JP6713818B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤに関する。
一般に、タイヤ表面を構成するゴムは、オゾンの存在下等の外気環境の影響を受けて劣化することがある。そして、タイヤ表面の劣化が進行すると、亀裂等が生じる場合がある。このような問題に対し、タイヤ表面にポリウレタン膜を形成して、タイヤに耐オゾン性を付与する技術が知られている(特許文献1)。
特表2003−535762号公報
タイヤのビード部3には、一般的に、カーカス4が直接リム5に接触せず、またリム5とビード部3との密着性やビード部周りの耐久性を向上させる観点から、チェーファーゴム31が設けられている(図1参照)。また、タイヤのサイド部2は、主にサイドゴム21により形成されている(図1参照)。ここで、ビード部3に設けられるチェーファーゴム31は、サイドゴム21と隣接しており、サイド部2にもはみ出した構造となっている(図1参照)。チェーファーゴムは、サイドゴムよりもオゾンに対する耐久性が低いため、サイド部の中でも、ビード部に近い部分(チェーファーゴムの割合が多い部分)はオゾンに対する耐久性が低く、表面が劣化して亀裂が生じやすかった。
特許文献1には、タイヤ表面にポリウレタン膜を形成したタイヤが記載されているが、サイド部のオゾンに対する耐久性、及び亀裂防止については何ら検討がされていない。
従って、本発明の目的は、サイド部の耐オゾン性に優れるタイヤを提供することにある。
すなわち、本発明は、一対のビード部と、上記ビード部に連なるサイド部と、上記サイド部を連結するトレッド部とを備えるタイヤであって、
上記タイヤの少なくとも一部に、ゴム層が保護層で被覆された被覆領域を有し、
上記サイド部のゴム層がサイドゴムとチェーファーゴムとを含み、
上記サイド部外表面上の点を起点として、タイヤ幅方向に、サイド部全厚さに対する、上記チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%超であるサイド部a、上記チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%であるサイド部bにおいて、上記保護層の厚さが以下の関係
サイド部aの保護層の厚さ>サイド部bの保護層の厚さ
を満たし、
前記保護層が、何れも、ウレタン樹脂である
ことを特徴とするタイヤを提供する。
本発明のタイヤにおいて、上記保護層の厚さがさらに以下の関係
サイド部bの保護層の厚さ>トレッド部の保護層の厚さ
を満たすことが好ましい。
本発明は、一対のビード部と、上記ビード部に連なるサイド部と、上記サイド部を連結するトレッド部とを備えるタイヤであって、
上記タイヤの少なくとも一部に、ゴム層が保護層で被覆された被覆領域を有し、
上記サイド部のゴム層がサイドゴムとチェーファーゴムとを含み、
上記サイド部外表面上の点を起点として、タイヤ幅方向に、サイド部全厚さに対する、上記チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%超であるサイド部a、上記チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%であるサイド部bにおいて、上記保護層の厚さが以下の関係
サイド部aの保護層の厚さ>サイド部bの保護層の厚さ
を満たし、
前記保護層が、何れも、オゾンからの保護層である
ことを特徴とするタイヤを提供する。
本発明のタイヤにおいて、タイヤ幅方向断面において、上記サイド部、及び上記トレッド部において、上記被覆領域内に、上記ゴム層と上記保護層との界面上の2点A、Bであって、線分ABの長さをX、AB間の上記界面の長さをYとしたとき、X≧1mmかつY/X≧1.1となるような、2点A、Bが存在する(ただし、線分ABがタイヤの外部を通過する2点を除く)ことが好ましい。
本発明のタイヤによれば、上記構成を有するため、サイド部の耐オゾン性に優れる。
タイヤのタイヤ幅方向断面における、サイド部、ビード部を、拡大して示す図である。 図2(a)は、本発明の一実施形態に係るタイヤのタイヤ幅方向断面において、ゴム層と保護層との界面(タイヤ外表面部分)を撮影した写真である。また、図2(b)は、図2(a)の模式図である。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について例示説明する。
[タイヤ]
本発明のタイヤは、一対のビード部と、上記ビード部に連なるサイド部と、上記サイド部を連結するトレッド部とを備える。
また、本発明のタイヤは、上記タイヤの少なくとも一部に、ゴム層が保護層で被覆された被覆領域を有し、
上記サイド部のゴム層がサイドゴムとチェーファーゴムとを含み、
上記サイド部外表面上の点を起点として、タイヤ幅方向に、サイド部全厚さに対する、上記チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%超であるサイド部a、上記チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%であるサイド部bにおいて、上記保護層の厚さが以下の関係
サイド部aの保護層の厚さ>サイド部bの保護層の厚さ
を満たす。
本明細書において、「ビード部の保護層の厚さ」「サイド部の保護層の厚さ」「トレッド部の保護層の厚さ」における「保護層の厚さ」とは、各部において外表面上の任意の10点を選択し、外表面上の各点から、外表面に対して垂直方向且つタイヤ内部方向の保護層の厚さを測定し、10点の厚さを平均した値をいう。例えば、サイド部の保護層の厚さとは、サイド部外表面上の任意の点を起点とし、該点から外表面に対して垂直方向且つタイヤ内部方向の保護層の厚さを測定し、10点について同様の測定を行った後に、10点の保護層の厚さを平均した値をいう。
また、本明細書において、「被覆領域」とは、ビード部、サイド部、又はトレッド部の外表面の少なくとも一部と、外表面を形成する保護層、及び該保護層に隣接するゴム層とを含む部分、即ちタイヤ外表面の少なくとも一部と、該タイヤ外表面の内側のタイヤ内部の少なくとも一部とを含む部分をいう。
また、本明細書において、タイヤの各部の「外表面」とは、2つのビードヒール部間に挟まれ、タイヤにホイールを装着した際に外気と接する面をいう。なお、ビード部外表面の外表面とは、ホイールを装着した際に、リムと接触する面をいう。
ここで、「トレッド接地端」とは、適用リムに組み付けるとともに、規定内圧を充填したタイヤを、静止した状態で平板に対し垂直に置き、最大負荷能力に対応する負荷を加えた状態での、平板との接触面におけるタイヤ幅方向両端を指す。
なお、「適用リム」とは、タイヤが生産され、又は使用される地域に有効な産業規格であって、例えば、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association, Inc.)のYEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す。また、「規定内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する空気圧をいい、「最大負荷能力」とは、上記規格でタイヤに負荷されることが許容される最大の質量をいう。
また、本明細書において、トレッド部とは、上記トレッド接地端からタイヤ厚さ方向に切断した面に囲まれた部分をいう。また、サイド部とは、適用リムを組み付けるともに規定内圧を充填したタイヤの、適用リムとタイヤとの接点からタイヤ厚さ方向に切断した面と、上記トレッド接地端からタイヤ厚さ方向に切断した面に囲まれた部分をいう。また、ビード部とは、タイヤ端部から、適用リムを組み付けるともに規定内圧を充填したタイヤの適用リムとタイヤとの接点からタイヤ厚さ方向に切断した面までの部分をいう。なお、タイヤ厚さ方向とは、タイヤ外表面上の点を起点とする、外表面に対して垂直な方向(例えば、サイド部であれば、サイド部外表面上の点を起点とする、タイヤ幅方向)をいう。
本実施形態のタイヤとしては、例えば、トレッド部と、該トレッド部の両側部からタイヤ径方向内方に延びる一対のサイド部と、各サイド部からタイヤ径方向内方に延びるビード部とを有し、一対のビード部間にトロイダルに延在するカーカスと、該カーカスのタイヤ径方向外方に配置されたベルトとを備えた一般的な構造のタイヤが挙げられる。
(ビード部)
上記ビード部は、ビード部の外表面部分の少なくとも一部に、ゴム層(ビードゴム層)と、上記ゴム層(ビードゴム層)を被覆し、ビード部の外表面を形成する保護層とからなる被覆領域を有することが好ましい。
上記ビード部のゴム層をなすゴムとしては、例えば、ゴム成分、配合剤等を含むゴム(ゴム成分、配合剤等を含むゴム組成物を、架橋させて得られるゴム)等が挙げられる。
上記ビード部におけるゴム成分は、目的に応じて適宜選択することができる。上記ゴム成分としては、例えば、後述のサイド部におけるゴム成分と同様のものが挙げられる。
上記ビード部における配合剤としては、後述のサイド部における配合剤と同様のものが挙げられる。
上記ビード部のゴム層は、チェーファーゴムからなる部分を含み、さらに他のゴムからなる部分を含んでいてもよい。チェーファーゴムは、リムとの摩擦からタイヤ内部のカーカスを保護するゴムであり、後述のサイドゴムに比べ、硬く、老化防止剤の含有量が低いことが好ましい。
チェーファーゴム中の老化防止剤の含有量は、チェーファーゴム100質量%に対して、0.5〜2.5質量%であることが好ましい。また、サイドゴム中の老化防止剤の含有量の0.16〜0.83%であることが好ましく、0.3〜0.8%であることがより好ましい。
また、チェーファーゴムの弾性率は、100%の引張強度で4.0MPa以上であることが好ましい。また、サイドゴムの弾性率に比べて高いことがより好ましく、サイドゴムの弾性率の2倍以上であることがさらに好ましい。上記弾性率は、例えば、打ち抜いたゴムを引張試験機で引張試験(JIS K 6251)の方法により測定することができる。
上記ビード部における保護層としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー等のエラストマーを含む保護層;スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム等のゴム材料を含む保護層;等が挙げられる。中でも、耐オゾン性及び耐クラック性に優れ、且つクラックの進展を抑えることができるという観点、及びビード部のゴム層が有する特性を低下させにくいという観点から、ウレタン樹脂層であることが好ましい。
上記ウレタン樹脂層は、少なくともウレタン樹脂を含み、さらに他の樹脂(例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等)を含んでいてもよい。
上記ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールとイソシアネートとから調製される2液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。上記ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。また、上記イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙げられる。上記ウレタン樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ビード部において、上記ウレタン樹脂層中のウレタン樹脂の割合は、ビード部のゴム層との接着の強度が一層高くなり、ゴム層に一層追従しやすくなる観点から、例えば、ウレタン樹脂層100質量%に対して、10〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がより好ましい。また、上記ウレタン樹脂層中の樹脂成分は、ゴム層との機械特性のバランスの観点から、ウレタン樹脂のみであること(他の樹脂を含まないこと)が好ましい。
上記ビード部において、上記ビード部の保護層の厚さは、20〜200μmであることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましい。ビード部の保護層の厚さが20μm以上であることにより、ビード部が耐オゾン性に一層優れ、亀裂が発生しにくくなる。また、200μm以下であることにより、タイヤが軽くなり、また製造コストを低減できる。
上記ビード部の保護層の厚さは、ビード部全体で均一であってもよいし、不均一であってもよい。ビード部の保護層の厚さは、例えば、積層する際に用いる発泡体の厚さ、密度、発泡倍率等により調整することができる。
上記ビード部において、ビード部の全外表面積(100%)に対する、上記保護層からなる外表面の割合(上記被覆領域の割合)は、ビード部が耐オゾン性に一層優れ、亀裂が発生しにくくなる観点から、50〜100%であることが好ましく、より好ましくは87〜100%、更に好ましくは100%である。
(サイド部)
上記サイド部は、サイド部の外表面部分の少なくとも一部に、ゴム層(サイドゴム層)と、上記ゴム層(サイドゴム層)を被覆し、サイド部の外表面を形成する保護層とからなる被覆領域を有する。
上記サイド部のゴム層をなすゴムとしては、例えば、ゴム成分、配合剤等を含むゴム(ゴム成分、配合剤等を含むゴム組成物を架橋させて得られるゴム)等が挙げられる。中でも、上記サイド部のゴム層をなすゴムは、オゾン等に対する保護に一層優れる観点から、老化防止剤を含むことが好ましい。
上記サイド部における上記ゴム成分は、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、各種ブタジエンゴム、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、イソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体の臭化物、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。なお、天然ゴムとブタジエンゴムとの混合物等の、天然ゴムと合成ゴムとの混合物を用いる場合、天然ゴムと合成ゴムとの混合比(質量比、天然ゴム/合成ゴム)としては、例えば、80/20〜20/80が挙げられる。上記ゴム成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記サイド部における上記配合剤としては、例えば、グアジニン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の加硫促進剤;硫黄等の加硫剤;アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤等の老化防止剤;合成ワックス、天然ワックス等のワックス;アロマオイル等のオイル類;シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム等の充填剤フィラー;シランカップリング剤;ステアリン酸等の有機酸化合物;酸化亜鉛;補強剤;プロセスオイル等の軟化剤;着色剤;難燃剤;滑剤;可塑剤;加工助剤;熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂;等が挙げられる。上記配合剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記サイド部における保護層としては、上述のビード部における保護層と同様のものが挙げられる。中でも、耐オゾン性及び耐クラック性に優れ、且つクラックの進展を抑えることができるという観点、及びサイド部のゴム層が有する特性を低下させにくいという観点から、ウレタン樹脂層であることが好ましい。
上記サイド部におけるウレタン樹脂層としては、上述のビード部におけるウレタン樹脂層と同様のものが挙げられる。上記ウレタン樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記サイド部において、上記ウレタン樹脂層中のウレタン樹脂の割合は、サイド部のゴム層との接着の強度が一層高くなり、ゴム層に一層追従しやすくなる観点から、例えば、ウレタン樹脂層100質量%に対して、10〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がより好ましい。また、上記ウレタン樹脂層中の樹脂成分は、ゴム層との機械特性のバランスの観点から、ウレタン樹脂のみであること(他の樹脂を含まないこと)が好ましい。
上記サイド部の保護層の厚さは、16〜150μmの範囲であることが好ましく、20〜100μmの範囲であることがより好ましい。サイド部の保護層の厚さが16μm以上であることにより、ビード部が耐オゾン性に一層優れ、亀裂が発生しにくくなる。また、150μm以下であることにより、タイヤが軽くなり、また製造コストを低減できるかつタイヤ性能への影響が少ない。
上記サイド部の保護層の厚さは、例えば、積層する際に用いる発泡体の厚さ、密度、発泡倍率等により調整することができる。
図1に示すように、サイド部2のうち、ビード部3に近い部分(サイド部a22)では、サイドゴム21とチェーファーゴム31とが存在する。サイド部2とビード部3との境界近辺において、サイド部厚さ方向のサイドゴムの厚さは、ビード部に近づく程薄くなり、サイド部厚さ方向のチェーファーゴムの厚さは、ビード部に近づく程厚くなる。チェーファーゴム31はサイドゴム21よりも、オゾンに対する耐久性が低いため、サイド部2の中でも、サイドゴム21とチェーファーゴム31とからなる部分(サイド部a22)は、サイドゴム21のみからなる部分(サイド部b23)よりも、耐オゾン性に劣る。
本実施形態のタイヤでは、サイド部全体で均一な耐オゾン性を確保する観点から、上記サイド部の中でも、チェーファーゴムの割合が少ない部分よりも、チェーファーゴムの割合が多い部分の方が、保護層が厚いことが好ましく、トレッド部に近いサイド部(サイド部b23)の保護層よりも、ビード部に近いサイド部(サイド部a22)の保護層が厚いことがより好ましい。即ち、サイド部外表面上の点を起点とするサイド部厚さ方向において、サイド部全厚さに対するチェーファーゴムから形成されている部分の厚さの割合が多いサイド部外表面上の点ほど、保護層を厚くすることが好ましい。
本実施形態のタイヤは、上記サイド部外表面上の点を起点として、タイヤ幅方向に、サイド部全厚さに対する、上記チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%超であるサイド部a、上記チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%であるサイド部bにおいて、上記保護層の厚さが以下の関係
サイド部aの保護層の厚さ>サイド部bの保護層の厚さ
を満たす。中でも、サイド部aの保護層の厚さが24μm以上、サイド部bの保護層の厚さが20μm以上であって、サイド部aの保護層がサイド部bの保護層よりも厚いことが好ましい。
上記サイド部bの保護層の厚さに対する上記サイド部aの保護層の厚さの割合(サイド部aの保護層の厚さ/サイド部bの保護層の厚さ)は、より一層タイヤ外表面に亀裂が発生しにくくなるという観点から、1.1〜2.0であることが好ましく、1.1〜1.7であることがより好ましい。
サイド部の耐オゾン性が一層向上して一層亀裂が発生しにくくなる観点から、サイド部外表面上の点を起点とするサイド部厚さ方向において、サイド部全厚さに対するチェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%であるサイド部b外表面上の保護層の厚さは20〜200μmであり、0%超5%以下であるサイド部外表面上の保護層の厚さは24〜200μmであり、5%超であるサイド部外表面上の保護層の厚さは40〜200μmであり、5%超であるサイド部外表面上の保護層の厚さ>0%超5%以下であるサイド部外表面上の保護層の厚さ>サイド部bの保護層の厚さ、を満たすことが好ましい。
なお、「サイド部の厚さ方向」とは、サイド部外表面上の点を起点とする、タイヤ幅方向(外表面に対して垂直方向)をいう。また、「サイド部全厚さ」とは、サイド部の厚さ方向の、外表面から内表面までの長さをいう。
上記サイド部において、サイド部の全外表面積(100%)に対する、上記保護層からなる外表面の割合(上記被覆領域の割合)は、サイド部が耐オゾン性に一層優れ、亀裂が発生しにくくなる観点から、50〜100%であることが好ましく、より好ましくは65〜100%、更に好ましくは80〜100%である。
(トレッド部)
上記トレッド部は、トレッド部の外表面部分の少なくとも一部が保護層で被覆されていてもよい。上記トレッド部は、トレッド部の外表面部分の少なくとも一部に、ゴム層(トレッドゴム層)と、上記ゴム層(トレッドゴム層)を被覆し、トレッド部の外表面を形成する保護層とからなる被覆領域を有することが好ましい。
上記トレッド部のゴム層をなすゴムとしては、例えば、ゴム成分、配合剤等を含むゴム(ゴム成分、配合剤等を含むゴム組成物を、架橋させて得られるゴム)等が挙げられる。
上記トレッド部におけるゴム成分は、目的に応じて適宜選択することができる。上記ゴム成分としては、例えば、上述のサイド部におけるゴム成分と同様のものが挙げられる。
上記トレッド部における配合剤としては、上述のサイド部における配合剤と同様のものが挙げられる。
上記トレッド部における保護層としては、上述のビード部における保護層と同様のものが挙げられる。中でも、耐オゾン性及び耐クラック性に優れ、且つクラックの進展を抑えることができるという観点、及びトレッド部のゴム層が有する特性を低下させにくいという観点から、ウレタン樹脂層であることが好ましい。
上記トレッド部におけるウレタン樹脂層としては、上述のビード部におけるウレタン樹脂層と同様のものが挙げられる。上記ウレタン樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記トレッド部において、上記ウレタン樹脂層中のウレタン樹脂の割合は、トレッド部のゴム層との接着の強度が一層高くなり、ゴム層に一層追従しやすくなる観点から、例えば、ウレタン樹脂層100質量%に対して、10〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がより好ましい。また、上記ウレタン樹脂層中の樹脂成分は、ゴム層との機械特性のバランスの観点から、ウレタン樹脂のみであること(他の樹脂を含まないこと)が好ましい。
上記トレッド部において、上記トレッド部の保護層の厚さは、5〜200μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。トレッド部の保護層の厚さが10μm以上であることにより、トレッド部が耐オゾン性に一層優れ、亀裂が発生しにくくなる。また、200μm以下であることにより、タイヤのグリップ性能が低下しにくく、また、短距離走行するだけで保護層が摩耗し、トレッド部のゴム層をタイヤ外表面に露出させることができる。
上記トレッド部の保護層の厚さは、トレッド部全体で均一であってもよいし、厚さが不均一であってもよい。トレッド部の保護層の厚さは、例えば、積層する際に用いる発泡体の厚さ、密度、発泡倍率等により調整することができる。
上記トレッド部において、トレッド部の全外表面積(100%)に対する、上記保護層からなる外表面の割合(上記被覆領域の割合)は、トレッド部が耐オゾン性に一層優れ、亀裂が発生しにくくなる観点から、10〜100%であることが好ましく、より好ましくは10〜80%、更に好ましくは50〜80%である。
(タイヤの物性)
本実施形態のタイヤは、耐オゾン性が向上し、亀裂が発生しにくくなる観点から、以下の関係を満たすことが好ましい。
ビード部の保護層の厚さ>サイド部の保護層の厚さ
上記サイド部の保護層の厚さに対する上記ビード部の保護層の厚さの割合(ビード部の保護層の厚さ/サイド部の保護層の厚さ)は、より一層タイヤ外表面に亀裂が発生しにくくなるという観点から、1.1〜2.0であることが好ましく、1.1〜1.7であることがより好ましい。
本実施形態のタイヤは、(タイヤのグリップ力維持)の観点から、以下の関係
サイド部の保護層の厚さ>トレッド部の保護層の厚さ
を満たすことが好ましく、以下の関係
サイド部bの保護層の厚さ>トレッド部の保護層の厚さ
を満たすことがより好ましい。
本実施形態のタイヤは、グリップ性能、乗り心地の観点から、以下の関係を満たすことが好ましい。
ビード部の保護層の厚さ>サイド部の保護層の厚さ>トレッド部の保護層の厚さ
本実施形態のタイヤは、タイヤ幅方向断面において、上記サイド部の上記被覆領域8内に、上記ゴム層7と上記保護層6との界面上の2点A、Bであって、線分ABの長さをX、AB間の上記界面の長さをYとしたとき、X≧1mmかつY/X≧1.1となるような、2点A、Bが存在することが好ましく、上記サイド部及び上記トレッド部にX≧1mmかつY/X≧1.1となるような、2点A、Bが存在することがより好ましく、上記ビード部、上記サイド部及び上記トレッド部にX≧1mmかつY/X≧1.1となるような、2点A、Bが存在することがさらに好ましい。ただし、2点A、Bを結んだ線分ABがタイヤの外部を通過する2点を除く。
上記X≧1mmかつY/X≧1.1の条件における、長さXは、1〜5mmが好ましく、より好ましくは1mmである。また、上記X≧1mmかつY/X≧1.1の条件における、Y/Xは、1.2以上が好ましく、より好ましくは1.3以上であり、また、4.0以下であることが好ましい。
上記Y/Xが1.1以上であることにより、保護層6がゴム層7表面の凹凸形状に追従して、ゴム層7と保護層6との界面で、ゴム層7と保護層6とが複雑に絡み合い、アンカー効果が得られて、保護層6の接着の強度が著しく向上する。
なお、上記2点A、B間の上記界面の長さYとは、2点A、B間をゴム層7と保護層6との界面に沿って結んだ線の長さ(2点A、Bの界面上における延在長さ)である(図2(b)参照)。なお、ゴム層7と、保護層6との間に、気泡等が存在しない場合、ゴム層7と保護層6との界面は、ゴム層表面である(図2(b)参照)。
本実施形態のタイヤは、上記2点A、B間において、ゴム層7と保護層6との上記界面の最大高さ粗さRyは、保護層6がゴム層7に複雑に入り込むことで保護層6とゴム層7とが複雑に絡み合い、ゴム層7と保護層6との接着の強度が向上する観点から、例えば、5〜400μmであることが好ましい。
なお、最大高さ粗さRyは、JIS B 0601(2001年)の規定に準拠して測定される値をいう。
上記2点A、Bは、ゴム層7と保護層6との界面から選択されれば、2点A、Bを結ぶ界面上の線が、保護層が設けられていない部分(タイヤ外表面となる部分)を含んでいてもよい。
上記2点A、B間の保護層が設けられていない部分は、例えば、点Aから上記被覆領域8表面におろした垂線の足C(図2(b)のC)と、点Bから上記被覆領域8表面におろした垂線の足D(図2(b)のD)とを結んだ、タイヤ外表面上の線Lの長さ(100%)に対して、該線L上の保護層6が設けられていない部分の長さは、40%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。中でも、該線L上に、保護層6が設けられていない部分がないことが好ましい。
また、該線L上の保護層6が設けられていない部分の長さは、ゴム層7と保護層6との接着強度の観点から、例えば、200μm未満であることが好ましい。
上記2点A、B間の上記保護層6の平均厚さは、ゴム層2と保護層6との接着の強度が一層高くなり、タイヤ外表面の耐オゾン性が一層向上する観点から、15〜400μmが好ましく、より好ましくは30〜150μmである。
なお、保護層6の平均厚さは、タイヤ幅方向断面において、上記2点A、B間の上記界面上のある点からタイヤ外表面(被覆領域表面)におろした垂線の足までの長さを、その点における保護層の厚さとし、上記2点A、B間の全ての点において測定した保護層の厚さの平均値をいう。
上記2点C、Dを結んだタイヤ外表面上の線上に保護層6が設けられていない部分がない場合、上記2点A、B間の保護層の最低層厚dは、耐オゾン性に優れる観点から、1〜300μmが好ましく、より好ましくは15〜150μmである。
なお、上記2点C、D間の保護層の最低層厚dは、2点A、Bを含むタイヤ幅方向断面において、上述の保護層の平均厚さを求める際の、保護層の厚さの最小値である(図2(b)参照)。
本実施形態のタイヤは、例えば、自動車用、重荷重車両(建設・鉱山車両、トラック・バス等)用、バイク用、自転車用等のタイヤとして用いることができる。
(タイヤの製造方法)
本実施形態のタイヤの製造方法としては、加硫時に、複雑な表面形状をしたゴム層の表面に発泡体が入り込みやすく、発泡体により形成される保護層とゴム層とが複雑に絡み合い、上記Y/Xが大きくなり、アンカー効果が得られて、ゴム層表面と保護層との接着の強度が向上する観点から、例えば、未加硫ゴム(未加硫タイヤ)表面上に、保護層となる発泡体を積層して加硫する方法等が挙げられる。
なお、成型加硫後のタイヤ外表面に保護層を設けた場合、加硫タイヤ外表面がほぼ平坦となっているため、ゴム層と保護層とが複雑に絡まず、接着の強度が不十分となるおそれがある。
上記発泡体としては、ゴム層と保護層とが絡み合った構造を形成しやすいという観点から、ウレタン樹脂発泡体であることが好ましい。上記ウレタン樹脂発泡体は、例えば、上記ウレタン樹脂及び発泡剤を含む組成物を発泡させて製造することができる。上記ウレタン樹脂発泡体を形成する組成物は、さらに、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の他の樹脂、界面活性剤、溶剤等を含んでいてもよい。
上記ウレタン樹脂発泡体におけるウレタン樹脂としては、ウレタン樹脂層について上述したものと同様のウレタン樹脂が挙げられる。
上記発泡剤としては、例えば、水、炭化水素化合物(プロパン、ブタン、ペンタン等)、炭酸ガス、窒素ガス、空気等が挙げられる。
上記発泡体の気泡構造は、ゴム層7と保護層6との間に気泡が入りにくくなり、ゴム層7と保護層6との接着の強度が一層向上するという観点から、例えば、半連続半独立気泡構造(独立気泡構造と連続気泡構造とが混在している気泡構造)、又は連続気泡構造が好ましい。
上記発泡体の発泡倍率は、ゴム層7と保護層6との接着の強度が一層向上する観点から、50倍以下が好ましく、より好ましくは20倍以下、さらに好ましくは19倍以下である。また、ゴム層7と保護層6との間に気泡が入りにくく、ゴム層7と保護層6との接着の強度が一層向上する観点から、4倍以上が好ましく、より好ましくは8倍以上である。
なお、発泡倍率は、「発泡前の密度/発泡後の密度」をいう。即ち、「発泡体を形成する組成物から発泡剤を除いた組成物の密度/発泡体の密度」をいう。なお、発泡体の体積は、JIS K 7222に準拠して測定される体積をいう。
上記発泡体としてウレタン樹脂発泡体を用いる場合、ウレタン樹脂発泡体を形成する組成物から発泡剤を除いた組成物の密度は、特に限定されないが、40〜150kg/m3や、60〜100kg/m3であってもよい。
また、上記ウレタン樹脂発泡体の密度は、特に限定されないが、ゴム層と保護層との接着の強度が一層向上する観点から、20〜150kg/m3が好ましく、より好ましくは20〜100kg/m3、さらに好ましくは51〜100kg/m3である。
なお、上記密度は、JIS K 7222に準拠して測定される値をいう。
上記タイヤの製造方法において、加硫の方法は、例えば、未加硫ゴムに上記発泡体を積層して金型の内表面に設置し、加硫成型する方法が挙げられる。
加硫温度としては、例えば、140〜200℃が挙げられる。また、加硫時間としては、例えば、5〜60分が挙げられる。
なお、本発明のタイヤは、未加硫ゴム表面上に樹脂シートやゴムシートを積層して加硫する方法等で製造してもよい。加硫の方法は、例えば、未加硫ゴムに上記樹脂シート又は上記ゴムシートを積層して金型内表面に設置し、加硫成型する方法が挙げられる。加硫温度としては、例えば、140〜200℃が挙げられる。また、加硫時間としては、例えば、5〜60分が挙げられる。
上記樹脂シート(フィルム)は、例えば、樹脂を含む組成物を剥離フィルム上に塗布し、光硬化又は熱硬化して製造することができる。上記樹脂シートとしては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン系樹脂等の樹脂材料による樹脂シートが挙げられる。
上記ゴムシートとしては、例えば、上記ゴム層について上述したものと同様のゴム成分によるゴムシートが挙げられる。
積層する上記樹脂シート又はゴムシートの厚さは、耐オゾン性の観点、及び剥離防止性が向上するという観点から、例えば、1〜500μmが好ましく、より好ましくは30〜400μmである。
上記樹脂シート又はゴムシートは、ゴム層7と保護層6との間に気泡が入りにくくなり、ゴム層7と保護層6との接着の強度が一層向上する観点から、例えば、シートを貫通する孔を有していてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
未加硫タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)のビード部の全外表面上に、密度100kg/m3、発泡倍率10倍、厚さ1000μmのウレタン樹脂発泡体(商品名「エバーライトSF」、ブリヂストンケミテック社製)を、サイド部aの全外表面上に、密度100kg/m3、発泡倍率10倍、厚さ1500μmのウレタン樹脂発泡体(商品名「エバーライトSF」、ブリヂストンケミテック社製)を、サイド部bの全外表面上に、密度100kg/m3、発泡倍率10倍、厚さ1200μmのウレタン樹脂発泡体(商品名「エバーライトSF」、ブリヂストンケミテック社製)を、トレッド部の全外表面上に、密度100kg/m3、発泡倍率10倍、厚さ900μmのウレタン樹脂発泡体商品名「エバーライトSF」、ブリヂストンケミテック社製)を積層し、温度170℃で10分間加硫して、タイヤ全外表面がウレタン樹脂による保護層で被覆されたタイヤを製造した。
なお、上記未加硫タイヤは、図1に示すように、ビード部がチェーファーゴムからなり、サイド部中のビード部側(サイド部a)にもチェーファーゴムがあるタイヤであった。
また、サイド部外表面上の点を起点として、タイヤ幅方向の、チェーファーゴムから形成されている部分の厚さは、加硫タイヤのタイヤ幅方向断面(図1参照)を観察して、サイド部外表面上の各点におけるタイヤ幅方向のチェーファーゴムから形成されている部分の厚さを測定することができる。
(実施例2〜3、比較例1〜5)
表1に示すウレタン樹脂発泡体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてタイヤを製造した。なお、比較例4は、保護層を設けなかった。
(評価)
実施例及び比較例で製造したタイヤを用いて、下記の測定及び評価を行った。
(保護層の厚さ)
実施例及び比較例で得られたタイヤを、タイヤ幅方向断面に切断し、サイド部a及びサイド部bの切断面、トレッド部の切断面をそれぞれ撮影した。得られた画像において、外表面上の任意の点における保護層の厚さを測定した。同様の測定を、各部につき10点行い、その平均値を各部の保護層の厚さ(μm)とした。
(耐オゾン性)
実施例及び比較例で得られたタイヤを適用リム(サイズ;15×6J)に装着し、内圧240kPaとして、タイヤをオゾン濃度30pphmで60km/mの速度で300時間走行させた。そして、サイド部a、サイド部b及びトレッド部のクラックの発生、クラックの長さ、クラックの深さ等を目視で確認し、耐オゾン性を評価した。耐オゾン性は、以下の基準で評価した。
0:クラックが発生していなかった
1:軽微なクラックが発生していた
2:軽微なクラックが部位の全体に発生していた
3:クラックが部位の全体に発生し、クラック同士がつながっていた
4:全体のクラックの半分程度が開いていた
5:クラックが全体に発生し、大きく開いていた
なお、サイド部は、以下の2部分に分けて評価を行った。上記「保護層の厚さ」の評価で得た幅方向断面において、チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%超となる部分を「サイド部a」、チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%である部分を「サイド部b」とした。
(μ低下)
実施例及び比較例で得られたタイヤを適用リム(サイズ:15×6J)に装着し、内圧230kPaとして、試験車両(品名「プリウス DAA−ZVW30 1800cc」)の全軸に装着した。そして、トレッド部の保護層が摩擦で完全に消滅するまでの走行距離を測定した。そして、以下の基準でμ低下を評価した。
○(良好):走行距離が500km未満であった
×(不良):走行距離が500km以上であった
(Y/X(線分ABの長さXとAB間の界面の長さYとの比))
実施例及び比較例で得られたタイヤを、タイヤ幅方向断面に切断し、サイド部aの切断面、サイド部bの切断面、トレッド部の切断面をそれぞれ撮影した。得られた画像において、被覆領域におけるゴム層と保護層との界面上の2点A、Bを、線分ABの長さが1mmとなるように定め、2点A、B間の界面の長さy(mm)を測定した。そして、下記式により、線分ABの長さXとAB間の界面の長さYとの比(Y/X)を算出した。
Y/X=AB間の界面の長さ/AB間の長さ=y/1
なお、比較例4のタイヤは、被覆領域がなく、Y/X=1であった。
(乗り心地)
実施例及び比較例で得られたタイヤをリムに装着し、内圧230kPaとして、試験車両の全軸に装着した。そして、専門のドライバーにより乗心地性のフィーリングテストを行い、1〜10の評点をつけその平均値を求めた。値が大きい程、乗り心地が良好であることを示す。
表1に示されるように、サイド部aの保護層が、サイド部bの保護層よりも厚い実施例1、2では、サイド部の耐オゾン性が良好であった。
1 タイヤ
2 サイド部
21 サイドゴム
22 サイド部a
23 サイド部b
3 ビード部
31 チェーファーゴム
4 カーカス
5 リム
6 保護層
7 ゴム層
8 被覆領域
A 被覆領域におけるゴム層と保護層との界面上の点
B 被覆領域におけるゴム層と保護層との界面上の点
X 線分ABの長さ
Y AB間の界面の長さ
d AB間における保護層の最低膜厚

Claims (4)

  1. 一対のビード部と、前記ビード部に連なるサイド部と、前記サイド部を連結するトレッド部とを備えるタイヤであって、
    前記タイヤの少なくとも一部に、ゴム層が保護層で被覆された被覆領域を有し、
    前記サイド部のゴム層がサイドゴムとチェーファーゴムとを含み、
    前記サイド部外表面上の点を起点として、タイヤ幅方向に、サイド部全厚さに対する、前記チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%超であるサイド部a、前記チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%であるサイド部bにおいて、前記保護層の厚さが以下の関係
    サイド部aの保護層の厚さ>サイド部bの保護層の厚さ
    を満たし、
    前記保護層が、何れも、ウレタン樹脂である
    ことを特徴とする、タイヤ。
  2. 一対のビード部と、前記ビード部に連なるサイド部と、前記サイド部を連結するトレッド部とを備えるタイヤであって、
    前記タイヤの少なくとも一部に、ゴム層が保護層で被覆された被覆領域を有し、
    前記サイド部のゴム層がサイドゴムとチェーファーゴムとを含み、
    前記サイド部外表面上の点を起点として、タイヤ幅方向に、サイド部全厚さに対する、前記チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%超であるサイド部a、前記チェーファーゴムから形成されている部分の厚さが占める割合が0%であるサイド部bにおいて、前記保護層の厚さが以下の関係
    サイド部aの保護層の厚さ>サイド部bの保護層の厚さ
    を満たし、
    前記保護層が、何れも、オゾンからの保護層である
    ことを特徴とする、タイヤ。
  3. 前記保護層の厚さがさらに以下の関係
    サイド部bの保護層の厚さ>トレッド部の保護層の厚さ
    を満たす、請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. タイヤ幅方向断面において、
    前記サイド部、及び前記トレッド部において、前記被覆領域内に、前記ゴム層と前記保護層との界面上の2点A、Bであって、線分ABの長さをX、AB間の前記界面の長さをYとしたとき、X≧1mmかつY/X≧1.1となるような、2点A、Bが存在する(ただし、線分ABがタイヤの外部を通過する2点を除く)、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ。
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