JP6716964B2 - 鋼板の表面組成判別方法、表面組成判別装置、製造方法、および製造装置 - Google Patents

鋼板の表面組成判別方法、表面組成判別装置、製造方法、および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、鋼板の表面組成判別方法、および、この方法を用いる鋼板の製造方法、ならびに、鋼板の表面組成判別装置、および、この装置を備える鋼板の製造装置に関する。本発明は、特に、熱処理されている鋼板の最表面の組成を判別する方法、および、この方法を用いる鋼板の製造方法、ならびに、熱処理されている鋼板の最表面の組成を判別する装置、および、この装置を備える鋼板の製造装置に関する。
鋼板を加熱すると表面に酸化鉄スケールが生成する。酸化鉄にはFe、Fe、FeOの3種類があり、焼鈍の条件(雰囲気と温度)により、スケールの組成と構造が変化する。電磁鋼板の熱延板焼鈍はある程度制御された雰囲気で行われるためFeは生成せず、FeO単層、もしくは上層がFeで下層がFeOとなる二層構造の、いずれかになる。電磁鋼板の熱延板連続焼鈍工程で生成するスケールは、焼鈍後スケールの酸洗性に影響する。生成するスケールがFeO単相であれば容易に酸洗可能であるが、最表面がFeになると酸洗が困難になる。これは、FeOとFeとで酸溶解性が著しく異なることに起因する。
鋼板表面がFeOおよびFeのいずれになるかは、様々な要因により左右される。例えば、同一雰囲気条件下では高温ほどFeOが安定になるため、熱延板焼鈍温度を高くする電磁鋼板ほど、最表面がFeOになりやすい。また、FeOやFeの安定性には、鋼中微量成分も影響するため、同一の雰囲気、温度条件で熱延板焼鈍を実施しても、電磁鋼板の品種が変わるとスケール構造が変わる可能性がある。また、焼鈍炉内雰囲気を加熱しているラジアントチューブは長時間の操業中に微小破損が進行し、燃焼ガスが炉内にリークして炉内雰囲気を徐々に悪化させる。鋼板表面のスケール構造は、炉内雰囲気の影響も受ける。
酸洗槽は焼鈍炉に直結しているため、酸洗前のスケール表面がFeOおよびFeのいずれになっていたかを知ることは困難である。このため、これまでは、熱延板連続焼鈍工程で生成されるスケールの最表面はFeであるという前提で、酸洗時間を設定せざるを得なかった。
加熱されている鋼板の表面を観察する技術は、これまでにいくつか開示されてきている。例えば特許文献1には、鋼材を加熱処理する炉内において、表面が酸化している鋼材の表面温度を測定する技術が開示されている。この技術では、炉内における鋼材の熱履歴をもとにした鋼材の表面物質の推定結果を用いて分光放射率を導出し、鋼材表面から観測される放射強度から迷光放射強度を差し引いて得られる放射強度を分光放射率で除して黒体放射強度を求め、この黒体放射強度とプランクの黒体放射式とから鋼材の表面温度を算出している。
また、特許文献2および特許文献3には、測定した分光放射輝度、および、予め定めた分光放射率と酸化膜厚との関係、を用いて酸化膜厚を測定する、酸化膜厚測定方法が開示されている。
また、特許文献4には、鋼板表面の酸化物に帰属するピーク波長での分光放射輝度を用いて、酸化物の組成比率を求める、鋼板の表面性状測定方法が開示されている。この特許文献4には、「鋼板表面の酸化物に帰属するピーク波長」が8μm、9.6μm、10.1μm、18.5μmであることが記載されているほか、鋼板表面の外部酸化層を形成する酸化物に帰属するピーク波長の放射輝度と酸化物の組成比率との間に一定の関係があることが記載されている。
特開2012−93177号公報 特開平7−270130号公報 特開平11−325839号公報 特開平8−219891号公報
熱処理を実施している間に最表面のスケールの組成を把握することができれば、酸洗によって除去しやすい組成のスケールが生成されるように、熱処理の条件をリアルタイムで調整することで、酸洗時間を短縮することが可能な鋼板を得ることが可能になる。酸洗時間を短縮することにより生産性を向上させることが可能になるので、熱処理を実施している間に、鋼板の最表面のスケールの組成を把握する技術を開発することが望まれている。
特許文献1に開示されている技術では、焼鈍条件から形成されるスケールの最表面がFe、FeOのいずれであるかおよびその厚さを推定し、その結果から推定される放射率と放射輝度の値から鋼板表面温度を求めている。しかしながら、FeとFeOを区別する具体的方法についてはまったく記述が無い。
特許文献2および3に開示されている技術では、分光放射率を用いて、鋼材温度や鋼板表面の酸化膜厚を測定している。しかしながら、これらの技術においてはスケール組成が分光放射率に影響することが全く考慮されていない。
また、特許文献4に開示されている技術では、分光放射輝度を用いて、焼鈍時に鋼板表面に生成する酸化物の組成比率を求めている。この方法で用いる波長は、遠赤外部(波長8μm以上)に出現する表面酸化物に帰属するピーク波長である。遠赤外部のピークは酸化物結晶の格子振動に起因するものであり、格子振動モードは温度によって変化する。したがって、この方法は任意の温度条件では成立しえない。また、遠赤外部の発光強度は赤外部に比較して弱いため測定精度も十分ではない。
そこで本発明は、熱処理を実施している間に鋼板の最表面のスケールの組成を特定することが可能な、鋼板の表面組成判別方法、表面組成判別装置、製造方法、および、製造装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、電磁鋼板の最表面に生成されたFeOおよびFeのそれぞれについて、波長と分光放射率との関係を調査した。結果を図1に示す。図1に示したように、波長が1.5μm未満の領域では、FeOの分光放射率およびFeの分光放射率が、いずれも0.8付近の値であり、両者の差は小さい。これに対し、波長が2μm以上の領域では、FeOの分光放射率が0.8程度の値である一方、Feの分光放射率が0.6程度の値であり、両者は大きく異なる。なお、酸化物の温度をさまざまに変化させて図1の波長範囲の分光放射輝度を測定したが、少なくとも1500℃以下ではほぼ変化しないことも確認できた。この結果から、本発明者らは、酸化物の分光放射率は、波長によって大きく変化することを知見した。ここで、分光放射率は、分光放射輝度と温度とを用いて算出することができる。また、波長が10μmを超えると、分光放射輝度の強度が弱くなり放射率の測定精度が低下する。
以上の検討をふまえて鋭意研究した結果、本発明者らは、分光放射率の値で酸化物の組成を特定することが可能な波長域の分光放射輝度を測定し、且つ、加熱されている鋼板の温度を特定した後、これらを用いて分光放射率を算出することにより、熱処理を実施している間に鋼板の最表面のスケールの組成を非接触で特定することが可能であることを知見した。
本発明は、このような知見に基づいて完成させた。以下、本発明について説明する。以下の説明において、波長を意味する「X〜Yμm」は、特に断らない限り、Xμm以上Yμm以下を意味する。また、雰囲気の成分比率を意味する「%」は、特に断らない限り、体積%を意味する。
本発明の第1の態様は、熱処理装置内に配置された鋼板から放射される、少なくとも2〜10μmの範囲内の波長λにおける分光放射輝度Lを測定する分光放射輝度測定工程と、鋼板の温度Tを決定する温度決定工程と、測定された分光放射輝度Lと、決定された温度Tとを用いて、波長λにおける分光放射率εを算出する分光放射率算出工程と、予め測定した分光放射率および組成の関係と、算出された分光放射率εとに基づいて、鋼板の最表面の組成を判別する組成判別工程と、を有する、鋼板の表面組成判別方法である。
鋼板の最表面に生成された酸化物は、組成に応じて、2〜10μmの波長域における分光放射率の値が異なる。したがって、熱処理を実施している間に算出した分光放射率の値と、予め調査しておいた分光放射率と酸化物の組成とに基づいて、熱処理を実施している間に鋼板の最表面の酸化物組成を特定することができる。
また、上記本発明の第1の態様において、分光放射率算出工程で、温度Tと波長λとを用いて黒体の分光放射輝度Lが算出され、上記分光放射輝度Lを、算出された黒体の分光放射輝度Lで除することにより、分光放射率εを算出しても良い。このような形態にすることにより、分光放射率εを容易に算出することができるので、鋼板の最表面の酸化物組成を特定するための所要時間を短縮しやすくなる。
鋼板の最表面に生成される酸化物であるFeOおよびFeは、2〜10μmの波長域における分光放射率の値が大きく異なるので、鋼板の最表面に生成されている酸化物がFeOであるかFeであるかを容易に判別することができる。
すなわち、算出された分光放射率εが0.7以上0.9未満の場合には、組成判別工程で、最表面の組成がFeOであると判別され、算出された分光放射率εが0.5以上0.7未満の場合には、組成判別工程で、最表面の組成がFeであると判別されることが好ましい。本発明者らによる調査によれば、2〜10μmの波長域におけるFeOの分光放射率は0.8程度であり、当該波長域におけるFeの分光放射率は0.6程度である。したがって、上記基準で判別することにより、算出された分光放射率が誤差を有していても、FeOであるかFeであるかを高精度に判別することができる。
また、上記本発明の第1の態様において、温度決定工程で、鋼板の温度Tが、0.5〜1.5μmの範囲内の波長における分光放射輝度を用いて決定することが好ましい。図1に示したように、この波長域にける分光放射率の酸化鉄種による差は2μm以上の波長域に比較して小さい。また、一般に短波長ほど放射輝度に与える放射率の影響が小さい。したがって、この波長域の分光輝度を用いることにより、表面組成の変動如何にかかわらず例えば分光放射率=0.80と仮定しても正確な温度測定ができる。
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様にかかる鋼板の表面組成判別方法を用いて判別される、熱処理装置内で熱処理されている鋼板の最表面の組成が所望の組成になるように、熱処理条件を調整しながら鋼板を熱処理する熱処理工程と、該熱処理工程の後に、鋼板を酸洗する酸洗工程と、を有する、鋼板の製造方法である。
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様を用いる熱処理工程を有している。本発明の第1の態様によれば、熱処理を実施している間に、鋼板の最表面の組成を特定することができる。したがって、本発明の第2の態様では、特定された組成が酸洗により取り除きやすい組成である場合には、熱処理の条件をそのまま維持し、特定された組成が酸洗により取り除き難い組成である場合には、酸洗により取り除きやすい組成になるように、熱処理の条件を変更することにより、取り除きやすいスケールが最表面に生成された鋼板を酸洗することができる。これにより、酸洗時間を短縮して鋼板の生産性を向上させることが可能になる。
また、上記本発明の第2の態様において、上記所望の組成がFeOであることが好ましい。FeOは酸洗により取り除きやすいスケールなので、FeOが生成されるように熱処理条件を調整しながら熱処理することにより、酸洗時間を短縮して生産性を向上させやすくなる。
また、上記本発明の第2の態様において、調整される熱処理条件が、熱処理装置内の雰囲気であることが好ましい。熱処理装置内の雰囲気を調整することにより、鋼板の最表面に生成される酸化物の組成を容易に制御することが可能になる。
調整される熱処理条件が、熱処理装置内の雰囲気である、上記本発明の第2の態様において、熱処理工程で、熱処理装置内における雰囲気の酸素分圧が10−14以下になるように、調整することが好ましい。酸素分圧が10−14以下になるように熱処理装置内の雰囲気を調整することにより、酸洗により取り除きやすいスケールを、鋼板の最表面に生成させやすくなるので、酸洗時間を短縮して生産性を向上させることが容易になる。
本発明の第3の態様は、酸化物の分光放射率および波長のデータを記録した記録部と、熱処理装置内に配置された鋼板の、少なくとも2〜10μmの範囲内の波長における分光放射輝度を測定する分光放射輝度測定部と、鋼板の温度を決定する温度決定部と、測定された分光放射輝度と決定された温度とを用いて、分光放射率を算出する分光放射率算出部と、算出された分光放射率と、記録部に記録されたデータとを用いて、鋼板の最表面の組成を判別する組成判別部と、を有する、鋼板の表面組成判別装置である。
本発明の第3の態様の装置によれば、上記本発明の第1の態様を実施することができる。したがって、このような形態にすることにより、熱処理を実施している間に鋼板の最表面のスケールの組成を特定することが可能な、鋼板の表面組成判別装置を提供することができる。
また、上記本発明の第3の態様において、分光放射率算出部で、温度決定部で決定された温度と分光放射輝度が測定された波長とを用いて黒体の分光放射輝度が算出され、分光放射輝度測定部で測定された分光放射輝度を、算出された上記黒体の分光放射輝度で除することにより、分光放射率が算出されることが好ましい。このような形態にすることにより、分光放射率を容易に算出することができるので、鋼板の最表面の酸化物組成を特定するための所要時間を短縮しやすくなる。
また、上記本発明の第3の態様において、算出された分光放射率が0.7以上0.9未満の場合には、組成判別部で、最表面の組成がFeOであると判別され、算出された分光放射率が0.5以上0.7未満の場合には、組成判別部で、最表面の組成がFeであると判別されることが好ましい。このような基準で判別することにより、算出された分光放射率が誤差を有していても、FeOであるかFeであるかを高精度に判別することができる。
また、上記本発明の第3の態様において、0.5〜1.5μmの範囲内の波長における分光放射輝度を用いて、温度決定部で鋼板の温度が決定されることが好ましい。このような形態にすることにより、鋼板の正確な温度測定が可能になる。
本発明の第4の態様は、熱処理装置と、上記本発明の第3の態様にかかる鋼板の表面組成判別装置と、上記熱処理装置で熱処理された鋼板を酸洗する酸洗装置と、上記鋼板の表面組成判別装置によって判別された最表面の組成に基づいて上記熱処理装置の操業条件を制御する制御装置と、を有する、鋼板の製造装置である。
本発明の第4の態様の装置によれば、上記本発明の第2の態様を実施することができる。したがって、このような形態にすることにより、酸洗時間を短縮して鋼板の生産性を向上させることが可能な、鋼板の製造装置を提供することができる。
本発明によれば、熱処理を実施している間に鋼板の最表面のスケールの組成を特定することが可能な、鋼板の表面組成判別方法、表面組成判別装置、製造方法、および、製造装置を提供することができる。
FeOおよびFeの波長と分光放射率との関係を説明する図である。 本発明の鋼板の表面組成判別方法を説明する図である。 本発明の鋼板の表面組成判別装置を説明する図である。 本発明の鋼板の製造方法を説明する図である。 本発明の鋼板の製造装置を説明する図である。 鋼板温度および分光放射率の算出結果を示す図である。
以下、鋼板が電磁鋼板であり、熱処理工程が焼鈍工程であり、熱処理装置が焼鈍炉である場合を例示しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
1.鋼板の表面組成判別方法
図2は、本発明の鋼板の表面組成判別方法(以下において、「本発明の判別方法」と称することがある。)を説明する図である。また、図3は、本発明の判別方法を実施可能な、本発明の鋼板の表面組成判別装置10を説明する図である。図2および図3を適宜参照しつつ、本発明の判別方法について、以下に説明する。
図2に示した本発明の判別方法は、分光放射輝度測定工程S11と、温度決定工程S12と、分光放射率算出工程S13と、組成判別工程S14と、を有している。一方、図3に示した表面組成判別装置10は、鋼板1から放射される特定波長における分光放射輝度を測定する分光放射輝度測定部11と、鋼板1の最表面に生成されるスケールの組成と分光放射率との関係についてのデータが記録されている記録部12と、を有し、さらに、鋼板1の温度を決定する温度決定部13と、鋼板1の分光放射率を算出する分光放射率算出部14と、鋼板1の最表面の組成を判別する組成判別部15と、を有している。
1.1.分光放射輝度測定工程S11
分光放射輝度測定工程S11(以下において、単に「S11」と称することがある。)は、鋼板1から放射される、2〜10μmの範囲内の波長λにおける分光放射輝度L、および、0.5〜1.5μmの範囲内の波長λ’における分光放射輝度L’を、電磁鋼板の熱延板焼鈍ラインの均熱帯21に位置している鋼板1の直上に設置された分光放射輝度測定部11によって測定する工程である。
1.2.温度決定工程S12
温度決定工程S12(以下において、単に「S12」と称することがある。)は、S11で測定された0.5〜1.5μmの範囲内の波長λ’における分光放射輝度L’を用いて、鋼板1の温度Tを決定する工程である。例えば下記のプランクの放射式(1)を用いて鋼板1の温度Tを決定する工程が、S12である。
ここで、c、cはそれぞれプランクの黒体放射式の第1定数および第2定数である。0.5〜1.5μmの範囲内の波長λ’では、分光放射率ε(λ’)を0.8に固定しても十分な精度で温度が計算できる。
1.3.分光放射率算出工程S13
分光放射率算出工程S13(以下において、単に「S13」と称することがある。)は、S11で測定された分光放射輝度Lと、S12で決定された温度Tとを用いて、波長λにおける分光放射率εを算出する工程である。より具体的には、波長λとS12で決定された温度Tとを用いて黒体の分光放射輝度Lを算出した後、黒体の分光放射輝度LとS11で測定された分光放射輝度Lとを下記式(2)に代入することにより、波長λにおける分光放射率εを算出する工程が、S13である。
ε=L/L …式(2)
1.4.組成判別工程S14
組成判別工程S14(以下において、単に「S14」と称することがある。)は、記録部12に記録されている、予め測定した分光放射率と電磁鋼板の最表面に生成されるスケールの組成との関係と、S13で算出した分光放射率εとに基づいて、鋼板1の最表面の組成を判別する工程である。予め測定した分光放射率と電磁鋼板の最表面に生成されるスケールの組成との関係は、例えば図1に示す関係を用いることができる。S13で算出した分光放射率εは、2〜10μmの範囲内の波長λにおける分光放射率なので、この波長λにおけるFeOおよびFeの分光放射率の値を、図1から読み取る。図1に示したように、波長が2〜10μmのときのFeOの分光放射率は0.8前後の値であり、波長が2〜10μmのときのFeの分光放射率は0.6前後の値である。したがって、波長λにおけるFeOの分光放射率は0.8前後の値であり、波長λにおけるFeの分光放射率の値は0.6前後の値である。これらをふまえ、分光放射輝度Lの測定誤差や分光放射率εの算出誤差を考慮して、S13で算出した分光放射率εが0.7以上0.9未満であれば最表面の組成がFeOであると判断し、S13で算出した分光放射率εが0.5以上0.7未満であれば最表面の組成がFeであると判断する工程が、S14である。
このように、S11〜S14を有する本発明の判別方法によれば、焼鈍炉内で加熱されている電磁鋼板の最表面の組成を非接触で判別することができる。
2.鋼板の表面組成判別装置
本発明の鋼板の表面組成判別装置10は、鋼板1から放射される、2〜10μmの範囲内の波長λにおける分光放射輝度L、および、0.5〜1.5μmの範囲内の波長λ’における分光放射輝度L’を測定する分光放射輝度測定部11と、FeOの分光放射率およびFeの分光放射率と波長との関係についてのデータが記録されている記録部12と、を有し、さらに、鋼板1の温度Tを決定する温度決定部13と、鋼板1の波長λにおける分光放射率εを算出する分光放射率算出部14と、鋼板1の最表面の組成を判別する組成判別部15と、を有している。分光放射輝度測定部11は上記S11を実行する際に用いられる部位であり、温度決定部13は上記S12を実行する際に用いられる部位であり、分光放射率算出部14は上記S13を実行する際に用いられる部位であり、記録部12および組成判別部15は上記S14を実行する際に用いられる部位である。
分光放射輝度測定部11は、2〜10μmの範囲内の波長λにおける分光放射輝度L、および、0.5〜1.5μmの範囲内の波長λ’における分光放射輝度L’を測定可能であれば、その形態は特に限定されない。市販されているフィルターと赤外線検出器とを用いて自作した機器であっても良く、市販されている機器であっても良い。分光放射輝度測定部11で測定された分光放射輝度Lに関する情報は、分光放射率算出部14へと送られ、分光放射輝度測定部11で測定された分光放射輝度L’に関する情報は、温度決定部13へと送られる。
記録部12は、図1に示す関係が記録されている部位である。記録部12に記録されたデータは、組成判別部15で鋼板1の最表面の組成を判別する際に利用される。
温度決定部13は、上記式(1)、および、分光放射輝度測定部11で測定された波長λ’における分光放射輝度L’を用いて、鋼板1の温度Tを決定する部位である。温度決定部13で決定された鋼板1の温度Tに関する情報は、分光放射率算出部14へと送られる。
分光放射率算出部14は、分光放射輝度測定部11で分光放射輝度Lを測定した波長λと、温度決定部13で決定された温度Tとを用いて黒体の分光放射輝度Lを算出した後、黒体の分光放射輝度Lおよび分光放射輝度測定部11で測定した分光放射輝度Lを上記式(2)へ代入することにより、波長λにおける分光放射率εを算出する部位である。分光放射率算出部14で算出された分光放射率εに関する情報は、組成判別部15へと送られる。
組成判別部15は、分光放射率算出部14で算出された分光放射率εと、記録部12に記録されたFeOの分光放射率およびFeの分光放射率と波長との関係とに基づいて、鋼板1の最表面の組成を判別する部位である。より具体的には、記録部12に記録されたデータを用いて、分光放射率εが0.7以上0.9未満であれば最表面の組成がFeOであると判断し、分光放射率εが0.5以上0.7未満であれば最表面の組成がFeであると判断する部位が、組成判別部15である。
このように、表面組成判別装置10を用いることにより、本発明の判別方法を実施することができる。上記本発明の判別方法によれば、焼鈍炉内で加熱されている電磁鋼板の最表面のスケールの組成を非接触で特定することができるので、本発明によれば、焼鈍炉内で加熱されている電磁鋼板の最表面のスケールの組成を非接触で特定することが可能な、表面組成判別装置10を提供することができる。
3.鋼板の製造方法
図4は、本発明の鋼板の製造方法(以下において、「本発明の製造方法」と称することがある。)を説明する図である。図4では、熱処理工程および酸洗工程以外の工程(例えば、熱間圧延工程、冷間圧延工程、表面処理工程等。)の記載を省略している。また、図5は、本発明の製造方法を実施可能な、本発明の鋼板の製造装置100を説明する図である。図5では、各装置を簡略化して示している。図5に示した製造装置100は、上記表面組成判別装置10と、焼鈍炉20と、酸洗装置30と、制御装置40と、を有している。図4および図5を適宜参照しつつ、本発明の製造方法について、以下に説明する。
図4に示した本発明の製造方法は、熱処理工程S21と、該熱処理工程S21で熱処理がなされた電磁鋼板を酸洗する酸洗工程S22と、を有している。
3.1.熱処理工程S21
熱処理工程S21(以下において、単に「S21」と称することがある。)は、上記本発明の判別方法を用いて判別した、均熱帯21で加熱されている鋼板1の最表面の組成がFeOになるように、均熱帯21の雰囲気を調整しながら、焼鈍炉20で鋼板1を焼鈍する工程である。上述のように、本発明の判別方法によれば、均熱帯21で加熱されている鋼板1の最表面の組成がFeOであるかFeであるかを判別することができる。ここで、電磁鋼板の最表面に生成されるスケールのうち、FeOはFeよりも酸洗により取り除きやすい。それゆえ、S21では、酸洗される鋼板1の最表面にFeOが生成されるように、均熱帯21の雰囲気を調整する。
本発明の判別方法によって、鋼板1の最表面の組成がFeOであると判別された場合には、現状の焼鈍条件で焼鈍を実施することにより、最表面にFeOが生成された鋼板1を酸洗することが可能と考えられる。したがって、鋼板1の最表面の組成がFeOであると判別された場合には、現状の焼鈍条件を維持して焼鈍を行う。
これに対し、本発明の判別方法によって、鋼板1の最表面の組成がFeであると判別された場合には、現状の焼鈍条件で焼鈍を継続すると、最表面にFeが生成された鋼板1を酸洗することになる。そこで、この場合には、鋼板1の最表面にFeOが生成されるようにするために、均熱帯21の雰囲気の酸素分圧が10−14以下になるように、均熱帯21の雰囲気を変更する。これにより、鋼板1の最表面の組成がFeであると判別された場合であっても、鋼板1の最表面にFeOを生成することが可能になるので、最表面にFeOが生成された鋼板1を酸洗することが可能になる。
3.2.酸洗工程S22
酸洗工程S22(以下において、単に「S22」と称することがある。)は、酸洗装置30を用いて、S21で焼鈍された電磁鋼板を酸洗する工程である。S21で焼鈍された電磁鋼板は、最表面にFeOが生成されている。そのため、S22によれば、最表面にFeが生成されている電磁鋼板を酸洗する際の所要時間よりも短時間の酸洗で、表面のスケールを取り除くことができる。
このように、本発明の製造方法では、焼鈍を実施している間に本発明の判別方法を行うことにより、電磁鋼板の最表面の組成を判別し、その判別結果に基づいて焼鈍条件を調整することにより、最表面にFeOが生成されている電磁鋼板を酸洗できるようにする。最表面にFeOが生成されている電磁鋼板は、最表面にFeが生成されている電磁鋼板よりも短時間の酸洗により、スケールを取り除くことができるので、本発明の製造方法によれば、酸洗時間を低減することにより、電磁鋼板の生産性を向上させることが可能になる。
4.鋼板の製造装置
図5に示した本発明の鋼板の製造装置100は、表面組成判別装置10と、焼鈍炉20と、酸洗装置30と、制御装置40と、を有している。焼鈍炉20の均熱帯21には、分光放射輝度測定部11が設置されており、この分光放射輝度測定部11によって、均熱帯21で加熱されている鋼板1から放射される分光放射輝度が測定される。表面組成判別装置10は、均熱帯21で加熱されている鋼板1の最表面の組成を判別し、その判別結果に関する情報が、制御装置40へと送られる。制御装置40は、表面組成判別装置10から送られてきた判別結果に関する情報を用いて、焼鈍炉20の操業条件を制御する。
より具体的には、表面組成判別装置10で判別された最表面の組成がFeOである場合には、現在の焼鈍炉20の操業条件を維持するように、焼鈍炉20の操業条件を制御する。これに対し、表面組成判別装置10で判別された最表面の組成がFeである場合には、不図示の水素ガス供給手段を作動させることにより、水素ガス供給手段から均熱帯21へ水素ガスを供給する。これにより、均熱帯21の雰囲気の酸素分圧が10−14以下になるように、焼鈍炉20の操業条件を制御する。このような制御を行うことにより、最表面にFeOを生成されている鋼板1を、酸洗装置30で酸洗することが可能になる。すなわち、本発明の製造装置100は、上記本発明の製造方法を実施可能な製造装置である。最表面にFeOが生成されている電磁鋼板は、最表面にFeが生成されている電磁鋼板よりも短時間の酸洗により、スケールを取り除くことができるので、本発明の製造装置100によれば、酸洗時間を低減することにより、電磁鋼板の生産性を向上させることが可能になる。
上記説明では、鋼板として電磁鋼板を例示したが、本発明における鋼板は、これに限定されない。表面酸化物がFeOもしくはFeである場合には、電磁鋼板以外の鋼板であっても、分光放射率の値から、鋼板の最表面の組成を特定することは可能である。したがって、本発明における鋼板は、電磁鋼板以外の普通鋼板であっても良い。
また、上記説明では、熱処理工程が焼鈍工程であり、熱処理装置が焼鈍炉である場合を例示したが、本発明はこれらの形態に限定されない。本発明における熱処理工程および熱処理装置は、鋼板を加熱することにより鋼板の最表面に酸化物が生成される形態の熱処理工程が行われる熱処理装置であれば良い。そのような熱処理工程(熱処理装置)としては、焼鈍工程(焼鈍炉)のほか、スラブ加熱(炉)等を例示することができる。
また、上記説明では、0.5〜1.5μmの範囲内の波長λ’における分光放射輝度L’と式(1)とを用いて温度Tを決定する形態を例示したが、本発明における鋼板の温度の決定形態は、これに限定されない。本発明において、温度は、分光放射率と別に算出することにより、正確に算出(決定)されれば良い。本発明で使用可能な、他の鋼板の温度の決定方法としては、鋼板に直接熱電対を接触させることにより決定する方法等を例示することができる。
また、上記説明では、本発明の判別方法によって判別された結果に基づいて熱処理装置内の雰囲気を調整しながら熱処理を行う形態を示したが、本発明の製造方法における熱処理工程は、当該形態に限定されない。条件を変更することによって鋼板の最表面に生成される酸化物の組成を変更することが可能であれば、雰囲気以外の条件を調整しても良い。そのような条件としては、熱処理装置内の温度等を例示することができる。ただし、熱処理温度の変更は熱処理によって得ようとする鋼板特性を損ねるので、熱処理装置内の雰囲気を調整する形態であることが好ましい。
実施例を参照しつつ、本発明についてさらに説明を続ける。
放射輝度測定には市販の赤外線放射温度計を流用することができる。株式会社チノー製の放射温度計IR−CAS、IR−CAG、IR−CABを用いて、波長0.9μm、5μm、8μmの各波長で測定可能な分光放射輝度測定装置を製作し、電磁鋼板の熱延板焼鈍ラインの均熱帯の鋼板直上に設置して、当該均熱帯を有する焼鈍炉を操業した。
炉温950℃、且つ、100%窒素ガスの炉内雰囲気で焼鈍炉を操業しつつ、加熱されている電磁鋼板から放射される、上記3つの波長における分光放射輝度を測定した。この測定が終了してから一定時間が経過した後、均熱帯に3%の水素ガスを導入し、引き続き、加熱されている電磁鋼板から放射される、上記3つの波長における分光放射輝度を測定した。
分光放射率が0.8であると仮定して、波長0.9μmにおける分光放射輝度から鋼板温度を算出した。波長5μmおよび8μmにおける分光放射率とともに、鋼板温度の算出結果を図6に示す。
図6に示したように、波長5μmおよび波長8μmのいずれにおいても、均熱帯の雰囲気が100%窒素ガス雰囲気である場合には、分光放射率の値が0.6付近となった。この結果および図1に示した関係に基づいて、均熱帯の雰囲気が100%窒素ガス雰囲気である場合における電磁鋼板の最表面の組成は、Feであると判断された。炉内に100%の高純度窒素ガスを導入しても、種種の原因により炉内には100ppm程度の酸素が残留し(酸素分圧=10−4)、その結果、炉内雰囲気はFeが安定な状態になっていたと推定される。
これに対し、均熱帯に3%の水素ガスを導入した場合には、波長5μmおよび波長8μmのいずれにおいても、分光放射率の値が0.8付近となった。この結果および図1に示した関係に基づいて、均熱帯に3%の水素ガスを導入した後の電磁鋼板の最表面の組成は、FeO単相であると判定された。3%の水素の導入により炉内雰囲気中に200ppmのHOが生成し、その結果、HOとHの解離平衡に相当する酸素分圧が10−17までになったと推定される。
次に、焼鈍後のコイルから、最表面がFeであると判定された部位、および、最表面がFeO単相であると判定された部位を切り出し、酸洗試験を行った。具体的な酸洗条件は、10%HCl、80℃、1分であった。FeO単相と判定された部位、および、Feと判定された部位は、いずれも同じ時間に亘って酸洗を行った。
その結果、FeO単相と判定された部位はスケールが残らなかったが、Feと判定された部位は酸洗が不十分でスケールの残存が確認できた。したがって、最表面にFeOが生成されるように焼鈍条件を調整することにより、最表面にFeが生成されている電磁鋼板よりも短時間でスケールを除去できることが確認された。
1…鋼板
10…鋼板の表面組成判別装置
11…分光放射輝度測定部
12…記録部
13…温度決定部
14…分光放射率算出部
15…組成判別部
20…焼鈍炉
21…均熱帯
30…酸洗装置
40…制御装置
100…鋼板の製造装置

Claims (11)

  1. 熱処理装置内に配置された鋼板から放射される、少なくとも2〜10μmの範囲内の波長λにおける分光放射輝度Lを測定する分光放射輝度測定工程と、
    前記鋼板の温度Tを0.5〜1.5μmの範囲内の波長における分光放射輝度を用いて決定する温度決定工程と、
    測定された前記分光放射輝度Lと、決定された前記温度Tとを用いて、前記波長λにおける分光放射率εを算出する分光放射率算出工程と、
    予め測定した分光放射率および組成の関係と、算出された前記分光放射率εとに基づいて、前記鋼板の最表面の酸化物がFeOであるかFe であるかを判別する組成判別工程と、
    を有する、鋼板の表面組成判別方法。
  2. 前記分光放射率算出工程で、
    前記温度Tと前記波長λとを用いて黒体の分光放射輝度Lが算出され、
    前記分光放射輝度Lを、算出された前記黒体の分光放射輝度Lで除することにより、
    前記分光放射率εが算出される、請求項1に記載の鋼板の表面組成判別方法。
  3. 算出された前記分光放射率εが0.7以上0.9未満の場合には、前記組成判別工程で前記最表面の組成がFeOであると判別され、
    算出された前記分光放射率εが0.5以上0.7未満の場合には、前記組成判別工程で前記最表面の組成がFeであると判別される、請求項1または2に記載の鋼板の表面組成判別方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の鋼板の表面組成判別方法を用いて判別される、熱処理装置内で熱処理されている鋼板の最表面の組成が所望の組成になるように、熱処理条件を調整しながら前記鋼板を熱処理する、熱処理工程と、
    前記熱処理工程の後に、前記鋼板を酸洗する、酸洗工程と、
    を有する、鋼板の製造方法。
  5. 前記所望の組成がFeOである、請求項に記載の鋼板の製造方法。
  6. 調整される前記熱処理条件が、前記熱処理装置内の雰囲気である、請求項またはに記載の鋼板の製造方法。
  7. 前記熱処理工程で、前記熱処理装置内における雰囲気の酸素分圧が10−14以下になるように調整される、請求項に記載の鋼板の製造方法。
  8. 酸化物の分光放射率および波長のデータを記録した、記録部と、
    熱処理装置内に配置された鋼板の、少なくとも2〜10μmの範囲内の波長における分光放射輝度を測定する、分光放射輝度測定部と、
    前記鋼板の温度を0.5〜1.5μmの範囲内の波長における分光放射輝度を用いて決定する、温度決定部と、
    測定された前記分光放射輝度と決定された前記温度とを用いて、分光放射率を算出する、分光放射率算出部と、
    算出された前記分光放射率と、前記記録部に記録された前記データとを用いて、前記鋼板の最表面の酸化物がFeOであるかFe であるかを判別する、組成判別部と、
    を有する、鋼板の表面組成判別装置。
  9. 前記分光放射率算出部で、
    前記温度と前記分光放射輝度が測定された前記波長とを用いて黒体の分光放射輝度が算出され、
    前記分光放射輝度測定部で測定された前記分光放射輝度を、算出された前記黒体の分光放射輝度で除することにより、前記分光放射率が算出される、請求項に記載の鋼板の表面組成判別装置。
  10. 算出された前記分光放射率が0.7以上0.9未満の場合には、前記組成判別部で前記最表面の組成がFeOであると判別され、
    算出された前記分光放射率が0.5以上0.7未満の場合には、前記組成判別部で前記最表面の組成がFeであると判別される、請求項またはに記載の鋼板の表面組成判別装置。
  11. 熱処理装置と、請求項10のいずれか1項に記載の鋼板の表面組成判別装置と、前記熱処理装置で熱処理された鋼板を酸洗する酸洗装置と、前記鋼板の表面組成判別装置によって判別された最表面の組成に基づいて前記熱処理装置の操業条件を制御する制御装置と、を有する、鋼板の製造装置。
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