JP6709120B2 - 打撃工具 - Google Patents

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Description

本発明は、先端工具を所定の打撃軸方向に直線状に駆動するように構成された打撃工具に関する。
先端工具を所定の打撃軸方向に直線状に駆動することで、被加工物に対してハツリ作業を行う打撃工具が知られている。かかる打撃工具では、先端工具が被加工物に押し付けられていない状態(いわゆる無負荷状態)で打撃軸方向に駆動されることを防止するためのクラッチ機構が設けられる場合がある。例えば、特許文献1には、駆動モータと、駆動モータの回転出力を直線運動に変換し、打撃要素を介して先端工具に伝達する運動変換機構とを備えたハンマドリルが開示されている。このハンマドリルでは、ハンマ動作に関し、先端工具が被加工物に押し付けられた状態(いわゆる負荷状態)では、噛み合いクラッチが係合され、運動変換機構が駆動されるため、先端工具に動力が伝達される。一方、無負荷状態では、クラッチの係合が解除されることで、運動変換機構における動力の伝達が遮断される。よって、無負荷状態では先端工具は駆動されない。
特開2006−181664号公報
上記の打撃工具では、先端工具が被加工物に押し付けられ、クラッチが係合解除状態から係合状態に移行するとき、回転しているクラッチ歯と回転していないクラッチ歯とが急に噛み合わされるため、クラッチ歯に大きな負荷がかかる。よって、係合解除状態から係合状態への移行時のクラッチ機構の負担軽減については、一層の改善が望まれている。
本発明は、打撃工具におけるクラッチ機構に関する改良技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、先端工具を所定の打撃軸方向に直線状に駆動するように構成された打撃工具が提供される。この打撃工具は、工具本体と、ツールホルダと、筒状部材と、往復動部材と、モータと、第一回転体と、第二回転体と、揺動部材と、複数のクラッチ機構とを備えている。
ツールホルダは、工具本体の先端領域に配置され、先端工具を打撃軸方向に相対移動可能に保持するよう構成されている。筒状部材は、ツールホルダに連結されている。往復動部材は、筒状部材の内部に打撃軸方向に往復移動可能に配置され、先端工具を打撃軸方向に駆動するように構成されている。第一回転体は、モータによって、打撃軸に平行な回転軸周りに回転駆動されるように構成されている。第二回転体は、第一回転体と同軸状に回転可能に配置されている。揺動部材は、第二回転体の回転に応じて揺動することで、往復動部材を打撃軸方向に往復移動させるように構成されている。複数のクラッチ機構は、モータから揺動部材へ至る動力の伝達経路において、第一回転体と第二回転体との間に配置され、夫々が第一回転体の回転を第二回転体に伝達可能に構成されている。
ツールホルダおよび筒状部材は、先端工具を介してツールホルダに付与される押圧力に応じて、打撃軸方向において、先端領域に近接した先端位置と、先端位置よりも先端領域から離間した離間位置との間で工具本体に対して一体的に相対移動可能な移動ユニットとして構成されている。複数のクラッチ機構は、夫々、移動ユニットが先端位置から離間位置へ移動する間に伝達を開始し、移動ユニットが離間位置から先端位置へ移動する間に伝達を遮断するように構成されている。
上記打撃工具では、モータから揺動部材に至る動力の伝達経路において、第一回転体と第二回転体との間には、複数のクラッチ機構が配置されている。第一回転体から第二回転体への回転の伝達は、移動ユニット(ツールホルダおよび筒状部材)が先端位置から離間位置へ移動する間に複数のクラッチ機構によって開始される。よって、伝達のためにかかる負荷を複数のクラッチ機構に分散させることができる。
なお、上記態様に係る打撃工具において、複数のクラッチ機構が伝達を開始するタイミング、および複数のクラッチ機構が伝達を遮断するタイミングは、何れも、同時であってもよいし、異なっていてもよい。
また、上記態様に係る打撃工具は、先端工具を所定の打撃軸方向に直線状に駆動する打撃動作のみを行うように構成された打撃工具、または、先端工具を所定の打撃軸方向に直線状に駆動しながら打撃軸周りに回転駆動するハンマドリル動作を行うように構成された打撃工具として実現することができる。更に、上記態様に係る打撃工具は、打撃動作、ハンマドリル動作、および先端工具を打撃軸周りに回転駆動するドリル動作の3つの動作のうち何れかを選択的に遂行可能な打撃工具として実現することができる。
本発明に係る打撃工具の一態様として、複数のクラッチ機構は、第一クラッチ機構と第二クラッチ機構とを含んでもよい。移動ユニットは、打撃軸方向において、先端位置と離間位置の間にある中間位置を経て、先端位置と離間位置の間を相対移動可能であってもよい。第一クラッチ機構は、移動ユニットが先端位置から中間位置へ移動する間に伝達を開始し、且つ、移動ユニットが中間位置から先端位置へ移動する間に伝達を遮断するように構成されていてもよい。そして、第二クラッチ機構は、移動ユニットが中間位置から離間位置へ移動する間に伝達を開始し、且つ、移動ユニットが離間位置から中間位置へ移動する間に伝達を遮断するように構成されていてもよい。
かかる態様によれば、第一クラッチ機構と第二クラッチ機構が伝達を開始または遮断するタイミングが異なるため、後で伝達を開始し、先に伝達を遮断する第二クラッチ機構の負荷を、第一クラッチ機構の負荷よりも小さくすることができる。
本発明に係る打撃工具の一態様として、第一クラッチ機構は、摩擦係合によって伝達を行うように構成された摩擦クラッチ機構として構成される一方、第二クラッチ機構は、噛合い係合によって伝達を行うように構成された噛み合いクラッチ機構として構成されていてもよい。かかる態様によれば、先に伝達を開始する摩擦クラッチ機構によって、衝撃を抑えつつ滑らかに係合状態を確立して第一回転体と第二回転体の回転速度を同期させ、その後、噛合いクラッチ機構によって確実な係合状態を確立することができる。
本発明に係る打撃工具の一態様として、摩擦クラッチ機構は、第一係合部と第二係合部とを備えていてもよい。第一係合部は、第一回転体と一体的に回転軸周りに回転するように構成されており、第一摩擦面を有する。第二係合部は、第二回転体と一体的に回転軸周りに回転するように構成されており、第一摩擦面と摩擦係合可能な第二摩擦面を有する。第一係合部および第二係合部は、移動ユニットの移動に伴って、回転軸に沿って第一摩擦面と第二摩擦面とが互いに接触する方向および互いに離間する方向に相対移動可能に構成されていてもよい。かかる態様によれば、第一係合部と第二係合部は、移動ユニットの移動に伴って回転軸に沿って相対移動するため、移動ユニットの移動に応じて滑らかに係合状態を確立することができる。
本発明に係る打撃工具の一態様として、摩擦クラッチ機構は、第一係合部および第二係合部の少なくとも一方を、第一摩擦面と第二摩擦面とが互いに接触する方向に付勢するように構成された付勢部を更に備えていてもよい。そして、付勢部の付勢力は、第一摩擦面と第二摩擦面とが接触した状態で移動ユニットが離間位置に向けて移動するにつれて、第一摩擦面と第二摩擦面の間の摩擦力を増大させてもよい。かかる態様によれば、付勢部によって、第一摩擦面と第二摩擦面が接触するときの衝撃を緩和できる。また、移動ユニットが離間位置に向けて移動するにつれて第一摩擦面と第二摩擦面の間の摩擦力が増大するため、より滑らかに第一摩擦面と第二摩擦面の係合状態を確立することができる。
本発明に係る打撃工具の一態様として、摩擦クラッチ機構は、回転軸に対して傾斜したテーパ面の摩擦係合によって伝達を行うように構成されていてもよい。かかる態様によれば、テーパ面として形成された摩擦面の楔効果によって、比較的小さな回転軸方向の力で摩擦面同士を強く押し付け合い、確実に伝達を行うことができる。
本発明に係る打撃工具の一態様として、摩擦クラッチ機構は、夫々が摩擦面を有する複数のプレートを備えた多板クラッチ機構として構成されていてもよい。かかる態様によれば、単板クラッチ機構に比べ、個々のプレートにかかる摩擦力等の応力が低減されるため、クラッチ機構の長寿命化を図ることができる。また、単板クラッチ機構に比べ、径方向の大きさに対して比較的大きなトルクを得ることができる。
最前方位置に配置されているときの第一実施形態に係るハンマドリルの縦断面図である。 図1のギアハウジング部分の拡大図である。 図1の第一クラッチ機構および第二クラッチ機構とその周辺領域の拡大図である。 図1の第一クラッチ機構の第一係合部および第二係合部の拡大図である。 中間位置に配置されているときのハンマドリルの縦断面図である。 図5の第一クラッチ機構の第一係合部および第二係合部の拡大図である。 最後方位置に配置されているときのハンマドリルの縦断面図である。 最前方位置に配置されているときの第二実施形態に係るハンマドリルの縦断面図である。 図8の第一クラッチ機構および第二クラッチ機構とその周辺領域の拡大図である。 図8の第一クラッチ機構の第一係合部および第二係合部の拡大図である。 最前方位置に配置されているときの第三実施形態に係るハンマドリルの縦断面図である。 図11の第一クラッチ機構および第二クラッチ機構とその周辺領域の拡大図である。 図11の第一クラッチ機構の第一係合部および第二係合部の拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、先端工具を所定の打撃軸方向に直線状に駆動するように構成された打撃工具として、電動式のハンマドリルを例示する。
[第一実施形態]
以下、図1〜図7を参照して、第一実施形態に係るハンマドリル1について説明する。
まず、図1を参照して、ハンマドリル1の全体構成について簡単に説明する。図1に示すように、ハンマドリル1は、本体部10と、ハンドル17とを備えている。本体部10は長尺状に形成されている。本体部10の長軸方向における一端部は、概ね円筒状に形成されている。この円筒状の部位をバレル部113という。バレル部113内には、先端工具19を着脱可能に構成されたツールホルダ13が設けられている。本体部10の長軸方向における他端部からは、本体部10の長軸方向に交差する方向に、作業者によって把持されるハンドル17が延びている。
本実施形態のハンマドリル1は、先端工具19を所定の打撃軸A1に沿って直線状に駆動させる動作(打撃動作)や、先端工具19を打撃軸A1線周りに回転駆動させる動作(ドリル動作)を行うように構成されている。作業者は、実際に行う加工作業に応じて、適切な種類および長さの先端工具19(ハンマビット、ドリルビット等)を選択し、先端工具19の長軸と打撃軸A1とが一致するようにツールホルダ13に先端工具19を装着する。なお、本実施形態のハンマドリル1では、打撃軸A1は、本体部10の長軸方向に延在する。
以下、ハンマドリル1の詳細構成について順に説明する。なお、以下の説明では、便宜上、本体部10の長軸方向(打撃軸A1方向、または先端工具19の長軸方向とも言い換えられる)をハンマドリル1の前後方向と規定し、ツールホルダ13(バレル部113)が設けられている側をハンマドリル1の前側(先端領域側ともいう)、ハンドル17が接続されている側を後側と規定する。また、本体部10の長軸方向に直交し、ハンドル17の延在方向に対応する方向を上下方向と規定し、ハンドル17が本体部10と接続されている側を上側、ハンドル17の先端(自由端)が配置される側を下側と規定する。
図1〜図4参照して、本体部10について説明する。本体部10は、主に、本体ハウジング11と、モータ20と、運動変換機構3と、第一クラッチ機構41と、第二クラッチ機構45と、打撃要素5と、回転伝達機構7とから構成されている。
図1に示すように、本体ハウジング11は、本体部10の外郭を形成する中空状のハウジングである。本実施形態では、本体ハウジング11は、本体ハウジング11の後側部分を形成するモータハウジング110と、本体ハウジング11の前側部分を形成するギアハウジング112とを主体として構成されている。モータハウジング110とギアハウジング112とは、ネジ等によって固定状に連結されることで本体ハウジング11を形成している。
モータハウジング110には、モータ20が収容されている。本実施形態では、先端工具19の駆動源として機能するモータ20として、交流モータが採用されている。但し、モータ20は、ブラシ付きの直流モータやブラシレスモータに変更されてもよい。モータ20は、モータ20の出力シャフト21の回転軸が打撃軸A1と平行となるように(つまり前後方向に延在するように)、ネジ等の固定手段によってモータハウジング110に固定されている。
出力シャフト21は、前端部および後端部において、夫々、前側ベアリング221および後側ベアリング222によって回転可能に保持されている。前側ベアリング221は、後述の後部支持体115に保持されており、後側ベアリング222は、モータハウジング110に保持されている。モータ20と前側ベアリング221の間には、ファン23が配置されている。ファン23は、出力シャフト21に固定されており、出力シャフト21と共に回転することでモータ20を冷却するように構成されている。出力シャフト21は、前側ベアリング221から前方へ延在してギアハウジング112内に突出する先端部を有する。先端部の外周部には、第一駆動ギア25が形成されている。
ギアハウジング112には、運動変換機構3と、打撃要素5と、回転伝達機構7と、第一クラッチ機構41と、第二クラッチ機構45とが収容されている。モータ20の回転出力(動力)は、第一駆動ギア25を介して運動変換機構3および回転伝達機構7に伝達される。運動変換機構3は、出力シャフト21の回転運動を直線運動に変換して打撃要素5に伝達する。打撃要素5は、ツールホルダ13に保持された先端工具19を打撃することで、打撃軸A1方向に直線状に駆動する。回転伝達機構7は、出力シャフト21の回転運動を、適宜減速させた上でツールホルダ13に伝達することで、先端工具19を打撃軸A1周りに回転駆動する。
本実施形態のハンマドリル1は、本体部10下部に設けられたモードチェンジレバー(図示せず)の操作により、ハンマドリルモード、ハンマモード、ドリルモードの3つのモードのうち何れかを選択可能に構成されている。ハンマドリルモードは、運動変換機構3および回転伝達機構7が駆動されることで、打撃動作およびドリル動作が行われるモードである。ハンマモードは、回転伝達機構7における動力の伝達が遮断され、運動変換機構3のみが駆動されることで、打撃動作のみが行われるモードである。ドリルモードは、運動変換機構3における動力の伝達が遮断され、回転伝達機構7のみが駆動されることで、ドリル動作のみが行われるモードである。
本実施形態では、更に、ハンマドリルモードおよびハンマモードが選択されている場合に、先端工具19を介してツールホルダ13に付与される押圧力に応じて、運動変換機構3における動力の伝達状態と伝達の遮断状態とが切替えられる。このために、打撃動作に関わる機構が本体ハウジング11に対して打撃軸A1方向(前後方向)に移動可能に構成されると共に、動力の伝達経路上に、第一クラッチ機構41および第二クラッチ機構45が設けられている。これらの構成を含むギアハウジング112の内部構造の詳細については後述する。
図1を参照して、ハンドル17について説明する。図1に示すように、ハンドル17は、ハンドル17の外郭を形成するハンドルハウジング171と、電源ケーブル172と、トリガ173とを備える。外部の交流電源に接続するための電源ケーブル172は、ハンドルハウジング171の下端部から延びている。トリガ173は、ハンドルハウジング171の前側上部に設けられている。作業者がトリガ173を引くことで、トリガ173に接続されたスイッチがONとされ、モータ20が通電されて駆動される。
以下、図1〜図4を参照して、ギアハウジング112の内部構造の詳細について、順に説明する。
図1および図2を参照して、ツールホルダ13とピストンスリーブ37について説明する。前述の通り、ツールホルダ13は、ギアハウジング112の前端部(先端領域ともいう)に形成されたバレル部113内に配置されている。ツールホルダ13は、先端工具19を打撃軸A1方向に移動可能に保持するように構成されている。本実施形態では、ツールホルダ13は、概ね円筒状に形成され、打撃軸A1方向に延在する挿入孔135を有する。ツールホルダ13は、挿入孔135に挿入された先端工具19を、ツールホルダ13に対して打撃軸A1方向に移動可能、且つ、打撃軸A1周りに回転不能な状態で保持する。ピストンスリーブ37は、概ね円筒状に形成され、打撃軸A1と同軸状に配置された筒状部材である。本実施形態では、ピストンスリーブ37は、前端部がツールホルダ13の後端部の外周に嵌合された状態で、ツールホルダ13に同軸状に連結されている。ピストンスリーブ37は、後述のピストンシリンダ35を内部に摺動可能に保持する。
また、ツールホルダ13およびピストンスリーブ37は、本体ハウジング11に対して打撃軸A1周りに一体的に回転可能に支持されている。具体的には、図2に示すように、ピストンスリーブ37の前端部(ツールホルダ13の後端部に重なる部分)は、後述のベアリングケース124に保持されたベアリング122によって回転可能に支持されている。後端部は、後述の打撃ユニット保持体120に保持されたベアリング123によって回転可能に支持されている。
図2を参照して、ギアハウジング112内部に設けられた支持構造について説明する。ギアハウジング112の内部には、後部支持体115と、中央部支持体116とが固定されている。
後部支持体115は、ギアハウジング112の後端部に配置されている。前述の通り、後部支持体115は、モータ20の出力シャフト21の前側ベアリング221を保持している。また、後部支持体115は、前側ベアリング221の下方において、後述の中間シャフト31の後端部を、後側ベアリング312を介して支持している。
中央部支持体116は、前後方向において、ギアハウジング112の略中央部内に設けられている。中央部支持体116と後部支持体115の間には、4本のガイドシャフト117が前後方向に延在している。各ガイドシャフト117の前端部は中央部支持体116に固定され、後端部は後部支持体115に固定されている。なお、4本のガイドシャフト117は、打撃軸A1に対して上方と下方に、夫々左右一対ずつ配置されているが、図2では、右側の2本のガイドシャフト117のみが図示されている。また、左右一対のガイドシャフト117は、打撃軸A1を含み、且つ上下方向に伸展する仮想平面に対して左右対称に配置されている。ガイドシャフト117は、後述の打撃ユニット6を前後方向に相対移動可能に支持している。この点については後で詳述する。
図2および図3を参照して、運動変換機構3について説明する。運動変換機構3は、出力シャフト21の回転運動をピストンシリンダ35の打撃軸A1方向の往復運動に変換するように構成されている。図2に示すように、本実施形態では、運動変換機構3は、中間シャフト31と、第一被動ギア32と、回転体33と、揺動部材34と、ピストンシリンダ35と、ピストンスリーブ37とを含む。
中間シャフト31は、ギアハウジング112内の下部領域に配置されている。中間シャフト31は、モータ20の出力シャフト21の回転軸と平行に(つまり、打撃軸A1と平行に)、前後方向に延在する。中間シャフト31は、前端部および後端部において、夫々、前側ベアリング311および後側ベアリング312によって回転可能に支持されている。前側ベアリング311は、ギアハウジング112の下前端部に保持されている。後側ベアリング312は、後部支持体115に保持されている。中間シャフト31の後端部には、中間シャフト31と一体的に回転する第一被動ギア32が固定されている。第一被動ギア32は、前方から後方に凹んだ環状の凹部321を有する。
第一被動ギア32の外周部には、ギア部320が形成されており、第一駆動ギア25に噛合している。よって、モータ20によって出力シャフト21が回転駆動されると、中間シャフト31も回転する。つまり、中間シャフト31は、モータ20によって、打撃軸A1に平行な回転軸A2周りに回転駆動されるように構成されている。
回転体33は、中間シャフト31と同軸状に配置されている。回転体33は、前端部においてベアリング331によって回転軸A2周りに回転可能に支持されている。ベアリング331は、後述の打撃ユニット保持体120(より詳細には下側保持部125)に保持されている。図3に示すように、本実施形態では、回転体33は、筒状に形成されており、回転軸A2に沿って回転体33を貫通する貫通孔335を有する。中間シャフト31は、回転体33と同軸状に、貫通孔335内に非接触状態で挿通されている。回転体33は、後述の揺動部材34を、回転体33に対して相対回転可能、且つ、揺動可能に支持する支持部333を有する。回転体33は、後述する第一クラッチ機構41および第二クラッチ機構45の少なくとも一方が伝達状態に置かれた場合に、中間シャフト31の回転が伝達されるように構成されている。この点については後で詳述する。
揺動部材34は、回転体33の回転に応じて搖動することで、後述のピストンシリンダ35を打撃軸A1方向(つまり前後方向)に往復移動するように構成されている。本実施形態では、揺動部材34は、回転体33が回転するのに伴って前後方向に揺動する。
ピストンシリンダ35は、有底円筒状に形成され、打撃軸A1方向に往復移動可能に構成されている。図2に示すように、本実施形態では、ピストンシリンダ35は、ピストンスリーブ37の内部に、打撃軸A1方向に(つまり前後方向に)移動可能に収容されている。ピストンシリンダ35の後端部は、回動可能なシャフトを介して揺動部材34に接続されている。これにより、ピストンシリンダ35は、揺動部材34が前後方向に揺動されるのに伴ってピストンスリーブ37の内周面に沿って前後方向に往復移動される。
図2を参照して、打撃要素5について説明する。図2に示すように、打撃要素5は、ストライカ51と、インパクトボルト53とを含む。ストライカ51は、ピストンシリンダ35の内部に配置され、ピストンシリンダ35の内周面に沿って打撃軸A1方向に摺動可能に構成されている。ストライカ51とピストンシリンダ35の底部351との間には、ピストンシリンダ35の往復移動によって生じる空気の圧力変動を介してストライカ51を直線状に移動させるための空気室353が形成されている。
インパクトボルト53は、ストライカ51の前方で、ツールホルダ13の後端部内に保持されている。インパクトボルト53は、ストライカ51の運動エネルギを先端工具19に伝達する中間子として構成され、挿入孔135に挿入された先端工具19の後方で、打撃軸A1方向に移動可能に保持される。なお、インパクトボルト53の後端部は、ピストンシリンダ35内に突出している。
モータ20が駆動され、ピストンシリンダ35が揺動部材34によって前方に向けて移動されると、空気室353の空気が圧縮されて内圧が上昇する。このため、ストライカ51は、高速に前方に押し出されてインパクトボルト53に衝突し、運動エネルギを先端工具19に伝達する。これにより、先端工具19は打撃軸A1に沿って直線状に駆動され、被加工物を打撃する。一方、ピストンシリンダ35が揺動部材34によって後方へ移動されると、空気室353の空気が膨張して内圧が低下し、ストライカ51が後方へ引き込まれる。ハンマドリル1は、運動変換機構3および打撃要素5にこのような動作を繰り返させることで、打撃動作を行う。
本実施形態では、以上に説明した打撃動作に関わる機構が、本体ハウジング11に対して打撃軸A1方向に一体的に相対移動可能な打撃ユニット6として構成されている。以下、図1および図2を参照して、打撃ユニット6について説明する。図2に示すように、打撃ユニット6は、打撃ユニット保持体120と、ベアリングケース124と、ツールホルダ13と、ピストンスリーブ37と、ピストンシリンダ35と、打撃要素5と、回転体33と、揺動部材34とを含む。
打撃ユニット保持体120は、打撃ユニット保持体120の上側部分を形成する上側保持部121と、下側部分を形成する下側保持部125とが固定状に連結されることで形成されている。上側保持部121は、ツールホルダ13に連結されたピストンスリーブ37の後端部を、ベアリング123を介して保持している。下側保持部125は、回転体33の前端部332を、ベアリング331を介して保持している。一方、ピストンスリーブ37の前端部(ツールホルダ13の後端部に重なる部分)には、ベアリング122を介してベアリングケース124が装着されている。つまり、一体的に連結されたツールホルダ13およびピストンスリーブ37、これらに収容されたピストンシリンダ35および打撃要素5、回転体33、およびピストンシリンダ35と回転体33とを接続する揺動部材34は、すべて、打撃ユニット保持体120とベアリングケース124によって保持されている。このようにして、単一のアセンブリとしての打撃ユニット6が構成されている。
打撃ユニット保持体120には、前後方向に貫通する4つのガイド孔(図示せず)が設けられている。中央部支持体116と後部支持体115に取り付けられて前後方向に延在する4本のガイドシャフト117は、これら4つのガイド孔に挿通されている。これにより、打撃ユニット保持体120は、ガイドシャフト117によって、本体ハウジング11に対して前後方向に相対移動可能に支持されている。また、ベアリングケース124は、概ね円筒状に形成されており、バレル部113の内周面に沿って摺動可能に、バレル部113内に配置されている。かかる構成によって、打撃ユニット6全体が、4本のガイドシャフト117によって、本体ハウジング11に対して打撃軸A1方向(前後方向)に相対移動可能に支持されている。
また、打撃ユニット6は、先端工具19を介して後方へ押圧されていない、いわゆる無負荷状態においては、前方へ付勢された状態で保持されている。具体的には、4本のガイドシャフト117のうち、下側に配置された左右一対のガイドシャフト117には、夫々、圧縮コイルバネ118が外装されている。圧縮コイルバネ118の前端は、打撃ユニット保持体120の後端に当接し、圧縮コイルバネ118の後端は、後部支持体115の前端に当接している。圧縮コイルバネ118は、常時、打撃ユニット保持体120を前方へ向けて付勢している。このため、打撃ユニット6は、無負荷状態においては、圧縮コイルバネ118の付勢力によって、図1および図2に示す最前方位置に配置される。このとき、ベアリング122を介してピストンスリーブ37の前端部を保持するベアリングケース124が、バレル部113の内周に形成された段差部114に後方から当接する。つまり、段差部114によって、打撃ユニット6がそれ以上前方へ移動することが規制されることで、打撃ユニット6の最前方位置が規定されている。
一方、先端工具19が被加工物に押し付けられると、先端工具19を介してツールホルダ13が後方へ押圧される。これにより、打撃ユニット6は、後方への押圧力が付与された、いわゆる負荷状態に置かれる。負荷状態では、打撃ユニット6は、付与された押圧力に応じて、圧縮コイルバネ118の付勢力に抗してガイドシャフト117に沿って後方へ移動する。このときの配置の変化については、後で詳述する。
図2を参照して、回転伝達機構7について説明する。回転伝達機構7は、モータ20の出力シャフト21の回転運動をツールホルダ13に伝達するように構成されている。本実施形態では、回転伝達機構7は、複数のギアを含むギア減速機構として構成されている。具体的には、回転伝達機構7は、図2に示すように、前述の中間シャフト31および第一被動ギア32と、第二駆動ギア70と、第二被動ギア75とを含む。
第二駆動ギア70は、中間シャフト31と同軸状に配置されている。第二駆動ギア70は、概ね円筒状に形成され、中間シャフト31に対して遊篏状に配置されている。第二駆動ギア70は、中間シャフト31に形成されたスプライン溝に係合可能なスプライン係合部72を有する。つまり、第二駆動ギア70は、中間シャフト31にスプライン結合することで中間シャフト31と一体に回転可能、且つ、中間シャフト31に対して回転軸A2方向(前後方向)に摺動可能に構成されている。図2に示すように、第二駆動ギア70が中間シャフト31とスプライン結合する結合位置に配置されているときには、第二駆動ギア70は、中間シャフト31と共に回転する。一方、図示は省略するが、第二駆動ギア70が前方に移動され、スプライン係合部72が中間シャフト31のスプライン溝から離脱した非結合位置に配置されると、中間シャフト31の回転は第二駆動ギア70には伝達されず、第二駆動ギア70は回転されない。
第二駆動ギア70の前後方向の移動は、前述のモードチェンジレバー(図示せず)の操作に連動して動作するように構成された切替機構(図示せず)によって行われる。具体的には、モードチェンジレバーによって、ハンマモードが選択された場合、切替機構によって第二駆動ギア70が非結合位置に配置される。一方、ハンマドリルモードまたはドリルモードが選択された場合には、切替機構によって第二駆動ギア70が結合位置に配置される。なお、モードチェンジレバーおよび切替機構の構成については周知であるため、ここでの説明は省略する。
第二被動ギア75は、ピストンスリーブ37の外周に固定されており、第二駆動ギア70に噛合している。なお、第二被動ギア75は、ピストンスリーブ37を含む打撃ユニット6と共に本体ハウジング11に対して前後方向に相対移動するとき、第二駆動ギア70に対しても相対移動する。このため、第二駆動ギア70は、第二被動ギア75が相対移動しても、常時、第二被動ギア75と噛合するように、その前後方向の長さが設定されている。
ハンマドリルモードまたはドリルモードにおいて、モータ20の駆動に伴って中間シャフト31と共に第二駆動ギア70が回転すると、第二被動ギア75を介してピストンスリーブ37が打撃軸A1周りに回転される。これにより、ピストンスリーブ37に連結されたツールホルダ13と、ツールホルダ13によって保持された先端工具19も、打撃軸A1周りに回転する。ハンマドリル1は、このようにしてドリル動作を行う。
図2〜図4を参照して、第一クラッチ機構41および第二クラッチ機構45の構成について説明する。第一クラッチ機構41および第二クラッチ機構45は何れも、モータ20から揺動部材34へ至る動力の伝達経路において、中間シャフト31と回転体33との間に配置されており、中間シャフト31の回転を回転体33に伝達可能に構成されている。
まず、第一クラッチ機構41について説明する。図3に示すように、第一クラッチ機構41は、第一係合部411と、第二係合部416と、付勢バネ42とを備えている。第一クラッチ機構41は、摩擦クラッチ機構(より詳細には円錐クラッチ)として構成されており、第一係合部411と、第二係合部416とは、互いに摩擦係合可能である。
第一係合部411は、中間シャフト31にスプライン結合されており、中間シャフト31と一体的に回転可能、且つ、中間シャフト31に対して回転軸A2方向(前後方向)に相対移動可能に構成されている。より詳細には、第一係合部411は、図3に示すように、全体として漏斗状に形成された筒状部材であり、円筒部412と、フランジ部413と、外縁部414とを含む。
円筒部412は、貫通孔335内に、回転体33に対して非接触状態で配置され、中間シャフト31にスプライン結合されている。フランジ部413は、円筒部412の後端から後方に向かって円錐状に拡径しながら伸展する。外縁部414は、フランジ部413の後端から後方に向かって円錐状に拡径しながら伸展する。但し、外縁部414の外周面と中間シャフト31の回転軸A2とがなす角(円錐角)は、フランジ部413の外周面と回転軸A2とがなす角(円錐角)より大幅に小さい。本実施形態では、外縁部414の円錐角は2〜5度程度に設定されている。外縁部414の外周面(回転軸A2に対して径方向外側に配置される面)は、後述する第二係合部416の第二摩擦面419と摩擦係合可能な第一摩擦面415(図4参照)として形成されている。
付勢バネ42は、円筒部412の後端面と、中間シャフト31の後端部に固定された第一被動ギア32の凹部321の底面の間に介在状に配置されている。本実施形態では、付勢バネ42は、圧縮コイルバネで構成されている。付勢バネ42は、常時、第一係合部411を前方へ向けて付勢している。なお、中間シャフト31の前後方向における中央部には、中間シャフト31の外周面から径方向外側に突出する第一クラッチ歯451が設けられている。円筒部412の前端が第一クラッチ歯451の後端に当接することで、第一係合部411はそれ以上前方へ移動することが規制されている。つまり、第一クラッチ歯451によって、第一係合部411の最前方位置が規定されている。
図3に示すように、第二係合部416は、回転体33の後端部を構成している。つまり、第二係合部416は、回転体33の一部として、揺動部材34を支持する支持部333と一体的に回転するように構成されている。第二係合部416は、フランジ部417と外縁部418とを含む。フランジ部417および外縁部418は、第一係合部411のフランジ部413および外縁部414に対応する円錐状に、フランジ部413および外縁部414よりも一回り大きく形成されている。外縁部418の内周面(回転軸A2に対して径方向内側に配置される面)は、第一係合部411の第一摩擦面415と摩擦係合可能な第二摩擦面419(図4参照)として形成されている。回転軸A2に対する第二摩擦面419の角度は、第一摩擦面415と概ね同一である。
図2に示すように、打撃ユニット6が圧縮コイルバネ118の付勢力で最前方位置に配置されているとき、つまり、無負荷状態においては、図4に示すように、第一係合部411の第一摩擦面415と、第二係合部416の第二摩擦面419とは僅かに離間して対向する。このため、中間シャフト31と共に第一係合部411が回転しても、回転体33の第二係合部416には回転が伝達されない。つまり、第一クラッチ機構41は、中間シャフト31から回転体33への回転の伝達を行わない伝達遮断状態に置かれている。
次に、第二クラッチ機構45について説明する。図3に示すように、第二クラッチ機構45は、中間シャフト31に設けられ、中間シャフト31と共に回転する第一クラッチ歯451と、回転体33に設けられ、回転体33と共に回転する第二クラッチ歯456を備えている。第二クラッチ機構45は、噛合いクラッチ機構として構成されており、第一クラッチ歯451と、第二クラッチ歯456とは、互いに噛合い係合可能である。
第一クラッチ歯451は、前述の通り、中間シャフト31の前後方向における中央部に設けられており、中間シャフト31の外周面から径方向外側に突出している。第一クラッチ歯451の中間シャフト31の外周面からの突出長さは、回転体33の第二クラッチ歯456以外の部分には接触しないように設定されている。第二クラッチ歯456は、前端部332の内部に設けられ、貫通孔335を規定する回転体33の内周面から径方向内側に突出している。第二クラッチ歯456は、第一クラッチ歯451と噛合い係合可能に構成されている。
図2に示すように、打撃ユニット6が最前方位置に配置されているとき、つまり、無負荷状態においては、図3に示すように、第一クラッチ歯451と第二クラッチ歯456とは、前後方向に離間している。このため、中間シャフト31と共に第一クラッチ歯451が回転しても、回転体33の第二クラッチ歯456には回転が伝達されない。つまり、第一クラッチ機構41と同様、第二クラッチ機構45も、中間シャフト31から回転体33への回転の伝達を行わない伝達遮断状態にある。
以上のように構成された第一クラッチ機構41および第二クラッチ機構45は、先端工具19を介してツールホルダ13が押圧され、打撃ユニット6が本体ハウジング11に対して後方に相対移動するのに伴って、第一クラッチ機構41、第二クラッチ機構45の順に、中間シャフト31から回転体33への回転の伝達を開始するように構成されている。
但し、本実施形態のハンマドリル1では、ドリルモードが選択された場合には、打撃動作が行われないように、打撃ユニット6の相対移動が禁止される。周知の構成であるため詳細な説明は省略するが、ドリルモードが選択された場合には、切替機構(図示せず)は、打撃ユニット保持体120に当接することで、打撃ユニット6が後方に移動することを規制する。一方、ハンマドリルモードまたはハンマモードが選択された場合には、切替機構は、打撃ユニット保持体120に当接せず、打撃ユニット6が後方に移動することを許容する。
以下、図1〜図7を参照して、ハンマドリルモードまたはハンマモードが選択された場合の打撃ユニット6の配置の変化と、第一クラッチ機構41および第二クラッチ機構45の動作について説明する。
無負荷状態でトリガ173が引き操作されると、モータ20が駆動され、中間シャフト31が回転する。このとき、図1〜図4に示すように、打撃ユニット6は最前方位置に配置されており、第一、第二クラッチ機構41、45は何れも伝達遮断状態にあるため、先端工具19は打撃軸A1方向には駆動されない。なお、ハンマドリルモードが選択されている場合には、前述のように、回転伝達機構7によって先端工具19が回転駆動される。
先端工具19が被加工物に対して押し付けられ、ツールホルダ13に後方への押圧力が付与されると、打撃ユニット6は本体ハウジング11に対して相対的に後方へ移動する。よって、回転体33は、中間シャフト31に対して後方へ移動する。つまり、回転体33は、第一係合部411および第一クラッチ歯451に対して後方へ移動する。回転体33に設けられた第二係合部416は、第一係合部411に次第に近づき、第二摩擦面419が、第一摩擦面415に接触する。このとき、付勢バネ42は、接触による衝撃を緩和する。打撃ユニット6が更に後方へ移動し、第二摩擦面419が第一摩擦面415に押し付けられると、第一クラッチ機構41は、中間シャフト31から回転体33への回転の伝達を開始する。言い換えると、第一クラッチ機構41は、伝達状態に置かれる。ここでいう「伝達を開始する」、「伝達状態に置かれる」とは、第一係合部411と第二係合部416との間で回転の伝達がある状態(滑り状態を含む)に至ることを指す。
なお、第二摩擦面419が第一摩擦面415に接触した後、第二係合部416は、付勢バネ42の付勢力に抗して第一係合部411を後方へ押圧しつつ後方へ移動する。これにより、第二摩擦面419と第一摩擦面415との間の摩擦力は増大する。また、第一摩擦面415および第二摩擦面419は、中間シャフト31の回転軸A2に対して後方に向かって僅かに傾斜して伸展するテーパ面(円錐面)として形成されているため、第一摩擦面415および第二摩擦面419が回転軸A2に対して直交する場合や、より大きく傾斜する場合に比べ、第二係合部416の後方への押圧力で摩擦面同士を強く押し付け合い、確実に伝達を行うことができる。
本実施形態では、図5および図6に示すように、第一摩擦面415の全体が第二摩擦面419と密着して共に回転することで、滑りのない連結状態が確立される。連結状態が確立されることで、第一係合部411が設けられた中間シャフト31の回転速度と、第二係合部416が設けられた回転体33の回転速度が同期した状態となる。このときの打撃ユニット6の前後方向における位置を、中間位置という。なお、図5に示すように、打撃ユニット6が中間位置まで移動しても、第一クラッチ歯451と第二クラッチ歯456とは離間した位置にあるため、第二クラッチ機構45は伝達遮断状態にあり、伝達を開始していない。
打撃ユニット6が更に後方へ移動するにつれて、第二係合部416は、第一係合部411を介して付勢バネ42を更に圧縮しながら後方へ移動する。また、回転体33の前端部332の内部に設けられた第二クラッチ歯456が、中間シャフト31の中央部に設けられた第一クラッチ歯451と噛合い係合することで、第二クラッチ機構45が中間シャフト31から回転体33への回転の伝達を開始する。言い換えると、第二クラッチ機構45も伝達状態に置かれる。この時点では、中間シャフト31と回転体33とは同期して回転しているため、第一クラッチ歯451と第二クラッチ歯456とは、滑らかに噛合い係合することができる。打撃ユニット6は、図7に示すように、付勢バネ42が最大限まで圧縮され、回転体33のそれ以上の後方への移動が規制される最後方位置まで移動可能である。
一方、先端工具19の被加工物に対する押圧が解除されると、圧縮コイルバネ118の付勢力によって、打撃ユニット6は、本体ハウジング11に対して、図7に示す最後方位置から前方へ移動する。これに伴って、回転体33も中間シャフト31に対して前方へ移動する。打撃ユニット6が、最後方位置から、図5に示す中間位置まで移動する間に、まず、第二クラッチ歯456が第一クラッチ歯451から離れることで、噛合い係合が解除される。つまり、第二クラッチ機構45による中間シャフト31から回転体33への回転の伝達が遮断され、第二クラッチ機構45は伝達遮断状態に置かれる。この間、第一係合部411は付勢バネ42によって前方へ付勢されているため、第一摩擦面415と第二摩擦面419は摩擦係合を継続し、第一クラッチ機構41による中間シャフト31から回転体33への回転の伝達は遮断されない。
更に、打撃ユニット6が、中間位置から、図1に示す最前方位置まで移動する間に、第一係合部411が第一クラッチ歯451の後端に当接し、図4に示すように、第二摩擦面419が第一摩擦面415から離れることで、第一摩擦面415と第二摩擦面419の摩擦係合が解除される。つまり、第一クラッチ機構41による中間シャフト31から回転体33への回転の伝達も遮断され、第一クラッチ機構41も伝達遮断状態に置かれる。これによって、中間シャフト31から回転体33への回転の伝達が完全に遮断されるため、ハンマドリル1は打撃動作を停止する。なお、ハンマドリルモードが選択されている場合には、回転伝達機構7によって先端工具19の回転駆動のみが継続される。
以上に説明したように、本実施形態のハンマドリル1は、ツールホルダ13とピストンスリーブ37を含む打撃ユニット6が、先端工具19を介してツールホルダ13に付与される押圧力に応じて、打撃軸A1方向(前後方向)において、本体ハウジング11の先端領域に近接した最前方位置と、最前方位置よりも先端領域から離間した最後方位置との間で本体ハウジング11に対して相対移動可能に構成されている。先端工具19の駆動源であるモータ20から、ピストンシリンダ35を打撃軸A1方向に往復移動させる揺動部材34に至る動力の伝達経路において、中間シャフト31と回転体33の間に、中間シャフト31の回転を回転体33に伝達可能に構成された第一、第二クラッチ機構41、45が配置されている。第一、第二クラッチ機構41、45は、夫々、打撃ユニット6が最前方位置から最後方位置へ移動する間に伝達を開始し、最後方位置から再前方位置へ移動する間に伝達を遮断するように構成されている。よって、中間シャフト31から回転体33への回転の伝達のためにかかる負荷を、第一、第二クラッチ機構41、45という2つのクラッチ機構に分散させることができる。
また、第一クラッチ機構41と第二クラッチ機構45とでは、伝達を開始するタイミングおよびまたは遮断するタイミングが異なっている。具体的には、第一クラッチ機構41は打撃ユニット6が最前方位置から中間位置へ移動する間に伝達を開始する一方、第二クラッチ機構45は、打撃ユニット6が中間位置から最後方位置に移動する間に伝達を開始する。第二クラッチ機構45は打撃ユニット6が最後方位置から中間位置へ移動する間に伝達を遮断する一方、第一クラッチ機構41は、打撃ユニット6が中間位置から最前方位置に移動する間に伝達を遮断する。これにより、後で伝達を開始し、先に伝達を遮断する第二クラッチ機構45の負荷を、第一クラッチ機構の負荷よりも小さくすることができる。
特に、本実施形態では、第一クラッチ機構41は、第一摩擦面415と第二摩擦面419の摩擦係合によって(言い換えると、摩擦力による係合によって)伝達を行うように構成された摩擦クラッチ機構として構成される一方、第二クラッチ機構45は、第一クラッチ歯451と第二クラッチ歯456の噛合い係合によって(言い換えると、機械的噛合いによって)伝達を行うように構成された噛み合いクラッチ機構として構成されている。よって、先に伝達を開始する第一クラッチ機構41によって、衝撃を抑えつつ滑らかに係合状態を確立して、中間シャフト31と回転体33の回転速度を同期させ、その後、第二クラッチ機構45によって確実な係合状態を確立することができる。
また、第一クラッチ機構41の第一係合部411および第二係合部416は、打撃ユニット6が本体ハウジング11に対して相対移動するのに伴って、共通の回転軸A2に沿って第一摩擦面415と第二摩擦面419とが互いに接触する方向および互いに離間する方向に相対移動可能に構成されている。具体的には、第二係合部416を有する回転体33が、ツールホルダ13およびピストンスリーブ37と共に打撃ユニット6として相対移動するように構成されている。かかる構成により、第一係合部411と第二係合部416は、打撃ユニット6の移動に応じて滑らかに係合状態を確立することができる。
更に、本実施形態では、第一クラッチ機構41は、第一係合部411を、第一摩擦面415と第二摩擦面419とが互いに接触する方向に付勢するように構成された付勢バネ42を備えている。よって、第一摩擦面415と第二摩擦面419が接触するときの衝撃を、付勢バネ42によって緩和できる。また、付勢バネ42の付勢力は、第一摩擦面415と第二摩擦面419とが接触した状態で打撃ユニット6が最後方位置に向けて移動するにつれて、第一摩擦面415と第二摩擦面419の間の摩擦力を増大させる。これにより、より滑らかに第一摩擦面415と第二摩擦面419の係合状態を確立することができる。
更に、第一摩擦面415と第二摩擦面419は、第一係合部411と第二係合部416の回転軸A2に対して傾斜したテーパ面(円錐面)として形成されている。このため、楔効果によって、比較的小さな回転軸A2方向の力で第一摩擦面415と第二摩擦面419とが互いに強く押し付け合い、確実に伝達を行うことができる。特に、本実施形態では、第一摩擦面415と第二摩擦面419の円錐角は比較的小さく設定されているため、楔効果が大きい。また、第一摩擦面415と第二摩擦面419は、回転軸A2から径方向外側に比較的離れた位置に配置されているため、回転軸A2の近傍に配置される場合に比べ、より大きなトルクを得ることができる。
また、本実施形態では、回転軸A2方向(前後方向)に関して、第一クラッチ機構41と第二クラッチ機構45は、揺動部材34の両側(前側および後側)に配置されている。具体的には、第一クラッチ機構41(より詳細には第二係合部416)と第二クラッチ機構45(より詳細には第二クラッチ歯456)は、回転軸A2方向(前後方向)において、揺動部材34を支持する回転体33の両端部(前端部および後端部)に配置されている。本実施形態のように、回転体33に対して相対回転可能、且つ、回転軸A2方向に揺動可能に回転体33に支持された揺動部材34が使用される場合、揺動方向においてある程度の長さを有する領域が揺動空間として必要とされる。このため、揺動部材34の両側には、デッドスペースが生じやすい。そこで、本実施形態のように、第一クラッチ機構41と第二クラッチ機構45を、回転軸A2方向に関して揺動部材34の両側(回転軸A2方向において、回転体33の両端部ともいえる)に配置することで、デッドスペースを有効利用して、伝達を開始するタイミングおよび伝達を遮断するタイミングが異なる複数のクラッチ機構を効率的に配置することができる。
[第二実施形態]
以下、図8〜図10を参照して、第二実施形態に係るハンマドリル101について説明する。本実施形態のハンマドリル101は、第一クラッチ機構43の構成が第一クラッチ機構41(図3参照)とは異なる以外、第一実施形態のハンマドリル1とほぼ同一である。よって、以下では、同一の構成については同一符号を付して説明を省略または簡略化し、主に、第一クラッチ機構43とその動作について説明する。
図8に示すように、本実施形態のハンマドリル101でも、第一実施形態と同様、打撃ユニット6は、本体ハウジング11に対して打撃軸A1方向(前後方向)に相対移動可能に構成されている。また、先端工具19の駆動源であるモータ20から、ピストンシリンダ35を打撃軸A1方向に往復移動させる揺動部材34に至る動力の伝達経路において、中間シャフト31と、揺動部材34を揺動可能に支持する回転体300の間に、中間シャフト31の回転を回転体300に伝達可能に構成された第一、第二クラッチ機構43、45が配置されている。
図9に示すように、本実施形態の第一クラッチ機構43は、第一係合部431と、第二係合部336と、付勢バネ42とを備えている。第一クラッチ機構43は、第一実施形態と同様に摩擦クラッチ機構(より詳細には円錐クラッチ)として構成されており、第一係合部431と、第二係合部336とは、互いに摩擦係合可能である。
第一係合部431は、中間シャフト31にスプライン結合されており、中間シャフト31と一体的に回転可能、且つ、中間シャフト31に対して回転軸A2方向(前後方向)に相対移動可能に構成されている。第一係合部431は、概ね円筒状に形成されており、その外周面である第一摩擦面435(図10参照)は、後方に向かって円錐状に拡径しながら伸展するテーパ面として形成されている。なお、第一摩擦面435の円錐角は2〜5度程度に設定されている。
付勢バネ42は、第一係合部431の後端面と、第一被動ギア32の凹部321の底面の間に介在状に配置されており、常時、第一係合部431を前方へ向けて付勢している。第一実施形態と同様、第一係合部431の最前方位置は、第一クラッチ歯451によって規定されている。
本実施形態では、回転体300は、第一実施形態の回転体33(図3参照)と同様、中間シャフト31と同軸状に配置され、前端部332においてベアリング331によって回転軸A2周りに回転可能に支持されている。回転体300は、揺動部材34を、回転体300に対して相対回転可能、且つ、揺動可能に支持する。第二係合部336は、回転体300の後側部分を構成しており、揺動部材34の支持部を兼用している。回転体300を回転軸A2に沿って貫通する貫通孔338の後側部分は、後方に向かって拡径している。第二摩擦面337は、この貫通孔338の後側部分を規定する第二係合部336の内周面であって、後方に向かって円錐状に拡径しながら伸展するテーパ面として形成されている。第二摩擦面337の角度は、第一摩擦面435と概ね同一である。
図10に示すように、無負荷状態においては、第一係合部431の第一摩擦面435と、第二係合部336の第二摩擦面337とは僅かに離間して対向する。このため、中間シャフト31と共に第一係合部431が回転しても、回転体300の第二係合部336には回転が伝達されない。つまり、第一クラッチ機構43は、中間シャフト31から回転体300への回転の伝達を行わない伝達遮断状態に置かれている。
本実施形態でも、先端工具19を介してツールホルダ13が押圧されるのに伴って、打撃ユニット6が中間位置を経て、最後方位置まで移動する。この過程において、打撃ユニット6が最前方位置から中間位置へ移動する間に第一クラッチ機構43が伝達を開始する。具体的には、第一係合部431が貫通孔338に後方から進入し、第一摩擦面435と第二摩擦面337とが摩擦係合することで、中間シャフト31から回転体300への回転の伝達を開始する。更に、打撃ユニット6が中間位置から最後方位置へ移動する間に、第一クラッチ歯451と第二クラッチ歯456とが噛合い係合することで、第二クラッチ機構45が伝達を開始する。反対に、打撃ユニット6が本体ハウジング11に対して前方へ移動するときには、打撃ユニット6が最後方位置から中間位置へ移動する間に第二クラッチ機構45による伝達が遮断され、打撃ユニット6が中間位置から最前方位置へ移動する間に第一クラッチ機構43による伝達が遮断される。
以上に説明したように、本実施形態の第一クラッチ機構43も、摩擦クラッチ機構として構成されており、第一、第二クラッチ機構43、45が中間シャフト31から回転体300への回転の伝達を開始するタイミングと伝達を遮断するタイミングは、第一実施形態と同様である。よって、本実施形態のハンマドリル101でも、第一実施形態のハンマドリル1と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態の第一クラッチ機構43では、第二摩擦面337は、回転体300の内周面に形成されており、第一摩擦面435と第二摩擦面337は、第一係合部431の一部が回転体300の貫通孔338に進入することで摩擦係合する。よって、第一クラッチ機構43の回転軸A2方向におけるコンパクト化を実現することができる。また、第一摩擦面435と第二摩擦面337は、回転軸A2に対して径方向外側の比較的近接した位置に配置されている。よって、第一クラッチ機構43の径方向におけるコンパクト化も実現することができる。
[第三実施形態]
以下、図11〜図13を参照して、第三実施形態に係るハンマドリル102について説明する。本実施形態のハンマドリル102は、第一クラッチ機構44の構成が第一クラッチ機構41(図3参照)とは異なる以外、第一実施形態のハンマドリル1とほぼ同一である。よって、以下では、同一の構成については同一符号を付して説明を省略または簡略化し、主に、第一クラッチ機構44とその動作について説明する。
図11に示すように、本実施形態のハンマドリル102でも、第一実施形態と同様、打撃ユニット6は、本体ハウジング11に対して打撃軸A1方向(前後方向)に相対移動可能に構成されている。また、先端工具19の駆動源であるモータ20から、ピストンシリンダ35を打撃軸A1方向に往復移動させる揺動部材34に至る動力の伝達経路において、中間シャフト31と回転体330の間に、中間シャフト31の回転を回転体330に伝達可能に構成された第一、第二クラッチ機構44、45が配置されている。
図12に示すように、本実施形態の第一クラッチ機構44は、第一被動ギア38と、係合部445と、複数のクラッチ板440とを備えている。第一クラッチ機構44は、多板式の摩擦クラッチ機構として構成されている。
図11に示すように、第一被動ギア38は、中間シャフト31の後端部に固定されており、中間シャフト31と一体的に回転するように構成されている。第一被動ギア38の外周部には、第一駆動ギア25に噛合するギア部320が形成されている。第一被動ギア38は、中間シャフト31の回転軸A2に直交する前端面を有する。第一被動ギア38の前端面は、後述する第一クラッチ板441の摩擦面443に摩擦係合可能な摩擦面380(図13参照)として形成されている。
図12に示すように、係合部445は、回転体330の後端部を構成している。回転体330は、第一実施形態の回転体33(図3参照)と同様、中間シャフト31と同軸状に配置され、前端部332においてベアリング331によって回転軸A2周りに回転可能に支持されている。回転体330は、揺動部材34を、回転体330に対して相対回転可能、且つ、揺動可能に支持する支持部333を有する。係合部445は、フランジ部446と外縁部447とを含む。フランジ部446は、支持部333の後端から後方に向かって円錐状に拡径しながら伸展しており、中間シャフト31の回転軸A2に直交する後端面を有する。フランジ部446の後端面は、後述する第二クラッチ板442の摩擦面443に摩擦係合可能な摩擦面448(図13参照)として形成されている。外縁部447は、フランジ部446の後端から後方に向かって延在する円筒状に形成されており、内周面に、前後方向に延びるスプライン溝を有する。
複数のクラッチ板440は、第一クラッチ板441と第二クラッチ板442とを含む。第一クラッチ板441は、外縁部447のスプライン溝にスプライン結合されており、回転体330と一体的に回転可能、且つ、回転体330に対して前後方向に相対移動可能に構成されている。第二クラッチ板442は、中間シャフト31にスプライン結合されており、中間シャフト31と一体的に回転可能、且つ、中間シャフト31に対して前後方向に相対移動可能に構成されている。図13に示すように、第一クラッチ板441と第二クラッチ板442は、第一被動ギア38の摩擦面380と、係合部445の摩擦面448との間に配置されている。
なお、図の簡単化のため、図11〜図13では、第一クラッチ板441と第二クラッチ板442は夫々1枚ずつしか図示されていないが、第一クラッチ板441と第二クラッチ板442は何れも、2枚以上設けられ、前後方向において交互に配置されていてもよい。第一クラッチ板441と第二クラッチ板442の各々の前面と後面は、何れも摩擦面443として形成されており、摩擦面380、448、443の何れかと摩擦係合可能である。
図13に示すように、無負荷状態においては、第一被動ギア38の摩擦面380と係合部445の摩擦面448との間には、第一クラッチ板441と第二クラッチ板442が、遊嵌状に配置されている。つまり、第一被動ギア38、係合部445、第一クラッチ板441、および第二クラッチ板442は、互いに押し付けられて摩擦係合可能な状態にない。つまり、第一クラッチ機構44は、中間シャフト31から回転体300への回転の伝達を行わない伝達遮断状態に置かれている。
本実施形態でも、先端工具19を介してツールホルダ13が押圧されるのに伴って、打撃ユニット6が中間位置を経て、最後方位置まで移動する。この過程において、打撃ユニット6が最前方位置から中間位置へ移動する間に第一クラッチ機構44が伝達を開始する。具体的には、回転体330の係合部445が、第二クラッチ板442に当接して第二クラッチ板442を後方へ移動させ、更に、第二クラッチ板442を介して第一クラッチ板441も後方へ移動させる。この過程で、互いに接触した摩擦面448、443、380の間に摩擦が発生し、中間シャフト31から回転体300への回転の伝達が開始される。
更に、打撃ユニット6が中間位置から最後方位置へ移動する間に、第一クラッチ歯451と第二クラッチ歯456とが噛合い係合することで、第二クラッチ機構45が伝達を開始する。なお、第二クラッチ機構45が伝達を開始するタイミングは、第一クラッチ機構44が連結を確立するタイミングとほぼ同じか、それよりも僅かに前である。つまり、本実施形態では、中間位置は、第一クラッチ機構44が連結状態を確立する位置ではなく、第一クラッチ機構44が伝達を開始した直後の位置ととらえることができる。この場合でも、第二クラッチ機構45が伝達を開始する前に第一クラッチ機構44は既に伝達を開始しており、中間シャフト31と回転体330の回転速度差は小さくなっている。また、最後方位置は、クラッチ板440が第一被動ギア38と回転体330の間に密着状に挟持されて、回転体330がそれ以上後方へ移動することが規制される位置である。
打撃ユニット6が本体ハウジング11に対して前方へ移動するときには、打撃ユニット6が最後方位置から中間位置へ移動する間に第二クラッチ機構45による伝達が遮断され、打撃ユニット6が中間位置から最前方位置へ移動する間に第一クラッチ機構44による伝達が遮断される。
以上に説明したように、本実施形態の第一クラッチ機構44も、摩擦クラッチ機構として構成されており、第一、第二クラッチ機構44、45が中間シャフト31から回転体300への回転の伝達を開始するタイミングと伝達を遮断するタイミングは、第一実施形態と同様である。よって、本実施形態のハンマドリル102でも、第一実施形態のハンマドリル1と同様の効果を得ることができる。更に、多板クラッチ機構として構成された第一クラッチ機構44では、単板クラッチ機構に比べ、個々のクラッチ板440にかかる摩擦力等の応力が低減されるため、第一クラッチ機構44の長寿命化を図ることができる。また、単板クラッチ機構に比べ、径方向の大きさに対して比較的大きなトルクを得ることができる。
本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。ハンマドリル1、101、102は、各々、本発明の「打撃工具」に対応する構成例である。本体ハウジング11は、本発明の「工具本体」に対応する構成例である。ツールホルダ13、ピストンスリーブ37、ピストンシリンダ35、モータ20は、夫々、本発明の「ツールホルダ」、「筒状部材」、「往復動部材」、「モータ」に対応する構成例である。中間シャフト31は、本発明の「第一回転体」に対応する構成例である。回転体33、300、330は、各々、本発明の「第二回転体」に対応する構成例である。揺動部材34は、本発明の「揺動部材」に対応する構成例である。第一クラッチ機構41、43、44は、各々、本発明の「第一クラッチ機構」に対応する構成例である。第二クラッチ機構45は、本発明の「第二クラッチ機構」に対応する構成例である。打撃ユニット6は、本発明の「移動ユニット」に対応する構成例であり、最前方位置、中間位置、最後方位置は、夫々、本発明の「先端位置」、「中間位置」、「離間位置」に対応する一例である。
第一係合部411、431は、各々、本発明の「第一係合部」に対応する構成例である。第二係合部416、336は、各々、本発明の「第二係合部」に対応する構成例である。第一摩擦面415、435は、各々、本発明の「第一摩擦面」に対応する構成例である。第二摩擦面419、337は、各々、本発明の「第二摩擦面」に対応する構成例である。付勢バネ42は、本発明の「付勢部」に対応する構成例である。複数のクラッチ板440は、本発明の「複数のプレート」に対応する構成例である。摩擦面380、443、448は、本発明の「摩擦面」の構成例である。
上記実施形態は単なる例示であり、本発明に係る打撃工具は、例示されたハンマドリル1、101、102の構成に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。なお、これらの変更は、これらのうちいずれか1つのみ、あるいは複数が、実施形態に示すハンマドリル1、101、102、あるいは請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
例えば、上記実施形態では、打撃工具の一例として、打撃動作に加えてドリル動作が可能なハンマドリル1、101、102が挙げられているが、打撃工具は、打撃動作のみが可能な(つまり、ベアリング122、123や回転伝達機構7を備えない)電動ハンマであってもよい。
上記実施形態では、本体ハウジング11に対して打撃軸A1方向に一体的に相対移動可能なユニットとして、ツールホルダ13、ピストンスリーブ37、ピストンシリンダ35、打撃要素5、回転体33、および揺動部材34が、打撃ユニット保持体120とベアリングケース124によって保持されている態様が例示されている。しかしながら、先端工具19を介してツールホルダ13に付与される押圧力に応じて、本体ハウジング11に対して打撃軸A1方向に一体的に相対移動可能な移動ユニットは、少なくとも、ツールホルダ13およびピストンスリーブ37を含めばよく、本体ハウジング11内における保持態様や、ツールホルダ13およびピストンスリーブ37以外の要素は、適宜変更可能である。但し、上記実施形態のように、打撃軸A1に平行に延在する回転軸A2周りに回転する回転体33、300、330の回転に応じて搖動する揺動部材34によって、ピストンスリーブ37内に打撃軸A1方向に往復移動可能に配置されたピストンシリンダ35が往復移動される場合には、移動ユニットに回転体33、300、330と揺動部材34も含まれることが好ましい。
上記実施形態では、ツールホルダ13に連結されたピストンスリーブ37内で、有底筒状のピストンシリンダ35が往復移動されることによって、打撃要素5を介して先端工具19が駆動される構成が例示されている。かかる構成に代えて、ツールホルダ13に連結された円筒状のシリンダ内で、シリンダとは別体として構成され、シリンダの内部に打撃軸A1方向に往復移動可能に配置されたピストンとが採用されてもよい。
上記実施形態では、付勢バネ42によって、第一クラッチ機構41、43の第一係合部411、431は、第一摩擦面415、435と第二摩擦面419、337とが互いに接触する方向に、第二係合部416、336に向けて付勢されている。しかしながら、付勢バネ42は必ずしも設けられる必要はない。例えば、第一係合部411、431は、中間シャフト31に固定されていてもよい。また、第二係合部416、336は、回転体33、300とは別体として形成され、第二係合部416、336と回転体33、300の間に介在状に配置された付勢バネによって、第一摩擦面415、435と第二摩擦面419、337とが互いに接触する方向に、第一係合部411、431に向けて付勢されていてもよい。
上記実施形態では、第一クラッチ機構41、43は何れも円錐クラッチとして構成されており、第一摩擦面415、435および第二摩擦面419、337は、回転軸A2に対して傾斜したテーパ面として形成されている。しかしながら、第一クラッチ機構41、43は、第一摩擦面415、435および第二摩擦面419、337が回転軸A2に対して直交する方向に伸展する、円板クラッチとして構成されてもよい。
第一、第二実施形態では、第二クラッチ機構45は、第一クラッチ機構41、43の連結状態が確立された後に伝達を開始するように構成されている。この場合、中間シャフト31と回転体33、300の回転速度を同期することができる点で好ましい。しかしながら、第二クラッチ機構45が伝達を開始するタイミングは、第一クラッチ機構41、43が伝達を開始した後の何れかのタイミングに適宜変更されてもよい。
上記実施形態では、第一クラッチ機構41、43、44および第二クラッチ機構45は、無負荷状態において、揺動部材34を介して先端工具19が打撃軸A1方向に直線状に駆動されないように、揺動部材34への動力の伝達を遮断する。第一クラッチ機構41、43、44および第二クラッチ機構45は、揺動部材34を介して動吸振器の加振、またはカウンタウェイトの駆動を行う構成に適用されて、本実施形態と同様に、無負荷状態において揺動部材34への動力の伝達を遮断し、負荷状態において揺動部材34への動力伝達を行ってもよい。
更に、本発明および上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様が、実施形態に示すハンマドリル1、101、102、上記変形例、または各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記ツールホルダおよび前記筒状部材は、前記打撃軸周りに一体的に回転可能に構成されており、
前記打撃工具は、前記ツールホルダおよび前記筒状部材を前記打撃軸周りに回転させるように構成された回転駆動機構を更に備えていてもよい。
[態様2]
前記第二回転体は、前記移動ユニットの一部を構成し、前記先端工具を介して前記ツールホルダに付与される押圧力に応じて、前記工具本体に対して前記打撃軸方向に相対移動するように構成されていてもよい。
[態様3]
前記第二係合部は、第二回転体の一部を構成してもよい。
[態様4]
前記噛合いクラッチ機構は、前記第一回転体に形成された第一噛合い部と、前記第二回転体に形成され、前記第一噛合い部と噛合い係合可能な第二噛合い部とを含んでもよい。
[態様5]
前記揺動部材は、前記回転軸方向において前記第一クラッチ機構と前記第二クラッチ機構の間で、前記第二回転体に対して相対回転可能、且つ、前記打撃軸方向に揺動可能に前記第二回転体に支持されていてもよい。
1、101、102:ハンマドリル
10:本体部
11:本体ハウジング
110:モータハウジング
112:ギアハウジング
113:バレル部
114:段差部
115:後部支持体
116:中央部支持体
117:ガイドシャフト
118:圧縮コイルバネ
120:打撃ユニット保持体
121:上側保持部
125:下側保持部
122、123:ベアリング
124:ベアリングケース
13:ツールホルダ
135:挿入孔
20:モータ
21:出力シャフト
221:前側ベアリング
222:後側ベアリング
23:ファン
25:第一駆動ギア
3:運動変換機構
31:中間シャフト
311:前側ベアリング
312:後側ベアリング
32、38:第一被動ギア
320:ギア部
321:凹部
380:摩擦面
33、300、330:回転体
331:ベアリング
332:前端部
333:支持部
335、338:貫通孔
34:揺動部材
35:ピストンシリンダ
351:底部
353:空気室
37:ピストンスリーブ
41、43、44:第一クラッチ機構
411、431:第一係合部
412:円筒部
413:フランジ部
414:外縁部
415、435:第一摩擦面
416、336:第二係合部
417:フランジ部
418:外縁部
419、337:第二摩擦面
440:クラッチ板
441:第一クラッチ板
442:第二クラッチ板
443、448:摩擦面
445:係合部
446:フランジ部
447:外縁部
42:付勢バネ
45:第二クラッチ機構
451:第一クラッチ歯
456:第二クラッチ歯
5:打撃要素
51:ストライカ
53:インパクトボルト
6:打撃ユニット
7:回転伝達機構
70:第二駆動ギア
72:スプライン係合部
75:第二被動ギア
17:ハンドル
171:ハンドルハウジング
172:電源ケーブル
173:トリガ
19:先端工具

Claims (7)

  1. 先端工具を所定の打撃軸方向に直線状に駆動するように構成された打撃工具であって、
    工具本体と、
    前記工具本体の先端領域に配置され、前記先端工具を前記打撃軸方向に相対移動可能に保持するよう構成されたツールホルダと、
    前記ツールホルダに連結された筒状部材と、
    前記筒状部材の内部に前記打撃軸方向に往復移動可能に配置され、前記先端工具を前記打撃軸方向に駆動するように構成された往復動部材と、
    モータと、
    前記モータによって、前記打撃軸に平行な回転軸周りに回転駆動されるように構成された第一回転体と、
    前記第一回転体と同軸状に回転可能に配置された第二回転体と、
    前記第二回転体の回転に応じて揺動することで、前記往復動部材を前記打撃軸方向に往復移動させるように構成された揺動部材と、
    前記モータから前記揺動部材へ至る動力の伝達経路において、前記第一回転体と前記第二回転体との間に配置され、夫々が前記第一回転体の回転を前記第二回転体に伝達可能に構成された複数のクラッチ機構とを備え、
    前記ツールホルダおよび前記筒状部材は、前記先端工具を介して前記ツールホルダに付与される押圧力に応じて、前記打撃軸方向において、前記先端領域に近接した先端位置と、前記先端位置よりも前記先端領域から離間した離間位置との間で前記工具本体に対して一体的に相対移動可能な移動ユニットとして構成されており、
    前記複数のクラッチ機構は、夫々、前記移動ユニットが前記先端位置から前記離間位置へ移動する間に伝達を開始し、前記移動ユニットが前記離間位置から前記先端位置へ移動する間に伝達を遮断するように構成されていることを特徴とする打撃工具。
  2. 請求項1に記載の打撃工具であって、
    前記複数のクラッチ機構は、第一クラッチ機構と第二クラッチ機構とを含み、
    前記移動ユニットは、前記打撃軸方向において、前記先端位置と前記離間位置の間にある中間位置を経て、前記先端位置と前記離間位置の間を相対移動可能であって、
    前記第一クラッチ機構は、前記移動ユニットが前記先端位置から前記中間位置へ移動する間に伝達を開始し、且つ、前記移動ユニットが前記中間位置から前記先端位置へ移動する間に伝達を遮断するように構成され、
    前記第二クラッチ機構は、前記移動ユニットが前記中間位置から前記離間位置へ移動する間に伝達を開始し、且つ、前記移動ユニットが前記離間位置から前記中間位置へ移動する間に伝達を遮断するように構成されていることを特徴とする打撃工具。
  3. 請求項2に記載の打撃工具であって、
    前記第一クラッチ機構は、摩擦係合によって伝達を行うように構成された摩擦クラッチ機構として構成され、
    前記第二クラッチ機構は、噛合い係合によって伝達を行うように構成された噛み合いクラッチ機構として構成されていることを特徴とする打撃工具。
  4. 請求項3に記載の打撃工具であって、
    前記摩擦クラッチ機構は、
    前記第一回転体と一体的に前記回転軸周りに回転するように構成され、第一摩擦面を有する第一係合部と、
    前記第二回転体と一体的に前記回転軸周りに回転するように構成され、前記第一摩擦面と摩擦係合可能な第二摩擦面を有する第二係合部とを備え、
    前記第一係合部および前記第二係合部は、前記移動ユニットの移動に伴って、前記回転軸に沿って前記第一摩擦面と前記第二摩擦面とが互いに接触する方向および互いに離間する方向に相対移動可能に構成されていることを特徴とする打撃工具。
  5. 請求項4に記載の打撃工具であって、
    前記摩擦クラッチ機構は、前記第一係合部および前記第二係合部の少なくとも一方を、前記第一摩擦面と前記第二摩擦面とが互いに接触する方向に付勢するように構成された付勢部を更に備え、
    前記付勢部の付勢力は、前記第一摩擦面と前記第二摩擦面とが接触した状態で前記移動ユニットが前記離間位置に向けて移動するにつれて、前記第一摩擦面と前記第二摩擦面の間の摩擦力を増大させることを特徴とする打撃工具。
  6. 請求項3〜5の何れか1つに記載の打撃工具であって、
    前記摩擦クラッチ機構は、前記回転軸に対して傾斜したテーパ面の摩擦係合によって伝達を行うように構成されていることを特徴とする打撃工具。
  7. 請求項3に記載の打撃工具であって、
    前記摩擦クラッチ機構は、夫々が摩擦面を有する複数のプレートを備えた多板クラッチ機構として構成されていることを特徴とする打撃工具。
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