以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図である。図2は、遊技盤2を前面側から示した説明図である。図3は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を支持してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の中央稍上寄りとなる位置には、左右に2つ並んだ図柄表示部を有しており、各図柄表示部において「1」〜「9」の数字からなる装飾図柄を変動/確定表示するための演出用表示部6、演出用表示部6の下辺に沿って左右方向に延設されており、その上面を遊技球が左右に転動可能なステージ81、遊技領域16内を流下する遊技球をステージ81上へ導くためのワープ通路82、及び演出用表示部6の下側に設けられており、左右に2つ並設された7セグメント表示器を有するボタン遊技用表示部83等を備えた表示部材80が設置されている。さらに、表示部材80の下方で遊技領域16の中央部から下部にかけて、遊技球が進入可能な進入口84、進入口84から分岐しつつ下方へ延びる遊技球流路85、種々の電動役物、遊技球が入賞可能な始動入賞口19、及び始動入賞口19へ入賞しなかった遊技球を遊技領域16外へ排出するためのアウト口(図示せず)等を備えたセンター部材26が設置されている。なお、演出用表示部6は、上下方向及び左右方向に多数の点灯部が並設されてなるドット表示器により構成されており、1つのドット表示器上に2つの図柄表示部が設けられている。また、進入口84を介してセンター部材26内へ進入した遊技球が始動入賞口19へ入賞する確率は、1/20程度となっている。
また、表示部材80及びセンター部材26の左方には、遊技球が流下可能で、遊技球が入賞可能な入賞部材86、86が設置された左打ち用スペースSLが形成されており、この左打ち用スペースSLを流下させることで、ワープ通路82への進入(すなわち、ステージ81上への誘導)や進入口84への進入(すなわち、センター部材26への進入)を効率良く狙えるようになっている。一方、表示部材80及びセンター部材26の右方にも遊技球が流下可能な右打ち用スペースSRが形成されている。この右打ち用スペースSRには、遊技球が通過可能なゲート部材20、一対の可動片を有するチューリップ式電動役物17、所謂大当たり状態において交互に開閉する2つの可動入賞装置18A、18Bが設置されている。そして、遊技球を左打ち用スペースSLではなく右打ち用スペースSRを流下させることで、ゲート部材20を通過させたり、開動作しているチューリップ式電動役物17へ入賞させたり、開成している可動入賞装置18A、18Bへ入賞させたりすることができるようになっている。なお、左打ち用スペースSLや右打ち用スペースSRには、多数の遊技釘が植設されている。また、遊技領域16外となる遊技盤2の右下部には、第1特別図柄及び第2特別図柄を夫々別個に表示可能とした特別図柄表示部87が設けられている。
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、発射装置10へ供給する遊技球を貯留するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴い、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い夫々機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させ、遊技球の遊技領域16への打ち込み強度を調整するためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に操作可能な中央ボタン71、左ボタン72、及び右ボタン73が設けられている。中央ボタン71は下方へ、左ボタン72は右斜め後方へ、右ボタン73は左斜め後方へ夫々押し込み操作可能となっている。
さらに、前扉4の上縁部及び供給皿7の前面で、各種ボタン71〜73の左右両側となる位置には、効果音や各種メッセージ等を報音するスピーカ14、14・・が設けられている。加えて、前扉4の左右両側部や上縁部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを内蔵したランプ部材15、15・・が設けられている。
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂大当たり抽選等)を実行するためのメイン制御装置30(図4に示す)、演出用表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置50(図4に示す)、ランプ部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置51(図4に示す)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置52(図4に示す)、及び表示制御装置50や音制御装置52等の動作を統合的に制御するサブ制御装置40(図4に示す)等が設置されている。尚、22は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、27は、アースである。
次に、パチンコ機1の制御機構について、図4をもとに説明する。図4は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。
メイン制御装置30には、大当たり抽選の実行とともに下記部材の動作を制御するメインCPU32、ROMやRAM等といった記憶手段33、タイマ34、及びインターフェイス35等が搭載されたメイン制御基板31が内蔵されている。そして、該メイン制御基板31は、インターフェイス35を介して、始動入賞口19やチューリップ式電動役物17、可動入賞装置18A、18B、ゲート部材20、及び特別図柄表示部87等と接続されている。また、メイン制御基板31は、サブ制御装置40内に内蔵されたサブ統合基板41とも電気的に接続されている。なお、図4では省略しているが、メイン制御基板31は、払出制御装置28や電源装置29等ともインターフェイス35を介して接続されている。
記憶手段33には、チューリップ式電動役物17を開動作させるか否かの開放抽選に使用するaカウンタ、大当たり抽選に使用するcカウンタ(大当たり判定用乱数)、特別図柄表示部87における第1特別図柄や第2特別図柄の確定表示態様を決定するdカウンタ(確定表示態様決定用乱数)、及び主に特別図柄の変動時間となる基本変動パターンを決定するeカウンタ(変動時間情報決定用乱数)等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(たとえば1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数からの数値の取得とみなすことができる。また、aカウンタは0〜9(10通り)の間を、cカウンタは0〜19(20通り)の間を、dカウンタは0〜8(9通り)の間を、eカウンタは0〜40(41通り)の間を夫々ループカウントするようになっている。そして、メインCPU32は、遊技球のゲート部材20における通過検出を契機としてaカウンタから1つの数値を取得するとともに、遊技球の始動入賞口19やチューリップ式電動役物17への入賞検出を契機として、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得する(大当たり抽選を実行する)。
また、記憶手段33には、図5に示すようなdカウンタの数値と特別図柄表示部87に確定表示する第1特別図柄とを対応づけた確定表示態様決定テーブルや、dカウンタの数値と特別図柄表示部87に確定表示する第2特別図柄とを対応づけた確定表示態様決定テーブル(図示せず)、及び図6、図7に示す如くeカウンタの数値と基本変動パターンとを対応づけた基本変動パターン決定テーブル等が記憶されている。この基本変動パターンとは、主に特別図柄の変動時間(変動開始から確定表示までの時間)を規定するものである。さらに、記憶手段33には、たとえば特別図柄表示部87において第1特別図柄と第2特別図柄との何れかが変動表示中に始動入賞口19やチューリップ式電動役物17へ遊技球が入賞したような場合に、当該入賞に伴うcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報として、始動入賞口19とチューリップ式電動役物17とを区別した状態で夫々最大4つまで(合計8つまで)記憶する保留情報記憶領域36が設けられている。加えて、記憶手段33には、保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報を1つずつ移行して記憶可能であり、大当たり抽選の結果が大当たりであるか否か等の大当たり判定を実行するための大当たり判定用記憶領域37が設けられている。尚、保留情報は、特別図柄及び装飾図柄が確定表示される度に所定の順番で順次大当たり判定用記憶領域37へ移行されて消化され(パチンコ機1では、チューリップ式電動役物17への入賞に係る保留情報が、始動入賞口19への入賞に係る保留情報よりも優先して消化される)、該消化に伴って新たな保留情報が記憶可能となる。
サブ制御装置40には、サブ統合CPU42、記憶手段43、タイマ44、及びインターフェイス45等が搭載されたサブ統合基板41が内蔵されている。該サブ統合基板41は、インターフェイス45を介してメイン制御基板31と電気的に接続されているとともに、表示制御装置50、発光制御装置51、及び音制御装置52と電気的に接続されている。また、サブ統合基板41は、インターフェイス45を介して各種ボタン71〜73やボタン遊技用表示部83、進入口84に設置され、遊技球のセンター部材26への進入を検出する進入検出センサ88とも電気的に接続されている。そして、サブ統合CPU42は、後述するようにメイン制御基板31から大当たり抽選に係る信号(後述するような各種コマンド等)を受信すると、その内容に応じて各制御装置を制御し、スピーカ14やランプ部材15の動作や、演出用表示部6における表示動作等を制御する。
また、記憶手段43には、演出用表示部6に表示する装飾図柄を記憶する図柄記憶領域(図示せず)と、演出用表示部6における装飾図柄の詳細な変動表示態様やキャラクターの動画を用いたキャラクター演出等からなる複数の詳細変動パターンを記憶した変動パターン記憶領域46とが設けられており、種々の詳細変動パターンが図8に示す如くメイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応づけて記憶されている。さらに、記憶手段43には、メイン制御基板31から送信されてくる後述するような予定情報を記憶するための予定情報記憶領域47が設けられている。
以下、上記パチンコ機1における基本的な遊技動作について簡略に説明する。
まずパチンコ機1では、遊技球が始動入賞口19やチューリップ式電動役物17へ入賞すると、当該入賞がメインCPU32により検出される(変動条件の充足)。すると、メインCPU32は、所定個数(たとえば3個)の遊技球を賞球として払い出すとともに、入賞検出のタイミングでcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得し、さらに保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報の数が最大値に達しているか否かを確認する。そして、保留情報の数が既に最大値に達していると、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を記憶することなく削除する。一方、最大値に達していないと、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報記憶領域36に記憶するとともに、遊技状態毎に設定されている大当たり判定用テーブルを参照して今回cカウンタから取得した数値が所定の「大当たり数値(たとえば通常状態の大当たり判定用テーブルでは“0”の1通りとなっており、高確率状態の大当たり判定用テーブルでは“0”〜“9”の10通りとなっている)」であるか否か(すなわち、大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか否か)に加え、当該「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値と、始動入賞口19とチューリップ式電動役物17との何れへの入賞であるかとにもとづく特別図柄の確定表示態様(「大当たり」である場合には「大当たり」の種別)、及び「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上でのeカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンがどうなるかを、後述する大当たり判定よりも事前に事前判定として一旦判定する。さらに、メインCPU32は、当該事前判定の結果、始動入賞口19とチューリップ式電動役物17との何れへの入賞に伴う保留情報であるのか、及び何個目の保留情報にもとづくものであるのかを含んだ予定情報を作成し、サブ統合CPU42へ送信する。
また、メインCPU32は、特別図柄表示部87において特別図柄を変動表示しているか、それとも確定表示しているかを常に確認しており、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの特別図柄についても確定表示していると保留情報の有無を確認する。そして、保留情報が存在すると、消化する優先度が最も高い保留情報(本実施形態では、チューリップ式電動役物17への入賞に係る保留情報が存在すると、その保留情報のうち最も以前に記憶した保留情報となり、チューリップ式電動役物17への入賞に係る保留情報が存在しないと、始動入賞口19への入賞に係る保留情報のうち最も以前に記憶した保留情報となる)を大当たり判定用記憶領域37へ移行するとともに、当該保留情報について以下の大当たり判定を実行する。すなわち、保留情報を大当たり判定用記憶領域37へ移行した時点での遊技状態に対応した大当たり判定用テーブルを参照して、当該保留情報に係るcカウンタからの取得数値が上記所定の「大当たり数値」であるか否か、つまり大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか、それとも「はずれ」であるかを判定する。また、大当たり抽選の結果が「大当たり」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」である)と、dカウンタからの取得数値及び始動入賞口19とチューリップ式電動役物17との何れへの入賞であるかにもとづき特別図柄の確定表示態様を決定するとともに、図6(b)や図7(b)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、大当たりの種別、及び図柄の変動時間を含む基変動パターンを決定する)。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」以外の数値である)と、dカウンタからの取得数値及び始動入賞口19とチューリップ式電動役物17との何れへの入賞であるかにもとづき特別図柄の確定表示態様を決定するとともに、図6(a)や図7(a)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。
その後、メインCPU32は、始動入賞口19とチューリップ式電動役物17との何れへの入賞に伴うものであるか、大当たり抽選の結果(「大当たり」であるか「はずれ」であるか)、特別図柄の確定表示態様、及び読み出した基本変動パターンの種類を示す情報を含んだ開始コマンドを作成するとともに、当該開始コマンドをサブ統合CPU42へ送信する。また、特別図柄表示部87において、始動入賞口19への入賞に係る保留情報の消化であると第1特別図柄を、チューリップ式電動役物17への入賞に係る保留情報の消化であると第2特別図柄を所定の態様で夫々変動させるとともに、タイマ34による計時を開始する。そして、読み出した基本変動パターンに応じた図柄の変動時間が経過すると、大当たり抽選の結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値及び始動入賞口19とチューリップ式電動役物17との何れへの入賞であるかにもとづく確定表示態様で対応する特別図柄を確定表示させるとともに、停止信号を含んだ停止コマンドをサブ統合CPU42へと送信する。なお、大当たり判定用記憶領域37へ移行した保留情報に関しては、当該保留情報に係る特別図柄の確定表示をもって消去する。
また、特別図柄の確定表示に係り、メインCPU32は、始動入賞口19への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“0”〜“3”のいずれかであると第1特別図柄を図柄B(第1の特別確定表示態様)で確定表示させる。さらに、始動入賞口19への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“4”〜“5”のいずれかであると第1特別図柄を図柄C(第1の特別確定表示態様)で確定表示させる。さらにまた、始動入賞口19への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“6”〜“7”のいずれかであると第1特別図柄を図柄D(第1の特別確定表示態様)で確定表示させる。加えて、始動入賞口19への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“8”であると第1特別図柄を図柄E(第1の特別確定表示態様)で確定表示させる。そして、当該確定表示後、大当たり状態の開始を報知する開始デモ、可動入賞装置18A、18Bの所定回数にわたる断続的な開成(可動入賞装置18Aと可動入賞装置18Bとが交互に開成する態様となる)、及び大当たり状態の終了を報知する終了デモからなる大当たり状態を生起させる。
一方、メインCPU32は、チューリップ式電動役物17への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、上記第2特別図柄の第2の特別確定表示態様(たとえば「7」)での確定表示後、上記始動入賞口19への入賞時同様、大当たり状態の開始を報知する開始デモ、可動入賞装置18A、18Bの所定回数にわたる断続的な開成、及び大当たり状態の終了を報知する終了デモからなる大当たり状態を生起させる。そして、大当たり状態の生起に伴い開成した可動入賞装置18A、18Bに遊技球が入賞すると、始動入賞口19やチューリップ式電動役物17へ入賞した場合と比較して多くの遊技球(たとえば10個)を賞球として払い出す。
なお、始動入賞口19への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「はずれ」であると第1特別図柄を図柄A(第1の非特別確定表示態様)で、チューリップ式電動役物17への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「はずれ」であると第2特別図柄を所定の第2の非特別確定表示態様(たとえば「2」)で夫々確定表示させた後、次に消化する保留情報を大当たり判定用記憶領域37へ移行し、当該保留情報に係る大当たり判定を実行する。
また、メインCPU32は、大当たり状態の生起回数をカウントしており、生起回数が所定の制限回数(たとえば10回)に達するまでは、大当たり状態が終了してから次回大当たり判定において大当たり抽選の結果が「大当たり」となるまで、大当たり抽選の結果が「大当たり」となる確率が上述の如く向上した高確率状態を生起させるとともに、チューリップ式電動役物17が開状態となりやすい、若しくは、長時間にわたって開状態となるとの少なくとも何れか一方としたことで、チューリップ式電動役物17へ遊技球が入賞しやすくなるサポート状態を生起させる。そして、大当たり状態の生起回数が制限回数に達すると、当該大当たり状態の終了に伴い、高確率状態及びサポート状態を生起させることなく、大当たり抽選の結果が「大当たり」となりにくく、且つ、チューリップ式電動役物17が開状態となりにくい遊技開始当初の通常状態へ復帰させる。したがって、大当たり状態が所定の制限回数にわたって断続的に生起する遊技状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態であると言える。なお、「大当たり状態が終了してから次回大当たり判定において大当たり抽選の結果が「大当たり」となるまで」という事項は、たとえば図柄の変動回数を10000回と設定することにより実現してもよい。
一方、メインCPU32は、チューリップ式電動役物17の開閉動作についても制御しており、遊技球がゲート部材20を通過すると、当該通過がメインCPU32により検出される。すると、メインCPU32は、通過検出のタイミングでaカウンタから1つの数値を取得する(開放抽選を行う)とともに、aカウンタからの取得数値が所定の「開放数値(たとえばサポート状態が生起していると“0”〜“8”の9通り、サポート状態が生起していないと“0”の1通りのみとなっている)」であるか否かを判定する。そして、aカウンタからの取得数値が「開放数値」である、すなわち開放抽選の結果が「当選」であると、閉状態にあるチューリップ式電動役物17を開動作させて開状態とする。このとき、サポート状態が生起していると、たとえばサポート状態が生起していない場合と比べて長い時間(2秒間)に亘り開状態とすることを断続的に3回繰り返す態様等の特別開放動作態様で作動させる。したがって、チューリップ式電動役物17へ遊技球が入賞しやすくなる。また、サポート状態が生起していないと、たとえばサポート状態が生起している場合と比べて短い時間(0.2秒)に亘り、しかも1回しか開状態としない等の通常開放動作態様でチューリップ式電動役物17を作動させる。したがって、たとえ開放抽選に当選してチューリップ式電動役物17が開動作したとしても、遊技球はチューリップ式電動役物17へ極めて入賞しにくくなっている。
さらに、aカウンタからの取得数値が「開放数値」でない、すなわち開放抽選の結果が「はずれ」であると、チューリップ式電動役物17を閉状態のまま作動させない。したがって、遊技球がチューリップ式電動役物17に入賞することはない。加えて、たとえば特別開放動作態様でチューリップ式電動役物17を作動させている間等に、遊技球のゲート部材20の通過を検出した場合には、上記保留情報と同様、当該通過のタイミングで取得したaカウンタの数値を所定個数まで記憶手段33に記憶するとともに、チューリップ式電動役物17の特別開放動作態様による作動が終了する度に、記憶した順で開放抽選の結果の確認等を実行するようになっている。
一方、サブ統合CPU42は、予定情報を受信すると予定情報記憶領域47へ記憶する。また、開始コマンドを受信すると、該開始コマンドに対応する予定情報を予定情報記憶領域47から読み出す。さらに、その開始コマンドに含まれている大当たり抽選の結果に係る情報及び特別図柄の確定表示態様等に応じて最終的に確定表示する装飾図柄の表示態様を決定する。そして、基本変動パターンに係る情報に対応する詳細変動パターンを変動パターン記憶領域46から読み出し、タイマ44により計時しながら、読み出した詳細変動パターンにしたがって演出用表示部6における装飾図柄を変動表示させるとともに、所定の順(ここでは左側の図柄表示部、右側の図柄表示部の順)で装飾図柄を停止表示とした後、停止コマンドの受信に伴い、上記決定した表示態様で装飾図柄を確定表示させる。つまり、大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、同一の特別な装飾図柄を2つ並べる大当たり装飾図柄確定表示態様(たとえば“7・7”や“3・3”)で確定表示させる。また、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、何れか一方の装飾図柄が他方の装飾図柄とは異なるはずれ装飾図柄確定表示態様(たとえば“7・8”)で確定表示させる。なお、読み出した予定情報については、予定情報記憶領域47から消去する。
また、サブ統合CPU42は、大当たり状態を生起させるにあたり、たとえば開始デモ中には、演出用表示部6を利用して大当たり状態の開始を報知し、可動入賞装置18A、18Bの開成が開始されると、図柄の確定表示態様等に対応した演出用表示部6での表示演出を記憶手段43から読み出し、演出用表示部6での表示動作を制御する。また、終了デモになると、演出用表示部6を利用して大当たり状態が終了する旨等を遊技者に報知する。
以上のようなパチンコ機1では、遊技者は通常状態から遊技を開始することになり、ハンドル9を回動操作して発射装置10を作動させ、発射通路13を介して遊技球を遊技領域16内へ打ち込み、まずは左打ち用スペースSLを流下させ(所謂左打ちを行い)、センター部材26への遊技球の進入、ひいては始動入賞口19への遊技球の入賞を狙う。そして、始動入賞口19への遊技球の入賞検出に起因して実行される所謂大当たり抽選の結果が「大当たり」になると、特別図柄表示部87及び演出用表示部6に夫々所定の「大当たり図柄」が確定表示される。また、「大当たり図柄」が確定表示されると、可動入賞装置18A、18Bを夫々1回ずつ開成させるといった所謂大当たり状態が生起する。そこで、遊技者は、遊技球を右打ち用スペースSRへ打ち込んで流下させる所謂右打ちを行い、開成する可動入賞装置18A、18Bへの遊技球の入賞を狙う。なお、始動入賞口19へ遊技球が入賞した場合、特別図柄表示部87では第1特別図柄が変動/確定表示される。
また、大当たり状態が終了すると、ゲート部材20への遊技球の通過検出に起因して実行される所謂当たり抽選の結果が「当たり」となりやすく、チューリップ式電動役物17が頻繁に開状態となって遊技球の入賞が可能となるとともに、チューリップ式電動役物17への入賞検出に起因して実行される大当たり抽選の結果が「大当たり」となりやすい所謂確変状態が生起する。そこで、遊技者は右打ちを継続し、ゲート部材20への遊技球の通過、及び頻繁に開状態となるチューリップ式電動役物17への遊技球の入賞を狙う。また、チューリップ式電動役物17への遊技球の入賞に応じて実行された大当たり抽選の結果が「大当たり」になると、特別図柄表示部87及び演出用表示部6に「大当たり図柄」が確定表示され、可動入賞装置18A、18Bを夫々1回ずつ開成させる「大当たり状態」が再び生起する。なお、チューリップ式電動役物17へ遊技球が入賞した場合、特別図柄表示部87では第2特別図柄が変動/確定表示される。
そして、上記大当たり状態の生起回数が制限回数に達すると、当該大当たり状態の終了後に確変状態は生起せず、ゲート部材20への遊技球の通過検出に起因して実行される当たり抽選の結果が「当たり」となりにくく(或いは「当たり」とならず)、チューリップ式電動役物17がほぼ開状態とならない(或いは開状態になることがない)上、大当たり抽選の結果が「大当たり」となりにくい遊技開始当初の通常状態へ復帰する。そのため、遊技者は、右打ちを止めて左打ちを行う上記遊技へと戻る。
(演出モードの移行に係る制御についての説明)
ここで、本発明の要部となるパチンコ機1での遊技モードの移行について、図9〜図15をもとに説明する。
図9は、第1特別図柄の確定表示態様と基本変動パターン決定テーブルの移行周期との対応を示した説明図である。図10は、サブ通常モードにおけるfカウンタの数値と詳細変動パターンとの対応を示した説明図である。図11は、サブ特別モードにおけるfカウンタの数値と詳細変動パターンとの対応を示した説明図である。図12は、gカウンタの数値とモード移行の有無との対応づけを示した説明図である。図13は、メイン制御装置30でのメイン遊技モードのモード移行に係る制御を示したフローチャート図である。図14は、サブ制御装置40でのサブ遊技モードのモード移行に係る制御を示したフローチャート図である。図15は、サブ制御装置40での詳細変動パターンの決定に係る制御を示したフローチャート図である。
メイン制御装置30には、通常状態における基本変動パターン決定テーブルとして、特に基本変動パターンD(特別基本変動パターン)を選択する確率が異なる複数種類の基本変動パターン決定テーブルが設定されている。すなわち、所定の確率で基本変動パターンDが選択される通常基本変動パターン決定テーブル(図6)と、通常基本変動パターン決定テーブルよりも高い確率で基本変動パターンDが選択される特別基本変動パターン決定テーブル(図7)とが設定されている。そして、大当たり抽選において通常基本変動パターン決定テーブルをもとに基本変動パターンを決定する状態を、メイン遊技モードがメイン通常モードにあるとし、特別基本変動パターン決定テーブルをもとに基本変動パターンを決定する状態を、メイン遊技モードがメイン特別モードにあるとしている。
また、メイン制御装置30には、図9に示すように、大当たり状態が生起するに際しての第1特別図柄の確定表示態様と基本変動パターン決定テーブルの移行周期とが対応づけられている。すなわち、メイン制御装置30は、第1特別図柄が図柄Bで確定表示されて大当たり状態が生起すると、上述したように確変状態を経て通常状態へ復帰した後、第1特別図柄の確定表示回数が4回に達するまでメイン遊技モードをメイン通常モードとし、その間の大当たり判定に関しては通常基本変動パターン決定テーブルを使用して基本変動パターンを決定するものの、第1特別図柄の確定表示回数が5回目(特別回数目)となる大当たり判定に関してはメイン遊技モードをメイン特別モードとし、特別基本変動パターン決定テーブルを使用して基本変動パターンを決定する。また、第1特別図柄の確定表示回数が6回目((特別回数+1)回目)となる大当たり判定から9回目となる大当たり判定に関してはメイン遊技モードを再びメイン通常モードとし、第1特別図柄の確定表示回数が10回目(特別回数目)となる大当たり判定に関してはメイン遊技モードをまたメイン特別モードとする。そして、メイン制御装置30は、この周期でのメイン遊技モードの移行を、大当たり判定において大当たり抽選の結果が「大当たり」となるまで継続するようになっている。
また、メイン制御装置30は、第1特別図柄が図柄Cで確定表示されて大当たり状態が生起すると、通常状態への復帰後、第1特別図柄の確定表示回数が8回に達するまでメイン遊技モードをメイン通常モードとし、その間の大当たり判定に関しては通常基本変動パターン決定テーブルを使用して基本変動パターンを決定する。そして、第1特別図柄の確定表示回数が9回目(特別回数目)となる大当たり判定に関してはメイン遊技モードをメイン特別モードとし、特別基本変動パターン決定テーブルを使用して基本変動パターンを決定する。また、第1特別図柄の確定表示回数が10回目((特別回数+1)回目)となる大当たり判定から17回目となる大当たり判定に関しては再びメイン通常モードとし、第1特別図柄の確定表示回数が18回目(特別回数目)となる大当たり判定に関してはまたメイン特別モードとするといった周期でメイン遊技モードを移行させる。
さらに、メイン制御装置30は、第1特別図柄が図柄Dで確定表示されて大当たり状態が生起すると、通常状態への復帰後、第1特別図柄の確定表示回数が12回に達するまでメイン遊技モードをメイン通常モードとし、その間の大当たり判定に関しては通常基本変動パターン決定テーブルを使用して基本変動パターンを決定する。そして、第1特別図柄の確定表示回数が13回目(特別回数目)となる大当たり判定に関してはメイン遊技モードをメイン特別モードとし、特別基本変動パターン決定テーブルを使用して基本変動パターンを決定する。また、第1特別図柄の確定表示回数が14回目((特別回数+1)回目)となる大当たり判定から25回目となる大当たり判定に関しては再びメイン通常モードとし、第1特別図柄の確定表示回数が26回目(特別回数目)となる大当たり判定に関してはまたメイン特別モードとするといった周期でメイン遊技モードを移行させる。
加えて、メイン制御装置30は、第1特別図柄が図柄Eで確定表示されて大当たり状態が生起すると、通常状態への復帰後、第1特別図柄の確定表示回数が16回に達するまでメイン遊技モードをメイン通常モードとし、その間の大当たり判定に関しては通常基本変動パターン決定テーブルを使用して基本変動パターンを決定する。そして、第1特別図柄の確定表示回数が17回目(特別回数目)となる大当たり判定に関してはメイン遊技モードをメイン特別モードとし、特別基本変動パターン決定テーブルを使用して基本変動パターンを決定する。また、第1特別図柄の確定表示回数が18回目((特別回数+1)回目)となる大当たり判定から33回目となる大当たり判定に関しては再びメイン通常モードとし、第1特別図柄の確定表示回数が34回目(特別回数目)となる大当たり判定に関してはまたメイン特別モードとするといった周期でメイン遊技モードを移行させる。
一方、サブ制御装置40には、基本変動パターンDに対応する詳細変動パターン(スーパーリーチ)として複数種類の表示演出(スーパーリーチA〜C)が記憶されており、そのうちの1つであるスーパーリーチAは、装飾図柄の変動表示中(たとえば変動開始直後や所謂リーチ表示の成立時等)に演出用表示部6に特別なキャラクターを登場させる演出(特定表示演出)を含んだ表示演出とされている。また、サブ制御装置40には、後述するようなサブ遊技モード移行抽選に当選した際、次に装飾図柄の変動が開始されるまでの間における演出用表示部6での表示演出であって、次の装飾図柄の変動表示中に上記特別なキャラクターが登場する可能性が高いことを遊技者に報知する報知演出(たとえば、次の変動表示に際して特別なキャラクターが登場する可能性が高いことを示唆するメッセージを演出用表示部6に表示する等)も記憶されている。なお、特定表示演出を含んだスーパーリーチAが特定詳細変動パターンとなり、特定表示演出を含まないスーパーリーチB、Cは非特定詳細変動パターンとなる。
さらに、サブ制御装置40にも、大当たり状態が生起するに際しての第1特別図柄の確定表示態様と基本変動パターン決定テーブルの移行周期とを対応づけたもの等が記憶されており、メイン制御装置30からの開始コマンド等にもとづき第1特別図柄の確定表示回数をカウントすることによって、メイン遊技モードが現在どのような状況にあるかを判断可能となっている。加えて、サブ制御装置40には、詳細変動パターンを決定する(特に、基本変動パターンが基本変動パターンDであった場合に、詳細変動パターンをスーパーリーチA〜Cの何れにするかを決定する)演出決定抽選のためのfカウンタ(詳細演出決定用乱数)や、サブ遊技モードを移行するか否かであり、演出用表示部6において上記報知演出を実行するか否かでもあるサブ遊技モード移行抽選に使用するgカウンタ(サブ遊技モード移行決定用乱数)、図10、図11に示す如くfカウンタの数値と詳細変動パターンとを対応づけた詳細変動パターン決定テーブル、及び図12に示す如くgカウンタの数値とサブ遊技モードの移行の有無(報知演出の実行の有無でもある)とを対応づけたサブ遊技モード移行決定テーブル等が記憶されている。
fカウンタ及びgカウンタは、cカウンタ等と同様、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、fカウンタは0〜99(100通り)の間を、gカウンタは0〜99(100通り)の間を夫々ループカウントするようになっており、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数からの数値の取得とみなすことができる。そして、サブ制御装置40は、開始コマンドの受信に応じてfカウンタから1つの数値を取得する。また、遊技球の進入口84への進入検出を契機としてgカウンタから1つの数値を取得する(サブ遊技モード移行抽選を実行する)。
また、詳細変動パターン決定テーブルとして、特にスーパーリーチAを選択する確率が異なる複数種類の詳細変動パターン決定テーブルが設定されている。すなわち、所定の確率でスーパーリーチAが選択される通常詳細変動パターン決定テーブル(図10)と、通常詳細変動パターン決定テーブルよりも高い確率でスーパーリーチAが選択される特別詳細変動パターン決定テーブル(図11)とが設定されている。そして、開始コマンドに含まれている基本変動パターンが基本変動パターンDであった場合に、fカウンタからの取得数値を通常詳細変動パターン決定テーブルに対応させて詳細変動パターンを決定する状態を、サブ遊技モードがサブ通常モードにあるとし、fカウンタからの取得数値を特別詳細変動パターン決定テーブルに対応させて詳細変動パターンを決定する状態を、サブ遊技モードがサブ特別モードにあるとしている。なお、通常詳細変動パターン決定テーブル及び特別詳細変動パターン決定テーブルでは、大当たり抽選の結果が「はずれ」であった場合よりも「大当たり」であった場合の方がスーパーリーチAが選択されやすいようになっている。
さらに、サブ遊技モード移行決定テーブルとしては、サブ遊技モード移行抽選に当選する確率が低い状態において使用する低確時用サブ遊技モード移行決定テーブル(図12(a))と、サブ遊技モード移行抽選に当選する確率が高い状態において使用する高確時用サブ遊技モード移行決定テーブル(図12(b))とが設定されている。
そして、メイン制御装置30とサブ制御装置40とでは、図13〜図15に示すフローチャートに沿って夫々の遊技モードを移行させつつ、特定表示演出の実行の有無を決定している。
まずメイン制御装置30では、遊技球の始動入賞口19への入賞検出に応じた大当たり判定の実行(S1)に係り、第1特別図柄の確定表示回数や基本変動パターン決定テーブルの移行周期を参照し、今回の大当たり判定が、メイン遊技モードをメイン通常モードからメイン特別モードへ移行させる特別回数目の大当たり判定であるか否かを確認する(S2)。そして、今回の大当たり判定が特別回数目の大当たり判定である(S2でYESと判断する)と、メイン遊技モードをメイン通常モードからメイン特別モードへ移行し(S6)、eカウンタからの取得数値を特別基本変動パターン決定テーブルに対応させて基本変動パターンを決定する(S7)。一方、今回の大当たり判定が特別回数目の大当たり判定でない(S2でNOと判断する)と、今回の大当たり判定が(特別回数+1)回目の大当たり判定であるか否かを確認する(S3)。そして、今回の大当たり判定が(特別回数+1)回目の大当たり判定である(S3でYESと判断する)と、メイン遊技モードをメイン特別モードからメイン通常モードへ移行し(S4)、eカウンタからの取得数値を通常基本変動パターン決定テーブルに対応させて基本変動パターンを決定する(S5)。また、今回の大当たり判定が(特別回数+1)回目の大当たり判定でもない(S3でNOと判断する)と、メイン遊技モードのモード移行を行うことなく、eカウンタからの取得数値を通常基本変動パターン決定テーブルに対応させて基本変動パターンを決定する(S5)。
次にサブ制御装置40では、遊技球の進入口84への進入を検出する(S11)と、現在(進入検出時)のサブ遊技モードを確認する(ここでは、サブ遊技モードがサブ特別モードであるか否かを確認する(S12))。そして、サブ遊技モードがサブ通常モードである(S12でNOと判断する)と、gカウンタから数値を取得するサブ遊技モード移行抽選を実行する(S13)。また、自身でカウントしている第1特別図柄の確定表示回数を参照し、サブ遊技モード移行抽選を実行した際の第1特別図柄の確定表示回数が(特別回数−1)回であるか否かを確認する(S14)。その結果、サブ遊技モード移行抽選を実行した際の第1特別図柄の確定表示回数が(特別回数−1)回である(S14でYESと判断する)と、gカウンタからの取得数値を高確時用サブ遊技モード移行決定テーブルに(S15)、サブ遊技モード移行抽選を実行した際の第1特別図柄の確定表示回数が(特別回数−1)回でない(S14でNOと判断する)と、gカウンタからの取得数値を低確時用サブ遊技モード移行決定テーブルに(S16)夫々対応させ、サブ遊技モード移行抽選に当選したか否かを判定する(S17)。すなわち、高確時用サブ遊技モード移行決定テーブルに対応させると、gカウンタからの取得数値が“0”〜“49”のいずれかであるとサブ遊技モード移行抽選に「当選」したとなり、“50”〜“99”であるとサブ遊技モード移行抽選に「はずれ」たとなる。また、低確時用サブ遊技モード移行決定テーブルに対応させると、gカウンタからの取得数値が“0”である場合のみサブ遊技モード移行抽選に「当選」したとなり、“1”〜“99”のいずれかであるとサブ遊技モード移行抽選に「はずれ」たとなる。
そして、サブ遊技モード移行抽選に当選する(S17でYESと判断する)と、サブ通常モードからサブ特別モードへサブ遊技モードを移行させる(S18)とともに、演出用表示部6に所定のメッセージを表示する等の報知演出を実行する(S19)。なお、サブ遊技モード移行抽選での当選時、演出用表示部6において装飾図柄を変動表示していると、装飾図柄の確定表示を待って報知演出を実行する。また、遊技球の進入口84への進入検出時にすでにサブ遊技モードがサブ特別モードであったり(S12でYESと判断)、サブ遊技モード移行抽選に「はずれ」たり(S17でNOと判断)した場合には、以下の制御を実行することなく、次の遊技球の進入口84への進入を待つ。
さらにサブ制御装置40では、開始コマンドを受信する(S21)と、当該開始コマンドが始動入賞口19への入賞にもとづくものであり、且つ、当該開始コマンドに係る基本変動パターンが基本変動パターンDであるか否かを確認する。すなわち、所定の遊技条件が満たされているか否かを確認する(S22)。その結果、受信した開始コマンドが始動入賞口19への入賞にもとづくものであり、且つ、基本変動パターンが基本変動パターンDである、すなわち遊技条件が充足されている(S22でYESと判断する)と、fカウンタから数値を取得する、すなわち演出決定抽選を実行する(S23)。そして、演出決定抽選を実行した際のサブ遊技モードを確認し(S24)、サブ遊技モードがサブ特別モードである(S24でYESと判断する)と、fカウンタからの取得数値を特別詳細変動パターン決定テーブルに(S25)、サブ遊技モードがサブ通常モードである(S24でNOと判断する)と、fカウンタからの取得数値を通常詳細変動パターン決定テーブルに(S27)夫々対応させて、演出用表示部6での詳細変動パターンを決定する。
すなわち、基本変動パターンDであって、サブ遊技モードがサブ通常モードであり、且つ、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、図10(a)に示す通常詳細変動パターン決定テーブルに対応させ、fカウンタからの取得数値が“0”〜“9”のいずれかであると、特定表示演出を実行するとして当該特定表示演出を含んだスーパーリーチAを選択し、“10”〜“39”のいずれかであると、特定表示演出を実行しないとして特定表示演出を含まないスーパーリーチBを選択し、“40”〜“99”のいずれかであると、特定表示演出を実行しないとして特定表示演出を含まないスーパーリーチCを選択する。また、基本変動パターンDであって、サブ遊技モードがサブ通常モードであり、且つ、大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、図10(b)に示す通常詳細変動パターン決定テーブルに対応させ、fカウンタからの取得数値が“0”〜“59”のいずれかであると、特定表示演出を実行するとしてスーパーリーチAを選択し、“60”〜“89”のいずれかであると、特定表示演出を実行しないとしてスーパーリーチBを選択し、“90”〜“99”のいずれかであると、特定表示演出を実行しないとしてスーパーリーチCを選択する。
一方、基本変動パターンDであって、サブ遊技モードがサブ特別モードであり、且つ、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、図11(a)に示す特別詳細変動パターン決定テーブルに対応させ、fカウンタからの取得数値が“0”〜“79”のいずれかであると、特定表示演出を実行するとしてスーパーリーチAを選択し、“80”〜“94”のいずれかであると、特定表示演出を実行しないとしてスーパーリーチBを選択し、“95”〜“99”のいずれかであると、特定表示演出を実行しないとしてスーパーリーチCを選択する。また、基本変動パターンDであって、サブ遊技モードがサブ特別モードであり、且つ、大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、図11(b)に示す特別詳細変動パターン決定テーブルに対応させ、fカウンタからの取得数値が“0”〜“89”のいずれかであると、特定表示演出を実行するとしてスーパーリーチAを選択し、“90”〜“96”のいずれかであると、特定表示演出を実行しないとしてスーパーリーチBを選択し、“97”〜“99”のいずれかであると、特定表示演出を実行しないとしてスーパーリーチCを選択する。
そして、装飾図柄の変動表示を開始するとともに、決定した詳細変動パターンにしたがって演出用表示部6での表示動作を制御し(S26、S28)、スーパーリーチAを選択した場合には特定表示演出を実行することになる。なお、サブ遊技モードがサブ特別モードである(S24やS29でYESと判断する)と、遊技条件を充足する/しないに拘わらず(S22での判断結果に拘わらず)、今回の開始コマンドの受信に伴う装飾図柄の確定表示に伴い、サブ遊技モードをサブ通常モードへ復帰させる(S31)ことになる。また、受信した開始コマンドが始動入賞口19への入賞にもとづくものでなかったり、基本変動パターンが基本変動パターンDでなかったりする、すなわち遊技条件が充足されていない(S22でNOと判断する)と、演出決定抽選等を実行することなく詳細変動パターンを決定し、その詳細変動パターンにしたがって演出用表示部6での表示動作を制御する(S26、S30)。
ここで、上記特定表示演出の実行の有無、及びそれに伴う遊技モードの移行を実際の遊技の流れに沿って説明する。
たとえば遊技状態が、第1特別図柄が図柄Bで確定表示されて大当たり状態が生起してから復帰した後の通常状態であり、第1特別図柄の確定表示回数が2回の状況で遊技を開始したとする。このとき、遊技状態が通常状態であるため、チューリップ式電動役物17への遊技球の入賞はほぼ考えられず、もっぱら始動入賞口19への入賞に応じて第1特別図柄及び装飾図柄が変動/確定表示されることになる。すると、遊技球の次の始動入賞口19への入賞に応じた大当たり判定(第1特別図柄の確定表示回数が3回目となる大当たり判定であり、以下3回目の大当たり判定と称す)と、更にその次の始動入賞口19への入賞に応じた大当たり判定(第1特別図柄の確定表示回数が4回目となる大当たり判定であり、以下4回目の大当たり判定と称す)とについては、メイン制御装置30でのメイン遊技モードがメイン通常モードにあるため、通常基本変動パターン決定テーブルを使用して基本変動パターンが決定される。この通常基本変動パターン決定テーブルを使用して基本変動パターンが決定されると、特別基本変動パターン決定テーブルを使用する場合と比べて、特定表示演出を含んだスーパーリーチAが選択される可能性のある基本変動パターンDが選択されにくい。すなわち、メイン通常モードは、演出用表示部6において比較的特定表示演出が実行されにくい遊技モードであると言える。
そして、上記3回目の大当たり判定と4回目の大当たり判定とにおいて大当たり抽選の結果が「大当たり」でなく遊技が進むと、その次の始動入賞口19への入賞に応じた大当たり判定(第1特別図柄の確定表示回数が5回目となる大当たり判定であり、以下5回目の大当たり判定と称す)では、メイン遊技モードがメイン特別モードとなり、特別基本変動パターン決定テーブルを使用して基本変動パターンが決定される。すなわち、5回目の大当たり判定では、3回目の大当たり判定や4回目の大当たり判定に比べて基本変動パターンDが選択されやすくなる。したがって、メイン特別モードは、演出用表示部6において特定表示演出が実行される可能性が比較的高い遊技モードであると言える。そして、5回目の大当たり判定においても「大当たり」でなく遊技が進むと、次の始動入賞口19への入賞に応じた大当たり判定(第1特別図柄の確定表示回数が6回目となる大当たり判定であり、以下6回目の大当たり判定と称す)では、メイン遊技モードが再びメイン通常モードとなり、通常基本変動パターン決定テーブルを使用して基本変動パターンが決定される。以上のように、パチンコ機1では、第1特別図柄の確定表示回数に応じて、メイン制御装置30で遊技モードが移行されつつ遊技が進行することになる。
一方、遊技を開始する上記状態において、サブ遊技モードはサブ通常モードにあったとする。そして、上記パチンコ機1では、遊技を開始してから遊技球の始動入賞口19への入賞に応じて3回目の大当たり判定が行われるまでの間や、3回目の大当たり判定が行われてから4回目の大当たり判定が行われるまでの間に、センター部材26内へ進入した遊技球が始動入賞口19へ入賞する確率が略1/20であることもあり、複数の遊技球が進入口84からセンター部材26内へ進入すると考えられ、この遊技球の進入口84への進入が検出される度に、サブ制御装置40でサブ遊技モード移行抽選が実行される。ただし、4回目の大当たり判定に係る装飾図柄の変動表示が確定表示となるまで、サブ遊技モード移行抽選は低確時用サブ遊技モード移行決定テーブルを使用して当否が判定されるため「当選」となりにくい、すなわちサブ遊技モードがサブ通常モードのままである可能性が高い。そして、サブ通常モードでは、詳細変動パターンの決定に際して、特別詳細変動パターン決定テーブルを使用する場合と比較して特定表示演出を含んだスーパーリーチAが選択されにくい通常詳細変動パターン決定テーブルを使用することになる。したがって、3回目の大当たり判定及び4回目の大当たり判定に関しては、サブ制御装置40側も、演出用表示部6において比較的特定表示演出が実行されにくい状態にあると言える。
しかしながら、4回目の大当たり判定に係る装飾図柄の変動表示が確定表示になってから5回目の大当たり判定が行われるまでの間、サブ遊技モード移行抽選は、低確時用サブ遊技モード移行決定テーブルを使用して当否が判定されることになる。したがって、3回目の大当たり判定と4回目の大当たり判定とにおいて大当たり抽選の結果が「大当たり」でなく遊技が進むと、以後のサブ遊技モード移行抽選では「当選」となりやすく、5回目の大当たり判定が行われるよりも前に、サブ遊技モードがサブ特別モードへ移行する可能性が高い。そして、サブ特別モードでは、詳細変動パターンの決定に際して特別詳細変動パターン決定テーブルを使用することになる。したがって、5回目の大当たり判定に関しては、サブ制御装置40側も、演出用表示部6において比較的特定表示演出が実行されやすい状態にあると言える。そして、5回目の大当たり判定においても「大当たり」でなく遊技が進むと、サブ遊技モードはサブ通常モードへ復帰し、サブ遊技モード移行抽選に「当選」しにくく、演出用表示部6において比較的特定表示演出が実行されにくい状態に復帰することになる。したがって、パチンコ機1では、第1特別図柄の確定表示回数に応じてサブ遊技モード移行抽選での「当選」確率を変化させることで、サブ制御装置40でも遊技モードが移行されつつ遊技が進行することになる。
また、3回目の大当たり判定が実行されるよりも前や、3回目の大当たり判定から4回目の大当たり判定が実行されるよりも前のタイミングでサブ遊技モード移行抽選に「当選」することもある。すると、「当選」後の直近の大当たり判定に関しては、特別詳細変動パターン決定テーブルが使用されるため、特定表示演出が実行されやすい状態となる。ただ、メイン制御装置30ではメイン通常モードであるため、5回目の大当たり判定が実行される場合と比べると、特定表示演出は実行されにくいことになる。したがって、パチンコ機1では、メイン制御装置30における遊技モードとサブ制御装置40における遊技モードとを組み合わせた合計4種類の遊技モードが存在することになる。なお、サブ遊技モード移行抽選に「当選」後の直近の大当たり判定に伴う装飾図柄の確定表示に伴い、特定表示演出の実行の有無に拘わらず、サブ遊技モードはサブ通常モードへ復帰する。
(本実施形態のパチンコ機による効果)
以上のような構成を有するパチンコ機1によれば、メイン制御装置30に、通常状態における基本変動パターン決定テーブルとして、所定の確率で基本変動パターンDが選択される通常基本変動パターン決定テーブルと、通常基本変動パターン決定テーブルよりも高い確率で基本変動パターンDが選択される特別基本変動パターン決定テーブルとを設定した。そして、通常状態における第1特別図柄の確定表示回数が特別回数目となるか否かに応じて、大当たり判定において通常基本変動パターン決定テーブルを使用するメイン通常モードから、大当たり判定において特別基本変動パターン決定テーブルを使用するメイン特別モードへメイン遊技モードを移行させるようになっている。したがって、サブ制御装置でのモード移行抽選の当否結果のみに応じて遊技モードを移行させていた従来の遊技機と比べて、遊技モードの移行態様が斬新であり、従来にない遊技性を備えることができる。
また、大当たり状態が生起するに際しての第1特別図柄の確定表示態様の種類に応じて基本変動パターン決定テーブルの移行周期、すなわちメイン遊技モードの移行契機となる特別回数を異ならせている。したがって、遊技モードの移行態様が複雑であり、一層高い遊技性を備えることができる。
一方、サブ制御装置40に、基本変動パターンDに対応する詳細変動パターン決定テーブルとして、特に特定表示演出を含んだスーパーリーチAを所定の確率で選択する通常詳細変動パターン決定テーブルと、通常詳細変動パターン決定テーブルよりも高い確率でスーパーリーチAが選択される特別詳細変動パターン決定テーブルとを設定した。そして、遊技球の進入口84への進入検出にもとづいて行うサブ遊技モード移行抽選の結果に応じて、詳細変動パターンを決定する際に、通常詳細変動パターン決定テーブルを使用するサブ通常モードから、特別詳細変動パターン決定テーブルを使用するサブ特別モードへサブ遊技モードを移行させるようになっている。したがって、メイン制御装置30側のみならず、サブ制御装置40側でも遊技モードを移行することになり、遊技モードの移行態様が一層複雑となり、遊技性の更なる向上を図ることができる。
加えて、サブ制御装置40では、第1特別図柄の確定表示回数に応じて、サブ遊技モード移行抽選で「当選」となる確率を変更する。したがって、遊技モードの移行態様が極めて複雑となり、極めて高い遊技性を備えることができる。
(本発明の変更例について)
なお、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、遊技機全体の構成は勿論、特定表示演出や遊技モードの内容、特定表示演出の実行や遊技モードの移行に係る制御等に係る構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
たとえば、上記実施形態では、基本変動パターンのうち基本変動パターンDのみを特別基本変動パターンとして設定しているが、たとえば基本変動パターンDと基本変動パターンEとの2つの基本変動パターンを特別基本変動パターンとしてもよく、特別基本変動パターンの種類や数等については適宜設定変更可能である。なお、基本変動パターンに関し、何種類の基本変動パターンを設定するかや各基本変動パターンにおける変動時間をどうするか等については、言うまでもなく適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、基本変動パターンDに対応する詳細変動パターンのみ複数種類設定しているが、たとえば基本変動パターンCや基本変動パターンE等、他の基本変動パターンに対応する詳細変動パターンについても複数種類設定し、サブ制御手段における演出決定抽選によって詳細変動パターンを決定するようにしても何ら問題はない。反対に、特別基本変動パターンに対応する詳細変動パターンについては1種類しか設定しないとすることも可能であり、この場合、サブ制御手段において演出決定抽選を実行することなく詳細変動パターンが決定されるように構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、特別基本変動パターンに対応して設定された複数の詳細変動パターンのうち、1つの詳細変動パターンのみを特定詳細変動パターンとしているが、複数種類の詳細変動パターンを特定詳細変動パターンとしてもよい。すなわち、たとえば特定表示演出が実行されるタイミングが異なったり、特定表示演出が実行される回数が異なったりする複数種類の特定詳細変動パターンを設定してもよい。
さらにまた、特定表示演出の実行に関し、特定詳細変動パターンが選択されると図柄の変動開始から確定表示までの間に自動的に演出用表示部で実行されるように構成してもよいし、図柄の変動開始から確定表示までの間に遊技者による中央ボタン71等の遊技操作手段の操作を要求し、遊技操作手段の操作を契機として演出用表示部で実行されるように構成することも可能である。
またさらに、サブ制御手段に、たとえば特定表示演出で使用するキャラクターと同じキャラクターを登場させる特殊表示演出を詳細変動パターンとは別に設定しておき、開始コマンドの受信に応じて特殊表示演出を実行するか否かの抽選を行うように構成し、その抽選に係る当選確率を図柄の確定表示回数等に応じて変更するといったようなサブ遊技モードを設けることも可能である。
また、上記実施形態では、サブ遊技モードがサブ通常モードである場合にのみモード移行抽選を実行する(すなわち、gカウンタから数値を取得する)としているが、そのような構成に代えて、どのようなサブ遊技モードにあってもgカウンタからの数値の取得を行い、サブ遊技モードがサブ特別モードであると取得した数値に係る判定を行うことなく、取得した数値を消去するといった構成を採用することも可能である。
さらに、メイン遊技モードやサブ遊技モードのモード移行に係り、モードを移行すると決定した際、具体的にどのタイミングで移行させるかについても適宜変更可能である。モード移行のタイミングとしては、たとえばモード移行抽選での当選直後や図柄の確定表示直後、次の図柄の変動開始時等が考えられる。
さらにまた、上記実施形態では、「遊技状態が通常状態であり、且つ、第1特別図柄の確定表示回数が特別回数目となる大当たり判定であること」をメイン移行条件としているが、メイン移行条件を具体的にどのような条件とするかについては、図柄の確定表示回数が条件のうちの1つとして含まれていれば適宜変更可能である。
またさらに、上記実施形態では、「遊技状態が通常状態であり、且つ、進入口への遊技球の進入検出にもとづいて実行したモード移行抽選で「当選」すること」をサブ移行条件としているが、サブ移行条件についても具体的にどのような条件とするか適宜変更可能である。
さらに、上記実施形態では、進入口への遊技球の進入検出にもとづいてサブ制御手段でモード移行抽選を実行するとしているが、たとえば遊技領域内に設けられた遊技球が通過可能なゲート部材や遊技球が入賞可能な入賞口に遊技球検出手段を設け、ゲート部材の通過検出や入賞口への入賞検出をもってモード移行抽選を実行するように構成してもよい。
加えて、何をもってモード移行抽選での当選確率を変更するかについても適宜変更可能であるし、そもそもモード移行抽選での当選確率を変更しないとしてもよい。
また、メイン遊技モードやサブ遊技モードについて、通常モードでも特別モードでもない第3のモード(1種類とは限定されない)を設定してもよく、特別モードから通常モードへ復帰するのではなく、特別モードから第3のモードを経由して通常モードへ復帰するように構成することも可能である。
さらに、上記実施形態では、メイン制御手段からサブ制御手段へ開始コマンドと停止コマンドとを送信するようにしているが、サブ制御手段のタイマを用いる等することで、停止コマンドについては送信しない構成としても何ら問題はない。
さらにまた、上記実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との2種類の特別図柄を設定しているが、1種類の特別図柄のみで対応することも可能であるし、特別図柄表示部を演出用表示部内や遊技領域内、センター部材等の他の位置に設けてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、大当たり抽選としてcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタの3つのカウンタから数値を取得するとしているが、1つのカウンタのみで対応することも可能であるし、2つのカウンタ若しくは4つ以上のカウンタから数値を取得するように構成することも当然可能である。なお、抽選手段としての乱数は、ソフト乱数、ハード乱数のどちらでも採用可能である。
またさらに、上記実施形態では、事前判定として大当たり抽選の結果に加え、基本変動パターンの種類までもを判定するとしているが、保留情報の数等により基本変動パターンは変化することもある。したがって、事前判定では、基本変動パターンの種類を一義的に判定するのではなく、たとえば図柄の変動が何秒以上となるかといった判定をしてもよい。なお、事前判定では、少なくとも大当たり抽選の結果を判定していればよいと言える。
加えて、上記実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機について説明しているが、本発明は、たとえば封入式パチンコ機等といった他の遊技機に対しても当然適用可能である。
なお、特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、図柄表示部、演出用表示部、メイン制御手段、サブ制御手段、遊技球検出手段等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素につけた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「メイン制御手段」や「サブ制御手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、前記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、敢えて特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。