以下、図面を参照して、本発明によるロック機能付き回転バルブの実施の形態を説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
最初に、図1から図4を参照して、第一の実施形態のロック機能付きの回転バルブ11の全体構成を説明する。ここでは、本発明を適用した手動式の回転バルブ11として、ダイヤフラムバルブが例示されているが、回転バルブ11は、ハンドルを回転することによりバルブの開閉又は開度の調整を行うことができるものであればよく、本発明は例えばバタフライバルブ、グローブバルブ(ストップバルブ)、ボールバルブ、ゲートバルブにも適用することが可能である。
回転バルブ11は、バルブ本体13と、ステム15と、ハンドル17と、ロック機構と、案内機構と、移動抑制機構とを備える。ステム15は、バルブ本体13の内部から外部へ突出して延びており、バルブ本体13に支承されている。ステム15の内部側の端部には弁体が接続されていると共に外部側の端部にはハンドル17が接続されており、バルブ本体13に対して回転軸線O周りにハンドル17を回転させることにより、ステム15を介して弁体を回転又は上下動させて回転バルブ11の開閉又は開度の調整を行うことができるようになっている。バルブ本体13、ハンドル17の材質は、それぞれ、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂が使用されることが多く、ステム15の材質は銅合金などの金属が使用されることが多いが、回転バルブ11として要求される強度や特性を満たしていれば、ポリプロピレン樹脂(以下、PPと記載する。)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(以下、PVDFと記載する。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記載する。)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAと記載する。)などの合成樹脂や、銅、銅合金、鋳鉄、鉄鋼、真鍮、アルミニウム、ステンレスなどの金属とすることもでき、特に限定されるものではない。
例示の回転バルブ11としてのダイヤフラムバルブでは、図3及び図4に示されているように、バルブ本体13は、弁箱19と、ボンネット21と、ダイヤフラム23と、コンプレッサ25とを含み、ダイヤフラム23とコンプレッサ25とが弁体を構成している。
弁箱19は、ポリ塩化ビニル樹脂(以下、PVCと記載する。)から形成されており、弁箱19の内部には、弁箱19の対向する側面の一方に形成された流入口19aから延びる入口流路19bと、弁箱19の対向する側面の他方に形成された流出口19cから延びる出口流路19dと、入口流路19bと出口流路19dの中間に位置する仕切壁19eとが設けられている。また、弁箱19の頂面には、入口流路19b及び出口流路19dに連通する開口部19fが設けられている。仕切壁19eは、入口流路19b及び出口流路19dの底面から開口部19fに向かって円弧状に延びる曲面を有しており、その頂部には、ダイヤフラム23が圧接離間する弁座19gが形成されている。
ボンネット21は、PVCから形成されており、弁箱19の開口部19fを覆うように配置され、ボルトやナットで弁箱19に固定されている。ボンネット21の頂部中央に形成された貫通孔21aには、銅合金製のスリーブ27が支承されており、銅合金製のステム15がスリーブ27の内部に設けられた雌ネジ部27aに螺合している。また、ボンネット21の貫通孔21aから外部へ突出したスリーブ27の端部(上端部)の外周部には、ハンドル17が嵌合されており、ハンドル17がボンネット21の上方に配置されるようになっている。ハンドル17の底部の中央からは、スリーブ27の周囲を覆うように、ボンネット21へ向かって円筒状の延長部17aが延びている。本実施形態では、図5に示されているように、ハンドル17として、リング状部分17bと放射状に延びる複数の枝部17cを有した本体部17dとを組み合わせた丸形ハンドルが使用されているが、ハンドル17の形状は特に限定されるものではなく、レバー、T字ハンドルなどとすることができる。
コンプレッサ25は、PVDFから形成されており、スリーブ27を介してハンドル17に接続された端部(上端部)の反対側に位置するステム15の端部(下端部)に支持されている。
ダイヤフラム23はエチレンプロピレンゴム(以下、EPDMと記載する。)から形成されており、その外周縁部が弁箱19とボンネット21との間に挟持され、ボンネット21の底面により弁箱19の開口部19fの周辺に押し潰されて水密状態で固定されている。ダイヤフラム23の非接液面側の中央には、上部が突出した状態で埋め込み金具29が埋設されており、この埋め込み金具29によって、ステム15の下端部に支持されたコンプレッサ25に接続されている。
なお、上記説明において、弁箱19及びボンネット21の材質をともにPVCと記載し、コンプレッサ25の材質をPVDFと記載したが、特に限定されるものではなく、弁箱19、ボンネット21、コンプレッサ25の材質は、ポリスチレン、ABS樹脂、PP、PVDF、PTFE、PFAなどの樹脂、銅、銅合金、鋳鉄、鉄鋼、真鍮、アルミニウム、ステンレスなどの金属とすることもでき、特に限定されるものではない。また、ダイヤフラム23の材質もEPDMと記載したが、特に限定されるものではなく、イソプロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、塩素化ポリエチレン、フッ素ゴムなどのゴム状弾性体としてもよく、PP、PVDF、PTFE、PFAなどの樹脂としてもよい。さらに、ステム15やスリーブ27の材質をともに銅合金としているが、所定の強度を有していれば、特にこれに限定されるものではないが、鋳鉄、銅、真鍮、アルミニウム、ステンレスなどの金属とすることが好ましい。
上記のような構成により、時計回りのハンドル17の回転に伴ってスリーブ27をボンネット21に対して時計回りに回転させると、ステム15とステム15に支持されたコンプレッサ25とを下降させることができる。これによって、図3に示されているように、ダイヤフラム23が下方に湾曲して仕切壁19eの頂面の弁座19gに接近して、ついには弁座19gに圧接され、入口流路19bと出口流路19dとの間が閉鎖されて、ダイヤフラムバルブは全閉状態となる。一方、ハンドル17を反時計回りに回転させると、ステム15とステム15に支持されたコンプレッサ25とを上昇させることができる。これによって、図4に示されているように、ダイヤフラム23が弁座19gから離間し、次第に上方へ湾曲して、開限度位置まで上昇し、入口流路19bと出口流路19dとの間が開放されて、ダイヤフラムバルブが全開状態となる。
ロック機構は、ハンドル17のロック及びロック解除を行い、ロック状態時にバルブ本体13に対するハンドル17の回転を防止するための機構であり、係合部33が設けられた作動部材31と、係合部33と係合する被係合部37が設けられた環状部材35とによって構成されている。
本実施形態では、環状部材35は、複数の歯からなる歯列(凹凸)37を有した被係合部37が外周面の全周にわたって設けられた歯車状部材となっており、環状部材35の外周面の歯列37aは、図7に示されているように、ノコギリ歯形状になっていることが好ましい。環状部材35の中央には、貫通して延びる中央穴39が形成されている。中央穴39は、バルブ本体13側に配置されるバルブ本体側部分39aと、ハンドル17側に配置されるハンドル側部分39bと、バルブ本体側部分39aとハンドル側部分39bとの間に位置する円筒形状の中間部分39cとを含んでおり、中央穴39のバルブ本体側部分39aとハンドル側部分39bとは互いと異なる形状を有している。
中央穴39のバルブ本体側部分39aは、バルブ本体13のボンネット21の頂部中央の貫通孔21aの周囲に形成されたカラー部21bの外周に嵌合し且つバルブ本体13に対する環状部材35の回転を制限する形状となっている。本実施形態では、ボンネット21のカラー部21bの外周及び中央穴39のバルブ本体側部分39aの内周が多角形状(図7では、正八角形状)断面を有し、中央穴39のバルブ本体側部分39aの内周の寸法がボンネット21のカラー部21bの外周の寸法よりも僅かに大きくなるように形成されており、嵌合時に回転軸線O周りの環状部材35の回転を制限しつつ回転方向に僅かなガタツキが生じるようになっている。このようにバルブ本体13のボンネット21のカラー部21bに環状部材35を嵌合させて取り付けたときにガタツキが生じるようにカラー部21b及び中央穴39のバルブ本体側部分39aを形成することにより、環状部材35はバルブ本体13に対して回転軸線O周りに所定範囲内で僅かに回転することが可能となる。すなわち、中央穴39のバルブ本体側部分39aの内周面とバルブ本体13のボンネット21のカラー部21bの外周面とは、作動部材31の係合部33に対する環状部材35の回転方向位置を調整するための回転方向位置調整機構として機能する。中央穴39のバルブ本体側部分39aの内周面とバルブ本体13のボンネット21のカラー部21bの外周面との間でガタツキを生じさせる隙間には、弾性部材を配置してもよい。これにより、外力の作用がなくなったときにバルブ本体13のボンネット21に対して環状部材35を所定の回転方向位置に復帰させることができる。
図示されている実施形態では、バルブ本体13のボンネット21のカラー部21bの外周及び中央穴39のバルブ本体側部分39aの内周は、正八角形状断面を有しているが、中央穴39のバルブ本体側部分39aをボンネット21のカラー部21bの外周に嵌合させたときにバルブ本体13に対する環状部材35の回転を制限することができれば、他の形状とすることができる。例えば、ボンネット21のカラー部21bの外周及び中央穴39のバルブ本体側部分39aの内周は六角形状や楕円形状を有してもよく、円形状とさせて、キーとキー溝との係合によってカラー部21bに対する環状部材35の回転を制限するようにしてもよい。
中央穴39のハンドル側部分39bの内周は、スリーブ27の周囲を覆うように延びるハンドル17の延長部17aの外周と相補的な円形状断面を有し、ハンドル17の円筒状の延長部17aの外周に接触するようになっている。このように延長部17a及び中央穴39のハンドル側部分39bを形成することにより、環状部材35の中央穴39にハンドル17の延長部17aを嵌合させたときに、環状部材35とハンドル17との中心軸合わせができる。すなわち、中央穴39のハンドル側部分39bの内周面とハンドル17の円筒状の延長部17aの外周面とは環状部材35の中心軸線とハンドル17の回転軸線Oとを一致させるように位置決めする中心軸調整機構として機能する。図示されている実施形態では、中央穴39のハンドル側部分39bの内周面とハンドル17の延長部17aの外周面とが相補的な円形状の断面を有するようにすることで、中心軸調整機構として機能させているが、中央穴39のハンドル側部分39bの内周とハンドル17の延長部17aの外周とは、周方向に少なくとも3点で互いと接して中心軸調整機構として機能することができれば、他の断面形状を有することが可能であり、例えば中央穴39のハンドル側部分39bの内周面がハンドル17の円筒状の延長部17aの外周面と3点で接するような三角形状断面を有するようにしてもよい。
また、回転方向位置調整機構と中心軸調整機構とを共通の構成で兼ねるようにしてもよい。例えば、ボンネット21のカラー部21bの外周及び中央穴39のバルブ本体側部分39aの内周が、周縁部を弦状に切り欠いた円形状断面を有し、カラー部21b側の弦長よりも中央穴39側の弦長が小さくなるようにしてもよい。この場合、ボンネット21のカラー部21bの外周及び中央穴39のバルブ本体側部分39aの内周の円弧部分が中心軸調整機構として機能し、カラー部21b側の弦と中央穴39側の弦との隙間が回転方向位置調整機構として機能する。また、ボンネット21のカラー部21bの外周及び中央穴39のバルブ本体側部分39aの内周が四角形の各角を円弧形状にした形状を有し、カラー部21b側の円弧部分よりも中央穴39側の円弧部分が長く且つカラー部21bの外周面と中央穴29の内周面とが円弧部分で接触するようにしてもよい。この場合、ボンネット21のカラー部の円弧部分と中央穴39のバルブ本体側部分39aの弧状部分が中心軸調整機構として機能し、カラー部の残余の外周面と中央穴39のバルブ本体側部分39の残余の内周面との間の隙間が回転方向位置調整機構として機能する。
さらに、環状部材35をボンネット21と一体的に形成し、ボンネット21の頂部の一部として歯車状の歯列37aを設けることも可能である。
また、本実施形態では、作動部材31は、図6に示されているように、レバー形状を有しており、中央部に嵌合凹部41が形成されている。ハンドル17の底部には、図5に示されているように、回転中心から偏倚させた位置に、バルブ本体13へ向かってハンドル17の回転軸線Oと平行に突出して延びる軸部43が設けられており、この軸部43を作動部材の嵌合凹部41に嵌合させて嵌合凹部41を貫通させた止めピン44を軸部43に螺合させることにより、作動部材31がハンドル17に回動可能に接続される。作動部材31をハンドル17に回転可能に接続することができればハンドル17への作動部材31の接続方法は限定されるものではなく、止めピン44を樹脂材料から作成して、接着や溶接などにより軸部43に固定してもよい。また、作動部材31の一端部側に係合部33が形成されている一方、他端側には操作部31aが形成されており、操作者が操作部31aに外力を付与することによって、作動部材31を回動させて、作動部材31の係合部33を環状部材35に設けられた被係合部37に対する係合及び係合の解除を行うことができる。
このような構成のロック機構によれば、係合部33を環状部材35に接近させる方向に、ハンドル17に接続された作動部材31の係合部33がバルブ本体13に回転軸線O周りの回転を制限されるように取り付けられた環状部材35の被係合部に係合する位置(以下、ロック位置と記載する。)まで作動部材を回動させることにより、ハンドル17をロックし、バルブ本体13に対するハンドル17の回転を防止することができる。また、係合部33を環状部材35から離間させる方向に、作動部材31の係合部33が環状部材35の被係合部37との係合を解除する位置(以下、解除位置と記載する。)まで作動部材31を回動させることにより、ハンドル17のロックを解除し、バルブ本体13に対するハンドル17の回転を許容できるようになる。
係合部33は、環状部材35の外周部の被係合部37の歯列37aの歯溝に噛合可能となるように配置された複数の爪33aを有していることが好ましい。係合部33が複数の爪33aを有している場合には、係合部33が被係合部37に対して円滑に係合及び係合解除を行えるようにするために、作動部材31の回動中心側に位置する少なくとも一つの爪の内側(回動中心から遠い端部側)を切り欠き、爪を小さくすることが望ましい。このように係合部33が複数の爪33aを有していることにより、係合部33と被係合部37とによるロックがより確実となる。しかしながら、係合部33は一つの爪33aのみを有していてもよい。また、各爪33aは、図6(c)によく示されているように、作動部材31の回動中心側へ爪33aを傾けたようなノコギリ歯形状となっていることが好ましい。係合部33及び被係合部37が上述のようなノコギリ歯状に形成されていれば、作動部材31を回動させることによる作動部材31の係合部33と被係合部37との係合及び係合解除の際に、環状部材35の被係合部37の歯列37aの歯の側辺と作動部材31の係合部33の爪33aの側辺との干渉が生じにくくなって係合動作及び係合解除動作を円滑に行うことが可能となる。また、係合部33が被係合部37に係合した状態で回転バルブ11を閉じる方向にハンドル17を回転させても、係合した状態を保持しやすくすることができる。なお、図示されている実施形態では、図8において反時計回りに回転させることにより回転バルブ11が閉じられるようになっているので、閉弁方向へのハンドル17の回転でロック状態が解除されにくくなるように、作動部材31の爪33aが作動部材31の回動中心側へ傾けられている。このように作動部材31の爪33aを作動部材31の回転中心側に傾けたようなノコギリ歯形状とすると、ハンドル17を反時計回りに回転させる場合に係合部33が被係合部37から離れにくくなる。反時計回りにハンドル17を回転させたときにロック状態が解除されやすくしたい場合には、作動部材31の爪33aを作動部材31の回動中心と反対側に傾けるようにすればよい。
案内機構は、ハンドル17に対する作動部材31の移動を案内するための機構であり、本実施形態では、図5に示されているようにハンドル17の底部から作動部材31へ向けて突起状に延びているピン部45と、図6(a)に示されているように作動部材31のハンドル17側の面上に設けられたピンガイドとによって構成されている。ピンガイドは、ピン部45の径よりも僅かに大きい幅で作動部材31の回動中心を中心として円弧状に延びる案内溝47として形成されており、ピン部45をピンガイドとしての案内溝47内に係合させることにより、作動部材31の移動を案内する。ピンガイドとしての案内溝47は、ピン部45が一方の端部に到達すると作動部材31がロック位置まで回動し且つピン部45が他方の端部に到達すると作動部材31が解除位置まで回動するように形成される。
なお、案内溝47は、作動部材31の面に凹溝を設けることにより形成してもよく、作動部材31の面から突出する囲壁を設けることにより形成してもよい。
移動抑制機構は、作動部材31がロック位置と解除位置との間で移動するのを抑制するための機構であり、乗り越え部と、乗り越え部と干渉する干渉部とによって構成されている。本実施形態では、ハンドル17の底部からボンネット21へ向かって延びている延長部17aが干渉部として機能し、乗り越え部として、作動部材31の嵌合凹部41付近から延長部17aの外周面へ向かって突出する突起49が設けられている。突起49は、作動部材31をロック位置から解除位置へ及び解除位置からロック位置へ回動させるときにハンドル17の延長部17aの外周面に干渉し、且つ、作動部材31の操作部31aに外力を付与することにより変形して延長部17aの外周面を乗り越えることができるように形成されている。
また、本実施形態では、図6(a)に示されているように、ピンガイドとしての案内溝47の両端部に中間部47cよりも深いピン部嵌合凹部47a,47bが形成されており、作動部材31をロック位置及び解除位置へそれぞれ回動させたときに、突起状に形成されたハンドル17のピン部45がそれぞれピン部嵌合凹部47a,47bに嵌合し、作動部材31の操作部31aに外力を付与することによりピン部45が変形して又は作動部材31が撓んでピン部45がピン部嵌合凹部47a,47bから抜け出すことができるようになっている。すなわち、突起状に形成されたピン部45は乗り越え部として機能し、二つのピン部嵌合凹部47a,47bの間に位置する案内溝47の中間部47cが干渉部として機能しており、ピン部45と案内溝47は移動抑制機構としても機能する。
このような構成の移動抑制機構によれば、ロック位置から解除位置へ及び解除位置からロック位置へ作動部材31を移動させるときに、乗り越え部が干渉部に干渉して、作動部材31の移動が妨げられ、ロック位置又は解除位置に保持される。また、ロック位置と解除位置との間の移動の際に抵抗があり、乗り越え時に音が発せられるので、ロック位置と解除位置の切り換えを体感的に確認でき、誤動作を防止することができる。さらに、作動部材31をロック位置又は解除位置に移動させれば、自動的に当該位置に保持できるので、操作が煩雑とならない。加えて、構造が簡単且つコンパクトであり、部品点数を少なくすることができる。
図2に示されているように、上記回転バルブ11において、ハンドル17のロック状態を確実に維持するために、ロック位置から解除位置への作動部材31の移動を防止する移動防止部材を装着するための装着部を作動部材35に形成するようにしてもよい。本実施形態では、装着部として、作動部材31の操作部31a側に移動防止部材としての南京錠53を装着するための装着穴51が設けられている。作動部材31がロック位置にあるときに装着穴51に南京錠53の掛金部分を装着することにより、南京錠53の掛金部分がハンドル17の一部(例えば放射状に延びるハンドル17の枝部17c)に干渉してロック位置から解除位置へ向かう方向に作動部材31を回動できなくして、作動部材31がロック位置から解除位置へ移動することを確実に防止することができる。
次に、本実施形態の回転バルブ11のロック機構及び移動抑制機構の動作について説明する。
最初に、図8を参照して、ロック機構の動作を説明する。図8は、説明のために、バルブ本体13を省略した状態で、ハンドル17及び作動部材31をバルブ本体13側から見た図である。
作動部材31が解除位置に移動させられて、作動部材31の係合部33が環状部材35の被係合部37から離間し、係合していない状態では、バルブ本体13に対してハンドル17を自由に回転させることができ、回転バルブ11の開閉又は開度の調整を行うことができる。
操作部31aに外力を付与して、作動部材31の係合部33が環状部材35の被係合部37から離間している解除位置から、図8(a)に示されているように、係合部33を環状部材35へ接近させる方向に案内機構に従って作動部材31を回動させてロック位置へ移動させると、ハンドル17に接続される作動部材31の係合部33は、バルブ本体13のボンネット21に取り付けられた環状部材35の外周部に設けられた被係合部37に係合される。これにより、ハンドル17がロックされて、バルブ本体13に対するハンドル17の回転が防止され、回転バルブ11の全開状態若しくは全閉状態又は所定の開度が保持される。
作動部材31はハンドル17に接続されているので、ハンドル17の回転位置の影響で、係合部33を環状部材35へ接近させる方向に作動部材31を回動させたときに作動部材31の係合部33の爪33aが環状部材35の被係合部37の歯列37aと適切に噛み合わず、係合部33と被係合部37とを係合させるために適切な位置までハンドル17を回転させることが必要になることがある。しかしながら、環状部材35がバルブ本体13に対して回転軸線O周りの回転を制限しつつ回転軸線O周りに所定範囲で僅かに回転することができるようにバルブ本体13のボンネット21のカラー部21bに取り付けられていれば、ハンドル17の回転の影響で係合部33の爪33aと被係合部37の歯列37aの歯溝との噛み合いがズレていても、環状部材35が回転軸線O周りに回転して係合部33の爪33aが被係合部37の歯列37aの歯溝内に噛み合うようにできる。
さらに、操作部31aに外力を付与して、作動部材31の係合部33が環状部材35の被係合部37に係合しているロック位置から、図8(b)に示されているように、係合部33を環状部材35から離間させる方向に案内機構に従って作動部材31を回動させて解除位置へ移動させると、ハンドル部材17に接続される作動部材31の係合部33は、バルブ本体13のボンネット21のカラー部21bに取り付けられた環状部材35の被係合部37との係合を解除される。これにより、ハンドル17のロックが解除されて、再びバルブ本体13に対してハンドル17を自由に回転させることができるようになる。
次に、図9及び図10を参照して、移動抑制機構の動作について説明する。図9は、説明のために、バルブ本体13を省略した状態で、ハンドル17及び作動部材31をバルブ本体13側から見た図であり、図10は、説明のために、ハンドル17を切断した状態で、回転バルブ11を上方から見た図である。
作動部材31がロック位置に移動されているとき、作動部材31の突起49は、図9(a)に示されているように、作動部材31の回動中心とハンドル17の延長部17aの外周面の中心(すなわちハンドル17の回転中心)とを結ぶ線よりも図中上側に位置している。ロック位置から解除位置へ作動部材31を回動させようとすると、乗り越え部としての作動部材31の突起49が干渉部としてのハンドル17の延長部17aの外周面に干渉するため、作動部材31の回動が妨げられて、作動部材31に外力を付与する必要なしに作動部材31をロック位置に保持し、意図せずに、作動部材31がロック位置から解除位置へ回動することを防止することができる。したがって、ハンドル17のロック状態を維持するために作動部材31をロック位置に付勢する必要もない。
また、作動部材31がロック位置に移動されているとき、突起状に形成されたハンドル17のピン部45は、図10(a)に示されているように、ピンガイドとしての案内溝47の図中上側に位置するピン部嵌合凹部47aに嵌合している。案内機構に従って作動部材31をロック位置から解除位置へ回動させようとすると、ハンドル17のピン部(乗り越え部)45がピン部嵌合凹部47aの底部よりも高い中間部47cの底部への段差(干渉部)に干渉するため、作動部材31の回動が妨げられて、作動部材31に外力を付与する必要なしに作動部材31をロック位置に保持し、意図せずに、作動部材31がロック位置から解除位置へ回動することを防止することができる。したがって、ハンドル17のロック状態を維持するために作動部材31をロック位置に付勢する必要もない。
この状態から、作動部材31の操作部31aに外力を付与して、係合部33を環状部材35から離間させる方向に案内機構に従って作動部材31を回動させようとすると、作動部材31に付与された外力の作用により乗り越え部としての突起49が変形して、干渉部としての延長部17aの外周面を乗り越えることが可能となる。これにより、図9(b)に示されているように、作動部材31の回動中心とハンドル17の延長部17aの外周面の中心(すなわちハンドル17の回転中心)とを結ぶ線よりも図中下側に突起49を移動させて、作動部材31を解除位置へ移動させることができる。この状態から作動部材31を再びロック位置へ移動させるようとすると、乗り越え部としての作動部材31の突起49が干渉部としてのハンドル17の延長部17aの外周面に干渉するため、作動部材31の回動が妨げられて、作動部材31に外力を付与する必要なしに作動部材31を解除位置に保持し、意図せずに、作動部材31が解除位置からロック位置へ移動することを防止することができる。したがって、操作者が作動部材31を解除位置に維持するために作動部材31に外力を付与する必要がなく、ハンドル17の操作が容易となる。また、ロック位置から解除位置まで作動部材31を回動させるだけで、ハンドル17のロック解除状態を維持できるようになるので、ロック解除状態の維持のための操作も簡単になる。
また、作動部材31の操作部31aに力を付与して、案内機構に従ってロック位置から作動位置へ作動部材31を回動させようとするとき、作動部材31に付与された外力の作用によりハンドル17のピン部45(乗り越え部)が変形して、作動部材31の案内溝47の中間部47cの段差(干渉部)を乗り越えることが可能になる。これにより、図10(b)に示されているように、案内溝47の図中下側に位置するピン部嵌合凹部47bにピン部45を嵌合させて、作動部材31を解除位置へ移動させることができる。この状態から、案内機構に従って作動部材31を解除位置からロック位置へ回動させようとすると、ハンドル17のピン部(乗り越え部)45がピン部嵌合凹部47bの底部よりも高い中間部47cの底部への段差(干渉部)に干渉するため、作動部材31の回動が妨げられて、作動部材31に外力を付与する必要なしに作動部材31を解除位置に保持し、意図せずに、作動部材31が解除位置からロック位置へ回動することを防止することができる。したがって、操作者が作動部材31を解除位置に維持するために作動部材31に外力を付与する必要がなく、ハンドル17の操作が容易となる。また、ロック位置から解除位置まで作動部材31を回動させるだけで、ハンドル17のロック解除状態を維持できるようになるので、ロック解除状態の維持のための操作も簡単になる。
解除位置からロック位置へ作動部材31を回動させるときも同様であり、解除位置からロック位置まで作動部材31を回動させるだけで、ハンドル17のロック状態を維持できるようになるので、ロック状態の維持のための操作も簡単になる。
次に、図11から図17を参照して、本発明による第二の実施形態の回転バルブ111を説明する。図11から図17では、図1から図10に示されている第一の実施形態の回転バルブ11と共通する構成要素に同じ参照符号を付している。
第二の実施形態の回転バルブ111は、第一の実施形態の回転バルブ11と同様に、バルブ本体13と、ステム15と、ハンドル17と、ロック機構と、案内機構と、移動抑制機構とを備えている。図11及び図12に示されているように、第二の実施形態の回転バルブ111のバルブ本体13及びステム15は第一の実施形態の回転バルブ11のものと共通であり、ハンドル17も基本的な構造は第一の実施形態の回転バルブ11のものと同じとなっている。一方、第二の実施形態の回転バルブ111のロック機構、案内機構及び移動抑制機構は、第一の実施形態の回転バルブ11のものと異なっている。したがって、以下では、第一の実施形態の回転バルブ11と異なるロック機構、案内機構及び移動抑制機構について主に説明し、バルブ本体13、ステム15及びハンドル17についての基本的な構造についての説明は省略する。
第二の実施形態の回転バルブ111において、ハンドル17のロック及びロック解除を行い、ロック状態時にバルブ本体13に対するハンドル17の回転を防止するためのロック機構は、第一の実施形態の回転バルブ11のロック機構と同様に、係合部63が設けられた作動部材61と、係合部63と係合する被係合部67が設けられた環状部材65とによって構成されている。
第一の実施形態の回転バルブ11の環状部材35は、ノコギリ歯状の複数の歯からなる歯列(凹凸)37aを有した被係合部37が外周面の全体にわたって設けられた歯車状部材であるのに対して、第二の実施形態の回転バルブ111の環状部材65は、図15に示されているように、一般的な歯車の歯と同様の対称的な形状の歯からなる歯列(凹凸)67aを有した被係合部67が外周面の全体にわたって設けられている歯車状部材である点において、第二の実施形態の回転バルブ111の環状部材65は第一の実施形態の回転バルブ11の環状部材35と異なっている。第二の実施形態の回転バルブ111の環状部材65のその他の構造は、第一の実施形態の回転バルブ11の環状部材35と同様である。例えば、環状部材65の中央穴69は、バルブ本体13側に配置されるバルブ本体側部分69aと、ハンドル17側に配置されるハンドル側部分69bと、バルブ本体側部分69aとハンドル側部分69bとの間に位置する円筒形状の中間部分69cとを含んでおり、それぞれ、第一の実施形態の回転バルブ11の環状部材35の中央穴39のバルブ本体側部分39a、ハンドル側部分39b、中間部分39cと同じ構造を有しており、環状部材65は、バルブ本体13に対する環状部材65の回転を制限するようにバルブ本体13のボンネット21のカラー部21bの外周に取り付けられている。
また、第一の実施形態の回転バルブ11の作動部材35がハンドル17の底部(環状部材35に面する側)に回動可能に接続され、ハンドル17に対して作動部材35を回動させることにより係合部33を環状部材35の被係合部37に係合及び係合解除させるようになっているのに対して、第二の実施形態の回転バルブ111の作動部材61がハンドル17の底部にハンドル17の回転軸線Oに対して垂直な方向(図中の水平方向)に移動可能にハンドルに接続されている点において、第二の実施形態の回転バルブ111のロック機構は第一の実施形態の回転バルブ11のロック機構と異なっている。
作動部材61は、ハンドル17の底部(環状部材65に面する側)に配置され、図14に示されているように、概略8の字形状の断面を有する貫通孔71が形成された概略長円形状の外形の板状の本体部61aと、操作者が作動部材61を操作するために本体部61aの長軸方向の両端部に設けられた板状のタブ部61b,61cとを含んでいる。貫通孔71は、作動部材61の移動方向の両端部に設けられ且つハンドル17の底部中央から延びる円筒状の延長部17aを収容できるようになっている延長部収容部71a,71bと、二つの延長部収容部71a,71bを接続する接続部71cとを含んでおり、接続部71cの幅(両端部を結ぶ方向と垂直な方向の長さ)がハンドル17の底部中央から延びる円筒状の延長部17aの直径よりも小さく、接続部71cが突起状になっている。
一方のタブ部61bには、作動部材61を貫通しており且つ作動部材61の移動方向に延びるネジ貫通孔73と、ハンドル17側の面上でネジ貫通孔73の両側に作動部材61の移動方向に並行して延びる二つのガイド壁75,75(図14(a)参照)とが設けられている。ハンドル17の底部には、図13に示されているように、回転中心から偏倚させた位置に、作動部材61の二つのガイド壁75,75の間の距離と同じ間隔でハンドル17の回転軸線Oへ向かって互いと平行に延びる側面を有したガイド体77が設けられており、この係合ガイド体77を作動部材61のガイド壁75,75の間に係合させ且つ作動部材61の貫通孔71にハンドル17の延長部17aを貫通させた状態で、作動部材61のネジ貫通孔73を貫通させたタッピングネジ79をガイド体77に螺合させることにより、作動部材61が回転軸線Oと垂直な方向に移動可能にハンドル17に接続される。作動部材61を移動可能にハンドル17に接続することができればハンドル17への作動部材61の接続方法は限定されるものではなく、タッピングネジ79に代えて樹脂製ピンを用いて、接着や溶接などにより樹脂製ピンをガイド体77に固定してもよい。また、他方のタブ部61cには、係合部63が設けられており、操作者がタブ部61b,61cに外力を付与することによってハンドル17に対して回転軸線Oと垂直な方向に作動部材61を移動させて、作動部材61の係合部63を環状部材65に設けられた被係合部67に係合させたり、係合を解除させたりすることができる。なお、作動部材61の移動方向のネジ貫通孔73の長さは、環状部材65の被係合部67に対する作動部材61の係合部63の係合及び係合解除のための移動が可能となるように定められる。
係合部63は、図14(b)及び(c)に示されているように、環状部材65の外周部に設けられた被係合部67の歯車状の歯列67aの歯溝に噛合可能となるように配置された複数の爪63aを有していることが好ましい。係合部63が三つ以上の爪63aを有している場合には、係合部63が被係合部67に対して円滑に係合及び係合解除を行えるようにするために、両端部に位置する少なくとも一つの爪の内側を切り欠き、爪を小さくすることが望ましい。このように係合部63が複数の爪63aを有していることにより、係合部63と被係合部67とによるロックがより確実となる。しかしながら、係合部63は一つの爪63aのみを有していてもよい。
このような構成のロック機構によれば、ハンドル17の回転軸線Oと垂直な方向に係合部63を環状部材65へ接近させるように、ハンドル17に接続された作動部材61の係合部63がバルブ本体13にハンドル17の回転軸線O周りの回転を制限されるように取り付けられた環状部材65の被係合部67に係合するロック位置まで作動部材61を移動させることにより、ハンドル17をロックし、バルブ本体13に対するハンドル17の回転を防止することができる。また、回転軸線Oと垂直な方向に係合部63を環状部材65の被係合部67から離間させるように、作動部材61の係合部63が環状部材65の被係合部67との係合を解除する解除位置まで作動部材61を移動させることにより、ハンドル17のロックを解除し、バルブ本体13に対するハンドル17の回転を許容できるようになる。
ハンドル17に対する作動部材61の移動を案内するための案内機構は、本実施形態では、ハンドル17の底部に設けられたガイド体77と、作動部材61のハンドル17側の面上に互いと対向して設けられた二つのガイド壁75,75とによって構成されている。ガイド壁75の長さは、作動部材61がロック位置と解除位置との間で移動するときにガイド体77の側面と常時接することができるように定められる。二つのガイド壁75,75の間隔はハンドル17の回転軸線Oへ向かって互いと平行に延びるガイド体77の二つの側面間の距離と同じであり、ガイド体77の二つの側面が二つのガイド壁75,75に常時接触しつつ作動部材61が移動するので、作動部材61の移動がハンドル17の回転軸線Oに垂直な方向に案内される。
なお、案内機構は、ハンドル17の回転軸線Oに垂直な方向に作動部材61を案内することができれば、他の機構を採用することが可能である。図示されている実施形態では、ガイド体77をハンドル17の底部に設け、対向する二つのガイド壁75,75を作動部材61のハンドル17側の面上に設けているが、例えば、作動部材61のハンドル17側の面上にガイド体77を設け、ハンドル17の底部に対向する二つのガイド壁75,75を設けるようにしてもよい。
作動部材61がロック位置と解除位置との間で移動するのを抑制するための移動抑制機構は、乗り越え部と、乗り越え部と干渉する干渉部とによって構成されている。本実施形態では、作動部材61の貫通孔71の接続部71cの幅(作動部材61の移動方向と垂直な方向の長さ)が延長部収容部71a,71bよりも狭くなっており、延長部収容部71a,71bから見たときに内方へ突出している接続部71cの周囲部分(突起部)が乗り越え部として機能し、ハンドル17の延長部17aが干渉部として機能する。作動部材61の貫通孔71の接続部71cの周囲部分(突起部)は、ロック位置から解除位置へ及び解除位置からロック位置へ作動部材61を移動させるときにハンドル17の延長部17aの外周面に干渉する一方、作動部材61のタブ部61b又は61cに外力を付与することにより外方へ撓み変形して延長部17aの外周面を乗り越えることができるようになっている。
このような構成の移動抑制機構によれば、ロック位置から解除位置へ及び解除位置からロック位置へ作動部材61を移動させるときに、乗り越え部が干渉部に干渉して、作動部材61の移動が妨げられ、ロック位置又は解除位置に保持される。また、ロック位置と解除位置との間の移動の際に抵抗があり、乗り越え時に音が発せられるので、ロック位置と解除位置の切り換えを体感的に確認でき、誤動作を防止することができる。さらに、作動部材61をロック位置又は解除位置に移動させれば、自動的に当該位置に保持できるので、操作が煩雑とならない。加えて、構造が簡単且つコンパクトであり、部品点数を少なくすることができる。
本実施形態でも、第一の実施形態の回転バルブ11と同様に、ハンドル17のロック状態を確実に維持するために、ロック位置から解除位置への作動部材61の移動を防止する移動防止部材を装着するための装着部を作動部材61に形成するようにしてもよい。本実施形態でも、装着部として、ガイド壁75,75が設けられた作動部材61のタブ部61bに、移動防止部材としての南京錠53を装着するための装着穴80が設けられている。作動部材61がロック位置にあるときに装着穴80に南京錠53の掛け金部分を装着することにより、南京錠53の掛金部分がハンドル17の一部(例えば放射状に延びるハンドル17の枝部17c)に干渉してハンドル17に対して回転軸線Oと垂直な方向にロック位置から解除位置へ向かうように作動部材61を移動させることができなくして、作動部材61がロック位置から解除位置へ移動することを確実に防止することができる。
次に、本実施形態の回転バルブ111のロック機構及び移動抑制機構の動作について説明する。
最初に、図16を参照してロック機構の動作を説明する。図16は、説明のために、バルブ本体13を省略した状態で、ハンドル17及び作動部材61をバルブ本体13側から見た図である。
作動部材61が解除位置に移動させられて、作動部材61の係合部63が環状部材65の被係合部67から離間し、係合していない状態では、バルブ本体13に対してハンドル17を自由に回転させることができ、回転バルブ111の開閉又は開度の調整を行うことができる。
タブ部61b,61cに外力を付与して、作動部材61の係合部63が環状部材65の被係合部67から離間している解除位置から、図16(a)に示されているように、係合部63を環状部材65へ接近させる方向に(すなわち、ガイド壁が設けられた作動部材のタブ部を回転軸線から離れる方向に外方へ)案内機構に従ってロック位置へ作動部材61を移動させると、ハンドル17に接続される作動部材61の係合部63は、バルブ本体13のボンネット21に取り付けられた環状部材65の外周部に設けられた被係合部67に係合される。これにより、ハンドル17がロックされて、バルブ本体13に対するハンドル17の回転が防止され、回転バルブ111の全開状態若しくは全閉状態又は所定の開度が保持される。
環状部材65がバルブ本体13に対してハンドル17の回転軸線O周りの回転を制限しつつ回転軸線O周りに所定範囲で僅かに回転することができるようにバルブ本体13のボンネット21のカラー部21bに取り付けられていれば、ハンドル17の回転の影響で作動部材61の係合部63の爪63aと環状部材65の被係合部67の歯列67aの歯溝との噛み合いがズレていても、環状部材65がハンドル17の回転軸線O周りに回転して係合部63の爪63aが被係合部67の歯列67aの歯溝内に噛み合うようにできる。
さらに、タブ部61b,61cに外力を付与して、作動部材61の係合部63が環状部材65の被係合部67に係合しているロック位置から、図16(b)に示されているように、係合部63を環状部材65から離間させる方向に(すなわち、ガイド壁が設けられた作動部材のタブ部を回転軸線に接近させる方向に内方へ)案内機構に従って解除位置へ作動部材61を移動させると、ハンドル17に接続される作動部材61の係合部63は、バルブ本体13のボンネット21のカラー部21bに取り付けられた環状部材65の被係合部67との係合を解除される。これにより、ハンドル17のロックが解除されて、再びバルブ本体13に対してハンドル17を自由に回転させることができるようになる。
次に、図17を参照して、移動抑制機構の動作について説明する。図17は、説明のために、ハンドル13を切断した状態で、回転バルブ111を上方から見た図である。
作動部材61がロック位置に移動されているとき、作動部材61の貫通孔71の接続部71cの周囲部分(突起部)は、図17(a)に示されているように、ハンドル17の延長部17aよりも図中下側(ガイド体77に近い側)に位置し、延長部17aが作動部材61の貫通孔71の延長部収容部71bに収容されている。ハンドル17の回転軸線Oに垂直な方向にロック位置から解除位置へ作動部材61を移動させようとすると、乗り越え部としての接続部分71cの周囲部分(突起部)が干渉部としてのハンドル17の延長部17aの外周面に干渉するため、作動部材61の貫通孔71の延長部収容部71bからハンドル17の延長部17aを脱出させる向きへのハンドル17の回転軸線Oに垂直な方向の作動部材61の移動が妨げられて、作動部材61に外力を付与する必要なしに作動部材61をロック位置に保持し、意図せずに、作動部材61がロック位置から解除位置へ移動することを防止することができる。したがって、ハンドル17のロック状態を維持するために作動部材61をロック位置に付勢する必要もない。
この状態から、作動部材61のタブ部61b,61cに外力を付与して、係合部63を環状部材65から離間させる方向に(すなわち、ハンドル17の回転軸線Oにタブ部61bを接近させる方向に内方へ)移動させようとすると、作動部材61に付与された外力の作用により乗り越え部としての貫通孔71の接続部分71cの周囲部分(突起部)が干渉部としてのハンドル17の延長部17aの外周面を乗り越えることが可能となる。これにより、図17(b)に示されているように、作動部材61の貫通孔71の接続部71cの周囲部分(突起部)をハンドル17の延長部17aよりも図中上側に移動させて、延長部17aを作動部材61の貫通孔71の延長部収容部71aに収容させ、作動部材61を解除位置へ移動させることができる。この状態から作動部材61を再びロック位置へ移動させようとすると、乗り越え部としての貫通孔71の接続部分71cの周囲部分(突起部)が干渉部としてのハンドル17の延長部17aの外周面に干渉するため、作動部材61の貫通孔71の延長部収容部71aからハンドル17の延長部17aを脱出させる向きへの回転軸線Oに垂直な方向の作動部材61の移動が妨げられて、作動部材61に外力を付与する必要なしに作動部材61を解除位置に保持し、意図せずに、作動部材61が解除位置からロック位置へ移動することを防止することができる。したがって、操作者が作動部材61を解除位置に維持するために作動部材61に外力を付与する必要がなく、ハンドル17の操作が容易となる。また、回転軸線Oと垂直な方向にロック位置から解除位置まで作動部材61を移動させるだけで、ハンドル17のロック解除状態を維持できるようになるので、ロック解除状態の維持のための操作も簡単となる。
ハンドル17の回転軸線Oと垂直な方向に解除位置からロック位置へ作動部材61を移動させるときも同様であり、解除位置からロック位置まで作動部材61を移動させるだけで、ハンドル17のロック状態を維持できるようになるので、ロック状態の維持のための操作も簡単になる。
次に、図18から図22を参照して、本発明による第二の実施形態の変形形態の回転バルブ111´を説明する。図18から図22では、図1から図10に示されている第一の実施形態の回転バルブ11及び図11から図17に示されている第二の実施形態の回転バルブ111と共通する構成要素に同じ参照符号を付している。
変形形態の回転バルブ111´は、第二の実施形態の回転バルブ111と同様に、バルブ本体13と、ステム15と、ハンドル17と、ロック機構と、案内機構と、移動抑制機構とを備えている。図18に示されているように、変形形態の回転バルブ111´は、バルブ本体13及びステム15の構造や、作動部材61´がハンドル17の回転軸線Oと垂直な方向に移動可能にハンドル17に接続されている点において、第二の実施形態の回転バルブ111のものと共通している一方、作動部材61´の構造が第二の実施形態の回転バルブ111のものと異なっている。したがって、以下では、第二の実施形態と異なる点について主に説明し、共通するバルブ本体13やステム15の構成については説明を省略する。
ハンドル17のロック及びロック解除を行い、ロック状態時にバルブ本体13に対するハンドル17の回転を防止するためのロック機構は、第二の実施形態の回転バルブ111のロック機構と同様に、係合部63´を有した作動部材61´と、係合部63´と係合する被係合部67とを有した環状部材65とによって構成され、環状部材65は第二の実施形態の回転バルブ111のものと同じ構造を有しており、バルブ本体13に対する環状部材65の回転を制限するようにバルブ本体13のボンネット21のカラー部21bの外周に取り付けられている。
一方、作動部材61´は、ハンドル17の回転軸線Oと垂直な方向に移動可能にハンドル17に接続されている点において、第二の実施形態の回転バルブ111の作動部材61と類似しているが、作動部材61の本体部61aと一方のタブ部を省略した形状、すなわち一つの板状のタブ部のみからなる形状となっている点において、第二の実施形態の回転バルブ111の環状部材65と異なる構造を有する。作動部材61´には、第二の実施形態の回転バルブ111の作動部材61のタブ部61bと同様に、作動部材61´を貫通しており且つ作動部材61´の移動方向に延びるネジ貫通孔73´と、ハンドル17側の面上でネジ貫通孔73´の両側に作動部材61´の移動方向に並行して延びる二つのガイド壁75´,75´(図20(a)参照)とが設けられている。ハンドル17の底部には、図19に示されているように、ハンドル17の回転軸線Oから偏倚させた位置に、作動部材61´の二つのガイド壁75´,75´の間の距離と同じ間隔でハンドル17の回転軸線Oへ向かって互いと平行に延びる側面を有したガイド体77´が設けられており、このガイド体77´を作動部材61´のガイド壁75´,75´の間に係合させた状態で、作動部材61´のネジ貫通孔73´を貫通させたタッピングネジ79をガイド体77´に螺合させることにより、作動部材61´が回転軸線Oと垂直な方向に移動可能にハンドル17に接続される。
また、図20(a)及び(b)に示されているように、作動部材61´において、ハンドル17の回転軸線Oから離れた側に配置される端部には、操作部61´aが形成され、回転軸線Oに近い側に配置される端部には、係合部63´が設けられている。第二の実施形態の回転バルブ111の作動部材61の係合部63と同様に、係合部63´は、図20(b)に示されているように、環状部材65の外周部に形成された被係合部の歯車状の歯列67aの歯溝に噛合可能となるように配置された複数の爪63´aを有していることが好ましい。このように係合部63´が複数の爪63´aを有していることにより、係合部63´と被係合部67とによるロックがより確実となる。しかしながら、係合部63´は一つの爪63´のみを有していてもよい。
このような構成のロック機構によれば、ハンドル17の回転軸線Oと垂直な方向に係合部63´を環状部材65へ接近させるように、ハンドル17に接続された作動部材61´の係合部63´がバルブ本体13にハンドル17の回転軸線O周りの回転を制限されるように取り付けられた環状部材65の被係合部67に係合するロック位置まで作動部材61´を移動させることにより、ハンドル17をロックし、バルブ本体13に対するハンドル17の回転を防止することができる。また、回転軸線Oと垂直な方向に係合部63´を環状部材65から離間させるように、作動部材61´の係合部63´が環状部材65の被係合部67との係合を解除する解除位置まで作動部材61´を移動させることにより、ハンドル17のロックを解除し、バルブ本体13に対するハンドル17の回転を許容することができるようになる。
ハンドル17に対する作動部材61´の移動を案内するための案内機構は、第二の実施形態の案内機構と同様に、ハンドル17の底部に設けられたガイド体77´と、作動部材61´のハンドル17側の面上に互いと対向して設けられた二つのガイド壁75´,75´によって構成されている。ガイド壁75´の長さは、作動部材61´がロック位置と解除位置との間で移動するときにガイド体77´の側面と常時接することができるように定められる。二つのガイド壁75´,75´の間隔はハンドル17の回転軸線Oへ向かって互いと平行に延びるガイド体77´の側面間の距離と同じであり、ガイド体77´の二つの側面が二つのガイド壁75´,75´に常時接触しつつ作動部材61´が移動するので、作動部材61´の移動がハンドル17の中心軸線方向Oに垂直な方向に案内される。
作動部材61´がロック位置と解除位置との間で移動するのを抑制するための移動抑制機構は、第二の実施形態の回転バルブ111の移動抑制機構と同様に、乗り越え部と、乗り越え部と干渉する干渉部とによって構成されている。本変形形態では、図19に示されているように、ガイド体77´の両側面の移動方向中央部にハンドル17の回転軸線O方向に延びる突起部77´aが設けられていると共に、図20(a)に示されているように、作動部材61´の二つのガイド壁75´,75´の対向する位置に作動部材61´の移動方向に離間して凹状に形成された突起部収容部75´a、75´bと二つの突起部収容部を接続する接続部75´cとが設けられており、作動部材61´がロック位置及び解除位置に移動したときに、ガイド体77´の突起部77´aがガイド壁75´の突起部収容部75´a,75´bに収容されるようになっている。接続部75´cは、突起部収容部75´a,75´bの深さよりも浅いが他の部分(突起部収容部75´a,75´bよりも端部側の部分)よりも窪んで壁の厚さが薄くなっていることが好ましい。ガイド壁75´の接続部75´cの厚さを両端部分よりも薄くすることによって、ガイド体77´の突起部77´aが突起部収容部75´a,75´bを越えて端部側へ移動することを抑制することができる。このように構成されたガイド体77´の突起部77´aが移動抑制機構の乗り越え部として機能し、突起部収容部75´a,75´bよりも突出した接続部75cが干渉部として機能する。ハンドル17のガイド体77´に設けられた突起部77´aは、作動部材61´をロック位置から解除位置へ及び解除位置からロック位置へ移動させるときに作動部材61´のガイド壁75´に形成された突起部収容部75´a,75´bの間の接続部75´cに干渉して移動を妨げられる一方、作動部材61´の操作部61´aに外力を付与することにより突起部77´aを変形させて接続部75´cを乗り越えることができるようになっている。
このような構成の移動抑制機構によれば、ロック位置から解除位置へ及び解除位置からロック位置へ作動部材61´を移動させるときに、乗り越え部が干渉部に干渉して、作動部材61´の移動が妨げられ、ロック位置又は解除位置に保持される。また、ロック位置と解除位置との間の移動の際に抵抗があり、乗り越え時に音が発せられるので、ロック位置と解除位置の切り換えを体感的に確認することができ、誤動作を防止することができる。さらに、作動部材61´をロック位置又は解除位置に移動させれば、自動的に当該位置に保持できるので、操作が煩雑とならない。加えて、構造が簡単且つコンパクトであり、部品点数を少なくすることができる。
本変形形態でも、第二の実施形態の回転バルブ111と同様に、ハンドル17のロック状態を確実に維持するために、ロック位置から解除位置への作動部材61´の移動を防止する移動防止部材を装着するための装着部を作動部材61´に形成するようにしてもよい。本変形形態では、装着部として、作動部材61´の操作部61´a近傍から側方に突出した延出部分に、移動防止部材としての南京錠を装着するための装着穴80´aが設けられている。作動部材61´がロック位置にあるときに装着穴80´aはハンドル17に設けられた装着穴80´bと整列するようになっており、作動部材61´がロック位置にあるときに、作動部材61´の装着穴80´aとハンドルの装着穴80´bとに南京錠の掛け金部分を装着することにより、ハンドル17に対して回転軸線Oと垂直な方向に作動部材61´を移動させることができなくして、作動部材61´がロック位置から解除位置へ移動することを確実に防止することができる。
次に、図21及び図22を参照して、本変形形態の回転バルブ111´のロック機構及び移動抑制機構の動作を説明する。図21は、説明のために、バルブ本体13を省略した状態で、ハンドル17及び作動部材61´をバルブ本体13側から見た図であり、図22は、説明のためにハンドル17を切断した状態で、回転バルブ111´を上方から見た図である。
変形形態の回転バルブ111´のロック機構の動作は、第二の実施形態の回転バルブ111のロック機構の動作と同様である。すなわち、作動部材61´の操作部61´aに外力を付与して、作動部材61´の係合部63´が環状部材65の被係合部67から離間し、係合していない解除位置から、図21(a)に示されているように、係合部63´を環状部材65へ接近させる方向に案内機構に従ってロック位置へ作動部材61´を移動させると、ハンドル17に接続される作動部材61´の係合部63´は、バルブ本体13のボンネット21に取り付けられた環状部材65の外周部に設けられた被係合部67に係合される。これにより、ハンドル17がロックされて、バルブ本体13に対するハンドル17の回転が防止され、回転バルブ111´の全開状態若しくは全閉状態又は所定の開度が保持される。環状部材65がバルブ本体13に対してハンドル17の回転軸線O周りの回転を制限しつつ回転軸線O周りに所定範囲で僅かに回転することができるようにバルブ本体13のボンネット21のカラー部21bに取り付けられていれば、ハンドル17の回転の影響で作動部材61´の係合部63´の爪63´aと環状部材65の被係合部67の歯列67aの歯溝との噛み合いがズレていても、環状部材65がハンドル17の回転軸線O周りに回転して係合部63´の爪63´aが被係合部67の歯列67aの歯溝内に噛み合うようにできる。さらに、作動部材61´の操作部61´aに外力を付与して、作動部材61´の係合部63´が環状部材65の被係合部67に係合しているロック位置から、図21(b)に示されているように、係合部63´を環状部材65から離間させる方向に案内機構に従って解除位置へ作動部材61´を移動させると、ハンドル17に接続される作動部材61´の係合部63´は、バルブ本体13のボンネット21のカラー部21bに取り付けられた環状部材65の被係合部67との係合を解除される。これにより、ハンドル17のロックが解除されて、バルブ本体13に対してハンドル17を自由に回転させ、回転バルブ111´の開閉又は開度の調整を行うことができるようになる。
変形形態の回転バルブ111´の移動抑制機構の動作は、第二の実施形態の回転バルブ111の移動抑制機構の動作と類似している。作動部材61´がロック位置に移動されているとき、ハンドル17のガイド体77´の突起部77´aは、図22(a)に示されているように、ハンドル17の回転軸線Oから遠い側に位置する作動部材61´のガイド壁75´の突出部収容部75´bに収容されている。ハンドル17の回転軸線Oに垂直な方向にロック位置から解除位置へ作動部材61´を移動させようとすると、乗り越え部としてのハンドル17のガイド体77´の突起部77´aが干渉部としてのガイド壁75´の接続部´cに干渉するため、作動部材61´のガイド壁75´の突起部収容部75´bからハンドル17のガイド体77´の突起部77´aを脱出させる向きへのハンドル17の回転軸線Oに垂直な方向の作動部材61´の移動が妨げられて、作動部材61´に外力を付与する必要なしに作動部材61´をロック位置に保持し、意図せずに、作動部材61´がロック位置から解除位置へ移動することを防止することができる。したがって、ハンドル17のロック状態を維持するために作動部材61´をロック位置に付勢する必要もない。
この状態から、作動部材61´の操作部61´aに外力を付与して、係合部63´を環状部材65から離間させる方向に移動させようとすると、作動部材61´に付与された外力の作用により乗り越え部としてのハンドル17のガイド体77´の突起部77´aが干渉部としての作動部材61´のガイド壁75´の接続部75´cを乗り越えることが可能となる。これにより、図22(b)に示されているように、ハンドル17の回転軸線Oに接近させる方向に図中下方へ作動部材61´を移動させて、ハンドル17のガイド体77´の突起部77´aをハンドル17の回転軸線Oに近い側の作動部材61´のガイド壁75´の突起部収容部75´aに収容させ、作動部材61´を解除位置へ移動させることができる。この状態から作動部材61´を再びロック位置へ移動させようとすると、乗り越え部としてのガイド体77´の突起部77´aが干渉部としてのガイド壁75´の接続部75´cに干渉するため、作動部材61´のガイド壁75´の突起部収容部75´aからハンドル17のガイド体77´の突起部77´aを脱出させる向きへのハンドル17の回転軸線Oに垂直な方向の作動部材61´の移動が妨げられて、作動部材61´に外力を付与する必要なしに作動部材61´を解除位置に保持し、意図せずに、作動部材61´が解除位置からロック位置へ移動することを防止することができる。したがって、操作者が作動部材61´を解除位置に維持するために作動部材61´に外力を付与する必要がなく、ハンドル17の操作が容易となる。また、ハンドル17の回転軸線Oと垂直な方向にロック位置から解除位置まで作動部材61´を移動させるだけで、ハンドル17のロック解除状態を維持できるようになるので、ロック解除状態の維持のための操作も簡単となる。
ハンドル17の回転軸線Oと垂直な方向に作動部材61´を解除位置からロック位置へ移動させるときも同様であり、解除位置からロック位置まで作動部材61´を移動させるだけで、ハンドル17のロック状態を維持できるようになるので、ロック状態の維持のための操作も簡単となる。
次に、図23から図30を参照して、本発明による第三の実施形態の回転バルブ211を説明する。図23から図30では、図1から図10に示されている第一の実施形態の回転バルブ11や図11から図17に示されている第二の実施形態の回転バルブ111と共通する構成要素に同じ参照符号を付している。
第三の実施形態の回転バルブ211は、他の実施形態の回転バルブ11,111と同様に、バルブ本体13と、ステム15と、ハンドル17と、ロック機構と、案内機構と、移動抑制機構とを備えている。図23及び図24に示されているように、第三の実施形態の回転バルブ211のバルブ本体13及びステム15は第一の実施形態及び第二の実施形態の回転バルブ11,111のものと共通であり、ハンドル17も基本的な構造は第一の実施形態及び第二の実施形態の回転バルブ11,111のものと同じとなっている。一方、第三の実施形態の回転バルブ211のロック機構、案内機構及び移動抑制機構は、第一の実施形態及び第二の実施形態の回転バルブ11,111のものと異なっている。したがって、以下では、第一の実施形態及び第二の実施形態の回転バルブ11,111と異なるロック機構、案内機構及び移動抑制機構について主に説明し、バルブ本体13、ステム15及びハンドル17についての基本的な構造についての説明は省略する。
第三の実施形態の回転バルブ211において、ハンドル17のロック及びロック解除を行い、ロック状態時にバルブ本体13に対するハンドル17の回転を防止するためのロック機構は、第一の実施形態や第二の実施形態の回転バルブ11,111のロック機構と同様に、係合部83を有した作動部材81と、係合部83と係合する被係合部87とを有した環状部材85とによって構成されている。
第三の実施形態の回転バルブ211の環状部材85は、図27に示されているように、複数の歯からなる歯列87aを有した被係合部87が外周面の全体にわたって設けられている歯車状部材である点において、第一の実施形態の回転バルブ11の環状部材35や第二の実施形態の回転バルブ111の環状部材65と類似しており、各歯が対称的な形状である点において、第二の実施形態の回転バルブ111の環状部材65と類似している。また、歯の形状以外の構造は、第一の実施形態の回転バルブ11の環状部材35及び第二の実施形態の回転バルブ111の環状部材65と同様である。例えば、環状部材85の中央穴89は、バルブ本体13側に配置されるバルブ本体側部分89aと、ハンドル17側に配置されるハンドル側部分89bと、バルブ本体側部分89aとハンドル側部分89bとの間に位置する円筒形状の中間部分89cとを含んでおり、それぞれ、第一の実施形態の回転バルブ11の環状部材35の中央穴39のバルブ本体側部分39a、ハンドル側部分39b、中間部分39cと同じ構造を有しており、環状部材85は、バルブ本体13に対する環状部材85の回転を制限するようにバルブ本体13のボンネット21のカラー部21bの外周に取り付けられている。一方、環状部材85は、環状部材85がバルブ本体13に対してハンドル17の回転軸線O周りの回転を制限しつつ回転軸線O周りに所定範囲で僅かに回転することができるようにバルブ本体13のボンネット21のカラー部21bに取り付けられている場合には、図27(b)に示されているように、環状部材85の歯列87aの各歯の両辺の傾斜面をハンドル17側へ向かって先細りとなるようにテーパ状に形成することが好ましい点において、第一の実施形態の回転バルブ11の環状部材35や第二の実施形態の回転バルブ111の環状部材65と異なっている。
また、第一の実施形態の回転バルブ11のロック機構の作動部材31がハンドル17の底部(環状部材35に面する側)に回動可能に接続され、ハンドル17に対して作動部材31を回動させることにより係合部33を環状部材35の被係合部37に係合及び係合解除させるようになっており、第二の実施形態の回転バルブ111のロック機構の作動部材61がハンドル17の底部(環状部材65に面する側)にハンドル17の回転軸線Oに対して垂直な方向に移動可能に接続され、ハンドル17の回転軸線Oに対して垂直な方向に作動部材65を移動させることにより係合部63を環状部材65の被係合部67に係合及び係合解除させることになっているのに対して、第三の実施形態の回転バルブ211のロック機構の作動部材81は、ハンドル17の底部(環状部材85に面する側)にハンドル17の回転軸線Oと平行に移動可能に接続されている点において、第一の実施形態及び第二の実施形態の回転バルブ11,111のロック機構と異なっている。
作動部材81は、ハンドル17の底部(環状部材85に面する側)に配置され、図26に示されているように、ハンドル17の回転軸線Oと概略垂直な方向に延びる水平板部分81aとハンドル17の回転軸線Oと概略平行にハンドル17側へ向かって延びる垂直板部分81bとを含む断面L字形状を有している。垂直板部分81bには、ハンドル17の回転軸線Oと平行に延びるガイド溝91が設けられている。図示されている実施形態では、ガイド溝91が、正面から見たときに概略L形状に見える側の垂直板部分81bの両側面にそれぞれ設けられている。ハンドル17には、回転軸線Oから偏倚した位置に、作動部材81の垂直板部分81bを挿入するための挿入孔93が設けられており、挿入孔93の周面における作動部材81のガイド溝91に対応する位置にハンドル17の回転軸線Oと平行に突出して延びるガイドレール部95が設けられている。作動部材81の垂直板部分81bのガイド溝91に、挿入孔93の周面に形成されるガイドレール部95を係合させた状態で、垂直板部分81bを挿入孔93に挿入することにより、作動部材81が回転軸線Oと垂直な方向に移動可能にハンドル17に接続される。なお、ハンドル17に作動部材81を接続した状態では、作動部材81の水平板部分81aの先端部がハンドル17の外周縁から外方に突出した状態となる。
さらに、垂直板部分81bのハンドル17の回転軸線Oに近い側に配置される水平板部分81aの底部には、環状部材85に面するように係合部83が設けられており、操作者が作動部材81の水平板部分81aに外力を付与することによってハンドル17に対して回転軸線Oと平行な方向に作動部材81を移動させて、作動部材81の係合部83を環状部材85に設けられた被係合部87に係合させたり、係合を解除させたりすることができる。なお、作動部材81の垂直板部分81bのガイド溝91の長さは、環状部材85の被係合部87に対する作動部材81の係合部83の係合及び係合解除のための移動を可能とさせるように定められる。
係合部83は、図26(b)及び(c)に示されているように、環状部材85の外周部に設けられた被係合部87の歯車状の歯列87aの歯溝に噛合可能となるように配置された複数の爪83aを有していることが好ましい。このように係合部83が複数の爪83aを有していることにより、係合部83と被係合部87とによるロックがより確実となる。しかしながら、係合部83は一つの爪83aのみを有していてもよい。また、環状部材85がバルブ本体13に対してハンドル17の回転軸線O周りの回転を制限しつつ回転軸線O周りに所定範囲で僅かに回転することができるようにバルブ本体13のボンネット21のカラー部21bに取り付けられている場合には、図26(b)及び(c)に示されているように、作動部材81の係合部83の各爪83aの両辺の傾斜面を環状部材85側へ向かって先細りとなるようにテーパ状に形成すると共に、図27(b)に示されているように、環状部材85の被係合部87の各歯の両辺の傾斜面をハンドル17側へ向かって先細りとなるようにテーパ状に形成することが好ましい。これにより、作動部材81の係合部83の爪83aと環状部材85の被係合部87の歯列87aの歯溝の噛み合いがズレていても、テーパ状に先細になった作動部材81の係合部83の爪83aの側面(環状部材85側の爪83aの面)の先端とテーパ状に先細になった環状部材85の被係合部87の歯列87aの歯の側面(作動部材81側の歯の面)の当接により環状部材85がハンドル17の回転軸線O周りに回転して係合部83の爪83aが被係合部87の歯列87aの歯溝内に噛み合うようにすることができる。
このような構成のロック機構によれば、回転軸線Oと平行な方向に係合部83を環状部材85へ接近させるように、ハンドル17に接続された作動部材81の係合部83がバルブ本体13にハンドル17の回転軸線O周りの回転を制限されるように取り付けられた環状部材85の被係合部87に係合するロック位置まで作動部材81を移動させることにより、ハンドル17をロックし、バルブ本体13に対するハンドル17の回転を防止することができる。また、ハンドル17の回転軸線Oと平行な方向に係合部83を環状部材85の被係合部87から離間させるように、作動部材81の係合部83が環状部材85の被係合部87との係合を解除する解除位置まで作動部材81を移動させることにより、ハンドル17のロックを解除し、バルブ本体13に対するハンドル17の回転を許容できるようになる。
ハンドル17に対する作動部材81の移動を案内するための案内機構は、本実施形態では、ハンドル17の挿入孔93の周面に突出して設けられたガイドレール部95と、作動部材81の垂直板部分81bに設けられたガイド溝91とによって構成されており、ガイドレール部95及びガイド溝91の長さは、作動部材81がロック位置と解除位置との間で移動することができるように定められる。作動部材81のガイド溝91内に挿入孔93のガイドレール部95を係合させ、挿入孔93のガイドレール部95に沿って作動部材81を移動させることにより、作動部材81の移動がハンドル17の回転軸線Oと平行な方向に案内される。
なお、案内機構は、ハンドル17の回転軸線Oと平行な方向に作動部材81を案内することができれば、他の機構を採用することが可能である。図示されている実施形態では、ガイドレール部95をハンドル17の挿入孔93の周面に設け、ガイド溝91を作動部材81の垂直板部分81bの側面に設けているが、例えば、ガイドレール部95を垂直板部分81bの側面に設け、ガイド溝91をハンドル17の挿入孔93の周面に設けるようにしてもよい。
作動部材81がロック位置と解除位置との間で移動するのを抑制するための移動抑制機構は、第一の実施形態の回転バルブ11の移動抑制機構及び第二の実施形態の回転バルブ111の移動抑制機構と同様に、乗り越え部と、乗り越え部と干渉する干渉部とによって構成されている。本実施形態では、図26(a)に示されているように、作動部材81の垂直板部分81bの回転軸線O側へ向いた面に突起部97が設けられていると共に、図28に示されているように、ハンドル27の挿入孔93の回転軸線O側の側面93aが上向き傾斜面(環状部材85へ向けて挿入孔93が小さくなるように設けられた傾斜面)として形成され、挿入孔93の回転軸線O側の側面(以下、傾斜面と記載する。)93aの下端(環状部材85側の端部)が内方へ突出した形態となっており、作動部材81の突起部97が乗り越え部として機能し、内方へ突出する挿入孔93の傾斜面93a及びその下端が干渉部として機能している。作動部材81の垂直板部分81bに設けられた突起部97は、作動部材81が環状部材85へ向かって下降させられて係合部83が環状部材85の被係合部87に係合しているロック位置から係合部83が環状部材85の被係合部87との係合を解除する解除位置へ環状部材85から離間させるように作動部材81を上昇させるときに挿入孔93の傾斜面93aの下端に干渉し、また、解除位置からロック位置へ環状部材85へ接近させるように作動部材81を下降させるときに挿入孔93の傾斜面93aに干渉する一方、作動部材81の水平板部分81aに外力を付与することにより突出部97又は傾斜面93aを変形させて突出部97が傾斜面93aの下端を乗り越えていくことができるようになっている。
このような構成の移動抑制機構によれば、ロック位置から解除位置へ及び解除位置からロック位置へ作動部材81を移動させるときに、乗り越え部が干渉部に干渉して、作動部材81の移動が妨げられ、ロック位置又は解除位置に保持される。また、ロック位置と解除位置との間の移動の際に抵抗があり、乗り越え時に音が発せられるので、ロック位置と解除位置の切り換えを体感的に確認することができ、誤操作を防止することができる。さらに、作動部材81をロック位置又は解除位置に移動させれば、自動的に当該位置を保持できるので、操作が煩雑とならない。加えて、構造が簡単且つコンパクトであり、部品点数を少なくすることができる。
本実施形態でも、第一の実施形態及び第二の実施形態の回転バルブ11,111と同様に、ハンドル17のロック状態を確実に維持するために、ロック位置から解除位置への作動部材81の移動を防止する移動防止部材を装着するための装着部を作動部材81に形成してもよい。本実施形態では、装着部として、ハンドル17の外周縁部よりも内側の下方に位置する作動部材81の水平板部分81aに、移動防止部材としての南京錠53の掛け金を係合させるための切欠き部98が設けられている。さらに、ハンドル17へ向かって延びる移動止め部99を切欠き部98に隣接して設けてもよい。作動部材81がロック位置にあるときに切欠き部98に南京錠53の掛け金部分を係合させて南京錠53を作動部材81に装着することにより、南京錠53の掛け金部分がハンドル17の底部に当接し、ハンドル17の回転軸線Oと平行な方向にハンドル17へ向かって作動部材81を移動させることができなくして、作動部材81がロック位置から解除位置へ移動することを確実に防止することができる。また、移動止め部99が設けられていれば、南京錠53の掛け金部分が切欠き部98から脱落してハンドル17の外周縁部よりも外側へ移動してしまうことを防止することができる。
次に、図28及び図29を参照して、本実施形態の回転バルブ211のロック機構及び移動抑制機構の動作について説明する。図28及び図29は、説明のために、ハンドル17、作動部材81、環状部材85の一部を破断して断面で示した図である。
最初に、ロック機構の動作について説明する。
作動部材81が環状部材85から離間する方向に上昇して解除位置に移動し、作動部材81の係合部83が環状部材85の被係合部87から離間し、係合していない状態では、バルブ本体13に対してハンドル17を自由に回転させることができ、回転バルブ211の開閉又は開度の調整を行うことができる。
ハンドル17の外周縁部から外方へ突出した作動部材81の水平板部分81aに外力を付与して、作動部材81の係合部83が環状部材85の被係合部87から離間している解除位置から、図28に示されているように、係合部83を環状部材85へ接近させる方向に案内機構に従ってロック位置へ作動部材81を下降させると、ハンドル17に接続される作動部材81の係合部83は、バルブ本体13のボンネット21に取り付けられた環状部材85の外周部に設けられた被係合部87に係合される。これにより、ハンドル17がロックされて、バルブ本体13に対するハンドル17の回転が防止され、回転バルブ211の全開状態若しくは全閉状態又は所定の開度が保持される。
環状部材81がバルブ本体13に対してハンドル17の回転軸線O周りの回転を制限しつつ回転軸線O周りに所定範囲で僅かに回転することができるようにバルブ本体13のボンネット21のカラー部21bに取り付けられていれば、ハンドル17の回転の影響で作動部材81の係合部83の爪83aと環状部材85の被係合部87の歯列87aの歯溝の噛み合いがズレていても、環状部材85がハンドル17の回転軸線O周りに回転して係合部83の爪83aが被係合部87の歯列87aの歯溝内に噛み合うようにできる。
さらに、ハンドル17の外周縁部から外方へ突出した作動部材81の水平板部分81aに外力を付与して、作動部材81の係合部83が環状部材85の被係合部87に係合しているロック位置から、図29に示されているように、係合部83を環状部材85から離間させる方向に案内機構に従って解除位置へ作動部材81を上昇させると、ハンドル17に接続される作動部材81の係合部83は、バルブ本体13のボンネット21のカラー部21bに取り付けられた環状部材85の被係合部87との係合を解除される。これにより、ハンドル17のロックが解除されて、再びバルブ本体13に対してハンドル17を自由に回転させることができるようになる。
次に、移動抑制機構について説明する。
作動部材81がロック位置に移動されているとき、作動部材81の垂直板部分81bの突出部97は、図28に示されているように、挿入孔93の傾斜面93aの下端よりも図中下方(環状部材85に近い側)に位置しており、作動部材81の係合部83の爪83aが環状部材85の被係合部87の歯列87aの歯溝に上方から噛合し、係合部83が被係合部87に乗った状態となっている。ハンドル17の回転軸線Oに平行な方向にロック位置から解除位置へ作動部材81を上昇させようとすると、乗り越え部としての作動部材81の垂直板部分81bの突出部97が干渉部としてのハンドル17の挿入孔93の傾斜面93aの下端に干渉するため、垂直板部分81bを挿入孔93に挿入する向きへのハンドル17の回転軸線Oと平行な方向の作動部材81の移動が妨げられて、作動部材81に外力を付与する必要なしに作動部材81をロック位置に保持し、意図せずに、作動部材81がロック位置から解除位置へ移動することを防止することができる。したがって、ハンドル17のロック状態を維持するために作動部材81をロック位置に付勢する必要もない。
この状態から、ハンドル17の外周縁から外方へ突出した水平板部分81aに外力を付与して、作動部材81の係合部83を環状部材85の被係合部87から離間させる方向に作動部材81を上昇させようとすると、作動部材81に付与された外力の作用により乗り越え部としての垂直板部分81bの突出部97が干渉部としての挿入孔93の傾斜面93aの下端を乗り越えることが可能となる。これにより、図29に示されているように、作動部材81の垂直板部分81bの突出部97を挿入孔93内の上向き傾斜面93aよりも上方まで上昇させ、作動部材81を解除位置へ移動させることができる。この状態から作動部材81を再びロック位置へ下降させようとすると、乗り越え部としての作動部材81の垂直板部分81bの突出部97が干渉部としてのハンドル17の挿入孔93の上向き傾斜面93aに干渉するため、垂直板部分81bの突出部97が挿入孔93の上向き傾斜面93aの下端を越えて作動部材81に接近する向きへのハンドル17の回転軸線Oと平行な方向の作動部材81の移動が妨げられて、作動部材81に外力を付与する必要なしに作動部材81を解除位置に保持し、意図せずに、作動部材81が解除位置からロック位置へ移動することを防止することができる。したがって、操作者が作動部材81を解除位置に維持するために作動部材81に外力を付与する必要がなく、ハンドル17の操作が容易となる。また、ハンドル17の回転軸線Oと平行な方向にロック位置から解除位置まで作動部材81を移動させるだけで、ハンドル17のロック解除状態を維持できるようになるので、ロック解除状態の維持のための操作も簡単となる。
ハンドル17の回転軸線Oと平行な方向に作動部材81を解除位置からロック位置へ下方に移動させるときも同様であり、解除位置からロック位置まで作動部材81を下方に移動させるだけで、ハンドル17のロック状態を維持できるようになるので、ロック状態の維持のための操作も簡単となる。
以上、図示されている実施形態を参照して、本発明による回転バルブ11,111,111´,211を説明したが、本発明は図示されている実施形態に限定されるものではない。例えば、図示されている実施形態では、環状部材35,65,85の全周にわたって歯車状の複数の歯からなる歯列(凹凸部)が形成されているが、歯列は、外周面の一部に離間して設けられていてもよい。例えば、開閉のみができればよい回転バルブでは、図30(a)に示されているように、全開位置及び全閉位置までハンドルを回転させた状態で作動部材の係合部が係合する2箇所の位置の近傍のみに歯又は切欠きを環状部材の外周面に形成するようにしてもよい。また、図30(b)に示されているように、離間した複数の位置に複数の歯を形成するようにしてもよい。