方向に撓み変形するように、前記上面部における箇所に、前記所定方向に傾いた突形状で設けられ、かつ座屈しないで撓み変形する肉厚を有して形成され、前記所定方向は、前記突起が、前記受け部と当接した際に、前記上面部の径方向外側へはみ出さず該上面部の側へ撓み変形して倒れる方向であり、さらに前記突起は、前記受け部と当接した際に、前記上面部に倒れ込んだ部位が、前記受け部からの荷重を受けて上下方向に圧縮変形するように、前記上面部よりも上方に位置する厚みを有して形成されたものである。
上記構成によれば、突起を上面部側へ倒れるように撓み変形させながらも突起の長さを十分に確保することができるため、バンプストッパの配置箇所をコンパクトにしつつ、突起による異音防止効果を得ることができる。
ここで前記所定方向とは、バンプストッパ上面部が受け部に当接して突起が撓み変形する際に、該突起が倒れ込む特定の方向すなわち、一義的に決定される突起の倒れ込み方向を示すものとする。
この発明の態様として、前記上面部に、倒れた状態の前記突起の一部を格納し、残りの部分を前記上面部に対して突出させる凹部を設けたものである。
上記構成によれば、倒れた状態の突起の一部を凹部に格納し、残りの部分を上面部に対して突出させることにより、バンプストッパ上面部が受け部への当接時に、該残りの部分を受け部に当接させることができ、突起を倒れるように撓み変形させるだけでなく倒れた状態の突起を圧縮変形させることができる。これにより、受け部との当接による衝撃吸収性能を高めることができる。
すなわち、例えば、突起を倒れるように撓み変形させるだけで受け部への当接時の衝撃を吸収するよりも短い倒れ変形長さ(変形ストローク)で異音を防止することができる一方で、倒れた状態の突起の一部を凹部に格納することで底付き後の突起が打音の原因になることを防ぐことができる。
またこの発明の態様として、前記凹部は前記突起の厚みよりも浅く形成したものである。
上記構成によれば、突起を効率的に圧縮させることができる。
またこの発明の態様として、前記凹部は前記突起の高さ(長さ)よりも短く形成したものである。
上記構成によれば、倒れた状態の突起の位置の調整を容易に行うことができる。
この発明によれば、バンプストッパの配置箇所をコンパクトにしつつ、突起による異音防止効果を得ることができる。
本実施例のバンプストッパを備えたサスペンション装置上部の縦断面図 本実施例のバンプストッパの平面図 本実施例のバンプストッパの片側断面図 本実施例のバンプストッパの上部の一部を示す斜視図 本実施例のバンプストッパの作用説明図 本実施例のバンプストッパの作用説明図 バンプストッパの荷重特性を示す特性図及び試験方法の説明図 本発明の他の実施例のバンプストッパの説明図 本発明の他の実施例のバンプストッパの説明図 本発明の他の実施例のバンプストッパの説明図
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図1は本実施例のバンプストッパを備えた右前輪用のストラット式サスペンション装置における上部の縦断面図、詳しくは図2中のA−O−B線矢視に相当する断面を示す。但し、図1中のバンプストッパは端面図で示している。図2は本実施例のバンプストッパの平面図であり、図3は本実施例のバンプストッパの左片側を断面とした正面図であり、紙面向かって左側の断面は図2中のA−O線矢視断面である。図4は本実施例のバンプストッパの上部の一部を示す斜視図である。
さらに、図1中、矢印Uは車両上方を示し、矢印INは車両内方を示し、矢印OUTは車両外方を示し、図2中、矢印drは上面部の径方向内側を示し、図中、矢印Rはロッド軸方向を示す。
本実施例のバンプストップラバー30(以下、「バンプストッパ30」という。)を備えた車両のサスペンション装置1は、図1に示すように、車輪を回転自在に支持する不図示の車輪支持部材(ナックル)と車体側部材との間に備えたストラット式のサスペンション装置であり、車輪の振動を衝撃吸収するように構成している。
サスペンション装置1には図1に示すように、ダンパ2を備え、該ダンパ2は、車輪支持部材に対して下端が固定されたダンパ本体としてのダンパ外筒3と、該ダンパ外筒3内を進退作動する不図示のピストンに連結されたピストンロッド4(以下、「ロッド4」という。)とを備えた油圧ダンパである。
なお、ダンパ外筒3の上端には、ロッド4をダンパ外筒3に対して出し入れ自在に該上端の開口を閉塞するとともにバンプ時にダンパ外筒3が上動してバンプストッパ30の下端に当接するバンプキャップ5を嵌装している。
また、ロッド4の上端は、サスペンション装置1のマウント部材としての車体側取付部6に固着されている。車体側取付部6の下部には、ダンパ2および後述するスプリング15からの入力荷重を別々に受け止める受止めブラケット14を該車体側取付部6に対して一体に固着している(図1参照)。
そして、ダンパ外筒3の中間部に下側バネ座19が固定され、該下側バネ座19と、受止めブラケット14に設けられた後述する上側バネ座142との間であって、バンプストッパ30よりも径方向外側には、ダンパ外筒3の上下動を緩衝するコイル状のスプリング15が介設されている。
車体側取付部6は、ロッド4を支持するロッド支持部7と、車体側へ取り付ける取付プレート12と、これらロッド支持部7と取付プレート12との間に介在するラバー13等で一体に構成している。
ロッド支持部7は、取付プレート12よりも径方向内側に備えており、上カップ7aと下カップ7bとで構成している。これら上カップ7aおよび下カップ7bは、いずれもロッド4の上端を挿通可能な貫通孔11,11を有した有底円筒状に形成され、互いの底面部が背中合わせでロッド軸方向の上下に配置されるようにロッド4の上端を挿着している。詳しくは、ロッド支持部7は、ロッド4の上端下部に形成した段付状の肩部21に係合され、さらに上方からロッド4の上端に螺合するナットNで締結している。
取付プレート12は、車体側の不図示のストラットタワーにボルトB等の締結部材により一体に取り付け可能に車体側取付部6の上部外周側に備えている。
また、車体側取付部6の下部に備えた上述の受止めブラケット14は、その中心にロッド4を挿通する貫通孔14aが形成され、該受止めブラケット14の下部外周には、上側バネ座142を形成するとともに、下部内周には、バンプストッパ30の上面部35が当接するバンプストッパ30の受け部141を形成している。さらに、受止めブラケット14の貫通孔14aを形成する内周面16の下端部には、受け部141の内周面16と下面17とで形成されるエッジ部18(角部)を有している。
上述のバンプストッパ30は、図1〜図3に示すように、ロッド4が挿通可能に貫通形成した挿通孔31を有する略円筒状の部材であり、全体がウレタン等の弾性部材からなる成形体である。このバンプストッパ30は、ロッド4の上部、すなわちロッド軸方向のダンパ外筒3と受け部141との間にロッド4に対して同心状に取り付けられている。
図3に示すように、バンプストッパ30は、その上部よりも下側部分であって外周面側および内周面側には、ロッド軸方向に環状の山部32a,33aと溝部32b,33bとを交互に設けながら下方程先細り(下方程薄肉)になるように蛇腹状に形成している。
このように、バンプストッパ30の下側部分における内周側および外周側に、複数の環状の山部32a,33aと溝部32b,33bとを形成することで、バンプストッパ30の下方のばね定数を小さくし、バンプストッパ30の下端がダンパ外筒3上端に備えたバンプキャップ5に衝突してからばね定数が順に大きくなるように上側部分へ順に圧縮され、バンプ時の衝撃を効果的に吸収するようにしている。
また、バンプストッパ30の下端には、バンプキャップ5が当接可能に下方へ向けて突出する複数の下端突起34を周方向に等分配している(図1、図3参照)。
さらにまた、バンプストッパ30の内周面の上部およびロッド軸方向の中間部の各山部33a(径方向内側への突出部分)には、図2、図3に示すように、ロッド軸方向に延びる縦溝33cを形成している。本実施例においては、縦溝33cはバンプストッパ30の内周面における周方向の所定部位であって、径方向に対向する各位置に一対形成している(図2参照)。
ところで図1〜図4に示すように、バンプストッパ30の上面部35には、該上面部35(詳しくは後述する隆起部39)から上方に突出するとともに、上下方向に長い複数の突起36が設けられている。本実施例においては、図2に示すように、バンプストッパ30の上面部35に6つの突起36を備え、夫々上面部35の外周側に等分配している。すなわち、これら突起36は、それぞれ挿通孔31を隔ててバンプストッパ30の径方向に対向する対(ペア)となるものが存在するように配設され、バンプストッパ30の上面部35において、互いに対向する一対の突起36,36が3組構成されるように配設されている(図2参照)。
これら突起36は、図1〜図4に示すように、先端(上端)に丸みを持たせた先細り形状に形成している。詳しくは、突起36におけるバンプストッパ30の径方向外側部分は、先端から下方へ円錐状に形成するとともに、突起36におけるバンプストッパ30の径方向内側部分には径方向内側へ対向するように上面部35(詳しくは後述する隆起部39)から略平面状に立ち上がる立上がり面36a(図3、図4参照)を有している。突起36は、立上がり面36aが上方程径内側へ若干傾いた前傾姿勢の突形状で形成している(図1〜図4参照)。また突起36は、倒れ方向であるバンプストッパ30の径方向の肉厚よりも、上下方向に長く形成していることが好ましい。
このような突起36は、ウレタン等の弾性部材で撓み変形可能に形成しているとともに、上述した突形状としていることにより、バンプ時に受け部141に当接すると、該受け部141から受ける荷重により、上面部35からバンプストッパ30の径方向外側へはみ出さずに該バンプストッパ30の径方向内側(上面部35側)へ確実に倒れ込むように撓み変形(内倒れ)する突形状としている。
また、突起36は、内倒れ時に途中で座屈することのない肉厚を確保して形成している。
突起36は、内倒れた状態で上面部35におけるエッジ部18に対応する部位をバンプストッパ30の径方向に跨ぐ長さを有しているが、先端部が挿通孔31に到達しない(、すなわちロッド4に当接しない)長さで形成している(後述する図6(a)参照)。
バンプストッパ30の上面部35には、図2〜図4に示すように、内倒れた状態の突起36を該上面部35(詳しくは後述する隆起部39)に対して下方に退避させる凹部37を形成している。
また、上面部35に上述した凹部37を形成することにより、上面部35における凹部37以外の部分には、凹部37の底面に対して隆起する隆起部39が形成されている。本実施例における隆起部39は、バンプストッパ30の上面部35において、周方向に隣り合う凹状部分37aの間部分に形成されるとともに、突起36を下側から支持するように突起36の配置箇所に形成している(図1、図2、図4参照)。
上記凹部37は、図2に示すように、上面部35において、バンプストッパ30の径方向で対向する一対の突起36,36を繋ぐように挿通孔31を跨いで対角線状に形成した凹状部分37aを有している。そして本実施例の上面部35には、径方向に対向する一対の突起36,36を3組分有しているため、これら3組有する一対の突起36,36に対応させて周方向において3つの凹状部分37aを等分配させて形成している。これにより、3つの凹状部分37aを備えた凹部37は、上面部35において平面視放射状に形成している。さらに、凹部37は、上記3つの凹状部分37aが上面部35の中心で交わる部分すなわち、上面部35における挿通孔31の周縁部も含めて形成している(図2〜図4参照)。
上記構成により、凹部37は、上面部35における、上述のエッジ部18に対応する部位に少なくとも形成している(後述する図5(a)、図6(a)参照)。
さらに凹部37は、上面部35における突起36の基部36M周辺を含めて形成している。
詳しくは、図2〜図4に示すように、突起36の基部36M周辺、すなわち突起36における上面部35の周方向の両側、換言すると突起36における平面視で径方向に直交する方向の両側には、突起側方溝38を凹部37の一部として形成しており、該突起側方溝38は、上面部35の突起36に対して径方向内側の凹状部分37aと、バンプストッパ30の上部に対して径方向外側空間とが径方向に沿って連通するように径方向に延びる溝状に形成している。
上述した凹部37は、図2に示すように、突起36の上記両側に形成した突起側方溝38の分だけ突起36の幅よりも広く形成している。本実施例の凹部37は、内倒れ状態の突起36が受け部141から荷重を受けてさらに厚み方向へ圧縮変形するに伴って幅方向外側へ広がるように変形した際に、その変形を許容する幅を有して形成している(図6(c)参照)。
さらに、凹部37は、内倒れた状態の突起36の一部を格納し、残りの部分を前記上面部35に対して突出する深さDに形成している(後述する図5(c)参照)。
本実施例において、凹部37は、内倒れた状態の突起36の基部36Mの厚みTM(ロッド軸方向の長さTM)よりも浅く形成している(TM>D、後述する図5(c)、図6(c)参照)。さらに、凹部37は、バンプ時に、バンプストッパ30の上面部35が受け部141に当接しても内倒れた状態の突起36がエッジ部18に当接しないように上面部35(詳しくは、隆起部39)に対して下方へ退避させることができるように、内倒れた状態の突起36の先端部36N、すなわちエッジ部18に対応する部分の厚みTNよりも深く形成している(TN<D、図1、後述する図5(c)、図6(b)参照)。
上述したサスペンション装置1がバンプ時に、ロッド4におけるバンプキャップ5と受け部141との間に嵌着したバンプストッパ30が奏する作用について図5(a)、(b)、(c)および図6(a)、(b)、(c)を用いて説明する。
なお、図5は本実施例のバンプストッパ30の作用説明図であり、詳しくは、図5(a)は、バンプ時にバンプストッパ30が受け部141に衝突する前の状態を示す要部断面図であり、図5(b)は、バンプ時にバンプストッパ30が受け部141に衝突した状態を示す要部断面図であり、図5(c)は、図5(b)のX部拡大図である。図6は本実施例のバンプストッパ30の作用説明図であり、詳しくは、図6(a)は、図5(b)中のD−D線矢視の要部拡大図であり、図6(b)は、図5(b)中のE−E線矢視の要部断面図であり、図6(c)は、図5(b)中のF−F線矢視の要部断面図である。また、図6(a)中のドット部分は、受け部141との当接部分を示し、符号18は受け部141のエッジ部を示す。
バンプ時にはスプリング15の圧縮変形とともにダンパ外筒3が上動し、バンプキャップ5がバンプストッパ30の下端に当接することにより、バンプストッパ30がロッド軸方向に圧縮変形するとともにバンプストッパ30の上面部35が受け部141の下面17に当接する。
なお、バンプキャップ5が当接する前に受け部141とバンプストッパ30との間に隙間がある場合にも、ダンパ外筒3の上動に伴ってバンプキャップ5によりバンプストッパ30が図5(a)中の矢印に示すように、ロッド軸方向に沿って押上げられ、バンプストッパ30の上面部35が受け部141の下面17に当接する。
バンプストッパ30が受け部141に当接する際には、まず、突起36が受け部141に当接することで、図5(b)、(c)、図6(a)に示すように、突起36は、受け部141からの衝突荷重を吸収しながら内倒れ(バンプストッパ30の径方向内側へ撓み変形)する。
このとき、内倒れた状態の突起36は、図5(b)、(c)、図6(b)、(c)に示すように、突起36の先端部36Nを含む一部が凹部37に格納された状態となるが、残りの部分、すなわち突起36の基部36Mの厚み方向の上部は、上面部35に対して突出した状態となる。
そして、内倒れた状態の突起36の基部36Mの上部が受け部141から荷重を受けて突起36が厚み方向に圧縮することによって、バンプストッパ30の上面部35は、受け部141に当接する際の衝撃を吸収することができる。
さらに本実施例においては、図5(c)、図6(b)に示すように、凹部37の底面に内倒れた状態の突起36の先端側部分、すなわちエッジ部18に対応する部位は、上面部35(詳しくは、隆起部39)に対して凹部37へ退避した状態となる。これにより、バンプ時にバンプストッパ30の上面部35が受け部141に当接した際に、突起36が受け部141のエッジ部18からせん断荷重を受けることを回避することができる。
なお、バンプストッパ30によりバンプ時の衝撃吸収後に、ダンパ外筒3が下動した際には、突起36はその弾性力により上方へ突出した図5(a)に示すような状態に復元する。
ここで、上述した本実施例のバンプストッパ30と、比較例として上面部に本実施例のような突起36を備えていない従来のバンプストッパ(図示省略)との夫々についての荷重と撓みとの関係を示す荷重特性を測定し、バンプ時における衝撃吸収性能について比較する効果確認試験を行った。なお、効果確認試験の際には、図7(a)に示すように、バンプストッパ30の上部を外周側からホルダ等の治具100で保持し、この保持された状態のバンプストッパ30の上面部35に対して、上方から受け部141に対応する押圧治具101によりバンプ時と同様の荷重を加えることで荷重特性を測定した。なお、比較例のバンプストッパについても上述した本実施例のバンプストッパ30の場合と同様の要領で荷重特性の測定を行った。
その結果、図7(b)に示すように、バンプ時の荷重に対して荷重が急峻に立ち上がる荷重特性bを示した比較例のバンプストッパと比較して本実施例のバンプストッパ30は、荷重が緩やかに立ち上がる荷重特性aを示したことから本実施例のような突起36を備えていない比較例のバンプストッパと比較して衝撃吸収性に優れ、結果的にバンプ時における異音の発生を抑制できることを確認できた。
上述したサスペンション装置1は、ダンパ2のピストンロッド4にバンプストッパ30を備え、該バンプストッパ30上方に、ダンパ外筒3の上動時にバンプストッパ30の上面部35が当接する受け部141が配置され(図1参照)、バンプストッパ30の上面部35に、所定方向として径方向内側dr(図2参照)に撓み変形するとともに上面部35に倒れるように撓み変形する上下方向に長い突起36が設けられたものである(図2〜図6参照)。
上記構成によれば、受け部141からの荷重を受けて突起36が倒れ変形する際と、倒れた状態で圧縮変形する際との夫々において衝撃吸収性能を得ることができる。このように1つの突起36に撓みと圧縮との双方の変形による衝撃吸収性能を担わせたので、例えば、撓み用の突起と圧縮用の突起との2種類の突起を設けた従来のバンプストッパのように、バンプストッパの上面部が受け部141へ当接した際に、撓み用の突起が撓んで圧縮用の突起に干渉することにより2種類の突起の衝撃吸収性能が互いに打ち消し合うことがない。さらに、このような2種類の突起の干渉の問題が生じることもないため、突起36の長さを十分に確保することができ、結果的に優れた衝撃吸収性能を得ることができる。
しかも、突起36は、所定方向、本実施例においては径方向内側dr(図2参照)に撓み変形させることができるため(図5(c)、図6(a)参照)、複数の突起36を上面部35の径方向外側へ配設しても、確実に上面部35にから径方向外側へはみ出さないように上面部35側へ倒れ変形させることができる。
従って、バンプストッパ30の配置箇所をコンパクトにしつつ、突起36による異音防止効果を得ることができる。
加えて、上記構成によれば、突起36は上面部35において所定方向すなわち、特定の一方向(径内側方向)に倒れるように形成したため、図2〜図4に示すように、上面部35に突起36を格納するための凹部37を上面部35に設ける場合であっても、従来のバンプストッパのように、突起が倒れる方向を特定できないために凹部を上面部における突起周辺全体に形成する必要がない。
よって、凹部37は、突起36に対して所定方向の側(径方向内側)のみに形成すれば足りるため、バンプストッパ30の上部の肉を確保でき、バンプストッパ30全体としての衝撃吸収性能を確保することができる。
さらにまた、上面部35において突起36がバンプストッパ30の所定方向(径内側方向)に倒れるように形成したため、倒れた突起36が上面部35から径方向外側へはみ出さないようにするために突起36の上面部35における配置箇所が径方向内側に限定されることや突起36の長さ等の制約を受けることがなく、突起36の配置や長さを任意に設定することができ、安定した衝撃吸収性能を得ることができる。
この発明の態様として、バンプストッパ30の上面部35に、倒れた状態の突起36の一部を格納し、残りの部分としての突起36の基部36Mの厚み方向の上部を上面部35に対して突出させる凹部37を設けたものである(図1〜図6の特に図5(c)参照)。
上記構成によれば、バンプストッパ30の上面部35が受け部141に当接する際に、突起36を倒れ変形させるだけでなく、内倒れた状態の突起36における上面部35から突出する残りの部分が受け部141から荷重を受けることで突起36を圧縮変形させることができる。
これにより、バンプストッパ30の上面部35が受け部141への当接時に、突起36による緩衝性能を高めることができ、異音を防止することができる。
さらに、突起36の撓み変形する長さ(ストローク)を過剰に長くする必要もなく突起36を短い突出長さ(倒れ変形ストローク)とすることができるとともに、撓み用と圧縮用との2種類の突起を上面部に設けた場合に生じるおそれのある上述した2種類の突起同士の干渉の問題をより確実に防ぐことができる。
しかも、バンプストッパ30の上面部35が受け部141への当接時に、内倒れた状態の突起36の一部を格納することで、内倒れた状態の突起36と受け部141との接触面積が大きくなりすぎるおそれを防ぐことができる。これにより、内倒れた状態の突起36が受け部141に衝突直後におけるバンプストッパ30のバネ定数が大きくなりすぎることを抑え、底付き後の突起36(上面部35に倒れるまで撓んだ突起36)が打音の要因になることを防ぐことができる。
さらにまた、例えば、突起36の形状(長さ、厚み)と凹部37の形状(深さ、幅)、或いはこれら突起36や凹部37の配置箇所に応じて突起36の倒れ変形時と圧縮変形時との衝撃吸収性能を別々に設定することも可能となり、設計自由度を高めることができる。
この発明の態様として、凹部37は突起36の厚みよりも浅く形成したものである(図4、図5(c)、図6(c)参照)。
上記構成によれば、撓み変形した状態の突起36の厚み方向の一部は凹部37に格納され、残り部分としての突起36基部36Mの上部が上面部35に対して突出させる(すなわち、凹部37からはみ出す)ことができるため、バンプ時に、この突起36の基部36Mの上部が受け部141に当接して受け部141から衝突荷重を受けることで突起36を効果的に圧縮させることができ、優れた衝撃吸収性能を得ることができる。
従って、例えば、倒れ変形した突起36全体を凹部37に格納して受け部141からの荷重を上面部35(詳しくは、隆起部39)によって受ける場合と比較して突起36による緩衝性能を高めて異音を防ぐことができる一方で、例えば、倒れ変形した突起36全体を凹部37に格納しないで突起36全体で受け部141からの荷重を受ける場合とは異なり、受け部141に衝突直後において底付き後の突起36が打音の要因になることを防ぐことができる。
また、上述したサスペンション装置1は、ダンパ2のピストンロッド4にバンプストッパ30を備え、該バンプストッパ30上方に、ダンパ外筒3の上動時にバンプストッパ30の上面部35が当接する受け部141が配置され、受け部141における上面部35との当接部位にエッジ部18が設けられ(図1、図5(a)、(b)、(c)、図6(a))、バンプストッパ30の上面部35に、該上面部35に倒れるように撓み変形する上下方向に長い突起36が設けられ(同図参照)、上面部35における少なくともエッジ部18に対応する部位に、倒れた状態の突起36を上面部35に対して下方に退避させる凹部37を形成したものである(図5(b)、(c)、図6(a)、(b)参照)。
上記構成によれば、バンプストッパ30の上面部35に設けた上下方向に長い突起36を倒れ変形させることで突起36の撓バネ定数を下げることができ、ダンパ外筒3の上動時にバンプストッパ30の上面部35が受け部141に当接することによる衝撃が急激に高くならないようにその衝撃を吸収することができる。
さらに、バンプストッパ30の上面部35における少なくともエッジ部18に対応する部位に、該上面部35に向けて倒れた突起36を退避させる凹部37を設けたため、受け部141のエッジ部18によるせん断荷重により突起36が損傷することを防ぐことができる。
しかも、突起36は、受け部141との当接時に内倒れによって受け部141のエッジ部18によるせん断荷重により突起36が損傷することを考慮して上面部35の径方向外側へ撓み変形(外倒れ)させる必要がないため、バンプストッパ30の配置スペースのコンパクト化を図ることができる。
またこの発明の態様として、凹部37を、上面部35における突起36の基部36M周辺を含めて形成することができる。すなわち、本実施例において、凹部37は突起36の周方向の両側に形成した突起側方溝38を含めて形成することができる(図2〜図4参照)。
上記構成によれば、凹部37を突起36の基部36Mの周辺まで形成することで、実質的に突起36の長さを確保しつつ、突起36の基部36M側も含めてより撓み変形させることができるため(図5(b)、(c)、図6(a)参照)、突起36のエッジ部18に対応する部位が上面部35(詳しくは、隆起部39)に対して下方に確実に退避するまで突起36を倒れ変形させることができる。
またこの発明の態様として、突起36は先細り形状で形成したものである(図1〜図4参照)。
上記構成によれば、凹部37を深く形成せずとも受け部141に設けたエッジ部18により突起36がせん断荷重を受けて損傷しないように退避させることができるため(図5(c)、図6(b)参照)、凹部37を形成することによるバンプストッパ30の肉の減少を最小限に抑制し、バンプストッパ30の衝撃吸収性能を確保することができる。
またこの発明の態様として、上面部35において突起36を互いに対向するように対角線状に設け、凹部37をこれら突起36を繋ぐように形成したものである(図2参照)。
上記構成によれば、倒れ込み状態の突起36を上面部35に対して下方へ退避させる凹部37(凹状部分37a)を、一対の突起36,36間で共通化することができる。よって、受け部141に設けたエッジ部18により突起36がせん断荷重を受けて損傷しないように突起36を上面部35に対して下方へ退避させつつ、上面部35に凹部37を効率よく設けることでバンプストッパ30の上部の肉を確保して衝撃吸収性能を確保することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、バンプストッパ構造は、サスペンション装置1に対応し、以下、同様に、
ダンパ本体は、ダンパ外筒3に対応し、
所定方向は、径方向内側drに対応し、
突起の残りの部分は、突起36の基部36Mの厚み方向の上部に対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上述した実施例では、凹部37は、上面部35において突起36の高さ(長さ)よりも長く形成したが(図2、図6参照)、他の実施例として、図8(a)、(b)に示すように、凹部37Aは突起36の高さ(長さ)よりも短く形成してもよい。
なお、図8(a)、(b)はいずれも他の実施例のバンプストッパ30Aを断面で示した構成説明図であり、図8(a)は受け部141に衝突前の状態を示すとともに、図8(b)は受け部141に衝突した状態を示す。また、以下で説明する他の実施例は、上述したバンプストッパ30と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
詳しくは、図8(a)、(b)に示すように、本実施例の凹部37Aは、内倒れた状態の突起36を平面視で横切るように上面部35に、平面視で径方向に直交する方向に沿って設けている。そして凹部37Aの幅LA(径方向長さ)は、突起36の高さH(長さ)よりも短く形成している。
これにより、本実施例においては、バンプストッパ30の上面部35が受け部141への当接時に突起36が上面部35に倒れ込んだ状態において、図8(b)に示すように、該突起36の長さ方向の一部、すなわち、凹部37Aを跨ぐ部分の少なくとも一部(下部)が凹部37Aに格納され、残り部分、すなわち凹部37Aに対して径方向の両側等の部分が上面部35から突出した状態とすることができる。
よって、バンプストッパ30の上面部35が受け部141に当接する際に、突起36を倒れ変形させるだけでなく、倒れた状態の突起36における上面部35から突出する部分が受け部141から荷重を受けることで突起36を圧縮変形させることができ、凹部37を突起36の厚みよりも浅く形成した上述した実施例と同様に、突起36の倒れ変形と圧縮変形との双方の衝撃吸収性能を得ることができる。
また、バンプストッパ30の上面部35が受け部141への当接時に、内倒れた状態の突起36の一部を格納することで、上述したように、内倒れた状態の突起36が受け部141に衝突直後におけるバンプストッパ30のバネ定数が大きくなりすぎることを抑え、底付き後の突起36が打音の要因になることを防ぐことができる。
加えて上述したように、上面部35における凹部37の形状(深さ、長さ)、配置箇所、配置数等に応じて、上面部35に倒れ込んだ状態の突起36のいずれの部位を凹部37に格納し、残り部分を上面部35から突出させるかについて設定することができる。これにより、受け部141から受ける荷重に対して倒れ込み状態の突起36による反力(弾性力)を調整することができる。
また、本発明のバンプストッパは、上面部35に備えた突起36が受け部141に当接時して撓み変形する際に、必ずしも上面部35の径方向内側に撓み変形(内倒れ)するように突起36を構成に限らず、上面部35から径方向外側へはみ出さずに上面部35側に倒れ込む構成であれば、例えば、上面部35の周方向や径方向外側に倒れ込むように撓み変形する構成としてもよい。
例えば、他の実施例のバンプストッパ30Bのように、上面部35に備えた突起36Bが、上面部35の周方向(平面視で径方向に直交する方向)に倒れ込むように形成してもよい。
バンプストッパ30Bの上面部35には、例えば、図9に示すように、長辺が径方向に直交するように平面視矩形状に形成した4つの凹部37Bを周方向に等分配している。そして夫々の凹部37Bの底面における長辺方向の両側には、長辺方向で互いに対向するように配置した一対の突起36B,36Bを形成している。
上記構成により、これら一対の突起36B,36Bは、夫々受け部141との当接時に、対向する他方の突起36B側へ倒れ込む。その際、図9中に仮想線で示した突起36Bのように、一対の突起36B,36Bは、凹部37Bにおける短辺方向の一方側と他方側とに互い違いに倒れ込んで互いに干渉しないように突出形成しているため、受け部141との当接時に倒れ込み変形して優れた衝撃吸収性能を得ることができる。
また、図10(a1)は本発明の他の実施例のバンプストッパ30Cの平面図であり、図10(a2)、(a3)は図10(a1)中のG−G線矢視の要部を示す断面により示した作用説明図であり、図10(a2)は受け部141に衝突前の状態を示すとともに、図10(a3)は受け部141に衝突した状態を示す。
図10(a1)、(a2)に示すように、本実施例のバンプストッパ30Cは、その上面部35において凹部37Cを上述した実施例のように放射状に形成せず、エッジ部18に対応する部位として挿通孔31の外周縁部にのみにロッド軸方向と同心円状に形成している。
上記構成によれば、図10(a3)に示すように、バンプ時にバンプストッパ30Cの上面部35が受け部141に当接した際に、撓み変形した状態の突起36の基部36Mが上面部35(詳しくは、隆起部39C)に対して突出させる(すなわち、凹部37Cからはみ出す)ことができるため、上述したように、バンプ時に、突起36の撓み変形と圧縮変形との双方による優れた衝撃吸収性能を得ることができる。
しかも、上記構成によれば、図10(a3)に示すように、バンプ時にバンプストッパ30Cの上面部35が受け部141に当接した際に、内倒れた突起36における先端部36N、すなわち受け部141のエッジ部18に対応する部位は、上面部35(詳しくは、隆起部39)に対して凹部37に退避した状態とすることができるため、せん断荷重により損傷することを防ぐことができる。
加えて、バンプストッパ30Cは、その上面部35において凹部37Cを、受け部141のエッジ部18に対応する部位のみに形成し、それ以外の部位には極力形成しない構成としたため、凹部37Cを形成することによるバンプストッパ30Cの肉の減少を最小限に抑制し、バンプストッパ30Cの衝撃吸収性能を確保することができる。
また、図10(b1)、(b2)は、本発明のさらに他の実施例のバンプストッパ30Dの説明図であり、図10(b1)は受け部141に衝突前の状態を示すとともに、図10(b2)は受け部141に衝突した状態を示す。
図10(b1)、(b2)に示すバンプストッパ30Dは、上述した実施例と同様に、突起36を先端程径方向の肉が薄くなるように先細り形状に形成しおり、この先細り形状の突起36に対応させて凹部37Dの底面をバンプストッパ30Dの径方向外側から径方向内側へ徐々に浅くなるように傾斜して形成している。但し、この凹部37Dにおいても、内倒れた突起36の少なくともエッジ部18に対応する部位が上面部35に対して退避した状態となる深さを確保しているものとする(図10(b2)参照)。
上記構成によれば、撓み変形した状態の突起36の厚み方向の一部は凹部37Dに格納され、残り部分としての突起36の基部36Mの上部が上面部35に対して突出させることができるため、上述したように、バンプ時に、突起36の撓み変形と圧縮変形との双方による優れた衝撃吸収性能を得ることができる。
さらに、上記構成のように、凹部37Dの底面をバンプストッパ30Dの径方向内側が径方向外側よりも高くなるように形成しても、バンプ時にバンプストッパ30Dの上面部35が受け部141に当接した際に、内倒れた突起36における受け部141のエッジ部18に対応する部位は、上面部35(詳しくは、隆起部39)に対して凹部37Dに退避した状態となるように形成したため(図10(b2)参照)、エッジ部18からのせん断荷重による損傷を低減、或いは回避することができる。
しかも、凹部37Dをバンプストッパ30Dの径方向外側から径方向内側へ徐々に浅くなるように形成することで、凹部37Dの全体を径方向外側と同様の深さで形成する場合と比較して、凹部37を形成することによるバンプストッパ30Dの肉の減少を最小限に抑制し、バンプストッパ30Dの衝撃吸収性能を確保することができる。
また本発明は、例えば、図1に示すバンプストッパ30のように、上面部35に、倒れた状態の突起36の一部を格納し、残りの部分としての突起36の基部36Mの上部を上面部35に対して突出させる凹部37を設けた構成したが(図5(c)参照)、このような構成に限定しない。
さらに、図5(c)に示すように、倒れ変形した突起36の少なくともエッジ部18に対応する部位は上面部35に対して凹部37へ退避させる構成としたが、このような構成に限定しない。
すなわち、本発明は、例えば、図示しないが倒れた突起36全体が上面部35から突出させた状態となるように上面部35に凹部37を全く形成しない構成や、倒れた突起36を凹部37に全く格納しない構成を排除するものではない。
また、上述した実施例では、受け部141に形成したエッジ部18は、受け部141の内周面16と下面17とで形成されるエッジ部としたが、これに限らず、例えば、受け部141に形成した空気や水を流すための溝、孔等の縁部に形成される図示しないエッジ部(角部、突状部)を対象としてもよい。
以上説明したように、本発明は、ダンパのピストンロッドに取り付けられ、ダンパ本体の上動時に上面部が受け部に当接して衝撃吸収を行うバンプストッパ構造について有用である。
1…サスペンション装置(バンプストッパ構造)
2…ダンパ
3…ダンパ外筒(ダンパ本体)
4…ロッド(ピストンロッド)
30,30A,30B,30C,30D…バンプストッパ
35…バンプストッパの上面部
36,36B…突起
37,37A,37B,37C,37D…凹部
141…受け部
dr…径方向内側(所定方向)
TM…突起基部の厚み
H…突起の高さ
D…凹部の深さ
LA…凹部の長さ

Claims (4)

  1. ダンパのピストンロッドにバンプストッパを備え、該バンプストッパ上方に、ダンパ本体の上動時に前記バンプストッパの上面部が当接する受け部が配置されたバンプストッパ構造であって、前記バンプストッパの前記上面部に、上方へ突出する突起を備え、上記突起は、前記受け部と当接した際に所定方向に撓み変形するように、前記上面部における箇所に、前記所定方向に傾いた突形状で設けられ、かつ座屈しないで撓み変形する肉厚を有して形成され、前記所定方向は、前記突起が、前記受け部と当接した際に、前記上面部の径方向外側へはみ出さず該上面部の側へ撓み変形して倒れる方向であり、さらに前記突起は、前記受け部と当接した際に、前記上面部に倒れ込んだ部位が、前記受け部からの荷重を受けて上下方向に圧縮変形するように、前記上面部よりも上方に位置する厚みを有して形成された
    バンプストッパ構造。
  2. 前記上面部に、倒れた状態の前記突起の一部を格納し、残りの部分を前記上面部に対して突出させる凹部を設けた
    請求項1に記載のバンプストッパ構造。
  3. 前記凹部は前記突起の厚みよりも浅く形成した
    請求項2に記載のバンプストッパ構造。
  4. 前記凹部は前記突起の高さよりも短く形成した
    請求項2、又は3に記載のバンプストッパ構造。

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