JP6709012B2 - 銅基合金 - Google Patents
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Description
ニッケルは、銅基合金の亜鉛当量を減少させる作用がある。そして、一般に、亜鉛当量が減少すると銅基合金の耐食性が向上する。よって、銅基合金中のニッケル量を減少させると、亜鉛当量を減少させることができず、その結果、銅基合金の耐食性の確保が困難となる。
また、ニッケルは、銅基合金の機械的強度(強度や伸び)を向上させる作用がある。よって、銅基合金中のニッケル量を減少させると、亜鉛当量を減少させた際に機械的強度を確保できず、その結果、鋳造性が低下する。
従って、銅基合金の耐食性及び鋳造性を両立させるためにはニッケル量を容易に減少させることは困難であった。
そして、この銅基合金は、ニッケル量を抑制しつつも、耐食性及び鋳造性を十分に確保できるという予想外の事実を見いだした。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
銅(Cu)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、ほう素(B)、アンチモン(Sb)、を含む銅基合金であって、
亜鉛当量が36.0〜48.0質量%であり、
ニッケル(Ni)が0.001〜0.1質量%であり、
亜鉛(Zn)が30.0〜43.0質量%であり、
鉛(Pb)が0.01〜3.0質量%であり、
アルミニウム(Al)が0.10〜1.50質量%であり、
スズ(Sn)が0.001〜0.1質量%であり、
鉄(Fe)が0.001〜0.3質量%であり、
ほう素(B)が0.0003〜0.003質量%であり、
アンチモン(Sb)が0.01質量%以上であり、
かつ下記式(1)を満たし、
残部が銅(Cu)及び不可避不純物であることを特徴とする銅基合金である。
アンチモン(Sb)量(質量%)≧0.04×(亜鉛当量−37.5) (1)
アンチモン(Sb)が下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の銅基合金である。
アンチモン(Sb)量(質量%)≦0.03+0.04×(亜鉛当量−36.0) (2)
B:合金中の実際のZn含有率(質量%)
q:Cu、Zn以外の元素の含有率(質量%)
t:Cu、Zn以外の元素の亜鉛当量
Pb:1.0
Sn:2.0
Al:6.0
Ni:−1.3
Si:10.0
Fe:0.9
Mn:0.5
Mg:2.0
以下、図面や表を参照しながら、本発明を実施するための形態について各試験に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
亜鉛当量は、36.0〜48.0質量%である。亜鉛当量は、好ましくは36.0〜42.0質量%であり、より好ましくは38.2〜42.0質量%であり、さらに好ましくは39.5〜41.5質量%である。亜鉛当量が、この範囲内であると、γ相の生成が抑制されるとともに、強度と耐食性が優れる。
アンチモン(Sb)量(質量%)≧0.04×(亜鉛当量−37.5) (1)
後述の表1〜5に示す組成の実施例1〜21、比較例1〜9からなる鋳塊を公知の方法で作製した。そして、各実施例及び各比較例の鋳塊を用いて、鋳造性の評価試験、耐脱亜鉛腐食性評価試験を行った。
(耐脱亜鉛腐食性評価試験)
各鋳塊から作製した試験片を用い、ISO6509に規定された黄銅の脱亜鉛腐食試験方法に基づき試験を行った。表1〜5の耐食性については、脱亜鉛層の平均深さを示している。この深さが浅いほど耐食性が良好となる。
鋳造性を矢印拘束試験法により評価した。図1は、鋳造性の評価に用いた両端拘束試験用金型の平面図である。この試験法では、図1に示す両端拘束試験用金型を用いた。この金型は、中央に設けられる矩形の中央型11と、両端に設けられる一対の矩形の拘束型12a、12bとを有している。これら中央型11及び拘束型12a、12bはS45Cからなる。これらは組み合わせられた状態で図示しないボルトによって互いに固定され、金型とされる。
本実施の形態の一例である実施例10に係る銅基合金の元素分布をEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)を用いて測定した。
実施例1〜21、比較例1〜9の耐脱亜鉛腐食性評価試験の結果、及び鋳造性の評価結果を組成とともに示す。
なお、各表におけるSb下限は、下記式に各試料の亜鉛当量を代入して求めた値である。
(Sb下限)
アンチモン(Sb)量(質量%)=0.04×(亜鉛当量−37.5)
また、各表におけるSb上限は、下記式に各試料の亜鉛当量を代入して求めた値である。
(Sb上限)
アンチモン(Sb)量(質量%)=0.03+0.04×(亜鉛当量−36.0)
実施例1〜12は、請求項1、2、3の要件を満たす。
実施例13〜16は、請求項1、3の要件を満たす。但し、実施例13〜16は、上記式(2)の条件に合わず、請求項2の要件を満たさない。
実施例17〜19は、請求項1、2の構成を満たす実施例である。但し、実施例17〜19は、亜鉛当量が38.2未満であり、請求項3の要件を満たさない。
実施例20〜21は、請求項1、2、3、4の構成を満たす実施例である。
比較例は、上記式(1)の条件に合わず、いずれの請求項の要件も満たさない。
図2は、評価試験による耐食性が良好な実施例3の試験片の断面写真を示す図、図3は、評価試験による耐食性が悪い比較例2の試験片の断面写真を示す図である。
表1〜5の結果から、アンチモン(Sb)が0.01質量%以上であり、かつ下記式(1)を満たすいずれの実施例においても、脱亜鉛層の平均深さは100μm以下であり、良好な耐食性を示した。
アンチモン(Sb)量(質量%)≧0.04×(亜鉛当量−37.5) (1)
図4〜5に所定の長さで割れが生じなかった試料の写真を例示する。図4は、斜めから撮影したものであり、図5は、上部から撮影したものである。これらの写真から分かるように、中央部で割れておらず、鋳造性が良好であると評価できる。
図6〜7に所定の長さで割れが生じた試料の写真を例示する。図6は、斜めから撮影したものであり、図7は、上部から撮影したものである。これらの写真から分かるように、中央部で割れており、鋳造性が不良であると評価できる。
特に、亜鉛当量が38.2〜48質量%であり、式(2)を満たす実施例1〜12は、200mm以上であっても割れがなく、鋳造性は特に良好であった。
アンチモン(Sb)量(質量%)≦0.03+0.04×(亜鉛当量−36.0) (2)
図8〜9に元素分析の結果を示す。図8は、実施例の1つである銅基合金における亜鉛(Zn)の分布を示す画像、図9は、実施例の1つである銅基合金におけるアンチモン(Sb)の分布を示す画像である。なお、図8と図9に示す各画像は、同一試料の同一領域を撮像したものである。
なお、本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではない。
12a,12b…拘束型
13…凹部
14…溝
16…断熱材
17…溝
18a,18b…凹部
19…溶湯
Claims (4)
- 銅(Cu)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、ほう素(B)、アンチモン(Sb)、を含む銅基合金であって、
亜鉛当量が36.0〜48.0質量%であり、
ニッケル(Ni)が0.001〜0.1質量%であり、
亜鉛(Zn)が30.0〜43.0質量%であり、
鉛(Pb)が0.80〜3.0質量%であり、
アルミニウム(Al)が0.10〜1.50質量%であり、
スズ(Sn)が0.001〜0.1質量%であり、
鉄(Fe)が0.001〜0.3質量%であり、
ほう素(B)が0.0003〜0.003質量%であり、
アンチモン(Sb)が0.01質量%以上であり、
かつ下記式(1)及び(2)を満たし、
残部が銅(Cu)及び不可避不純物であることを特徴とする銅基合金。
アンチモン(Sb)量(質量%)≧0.04×(亜鉛当量−37.5) (1)
アンチモン(Sb)量(質量%)≦0.03+0.04×(亜鉛当量−36.0) (2) - アルミニウム(Al)が0.40〜1.50質量%である請求項1に記載の銅基合金。
- 亜鉛当量が38.2〜48.0質量%であることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の銅基合金。
- さらに、ヒ素(As)、コバルト(Co)、マグネシウム(Mg)、リン(P)、セレン(Se)、ケイ素(Si)、及びジルコニウム(Zr)からなる群より選択される一種以上の元素を、0.01質量%以上1質量%以下含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の銅基合金。
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CN112359248A (zh) * | 2020-09-28 | 2021-02-12 | 浙江天马轴承集团有限公司 | 一种具有耐腐蚀性能的高强度铅黄铜及其制备方法 |
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CN112359248A (zh) * | 2020-09-28 | 2021-02-12 | 浙江天马轴承集团有限公司 | 一种具有耐腐蚀性能的高强度铅黄铜及其制备方法 |
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