JP6709648B2 - 電気透析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気透析装置に関する。
現在、イオン交換膜を使用した電気透析装置は、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを室枠を挟み込んで交互に積層し、電極間に配列して、両端を締付け枠で締め付けることで内部に濃縮室と脱塩室を交互に形成する構成とされている。
こうした電気透析装置に使用される室枠は、中央位置に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜の間隔を保持するネット本体部と、当該ネット本体部を配置するネット取付開口部を有するフレーム部とを備えているものが一般的である。
特にフレーム部には、給入液口と吐出液口、及び流路を備えたディストリビュータが取り付けられている。こうしたディストリビュータ72として、図6A〜Cに示すように、流路73がその一側面が開口する溝型形状に形成されて、給入液口71から流入された処理液が、流路73を通過してネット本体部75が配置されたネット取付開口部74へ流出される構成のものが主流である。符号70はフレーム部を示している。
また、流路が中空形状(トンネル型)に形成されたディストリビュータも知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、図7に示すように、上流路731、連結流路732、下流路733を配置するディストリビュータ720も提案されている(例えば、特許文献2参照)。符号700はフレーム部、符号800はイオン交換膜、符号710は給入液口、符号740はネット取付開口部、符号750はネット本体部を示している。
中国特許公開CN102910713A公報 中国特許公開CN102267747A公報
しかし、図6A、Bに示したディストリビュータ72の流路73は、一側面が流路長さに沿って開口しているため、図6B、Cに示すように当該開口した箇所内に、隣接するイオン交換膜80が入り込んでしまう。するとイオン交換膜80の反対側面などに隙間Sが生じ、当該隙間Sへ液体(処理液又は電解液)が漏れ入って、液リークが発生する要因となってしまう問題があった。その点、特許文献1のディストリビュータは、流路が中空形状とされているため液リークが発生するおそれは無くなる。しかし、特許文献1のディストリビュータは、流路が中空形状であるため流路抵抗が小さくなってしまう。
電気透析装置は、上記したように陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とに挟まれた室枠が複数積層されて、脱塩室と濃縮室が交互に形成される構成である。そして、脱塩室又は濃縮室に配置される室枠には、給入液口から液体(処理液又は電解液)が流入され、ディストリビュータの流路を経由してネット本体部に流れ込んでいる。
したがって、特に脱塩室に配置される室枠のディストリビュータにおいて流路抵抗が小さいと、複数の脱塩室に配置されたそれぞれの室枠へ処理液がバランス良く流入されず、例えば、液供給ノズル側に配置された室枠に集中して流れ込んでしまう。処理液又は電解液がバランス良く複数の脱塩室又は濃縮室の室枠へ流入されないと、電流の片流れが生じると共に、液流れが悪い室においては、流れる電流に対しイオン交換膜へのイオン供給が追い付かず、電圧の上昇、スケールの生成等の不具合が生じ、通電が停止してしまう問題が生じることがある。
また、特許文献1のディストリビュータは、流路が中空形状であるため圧力損失が大きくなる。即ちフィルタープレス型の電気透析装置は、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とに挟まれた複数の室枠を加圧して構成されている。したがって、流路が中空形状であると、流路全体に加圧力が加わって変形が生じ圧力損失が生じてしまうことがある。その結果、電流の片流れが生じて、やはり電圧の上昇、スケールの生成等の不具合が生じ、通電が停止してしまう問題が生じることがある。
また、特許文献2のディストリビュータ720は、流路が上流路731と下流路733の2段であるため、図7に示すように、流路の半分にイオン交換膜800が入り込んでしまう。すると、電解液が隣接するイオン交換室にリークしやすい。
さらには、特許文献2のディストリビュータ720は、流路幅が0.2〜0.8mmと狭いため、室枠内に必要な流量を流そうとした場合、圧力損失が異常に高く、ポンプ動力コストも高くなると共に、電解液がイオン交換室外にリークする外部リーク、電解液が隣接するイオン交換室にリークする内部リーク等の不具合を生じ易い。
本発明の一つの実施形態の目的は、上記の点を鑑み、液リークを防止し、ディストリビュータの流路抵抗を適切に確保すると共に、圧力損失を最小限に抑えて効率の良い電気透析を行える電気透析装置を提供することにある。
上記課題に鑑み、本発明の一つの実施形態の電気透析装置は、以下のような構成を備える。すなわち、
陰極板と陽極板との間に、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを室枠を介在させて複数枚交互に配列して濃縮室と脱塩室を構成した電気透析装置であって、
前記室枠は、中央位置に配置されたネット本体部と、当該ネット本体部の周囲に位置するフレーム部とを備え、
前記フレーム部は、給入液口と吐出液口と流路を有するディストリビュータとを備えており、
前記流路は、前記給入液口と前記ネット本体部との間、及び、前記吐出液口と前記ネット本体部との間にそれぞれ配置され、
前記流路には、一側面の少なくとも一箇所以上、及び、他側面の少なくとも二箇所以上に、開口部がそれぞれ互い違いになる配置で設けられ、
前記各開口部は、前記流路の全長に対して10%〜33%の長さを有しており、
前記流路は、一側面に設けられた前記開口部の一部と、他側面に設けられた前記開口部の一部とが重なるように配置されて貫通部が形成されており、
前記ディストリビュータは、
前記開口部の配置位置において、該開口部が設けられている側と反対側の面のそれぞれに、前記ディストリビュータの幅方向に延在する1または複数本の線状リブが形成されている。


本発明の一つの実施形態によれば、液リークを防止し、ディストリビュータの流路抵抗を適切に確保すると共に、圧力損失を最小限に抑えて効率の良い電気透析を行える電気透析装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る電気透析装置に使用される室枠の概略平面図である。 図1に示すディストリビュータの拡大平面図である。 図2Aに示すディストリビュータの横断面図である。(a)は図2AのII−II矢視横断面図であり、(b)は図2AのIII−III矢視横断面図であり、(c)は図2AのIV−IV矢視横断面図である。 図2AのI−I矢視縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る電気透析装置に配置されたディストリビュータの液体流れを模式的に示す側断面図である。 本発明の一実施形態に係る電気透析装置の概略側断面構造を示す組み立て図である。 従来のディストリビュータの構成を説明する説明図である。Aは一部拡大平面図であり、BはAのV−V矢視断面図であり、Cはディストリビュータの液体流れを模式的に説明する側断面図である。 従来のディストリビュータを構成を説明する説明図である。 図1に示すディストリビュータの拡大平面図である。 図8のVI−VI矢視縦断面図である。
<室枠の構造>
図1に本発明の一実施形態に係る電気透析装置10に使用される室枠の概略平面図を示した。本発明で用いる室枠1は、中央位置にネット取付開口部4を備える額縁状に形成されるフレーム部3と、当該ネット取付開口部4に配置されたネット本体部2を有している。ネット本体部2は、ネトロン法により交点箇所が熱溶着されて形成されたネットで構成されることが好ましい。また、フレーム部3とネット本体部2とは溶着等により一体化されていることが好ましい。
電気透析装置10は、大まかに言って、上記のような室枠1とイオン交換膜(アニオン交換膜A及びカチオン交換膜C)とを交互に配設し、室枠1によって間のイオン交換膜を挟持することにより構成される。即ち、室枠1において、フレーム部3のネット取付開口部4に設置されたネット本体部2で確保されている空間がイオン交換室となる。ネット本体部2は、室枠1の中央位置に形成された矩形状のネット取付開口部4に配置され、流路部のスペーサーとしての機能を有するとともに、隣り合うイオン交換膜の接触を確実に防止する。
ネット本体部2は、熱可塑性プラスチック製であることが好ましく、例えば図1のように室枠1のネット取付開口部4の周囲の縦方向に対して溶接部J、Kの2箇所、幅方向に対して溶接部L、Mの2箇所が高周波誘電加熱により溶着されて、フレーム部3に取り付けられる。
上記したフレーム部3は、熱可塑性プラスチック製又は合成ゴム製からなるシートにて製造されていることが好ましい。
また、フレーム部3には、その片面側(図示例では正面側)にリブ30が形成されていることが好ましく、リブ30は室枠1の外縁と45度の角度を有するネット状に形成されていることが好ましい。リブ30は、例えば熱可塑性プラスチック製又は合成ゴム製のシート製造時に格子状の彫り込みをしたディップロールにて成形する事により容易に製造される。ディップロールの格子状リブ付きシートの格子状の彫り込み形態は、幅100〜300μm、深さが60〜200μmとする断面視が三角形の彫り込みが好ましく、格子のピッチは、2〜10mmが好ましい。かくして製造される格子状リブ付きシートは、所定寸法の額縁状に裁断されフレーム部3として使用される。因みに、他面側(図示例で裏面)は平滑面とされていることが好ましい。このリブ30は、室枠1がイオン交換膜を挟んで複数積層される際、隣接するイオン交換膜を線状で抑え込むため、電解液がイオン交換室外にリークしたり(以下、外部リークとも記載する。)、隣接するイオン交換室にリークする(以下、内部リークとも記載する。)ことを防止する。
更に、このフレーム部3には、給入液口5及び吐出液口6が設けられている。この給入液口5及び吐出液口6は、それぞれ連通口7及び連通口8を介してネット取付開口部4と連通されている。また、連通口7及び連通口8には液流路を確保するためのディストリビュータ9がそれぞれ嵌合されるようになっている。このディストリビュータ9には、複数本の流路90が形成されている。給入液口5側のディストリビュータ9は、給入液口5とネット取付開口部4(ネット本体部2)とを連通させると共に、吐出液口6側のディストリビュータ9は、吐出液口6とネット取付開口部4(ネット本体部2)とを連通させる。
ディストリビュータ9は、熱可塑性プラスチック製であることが好ましく、耐熱性、液分散性に優れ、内部リークを防ぐ構造を有するようになっている。ディストリビュータ9は、射出成型で製造されることが好ましい。その厚みは0.4〜2mm、全長(長さ)は20mm〜60mmであることが好ましい。
次に、ディストリビュータ9の構成を図2、図3に基づいて具体的に説明する。図2Aには、室枠に配置されるディストリビュータの拡大平面図を示した。図2Bには、図2Aに示すディストリビュータの横断面図を示し、(a)は図2AのII−II矢視横断面図、(b)は図2AのIII−III矢視横断面図、(c)は図2AのIV−IV矢視横断面図を示した。図3は図2AのI−I矢視縦断面図を示した。
図示したように、ディストリビュータ9は幅方向に対して複数の流路90を有している。給入液口5側に配置されたディストリビュータ9の流路90は、給入液口5から流入した液体(以下、処理液又は電解液を指す)を、ネット取付開口部4に配置されたネット本体部2(イオン交換室)へ流出させる。吐出液口6側に配置されたディストリビュータ9は、ネット取付開口部4のネット本体部2(イオン交換室)から流入した液体を、吐出液口6へ流出させる。流路90の断面形状は、矩形状又は楕円形状であることが好ましい。
流路90には、図3に示すように、当該流路90の正面F側に開口する開口部910と、裏面B側に開口する開口部920とが互い違いに設けられている。したがって、上記構成の流路90を通過する液体は、図3においては流路90内を左右方向に蛇行しながら上昇または降下することになる。
つまり、本実施形態の流路90は、開口部910、920を正面F側と裏面B側に互い違いに形成することで、良好な流路抵抗が得られる構成である。
しかも、従来の中空形状の流路を有するディストリビュータに比して、薄型に形成することができる。流路を中空形状に形成するためには、流路を形成する凹部を有する2枚のシート材を貼り合わせて形成する必要があるため、厚みは1mm程度となってしまう。一方、本実施形態のディストリビュータ9は、射出成型により形成できるため、厚みは、0.4mm〜0.6mm程度にできる。ディストリビュータ9の厚みは、室枠1の厚みに依存するが、室枠1の厚みは、電気抵抗の低減、液循環動力の低減を考えると薄い方が好ましい。よってディストリビュータを薄くすることができれば、電気抵抗の低減、液循環動力の低減を実現することができる。
前記流路90の開口部910及び920の各開口部の長さは、流路90の全長に対して10%〜33%の長さであることが好ましい。開口部910及び920の開口部の長さをこの範囲とすることにより、イオン交換膜が開口部910及び920内に、深く入り込むことを防いで、液リークの発生を防止できる。
また、流路90は、図3の上方から裏面B側に設けられた開口部920の下端部と、正面F側に設けられた開口部910の上端部とが重なるように配置されて貫通部94が形成されていることが好ましい。また同様に、正面F側に設けられた開口部910の下端部と、裏面B側に設けられた開口部920の上端部とが重なるように配置されて貫通部94が形成されていることが好ましい。
この貫通部94により、流路90における圧力損失を大きく低減することができる。前記貫通部94の、流路方向の長さは2mm〜6mmであることが好ましい。流路方向の長さとは、図2、図3では上下方向を指す。また流路90の流路方向に形成される貫通部94の数は、一つの流路につき2個〜8個であることが好ましい。貫通部94の数は、ディストリビュータ9の全長、開口部910及び920の幅及び開口長さなどによって適宜変更される。
開口部910及び920の配置位置は、図2及び図3に図示した態様に限定されず、正面F側に少なくとも二箇所以上、裏面B側に少なくとも一箇所以上、又は、正面F側に少なくとも一箇所以上、裏面B側に少なくとも二箇所以上開口していれば良い。特許請求の範囲又は本明細書中の前記「一箇所」とは、流路長さのうち、一部が開口していることを意味しており、流路長さの全長に亘って開口していることを意味していない。開口部の合計数は、3〜9個であることが好ましい。
流路90の幅は、1mm〜3mmであることが好ましい。流路90の幅が1mmより狭くなりすぎると、流動圧力損失が急激に増大するおそれがある。流路90の幅が3mmより広くなりすぎると、イオン交換膜が入り込んでしまうため液リーク防止効果に乏しくなると共に、イオン交換膜の入り込みにより圧力損失も増大するおそれがある。
流路90の深さは、深すぎると流路部背板が薄くなり流路部強度が低下し、イオン交換膜の落ち込みによる変形を生じ易くなる。この強度低下による変形を防止する為、流路90の深さは、ディストリビュータ厚みの50〜80%とするのが好ましい。
更に、複数隣接する流路90の間隔(ピッチ)は、給入液口5側においては、流路幅の1.5倍〜4倍であることが好ましい。また、複数隣接する流路90の間隔(ピッチ)は、ネット取付開口部4(イオン交換室)側においては、流路幅の1.5倍〜10倍であることが好ましい。イオン交換室に向かって放射状に広がる形態がイオン交換室への液分散性が良いためである。
また、ディストリビュータの流路90の本数は、3〜20本が望ましいが、室枠1の大きさやネット本体部2の大きさなどにより適宜変更される。
図2に示すように、例えば給入液口5側に配置されるディストリビュータ9の流路90は、給入液口5と繋がる上方箇所が、ディストリビュータ9の幅方向に対して直交する垂直部91に形成されていることが好ましい。また、ネット取付開口部4のネット本体部2(イオン交換室)に繋がる下方箇所が、当該ネット取付開口部4に向かって放射状に傾斜する傾斜部92に形成されていることが好ましい。また、吐出液口6側に配置されるディストリビュータ9の流路90も同様に、吐出液口側においても、吐出液口6と繋がる箇所が垂直部91に形成されていることが好ましく、ネット取付開口部4(イオン交換室)に繋がる箇所が、ネット取付開口部4(イオン交換室)に向かって放射状に傾斜する傾斜部92に形成されていることが好ましい。
流路90は、幅方向に対して垂直に延びる形状であると、流路抵抗が低くなり液体が流れやすい傾向を有する。しかし、電気透析装置は、上記したように陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とに挟まれた室枠が複数積層され、脱塩室と濃縮室が交互に形成される構成である。そして、脱塩室に配置される室枠には、給入液口から処理液が流入され、当該処理液はディストリビュータの流路を経由してネット本体部(イオン交換室)に流れ込んでいる。また、濃縮室に配置される室枠には、給入液口から電解液が流入され、当該電解液はディストリビュータの流路を経由してネット本体部(イオン交換室)に流れ込んでいる。
したがって、流路の流路抵抗が小さすぎると、複数の脱塩室又は濃縮室に配置されたそれぞれの室枠へ処理液又は電解液をバランス良く流入させることができず、液供給ノズル側に配置された室枠に集中して流れ込んでしまう。
処理液又は電解液がバランス良く複数の脱塩室又は濃縮室の室枠へ流入されないと、電流の片流れが生じると共に、液流れが悪い室においては、流れる電流に対してイオン供給が追い付かず、電圧の上昇、スケールの生成等の不具合が生じ、通電が停止してしまう問題が生じることがある。上記の点からディストリビュータの流路は、流路抵抗が適切に大きいことが求められる。そして、脱塩室、濃縮室へ供給する所定流量に応じて、室内の液分散性、室間の液分散性を考慮し室枠内に配置するディストリビュータの個数、流路の個数、流路のサイズ(幅、深さ、長さ)を決定して、最適な流路抵抗とする。
傾斜部92を形成することで流路抵抗を上昇させて流入バランスを向上させることができる。また、前記した開口部910及び920の開口長さ、位置、流路幅及び傾斜部92の傾斜角を適切に設計することで良好な流路抵抗を得ることができる。更に、複数の流路90の傾斜部92は、それぞれ放射状に広がるように形成されているため、液体(処理液又は電解液)をネット本体部2(イオン交換室)の広い範囲へ流出させることができ、液分散効率の向上に寄与する。上記した傾斜部92の効果は、給入液口5側に配置されるディストリビュータ9について説明したが、吐出液口6側のディストリビュータ9は、上記傾斜部92により、ネット取付開口部4のネット本体部2(イオン交換室)の広い範囲から効率的に液体を流入できる効果がある。
上記構成のディストリビュータ9を備えた室枠1を電気透析装置10へ搭載して、電気透析を開始すると、図4に示すように、給入液口5から流入された液体(処理液又は電解液)は、流路90内で適切な流路抵抗を得ながらネット取付開口部4のネット本体部2(イオン交換室)へ流出される。即ち、互い違いに配置された開口部910及び920により、液体が左右に蛇行して流入することで流路抵抗が発揮される。更に、ネット取付開口部4のネット本体部2(イオン交換室)から流入した液体も、やはり流路内で適切な流路抵抗を得ながら吐出液口6へ流出される。これにより、複数の脱塩室又は濃縮室に配置されたそれぞれの室枠1へ液体がバランス良く流入されて、バランス効率の良い電気透析を行うことができる。また、従来の中空形状の流路を有するディストリビュータに比して、薄型に形成できるため、変形による圧力損失が生じることを最小限に抑えて、良好な電気透析の実施に寄与できる。
更に、ディストリビュータの流路には、一側面の少なくとも一箇所以上、及び、前記一側面に対向する他側面の少なくとも二箇所以上に、開口部がそれぞれ互い違いになる配置で設けられている。隣接するイオン交換膜(カチオン交換膜C及びアニオン交換膜A)が、前記開口部910内や920内に落ち込み、隙間を生ずる。この隙間を介して、給入液口5から流入された液が隣室に漏れ込もうとするが、開口部がそれぞれ互い違いに配列されていることにより、液リークを生じることを効果的に防止できる。
本実施形態のディストリビュータ9は、上記した限りではなく、図8、図9に示す構成を有してよい。図8は、図1に示すディストリビュータの拡大平面図である。図9は、図8のVI−VI矢視縦断面図である。
本実施形態のディストリビュータ9は、図8、図9に示すように、開口部910の配置位置において、該開口部910が形成される側と反対側の面に、線状リブ31が形成されることが好ましい。また、開口部920の配置位置において、該開口部920が形成される側と反対側の面に、線状リブ32が形成されることが好ましい。
線状リブ31、32は、幅が100〜400μm、高さが20〜150μmであり、断面の形状は三角形または半楕円形が好ましい。開口部910及び920のそれぞれ一箇所において、1本以上の線状リブ31、32を形成することが好ましく、2本以上の線状リブ31、32を形成することがより好ましく、3本以上の線状リブ31、32を形成することがより好ましい。複数本の線状リブ31、32の間隔は2〜10mmが好ましい。線状リブ31、32は、室枠1がイオン交換膜を挟んで複数積層される際、隣接するイオン交換膜をディストリビュータ部においても、線状で抑え込むため、電解液が隣接するイオン交換室にリークすることを防止できる。
<電気透析装置>
図5に、本発明のフィルタープレス型の電気透析装置10の概略側断面構造の組み立て図を示した。この電気透析装置10では、陰極板10aと陽極板10bとの間に、前述したディストリビュータ9を備えた室枠1が多数重ねて配置されている。図示例において、脱塩室に配置されている室枠を1Aと表記し、濃縮室に配置されている室枠を1Bと表記した。
これらの室枠1A、1Bの間には、カチオン交換膜C及びアニオン交換膜Aが交互に挟持される。このようなカチオン交換膜C及びアニオン交換膜Aとしては、公知のものが使用できる。
室枠1A、1B内の空間(ネット本体部2)が前述したイオン交換室(脱塩室11或いは濃縮室12)となっている。一番端の濃縮室12(室枠1B)と陰極板10aとの間にはアニオン交換膜Aが配置され、他方の端の脱塩室11(室枠1A)と陽極板10bとの間にはカチオン交換膜Cが配置されている。
上記のように陰極板10aと陽極板10bとの間に配置された複数のイオン交換膜A、C及び室枠1A、1Bは、一対の締め付け板13、13により強固に固定されている。
上記構成の電気透析装置10を使用して電気透析を行う際、室枠1Aの給入液口5から処理液が流入されて(図4参照)、脱塩室11に処理液が供給される。脱塩室11に供給された処理液は、吐出液口6へ排出されるようになっており、排出された処理液は再び脱塩室11に供給されるようになっている。
また、室枠1Bは、給入液口5から希薄な電解液が流入されて、濃縮室12に電解液が供給され、濃縮室12に供給された電解液は、吐出液口6へ排出され、次の濃縮室12へ供給されるようになっている。したがって、陰極板10aと陽極板10bの間に一定の電圧を印加しながら、脱塩室11及び濃縮室12に液を循環供給していくことにより、脱塩室11内の処理液中のイオンが次第に濃縮室12内へ移行する。すると、濃縮室12に循環される電解液のイオン濃度が増大し、この結果、目的とする高濃度の塩溶液を得ることができる。
上記してきたように本実施形態の電気透析装置10は、開口部910及び920を設けた流路90を有するディストリビュータ9を使用する構成である。すると、脱塩室11に配置された室枠1Aへ流入される処理液が、前記流路内で適切な流路抵抗を得ながらイオン交換室(脱塩室11)へ流出される。また、濃縮室12に配置される室枠1Bに流入される電解液も、流路内で適切な流路抵抗を得ながらイオン交換室(濃縮室12)へ流出される。更に、脱塩室11及び濃縮室12においてそれぞれの液体がイオン交換室から吐出液口6へ排出される際にも、やはり流路内で適切な流路抵抗を得ながら排出される。
したがって、複数の脱塩室と濃縮室に配置されたそれぞれの室枠1へ処理液又は電解液がバランス良く均一に流入及び流出(排出)がなされて、バランス効率の良い電気透析を安定的に行うことができる。
イオン交換室における効率的な液分散は、電気透析の精度に直接関係するため重要な要素である。したがって、本発明のディストリビュータ9を使用することで、液分散率を更に向上させ、精度の高い効率的な電気分解を安定的に得ることができる。
以上、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明した。なお、上記の記載は、実施形態を理解するためのものであり、実施形態の範囲を限定するものではない。更に、上記の複数の実施形態は、相互に排他的なものではない。したがって、矛盾が生じない限り、異なる実施形態の各要素を組み合わせることも意図しており、特許請求の範囲に記載された開示の技術の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1 室枠
1A 脱塩室枠
1B 濃縮室枠
2 ネット本体部
3 フレーム部
4 ネット取付開口部
5 給入液口
6 吐出液口
7、8 連通口
9 ディストリビュータ
10 電気透析装置
10a 陰極板
10b 陽極板
11 脱塩室
12 濃縮室
13 締め付け板
30 リブ
31、32 線状リブ
71、710 給入液口
72、720 ディストリビュータ
73 流路
731 上流路
732 連結流路
733 下流路
74、740 ネット取付開口部
75、750 ネット本体部
80 イオン交換膜
90 流路
91 垂直部
92 傾斜部
94 貫通部
910、920 開口部
C カチオン交換膜
A アニオン交換膜
S 隙間
J、K、L、M 溶接部

Claims (9)

  1. 陰極板と陽極板との間に、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを室枠を介在させて複数枚交互に配列して濃縮室と脱塩室を構成した電気透析装置であって、
    前記室枠は、中央位置に配置されたネット本体部と、当該ネット本体部の周囲に位置するフレーム部とを備え、
    前記フレーム部は、給入液口と吐出液口と流路を有するディストリビュータとを備えており、
    前記流路は、前記給入液口と前記ネット本体部との間、及び、前記吐出液口と前記ネット本体部との間にそれぞれ配置され、
    前記流路には、一側面の少なくとも一箇所以上、及び、他側面の少なくとも二箇所以上に、開口部がそれぞれ互い違いになる配置で設けられ、
    前記各開口部は、前記流路の全長に対して10%〜33%の長さを有しており、
    前記流路は、一側面に設けられた前記開口部の一部と、他側面に設けられた前記開口部の一部とが重なるように配置されて貫通部が形成されており、
    前記ディストリビュータは、
    前記開口部の配置位置において、該開口部が設けられている側と反対側の面のそれぞれに、前記ディストリビュータの幅方向に延在する1または複数本の線状リブが形成されていることを特徴とする電気透析装置。
  2. 前記貫通部の、流路方向の長さは2mm〜6mmである請求項に記載の電気透析装置。
  3. 前記流路は、前記給入液口又は前記吐出液口に繋がる箇所が、前記ディストリビュータの幅方向に対して直交する垂直部に形成され、前記ネット本体部に繋がる箇所が、当該ネット本体部に向かって放射状に傾斜する傾斜部に形成されている請求項1又は2に記載の電気透析装置。
  4. 前記流路は、幅方向に対して複数設けられており、
    隣接する前記流路の間隔は、流路幅の1.5倍〜10倍である請求項1〜の何れか一項に記載の電気透析装置。
  5. 前記流路は、断面形状が矩形状又は楕円形状である請求項1〜の何れか一項に記載の電気透析装置。
  6. 前記流路に形成される前記貫通部は、2個〜8個である請求項1又は2に記載の電気透析装置。
  7. 前記流路の深さは、ディストリビュータ厚みの50%〜80%である請求項に記載の電気透析装置。
  8. 前記流路は、1mm〜3mmの幅を有する請求項1〜の何れか一項に記載の電気透析装置。
  9. 前記フレーム部の片面側にリブが形成されている請求項1〜の何れか一項に記載の電気透析装置。
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