JP6717620B2 - 手摺枠および昇降式移動足場 - Google Patents

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Description

本発明は、内装及び外装工事等に使用される昇降式移動足場の作業床の縁部に設置される手摺枠および昇降式移動足場に関する。
昇降式移動足場は、垂直方向の伸縮が可能であるため、その高さを低くして保管や運搬ができるとともに、所定場所まで水平方向に移動させ、その場所で固定した後に、所定高さまで昇降式移動足場を伸張し、その高さを固定することによって、所定場所の所定高さにおいて、内装及び外装工事等の作業をすることができる。
このような昇降式移動足場の水平方向の移動と固定に関しては、昇降式移動足場の接地面にブレーキロック付き車輪を備えるとともにアウトリガーでさらに固定することによってなされることが多い。そして、垂直方向の伸縮と固定に関しては、作業台を直接上下し固定するか、又は、折り畳み可能なアームの上に作業台を設置してそのアームを伸縮し固定することによってなされる。
このような昇降式移動足場を所定場所において伸張した後に、作業員が高所で作業をすることになる。したがって、作業員の高所からの落下を防止するために、作業台には手摺が必要となる。
また、このような昇降式移動足場は垂直方向の伸縮が可能であるため、昇降式移動足場を保管する際には、その高さを低くすることによって、高さ方向の収納スペースを節約することができる。
ここで、昇降式移動足場は、一般建築物内での使用と移動を可能にすべく、その大きさが制限されている。特に、昇降式移動足場の幅は、一般建築物内の扉の幅(約0.9m)による制約や、エレベーターに積載可能な大きさという制約から、0.6m以下に制限されている。
特許文献1には、接地面に車輪を備える矩形の基体フレーム(枠体)の上に、複数段の水平フレーム(枠体)をX字形のスライダークランクを介して順に積み重ね、そして、昇降用タラップ(梯子)を備える昇降式移動足場が開示されている。そのX字形のスライダークランクは折り畳みと伸張ができるものであり、そのX字形のスライダークランクを手動で伸縮することによって、作業床の上下を可能とし、そしてその高さを段階的に固定することが可能である。ここで、昇降用タラップはスライダークランクを伸張した後の各フレームの間の支柱の役割も果たしている。
図1及び図2は、特許文献1で開示された技術に基づき実用化されている昇降式移動足場の一例である。(a)が正面図、(b)が右側面図である。なお、本明細書においては、昇降式移動足場の縁側の正面から見た図面を「正面図」という。以下同じである。
図1は昇降式移動足場200を所定場所に固定した状態で、3つのX字形のスライダークランク50のすべてを垂直方向に伸張したときの状態を示し、図2は同じく所定場所に固定した状態で、3つのX字形のスライダークランク50のすべてを垂直方向に折り畳んだときの状態を示す。
この昇降式移動足場200は、接地面に車輪を備えるとともに所定場所に移動かつ固定可能な矩形の基体フレーム5と、複数段の伸縮自在な水平フレーム40からなる。ここでは、最上段の水平フレーム40は作業床用フレームを兼ねており、最上段の水平フレーム40には、網目状板や縞付き板などからなる作業床が張られるとともに手摺等が設置されて、作業台60が形成されている。
矩形の基体フレーム(枠体)5の四隅にはパイプ状の支柱7が立設され、その下端部にはブレーキロック付き車輪6が取り付けられている。また、基体フレームの各支柱7の側面には、先端にジャッキベース75を備えたアウトリガー76が取り付けられ、基体フレームの各支柱7を軸として水平方向に回動しうるように設置されている。この昇降式移動足場200の移動は、車輪6のブレーキロックを外し、ジャッキベース75を持ち上げた状態のまま、昇降式移動足場200を水平方向に押すことによってなされる。この移動は、通常、水平フレーム40を垂直方向に折り畳んだ状態でなされる。そして、所定の場所まで移動した後、車輪6のブレーキロックを掛けるとともに、ジャッキベース75を接地させることで所定の場所で固定する。
矩形の基体フレーム5の上には、間隔をあけて、3段の矩形状の水平フレーム40が設けられ、そして、各フレーム間には、2本の斜材を交叉し軸着してなるX字形のスライダークランク50が縦方向に2列立設されている。ここでは、基体フレーム5は最下段の水平フレームを兼ねているが、基体フレーム5とは別に最下段の水平フレーム40を設けてもよい。基体フレーム5とは別に最下段の水平フレーム40を設けた場合には、基体フレーム5と最下段の水平フレーム40とを分離できる。したがって、昇降式移動足場200の移動・運搬の際には、水平フレームを含む上部部材を基体フレームから取り外すことができるので、作業が楽になるとともに、保管の際にはそのスペースを有効に使うことができる。
最上段の水平フレーム40の上には、作業台60が設置される。最上段の水平フレーム40の四隅には、手摺柱62が設置され、そして、隣接する手摺柱62の間には手摺バー63が取り付けられ、さらに四辺の上には巾木64が取り付けられて、作業台60の組み立てが完成する。なお、作業台60の組み立ては、移動前に行っても良いし、移動後に行っても良い。ここでは、最上段の水平フレーム40は作業床用フレームを兼ねているが、最上段の水平フレーム40とは別に作業床用フレームを設けてもよい。最上段の水平フレーム40とは別に作業床用のフレームを設けた場合には、作業床用フレームに網目状板や縞付き板などからなる作業床が張られるとともに手摺等が設置されて、作業台が形成されることになる。この場合、昇降式移動足場200の保管・運搬時には、作業床を含めて作業台60の全体も取り外すことができる。
この昇降式移動足場200の伸縮は、各フレーム間に設けられたX字形のスライダークランク50の2本の斜材を内側又は外側に向けて水平方向にスライドさせることによってなされる。そして、X字形のスライダークランク50が上方向に伸張したときは、その上側の水平フレーム40が上昇し、逆に、X字形のスライダークランク50が下方向に収縮したときは、その上側の水平フレーム40が下降する。
そして、昇降式移動足場200を伸張させるときは、X字形のスライダークランク50を上方向に伸張させた後に、各フレーム間の両側面にそれぞれ立設可能に取り付けられた、長材70と横材71からなる支柱69で上部の水平フレーム40を支持することによって上部の水平フレーム40の高さが固定される。この操作を、最上段の水平フレーム40が所定の高さに上昇するまで、各段のスライダークランク50において繰り返す。逆に、昇降式移動足場200を折り畳むときは、まず長材70と横材71からなる支柱69を内側に押し倒すことによって上部の水平フレーム40の支持を外し、その後、その段のX字形のスライダークランク50を下方向に収縮させて、上部の水平フレーム40の高さを下げ、留め具52によってその高さが固定される。この操作を、最上段の水平フレーム40が所定の高さに下降するまで、各段のスライダークランク50において繰り返す。
最下段のX字形のスライダークランク50を例にとって、X字形のスライダークランク50の構造を詳述すると、その2本の斜材の交叉部がピン51によって軸着されるとともに、2本の斜材の左端がそれぞれ上下のフレームの長辺に軸着されている。したがって、2本の斜材の右端がそれぞれ上下のフレームの長辺に沿って水平方向に移動かつ固定可能な構造であり、スライダークランク50を上方向に伸張した後は、上下のフレームの間の両側面にそれぞれ立設可能に取り付けられた支柱69によって、上部の水平フレーム40を支持することによって上部の水平フレーム40を所定高さで固定することができる。また、スライダークランク50を下方向に収縮した後は、留め具52を上方に回動させて内側に固定することによって、上側の水平フレーム40をその高さで固定することができる。
なお、この例では、この昇降式移動足場200の最上段の水平フレーム40は作業床用フレームを兼ねているため、最上段のX字形のスライダークランク50を上方向に伸張した後に最上段の水平フレーム40を支持するための支柱69の長材70は、最上段の水平フレーム40の下部に設けられた横部材41を介して最上段の水平フレーム40を支持することによって最上段の水平フレーム40を所定高さで固定する。
これに対して、最上段の水平フレーム40とは別に作業床用のフレームを設けた場合には、最上段のX字形のスライダークランク50を上方向に伸張した後に最上段の水平フレーム40を支持するための支柱69の長材70は、最上段の水平フレーム40を直接支持することによって最上段の水平フレーム40を所定高さで固定することができるので、最上段の水平フレーム40の下部に横部材41を設ける必要はない。
このようにして、作業員は、この昇降式移動足場200を所定の場所まで移動させ、その場所で昇降式移動足場200を固定した後、各段のX字形のスライダークランク50の伸張作業をすることによって、最上段の水平フレーム40を所定高さまで上昇させ固定した後、昇降用タラップを兼ねるフレーム間の支柱69を登って作業台60に上がり、内装及び外装工事等の作業をすることになる。
上記においては、3段の水平フレーム40を有する昇降式移動足場200について説明したが、図3に示すように、4段の昇降可能な水平フレーム40を有する昇降式移動足場200も実用化されている。なお、図3に示す昇降式移動足場200は、4段の水平フレーム40を有する点、基体フレーム5が水平フレーム40よりも大きい点及び最下段の支柱69が傾斜して設けられている点を除いて、図1および図2に示した昇降式移動足場200と同様の構成および機能を有する。
昇降式移動足場の最上部には作業台が設置され、作業員が高所で作業をすることになるため、作業員の高所からの落下を防止するために、作業台には手摺を設置する必要となることは前述したとおりである。
しかし、所定場所での作業を終えて昇降式移動足場を別の場所での作業のために運搬したり、あるいは倉庫等に保管したりすることがある。このとき、手摺を作業台に設置したままでは、運搬時および保管時にそのスペースの関係で手摺が邪魔になる場合には、手摺を作業台から一旦取り外した上で、別途に昇降式移動足場本体を運搬または保管することになる。しかし、取り外した手摺は別途に管理されることとなるので、紛失しやすい。取り外した手摺を別途に管理していることを忘れて、昇降式移動足場本体のみを内装及び外装工事等の作業場所に運搬してしまうこともあり得る。また、手摺を作業台から取り外す手間と、運搬後あるいは保管後に手摺を作業台に再度取り付ける手間がかかる。さらに、昇降式移動足場本体と手摺を別々に運搬する場合には、運搬に必要な労力が倍増する。なお、最上段の水平フレームとは別に作業床用フレームを設けた場合には、手摺を含む作業台の全体を昇降移動足場から取り外すことができるが、この場合でも、昇降式移動足場の運搬時および保管時にはスペースの関係で手摺を作業台から取り外すことがあり、問題点が残る。
これらの問題点は手摺を作業台から取り外すことに起因することから、これらの問題点を解決するためには、昇降式移動足場での作業後に手摺を作業台から取り外す必要がない昇降式移動足場とすればよい。
特許文献2には、昇降用扉を兼ねる手摺部材を同一面内に収納可能な平面状の手摺枠を作業床のそれぞれの縁部に立設固定することが可能であって、かつ、作業床のそれぞれの縁部に立設された手摺枠の下枠を回転軸として手摺枠の全体を作業床の外側に大きく回転可能な構造を有する昇降式移動足場が開示されている。これは、作業時には手摺枠を作業床のそれぞれの縁部に垂直に立設固定した後に、平面状の手摺枠に収納されていた手摺部材を引き出すことによって、手摺枠と手摺部材とで作業台の四囲に手摺を形成することができるから、作業員の安全を図ることができる。一方、昇降式移動足場の運搬時および保管時には昇降用扉を兼ねる平面状の手摺枠に手摺部材を収納した上で、立設された手摺枠の下枠を回転軸として手摺枠の全体を大きく外側に回転させて昇降式移動足場本体に横付けて収納することができる。したがって、昇降式移動足場での作業後に手摺を作業台から取り外さなくても、手摺枠を昇降式移動足場本体に横付けて収納した後は昇降式移動足場本体とほぼ同じスペースに収まるから、その運搬時および保管時に手摺を作業台から取り外さなくてもよいのである。
図4は、特許文献2で開示された手摺枠を、図3で示される昇降式移動足場の手摺として取り付けたときの、作業時における実施態様を示す。(a)が正面図、(b)が右側面図である。
この昇降式移動足場の手摺枠66は、2本の手摺柱62とこれらの間を水平に連結する2本の手摺バー63から平面状に形成されており、そして、巾木64が手摺枠66の下枠として取り付けられている。この手摺枠66はその下枠を回転軸68として外側に大きく回転できる。2つの手摺枠66が作業床のそれぞれの縁部56aに垂直に立設固定されており、そして、平面状の手摺枠66と同一面内に収納されていた手摺部材65がそれぞれ横方向に90゜回転されて引き出され、対向する手摺枠66の手摺柱62に留められている。この結果、作業床のそれぞれの端部56bの上方にも手摺が設けられたことになり、2つの手摺枠66と2つの手摺部材65によって、作業台60の四囲に手摺が形成されている。ここで、引き出された手摺部材65は手摺としての役割に加えて、タラップへの作業員の昇降用扉としての役割を果たす。
図5は、平面状の手摺枠66を外側に大きく回転させて昇降式移動足場本体201aに横付けて収納する手順を示す説明図(右側面図)である。
昇降式移動足場での作業が終了した後に、この昇降式移動用足場を他の地点に運搬したり保管したりする際には、昇降式移動足場のスライダークランクを折り畳んで作業台の高さを低くする。そして、対向する手摺枠66の手摺柱62に留められていた手摺部材65を手摺柱62から外し、横方向に90゜逆に回転させて手摺枠66の平面内に収納した後に、手摺枠66の全体を上に移動することによって、作業床のそれぞれの縁部に垂直に立設されていた手摺枠66の固定を外す。その後、手摺枠66の下枠に設けられた回転軸68の軸回りにそれぞれの手摺枠66を下方に大きく外回転させることによって昇降式移動足場本体201aに横付けて収納する。
このようにして、手摺枠は運搬時及び保管時には昇降式移動足場本体に横付けて収納されているが、作業時には、昇降式移動足場を所定場所まで移動させ、その場所で固定した後、昇降式移動足場本体に横付けて収納されていた手摺枠を上方に大きく外回転させて、手摺枠を作業床のそれぞれの縁部に垂直に立設固定した後に、平面状の手摺枠に収納されていた手摺部材を引き出すことによって、手摺枠と手摺部材とで作業台の四囲に手摺が形成される。よって、作業員は作業台の上で安全に作業をすることができる。
実開平2−147545号公報 特開2010−275816号公報
しかしながら、引用文献2に開示された手摺枠を備える昇降式移動足場には、次に示す問題点がある。
図6と図7は、昇降式移動足場での作業員による手摺枠の回転作業を示す右側面図である。
図6では、昇降移動式足場を所定の作業場所に移動後に、その場所で固定した後、昇降式移動足場本体に横付けして収納されていたそれぞれの手摺枠66を、作業員が手摺枠の下枠を回転軸として上方に大きく逆回転させて、手摺枠を作業床のそれぞれの縁部に垂直に立設しようとする手順を示している。
ここでは、昇降式移動足場本体に横付けして収納されていた手摺枠66を上方に大きく逆回転させることができるだけの作業スペースに加えて、手摺枠を逆回転させる作業員90のための作業スペースが、作業床の両方の縁部側に必要となる。したがって、作業スペースが十分でない廊下などの狭い場所ではこの作業を行うことができない。以上は、昇降式移動足場本体に横付けして収納されていたそれぞれの手摺枠66を上方に大きく回転させて、作業床のそれぞれの縁部に垂直に立設しようとするときの作業スペースについて説明したが、逆に、作業床のそれぞれの縁部に垂直に立設固定されていた手摺枠66を下方に大きく回転させて昇降式移動足場本体に横付けて収納しようとするときの作業スペースについても同様の問題が生じる。
また、手摺枠66を回転時または逆回転時には、手摺枠はその重みで外側に倒れかかるから、作業員90が不注意で手摺枠66を掴んでいた手を離してしまうと、図7に見るごとく、手摺枠66が作業員90の側に倒れてきて作業員90が怪我をする恐れがある。
このように、昇降用扉を兼ねる手摺部材65を同一面内に収納可能な平面状の手摺枠66を作業床のそれぞれの縁部に立設固定することが可能であって、かつ、それぞれの手摺枠66を手摺枠の下枠を回転軸として作業床の外側に回転可能な構造を有する昇降式移動足場は、昇降式移動足場での作業後にその都度、手摺を作業台から取り外す必要がないものの、その作業性と安全性の観点から課題が多い。
本発明は、作業後に作業台から取り外す必要がなく、その作業性と安全性に優れる手摺枠と、この手摺枠を組み込んでなる昇降式移動足場を提供することを目的とする。
本発明者らは、作業台から取り外す必要がなく、作業性と安全性に優れる手摺と昇降式移動足場について、種々に検討を重ねた。その結果、次の(A)〜(G)の知見を得た。
(A) 昇降式移動足場の運搬時及び保管時にはスペースの関係で手摺が邪魔になる場合があるが、手摺部材を作業後にその都度取り外して別途に運搬または保管することは手摺部材の紛失等の問題がある。また、手摺部材の取り外しと取付けの両方の手間や運搬の労力を考えると作業効率の点からも問題がある。また、昇降式移動足場の運搬時及び保管時にはその占有スペースをできるだけコンパクトにするのがよい。したがって、手摺部材を作業台から取り外すことなく昇降式移動足場の運搬及び保管をすることができるとともに、運搬時及び保管時にはコンパクトになる昇降式移動足場とするのがよい。そのためには、手摺部材を取り外すことなく、昇降式移動足場の本体に収納することができるのがよい。
(B) 図6に示す手摺枠はその組み立てに大きな作業スペースが必要となり、また、図7に見るごとく、手摺枠66が作業員90にぶつかって怪我をする事故が発生する恐れがあるが、これは、立設された手摺枠をその下枠を回転軸とし、手摺枠の高さを半径として外側に大きく回転させるからである。したがって、立設された手摺枠を内側にのみ、すなわち、作業床側にのみ回転可能とすればよい。
ただし、前述したとおり、昇降式移動足場の幅は、一般建築物内での使用と移動を可能にすべく、一般建築物内の扉の幅(約0.9m)による制約や、エレベーターに積載可能な大きさという制約から、0.6m以下に制限されているので、作業床の幅も0.6m以下に制限される。これに対して、手摺枠の高さは通常1m程度は必要とされる。
図8は、昇降式移動足場の作業床の縁部に立設された手摺枠をその下枠を回転軸として、作業床側に回転させたときの状況を示す右側面図である。作業床側に回転させた手摺枠が反対側の縁部に立設された手摺枠に接触するので、途中までしか回転できない。
(C) 作業床側に回転させた手摺枠が反対側の縁部に立設された手摺枠に接触することなく回転させるためには、手摺枠の手摺柱62を下部手摺柱62aと上部手摺柱62bを縦方向に連結して構成し、上部手摺柱62bの高さを作業床の幅を下回る長さとした上で、上部手摺柱62bを下部手摺柱62aの直上に自立可能にするとともに、上部手摺柱62bを作業床側にのみ回転可能にすればよい。ここで、手摺柱を作業床側にのみ回転可能にするのは、手摺枠がその重みで作業床の外側に不意に倒れないようにするためであり、もって、作業床の外側にいる作業員が手摺枠から不意に手を離しても手摺枠がその作業員に倒れかからないようにするためである。
上部手摺柱62bを作業床側にのみ回転可能にするためには、下部手摺柱62aと上部手摺柱62bを板状又は棒状の連結金具80により縦方向に連結し、かつ、上部手摺柱62bは下部手摺柱62aの上部近傍に水平方向に穿たれた下部連結孔81の中心軸回りに作業床側にのみ回転可能とし、そして、下部手摺柱62aの上端部は上部手摺柱62bの作業床側への回転時に板状又は棒状の連結金具80を収容できるだけの縦方向の切り欠き部83を作業床側の側面に設ければよい。上部手摺柱62bを下部連結孔81の中心軸回りに回転可能とするためには、下部連結孔81にピンやリベット等を挿入すればよいし、あるいは下部連結孔81の間にボルトを挿入しこのボルトを回転軸としてもよい。ここで、上部手摺柱62bは、切り欠き部83が下部手摺柱62aの上端部の作業床側に設けられているので作業床側には回転できるが、作業床とは反対側には切り欠き部が存在しないので、作業床の反対側には回転できない。
また、下部手摺柱62aと上部手摺柱62bを縦方向に連結してなる手摺柱62の連結金具80を作業床の直上に位置するように縦方向に移動させることができれば、上部手摺柱62bを作業床側に回転させたときに、回転後の上部手摺枠62bは作業床側に折り畳まれる形になるから、回転後の上部手摺枠62bを昇降式移動足場の本体に収納することができる。後述するように、作業床の上に巾木を設ける場合には、連結金具80を巾木の直上に位置するように縦方向に移動させることができれば、上部手摺柱62bを作業床側に回転させたときに、回転後の上部手摺枠62bは巾木の上に折り畳まれる形になるから、回転後の上部手摺枠62bを昇降式移動足場の本体に収納することができる。
下部手摺柱62aと上部手摺柱62bを縦方向に連結してなる手摺柱62の連結金具80を作業床又は巾木の直上に位置するように縦方向に移動させるためには、立設している手摺柱62を作業床の縁部両端に設けられた作業床貫通金具57を通して上下方向に移動可能かつ所定位置で固定可能とすればよい。こうすれば、下部手摺柱62aは作業床貫通金具57を通して縦方向に移動させることができ、そして、手摺柱62の連結金具80が作業床又は巾木の直上に位置するように下部手摺柱62aを固定することができる。
このようにすれば、上部手摺柱62bを作業床側に90゜回転したときに、上部手摺枠62bは作業床側に折り畳まれる形になるから、手摺部材を作業台から取り外すことなく、上部手摺枠62bを昇降式移動足場の本体に収納することができる。
よって、昇降式移動足場の運搬時および保管時に手摺部材の紛失等の問題がなくなり、また、手摺部材の取り外しと取付けの手間や運搬の労力が不要となるので作業効率の点からも都合がよい。昇降式移動足場の運搬時及び保管時にはコンパクトになるので、占有スペースも少なくて済む。また、引用文献2に開示された手摺枠を備える昇降式移動足場についての課題も一挙に解決することができる。なお、作業床の縁部に立設する手摺枠66としては、たとえば、下部手摺柱62aと上部手摺柱62bが縦方向に連結されてなる手摺柱62の隣接する2本と、これらの隣接する2本の上部手摺柱62bの間を水平に連結する1本又は複数本の手摺バー63から平面状に形成されたものを用いることができる。
図9は、上部手摺柱62bを作業床側に折り畳んで収納することができる手摺枠(本発明)の一例である。(a)は右側面図、(b)は背面図を示す。そして、図10は、図9における連結金具80(図9(a)および(b)において円で囲まれた部分)の拡大図である。(a)は右側面図、(b)は背面図を示す。
この手摺枠66は、下部手摺柱62aと上部手摺柱62bが板状の連結金具80により縦方向に連結されてなる手摺柱の2本と、2本の上部手摺柱62bの間を水平に連結する2本の手摺バー63から平面状に形成されている。換言すれば、この手摺枠66は、2本の上部手摺柱62bとこれらの間を水平に連結する2本の手摺バー63から平面状に形成された上部手摺枠66bと、2本の上部手摺柱62bの直下に連結金具80により縦方向に連結されてなる2本の下部手摺柱62aから平面状に形成されている。ここでは、上部手摺枠66bにはその同一面内に妻面手摺となる手摺部材65が収納されており、手摺枠66が作業床の縁部56aのそれぞれに垂直に立設された後、上部手摺枠66bに収納されている手摺部材65を横方向に90゜回転して引き出した後、対向して立設される手摺枠66の上部手摺柱62bに留めることで、作業床の両端部56bの上方に妻面手摺が設けられることになる。また、手摺枠66を作業床の縁側に立設する際には、巾木64を手摺枠66の下枠として備えることができる。このとき、上部手摺枠66bの上部手摺柱62bは巾木の上に折り畳むことで、昇降式移動足場の本体に収納することができる。
板状の連結金具80は、下部手摺柱62aと上部手摺柱62bを縦方向に連結するものである。下部手摺柱62aは、その上端近傍に水平方向に穿たれた下部手摺柱連結孔81を有するとともに水平方向に下部連結ボルト84aが挿入されており、そして、上部手摺柱62bは、その下端近傍に水平方向に穿たれた上部手摺柱連結孔82を有するとともに水平方向に上部連結ボルト84bが挿入されており、下部連結ボルト84aと上部連結ボルト84bとの間を、下部手摺柱連結孔81の中心軸回りと上部手摺柱連結孔82の中心軸回りの両方で回転自在に連結している。なお、ここでは、上部手摺柱62bを下部手摺柱62aの直上に自立可能にするための断面コの字状の固定スリーブ85が、連結金具80で連結された下部手摺柱62aと上部手摺柱62bの両端部近傍の外周に取り付けられている。固定スリーブ85の形状と機能については、後述する。
図11は、この手摺枠を図3で示される昇降式移動足場の作業床のそれぞれの縁部に巾木を介して取り付け、スライダークランクの全てを折り畳んだときの右側面図であり、立設状態の手摺枠が作業床側に折り畳まれる際の手順(A)〜(D)を示す。そして、図12は、図11における連結金具(図11(B)および(C)の円で囲まれた部分)の右側面拡大図であり、上部手摺柱を(B)自立状態から(C)収納状態へと回転するときの手順を示す。
図11の(A)は昇降式移動足場の作業台の上での作業終了時の手摺枠の状態を示している。ここでは、左右2つの手摺枠66が、それぞれ、長手巾木(図示せず)を介して、作業床の左右の縁部に垂直に立設されている。作業床の縁部に取り付けられる長手巾木は手摺枠66の下枠としても機能する。さらに、作業床の端部56bには、短手巾木64bが設けられている。それぞれの手摺枠66は、下部手摺柱62aと上部手摺柱62bが連結金具80により縦方向に連結されてなる手摺柱を備えている。そして、下部手摺柱62aは縁部の長手巾木(図示せず)の両端に設けられた巾木貫通金具58と、作業床の縁部両端に設けられた作業床貫通金具57に通されて、作業時の手摺枠としての高さ位置で固定されている。
図11の(B)は、立設状態の一方(左側)の手摺枠の2本の下部手摺柱62aを下方に移動させ、所定位置で固定したときの状態を示している。このときの所定位置とは、次工程(c)で上部手摺柱を作業床側に90゜右回転させたときに、上部手摺枠66bの上部手摺柱62bが短手巾木64bの上に折り畳まれて昇降式移動足場の本体に収納される位置をいう。
図11の(C)は、左側の2本の上部手摺柱62bを作業床側に90゜右回転させて、左側の上部手摺枠66bを作業床側に折り畳んだときの状態を示している。これで、一方(左側)の上部手摺枠66bの上部手摺柱62bが短手巾木64bの上に折り畳まれて昇降式移動足場の本体に収納されたことになる。
図11の(D)は、他方(右側)の手摺枠の2本の下部手摺柱62aを下方に移動し所定位置で固定した後に、右側の2本の上部手摺柱62bを作業床側に90゜左回転させて、右側の上部手摺枠66bの上部手摺柱62bを作業床側に折り畳んだときの状態を示している。このときの所定位置とは、右側の上部手摺柱62bを作業床側に90゜左回転させたときに、短手巾木64bの上に折り畳まれた左側の上部手摺柱62bの上に、さらに右側の上部手摺柱62bが折り畳まれる位置をいう。これで、両方(左側および右側)の上部手摺枠66bが昇降式移動足場の本体に収納されたことになる。
(D) 下部手摺柱62aの直上に、連結金具80で連結された上部手摺柱62bを自立可能にするため、筒状又は断面コの字形状の固定スリーブ85を備えることができる(図10参照)。この固定スリーブ85は、下部手摺柱62aの上端部と上部手摺柱62bの下端部の両端部近傍の外周に取り付けられており、固定スリーブ85を下部手摺柱62aと上部手摺柱62bの連結部の外周を上下させることによって、上部手摺柱62bの回転と自立を切り替えることができる。すなわち、固定スリーブ85が下部手摺柱62aと上部手摺柱62bの連結部の下方に位置するときは、上部手摺柱62bが固定スリーブ85によりロックされて回転できないので、上部手摺柱62bの自立状態を固定することができる。これに対して、固定スリーブ85を連結部の上方の位置に移動させると、上部手摺柱62bは固定スリーブ85によるロックが外れて右回転できるようになる(図12参照)。よって、上部手摺枠66bを作業床側に折り畳むことが可能となる。下部手摺柱62aの上端部の右側(作業床側)には切り欠き部83が設けられているので、板状の連結金具80は作業床側へ右回転できるが、下部手摺柱62aの上端部の左側(作業床とは反対側)へ左回転できないので、上部手摺枠66bが作業床の反対側に倒れかかることはない。
ここでは、固定スリーブ85は、その側面のそれぞれに縦方向に長い長孔を2個上下方向に並べて備えており、下側の長孔と下部手摺柱連結孔とに水平方向に挿入された下部連結ボルトと、上側の長孔と上部手摺柱連結孔とに水平方向に挿入された上部連結ボルトによって、固定スリーブが下部手摺柱62aの上端部と上部手摺柱62bの下端部の両端部近傍の外周に取り付けられている。そして、作業床の反対側の下方には開口部88を有している。開口部88の形状と機能については、後述する。なお、側面の長孔86は縦方向でもよいが、斜め縦方向に設けると上部手摺柱62bのがたつきをなくすことができるので好ましい。
(E) 手摺枠66を作業床の縁側に立設する際には、巾木64を手摺枠62の下枠として備えることができる(図11参照)。図11では、巾木貫通金具58を両端に設けた長手巾木を作業床の縁部に設置した後に、作業床の縁部両端に設けられた作業床貫通金具57と巾木貫通金具58の両方に下部手摺柱62aを縦方向に通すことによって、長手巾木を手摺枠の下枠として作業床の縁部に設置している。このとき、作業床の両端部に取り付けられる短手巾木64bは、長手巾木の両端に設けられた巾木貫通金具58の外面に、短手巾木を固定できる巾木固定金具59を設けて、対向する2つの巾木固定金具59の間に嵌め込むことによって設置することができる。
巾木貫通金具58を両端に設けた長手巾木の代わりに、巾木貫通金具58を両端に設けた短手巾木を作業床の端部に設置した後に、作業床の縁部両端に設けられた作業床貫通金具57と巾木貫通金具58の両方に下部手摺柱62aを縦方向に通すことによっても、短手巾木を作業床の両端部に設置することができる。このとき、作業床の縁部に取り付けられる長手巾木は、短手巾木の両端に設けられた巾木貫通金具58の外面に、長手巾木を固定できる巾木固定金具59を設けて、対向する2つの巾木固定金具59の間に嵌め込むことによって、長手巾木を手摺枠62の下枠として備えることができる。
あるいは、作業床の縁部両端に設けられた作業床貫通金具57を上方に延長し、この延長部の外面に、短手巾木を固定できる巾木固定金具59と長手巾木を固定できる巾木固定金具59をそれぞれ設けて、対向する2つの巾木固定金具59の間にそれぞれ嵌め込むことによっても、作業床の両端部に短手巾木を、そして、作業床の両縁部に長手巾木を設置することができる。この場合も、長手巾木を手摺枠62の下枠として備えることができる。
(F) 下部手摺柱は作業床の縁部両端に設けられた作業床貫通金具を通して上下方向に移動した後に所定高さ位置で固定するためには、たとえば、作業床貫通金具と下部手摺柱の両方に固定孔を穿っておき、これらの両方の孔に固定金具を挿入すればよい。固定金具は作業床貫通金具に取り付けてもよいが、このとき、固定金具にバネを取り付けておけば、バネの付勢で固定金具を挿入することができる。
(G) 作業床の端部の手摺としては、対向する手摺枠の手摺柱の間に手摺バーの1本又は複数本を水平又は斜めに取り付けることでよい。あるいは、作業床の縁部56aのそれぞれに垂直に立設される手摺枠66の上部手摺枠66bの同一面内に妻面手摺となる手摺部材65を収納させたものを用いることができる。この上部手摺枠66bに収納されている手摺部材65は、手摺枠66を作業床の縁部に立設後に横方向に90゜回転して引き出した後、対向して立設される手摺枠66の上部手摺柱62bに留めることができる。この結果、作業床の両端部56bの上方に妻面手摺が設けられることになる。この結果、作業台60の四囲に手摺が形成されることになる。ここで、作業床の端部の手摺は、手摺としての役割に加えて、タラップへの作業員の昇降用扉としての役割を果たす。
(H) 昇降式移動足場の作業床は、最上段の水平フレーム上に直接、網目状板や縞付き板などを張ることで形成する場合と、最上段の水平フレーム上に別途の作業床用フレームを設けた上で網目状板や縞付き板などを張ることで形成する場合がある。いずれの場合も、作業床のそれぞれの縁部両端に作業床貫通金具を設けることができる。
本発明に係る手摺枠と昇降式移動足場はこれらの知見に基づいて完成したものであり、本発明は次の(1)〜(9)の手摺枠および(10)の昇降式移動足場を要旨とする。
(1) 昇降式移動足場の作業床の縁部に立設される手摺枠であって、板状又は棒状の連結金具により縦方向に連結された下部手摺柱と上部手摺柱からなり、上部手摺柱は下部手摺柱の直上に自立可能であるとともに、上部手摺柱は下部手摺柱の上部近傍に水平方向に穿たれた下部手摺柱連結孔の中心軸回りに作業床側にのみ回転可能であり、下部手摺柱の上端部は上部手摺柱の作業床側への回転時に板状又は棒状の連結金具を収容できるだけの縦方向の切り欠き部を作業床側に有する手摺柱を備え、かつ、下部手摺柱は作業床の縁部両端に設けられた作業床貫通金具を通して上下方向に移動可能かつ所定高さ位置で固定可能であることを特徴とする、作業床上に折り畳むことができる手摺枠。
(2) 下部手摺柱連結孔には水平方向に下部連結ボルトが挿入されており、この下部連結ボルトに上部手摺柱と連結する板状又は棒状の連結金具が、下部手摺柱連結孔81の中心軸回りで回転自在に連結されていることを特徴とする、上記(1)の手摺枠。
(3) 上部手摺柱は、その下端近傍に水平方向に穿たれた上部手摺柱連結孔を有し、かつ、水平方向に上部連結ボルトが挿入されており、この上部連結ボルトに下部手摺柱と連結する板状又は棒状の連結金具が、下部手摺柱連結孔81の中心軸回りと上部手摺柱連結孔82の中心軸回りの両方で回転自在に連結されていることを特徴とする、上記(1)または(2)の手摺枠。
(4) 上部手摺柱の自立状態を固定するための筒状又は断面コの字形状の固定スリーブを、下部手摺柱62aの上端部と上部手摺柱62bの下端部の両端部近傍の外周に取り付けることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかの手摺枠。
(5) 固定スリーブは作業床とは反対側の下方に開口部を有することを特徴とする、上記(4)の手摺枠。
(6) 固定スリーブはその両側面に縦方向に長い長孔を2個上下方向に並べて備えており、下側の長孔と下部手摺柱連結孔とに水平方向に挿入された下部連結ボルトと、上側の長孔と上部手摺柱連結孔とに水平方向に挿入された上部連結ボルトによって、固定スリーブが下部手摺柱62aの上端部と上部手摺柱62bの下端部の両端部近傍の外周に取り付けられていることを特徴とする、上記(4)又は(5)の手摺枠。
(7)固定スリーブの両側面の長孔の方向が斜め縦方向であることを特徴とする、上記(6)の手摺枠。
(8) 下部手摺柱は、作業床貫通金具を通して上下方向に移動後に所定高さ位置で固定するための固定金具を挿入する固定孔を有することを特徴とする、上記(1)〜(7)のいずれかの手摺枠。
(9) 巾木を下枠として備えることを特徴とする、上記(1)〜(8)のいずれかの手摺枠。
(10) 上記(1)〜(9)のいずれかの手摺枠を備えることを特徴とする、接地面に車輪を備えるとともに所定場所に移動かつ固定可能な矩形の基台フレームと、スライダークランクを介して伸縮自在に積み重ねられた複数段の水平フレームと、作業床フレームと、作業床を順に備える昇降式移動足場。
本発明に係る手摺枠は、昇降式移動足場での作業時には手摺枠を作業床の縁部の両側に立設固定することによって作業員の安全を図ることができる一方、昇降式移動足場の運搬時及び保管時には立設状態の一方の手摺枠の2本の下部手摺柱を下方に移動させ、所定位置で固定した後、2本の上部手摺柱を作業床側に90゜回転させることで一方の手摺枠を作業床側へ折り畳み、そして、他方の手摺枠についても同様の操作を繰り返すことによって、両方の手摺枠を昇降式移動足場の本体に収納することができる。手摺部材を取り外す必要はないし、手摺枠の収納作業のスペースを格別に必要とするものではない。また、上部手摺枠が作業床と反対側に倒れかかることはないので、作業員の安全が図られる。よって、収納時の作業性と安全性に優れている。さらに、収納後の運搬時及び保管時の占有スペースをコンパクトにすることができる。
特許文献1で開示された技術に基づき実用化されている昇降式移動足場の一例であり、垂直方向に伸張した状態を示す。(a)が正面図、(b)が右側面図である。 図1の昇降式移動足場を垂直方向に折り畳んだ状態を示す。(a)が正面図、(b)が右側面図である。 特許文献1で開示された技術に基づき実用化されている昇降式移動足場の他の例であり、垂直方向に伸張した状態を示す。(a)が正面図、(b)が右側面図である。 特許文献2で開示された手摺枠を、図3で示される昇降式移動足場の手摺として取り付けたときの、作業時における実施態様を示す。(a)が正面図、(b)が右側面図である。 手摺枠(比較例)を外側に回転させて昇降式移動足場本体に横付けて収納する手順を示す説明図(右側面図)である。 手摺枠(比較例)の組み立てに大きな作業スペースが必要となることを示す説明図(右側面図)である。 手摺枠(比較例)の回転作業時に作業員90が怪我をする事故が発生する恐れを示す右側面図である。 昇降式移動足場の作業床の縁部に立設された手摺枠(比較例)をその下枠を回転軸として、作業床側に回転させたときの状況を示す右側面図である。 上部手摺柱62bを作業床側に折り畳んで収納することができる手摺枠(本発明)の一例である。(a)は右側面図、(b)は背面図を示す。 図9における連結金具80(図9(a)および(b)において円で囲まれた部分)の拡大図である。(a)は右側面図、(b)は背面図を示す。 図9の手摺枠を図3で示される昇降式移動足場の作業床のそれぞれの縁部に巾木を介して取り付け、スライダークランクの全てを折り畳んだときの右側面図であり、立設状態の手摺枠が作業床側に折り畳まれる際の手順(A)〜(D)を示す。 図11における連結金具80(図11(B)および(C)の円で囲まれた部分)の右側面拡大図であり、上部手摺柱が(B)自立状態から(C)収納状態へと回転するときの推移を示す。 本発明に係る手摺枠の一例を示す図である。(a)は正面図、(b)は右側面図、そして、(c)は背面図である。 図13で示された手摺枠を、巾木を介して、スライダークランクの全てを折り畳んだときの昇降式移動足場の作業床の縁部に取り付けるときの手順を示す正面図である。 手摺枠66を分解したときの上部手摺枠66bを示す。(a)は右側面図、(b)は背面図である。 手摺枠66を分解したときの下部手摺柱62aを示す。(a)は右側面図、(b)は背面図である。 図16の下部手摺柱62aの上端部(図16(a)および(b)において円で囲まれた部分)の拡大図であり、(a)は右側面図、(b)は背面図、(c)は平面図を示す。 上部手摺枠66bの上部手摺柱62bと、下部手摺柱62aとを連結するときの手順を示す。(a)は右側面図、(b)は背面図である。 上部手摺枠66bの上部手摺柱62bと、下部手摺柱62aとが連結金具80により連結された状態を示す。(a)が正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。 図19(b)における上部手摺柱62bを、下部手摺柱連結孔81の中心軸回りに右方向に回転する際の動きを示す右側面図である。 上部手摺柱の自立状態を固定するための固定スリーブを、図19で示された上下部の手摺柱の連結部に取り付けた状態を示す。(a)が正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。 固定スリーブの分解図であり、(a)が正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図、(d)は平面図を示している。 図22の変形例(長孔の形状が異なる。)である。 図21で示された固定スリーブ85を操作して、自立状態の上部手摺柱62bを右回転させて作業床側に折り畳まれる際の手順(A)〜(D)を示す。いずれも、右側面拡大図である。 本発明に係る巾木の一例を示す図である。(a)が正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図、(d)は平面図である。 本発明に係る作業床の一例を示す図である。(a)が正面図、(b)は右側面図、(c)は平面図である。 作業床の縁部の両端に設けられる作業床貫通金具の一例(拡大正面図)である。 作業床の縁部の両端に設けられる作業床貫通金具の他の例(拡大正面図)である。 昇降式移動足場での作業終了時の手摺枠の状態を示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。 昇降式移動足場での作業終了後に、妻面手摺として用いられていた手摺部材を上部手摺枠66bに収納する作業を示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。 作業床の手前側の手摺枠66の下部手摺柱62aの高さ位置を変更するために、向かって左側の作業床貫通金具57に取り付けられた固定金具によるロックを解除する作業を示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。(A)と(B)は作業床貫通金具57((a)の円で囲まれた部分)の拡大正面図であり、(A)が固定金具94によるロックがされた状態を、そして、(B)がロックを解除した状態を示している。 作業床の手前側の手摺枠66の下部手摺柱62aの高さ位置を変更するために、向かって右側の作業床貫通金具57に取り付けられた固定金具によるロックを解除する作業を示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。(A)と(B)は作業床貫通金具57((a)の円で囲まれた部分)の拡大正面図であり、(A)が固定金具94によるロックがされた状態を、そして、(B)がロックを解除した状態を示している。 作業床の手前側の手摺枠66がその重みで下方に移動し、固定スリーブが巾木貫通金具の上端に接触したときの固定スリーブの動きを示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。(A)〜(C)は固定スリーブ((b)の円で囲まれた部分)の周辺の拡大右側面図であり、固定スリーブの長孔内を下部連結ボルトと上部連結ボルトが下方に移動する動きを示している。 固定スリーブのロックが外れて、上部手摺柱62bが作業床側に右回転して折り畳まれるときの動きを示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。(A)〜(C)は固定スリーブの周辺の拡大右側面図であり、上部手摺柱62bと固定スリーブが右回転する動きを示している。 作業床の向こう側の手摺枠66について、同様の作業を繰り返して、上部手摺柱を90゜左回転して、作業床側に折り畳んだときの状態を示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。(A)は短手巾木64bの周辺の拡大右側面図である。
以下、図面を用いて、本発明に係る手摺枠および昇降式移動足場について説明する。
(1)手摺枠について
図13は、本発明に係る手摺枠の一例を示す図である。(a)は正面図、(b)は右側面図、そして、(c)は背面図である。
この手摺枠66は、下部手摺柱62aと上部手摺柱62bが板状の連結金具80により縦方向に連結されてなる手摺柱62の左右2本と、左右2本の上部手摺柱62bの間を水平に連結する2本の手摺バー63から平面状に形成されている。別の言い方をすれば、この手摺枠66は、左右2本の上部手摺柱62bとこれらの間を水平に連結する2本の手摺バー63から平面状に形成された上部手摺枠66bと、2本の上部手摺柱62bの直下に連結金具80により縦方向に連結されてなる左右2本の下部手摺柱62aから平面状に形成されている。2本の下部手摺柱62aの下端近傍には、下部手摺柱62aを上下方向に移動後に所定高さ位置で固定するための固定金具を挿入する固定孔95を有している。
上部手摺枠66bにはその同一面内に手摺部材(妻面手摺部材)65が収納されており、手摺枠66を作業床の縁部に立設後、横方向に90゜回転して引き出した後、対向して立設される手摺枠66の上部手摺柱62bに留めることで、作業床の両端部の上方に妻面手摺が設けられることになる。
図14は、図13で示された手摺枠を、巾木を介して、スライダークランクの全てを折り畳んだときの昇降式移動足場の作業床の縁部に取り付けるときの手順を示す正面図である。
作業床貫通金具57が両端に設けられた作業床の縁部に、作業床貫通金具57の設置間隔と同じ長さを有し両端には巾木貫通金具58が設けられた長手巾木64aを取り付けた後、下部手摺柱62aのそれぞれを長手巾木64aの両端に設けられた巾木貫通金具58と、作業床の縁部両端に設けられた作業床貫通金具57に通すことによって、手摺枠66を作業床の縁部に立設することができる。ここで、作業床の縁部56aに取り付けられる長手巾木は手摺枠66の下枠としても機能することになる。
(2)上部手摺枠と下部手摺柱の連結部について
図15および図16は、手摺枠から連結金具を外し、上部手摺枠66bと、左右2本の下部手摺柱62aとに分解したときの上部手摺枠66bおよび下部手摺柱62aをそれぞれ示す。(a)が右側面図、(b)が背面図である。そして、図17は図16の下部手摺柱62aの上端部(図16(a)および(b)において円で囲まれた部分)の拡大図であり、(a)が右側面図、(b)が背面図、(c)が平面図を示す。
上部手摺枠66bの上部手摺柱62bを作業床側にのみ回転可能とするために、下部手摺柱62aの上部近傍には下部手摺柱連結孔81が水平方向に穿たれているとともに、
下部手摺柱62aの上端部には上部手摺柱62bを作業床側へ回転するときに、板状又は棒状の連結金具80を収容できるだけの縦方向の切り欠き部83が作業床側に設けられている。下部手摺柱62aの下端近傍の固定孔95は、下部手摺柱62aを上下方向に移動後に所定高さ位置で固定するための固定金具を挿入するために穿たれている。
(3)連結金具について
図18は、上部手摺枠の上部手摺柱62bと、下部手摺柱62aとを連結するときの手順を示す。(a)が右側面図であり、(b)が背面図である。そして、図19は上部手摺枠66bの上部手摺柱62bと、下部手摺柱62aとが連結金具80により連結された状態を示す。(a)が正面図、(b)が右側面図、(c)が背面図である。
連結金具80は、下部手摺柱62aの上端近傍に水平方向に穿たれた下部手摺柱連結孔81に水平方向に挿入された下部連結ボルト84aと、上部手摺柱62bの下端近傍に水平方向に穿たれた上部手摺柱連結孔82に水平方向に挿入された上部連結ボルト84bとの間を、下部手摺柱連結孔81の中心軸回りと上部手摺柱連結孔82の中心軸回りの両方で回転自在に連結している。連結金具80は板状であって、その幅は、上部手摺柱62bを作業床側へ回転するときに板状の連結金具80を収容できるように、下部手摺柱62aの上端部に設けられた縦方向の切り欠き部83の幅より小さく設定されている。なお、ここでは、連結金具80は、少なくとも下部手摺柱連結孔81の中心軸回りで回転自在に連結していればよく、上部手摺柱連結孔82に関しては回転自在でなくても良く、たとえば、溶接で固定連結しても構わない。
図20は、図19(b)における上部手摺柱62bを、下部手摺柱連結孔81の中心軸回りに右方向に回転する際の動きを示す右側面図である。
下部手摺柱62aの上端部には、板状の連結金具80が下部手摺柱連結孔81の中心軸回りに90゜まで右回転できるように、板状の連結金具80を受容できる縦方向の切り欠き部83が作業床側の側面にのみ設けてある。下部手摺柱62aの上端部には、作業床とは反対側には切り欠き部が存在しないので、作業床の反対側には回転できない。なお、上部手摺柱62bは上部手摺柱連結孔82の中心軸回りに回転できるので、上部手摺柱62bは下部手摺柱62aに対して90゜を超えて回転することができる。
(4)固定スリーブについて
図21は、上部手摺柱の自立状態を固定するための固定スリーブを、図19で示された上下部の手摺柱の連結部に取り付けた状態を示す。(a)が正面図、(b)が右側面図、(c)が背面図である。図22は、固定スリーブ本体の図であり、(a)が正面図、(b)が右側面図、(c)が背面図、(d)が平面図を示している。図23は、図22の変形例(長孔の形状が異なる。)である。
この固定スリーブ85は、下部手摺柱62aの上端部と上部手摺柱62bの下端部の両端部近傍の外周に取り付けられているが、作業床とは反対側の下方には下向きの開口部88が設けられている。固定スリーブ85が下部手摺柱62aと上部手摺柱62bの連結部の下方位置にあって、開口部88の上端が下部手摺柱62aの上端より下方に位置するときは、上部手摺柱62bは固定スリーブ85にロックされて回転できない。よって、上部手摺柱62bの自立状態を固定することができる。ここでは、固定スリーブ85は、その側面のそれぞれに斜め縦方向に長い長孔を2個上下方向に並べて備えており、下側の長孔86aと下部手摺柱連結孔とに水平方向に挿入された下部連結ボルト84aと、上側の長孔86bと上部手摺柱連結孔とに水平方向に挿入された上部連結ボルト84bによって、固定スリーブ85が下部手摺柱62aの上端部と上部手摺柱62bの下端部の両端部近傍の外周に取り付けられている。なお、側面の長孔86は縦方向(図23参照)でもよいが、斜め縦方向にすると上部手摺柱62bのがたつきをなくすことができるので斜め縦方向に設けるのが好ましい。
固定スリーブ85を下部手摺柱62aと上部手摺柱62bの連結部の上方へ移動させ、固定スリーブ85の開口部88の上端が下部手摺柱の上端部を超える位置までくると、上部手摺柱62bは固定スリーブ85によるロックが外れて右回転できるようになる。よって、上部手摺枠66bを作業床側に折り畳むことが可能となる。
図24は、図21で示された固定スリーブ85を操作して、自立状態の上部手摺柱62bを右回転させて作業床側に折り畳まれる際の手順(A)〜(D)を示す。いずれも右側面拡大図である。
図24(A)は、固定スリーブ85が下部手摺柱62aと上部手摺柱62bの連結部の下方位置にあって、開口部88の上端が下部手摺柱62aの上端より下方に位置しているので、上部手摺柱62bは固定スリーブ85にロックされて回転できない。よって、上部手摺柱62bは下部手摺柱62aの直上に自立したままである。
図24(B)は、固定スリーブ85を少し上方の位置へ移動させたときの図である。このときも、開口部88の上端が下部手摺柱62aの上端より下方に位置しているので、上部手摺柱62bは固定スリーブ85にロックされて回転できない。上部手摺柱62bは右方向に少し傾くが、右回転には至らないので、上部手摺柱62bは下部手摺柱62aの直上に自立したままである。
図24(C)は、固定スリーブ85をさらに上方へ移動させたときの図である。ここまでくると、開口部88の上端が下部手摺柱62aの上端を超える位置になるので、ロックが外れて、上部手摺柱62bは右方向への回転が始まる。このとき、固定スリーブ85が下部連結ボルト84aの軸回りに右回転する。
図24(D)は、固定スリーブ85が下部手摺柱62aに対して90゜右回転し、上部手摺柱62bもまた下部手摺柱62aに対して90゜右回転したときの図である。固定スリーブ85は、下部手摺柱62aの上端部の右側(作業床側)に設けられた切り欠き部83の下端が存在するので、90゜右回転した位置で止まるが、上部手摺柱62bは下部手摺柱62aに対して90゜を超えて回転することができる。
(5)巾木と巾木貫通金具について
図25は、本発明に係る巾木の一例を示す図である。(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図、(d)は平面図である。
作業床の縁部56aのそれぞれに、両端に巾木貫通金具58と巾木固定金具59が取り付けられた長手巾木64aを設置し、そして、作業床の端部56bのそれぞれには、対向する長手巾木64aの両端に取り付けられた巾木固定金具59の間に嵌め込むことによって短手巾木64bが設置されている。ここで、巾木貫通金具の高さが対向する長手巾木64aの高さとは上部手摺柱の幅の分だけ異なっている。これは、一方の上部手摺柱を作業床側に回転させたときに短手巾木64bの上に折り畳まれ、次に他方の上部手摺柱を作業床側に回転させたときは、その折り畳まれた一方の上部手摺柱の上に、他方の上部手摺柱が折り畳まれることになるが、巾木貫通金具を同じ高さにすると干渉が生じてうまく収納ができなくなる恐れがあるからである。
(6)作業床と作業床貫通金具について
図26は、本発明に係る作業床の一例を示す図である。(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は平面図である。
作業床56は、作業床の縁部56aの2つのフレームと端部56bのフレームの2つの上に網目状板を張ることによって形成されている。そして、作業床のそれぞれの縁部の両端に、下部手摺柱62aを通すための作業床貫通金具57が設けられている。
図27と図28に、作業床の縁部の両端に設けられる作業床貫通金具の例(拡大正面図)を2つ示す。図27はバネ付きの固定金具を備える例であり、図28はピン形状の固定金具を備える例である。
この作業床貫通金具57は、下部手摺柱を上下方向に移動後に所定高さ位置で固定するためのものであって、作業貫通金具57に通された下部手摺柱と作業床貫通金具57のそれぞれに穿たれた固定孔の両方に、固定金具94を同時に挿入することによってロックすることで、下部手摺柱を所定高さ位置に固定することができる。
図27のバネ付き固定金具94は作業床貫通金具57の側面に取り付けられたものであって、バネ96で付勢されているから、固定金具94のロックを解除し、固定孔から引き出した後に、手を離しただけで固定金具94を作業床貫通金具57に挿入することができる。図28の固定金具94はピン形状であるから、バネの付勢力はないが、作業床貫通金具57の側面に取り付ける必要はない。
(7)手摺枠の収納手順について
図29〜図35に、本発明に係る手摺枠が昇降式移動足場の作業床上に立設された状態から折り畳まれて収納された状態に至るまでの手順を示す。
図29は、昇降式移動足場での作業終了時の手摺枠の状態を示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。
2つの手摺枠66の下部手摺柱62aが、それぞれ、長手巾木64aの両端に取り付けられた巾木貫通金具58を介して、作業床の縁部56aの両端に設けられた作業床貫通金具57に通されて、作業時の手摺枠としての高さ位置で固定されている。作業床の端部56bには、長手巾木64aの両端の外面に取り付けられた巾木固定金具59の間に短手巾木64bが嵌め込まれており、また、上部手摺枠66bに収納されていた手摺部材65が引き出されて妻面手摺として機能している。
図30は、昇降式移動足場での作業終了後に、妻面手摺として用いられていた手摺部材65を上部手摺枠66bに収納する作業を示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。
図31は、作業床の手前側の手摺枠66の下部手摺柱62aの高さ位置を変更するために、向かって左側の作業床貫通金具57に取り付けられた固定金具によるロックを解除する作業を示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。(A)と(B)は作業床貫通金具57((a)の円で囲まれた部分)の拡大正面図であり、(A)が固定金具94によるロックがされた状態を、そして、(B)がロックを解除した状態を示している。
向かって左側の固定金具によるロックを解除することにより、向かって左側の作業床貫通金具57に取り付けられた下部手摺柱62aはある程度下方に移動するだけである。これは、上部手摺枠66bがその形状を保っているからである。
図32は、作業床の手前側の手摺枠66の下部手摺柱62aの高さ位置を変更するために、向かって右側の作業床貫通金具57に取り付けられた固定金具によるロックを解除する作業を示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。(A)と(B)は作業床貫通金具57((a)の円で囲まれた部分)の拡大正面図であり、(A)が固定金具94によるロックがされた状態を、そして、(B)がロックを解除した状態を示している。
向かって右側の固定金具によるロックを解除することにより、左右両側の下部手摺柱62aを下方に移動させることができ、もって、手摺枠66の全体を下方に移動させることができる。
図33は、作業床の手前側の手摺枠66がその重みで下方に移動し、固定スリーブが巾木貫通金具の上端に接触したときの固定スリーブの動きを示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。(A)〜(C)は固定スリーブ((b)の円で囲まれた部分)の周辺の拡大図であり、固定スリーブの長孔内を下部連結ボルトと上部連結ボルトが下方に移動する動きを示している。
手摺枠66がその重みで下方に移動し、固定スリーブ85が巾木貫通金具58の上端に接触すると、その後も手摺枠66は固定スリーブ85だけを巾木貫通金具58の上端に残したまま、さらに下方へ移動し続けるので、固定スリーブの長孔86の中を下部連結ボルト84aと上部連結ボルト84bが下方に移動する。そして、下部連結ボルトと上部連結ボルトが長孔86の下端に着地することで、手摺枠66の下方への移動は止まる。
図34は、固定スリーブ85のロックが外れて、上部手摺柱62bが作業床側に右回転して折り畳まれるときの動きを示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。(A)〜(C)は固定スリーブの周辺の拡大図であり、上部手摺柱62bと固定スリーブが右回転する動きを示している。
固定スリーブ85の開口部88の上端が下部手摺柱62aの上端を超える位置になると、固定スリーブのロックが外れて、上部手摺柱62bの右方向への回転が始まるとともに、固定スリーブ85もまた下部連結ボルト84aの軸回りに右回転する。そして、90゜右回転したとき、固定スリーブ85は下部手摺柱の切り欠き部83の下端が存在するので90゜右回転した位置で止まり、上部手摺柱62bは短手巾木64bの上に折り畳まれる。
図35は、作業床の向こう側の手摺枠66について、同様の作業を繰り返して、上部手摺柱を90゜左回転して、作業床側に折り畳んだときの状態を示している。(a)が正面図、(b)が右側面図である。(A)は短手巾木64bの周辺の拡大図である。
作業床の手前側の手摺枠の上部手摺柱62bが短手巾木64bの上に折り畳まれたその上に、作業床の向こう側の手摺枠の上部手摺柱62bが折り畳まれたことによって、2つの手摺枠が昇降式足場の本体201aの上に収納されたことになる。ここで、左右の巾木貫通金具58の高さが上部手摺柱62bの幅の分だけ異なっている。これは、一方の上部手摺柱62bを作業床側に回転させたときに短手巾木64bの上に折り畳まれ、次に他方の上部手摺柱62bを作業床側に回転させたときは、その折り畳まれた一方の上部手摺柱の上に、他方の上部手摺柱62bが折り畳まれることになるが、巾木貫通金具58を同じ高さにすると干渉が生じてうまく収納ができなくなる恐れがあるからである。
本発明によれば、作業後に手摺を作業台から取り外す必要がなく、その作業性と安全性に優れる降式移動足場を提供することができる。また、本発明に係る昇降式移動足場は手摺を作業台から取り外さなくてもコンパクトになるから、運搬時及び保管時の占有スペースを小さくすることができる。運搬時及び保管時の占有スペースをコンパクトにすることができる。
5 基体フレーム
6 ブレーキロック付き車輪
7 基体フレームの支柱
40 水平フレーム
41 水平フレームの横部材
50 X字形のスライダークランク
51 ピン
52 留め具
56 作業床
56a 作業床の縁部
56b 作業床の端部
57 作業床貫通金具
58 巾木貫通金具
59 巾木固定金具
60 作業台
62 手摺柱
62a 下部手摺柱
62b 上部手摺柱
63 手摺バー
64 巾木
64a 作業床の縁部の巾木(長手巾木)
64b 作業床の端部の巾木(短手巾木)
65 手摺部材(妻面手摺部材)
66 手摺枠
66b 上部手摺枠
68 回転軸
69 フレーム間の支柱(昇降用タラップ)
70 フレーム間の支柱の長材
71 フレーム間の支柱の横材
75 ジャッキベース
76 アウトリガー
80 連結金具
80a 連結金具下部連結孔
80b 連結金具上部連結孔
81 下部手摺柱連結孔
82 上部手摺柱連結孔
83 切り欠き部
84 連結ボルト
84a 下部連結ボルト
84b 上部連結ボルト
85 固定スリーブ
86 固定スリーブ長孔
86a 固定スリーブ下部長孔
86b 固定スリーブ上部長孔
88 固定スリーブ開口部
90 作業員
94 固定金具
95 固定孔
96 バネ
200 昇降式移動足場
201a 昇降式移動足場本体

Claims (8)

  1. 昇降式移動足場の矩形状の作業床の四隅に設けられた作業床貫通金具に挿入されることで立設される手摺枠であって、
    前記作業床の縁部両端に設けられた一対の作業床貫通金具の設置間隔と同じ長さを有し、両端に一対の巾木貫通金具が設けられた一対の巾木と、
    前記一対の巾木貫通金具及び前記一対の作業床貫通金具それぞれの貫通孔を上下に一致させて前記巾木を前記縁部上部に載置した状態で、上下方向に移動可能に前記貫通孔に挿入される下部手摺柱と、板状又は棒状の連結金具により縦方向に、前記下部手摺柱と連結された上部手摺柱とからなる一対の手摺柱と、
    前記一対の手摺柱それぞれに設けられ、前記下部手摺柱と上部手摺柱とを連結する固定スリーブと、
    を備え、
    前記一対の巾木の一方、及び、前記一対の手摺柱の一方は、前記四隅に設けられた作業床貫通金具のうち、前記一対の作業床貫通金具に対して設けられ、
    前記一対の巾木の他方、及び、前記一対の手摺柱の他方は、前記四隅に設けられた作業床貫通金具のうち、前記一対の作業床貫通金具以外の作業床貫通金具に対して設けられ、
    前記一対の巾木のうち、一方の巾木の前記巾木貫通金具の高さと、他方の巾木の前記巾木貫通金具の高さとは、前記上部手摺柱の太さ分だけ異なり、
    前記上部手摺柱は、前記下部手摺柱の直上に自立可能であるとともに、前記下部手摺柱の上部近傍に水平方向に穿たれた下部手摺柱連結孔の中心軸回りに前記作業床側にのみ回転可能であり、
    前記下部手摺柱は、前記作業床貫通金具および前記巾木貫通金具それぞれの貫通孔を通して上下方向に移動可能かつ所定高さ位置で固定可能であり、
    前記下部手摺柱の上端部の作業床側側面には、前記上部手摺柱の前記作業床側への回転時に前記連結金具を収容できるだけの縦方向の切り欠き部が設けられ、
    前記固定スリーブは、
    前記下部手摺柱が前記巾木貫通金具および前記作業床貫通金具に沿って下方に移動するときに、前記巾木貫通金具の上端に接触するように、前記下部手摺柱の上端部と前記上部手摺柱の下端部との外周に設けられ、前記上部手摺柱の自立状態を固定する第1の位置と、前記第1の位置より上方の第2位置との間で、前記上部手摺柱および前記下部手摺柱に対して上下方向に移動可能であり、前記第1の位置にあるとき前記上部手摺柱の前記作業床側への回転を不可にし、前記第2位置にあるとき前記上部手摺柱の前記作業床側への回転を可能にする、
    ことを特徴とする、作業床上に折り畳むことができる手摺枠。
  2. 前記下部手摺柱連結孔には水平方向に下部連結ボルトが挿入されており、
    前記連結金具は、前記下部手摺柱連結孔の中心軸回りで回転自在に前記下部連結ボルトに連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の手摺枠。
  3. 前記固定スリーブは前記作業床とは反対側の下方に開口部を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の手摺枠。
  4. 前記連結金具は、その上端部に設けられた連結金具上部連結孔と、下端部に設けられた連結金具下部連結孔とを有し、
    前記上部手摺柱は、その下部近傍に水平方向に穿たれた上部手摺柱連結孔を有し、
    前記固定スリーブはその両側面に縦方向に長い長孔を2個上下方向に並べて備えており、下側の長孔と前記下部手摺柱連結孔と前記連結金具下部連結孔とに水平方向に挿入された下部連結ボルトと、上側の長孔と前記上部手摺柱連結孔と前記連結金具上部連結孔とに水平方向に挿入された上部連結ボルトによって、前記固定スリーブが前記下部手摺柱の上端部と前記上部手摺柱の下端部との外周に取り付けられていることを特徴とする、請求項3に記載の手摺枠。
  5. 前記下部連結ボルトは、前記下側の長孔に沿って、前記縦方向へ移動可能であり、
    前記上部連結ボルトは、前記上側の長孔に沿って、前記縦方向へ移動可能であり、
    前記固定スリーブは、
    前記下部連結ボルトおよび前記上部連結ボルトが、前記下側の長孔および前記上側の長孔の上側端部に位置するとき、前記開口部の上端と、前記下部手摺柱の上端部とが接触することで、前記上部手摺柱の前記作業床側への回転を不可にし、
    前記下部連結ボルトおよび前記上部連結ボルトが、前記下側の長孔および前記上側の長孔の下側端部に位置するとき、前記下部手摺柱の上端部が、前記開口部の上端より下方に位置して、前記開口部の上端と、前記下部手摺柱の上端部とが接触しなくなることで、前記上部手摺柱の前記作業床側への回転を可能にする、
    請求項4に記載の手摺枠。
  6. 前記固定スリーブの両側面の長孔の方向が斜め縦方向であることを特徴とする、請求項5に記載の手摺枠。
  7. 前記下部手摺柱は、前記作業床貫通金具を通して上下方向に移動後に所定高さ位置で固定するための固定金具を挿入する固定孔を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれかに記載の手摺枠。
  8. 請求項1からまでのいずれかに記載の手摺枠を備えることを特徴とする、接地面に車輪を備えるとともに所定場所に移動かつ固定可能な矩形の基台フレームと、スライダークランクを介して伸縮自在に積み重ねられた複数段の水平フレームと、作業床フレームと、作業床を順に備える昇降式移動足場。
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