JP6716979B2 - 印刷物検査装置、印刷物検査方法およびプログラム - Google Patents
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Description
また、プロダクションプリンティング装置の大サイズ用紙(A0など)への対応も進んでいて、ポスターなどの用途に使われている。そして、用紙サイズが大きくなると、検査する面積が増加し、結果、検査時間が増加してしまう。
しかしながら、従来技術のように、用紙の質に応じて判定基準を切り換えるだけでは、用紙のサイズが大きい場合、検査時間が長くなり、上記問題を解決することができなかった。
原稿情報を印刷装置で印刷した印刷物の検査を行う印刷物検査装置であって、
前記印刷物を撮像し検査画像データとして読み取る検査画像読取手段と、
前記原稿情報を変換してマスタ画像データを生成するマスタ画像生成手段と、
前記検査画像データと前記マスタ画像データとを比較し、前記印刷物の状態の良否判定を行う判定手段と、を有し、
前記判定手段は、簡易判定手段と通常判定手段とを備え、かつ、前記印刷物の用紙サイズが大きい場合には、前記簡易判定手段による良否判定を行い、それ以外の場合には、前記通常判定手段による良否判定を行うことを特徴とする。
(システム構成)
まず、実施の形態1の検査装置を備えた印刷システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態1の印刷物検査装置を含む印刷システムAおよびデータの流れを示す全体図である。
印刷システムAは、プリンタ10と操作部20と検査装置30とスタッカ40とを備える。
このプリンタ10から排紙された用紙Ppは、検査装置30に供給されて印刷品の検査が行われる。なお、この印刷後の用紙Ppを「印刷物」と称する。
また、印刷物における欠陥としては、図2に示すように、縦横の黒スジ、縦横の白スジ、縦横の黒帯、縦横の白帯、黒斑点、ホタル、トナー落ち、地汚れなどがある。
次に、プリンタ10および検査装置30の制御構成を説明する。
図4は、プリンタ10と検査装置30の制御構成を示すブロック図である。
図4に示すように、プリンタ10は、印刷画像生成部110、プリンタ制御部120、印刷物生成制御部130を備える。
検査画像読取装置31,32は、前述のように、印刷物をスキャンして検査画像データを生成し、比較検査部340に供給する。
図5は、マスタ画像生成部310の構成を示すブロック図であり、マスタ画像生成部310は、少値多値変換処理装置311、解像度変換処理装置312、色変換処理装置313を備える。すなわち、マスタ画像生成部310は、RIP画像を、少値多値変換処理装置311により多値bit化し、さらに、解像度変換処理装置312により解像度変換し、色変換処理装置313により色変換などの処理を施す。これにより、マスタ画像生成部310では、検査画像データと同一形式に変換されたマスタ画像データが生成される。
次に、比較検査部340におけるマスタ画像データと検査画像データとの比較に基づく印刷品質良否判定処理の流れを図6のフローチャートに基づいて説明する。なお、制御部30aにおいて、比較検査部340に相当する部位は、後述するフローチャートに示す処理を実行するプログラムを備える。
ステップS101では、マスタ画像生成部310から供給されるマスタ画像データを、バッファ320を経て読み取った後、次のステップS102に進む。
ステップS102では、検査画像読取装置31,32から供給される検査画像データを読み取り、次のステップS103に進む。
ステップS104では、検査画像データとマスタ画像データの解像度D(dpi)を取得し、次のステップS105に進む。
なお、両検査は、前述のように、マスタ画像データと検査画像データとを比較して印刷物の品質の良否を検査するものである。なお、通常検査は、両画像データの差分を画素単位で検出して良否(欠陥の有無)を判定するものであり、簡易検査と比較して検査に時間を要する。一方、簡易検査は、両画像データの類似度に基づいて良否(欠陥の有無)を判定するもので、通常検査と比較して短時間に検査を行うことができる。
まず、通常検査について説明するが、通常検査を実施する場合、検査の前に以下のようにして、マスタ画像データと検査画像データとの位置を合わせる処理を行う。
そこで、まず、マスタ画像データの大きさを、スキャンして得られた検査画像データの大きさに応じて、微小変倍を行って両画像データの大きさを一致させる。また、所定数の画素単位(例えば、15×15画素単位)によりテンプレートマッチングを行って、両画像の位置のずれ補正を行って、両画像を画素単位で位置を合わせる。
以上のように、サイズおよび位置を合わせた後のマスタ画像データMIpと検査画像データSIとを用いて通常検査と簡易検査とのいずれかの検査を行う。
まず、通常検査の処理の流れを、図7A、図7B、図7Cのフローチャートに基づいて順を追って説明する。
ここで、通常検査では、マスタ画像データの平坦度を求め、その平坦度に応じて複数の領域に分け、領域ごとに、欠陥検出の感度を切り換えて、印刷品質(欠陥の有無)を判定する。
また、閾値th2は、画像の背景部分か、絵柄や肌やエッジ部分かを識別する値であって、標準偏差sdが、th1≦sd<th2であるときに、背景画像と識別する値である。閾値th3は、絵柄・肌部分と、エッジ部分とを識別する値であって、th2≦sd<th3のときに、絵柄・肌部分と識別し、th3≦sdの場合に、エッジ部分と識別する値である。なお、標準偏差sdは、所定の数の画素のRGB値の標準偏差sdであり、本実施の形態1では、その画素数を7×7とするが、ある程度微小な範囲であれば、画素数はこれに限定されない。
そこで、両画像データの品質検査を行う場合は、平坦度に応じた領域に分け、各領域で欠陥検出感度(後述する閾値)を切り換える。
そして、マスタ画像ブロックが平坦である場合は、ステップS202に進み、平坦ではない場合は、その平坦度に応じ、ステップS220とS230(図7C)のいずれかに進む。
ステップS221では、画素単位でマスタ画像ブロックと検査画像ブロックとのRGB値の差分を求め、絵柄、肌などの画像に応じた絵柄用の検査閾値Pthと比較し、差分が絵柄用の検査閾値Pthを以上の画素を検出する。
そして、ステップS232において、絵柄用の検査閾値Pthを越えた画素Pxによる矩形の大きさからトナー落ちを検出する。そして、このトナー落ちの検出に基づく欠陥判定に基づいて、正常判定(ステップS233)、異常判定(ステップS234)を行う。
次に、図6のステップS106にて実行する簡易検査処理の詳細を説明する。
本実施の形態1の簡易検査では、検査画像データとマスタ画像データとの類似度を示す画像類似度(これをSSIM値と称する)を算出し、その値に基づいて良否判定を行う。SSIM(Structural SIMilarityの略)値は、第1の画像xと第2の画像yとの明るさの類似度、コントラストの類似度、構造の類似度を数値化したものである。そして、SSIM値は、両画像x、yが全く同じである場合に「1」となるとともに、値が大きい(1に近い)程類似度が高いことを示す。このSSIMの定義式を、下記の式(1)に示す。
SSIM(x,y)=
(2μxμy+C1)(2σxy+C2)/(μx 2+μy 2)(σx 2+σy 2+C2)・・・(1)
SSIM(x,y):画像xと画像yの類似度
μx:画像xの全画素の輝度平均値
μy:画像yの全画素の輝度平均値
σx 2:画像xの全画素の分散
σy 2:画像yの全画素の分散
σxy:画像xと画像yの共分散
C1:(K1L)2(なお、K1は、1より十分小さい定数、Lは8ビット画像なら255)
C2:(K2L)2(なお、K2は、1より十分小さい定数、Lは8ビット画像なら255)
I(x,y)=(2μxμy+C1)/(μx 2+μy 2+C1)・・・(2)
また、コントラストの類似度C(x,y)の計算は、下記の式(3)により行う。
C(x,y)=(2σxσy+C2)/(σx 2+σy 2+C2)・・・(3)
また、構造の類似度S(x,y)の計算は、下記の式(4)により行う。
S(x,y)=(σxy+C3)/(σxσy+C3)・・・(4)
C3:C2/2
また、は画像xと画像yの共分散を示し、下記式(5)で現わされる。
したがって、簡易検査では、画素単位でRGB値の差分を算出して良否判定を行う通常検査と比較して、短時間で、良否判定を行うことができる。
実施の形態1では、図1に示すように、印刷データ(RIPデータ)が送られてくると、正常に印刷されて読み取られた場合には「こうなるはず」、というマスタ画像データをリアルタイムに生成する。
また、一般に、ポスター、カレンダーといった大きな用紙サイズの画像は、観察距離が長いため、通常検査で検出する画素単位や微小画素ブロック単位での、地汚れ、トナー落ち、スジの全てを、人が見分けられるものではない。
したがって、用紙サイズが大きな印刷物の良否判定を簡易検査により行うことにより、検査時間の短縮を図りつつ、長い観察距離で見分けがつくような欠陥を、高精度で検出することができる。
図11は、複数の画像評価モデルを用いて各評価を行った結果を示す。図においてMOSは、人の主観により「似ている具合」を評価した平均値を示しており、MOSの値が大きいほど、見た目が似ていることを示す。
また、傾斜がゆるい部分は、横軸の数値が変わっても、縦軸の変動が少ないため、人間の目ではあまり変化を確認できない。逆に傾斜が急な部分は、少しの数値違いが、見た目に大きく反映される。
以下に、実施の形態1の印刷物検査装置、印刷物検査方法、プログラムの効果を列挙する。
1)実施の形態1の印刷物検査装置は、
印刷ジョブ(原稿情報)をプリンタ10で印刷した印刷物の検査を行う検査装置30である。
検査装置30は、印刷物を撮像し検査画像データとして読み取る検査画像読取装置(検査画像読取手段)31,32を有する。さらに、検査装置30は、印刷ジョブを変換してマスタ画像データを生成するマスタ画像生成部310と、検査画像データとマスタ画像データとを比較し、印刷物の状態の良否判定を行う比較検査部(判定手段)340を有する。
また、比較検査部340は、簡易検査部(簡易判定手段)342と通常検査部(通常判定手段)341とを備える。そして、比較検査部340は、印刷物の用紙サイズが大きい(サイズ閾値SZth1よりも大きい)場合には、簡易検査部342による良否判定を行い、それ以外の場合には、通常検査部341による良否判定を行うことを特徴とする。
したがって、用紙サイズが大きな印刷物であっても、通常検査と比較して良否判定を高速で短時間に行うことができる。また、簡易検査を行う用紙サイズが大きな印刷物は、ポスターやカレンダーなどのように、観察距離が長いものである場合が多く、用紙サイズが小さいものと比べて異常が目立ちにくい。よって、簡易検査であっても、観察距離が長い場合に人が見分けることができる範囲の欠陥は、高精度で検出可能である。
また、用紙サイズが大きくない印刷物については、通常検査を行うことにより、高精度で良否判定を行うことができるとともに、用紙サイズが大きくないことから、高精度の良否判定であっても、良否判定の時間は、短く抑えることができる。
これにより、用紙サイズが大きい場合でも、プリンタ10において印刷作動を続行しながら、印刷物を1枚1枚検査することが可能となる。
簡易検査を行う用紙サイズは、用紙の面積(s)としたことを特徴とする。
したがって、通常検査により時間を要する印刷物を、的確に判定して簡易検査を実行できる。また、簡易検査であっても、人が見分けることができる範囲の欠陥を高精度で欠陥を検出できる、観察距離が長い印刷物を的確に判定できる。
簡易検査では、検査画像データとマスタ画像データとの画像類似度を示す値を算出し、算出した画像類似度を示す値に基づいて良否判定(欠陥の有無の判定)を行うことと特徴とする。
したがって、短時間に高精度で良否判定を行うことができる。
簡易検査では、画像類似度を示す値として、SSIM(Structural SIMilarityの略)値を算出することを特徴とする。
したがって、画像類似度を示す値として、PSNR、JND、UQIを用いるよりも高精度で類似度、すなわち、良否判定(欠陥の有無の判定)を行うことができる。
比較検査部340は、簡易検査部(簡易判定手段)342と通常検査部(通常判定手段)341とを備える。そして、比較検査部340は、印刷物の観察距離を用紙サイズにより求め、印刷物の観察距離が長い場合には、簡易検査部342による良否判定を行い、それ以外の場合には、通常検査部341による良否判定を行うことを特徴とする。
したがって、観察距離が長い印刷物であって、人が印刷物を見た場合に小さな欠陥まで見分けることができない印刷物については、簡易検査を行うことにより、短時間で印刷物に応じた精度の良否判定(欠陥の有無の判定)を行うことができる。
印刷ジョブ(原稿情報)をプリンタ10で印刷した印刷物の検査を行う印刷物検査方法である。
また、印刷物を撮像した検査画像データを読み取るステップと、印刷ジョブを変換してマスタ画像データを生成するステップと、検査画像データとマスタ画像データとの比較に基づいて印刷物の状態の良否を判定するステップと、を備える。
さらに、印刷物の状態の良否を判定するステップでは、印刷物の用紙サイズが大きい(サイズ閾値SZth1よりも大きい)場合には、簡易判定による良否判定を行い、それ以外の場合には、通常判定による良否判定を行うことを特徴とする。
したがって、上記1)と同様の効果を奏する。
印刷ジョブ(原稿情報)をプリンタ10で印刷した印刷物の検査を行う検査装置30の制御装置(コンピュータ)30aに、図6のステップS101〜S107の処理を実行させるプログラムである。
ステップS101では、マスタ画像生成手段により、前記原稿情報を変換して生成したマスタ画像データを読み取る処理を行う。
ステップS102では、印刷画像読取装置(検査画像読取手段)31,32により、印刷物を撮像し検査画像データとして読み取る。
ステップS104〜107の処理では、印刷物の大きさが大きい場合には、簡易検査部342により良否判定を行い、それ以外の場合には、通常検査部341により良否判定を行う。
したがって、上記1)と同様の効果を奏する。
次に、他の実施の形態の印刷物検査装置について説明する。
なお、他の実施の形態は、実施の形態1の変形例であるため、実施の形態1と共通する構成には実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点のみ説明する。また、他の実施の形態にあっても、共通する構成については同じ符号を付すことにより説明を省略する。
実施の形態2の印刷物検査装置は、実施の形態1の変形例であり、通常検査と簡易検査とのいずれを実行するかを判定する用紙サイズの判定の処理が実施の形態1と異なる。
このフローチャートに示すように、実施の形態2では、ステップS104に続くステップS105bにおける印刷物の大きさの判定が実施の形態1と異なる。すなわち、実施の形態1では、用紙サイズを面積により定義し、面積は、解像度をD(dpi)とするとき(Width1/D) x( Height1/D)により算出し、これをサイズ閾値SZth1と比較した(ステップS105)。
2-1)実施の形態2の印刷物検査装置は、
用紙サイズは用紙Ppの縦横の長い方の長さとしたことを特徴とする。
したがって、掛け軸のような縦長形状の用紙サイズでも、簡易検査を実行し、高速に検査(良否判定)を実現できる。
具体的には、縦長のカレンダーのように、全体面積は相対的に小さくても、掛け軸のように図13(b)に示すように縦長あるいは横長の用紙Pp2を用いた印刷物がある。
このような印刷物は、一般に、全体を見るためには、面積にかかわらず観察距離が長くなる。よって、観察距離に対応して、縦あるいは横に長いものは、簡易検査を行うことにより、検査の高速化を図ることができる。そして、上記1)に記載したように、観察距離が長い印刷物は、観察距離が短いものと比較して異常が目立ちにくいため、人が見分けることができる範囲の欠陥は、簡易検査により高精度で検出可能である。
なお、面積が大きな印刷物も、図13(a)に示すように、縦寸法、横寸法のいずれかあるいは両方がサイズ閾値SZth2を越えるため、面積が大きな印刷物も、簡易検査を行って検査時間の短縮を図ることができる。
実施の形態3の印刷物検査装置も、実施の形態1の変形例であり、通常検査と簡易検査とのいずれを実行するかの判定が実施の形態1と異なる。すなわち、実施の形態3は、用紙サイズの面積が大きい場合でも、観察距離が短い印刷物と判定した場合は、簡易検査ではなく通常検査を行うようにした例である。
このフローチャートに示すように、ステップS105において、印刷物の用紙サイズが大きい(YES)と判定した場合に進むステップS301、S302の処理が実施の形態1とは異なる。
比較検査部340(判定手段)は、用紙サイズが大きいと判定された場合であっても、検査画像データの標準偏差stdaveが偏差閾値stdth3よりも大きい場合には、通常検査部341による良否判定を行うことを特徴とする。
したがって、用紙サイズが大きい場合であっても、地図や電車の路線図のような観察距離の短い画像の場合は、欠陥の検出精度を優先して通常検査を実行することにより、精度よく欠陥を検出(良否判定)することができる。
比較検査部340(判定手段)は、検査画像データの標準偏差stdaveを、RGB信号のうちのG信号の値を用いて算出することを特徴とする。
したがって、大きな用紙サイズの印刷物でも、観察距離が短い高解像度の印刷物であることを高精度に検出することができ、これにより、上記3-1)のように、印刷物の観察距離に応じた適切な良否判定を実行することができる。
実施の形態4の印刷物検査装置は、実施の形態3の変形例である。
図15は、実施の形態4の印刷物検査装置における印刷品質良否判定処理の流れを示すフローチャートであり、実施の形態3との相違点は、ステップS104に続くステップS105bの用紙サイズの大きさの判別が実施の形態3と異なる。
このステップS105bでは、実施の形態2で説明したように、用紙の縦寸法Height2と、横寸法Width2とで大きい方(長い方)の寸法(Max(Width2/D,Height2/D))を、サイズ閾値SZth2と比較する。そして、縦横の大きい方の寸法(Max(Width2/D,Height2/D))がサイズ閾値SZth2以下の場合は、ステップS107に進んで通常検査を行う。一方、サイズ閾値SZth2よりも大きい場合は、ステップS301に進んで、標準偏差stdaveの判別を行う。
実施の形態5の印刷物検査装置は、実施の形態1の変形例である。この実施の形態5では、印刷品質検査時の通常検査と簡易検査とのいずれを行うかの判定を、上述したように観察距離(用紙サイズ)に応じて切り換える「自動」の他、手動により「通常検査」「簡易検査」を選択可能とした例である。
図16に示すように、プロパティ画面520の左下に検査項目部520aを備え、この検査項目部520aでは、「通常検査」、「簡易検査」、「自動」の3つ検査方法を選択可能となっている。なお、「自動」では、実施の形態1と同様に、印刷物の状態の良否判定を、用紙サイズの大きさ(観察距離)に応じて、通常検査と簡易検査とのいずれにより行うかを決定する。
ステップS101、S102においてマスタ画像および検査画像の読み取りを行った後に進むステップS501では、プロパティ画面520の検査項目部520aにおいて簡易検査が指定されているか否か判定する。そして、簡易検査が指令されている場合はステップS106に進んで簡易検査を実行する。一方、簡易検査が指定されていない場合は、次のステップS502に進む。
実施の形態5では、使用者は、印刷を行う前に、プロパティ画面520の検査項目部520aを操作し、印刷物の品質検査を、用紙サイズに応じた「自動」で行うか、用紙サイズにかかわらず「通常検査」あるいは「簡易検査」を行うかを指定する。
また、「自動」が指定されている場合は、用紙サイズに基づく観察距離に応じた最適の検査を実行して、高精度の通常検査、高速の簡易検査を適宜実行することができる。
プリンタ10の操作部20は、検査項目部520aを有するプロパティ画面520を備える。
検査項目部520aは、簡易検査部342による検査を指定する簡易検査指定部、通常検査部341による検査を指定する通常検査指定部、用紙サイズに応じて簡易検査部342による検査と通常検査部341による検査とを自動選択する自動検査指定部を備える。
比較検査部340は、検査項目部520aの指定に応じた良否判定を実行することを特徴とする。
したがって、大きな用紙サイズの画像で、「簡易検査」か「通常検査」かの判断が難しい印刷物などに対しても、適切な検査を実現できる。
実施の形態6の印刷物検査装置は、実施の形態5の変形例である。
図18は、実施の形態6の印刷物検査装置における印刷品質良否判定処理の流れを示すフローチャートであり、実施の形態5との相違点は、「自動」指定時にステップS104から進むステップS105bの用紙サイズの大きさの判別が実施の形態5と異なる。
このステップS105bでは、実施の形態2で説明したように、用紙の縦寸法Height2と、横寸法Width2とで大きい方(長い方)の寸法(Max(Width2/D,Height2/D))を、サイズ閾値SZth2と比較する。そして、縦横の大きい方の寸法(Max(Width2/D,Height2/D))がサイズ閾値SZth2以下の場合は、ステップS107に進んで通常検査を行い、サイズ閾値SZth2よりも大きい場合は、ステップS106に進んで、簡易検査を行う。
また、実施の形態では、通常検査として、図7A、図7B、図7Cに一例を示したが、その具体的な検査方法は、実施の形態に示した検査に限定されるものではなく、例えば、特許文献1に示した検査を適用することもできる。
さらに、観察距離を判定する手段として、用紙サイズにより判定する手段、用紙サイズおよび検査画像データの標準偏差を用いる手段を示したが、標準偏差のみによって観察距離を判定することもできる。
20 操作部
30 検査装置(印刷物検査装置)
30a 制御部
31,32 検査画像読取装置(検査画像読取手段)
340 比較検査部(判定手段)
341 通常検査部
342 簡易検査部
343 SSIM値演算部
520 プロパティ画面
520a 検査項目部
A 印刷システム
Claims (8)
- 原稿情報を印刷装置で印刷した印刷物の検査を行う印刷物検査装置であって、
前記印刷物を撮像し検査画像データとして読み取る検査画像読取手段と、
前記原稿情報を変換してマスタ画像データを生成するマスタ画像生成手段と、
前記検査画像データと前記マスタ画像データとを比較し、前記印刷物の状態の良否判定を行う判定手段と、を有し、
前記判定手段は、前記検査画像データと前記マスタ画像データとの類似度を示す画像類似度を算出し、この画像類似度に基づいて前記印刷物の印刷品質の良否を判定する簡易判定手段と、前記検査画像データと前記マスタ画像データとの差分を検出し、この差分に基づいて前記印刷物の印刷品質の良否を判定する通常判定手段とを備え、
前記印刷装置は、検査項目部を有するプロパティ画面を備え、
前記検査項目部は、前記簡易判定手段による良否判定を指定する簡易検査指定部、前記通常判定手段による良否判定を指定する通常検査指定部、前記印刷物の用紙サイズに応じて前記簡易判定手段による良否判定と前記通常判定手段による良否判定との自動選択を指定する自動検査指定部を備え、
前記判定手段は、前記検査項目部の指定に応じた良否判定を実行し、
前記自動検査指定部の指定時に前記判定手段は、前記印刷物の用紙サイズが、人が印刷物を見る際の距離である観察距離に基づいて予め設定されたサイズ閾値よりも大きい場合には、前記簡易判定手段による良否判定を行い、それ以外の場合には、前記通常判定手段による良否判定を行うことを特徴とする印刷物検査装置。 - 請求項1に記載の印刷物検査装置において、
前記用紙サイズは、用紙の面積としたことを特徴とする印刷物検査装置。 - 請求項1に記載の印刷物検査装置において、
前記用紙サイズは用紙の縦横の長い方の長さとしたことを特徴とする印刷物検査装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の印刷物検査装置において、
前記判定手段は、前記用紙サイズが大きいと判定された場合であっても、前記検査画像データの標準偏差が所定の値よりも大きい場合には、前記通常判定手段による良否判定を行うことを特徴とする印刷物検査装置。 - 請求項4に記載の印刷物検査装置において、
前記判定手段は、前記検査画像データの標準偏差を、RGB信号のうちのG信号の値を用いて算出することを特徴とする印刷物検査装置。 - 請求項4に記載の印刷物検査装置において、
前記判定手段は、前記検査画像データの標準偏差を、RGB信号からL*信号に変換したL*の値を用いて算出することを特徴とする印刷物検査装置。 - 原稿情報を印刷装置で印刷した印刷物の検査を行う印刷物検査方法であって、
前記印刷物を撮像した検査画像データを読み取るステップと、
前記原稿情報を変換してマスタ画像データを生成するステップと、
簡易検査指定部と通常検査指定部と自動検査指定部とを備える検査項目部を有するプロパティ画面による指定に応じ、前記検査画像データと前記マスタ画像データとの比較に基づいて前記印刷物の状態の良否を判定するステップと、を備え、
前記印刷物の状態の良否を判定するステップでは、
前記通常検査指定部の指定時は、前記検査画像データと前記マスタ画像データとの差分を検出し、この差分に基づいて前記印刷物の印刷品質の良否を判定する通常判定手段による良否判定を行い、
前記簡易検査指定部の指定時は、前記検査画像データと前記マスタ画像データとの類似度を示す画像類似度を算出し、この画像類似度に基づいて前記印刷物の印刷品質の良否を判定する簡易判定手段による良否判定を行い、
前記自動検査指定部の指定時は、前記印刷物の用紙サイズが、人が印刷物を見る際の距離である観察距離に基づいて予め設定されたサイズ閾値よりも大きい場合には、前記簡易判定手段による良否判定を行い、それ以外の場合には、前記通常判定手段による良否判定を行うことを特徴とする印刷物検査方法。 - 原稿情報を印刷装置で印刷した印刷物の検査を行う印刷物検査装置のコンピュータに、
検査画像読取手段により、前記印刷物を撮像し検査画像データとして読み取る処理と、
マスタ画像生成手段により、前記原稿情報を変換してマスタ画像データを生成する処理と、
簡易検査指定部と通常検査指定部と自動検査指定部とを備える検査項目部を有するプロパティ画面による指定に応じ、前記検査画像データと前記マスタ画像データとの比較に基づいて前記印刷物の状態の良否判定を行う処理と、を実行し、
前記印刷物の状態の良否判定を行う処理では、
前記通常検査指定部の指定時は、前記検査画像データと前記マスタ画像データとの差分を検出し、この差分に基づいて前記印刷物の印刷品質の良否を判定する通常判定手段による良否判定を実行させ、
前記簡易検査指定部の指定時は、前記検査画像データと前記マスタ画像データとの類似度を示す画像類似度を算出し、この画像類似度に基づいて前記印刷物の印刷品質の良否を判定する簡易判定手段による良否判定を実行させ、
前記自動検査指定部の指定時は、前記印刷物の用紙サイズが、人が印刷物を見る際の距離である観察距離に基づいて予め設定されたサイズ閾値よりも大きい場合には、前記簡易判定手段による良否判定を実行させ、それ以外の場合には、前記通常判定手段による良否判定を実行させるためのプログラム。
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