JP6712817B1 - 廃棄物バイオガス化処理装置及び廃棄物バイオガス化処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃棄物の蒸気による加水分解の生成物の乾燥工程、ペレット成形工程、及び、ペレットの燃焼による排ガス処理工程を不要とすることによって、装置製造コスト、エネルギーコスト、ランニングコストを含む諸コストを削減することを目的とする。【解決手段】有機系廃棄物を含む原料を加水分解処理しバイオガス化する廃棄物バイオガス化処理装置1であって、原料投入口21及び生成物排出口22を有する処理容器23と、処理容器23の内部に設けられ、原料を撹拌する撹拌手段と、処理容器23に蒸気を供給する蒸気供給配管24と、処理容器23から蒸気を排出する蒸気排気配管26と、を備えた加水分解装置2と、加水分解処理された生成物をバイオガス化し回収するバイオガス化回収装置3を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物ガス化処理装置、廃棄物ガス化処理システム及び廃棄物ガス化処理方法に関する。
特許文献1の発明は、植物性廃棄物を含む原料を蒸気で加水分解処理し、生成物を製造する生成物の製造方法であって、前記原料を蒸気により加水分解処理する加水分解処理工程と、加水分解処理された前記原料を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、洗浄された前記原料を固形分と液体分とに分離する分離工程と、を含み、前記固形分又は前記液体分の少なくとも一方を前記生成物とすることを特徴とする。前記固形分を乾燥する乾燥工程を、前記固形分をペレット化する成形工程を、含み、前記固形分から、バイオマス燃料を製造する。
特許文献2の発明は、有機系廃棄物を含む原料を加水分解処理する加水分解処理装置であって、原料投入口及び製品排出口を有する処理容器と、前記処理容器の内部に設けられ、原料を撹拌する撹拌手段と、前記処理容器に蒸気を供給する蒸気供給配管と、前記処理容器から蒸気を排出する蒸気排気配管と、を備え、前記処理容器は、複数の蒸気供給口を有するものである。
特許第6190082号公報 特許第6409237号公報
しかしながら、特許文献1に記載の生成物の製造方法、特許文献2に記載の加水分解処理装置では、廃棄物を加水分解した固形分又は液体分を利用するものであるので、固形分と液体分とに固液分離する必要がある。特許文献1、2の場合は固形分の利用を主眼としており、加水分解生成固形分の乾燥工程、ペレット成形工程が必要なため、当該工程の装置製造コスト、エネルギーコストが多大になる、当該工程の処理時間が長くなる、固形分を燃焼することによる排気ガスの公害防止処理が必要である等の解決すべき課題がある。
本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、廃棄物の蒸気による加水分解の生成物の乾燥工程、ペレット成形工程、及び、ペレットの燃焼による排ガスの処理工程を不要とすることによって、装置製造コスト、エネルギーコスト、ランニングコストの諸コストを削減することを目的とする。
本発明は、原料投入口及び生成物排出口を有する処理容器と、前記処理容器の内部に設けられ、原料を撹拌する撹拌手段と、前記処理容器に蒸気を供給する蒸気供給配管と、前記処理容器から蒸気を排出する蒸気排気配管とを有する加水分解装置と、加水分解された原料の固液分離を行い、含水率70〜90%の生成物を得る固液分離装置と、前記生成物をバイオガス化し、生成されたバイオガスを回収するバイオガス化回収装置と備えることを特徴とする廃棄物バイオガス化処理装置である。
また、本発明は、有機廃棄物を含む原料を処理容器に投入する原料投入工程と、前記原料を蒸気により加水分解処理する加水分解処理工程と、前記加水分解処理工程で加水分解された原料を固液分離し、含水率を70〜90%の生成物を得る固液分離工程と、前記生成物をバイオガス化し回収するバイオガス化回収工程と、を備え、前記加水分解処理工程において、前記処理容器の内部圧力を1.2MPaから3.0MPa、処理温度を189〜234℃、前記処理温度がターゲット温度帯に到達してからの保持時間を10分〜2時間とすることを特徴とする廃棄物バイオガス化処理方法である。前記固液分離工程の前に、前記加水分解処理工程で加水分解された原料を水洗する洗浄工程をさらに含むことが好ましい。
加水分解処理装置と、バイオガス化回収装置と、有機物を燃料として蒸気を発生させるバイオマスボイラーと、を含む廃棄物ガス化処理システムであって、前記バイオマスボイラーは、前記加水分解処理装置で加水分解処理された生成物を含水率20%以下に乾燥させたものを、前記燃料としてもよい。
前記バイオマスボイラーは、前記燃料を供給する燃料供給口を備え、前記燃料供給口は、前記生成物を乾燥する乾燥装置の排出口に接続されていてもよい。
本発明の廃棄物バイオガス化処理方法は、処理容器に前記原料を投入した後、前記処理容器を密閉状態とする原料投入工程と、前記処理容器に蒸気を複数の位置から供給し、加圧及び昇温する加圧昇温工程と、前記処理容器内がターゲットの温度帯に到達後、温度を保持する温度保持工程と、前記加圧昇温工程および温度保持工程の後、前記処理容器の内部の蒸気を排気する蒸気排気工程と、前記処理容器の内部の加水分解処理された前記原料を生成物として排出する生成物排出工程と、該生成物をバイオガス化し、生成されたバイオガスを回収するバイオガス化回収工程を含むものである。
前記処理容器内に原料投入時と前記処理容器内昇温加熱時と、前記処理容器内がターゲットの温度帯に到達後保持時において、前記処理容器内の原料を攪拌手段により攪拌することが好ましい。
本発明によれば、廃棄物の蒸気による加水分解の生成物の乾燥工程、ペレット成形工程、及び、ペレットの燃焼による排ガスの処理を不要とすることによって、装置製造コスト、エネルギーコスト、ランニングコスト等の諸コストを削減できる。また、生成したバイオガスにより、発電をすることが出来る。また、加水分解の際の分解温度が低く、かつ温度保持時間(分解時間)を長くすることで、バイオガス化への支障となる廃棄物の炭化が低減できる。
本発明の実施形態に係る廃棄物バイオガス化処理装置の構成図である。 本発明の実施形態に係る廃棄物バイオガス化処理方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る生成物の廃棄物バイオガス化処理装置1は、有機系廃棄物を含む原料を蒸気により加水分解処理し、生成物を製造する加水分解装置2と、加水分解装置2で分解された生成物を受け入れてこれをバイオガス化し、生成されたバイオガスを回収するバイオガス化回収装置3と、加水分解装置2に蒸気を供給するボイラー4と、加水分解装置2の蒸気圧力を抜くコンデンサ5と、加水分解装置2の圧力及び温度等を制御する制御装置6と、を備えたものである。原料等、諸般の事情に必要に応じて、含水率調整装置、加水分解処理された原料を洗浄液で洗浄する洗浄装置(図示略)、及び/又は洗浄された原料を固形分と液体分とに分離する固液分離装置(図示略)、を備える。
加水分解装置2は、原料を加水分解処理し、バイオガス化処理するための生成物を製造するものであり、原料投入口21及び生成物排出口22を有する処理容器23と、処理容器23の内部に設けられ、原料を撹拌する撹拌手段と、処理容器23に蒸気を供給する蒸気供給配管24と、蒸気供給配管24から蒸気を処理容器23に供給する複数の蒸気供給口25と、処理容器23から蒸気を排出する蒸気排気配管26と、を備えるものである。
処理容器23は横型であるが、縦型とされることもある。廃棄物バイオガス化処理される原料は、水産加工品残渣、各種汚泥、農作物及び農作物加工品残渣、飲料品残渣、都市ゴミなど有機系廃棄物を含むものである。この原料は、破砕手段(図示略)を用いて、各辺100mm以下の大きさに破砕されていることが好ましい。破砕手段は、公知のものでよいが、水産加工物残渣など柔らかいものを原料とする場合は、一軸回転型破砕手段でよい。
破砕された原料は、廃棄物バイオガス化処理装置1の処理容器23の内容積に合わせた1回分の量が計量され、一時的に原料投入サイロ(図示略)で貯留されてもよい。この原料投入サイロ(図示略)の内容積は、処理容器23の内容積に依存し、通常、処理容器23の内容積の1.1から1.2倍である。水産加工品残渣など酸性、塩基性物質が含まれている原料を貯留する場合、原料投入サイロは、耐腐食性を有する材質で形成されるとよい。
処理容器23は、後述する蒸気供給口25から内部に高圧の蒸気が供給されるため、第1種圧力容器の要件を満たす必要がある。そのため、処理容器23の内容積、直径、板厚、材質は、原料の量に応じて、第1種圧力容器の要件の範囲内で設計される。
処理容器23の耐圧性能は、高ければ高いほどよいが、実用性と経済性を考慮すると、通常、2MPaから10MPaであり、好ましくは3MPaから8MPaである。
加水分解装置2は、高温で高圧かつ強酸性、強塩基性条件の下で、原料を加水分解処理することが多くある。処理容器23は、耐圧構造体の内側を、耐薬品性ステンレス(SUS316)やフッ素系やシリコーン系の高分子材料の薄板でライニングしたものがよい。処理する原料によっては、通常のステンレス(SUS304)を使用してもよい。
原料投入口21は、処理容器23の上部に形成される。処理容器23の側面に原料投入口21を形成すると、後述する撹拌手段が邪魔になり、原料の投入が困難になる。
原料投入口21は、開閉可能な耐圧バルブ27に接続されている。加水分解処理時は、原料投入口21を閉鎖するため、耐圧バルブ27の耐圧性は、処理容器23の耐圧性と同等もしくはそれ以上であるとよい。
生成物排出口22は、処理容器23の下部に形成される。
処理容器23は、内部の原料を撹拌及び混合するために、モータ28により駆動される撹拌手段(図示略)を有している。この撹拌手段は、パドル式又はスクリュー式など公知のものが使用可能である。この撹拌手段は、処理容器23の内部の高粘度・高重量の原料を解砕しながら混合し、原料を均一な状態にすることができる。
撹拌手段(図示略)は、スクリュー式で、処理容器23の内径が100cmで、全長が250cmであれば、撹拌羽根の外径が95cmから98cmで、ピッチが30cmから50cmで、羽根形状が扇型又はパドル型であるとよい。
撹拌手段の回転速度は、0.1rpmから50rpm、好ましくは0.5rpmから30rpmの範囲で、原料に応じて、適宜、設定される。撹拌手段(図示略)は、撹拌及び混合と同時に破砕及びせん断を行うため、撹拌速度より撹拌トルクを重視するのがよい。
撹拌手段(図示略)による撹拌は、原料の投入と同時に開始することが好ましい。撹拌条件は、廃棄物バイオガス化処理装置1の反応時間及び原料の状態に応じて、撹拌運転の開始時刻・完了時刻が適宜設定される。このとき、撹拌運転は、連続又は間欠のいずれでもよい。撹拌運転は、所定時間ごとに正回転及び逆回転を繰り返すように、回転方向をタイマーで制御するとよい。撹拌手段を一定方向のみに回転させると、原料が一方側に偏ることがあり、撹拌による解砕混合が均一に行えない。
処理容器23の内部に蒸気を供給し、また処理容器23から蒸気を排気する構成について説明する。処理容器23は、処理容器23の長手方向に沿って、複数の蒸気供給口25を有する。この複数の蒸気供給口25は、コントロールバルブ29の下流の蒸気供給配管24から分岐された複数の枝管(図示略)に接続されている。
コントロールバルブ29は、処理容器23に設けられた圧力計2aにより、処理容器23の内部の圧力を所定の圧力、例えば3MPaに制御するものである。このとき、処理容器23の内部の温度は、温度計2bにより測定される。圧力計2aなどの計器類や各種バルブが故障した場合に備えて、処理容器23には、安全弁2cが設けられている。
ボイラー4は、燃料供給口41から燃料が供給されるようになっている。ボイラー4の能力は、処理容器23の内容積及び昇温時間に応じて設定される。
蒸気供給配管24は、コントロールバルブ29を介してボイラー4に接続されている。ボイラー4は、有機物を燃料として水蒸気を発生させるものであり、処理容器23を、所定の圧力(水蒸気圧)及び温度に調整できる能力を有している。
処理容器23からの蒸気の排気は、コンデンサ5を使用せず、処理容器23の内容積の3倍から10倍の、水を充填したコンデンサータンクに対して行ってもよい。このコンデンサータンクは、排気される蒸気(例えば、3.0MPa)を、常圧(0.1MPa)程度まで減圧する圧力解放手段としても機能する。
処理容器23の内部に蒸気を均一に供給することができるため、処理容器23の内部の温度及び圧力を均一にすることができる。処理容器23の内部の温度及び圧力が均一になることで、有機系廃棄物を含む原料に対する加水分解処理も、均一に進行させることができ、生成物を均質にすることができる。
ボイラー4は、本実施形態のように専用に設けられてもよいが、工場用ボイラーに蒸気の余剰があり、処理容器23の使用条件にあう蒸気であれば、直接導入してもよい。ボイラー4は、貫流ボイラーなど各種タイプのボイラーが併設されていてもよい。
処理容器23は、処理容器23の長手方向に沿って、複数の蒸気排気口26aを有する。この複数の蒸気排気口26aは、それぞれボールバルブ(図示略)を有する複数の枝管(図示略)に接続され、蒸気排気配管26に集合されている。
複数のボールバルブ(図示略)は、処理容器23からの蒸気の流量又は流速を調整するものであり、自動又は手動により、開度がそれぞれ設定される。処理容器23からの蒸気の排気は、内部の圧力にもよるが、例えば、5分から60分を掛けて行われ、処理容器23の内部が減圧される。
コンデンサ5は、排気された蒸気から凝集体(凝集液体および粉塵)を回収するサイクロンである。コンデンサ5は、構造が簡単な接線型サイクロン、軸流サイクロン、あるいは、サイクロンを並列又は直列に接続してマルチクロンとしてもよい。なお、コンデンサ5の外周を加熱すると、凝集液体は、ほぼ蒸気化するため、粉塵(粉状固体物)がコンデンサ5の下部から回収される。
コンデンサ5は、凝集体を回収する以外に、排気される蒸気(例えば、3.0MPa)を、0.5MPa程度まで減圧する圧力解放手段としても機能する。このため、コンデンサ5の内容積は、処理容器23の内容積の0.5倍から1.5倍とされる。
コンデンサ5で、凝集体が回収された蒸気は、そのまま大気に放出されるが、必要に応じて、コンデンサ5の下流に脱臭器を設けて、排気された蒸気を脱臭して、大気に放出してもよい。脱臭器は、吸着材型の公知のものを使用することができ、吸着材は、臭いの成分に応じて、活性炭、石灰、ゼオライトなどから適宜選択するとよい。
バイオガス化回収装置3は、生成物受入口31と生成されたバイオガスを排出するバイオガス排出口32とを備える。
バイオガス化回収装置3により生成されたバイオガスは、(1)ガス発電機用の燃料ガス、(2)ボイラーに使用されるバーナー用の燃料ガス等に使用される。ガス発電機で発電時に発生する熱を使用して蒸気を発生させ、加水分解用に使用してもよい。
本発明の実施形態に係る生成物の製造方法は、有機系廃棄物を含む原料を加水分解処理し、生成物を製造するものであって、原料を蒸気により加水分解処理する加水分解処理工程と、加水分解処理された生成物をバイオガス化並びに回収するバイオガス化回収工程とを備える。必要によって、加水分解処理された原料を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、洗浄された原料を固形分と液体分とに分離し、固体分の含水率を例えば80%にする固液分離工程と、を含み、固形分を前記生成物とする。液体については本発明の対象外であるので、説明は省略する。
本発明の実施形態に係る生成物の製造方法について図2を参照して説明する。
(原料投入工程S100)
原料は含水率(質量基準:以下同じ。)の適正な範囲が40〜80%、好ましくは40〜70%、特に好ましくは40〜60%である。通常、原料は含水率(質量基準:以下同じ。)が40%を下回る場合、水分を加え、80%を超える場合には、水分を削減する。含水率が40%を下回る場合、水または加水分解時に発生した廃水または蒸気脱気時に発生する濃縮水を加水分解する際に処理容器23に投入し、含水率を適正は範囲内とする(S200)。含水率が80%を超え水分を削減する場合、処理容器23には、原料とともに水分調整材を同時に原料投入口21から投入してもよい。水分調整材としては、吸水性とともに、加水分解処理で溶出させた有害重金属イオンなどを吸着可能な吸着材を使用することが好ましい。吸着材は、有機系吸着材が好ましい。有機系吸着材であれば、産業廃棄物を利用でき、有機系吸着材自体も加水分解処理できる。有機系吸着材としては、おが屑、籾殻、木材チップ、麦わら、稲わらなどがよい。無機系吸着材を使用する場合は、消石灰、ゼオライト、軽石などがよい。水分調整材の含水率は、30%以下、好ましくは15%以下である。
原料は、加水分解処理装置の処理容器に投入される。
原料が処理容器に投入されると、処理容器内の撹拌手段が回転されることで、原料が撹拌されてもよい。撹拌手段の運転は、連続又は間欠のいずれでもよいが、所定時間ごとに正回転及び逆回転を繰り返すように、回転方向をタイマーで制御するとよい。
処理容器23の原料投入口21から原料及び水分調整材が投入された後、原料投入口21側の耐圧バルブ27が閉止され、処理容器23が密閉状態にされる(S300)。
(加圧昇温工程S400)
処理容器23が密閉状態にされると、ボイラー4から蒸気供給配管24及びコントロールバルブ29を介して蒸気が処理容器23の内部に供給され、処理容器23の内部が所定の圧力及び温度に加圧及び昇温される。
このときの処理容器の内部圧力は、1.2MPa〜3.0MPa、好ましくは1.5MPa〜2.5MPaであり、内部温度は189℃〜234℃、好ましくは、200℃〜224℃であり、加水分解のための温度保持時間は、内部温度がターゲット温度帯になってから、10分〜2時間、好ましくは、30分〜1.5時間である。ターゲット温度帯は原料の種類によって異なっている。飽和水蒸気であるので、圧力と温度の一方がわかれば、他方は決められる。温度が比較的に低く設定され、長く保持時間が設定されているので、生成物の固形分が炭化せず、後述するバイオガス化回収工程にて、バイオガス化するときに円滑にバイオガス化をすることができる。生産能力の関係から保持時間には上限を設けている。バイオガスはメタンを含有する場合が多い。
(加水分解処理工程S500)
処理容器23の内部が所定の圧力及び温度に維持されると、原料は、有機系廃棄物であるため、加水分解処理され始める。蒸気の供給開始から上記の保持時間内で所定の時間が経過すると、原料の加水分解処理がほぼ完了するため、ボイラー4からの処理容器23への内部への蒸気の供給を停止し、加水分解処理を終了する。この加水分解処理工程により、原料は加水分解処理され、また、水分調整材が有機系の場合は、水分調整材も加水分解処理されて、有害重金属イオンなどは液成分中に溶出するが、未加水分解の吸着材に吸着されて固形分の側に移動する。
加水分解処理工程では、原料投入工程のときに同じように、モータ28を駆動し、撹拌手段を回転させ、原料の撹拌を行ってもよい。撹拌運転は、連続又は間欠のいずれでもよいが、所定時間ごとに正回転及び逆回転を繰り返すように、回転方向をタイマーで制御するとよい。
加水分解処理の時間は、処理量などに応じて適宜変更されるが、10分から2時間程度で十分である。
原料が加水分解処理されることで、セルロースなどの高分子が低分子化される。すなわち、植物繊維(植物の細胞壁及び細胞膜)が、脆くなるか破壊される。また、植物細胞中のカリウム、塩素、塩素など元素は、液体分中に溶出したり、溶出しやすくなる。
(蒸気排気工程S600)
加水分解処理工程の終了後は、5分から60分を掛けて、処理容器23の内部の圧力を、蒸気排気口26aに接続された蒸気排気配管26を介して蒸気を排気することで、常圧(0.1MPa)程度まで解放する。なお、排気される蒸気には、飛沫同伴的に原料の粉塵も含まれている。
加水分解処理工程の終了後は、30分から60分を掛けて、コンデンサ5を用いて、処理容器23の内部の圧力が常圧0.1MPa〜0.3MPaまで解放される。
(生成物排出工程S700)
廃棄物バイオガス化処理装置1で加水分解処理された生成物(汚泥状態)は、処理容器23の下部の生成物排出口22から排出される。
必要により、加水分解の生成物である汚泥をバイオガス化処理する前に、洗浄工程及び/又は固液分離工程を行ってもよい。
洗浄工程においては、排出された生成物は、洗浄装置に投入され、洗浄液に浸漬されて洗浄される。洗浄液は、工場用水又は水道水などの水でよく、原料の体積の5倍以上、好ましく10倍から20倍を用いるとよい。洗浄液の温度は、常温から60℃程度であればよい。洗浄時間は、処理量などに応じて適宜変更されるが、15分から30分程度で十分である。
生成物の状態によって、ガス化する前に固液分離装置を用いて、固液分離(脱水)を行う場合と行わない場合がある。固液分離を行わない場合は、原料に塩素分やカリウム等、後述するバイオガス化回収工程におけるメタン発酵を阻害する成分があまり含まれない場合である。固液分離を行う場合は、阻害する成分が多く含まれる場合であり、生成物を水洗し、固液分離を行う。固液分離工程により含水率を70%〜90%とする。
固液分離を行う場合は、浮上・沈降分離、フィルタープレス、遠心分離などの固液分離手段を用いて、固液を分離して、水分を削減してもよい。加水分解する原料により、分離された生成物の固形分は、肥料または堆肥として、生成物の液分は、液肥の原料として、使用可能になる。洗浄工程により含水率を70〜90%とする。
固液分離を行う場合、金属メッシュなどの簡易フィルタで、液体分が簡易除去された後、生成物が、固液分離装置に送られ、固液分離をすることもある。これにより生成物が固形分と液体分とに分離(脱水)される。固形分である原料から液体分を押し絞る(脱水する)、スクリューコンベア型などの固液分離装置(例えば、特開2012−153790号公報参照。)が用いられる。スクリューコンベア型であると、連続的に固液分離を行うことができるため、生産性が良好となる。原料がEFBの場合など、具体的工程は特許文献1を参照されたい。
加水分解装置2で加水分解処理された生成物は、バイオガス化回収装置3に投入される。
(バイオガス化回収工程S800)
生成物はバイオガス化回収装置3でバイオガス化およびバイオガスの回収をする。生成物は、事前に加水分解され、一次分解された状態であるため、短時間で多くのバイオガスを発生させることができる。生成されるバイオガスは主にメタンであり、発電や、ガス燃料として利用可能である。バイオガス化回収装置は、市販されているメタン発酵バイオガス生成装置を使用してよい。
廃棄物によっては、固形分中の塩素、カリウム等の含有量を下げる処理を行う場合がある。固液分離工程の後、洗浄工程に戻し、分離工程及び洗浄工程を複数回繰り返す。これにより、生成物を確実に洗浄することができる。複数回の洗浄により、固形物中の塩素、カリウム等が、洗浄液に溶出するため、固形分中の塩素、カリウムの含有量を下げることができる。固形分中のカリウムの含有量を下げる処理は、廃棄物によっては、原料工程投入前に行うことがある。
本実施形態では、洗浄工程の洗浄液は水である。これにより、生成物の洗浄液に特殊な薬液を使用することがないため、安価な工場用水又は水道水が利用できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1 廃棄物バイオガス化処理装置
2 加水分解装置
2a 圧力計
2b 温度計
2c 安全弁
3 バイオガス化回収装置
4 ボイラー
5 コンデンサ
6 制御装置
14 蒸気排気口
21 原料投入口
22 生成物排出口
23 処理容器
24 蒸気供給配管
25 蒸気供給口
26 蒸気排気配管
26a 蒸気排気口
27 耐圧バルブ
28 モータ
29 コントロールバルブ
31 生成物受入口
32 バイオガス排出口
41 燃料供給口

Claims (3)

  1. 原料投入口及び生成物排出口を有する処理容器と、
    前記処理容器の内部に設けられ、原料を撹拌する撹拌手段と、
    前記処理容器に蒸気を供給する蒸気供給配管と、
    前記処理容器から蒸気を排出する蒸気排気配管と、を有する加水分解装置と、
    加水分解された原料の固液分離を行い、含水率70〜90%の生成物を得る固液分離装置と、
    前記生成物をバイオガス化し、生成されたバイオガスを回収するバイオガス化回収装置と、
    備えることを特徴とする廃棄物バイオガス化処理装置。
  2. 有機廃棄物を含む原料を処理容器に投入する原料投入工程と、
    前記原料を蒸気により加水分解処理する加水分解処理工程と、
    前記加水分解処理工程で加水分解された原料を固液分離し、含水率を70〜90%の生成物を得る固液分離工程と、
    前記生成物をバイオガス化し、生成されたバイオガスを回収するバイオガス化回収工程と、
    を備え、
    前記加水分解処理工程において、前記処理容器の内部圧力を1.2MPaから3.0MPa、処理温度を189〜234℃、前記処理温度がターゲット温度帯に到達してからの保持時間を10分〜2時間とすることを特徴とする廃棄物バイオガス化処理方法。
  3. 前記固液分離工程の前に、前記加水分解処理工程で加水分解された原料を水洗する洗浄工程をさらに含む、請求項2に記載の廃棄物バイオガス化処理方法。
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