JP5137999B2 - 有機廃棄物処理リサイクルシステム - Google Patents

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Description

本発明は、システムに関し、特に生ゴミなどの有機廃棄物を処理するためのリサイクルシステムに関する。
従来、有機廃棄物処理リサイクルシステムとして、有機廃棄物焼却発電システム、メタン発効発電システムなどが知られている。メタン発酵発電システムに関しては、効率よくメタン発酵をさせるため、有機廃棄物をすりつぶして可溶化させる方法、有機物を可溶化させるために、超臨界水又は、亜臨界水を利用した湿式酸化法などが知られている。また、有機廃棄物のリサイクルとして、従来の方法又は装置として、下記の特許文献1に記載の肥料製造方法及び下記の特許文献2に記載の燃料製造装置及び燃料製造方法など、高温高圧の水蒸気で攪拌処理して、飼料、肥料、燃料などにする方法が知られている。
特許第3898918号 特許第3613567号
まず、焼却炉を用いる場合は800℃から1200℃の高温での処理を行うため、COx、SOx、NOx、ダイオキシンなどの有害物質の発生が問題となりため、その除去のため設備費が高額になり、さらに含水率の高いものを焼却するには、ランニングコストが高くなってしまうなどの問題がある。
微生物による発酵処理は、食品残さに含まれる油脂分、塩分、PH値によって微生物の発酵が阻害されるため、微生物が安定して有効に働かせることが難しく、肥料工場として広大な敷地と微生物を安定して働かせる設備費が必要となる。特に、メタンガス発酵を効率的に安定化させるためには、すりつぶすなど均一化させ、有機物を可溶化させければならない。この方法では、高分子のものは、低分子に均一に分解されていないので、発酵処理時間がかかり、発電の効率も悪く、大規模発電をするには、広大な敷地を要する。
その他、有機物を可溶化する方法としては、湿式酸化法や超臨界(亜臨界)水酸化法などが提案されている。これらの方法では、ことのほか高温高圧下で処理を行うので、有機廃棄物を反応温度、反応圧力まで、加熱、加圧したり、酸化剤として用いる空気若しくは酸素を圧縮機で反応圧力まで昇圧必要があるため、設備費とランニングコストが高くなってしまう。
また、従来の方法又は装置として、上記特許文献1の肥料製造方法など有機物を高温高圧の水蒸気で攪拌処理して、飼料、肥料などにする方法が知られているが、この方法では、焼却処理に比べて化石燃料の使用量を1/5に低減させることができ、二酸化炭素の排出量も焼却処理に比べて1/7程度に低減させることができるが、どちらも限りなくゼロにすることはできない。
また、この方法では、微生物による発酵で肥料を製造する方法と比べて腐敗臭が排出されない分、悪臭が抑制されるが、限りなく悪臭をゼロにすることができなかった。
本発明は、上述の様々な問題を解決するためになされたものであり、化石燃料を限りなく使用せずに、かつ低ランニングコストで運転が可能であり、有機廃棄物を高温高圧の飽和水蒸気で加水分解を行うに際し、COx、SOx、NOx、ダイオキシンなどの有害物質を発生させない有機廃棄物処理リサイクルシステムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため加水分解装置、メタン発酵装置、及びボイラーを組み合わせることによって、有機廃棄物を高温高圧の飽和水蒸気処理による加水分解装置で可溶化した後(あるいはその前に)、アルカリで中和してから発酵装置で発酵させ、製造したメタンガスを利用してボイラーで高温高圧の飽和水蒸気を生成し、その飽和水蒸気を加水分解装置に供給するようにしている。
すなわち、本発明によれば、生ゴミを含む有機廃棄物に水蒸気を与えて、攪拌し、加水分解する加水分解装置(4、5)と、
前記加水分解手段内の前記有機廃棄物にアルカリ剤を加えるか、あるいは、前記加水分解手段で加水分解されて得られた可溶化された物質にアルカリ剤を加えて中和する中和手段(26、28)と、
前記加水分解手段内の前記有機廃棄物にアルカリ剤を加えた場合は、前記可溶化された物質を発酵させてメタンガスを発生させ、前記可溶化された物質にアルカリ剤を加える場合は、前記中和手段で中和されて得られた物質を発酵させてメタンガスを発生させる発酵手段(6、13、14)と、
水蒸気を発生するボイラー(17)と、
前記発酵手段で発生した前記メタンガスを前記ボイラーの燃料として供給するメタンガス供給手段(15、16)と、
前記加水分解手段に供給する前記水蒸気として前記ボイラーで発生した水蒸気を供給する水蒸気供給手段(32)と、
前記加水分解装置からの圧抜き蒸気をバブリング処理するバブリング装置(9)と、
前記バブリング装置でのバブリング処理で生じたバブリング処理液を前記メタン発酵手段に供給する手段とを、
有する有機廃棄物処理リサイクルシステムが提供される。
また、前記加水分解手段が、気密性の高いエリア(30)内に設けられ、前記エリア内の空気を前記ボイラーにおける前記メタンガス燃焼のための空気として供給する空気供給手段(11、10、12)をさらに有することは本発明の好ましい態様である。
また、前記発酵手段で発生したメタンガスを用いて発電するか、あるいは前記ボイラーで発生した水蒸気を用いて発電する発電手段(18)をさらに有することは本発明の好ましい態様である。
また、前記加水分解装置及び前記発酵手段が少なくとも内部に設けられた建屋(32)と、脱臭装置(24)と、前記建屋の内部の空気を前記脱臭装置に供給する送風手段(23)と、前記脱臭装置で得られた脱臭処理液を前記メタン発酵手段に供給する手段とをさらに有することは本発明の好ましい態様である。
また、ガスエンジン発電機(18)をさらに有し、前記メタンガス供給手段が、前記ボイラーの他に、前記ガスエンジン発電機にもメタンガスを供給して発電するよう構成することは本発明の好ましい態様である。
また、前記ガスエンジン発電機により発電された電力で前記有機廃棄物処理リサイクルシステムに用いられる加水分解装置及び他の装置の電源をまかない、かつ前記有機廃棄物処理リサイクルシステムの設置される場所の照明及び/又は空調の電源をまかなうよう構成することは本発明の好ましい態様である。
かかる構成により、本発明は環境に配慮された効率のよい有機廃棄物ゼロエミッションリサイクルシステムを提供することができる。
また、ボイラーで発生した飽和水蒸気で蒸気タービンを回し、これに連結された発電機で発電することもできる。
具体的には、有機廃棄物を加水分解した後、メタン発酵段階でPH7.5程度に水酸化カリウム、石灰などでアルカリ調整するため、処理物が中和され悪臭を抑えることができる。さらに、その後、メタン発酵させるため、悪臭の発生を限りなく抑制することができる。上記の作業を行うための構成として、加水分解装置を機密性の高い建屋内部の加水分解装置エリア30に配し、かつ加水分解装置エリア30の空気をボイラーに供給する構成とすることにより、加水分解装置エリア30で発生した悪臭がボイラーで燃焼されるので、建屋外部に悪臭を排出させないのみならず、建屋内部の悪臭も限りなく、抑制される。
本発明は、加水分解装置、メタン発酵装置、及びボイラーを組み合わせることによって、有機廃棄物を高温高圧の飽和水蒸気処理による加水分解装置で可溶化した後、アルカリで中和してから発酵装置で発酵させ、製造したメタンガスを利用してボイラーで高温高圧の飽和水蒸気を生成し、その飽和水蒸気を加水分解装置に供給するようにしているので、化石燃料を殆ど使用せず有機廃棄物を処理して、COx、SOx、NOx、ダイオキシンなどの有害物質を発生させない有機廃棄物処理リサイクルシステムを提供することができる。
また、加水分解装置を機密性の高い建屋内部の加水分解装置エリア30に配し、かつ加水分解装置エリア30の空気をボイラーに供給する構成とすることにより、加水分解装置エリア30で発生した悪臭がボイラーで燃焼されるので、建屋外部に悪臭を排出させないのみならず、建屋内部の悪臭も限りなく、抑制される。また、ボイラーで発生した飽和水蒸気で蒸気タービンを回し、これに連結された発電機で発電することによりエネルギー効率を高めることができる。
本発明の有機廃棄物処理リサイクルシステムの好ましい実施の形態を示すブロック図である。 図1に示す実施の形態における各要素が配置された様子を示す平面図である。 図2中の建屋の立面図である。 図2中の建屋の2階の平面図である。
本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の有機廃棄物処理リサイクルシステムの好ましい実施の形態を示すブロック図である。また、図2は、図1に示す実施の形態における各要素が配置された様子を示す平面図であり、図3は、図2中の建屋の立面図であり、図4は、図2中の建屋の2階の平面図である。なお、図1中には建屋の1階の平面図が示されている。原料保管場所1には、袋入り生ゴミなどの有機資源としての原料が搬入され、保管される。この実施の形態では、原料保管場所1の容量は、100mであるが、この容量は、適宜変更可能である。原料保管場所1内の原料の一部は前処理設備2に搬入されて、前処理される。ここで前処理とは、生ゴミなどが袋に入っている場合に、機械処理により原料と袋を分離し、原料を取り出すことである。
前処理が施された生ゴミは、計量ホッパー3で計量されて、加水分解装置4及び/又は5に投入される。この実施の形態では、2つの加水分解装置4、5設けられているが、1つでもよい。加水分解装置4、5は、一般に処理釜と呼ばれるものであって、内部に攪拌用の回転羽根(図示省略)が設けられている。この回転羽根は、効率よく反応させるために、加水分解装置4、5内部の空間に処理物を跳ね上げることができるように工夫がされている。加水分解装置4、5にはそれぞれ、投入口と取り出し口があり、それぞれ、開閉可能な蓋がある。
加水分解装置4、5に生ゴミを投入するときは、次の工程で行う。ます、図示省略の取り出し口を閉め、図示省略の投入口を開ける。投入口から計量ホッパー3で計量された前処理済み生ゴミを投入する。計量しなくても量が把握できる場合は、前処理設備2から直接生ゴミを投入口に投入してもよい。加水分解装置4、5にはボイラー17から飽和水蒸気(単に蒸気とも言う)が供給されるようになっている。
本実施の形態では、1つの加水分解装置の容量が3.76mであり、原料は、最大2.25m投入可能である。これは、原料投入後の加水分解装置4、5の内部に40%程度の空間があったほうが、蒸気が原料内部に入りやすく、効率的に加水分解できるからであり、よって、各加水分解装置4又は5の容量の60%程度の原料を最大投入量とすることが好ましい。なお、生ゴミなどの原料の比重を0.9とすると、上記最大投入量の重量は、約2トンとなり、ボイラー17の性能が、1.96MPa、蒸発量が1000Kg/hであると、加水分解装置4、5の処理に要する時間は、原料投入から、運転、取り出しまでの3時間である。
加水分解装置4、5内部の原料には、アルカリ剤保持タンク26、28からそれぞれ、アルカリ剤を所定量添加することができる。これは、処理後の加水分解処理物のPHが7.5程度となるようにするためである。なお、アルカリ剤の添加は、加水分解処理の前に行ってもよいが、加水分解処理が終了し、加水分解装置4、5内部の圧抜きが終わり、処理物を取り出す前に行ってもよい。この場合は、取り出される処理物のPHが7.5程度となるようにアルカリ剤の量を調整する。投入するアルカリ剤としては、肥料として有益なもの、例えばCaOやKOHなどを選択することができる。
加水分解装置4、5のそれぞれには、左上、左下、右上、右下の4カ所に蒸気噴出口(図示省略)が設けられている。これにより、ボイラー17から供給される飽和水蒸気が加水分解装置4、5内部に均一に供給され、よって加水分解処理が均一化し、さらに、処理後の加水分解装置4、5内部の清掃にも利用できるようになっている。
加水分解装置4、5には上述のように飽和水蒸気が供給されるが、加水分解装置4、5内部の圧力と温度が所望の値となるように、図示省略の圧力調整弁により制御される。加水分解装置4、5内部の圧力と温度は、処理物の内容により変化するが、加水分解装置4、5内部の圧力は0.5〜1.8MPa、温度は150〜210度まで上げる。この範囲内で所望の圧力と温度になると、その圧力と温度を一定に保つべく、圧力調整弁を操作する。所望の圧力と温度になったところで、圧力と温度を一定に保つよう、必要に応じてさらに圧力調整弁を操作し、30分間程度の処理を行う。
上記30分間程度の処理時間が経過すると、攪拌機を停止し、圧抜きを行う。前述の3時間という処理に要する時間とは、原料投入から原料投入後の昇温、昇圧時間と上記30分間程度の処理時間と、その後の加水分解装置4、5内の圧抜きおよび処理物の取り出し動作時間などを含む時間である。なお、攪拌機を稼動させながら圧抜きをすると、加水分解装置4、5内部の粉体を圧抜き配管に吸い上げ、圧抜き配管を詰らせる原因となるので、処理後、攪拌機を停止させてから、圧抜きを開始する。
また、加水分解装置4、5には長さが1000mm、径が200mmの筒状の圧抜き筒があり、その上部から圧を抜くことによって、加水分解装置4、5内部の粉体を吸い上げにくいように工夫されている。それでも粉体を吸い上げることがあるので、吸い上げた粉体を除去するため、圧抜き配管に長さが2000mm、径が 500mmのサイクロン7を設けてある。サイクロン7を通過した圧抜き蒸気は、冷却装置8で冷却され、液化され、バブリング装置9にてKOHのアルカリ水でバブリングされた後、加水分解後の処理物取り出しホッパー6内に戻される。
これによって、圧抜き蒸気からの悪臭を抑制することが出来る。
圧抜き終了後、攪拌機を稼動させ、加水分解装置4、5の投入口を開けた後、取り出し口を開け、処理物を取り出す。原料投入時にアリカリ剤を入れなかった場合、投入口からアルカリ剤を投入し、処理物のPHを7.5程度にしてから取り出し口を開け、処理物を取り出す。
加水分解装置4、5から取り出された処理物は、一旦、メタン発酵調整タンク13に貯蔵する。このメタン発酵調整タンク13には、加水分解装置4、5からの圧抜き蒸気をバフリング装置9でバブリングして生じた水であるバブリング処理液と、加水分解装置エリア30の空気を送風機11でバブリング装置10へ供給し、ここでバブリングした後に生じる液と、さらに建屋32の脱臭のために送風機23で建屋32から供給された空気を脱臭するためのスクラバーアルカリ脱臭装置24におけるスクラバーの交換水である脱臭処理液も蓄えられる。なお、上記各バブリングの液及びスクラバーの液としては、KOHの水溶液を用いるのが好ましい。
メタン発酵調整タンク13内の処理物は、メタン発酵槽14に移され、6〜10日間、温度を45度〜55度に保ち、メタン高温発酵させるか、あるいは温度は25〜35度に保ち、メタン中温発酵させる。メタン発酵過程で発生したバイオメタンガスは、脱硫装置15で硫黄酸化物などを除去した後、ガスホルダー16に供給され、ここでバイオメタンガスが貯蔵される。メタン発酵後の残渣は、脱水装置19で、液肥20と固形肥料21に分離される。このとき、固形肥料は、扱いやすいように排熱を利用して含水率30%程度まで乾燥させる。
ガスホルダー16に貯蔵されたメタンガスを使用して、1.96MPa、1000kg/hの蒸発量のボイラー17を運転して、加水分解装置を構成する加水分解装置4、5に飽和水蒸気を提供する。なお、最初の運転開始時からメタンガスが発生してガスホルダー16に貯蔵されるまでの間は、ボイラー17の燃料としては都市ガス、プロパンガスなどの化石燃料を補助的に使用する。しかし、かかる化石燃料の使用は、運転当初だけであり、長期的、連続的に運転されるリサイクルシステムにおけるかかる補助燃料の使用は、極めて限定的である。したがって、本発明のリサイクルシステムでは、実質的に化石燃料の使用をしなくて済むと言える。
ボイラー17の燃焼室に建屋32内の臭気の発生源である加水分解反応装置設置エリア30の空気をボイラー17に送る前に、バフリング装置10によりアルカリ剤でバブリングし、その後の空気を、ガスエンジン発電機18からの排熱を利用して乾燥機12で乾燥させてからボイラー17に送風する。なお、加水分解装置設置エリア30は、8000*8000*7000h以内とすることが好ましい。
加水分解装置エリア30の空気を吸引して、ボイラー17に供給する送風機11の風量は、16m3/minであるので、加水分解装置エリア30内の空間の空気を30分に1回、空にすることができる。
ガスホルダー16に貯蔵されるメタンガスは、ボイラー17が必要とする量以上あるので、ボイラー17で使用しきれなかったメタンガスは、ガスエンジン発電機18に供給して発電を行い、施設内の上記各加水分解装置、4、5及びその他の装置の電源、照明、空調などの電力を供給するとともに、余った電力は、電力会社に販売することができる。
本発明のリサイクルシステムによれば、原料の搬入から液肥、固形肥料にするまで、80%以上消化分解されるまで、原料保管場所と加水分解装置エリア以外、密閉状態で行われ、また、取り出された液肥、肥料が共に常温状態なので、建屋32内部には、ほとんど臭いが出ない。また、悪臭除去を確実とするため、建屋32の内部の空気を脱臭する構造を採用している。すなわち、アルカリ剤で中和するスクラバーアルカリ脱臭装置24が設けられ、スクラバーの処理液は、メタン発酵調整タンク13に貯蔵される。
次に上記実施の形態が、運転当初のみ化石燃料を使用するものの、その後の通常運転には化石燃料を必要としないことを、数値上で明らかにする。すなわち、本発明の有機廃棄物処理リサイクルシステムにより発生可能なメタンガスの量について計算し、消費するエネルギーとの対比を行う。
2基の加水分解装置4、5を交互に動かすことにより、24時間稼動で1基8回転、トータル16回転で、1日当り32トン処理するものとする。通常、原料の主成分である生ごみのメタン発酵は中温発酵で20〜30日くらい発酵させ、消化率も40%程度で、1kg当りの生ごみから60リットル程度のバイオメタンガスが得られる。しかしながら、生ごみを加水分解装置で処理してから湿式中温発酵または湿式高温発酵させると、6〜10日くらいの発酵で消化率が80%以上となり、1kg当り110〜130リットル程度のバイオメタンガスが得られる。そのときのメタンガスの成分の割合は、バイオメタンガス60%、二酸化炭素40%程度である。
1kg当たり110リットルのバイオメタンガスが回収されるとして、32トンの生ごみから発生するバイオメタンガスは、3,520m3/日である。バイオメタンガスの1m3当りの発熱量は、 23.4MJである。上記を基準に計算した1日当りの発熱量は、 82,368MJ/日 となる。加水分解装置の1回当りの処理に必要な熱量は、2,737MJ/回である。1日16回転動かすので総熱量は、43,792MJ/日となる。
このことから、1日に生産されるバイオメタンガスの総発熱量は、加水分解装置で使用する総熱量よりも多いので、今まで、使用していた化石燃料を使用しなくて済む。したがって、燃料費と化石燃料から排出されるCO2を、ゼロにすることができる。なお、A重油換算では、408kl/年の節約となる。
また、余剰熱量は、38,576MJ/日となり、バイオメタンガスの発電量は、1kwh当たり8.81MJ換算であるので、1日当りの発電量は、4378kwとなり、時間当たりの発電量は、182kwhとなる。本実施の形態における施設内の、加水分解装置、照明、空調などに必要な電力量は、220kwh程度であり、キュービクルを用いたシステムの電力換算量は、70%換算であり、すべての必要電力が賄える計算となり、余った電気は、電力会社に販売することができる。なお、この規模の施設では、200 kwh発電可能なガスエンジン発電機を導入することが好ましい。上記剰余熱量は、A重油換算で380kl/年となり、上記408kl/年と加えると、合計で788kl/年の節約となることがわかる。
次に、建屋32の規模及び各タンクなどの大きさについて検討する。生ごみ、糞尿、食品汚泥などは、持ち込まれてから24時間以内の処理を原則とするが、どのような搬入形態であれ、3日分の原料保管場所を確保することが好ましい。原料保管場所の大きさは、100 m3 程度とする。生ごみなどは、ビニール袋で回収されるもの、生ごみ専用ボックスで回収されるものなど、その回収形態によって、搬入保管場所の大きさ、前処理設備等は変化するが、加水分解装置4、5への投入前の原料保管計量ホッパーの大きさは、3 m3 とする。
加水分解処理後の処理物を取り出す、加水分解処理物取出ホッパー6の大きさは、加水分解装置2回転分が貯蔵できる大きさとし、バブリングされた圧抜き蒸気のエアーもこのホッパー6に放出される。加水分解処理物取出ホッパー6の大きさは 6 m3 とする。1日分の処理物と、アルカリバブリング装置9からのバブリング液と、加水分解装置エリアの空気をバブリングした、アルカリバブリング装置10からのバブリング液と、脱臭装置24のスクラバーの処理液をメタン発酵調整タンク13に貯蔵するが、メタン発酵調整タンク13の大きさは、50 m3 とする。メタン発酵調整タンク13は、水冷の仕組みと低速回転の攪拌機を有し、暖められた温水は排熱利用に使用される。
メタン発酵槽14は、6〜10日間発酵させることができる大きさの発酵槽とする。メタン発酵槽14が1個であれば、 400 m3 程度となるが、必要に応じて、何個かに分割してもよい。メタン発酵槽14は、発酵温度を一定に保てる温度調性装置を有する。メタン発酵の温度調節には、冷却装置8やガスエンジン発電機18、メタン発酵調整タンク13の排熱を利用する。
ガスホルダー16のタンクの容量は、1個であれば、1400 m3 程度となり、必要に応じて何個かに分割してもよい。
ボイラー17と加水分解装置4、5は、可能な限り相互に近くに設置するものとする。計量ホッパー3は、コンパクトに加水分解装置4、5に原料を投入しやすい位置に、又加水分解処理物取り出しホッパー6は、加水分解装置4、5の真下に設置するものとする。
加水分解処理後の処理物は、バキューム菅でメタン発酵調整タンク13に運搬される。メタン発酵調整タンク13の処理物は、メタンガス発酵槽14にバキュームによる吸引搬送で送り込まれる。メタンガス発酵槽14で発酵して得られたバイオメタンガスは、アルカリの状態でメタン発酵を行うため、硫化物、硝酸化物の発生は殆どないが、念のため、脱硫装置15で脱硫処理され、その後ガスホルダー16に蓄えられる。メタン発酵後の残渣は、脱水装置19によって、液肥と固形肥料に分離され、固形肥料は、冷却装置8やガスエンジン発電機18、メタン発酵調整タンク13の排熱を利用して乾燥させる。
上記の施設は、相応な緑地を確保しても800〜1000坪程度の土地に、コンパクトに設置することができ、比較的少ない面積で効率的な処理リサイクルが可能である。なお、図2図4に示した本発明の有機廃棄物処理リサイクルシステムを具現化した配置例は、1つの例示に過ぎず、必要に応じてさらにコンパクトにまとめることも可能である。
以上のように、本発明の有機廃棄物処理リサイクルシステムは、加水分解装置とメタン発酵槽とボイラーとを組み合わせることによって、有機廃棄物(を処理して、肥料にするリサイクル工場で、化石燃料を使用することなく運転が可能であり、かつ従来化石燃料から排出されていたCO2の排出をさせないのみならず、加水分解処理に伴う、悪臭を外部に排出させない環境に配慮された有機廃棄物リサイクルシステムであるので、いわゆるゼロエミッションシステムを提供するができ、生ゴミなどの有機廃棄物を処理する自治体、民間企業などの廃棄物処理産業や肥料製造業などの分野で有効に利用可能である。
1 原料保管場所
2 前処理設備
3 計量ホッパー
4、5 加水分解装置(処理釜)
6 加水分解処理物取出ホッパー
7 サイクロン
8 冷却装置
9、10 アルカリバブリング装置
11 送風機
12 乾燥機(送風機11及びアルカリバブリング装置10と共に空気供給手段を構成 する)
13 メタン発酵調整タンク
14 メタン発酵槽(加水分解処理物取出ホッパー及びメタン発酵調整タンクと共に発酵手段を構成する)
15 脱硫装置
16 ガスホルダー(脱硫装置と共にメタンガス供給手段を構成する)
17 ボイラー
18 ガスエンジン発電機(発電手段)
19 脱水装置
20 液肥
21 固形肥料
22 乾燥固形肥料
23 送風手段
24 スクラバーアルカリ脱臭装置
26、28 アルカリ剤保持タンク(中和手段)
30 加水分解装置設置エリア(機密性の高いエリア)
32 建屋

Claims (6)

  1. 生ゴミを含む有機廃棄物に水蒸気を与えて、攪拌し、加水分解する加水分解装置(4、5)と、
    前記加水分解手段内の前記有機廃棄物にアルカリ剤を加えるか、あるいは、前記加水分解手段で加水分解されて得られた可溶化された物質にアルカリ剤を加えて中和する中和手段(26、28)と、
    前記加水分解手段内の前記有機廃棄物にアルカリ剤を加えた場合は、前記可溶化された物質を発酵させてメタンガスを発生させ、前記可溶化された物質にアルカリ剤を加える場合は、前記中和手段で中和されて得られた物質を発酵させてメタンガスを発生させる発酵手段(6、13、14)と、
    水蒸気を発生するボイラー(17)と、
    前記発酵手段で発生した前記メタンガスを前記ボイラーの燃料として供給するメタンガス供給手段(15、16)と、
    前記加水分解手段に供給する前記水蒸気として前記ボイラーで発生した水蒸気を供給する水蒸気供給手段(32)と、
    前記加水分解装置からの圧抜き蒸気をバブリング処理するバブリング装置(9)と、
    前記バブリング装置でのバブリング処理で生じたバブリング処理液を前記メタン発酵手段に供給する手段とを、
    有する有機廃棄物処理リサイクルシステム。
  2. 前記加水分解手段が、気密性の高いエリア(30)内に設けられ、前記エリア内の空気を前記ボイラーにおける前記メタンガス燃焼のための空気として供給する空気供給手段(11、10、12)をさらに有する請求項1に記載の有機廃棄物処理リサイクルシステム。
  3. 前記発酵手段で発生したメタンガスを用いて発電するか、あるいは前記ボイラーで発生した水蒸気を用いて発電する発電手段(18)をさらに有する請求項1又は2に記載の有機廃棄物処理リサイクルシステム。
  4. 前記加水分解装置が内部に設けられた建屋(32)と、その建屋全体の臭いを脱臭するスクラバー脱臭装置(24)と、前記建屋の内部の空気を前記スクラバー脱臭装置に供給する送風手段(23)と、前記スクラバー脱臭装置で得られたスクラバーの交換水である脱臭処理液を前記メタン発酵手段に供給する手段とをさらに有する請求項1からのいずれか1つに記載の有機廃棄物処理リサイクルシステム。
  5. ガスエンジン発電機(18)をさらに有し、前記メタンガス供給手段が、前記ボイラーの他に、前記ガスエンジン発電機にもメタンガスを供給して発電するよう構成された請求項1からのいずれか1つに記載の有機廃棄物処理リサイクルシステム。
  6. 前記ガスエンジン発電機により発電された電力で前記有機廃棄物処理リサイクルシステムに用いられる加水分解装置及び他の装置の電源をまかない、かつ前記有機廃棄物処理リサイクルシステムの設置される場所の照明及び/又は空調の電源をまかなうよう構成された請求項1からのいずれか1つに記載の有機廃棄物処理リサイクルシステム。
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