JP6717980B6 - バリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物及びその応用 - Google Patents

バリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物及びその応用 Download PDF

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Description

本発明は、バリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物及びその応用に関し、農薬技術分野において、使用量を減らしつつ、効果を上げる農薬組成物に属し、その有効成分はバリダマイシン及びイプコナゾールである。
バリダマイシン(Validamycin又はjinggangmycin)は、ラパマイシンとも称し、放線菌の二次代謝産物であり、A、B、C、D、E、Fの6種類のアミノグリコシド系近似の誘導体を含有する。多くの国内外の研究によると、A成分はバリダマイシンの主な活性成分である。従って、本発明に係るバリダマイシンの主成分はバリダマシンAである。バリダマイシンはインビトロ条件下で特異性を表し、担子菌のリゾクト二ア属の真菌(Rhizoctonia spp.)先の菌糸の生育を干渉する。従って、バリダマイシンは20世紀70年代に発見されて以来、農業用抗生物質としてリゾクト二アによる植物病害を特異的に防除したり、或いは配合剤として、他の植物有害生物を防除する農薬と配合して、リゾクト二ア(Rhizoctonia spp.)による病害を治したりしてきた。これらのリゾクト二ア病害は主にイネ紋枯病、ムギ紋枯病及び他の農作物の紋枯病や青枯病を含む。近年、バリダマイシンはさらに培養しにくい不完全菌(Ustilaginoidea virens)による稲こうじ病を防除可能であることも発見された。
イプコナゾ−ルは、トリアゾール系エルゴステロール生合成阻害剤であり、英語通用名称はIpconazoleであり、分子式はC1824CINOであり、化学名は2−(4−クロロベンジル)−5−イソプロピル−1(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノールであり、CAS番号は125225−28−7である。吸引、保護及び治療的な活性を有し、子嚢菌、担子菌及び不完全菌による病害を効果的に防除でき、種処理により根から茎と葉に伝達するため、赤かび病、斑点病、青枯病の抑止に優れる。
農作物の生育中において、不可避的に何らかの病害が出るが、即時的に防除しないと農作物の収穫量に重大な損失を与える一方、同じ薬剤を頻繁に使用してこれらの病害を防除すると、これらの病菌に薬物耐性が生じるため、このような問題を解消するため、異なる作用メカニズムを持つ農薬を配合することで、病原菌の薬物耐性の発生を遅延させ、植物病害の防除効果を上げつつ用量を減らすことができる。バリダマイシン又はラパマイシンは、インビトロ条件下でリゾクト二アのみに対し特異的な抗菌活性を有するが、赤かび病を起すフザリウムに対しては抗菌活性を有しないため、数十年の間、リゾクト二アを対象とする、バリダマイシンの選択的メカニズムが研究されており、ラパマイシン/バリダマイシンが、リゾクト二アイノシトール及びトレハロース代謝を干渉することによって細胞壁を破壊し、リゾクト二アの植物への侵食を阻止し、良好な保護作用を奏することが分かった。
本発明者は、フザリウムによるDON毒の生合成経路及び調和メカニズムを研究した上で、DON毒の生合成を抑制する化合物の大量の選別を行った。選別の際に、バリダマイシンが一定量の処理剤の下で、ムギ赤かび病菌DON毒の生合成の早期経路における生化学反応を強く抑制できることに驚いた。
従って、バリダマイシン単剤は、ムギ類の赤かび病を効果的に予防できないが、フザリウムの二次代謝産物−DON毒には一定の抑制効果を有する。本発明者は、世界的にも初めて、バリダマイシン/ラパマイシンの、フザリウムによるDON合成に対する抑制作用、及び、他の各種殺菌剤との混合物により、田んぼでのムギ類の赤かび病を効果的に防除する処方の選別を研究し、バリダマイシンとイプコナゾールとの組成物が、ムギ類の農作物の赤かび病の防除において顕著な効果を果たし、DON毒による汚染を低減し、農薬の使用量の大幅削減において有益な効果があることに創造性を見出した。発明者は試験を通して本発明がイモチ病、稲こうじ病、イネ紋枯病などの稲病害の防除にも顕著な効果を有し、薬物耐性の発生を遅延し、農薬の使用量及び使用回数を減らすことで、防除コストを効果的に低減できることがさらに分かった。
本発明の目的は、ムギ類の赤かび病を防除し、穀物のDON毒の汚染を抑制する、バリダマイシンとイプコナゾールとを含んだ殺菌組成物を提供することにある。本発明のもう1つの目的はイモチ病、稲こうじ病、イネ紋枯病、ムギ類の真菌病害への上記殺菌組成物の応用を開示することにある。
上記発明の目的を果たすために、本発明は、バリダマイシンとイプコナゾールとの重量比が1:68〜40:1である、バリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物を提供する。
本発明の好ましい実施の形態によれば、上記バリダマイシンとイプコナゾールとの重量比は1:34〜20:1である。
本発明のもう1つの好ましい実施の形態によれば、上記バリダマイシンとイプコナゾールとの重量比は1:17〜10:1である。
本発明に係るバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物において、バリダマイシンとイプコナゾールとの合計の重量含有量は、前記殺菌組成物の総含有量の2〜80%であり、残部は農薬に許容される担体及び/又は助剤である。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記のバリダマイシンとイプコナゾールとの合計の重量含有率は、前記殺菌組成物の総量の10〜70%であり、残部は農薬に許容される担体及び/又は助剤である。
本発明のもう1つの好ましい実施の形態によれば、前記の殺菌組成物の製剤は水和剤、懸濁剤、マイクロエマルション又は水和性顆粒剤である。
本発明のもう1つの好ましい実施の形態によれば、前記担体は、水、カオリン、珪藻土、パリゴルスカイト又は軽質炭酸カルシウムのうちの1種類又は複数種類である。
本発明のもう1つの好ましい実施の形態によれば、前記助剤は、エタノール、メタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、NNO−1、NNO−7、キサンタンガム、ポリエチレングリコール、グリセリン、ネカール、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ラウリルアルコールポリオキシエチレンエーテル、フェニルエチルフェノールホルムアルデヒド樹脂ポリオキシエチルエーテル、アルキルフェノールポリオキシエチレンエーテルリン酸塩、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル、スルホン酸ポリホルムアルデヒド縮合物、N−メチルピロリドン、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、安息香酸、リグニンスルホン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、シリコーン系化合物、ケイ酸マグネシウムアルミニウム又はポリビニルアルコールのうちの1種類又は複数種類である。
本発明のもう1つの好ましい実施の形態によれば、前記の殺菌組成物はムギ類赤かび病、ムギ類紋枯病、ムギ類うどんこ病、ムギ類さび病、ムギ類葉枯病の防除に応用される。
本発明のもう1つの好ましい実施の形態によれば、前記の殺菌組成物はイモチ病、稲こうじ病、イネ紋枯病の防除に応用される。
有益な効果は以下の通りである。発明者は植物病害の発生、防除用薬剤の使用技術、効果メカニズム及び薬物耐性についての研究により、本発明に理論及び技術的基礎を提供する。本発明は、バリダマイシンとイプコナゾールとを用い、配合を選別し、その目的は効果的な処方を取得し、農薬において使用量及び使用回数を減らすことで、生産コストを低減し、防除効果を向上させ、薬物耐性を抑制することにある。
本発明は、室内及び田んぼでの薬力学的効果の試験を行い、その結果によると、バリダマイシンとイプコナゾールとは物理的及び化学的性質に互換性を有し、使用上安全で、薬力学的効果が顕著である。他の農薬に比べると以下の利点を有する。
1.本発明の殺菌組成物は殺菌スペクトルが広く、バリダマイシンとイプコナゾールとの組成により応用ターゲットを拡大することができる。ムギ類の赤かび病、うどんこ病、さび病、紋枯病及び葉枯病を効果的に防除でき、さらにイモチ病、稲こうじ病及びイネ紋枯病も防除できるため、病害による農作物の被害を減らし、農産物の生産量及び品質を向上させることができる。
2.本発明の殺菌組成物は防除効果が著しく、ムギ類の赤かび病、うどんこ病、紋枯病、葉枯病及びイモチ病、稲こうじ病、イネ紋枯病の防除において顕著な相乗効果を有するため、農薬の使用量を低減させ、農薬の使用コストを低減し、社会、経済及び生態系利益を増大させることができる。
3.本発明の殺菌組成物におけるバリダマイシンとイプコナゾールとは、それぞれ異なる効果メカニズムを有する殺菌剤であり、過去のムギ類赤かび病の防除用主流薬剤であるカルベンダジムとの交差耐性を存在させない。さらに重要なことは、当該殺菌組成物は、穀物のDON毒による汚染を低減し、毒の汚染が人類の食糧及び食品安全に及ぼすリスクを低減することができることである。
4.本発明の殺菌組成物は、複合農薬に属し、互換性、高効率性、低毒性、低残留性、即効性及び持続性に優れ、環境にやさしいなどの利点を有する。
1.本発明の殺菌組成物は、生物と化学農薬とによる複合組成となっており、化学薬剤に対する病原菌の薬物耐性リスクレベルを低下させ、病原菌の感度を維持することに有利であり、また処方中の単剤に対して生じる病菌の薬物耐性を遅延させることができる。
以下、具体的な実施例により本発明についてさらに説明するが、本発明は以下の実施例に限定されず、各組成成分は重量分で計って加える。
(実施例1)
16%バリダマイシン・イプコナゾール水和剤
バリダマイシン8%、イプコナゾール8%、NNO−1 1%、ネカール3%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2%、パリゴルスカイト30%、他に軽質炭酸カルシウムを加え100%にする。上記組成成分を十分に混ぜ、サンドミルで粉砕し、300メッシュの篩いにかけることにより、16%バリダマイシン・イプコナゾール水和剤が得られる。
(実施例2)
60%バリダマイシン・イプコナゾール水和剤
バリダマイシン40%、イプコナゾール20%、NNO−1 1%、ネカール3%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2%、パリゴルスカイト30%、他に軽質炭酸カルシウムを加え100%にする。上記組成成分を十分に混ぜ、サンドミルで粉砕し、300メッシュの篩いにかけることにより、60%バリダマイシン・イプコナゾール水和剤が得られる。
(実施例3)
42%バリダマイシン・イプコナゾール水和剤
バリダマイシン30%、イプコナゾール12%、NNO−1 1%、ネカール3%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2%、パリゴルスカイト30%、他に軽質炭酸カルシウムを加え100%にする。上記組成成分を十分に混ぜ、サンドミルで粉砕し、300メッシュの篩いにかけることにより、42%バリダマイシン・イプコナゾール水和剤が得られる。
(実施例4)
10%バリダマイシン・イプコナゾール懸濁剤
バリダマイシン4%、イプコナゾール6%、エチレングリコール4%、プロピレングリコール4%、NNO−1 1%、NNO−7 1%分散剤、キサンタンガム接着剤0.5%、ポリエチレングリコール1%、他に水を加え100%にし、上記組成成分を十分に混ぜ、直径≦5μmの90%顆粒薬になるまでサンドミルで粉砕することにより、10%バリダマイシン・イプコナゾール懸濁剤が得られる。
(実施例5)
48%バリダマイシン・イプコナゾール懸濁剤
バリダマイシン36%、イプコナゾール12%、エチレングリコール4%、プロピレングリコール4%、NNO−1 1%、NNO−7 1%分散剤、キサンタンガム接着剤0.5%、ポリエチレングリコール1%、他に水を加え100%にし、上記組成成分を十分に混ぜ、直径≦5μmの90%顆粒薬になるまでサンドミルで粉砕することにより、48%バリダマイシン・イプコナゾール懸濁剤が得られる。
(実施例6)
24%バリダマイシン・イプコナゾールマイクロエマルション
バリダマイシン4%、イプコナゾール20%、N−メチルピロリドン1%、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム2%、フェニルエチルフェノールホルムアルデヒド樹脂ポリオキシエチルエーテル2%、エチレングリコール1.5%、
シリコーン系化合物0.8%、キサンタンガム1%、ケイ酸マグネシウムアルミニウム1%、他に水を加え、100%にする。
上記割合のバリダマイシン、イプコナゾール、溶剤N−メチルピロリドン、乳化剤アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム及びフェニルエチルフェノールホルムアルデヒド樹脂ポリオキシエチルエーテルを混ぜ、均一な油相に溶解する。水、不凍液エチレングリコール、増粘剤キサンタンガム、消泡剤シリコーン系化合物を混ぜ、均一な水相にする。高速攪拌しながら、水相を油相に加えることにより、24%バリダマイシン・イプコナゾールマイクロエマルションが得られる。
(実施例7)
20%バリダマイシン・イプコナゾール水和性顆粒剤
バリダマイシン4%、イプコナゾール16%、硫酸アンモニウム10%、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル2.5%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5%、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル3.5%、他に軽質炭酸カルシウムを加え100%にし、上記組成成分を十分に混ぜ、粉に粉砕し、粉を適量の水溶液と均一に混ぜ、高速に切削し、サンドミルで研磨し、そして流動床により粒にし、乾燥させ、篩いにかけることにより、20%バリダマイシン・イプコナゾール水和性顆粒剤が得られる。
(実施例8)
30%バリダマイシン・イプコナゾール水和性顆粒剤
バリダマイシン10%、イプコナゾール20%、硫酸アンモニウム10%、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル2.5%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5%、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル3.5%、他に軽質炭酸カルシウムを加え100%にし、上記組成成分を十分に混ぜ、粉に粉砕し、粉を適量の水溶液と均一に混ぜ、高速に切削し、サンドミルで研磨し、そして流動床により粒にし、乾燥させ、篩いにかけることにより、30%バリダマイシン・イプコナゾール水和性顆粒剤が得られる。
(実験例1)
インビトロ条件下でフザリウム菌糸の生育を抑制するイプコナゾールに及ぼすバリダマイシンの影響
本発明は、殺菌剤生物測定の通常方法を用い、バリダマイシンとイプコナゾールをそれぞれ滅菌水及びメタノールで2mg/mL母液に配合し、対照群のカルベンダジム原薬を0.1M/L塩酸溶液に溶かし、フェナマクリルをメタノールに溶かし、2mg/mLの母液を調製する。ポテトデキストロース寒天培(PDA)を約45℃の温度まで冷却したタイミングで、それぞれバリダマイシンとイプコナゾールを設計濃度(表1)まで加え、そしてペトリ皿に入れて異なる薬剤処理の平板を製造し、3皿を処理するごとに繰り返し、ムギ類赤かび病を引き起こすフザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)とフザリウム・アジアティカム(Fusarium asiaticum)野生型感受性株(略称:感受性株)及びカルベンダジムとフェナマクリル(phenamacril)耐性菌株(略称:薬物耐性菌株)の菌糸ブロックを接種し、25℃の温度で4日間培養し、十字交差法によりコロニー直径を測定し、異なる処理により病菌生育を50%抑制する効果濃度(EC50)を算出し、かつ抗菌活性を比較する。
試験結果によると、バリダマイシンは、単剤であるかイプコナゾールとの混用であるかに関わらず、インビトロの下では、赤かび病を起すこの2種類のフザリウム感受性菌株及び薬物耐性菌株の生育に対し、活性をほとんど抑制せず、バリダマイシンが50μg/mL濃度に達した場合に限って、2種類のフザリウムの生育に対し、6.5%〜7.8%の抑制効果を有する。ただし、イプコナゾールは、2種類のフザリウムの感受性菌株の菌糸生育に対し、類似の強烈な抑制効果を有し、0.1μg/mLイプコナゾール処理による菌糸生育の抑制作用だけでも50%を超えることが可能である。バリダマイシンは、インビトロ条件下で、菌糸の生育を抑制するイプコナゾールに対し相乗効果がない(表1)。
イプコナゾールの異なる投与量処理下での、フザリウム・アジアティカムとフザリウム・グラミネアラムの野生型感受性菌株、及び、カルベンダジムとフェナマクリル耐性菌株の生育抑制率により、異なる薬感受性菌株の生育を抑制するイプコナゾールの効果濃度(EC50)を計算した結果、感受性菌株、カルベンダジム耐性菌株、フェナマクリル耐性菌株は、イプコナゾールへの感受性が類似し、EC50が0.89〜0.11μg/mLであることが分かった。試験結果は表2に示すとおりである。
薬剤のEC50をパラメーターとして、異なる殺菌剤がフザリウムの生育を抑制する活性を比べると、イプコナゾールの活性は感受性菌株へのカルベンダジムの活性(2種類のフザリウムのEC50はいずれも0.45μg/mLである)の約4.5倍、感受性菌株へのフェナマクリルの活性(2種類のフザリウムのEC50は、いずれも0.165μg/mLである)の1.5倍であることが分かった。この結果は、イプコナゾールは、野生型感受性菌株及びカルベンダジムとフェナマクリルの耐性フザリウムの生育を強く抑制する活性を有し、穀物を侵食するDON毒の汚染レベルを低下し、薬物耐性病害を防除するのに有利であることを示す。
Figure 0006717980
*F.g及びF.aはそれぞれFusarium graminearum及びFusarium asiaticumの略語であり、以下も同様である。
Figure 0006717980
(実験例2)
フザリウム毒素の生合成能力に対するバリダマイシンの抑制活性
バリダマイシン及びイプコナゾールへのフザリウム・グラミネアラムとフザリウム・アジアティカムの薬物感受性が同様であるため、発明者は、毒素産生をさらに研究するための素材として、毒素産生能力(菌単位量が産生するDON重量、μgDON/g菌糸乾燥重量)のより強いフザリウム・アジアティカムFusarium asiaticumを選択した。ムギ類の赤かび病を起すカルベンダジム耐性フザリウム・アジアティカムを、滅菌された3%緑豆のスープに接種し、温度25℃と12/24時間の散乱光の下で3d培養し、コニディアを遠心収集する。コニディアを最終的に10/mLになるように異なる投与量のバリダマイシンを含んだGYEP培養液に接種し、温度25℃で光を避けて振盪培養し、7d、14d後に、培養物を濾過し、培養液中の毒素の含有量をそれぞれ検出し、菌糸乾燥重量を測定し、毒素産生能力(菌糸単位量が産生する毒素量)を解析する。
毒素測定方法は以下の通りである。
培養濾過液をそれぞれ酢酸エチルと等体積で2回抽出し、抽出液を合併した後に減圧蒸留乾燥させ、1mLのアセトニトリルで溶解して新しい遠心チューブに移し、再び蒸留乾燥させ、−20℃で保存し、測定に備えておく。検出する時に、100μLTMSの誘導体化試薬(TMSI:TMCS=100:1)を加え、10min混ぜた後に1mLの超純水を加え、振とうして分層した後に、上清を吸収しGC注入容器に入れ、電子捕獲型検出器が装着されたガスクロマトグラフィー(GC−ECD)で、毒素含有量を検出する。SigmaのDON試薬を標準サンプルとし、標準曲線を作成し、培養液中のDON、3ADON及び15ADONを含んだDON含有量を算出する。同時に、濾過した菌糸を80℃で一定重量に至るまで乾燥させ、菌糸乾燥重量を計る。また、3d振盪培養時に、菌糸を取って毒素産生の重要な遺伝子Tri5の発見レベルを検出する。
実験結果(表3)によれば、赤かび病の菌糸の生育量は、培養時間の延長によって増加するが、異なる投与量のバリダマイシンで処理された培養基で振盪培養すると、菌糸の生育量は、コントロールグループに比べ顕著な変化がないことが分かった。これは、バリダマイシンは、液体で培養された赤かび病菌の生育に対し抑制効果がなく、PDA平板上での線形生育率の測定結果と一致することを示す。ただし、菌単位量が産生するDON毒素の量(μgDON/g菌糸乾燥重量)は、バリダマイシンの処理投与量の増加によって顕著に減少することが初めて分かった。なお、DON合成に対するバリダマイシンの抑制効果は、培養時間の延長に伴って低下し、特に低濃度処理において、低下幅はより大きい。また、バリダマイシンは、試験時間の延長によって分解が生じる可能性があるため、毒素生合成に対する抑制効果が低下することを示す。
3d処理時の毒素産生遺伝子の発見レベルへの解析によれば、バリダマイシンは、インビトロ条件下でフザリウムの生育及び菌糸形態に対し、悪影響はないが、処理投与量が少ない場合、DON毒素産生の重要な遺伝子tri5の発見を強く抑制し、菌体毒素生合成能力を低下させ、DON生合成を減少することができる。その試験結果を表4に示した。
Figure 0006717980
Figure 0006717980
(実験例3)
バリダマイシンがフザリウムDON毒素生合成能力を抑制することに対するイプコナゾールの相乗効果
イプコナゾール処理により、赤かび病菌の細胞膜透過性を破壊することで、菌糸生育を抑制することができる。イプコナゾールとバリダマイシンとの組成物で処理すると、病菌が、バリダマイシンを多く吸収し、利用するようにすることができる。実験例2において、バリダマイシンがフザリウムDON毒素生合成を抑制することを測定するとともに、0.1μg/mLのイプコナゾールが存在し、7dと14d培養した場合の、Fusariumu asiaticumのDON毒素生合成能力に対するバリダマイシンの抑制効果を測定し、バリダマイシンが、DON毒素生合成を抑制することに対するイプコナゾールの相乗効果を解析した。DON検出方法は実験例2と同様である。
実験例1及び実験例2によれば、0.1μg/mLのイプコナゾールのみで処理すると、赤かび病の菌糸生育に対し50%を超えた抑制率を有する。表5から分かるように、0.1μg/mLのイプコナゾールで7dと14d処理した場合、フザリウムに対する生合成能力は、コントロールグループの毒素産生能力に比べて顕著な抑制効果がないため、イプコナゾールは、生育を抑制する活性のみがあり、毒素産生能力に対する抑制効果はないことを示す。ただし、バリダマイシンの各処理濃度下で0.1μg/mLのイプコナゾールが存在する場合、DON毒素生合成能力への抑制効果は大幅に向上する。また、培養時間を延長することに伴い、毒素産生能力に対するバリダマイシンの抑制効果の降下速度は、イプコナゾールがない時の対照処理より著しく低く、特に低濃度バリダマイシン処理への相乗効果及び機能延長時間はさらに著しくなる。同時に実験した表3の結果に基づき、0.10μg/mL投与量のイプコナゾールが存在し、バリダマイシンを7dと14d処理した時にフザリウム毒素生合成を抑制することに対する相乗効果を算出し、その結果を表5に示した。これらの結果は、以下のことを示す。
(1)バリダマイシンはフザリウムDON毒素生合成能力を強く低下させる働きを有し、イプコナゾールにはこのような働きがない。
(2)イプコナゾールはバリダマイシンがフザリウム毒素生合成を抑制することに対し明らかな相乗効果を有し、なおバリダマイシン処理投与量を低減させると、相乗効果が強くなる。
(3)イプコナゾールはフザリウム毒素産生へのバリダマイシンの抑制効果時間を延長し、処理時間を延長すればするほど相乗効果が高まる。
Figure 0006717980
*相乗効果係数計算方法:0.1μg/mLイプコナゾールが存在する場合の毒素合成へのバリダマイシンの抑制率/バリダマイシンのみで相応投与量を処理する場合の毒素合成抑制率(表3)×100
(応用実施例1)
ムギの赤かび病を防除するバリダマイシンとイプコナゾールの組成物の相乗効果及び毒素効果降下効果
実施例1〜8の殺菌組成物製剤について、田んぼにおけるムギの赤かび病を予防する薬力学的効果の試験を行った。試験地は、ムギの赤壁病がカルベンダジムにすでに薬物耐性が生じた江蘇淮安白馬湖農場にした。ムギ種類はそれぞれファイマイ22号である。2012年11月に種を蒔き、田んぼは通常通りに管理し、他の農薬は使用していない。2013年5月2日に開花初期に農稼楽16Lナップザック式電動スプレーヤーで1回目の農薬を撒き、天気予防により5月9日(登熟初期)に2回目の農薬を撒いた。各区域面積は50mで、4つが重複しており、水の使用量は50kg/畝(1畝=666.7m
以下同じ)で、コントロールグループには農薬を撒かなかった。そしてコントロール薬剤として50%カルベンダジム水和剤を80g/畝で処理した。2013年5月26日に状況を調査し、防除効果を表6に示した。40%バリダマイシン水和剤は浙江省桐廬匯豊生物科学技術有限会社が提供し、40%イプコナゾールは本実験室で加工製造した。農業部が配布した殺菌剤田んぼ薬力学的効果試験基準業界標準規定の相応方法によって、乳熟期でムギの赤かび病発生状況を調査し、各処理により赤かび病の実際の防除効果に基づき、組成物の相乗効果を計算した。Abbott(Abbott、1925)方法により組成物の理論コントロール効果[E=X+(100−X)Y/100,ここで、Eは理論防除効果で、Xはバリダマイシン単剤の防除効果で、Yはイプコナゾール単剤の防除効果である]及び相乗係数(組成物を応用した実際の防除効果/理論防除効果×100)を計算した。
毒素測定方法:完全成熟期にサンプルとして麦穂200個を5セット取り処理し、室内で脱穀し、乾燥させた後に30gのムギ粒をランダムに抽出して粉砕した。Goswami及びKistler方法により、5gの小麦粉を取って遠心チューブ内に置き、20mLのアセト二トリル:水(84:16)抽出液を加え、ボルテックスマシンで混ぜた後にシェーカー上で24時間振とうし、5000rpmで10min遠心し、上清2mLを取ってEppendorf遠心チューブに窒素で乾燥させ、−20℃で保蔵した。検出する時に100μLTMSの誘導体化試薬(TMSI:TMCS=100:1)を加え、10min混ぜた後に1mLの超純水を加え、振とうして分層した後に上清を吸収してGC注入容器に入れ、電子捕獲型検出器が装着されたガスクロマトグラフィー(GC−ECD)で毒素含有量を検出し、その結果を表6に示した。
Figure 0006717980
本発明によるムギの赤かび病を防除する殺菌組成物の相乗効果についての田んぼでの選別及び試験結果によれば、バリダマイシンとイプコナゾールとの組成物はムギの開花初期〜登熟期にスプレーし、実施例1〜8における一定投与量の異なる製剤はムギの赤かび病を防除するのに顕著な相乗効果(相乗係数>100)を有する。そしてバリダマイシンとイプコナゾールとの組成物を応用すると、穀物のDON汚染レベルを顕著に低下させる相乗効果があり、DON含有量を90%以上低減し、毒素汚染レベルを1mgDON/kg穀物以下の安全レベルに制御することができる。
(応用実施例2)
ムギの他の病害を防除するバリダマイシンとイプコナゾールとの組成物の試験効果
実施例1〜8における殺菌組成物製剤について田んぼにおけるムギの病害を予防する薬力学的効果の試験を行った。試験地は江蘇塩城新洋農場にした。ムギの種類はそれぞれファイマイ33号であり、開花初期に農稼楽16Lナップザック式電動スプレーヤーで1回目の農薬を撒き、5d後に2回目の農薬を撒き、水使用量は50kg/畝で、各区域面積は50mであり、各処理を3回重複し、コントロールグループには農薬を撒かなかった。そしてコントロール薬剤として50%カルベンダジム水和剤を80g/畝で処理した。農業部が配布した殺菌剤田んぼ薬力学的効果試験基準業界標準規定の相応方法によって、乳熟期にムギのうどんこ病、さび病、紋枯病及び葉枯病の発生状況を調査し、病状係数及び防除効果を算出し、表7に示した。
Figure 0006717980
実施例1〜8における田んぼ応用の結果によれば、バリダマイシンとイプコナゾール組成殺菌剤は、ムギの赤かび病を効果的に防除するとともに、ムギの葉枯病、うどんこ病、さび病及び紋枯病にも良好な防除効果を有し、常用のカルベンダジム(検出によると、試験地の病原菌のグループの中でカルベンダジムに対して薬物耐性を有する病菌は37.7%を占める)より遥かに優れ、そして薬物耐性を有する赤かび病菌による赤かび病に対し顕著な相乗的な防除効果を有し、その結果は同年の白馬湖農場での田んぼ試験結果に類似する。従って、本発明の殺菌組成物は農薬使用量が少なく、コストが低く、環境にやさしく、社会的な利益が明らかであるなど多くの利点を有する。
(応用実施例3)
ムギ病害を防除するバリダマイシンとイプコナゾールとの組成物の防除効果及び毒素汚染を低減する効果
実施例1〜8における殺菌組成物製剤について田んぼでムギ病害予防の薬力学的効果の試験を行った。バリダマイシン及びイプコナゾールの異なる投与量による単剤処理を設計した。2014年の開花初期に1回目の農薬を撒き、5d後に2回目の農薬を撒き、水使用量は50kg/畝で、各区域面積は50mであり、各処理を3回重複し、コントロールグループには農薬を撒かなかった。コントロール薬剤として通常薬剤のポリケトン水和剤を用いた。農業部が配布した殺菌剤田んぼ薬力学的効果試験基準業界標準規定の相応方法によって、乳熟期にムギの赤かび病、うどんこ病、さび病及び葉枯病の発生状況を調査し、病状係数及び防除効果を算出し、その結果を表8に示した。完全成熟期にサンプルとして麦穂150個を5セット取り処理し、室内に持ち帰り脱穀し、応用実施例1の方法によって、ムギ粒の毒素含有量を検出し算出する。薬剤処理投与量、コントロール効果及び毒素含有量への影響を表8に示した。
Figure 0006717980
田んぼへの組成物の応用から分かるように、イプコナゾール単剤処理はムギの赤かび病、葉枯病、うどんこ病及びさび病に良好な防除効果を有するが、バリダマイシン単剤は、赤かび病に低い防除効果を有する以外、他の病害に対しはほとんど効果がない。表から分かるように、本発明の実施例1〜8における殺菌組成物製剤は、赤かび病、葉枯病、うどんこ病及びさび病の防除効果を大幅に向上させ、防除効果は70%〜90%以上に達し、コントロールとしての常用薬剤ポリケトン及び単剤の効果より優れ、相乗効果が顕著である。従って、本発明の生物―化学殺菌組成物は、化学的殺菌剤イプコナゾールの容量を大幅に低減し、農薬による環境破壊を軽減し、ムギ粒の毒素汚染を低減することができる。
(応用実施例4)
イネ病害を防除するバリダマイシンとイプコナゾールとの組成物の試験効果
実施例1〜8における殺菌組成物製剤について田んぼでイネ病害への予防薬力学的効果の試験を行った。試験地は江蘇省南京市江寧区淳化町土橋鎮にした。イネ種類はチンタオウ18であり、各区域面積は50mで、各処理を3回重複し、コントロールグループには農薬を撒かなかった。イネ紋枯病は、イネの分蘖末期(上の3つの葉が出ていない)に1回目の農薬を撒き、幼穂期に2回目の農薬を撒き、穂完成期に3回目の農薬を撒き、コントロールグループとして浙江省桐廬(ル)匯豊生物科学技術有限会社が生産した40%バリダマイシン水和剤単剤を用いた。稲こうじ病は出穂5〜7日前に1回目の農薬を撒き、穂完成期に2回目の農薬を撒き、コントロールグループとしてバイエル作物科学会社が生産した430g/Lのテブコナゾール懸濁液単剤を用いた。イモチ病は、イネが出穂期に1回目の農薬を撒き、穂完成期に2回目の農薬を撒き、コントロール薬剤として江蘇豊登作物保護有限会社が生産した75%トリシクラゾール水和剤単剤を用いた。病状が治まったら発病状況を調査し、病状及びコントロール効果を算出した。
Figure 0006717980
田んぼ試験結果から分かるように、バリダマイシンとイプコナゾールとを含有する組成殺菌剤はイモチ病、稲こうじ病及びイネ紋枯病の防除において優れた効果を有し、現在の常用の主流殺菌剤に比べ、顕著な防除効果を有する。本発明に係るバリダマイシンとイプコナゾールとの組成物はイモチ病、稲こうじ病及びイネ紋枯病を同時に防除できるため、防除効果を向上するほか、農薬の使用量及び農薬の使用回数を大幅に低減させ、大量の経済投入を省き、社会、経済及び生態系利益を増大させるのに重要な現実的意味を持つ。
(付記)
(付記1)
バリダマイシンとイプコナゾールとの重量比が1:68〜40:1である、ことを特徴とするバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
(付記2)
前記バリダマイシンとイプコナゾールとの重量比が1:34〜20:1である、ことを特徴とする付記1に記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
(付記3)
前記バリダマイシンとイプコナゾールとの重量比が1:17〜10:1である、ことを特徴とする付記1に記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
(付記4)
バリダマイシンとイプコナゾールとの合計の重量含有率は、前記殺菌組成物の総量の2〜80%であり、残部は農薬として許容される担体及び/又は助剤である、ことを特徴とする付記1〜3のいずれか1つに記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
(付記5)
前記バリダマイシンとイプコナゾールとの合計の重量含有率は、前記殺菌組成物の総量の10〜70%であり、残部は農薬として許容される担体及び/又は助剤である、ことを特徴とする付記4に記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
(付記6)
前記殺菌組成物の製剤は、水和剤、懸濁剤、マイクロエマルション又は水和性顆粒剤である、ことを特徴とする付記1〜5のいずれか1つに記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
(付記7)
前記担体は水、カオリン、珪藻土、パリゴルスカイト又は軽質炭酸カルシウムのうちの1種類又は複数種類である、ことを特徴とする付記4又は5に記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
(付記8)
前記助剤はエタノール、メタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、NNO−1、NNO−7、キサンタンガム、ポリエチレングリコール、グリセリン、ネカール、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ラウリルアルコールポリオキシエチレンエーテル、フェニルエチルフェノールホルムアルデヒド樹脂ポリオキシエチルエーテル、アルキルフェノールポリオキシエチレンエーテルリン酸塩、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル、スルホン酸ポリホルムアルデヒド縮合物、N−メチルピロリドン、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、安息香酸、リグニンスルホン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、シリコーン系化合物、ケイ酸マグネシウムアルミニウム又はポリビニルアルコールのうちの1種類又は複数種類である、ことを特徴とする付記4又は5に記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
(付記9)
ムギ類赤かび病、ムギ類紋枯病、ムギ類うどんこ病、ムギ類さび病、ムギ類葉枯病の防除における付記1〜6のいずれか1つに記載の殺菌組成物の応用。
(付記10)
イモチ病、稲こうじ病、イネ紋枯病の防除における付記1〜6のいずれか1つに記載の殺菌組成物の応用。

Claims (10)

  1. バリダマイシンとイプコナゾールとの重量比が1:68〜40:1である、ことを特徴とするバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
  2. 前記バリダマイシンとイプコナゾールとの重量比が1:34〜20:1である、ことを特徴とする請求項1に記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
  3. 前記バリダマイシンとイプコナゾールとの重量比が1:17〜10:1である、ことを特徴とする請求項1に記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
  4. バリダマイシンとイプコナゾールとの合計の重量含有率は、前記殺菌組成物の総量の2〜80%であり、残部は農薬として許容される担体及び/又は助剤である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
  5. 前記バリダマイシンとイプコナゾールとの合計の重量含有率は、前記殺菌組成物の総量の10〜70%であり、残部は農薬として許容される担体及び/又は助剤である、ことを特徴とする請求項4に記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
  6. 前記殺菌組成物の製剤は水和剤、懸濁剤、マイクロエマルション又は水和性顆粒剤であり、前記製剤はスプレーで使用される、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
  7. 前記担体は水、カオリン、珪藻土、パリゴルスカイト又は軽質炭酸カルシウムのうちの1種類又は複数種類である、ことを特徴とする請求項4又は5に記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
  8. 前記助剤はエタノール、メタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、キサンタンガム、ポリエチレングリコール、グリセリン、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ラウリルアルコールポリオキシエチレンエーテル、フェニルエチルフェノールホルムアルデヒド樹脂ポリオキシエチルエーテル、アルキルフェノールポリオキシエチレンエーテルリン酸塩、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル、スルホン酸ポリホルムアルデヒド縮合物、N−メチルピロリドン、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、安息香酸、リグニンスルホン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、シリコーン化合物、ケイ酸マグネシウムアルミニウム又はポリビニルアルコールのうちの1種類又は複数種類である、ことを特徴とする請求項4又は5に記載のバリダマイシンとイプコナゾールとを含有する殺菌組成物。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の殺菌組成物の、ムギ類赤かび病、ムギ類紋枯病、ムギ類うどんこ病、ムギ類さび病又はムギ類葉枯病を防除するための使用。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の殺菌組成物の、イモチ病、稲こうじ病又はイネ紋枯病を防除するための使用。
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