以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図である。図2は、第1可動体61及び第2可動体62が退避位置にある遊技盤2を前面側から示した説明図である。図3は、第1可動体61及び第2可動体62が演出位置にある遊技盤2を前面側から示した説明図である。図4は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を支持してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の略中央には、「0」〜「9」の数字からなる装飾図柄やキャラクター等を表示するための演出用表示部6が設けられている。さらに、演出用表示部6を囲むようにセンター部材26が遊技盤2に設置されている。そして、該センター部材26には、第1可動体61及び第2可動体62を有し、両可動体61、62が主に演出用表示部6の下側に隠れた退避位置(初期位置)と、両可動体61、62が主に演出用表示部6の前側に露出する演出位置との間で、両可動体61、62を移動可能とした電動役物が設けられている。また、センター部材26の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口19と、開閉可能な扉部材を有する第1大入賞装置17とが設けられている。さらにまた、センター部材26の左方から下方にかけては、遊技球が流下可能な左打ち用スペースSLが形成されており、左打ち用スペースSLを流下させることで、効率良く始動入賞口19や開成した第1大入賞装置17へ入賞させ得るようになっている。
一方、センター部材26の右方にも遊技球が流下可能な右打ち用スペースSRが形成されている。また、該右打ち用スペースSRには、遊技球の通過を検出する通過検出部(図示せず)と、通過検出部よりも下流側に設けられ、可動片(図示せず)を有して遊技球の入賞を可能/不可能とする可動入賞役物(図示せず)とを内蔵した入賞装置20、及び開閉可能な扉部材を有する第2大入賞装置18が設置されている。そして、遊技球を左打ち用スペースSLではなく右打ち用スペースSRを流下させることにより、入賞装置20の可動入賞役物や、開成した第2大入賞装置18へ入賞させることができる。なお、左打ち用スペースSLや右打ち用スペースSRには、多数の遊技釘が植設されている。また、遊技領域16外となる遊技盤2の右下部には、第1特別図柄と第2特別図柄とを夫々別個に表示可能とした特別図柄表示部83が設けられている。
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、発射装置10へ供給する遊技球を貯留するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴い、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い夫々機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させ、遊技球の遊技領域16への打ち込み強度を調整するためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な遊技ボタン25が設けられている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する夫々一対のスピーカ14、14が設けられている。加えて、前扉4の左右両側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを内蔵したランプ部材15、15・・が設けられている。
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂大当たり抽選等)を実行するためのメイン制御装置30(図5に示す)、演出用表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置50(図5に示す)、ランプ部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置51(図5に示す)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置52(図5に示す)、及び表示制御装置50や音制御装置52等の動作を統合的に制御するサブ制御装置40(図5に示す)等が設置されている。尚、22は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、27は、アースである。
次に、パチンコ機1の制御機構について、図5をもとに説明する。図5は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。
メイン制御装置30には、大当たり抽選の実行とともに下記部材の動作を制御するメインCPU32、ROMやRAM等といった記憶手段33、タイマ34、及びインターフェイス35等が搭載されたメイン制御基板31が内蔵されている。そして、該メイン制御基板31は、インターフェイス35を介して、始動入賞口19や第1大入賞装置17、第2大入賞装置18、入賞装置20、及び特別図柄表示部83等と接続されている。また、メイン制御基板31は、サブ制御装置40内に内蔵されたサブ統合基板41とも電気的に接続されている。なお、図5では省略しているが、メイン制御基板31は、払出制御装置28や電源装置29等ともインターフェイス35を介して接続されている。
記憶手段33には、入賞装置20の可動片を開動作させるか否かの開放抽選に使用するaカウンタ、大当たり抽選に使用するcカウンタ(大当たり判定用乱数)、特別図柄表示部83における第1特別図柄や第2特別図柄の確定表示態様を決定するdカウンタ(確定表示態様決定用乱数)、及び主に特別図柄の変動時間となる基本変動パターンを決定するeカウンタ(変動時間情報決定用乱数)等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(たとえば1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数からの数値の取得とみなすことができる。また、aカウンタは0〜10(11通り)の間を、cカウンタは0〜300(301通り)の間を、dカウンタは0〜4(5通り)の間を、及びeカウンタは0〜40(41通り)の間を夫々ループカウントするようになっている。そして、メインCPU32は、遊技球の通過検出部(入賞装置20)における通過検出を契機としてaカウンタから1つの数値を取得するとともに、遊技球の始動入賞口19や入賞装置20への入賞検出を契機として、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得する(大当たり抽選を実行する)。
また、記憶手段33には、dカウンタの数値と特別図柄表示部83に確定表示する第1特別図柄や第2特別図柄の確定表示態様とを対応づけた確定表示態様決定テーブル、及び図6に示す如くeカウンタの数値と基本変動パターンとを対応づけた基本変動パターン決定テーブル等が記憶されている。この基本変動パターンとは、主に特別図柄の変動時間(変動開始から確定表示までの時間)を規定するものである。さらに、記憶手段33には、たとえば特別図柄表示部83において第1特別図柄と第2特別図柄との何れかが変動表示中に始動入賞口19や入賞装置20へ遊技球が入賞したような場合に、当該入賞に伴うcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報として、始動入賞口19と入賞装置20とを区別した状態で夫々最大4つまで(合計8つまで)記憶する保留情報記憶領域36が設けられている。加えて、記憶手段33には、保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報を1つずつ移行して記憶可能であり、大当たり抽選の結果が大当たりであるか否か等の大当たり判定を実行するための大当たり判定用記憶領域37が設けられている。尚、保留情報は、特別図柄及び装飾図柄が確定表示される度に所定の順番で順次大当たり判定用記憶領域37へ移行されて消化され(パチンコ機1では、入賞装置20への入賞に係る保留情報が、始動入賞口19への入賞に係る保留情報よりも優先して消化される)、該消化に伴って新たな保留情報が記憶可能となる。
サブ制御装置40には、サブ統合CPU42、記憶手段43、タイマ44、及びインターフェイス45等が搭載されたサブ統合基板41が内蔵されている。該サブ統合基板41は、インターフェイス45を介してメイン制御基板31と電気的に接続されているとともに、表示制御装置50、発光制御装置51、及び音制御装置52と電気的に接続されている。また、サブ統合基板41は、インターフェイス45を介して遊技ボタン25や電動役物とも電気的に接続されている。そして、サブ統合CPU42は、後述するようにメイン制御基板31から大当たり抽選に係る信号(後述するような各種コマンド等)を受信すると、その内容に応じて各制御装置を制御し、スピーカ14やランプ部材15の動作や、演出用表示部6における装飾図柄の表示動作等を制御するとともに、電動役物を用いた役物演出の実行の有無を決定し、役物演出を実行すると決定すると、後述の如く遊技ボタン25の操作を有効と検出し得る状態としたり、第1可動体61及び第2可動体62を作動させて所謂バトル演出を実行したり等する。
また、記憶手段43には、演出用表示部6に表示する装飾図柄を記憶する図柄記憶領域(図示せず)と、演出用表示部6における装飾図柄の詳細な変動表示態様やキャラクターの動画を用いたキャラクター演出等からなる複数の詳細変動パターンを記憶した変動パターン記憶領域46とが設けられており、種々の詳細変動パターンが図7に示す如くメイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応づけて記憶されている。さらに、記憶手段43には、メイン制御基板31から送信されてくる後述するような予定情報を記憶するための予定情報記憶領域47が設けられている。
以下、上記パチンコ機1における基本的な遊技動作について簡略に説明する。
まずパチンコ機1では、遊技球が始動入賞口19や入賞装置20へ入賞すると、当該入賞がメインCPU32により検出される(所定条件の充足)。すると、メインCPU32は、所定個数(たとえば3個)の遊技球を賞球として払い出すとともに、入賞検出のタイミングでcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得し、さらに保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報の数が最大値に達しているか否かを確認する。そして、保留情報の数が既に最大値に達していると、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を記憶することなく削除する。一方、最大値に達していないと、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報記憶領域36に記憶するとともに、遊技状態毎に設定されている大当たり判定用テーブルを参照して今回cカウンタから取得した数値が所定の「大当たり数値(たとえば通常状態の大当たり判定用テーブルでは、“0”の1通りとなっており、高確率状態の大当たり判定用テーブルでは、“0”、“30”、“60”、“90”、“120”、“150”、“180”、“210”、“240”、“270”の10通りとなっている)」であるか否か(すなわち、大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか否か)に加え、当該「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値と、始動入賞口19と入賞装置20との何れへの入賞であるかとにもとづく特別図柄の確定表示態様(「大当たり」である場合には「大当たり」の種別)、及び「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上でのeカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンがどうなるかを、後述する大当たり判定よりも事前に事前判定として一旦判定する。さらに、メインCPU32は、当該事前判定の結果、始動入賞口19と入賞装置20との何れへの入賞に伴う保留情報であるのか、及び何個目の保留情報にもとづくものであるのかを含んだ予定情報を作成し、サブ統合CPU42へ送信する。
また、メインCPU32は、特別図柄表示部83において特別図柄を変動表示しているか、それとも確定表示しているかを常に確認しており、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの特別図柄についても確定表示していると保留情報の有無を確認する。そして、保留情報が存在すると、消化する優先度が最も高い保留情報(本実施形態では、入賞装置20への入賞に係る保留情報が存在すると、その保留情報のうち最も以前に記憶した保留情報となり、入賞装置20への入賞に係る保留情報が存在しないと、始動入賞口19への入賞に係る保留情報のうち最も以前に記憶した保留情報となる)を大当たり判定用記憶領域37へ移行するとともに、当該保留情報について以下の大当たり判定を実行する。すなわち、保留情報を大当たり判定用記憶領域37へ移行した時点での遊技状態に対応した大当たり判定用テーブルを参照して、当該保留情報に係るcカウンタからの取得数値が上記所定の「大当たり数値」であるか否か、つまり大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか、それとも「はずれ」であるかを判定する。また、大当たり抽選の結果が「大当たり」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」である)と、dカウンタからの取得数値及び始動入賞口19と入賞装置20との何れへの入賞であるかにもとづき特別図柄の確定表示態様を決定するとともに、図6(b)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、大当たりの種別、及び図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」以外の数値である)と、dカウンタからの取得数値及び始動入賞口19と入賞装置20との何れへの入賞であるかにもとづき特別図柄の確定表示態様を決定するとともに、図6(a)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。
その後、メインCPU32は、始動入賞口19と入賞装置20との何れへの入賞に伴うものであるか、大当たり抽選の結果(「大当たり」であるか「はずれ」であるか)、特別図柄の確定表示態様、及び読み出した基本変動パターンの種類を示す情報を含んだ開始コマンドを作成するとともに、当該開始コマンドをサブ統合CPU42へ送信する。また、特別図柄表示部83において、始動入賞口19への入賞に係る保留情報の消化であると第1特別図柄を、入賞装置20への入賞に係る保留情報の消化であると第2特別図柄を所定の態様で夫々変動させるとともに、タイマ34による計時を開始する。そして、読み出した基本変動パターンに応じた図柄の変動時間が経過すると、大当たり抽選の結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値及び始動入賞口19と入賞装置20との何れへの入賞であるかにもとづく確定表示態様で対応する特別図柄を確定表示させるとともに、停止信号を含んだ停止コマンドをサブ統合CPU42へと送信する。
なお、確定表示する特別図柄については、たとえば、始動入賞口19への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“0”〜“2”である場合には、「確変大当たり」として特定大当たり特別図柄確定表示態様(特別確定表示態様)である『7』で、「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“3”か“4”である場合には、「非確変大当たり」として非特定大当たり特別図柄確定表示態様(特別確定表示態様)である『2』で第1特別図柄を夫々確定表示させる。また、入賞装置20への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“0”〜“2”である場合には、「確変大当たり」として特定大当たり特別図柄確定表示態様(特別確定表示態様)である『3』で、「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“3”か“4”である場合には、「非確変大当たり」として非特定大当たり特別図柄確定表示態様(特別確定表示態様)である『4』で第2特別図柄を夫々確定表示させる。一方、始動入賞口19への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、はずれ確定表示態様である『−』で第1特別図柄を確定表示させ、入賞装置20への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、同じくはずれ確定表示態様である『−』で第2特別図柄を確定表示させる。
さらに、メインCPU32は、始動入賞口19への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、上記第1特別図柄の特別な確定表示態様での確定表示後、特別遊技状態である第1の大当たり状態の開始を報知する開始デモ、第1大入賞装置17の所定回数にわたる断続的な開成、及び大当たり状態の終了を報知する終了デモからなる大当たり状態を生起させる。一方、メインCPU32は、入賞装置20への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、上記第2特別図柄の特別な確定表示態様での確定表示後、特別遊技状態である第2の大当たり状態の開始を報知する開始デモ、第2大入賞装置18の所定回数にわたる断続的な開成、及び大当たり状態の終了を報知する終了デモからなる大当たり状態を生起させる。そして、大当たり状態の生起に伴い開成した第1大入賞装置17や第2大入賞装置18に遊技球が入賞すると、始動入賞口19や入賞装置20へ入賞した場合と比較して多くの遊技球(たとえば10個)を賞球として払い出す。
また、メインCPU32は、「確変大当たり」に起因して生起させた大当たり状態が終了した場合には、大当たり状態が終了してから次回大当たり判定において大当たり抽選の結果が「大当たり」(種別には依らない)となるまで、大当たり抽選の結果が「大当たり」となる確率が上述の如く向上した高確率状態を生起させるとともに、入賞装置20の可動片が開状態となりやすい、若しくは、長時間にわたって開状態となるとの少なくとも何れか一方としたことで、入賞装置20へ遊技球が入賞しやすくなるサポート状態を生起させる。
一方、「非確変大当たり」に起因して生起させた大当たり状態が終了した場合には、大当たり状態が終了してから、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の確定表示回数が特定回数(たとえば100回)に達するまでに限り、上記サポート状態を生起させる。なお、「大当たり状態が終了してから次回大当たり判定において大当たり抽選の結果が「大当たり」となるまで」という事項は、たとえば上記特定回数を10000回と設定することにより実現してもよい。
また、入賞装置20の可動片の開閉動作もメインCPU32で制御しており、遊技球が入賞装置20に設けられた通過検出部を通過すると、当該通過がメインCPU32により検出される。すると、メインCPU32は、通過検出のタイミングでaカウンタから1つの数値を取得する(開放抽選を行う)とともに、aカウンタからの取得数値が所定の「開放数値(たとえばサポート状態が生起していると“0”〜“9”の10通り、サポート状態が生起していないと“0”の1通りのみとなっている)」であるか否かを判定する。そして、aカウンタからの取得数値が「開放数値」である、すなわち開放抽選の結果が「当選」であると、可動片を閉状態から開状態へ所定の態様で作動させる。このとき、サポート状態が生起していると、たとえばサポート状態が生起していない場合と比べて長い時間(2秒間)に亘り開状態とすることを断続的に3回繰り返す態様等の特別開放動作態様で可動片を作動させる。したがって、入賞装置20において、可動片よりも下流側に設けられた可動入賞役物へ遊技球が入賞しやすくなる。一方、サポート状態が生起していないと、たとえばサポート状態が生起している場合と比べて短い時間(0.2秒)に亘り、しかも1回しか開状態としない等の通常開放動作態様で可動片を作動させる。したがって、たとえ開放抽選に当選して可動片が開動作したとしても、遊技球は入賞口へ極めて入賞しにくくなっている。
さらに、aカウンタからの取得数値が「開放数値」でない、すなわち開放抽選の結果が「はずれ」であると、可動片を閉状態のまま作動させない。したがって、遊技球が可動入賞役物へ入賞することはない。加えて、たとえば特別開放動作態様で可動片を作動させている間等に遊技球の通過を検出した場合は、上記保留情報と同様、当該通過のタイミングで取得したaカウンタの数値を所定個数まで記憶手段33に記憶するとともに、可動片の作動が終了する度に記憶した順で開放抽選の結果の確認等を実行するようになっている。
一方、サブ統合CPU42は、予定情報を受信すると予定情報記憶領域47へ記憶する。また、開始コマンドを受信すると、該開始コマンドに対応する予定情報を予定情報記憶領域47から読み出す。さらに、その開始コマンドに含まれている大当たり抽選の結果に係る情報及び特別図柄の確定表示態様等に応じて最終的に確定表示する装飾図柄の表示態様を決定するとともに、基本変動パターンに係る情報に対応する詳細変動パターンを変動パターン記憶領域46から読み出し、タイマ44により計時しながら、読み出した詳細変動パターンにしたがって演出用表示部6における装飾図柄を変動表示させる。そして、停止コマンドの受信に伴い、上記決定した表示態様で装飾図柄を演出用表示部6に確定表示させる。つまり、大当たり抽選の結果が「確変大当たり」であると、同一の特別な装飾図柄を3つ並べる特定大当たり装飾図柄表示態様(たとえば“7・7・7”や“3・3・3”)で確定表示させ、大当たり抽選の結果が「非確変大当たり」であると、特別な装飾図柄以外の同一な装飾図柄を3つ並べる非特定大当たり装飾図柄表示態様(たとえば“2・2・2”や“4・4・4”)で確定表示させる。また、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、3つのうち少なくとも1つの装飾図柄が他の2つの装飾図柄とは異なるはずれ装飾図柄表示態様(たとえば“1・2・3”)で確定表示させる。なお、読み出した予定情報については、予定情報記憶領域47から消去する。
また、サブ統合CPU42は、大当たり状態を生起させるにあたり、たとえば開始デモ中には、演出用表示部6を利用して大当たり状態の開始を報知し、第1大入賞装置17や第2大入賞装置18の開成が開始されると、「大当たり」の種別等に対応した演出用表示部6での表示演出を記憶手段43から読み出し、演出用表示部6での表示動作を制御する。また、終了デモになると、演出用表示部6を利用して大当たり状態が終了する旨等を遊技者に報知する。
ここで、遊技者によるパチンコ機1での遊技を一般的な流れに沿って説明すると、遊技者はサポート状態が生起していない状態から遊技を開始することになり、ハンドル9を回動操作して、発射装置10を作動させ、発射通路13を介して遊技球を遊技領域16内へ打ち込み、まずは左打ち用スペースSLを流下させて始動入賞口19への遊技球の入賞を狙う。そして、入賞した遊技球による大当たり抽選の結果が「大当たり」となり、第1の大当たり状態が生起すると、断続的に開成する第1大入賞装置17への遊技球の入賞を狙う。また、大当たり状態の終了後、サポート状態が生起すると右打ち用スペースSRを流下させる「右打ち」を行い、サポート状態にあって遊技球が入賞しやすい入賞装置20への遊技球の入賞を狙う。そして、入賞装置20への遊技球の入賞に起因して第2の大当たり状態が生起すると「右打ち」を継続し、断続的に開成する第2大入賞装置18への遊技球の入賞を狙う。一方、大当たり抽選の結果が「大当たり」とならないままサポート状態が終了すると、「右打ち」を止めて左打ち用スペースSLを流下させる上記遊技へと戻る。
さらに、基本変動パターンEに対応する詳細変動パターンで装飾図柄の変動が開始されると、当該装飾図柄の変動表示中における所定のタイミングで、サブ制御装置40による制御のもと電動役物が作動して、第1可動体61及び第2可動体62が退避位置から演出位置へ移動する。そして、後述の如き遊技ボタン25の連打を伴うバトル演出が実行され、遊技者は「大当たり状態」が生起する期待を抱くことになる。
(電動役物を用いた役物演出についての説明)
ここで、本発明の要部となる第1可動体61及び第2可動体62を用いた役物演出について、図8〜18をもとに説明する。
図8は、第1可動体61の動作パターン1〜4の詳細を示した説明図である。図9は、第1可動体61の動作パターン5〜8の詳細を示した説明図である。図10は、第1可動体61に係る体力メーター67の減少パターン1〜4の詳細を示した説明図である。図11は、第1可動体61に係る体力メーター67の減少パターン5〜8の詳細を示した説明図である。図12は、gカウンタの数値と動作パターン及び減少パターンとの対応を示した説明図である。図13は、hカウンタの数値とヒットパターンとの対応を示した説明図である。図14は、バトル演出の開始時における電動役物及び演出用表示部6を示した説明図である。図15は、バトル演出において第1可動体61がダメージ姿勢へと姿勢変更した様子を示した説明図である。図16は、バトル演出において第2可動体62がダメージ姿勢へと姿勢変更した様子を示した説明図である。図17は、バトル演出において第1可動体61が敗北姿勢へと姿勢変更した様子を示した説明図である。図18は、バトル演出において第2可動体62が敗北姿勢へと姿勢変更した様子を示した説明図である。図19は、第1低ヒット状態におけるiカウンタの数値と第2可動体62に係る体力メーター68の減少態様との対応を示した説明図である。図20は、第1中ヒット状態におけるiカウンタの数値と第2可動体62に係る体力メーター68の減少態様との対応を示した説明図である。図21は、第1高ヒット状態におけるiカウンタの数値と第2可動体62に係る体力メーター68の減少態様との対応を示した説明図である。図22は、第2低ヒット状態におけるiカウンタの数値と第2可動体62に係る体力メーター68の減少態様との対応を示した説明図である。図23は、第2中ヒット状態におけるiカウンタの数値と第2可動体62に係る体力メーター68の減少態様との対応を示した説明図である。図24は、第2高ヒット状態におけるiカウンタの数値と第2可動体62に係る体力メーター68の減少態様との対応を示した説明図である。
まず、第1可動体61及び第2可動体62の構造について説明する。
第1可動体61は、胴部61Aと、胴部61Aに対して右側を向くように組み付けられた頭部61B及び腕部61Cとを有している。そして、胴部61Aが案内手段65に組み付けられており、案内手段65の作動に伴い上記退避位置と演出位置との間を移動可能となっている。また、胴部61Aは、案内手段65に対して左側へ傾倒可能に組み付けられており、第1可動体61が演出位置にある際に、サブ制御装置40による制御のもと、図14に示す通常姿勢(第1通常姿勢)から図17に示すように大きく左側に傾いた敗北姿勢(第1特定姿勢)へと姿勢が変更されたり、通常姿勢と図15に示すダメージ姿勢(第1特殊姿勢であって、左側への傾倒角度が通常姿勢と敗北姿勢との間の角度となる姿勢)との間で姿勢が変更されたりする。さらに、胴部61A内には図示しないソレノイドが搭載されており、第1可動体61が演出位置にある際に、サブ制御装置40による制御のもとソレノイドが動作すると、胴部61Aに対して頭部61B及び腕部61Cが所定の態様で作動する。
一方、第2可動体62は、上記第1可動体61の右側に配置されており、胴部62Aと、胴部62Aに対して左側を向くように組み付けられた頭部62B及び腕部62Cとを有している。そして、胴部62Aが案内手段66に組み付けられており、案内手段66の作動に伴い退避位置と演出位置との間を移動可能となっている。また、胴部62Aは、案内手段66に対して右側へ傾倒可能に組み付けられており、第2可動体62が演出位置にある際に、サブ制御装置40による制御のもと、図14に示す通常姿勢(第2通常姿勢)から図18に示すように大きく右側に傾いた敗北姿勢(第2特定姿勢)へと姿勢が変更されたり、通常姿勢と図16に示すダメージ姿勢(第2特殊姿勢であって、右側への傾倒角度が通常姿勢と敗北姿勢との間の角度となる姿勢)との間で姿勢が変更されたりする。さらに、胴部62A内には図示しないソレノイドが搭載されており、第2可動体62が演出位置にある際に、サブ制御装置40による制御のもとソレノイドが動作すると、胴部62Aに対して頭部62B及び腕部62Cが所定の態様で作動する。
また、サブ制御装置40の記憶手段43には、電動役物を用いた役物演出を行うにあたり、後述するバトル演出中の第1可動体61の動作パターンを決定するgカウンタ、バトル演出中に体力メーター68の目盛りの減りやすさ等を含んだヒットパターンを決定するhカウンタ、及びバトル演出中に第2可動体62の姿勢を通常姿勢からダメージ姿勢へ変更させるとともに体力メーター68の目盛りを減少させるか否かを決定するiカウンタ(変化決定用乱数)が内蔵されている。gカウンタ、hカウンタ、及びiカウンタは、cカウンタ等と同様、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数からの数値の取得とみなすことができる。また、gカウンタは0〜100(101通り)の間を、hカウンタは0〜50(51通り)の間、iカウンタは0〜99(100通り)の間を夫々ループするようになっている。
さらに、サブ制御装置40の記憶手段43には、役物演出記憶領域48が設けられており、その役物演出記憶領域48には、バトル演出時に演出用表示部6に表示する体力メーター67、68が記憶されているとともに、図12に示す如くgカウンタの数値と第1可動体61の動作パターン及び体力メーター67の減少パターンとを対応づけた動作態様決定テーブル、図13に示す如くhカウンタの数値とヒットパターンとを対応づけたヒットパターン決定テーブル、及び図19〜図24に示す如く各ヒット状態におけるiカウンタの数値と第2可動体62に係る体力メーター68の減少態様との対応づけた体力メーター決定テーブル等が記憶されている。
そして、gカウンタからの取得数値をもとに決定される動作パターンとは、第1可動体61及び第2可動体62が演出位置へ到達した後、8秒間にわたるバトル演出が開始されてからの第1可動体61の動作態様であって、動作パターン1は、開始後0.2秒間は通常姿勢とし、その後0.5秒かけて胴部61Aの姿勢を通常姿勢からダメージ姿勢を経て再び通常姿勢とするダメージ動作(第1の態様)を実行した後、0.5秒間は通常姿勢とする。さらに0.5秒かけてダメージ動作を実行してから、0.7秒間は通常姿勢とするといったようにダメージ動作を断続的に複数回繰り返した後、最後の0.2秒(演出期間の終了時)で胴部61Aの姿勢を通常姿勢から敗北姿勢へ変更するといった敗北動作を実行するといったパターンとなっている。また、動作パターン2〜4は、ダメージ動作を実行する回数やタイミングが夫々異なっているものの、動作パターン1同様、ダメージ動作を断続的に複数回繰り返した後、最後の0.2秒で敗北動作を実行するといったパターンとなっている。一方、動作パターン5〜8は、夫々動作パターン1〜4と同じタイミングでダメージ動作を断続的に複数回繰り返し実行するものの、最後に敗北動作を実行することなく、通常姿勢のままバトル演出が終了するというパターンとなっている。
また、体力メーター67、68は、第1可動体61及び第2可動体62の演出位置への到達に伴い、演出用表示部6に表示されるものであって、体力メーター67は第1可動体61の上方に、体力メーター68は第2可動体62の上方に夫々表示される。また、体力メーター67、68は、夫々10目盛りからなるメーターとなっており、バトル演出開始時における体力メーター67、68の目盛りは、10目盛り(すなわち、全ての目盛りが所定の色(たとえば赤色)に着色された状態)となっている。そして、gカウンタからの取得数値をもとに決定される体力メーター67の減少パターンとは、体力メーター67の目盛りが10目盛りから減っていく態様であって、上記動作パターンと対応づけられている。つまり、減少パターン1は、動作パターン1に対応づけられており、開始直後0.2秒間は10目盛りであり、第1可動体61が最初のダメージ動作をとるタイミングで9目盛りに、2回目のダメージ動作をとるタイミングで8目盛りにと段階的に減少し、最後に敗北動作をとるタイミングで0目盛りになるというパターンとなっている。また、減少パターン2〜4は、動作パターン2〜4に夫々対応づけられており、減少パターン1同様、第1可動体61がダメージ動作をとるタイミングで体力メーター67の目盛りが減少し、最後に敗北動作をとるタイミングで0目盛りになるというパターンとなっている。一方、減少パターン5〜8は、夫々動作パターン5〜8に対応づけられており、第1可動体61がダメージ動作をとるタイミングで体力メーター67の目盛りが減少するものの、0目盛りまで減少しないままバトル演出が終了するというパターンとなっている。なお、図10及び図11中の数字は、体力メーター67における残りの目盛り数を表しており、第1可動体61がダメージ動作をとるタイミングで1目盛りだけしか減少しないこともあれば、複数目盛り減少することもある。
さらに、hカウンタからの取得数値をもとに決定されるヒットパターンとは、iカウンタからの取得数値が所定の「ヒット数値」であるか否かの判定に係り、「ヒット数値」であると判定する確率が低い上、たとえ「ヒット数値」であったとしても体力メーター68の目盛りが減りにくい低ヒット状態、「ヒット数値」であると判定する確率が低ヒット状態よりも高い上、「ヒット数値」であった際に体力メーター68の目盛りが大きく減りやすい高ヒット状態、「ヒット数値」であると判定する確率が高ヒット状態よりも高いものの、「ヒット数値」であった際に体力メーター68の目盛りが高ヒット状態ほど減らず、且つ、低ヒット状態よりは減りやすい中ヒット状態の何れの状態で判定するかの設定に係るパターンである。また、高ヒット状態、中ヒット状態、及び低ヒット状態は、最終的に体力メーター68が0目盛りとなり得ない(所謂「成功なし」)第1状態と、体力メーター68が0目盛りになり得る(所謂「成功有り」)第2状態との2種類の状態が夫々設定されている。
したがって、ヒットパターン1では、バトル演出が開始されてから(すなわち、後述の如く遊技ボタン25の操作が有効な状態とされてから)前半の4秒間は第1低ヒット状態とし、後半の4秒間も第1低ヒット状態とする。ヒットパターン2では、前半の4秒間は第1中ヒット状態とし、後半の4秒間は第1低ヒット状態とする。ヒットパターン3では、前半の4秒間は第1中ヒット状態とし、後半の4秒間も第1中ヒット状態とする。ヒットパターン4では、前半の4秒間は第1高ヒット状態とし、後半の4秒間は第1低ヒット状態とする。ヒットパターン5では、前半の4秒間は第1高ヒット状態とし、後半の4秒間は第1中ヒット状態とする。ヒットパターン6では、前半の4秒間は第1低ヒット状態とし、後半の4秒間は第2低ヒット状態とする。ヒットパターン7では、前半の4秒間は第1中ヒット状態とし、後半の4秒間は第2中ヒット状態とする。ヒットパターン8では、ヒットパターン7とは異なり、前半の4秒間から第2中ヒット状態とし、後半の4秒間も第2中ヒット状態とする。ヒットパターン9では、前半の4秒間は第1高ヒット状態とし、後半の4秒間は第2中ヒット状態とする。ヒットパターン10では、前半の4秒間は第1高ヒット状態とし、後半の4秒間は第2高ヒット状態とする。ヒットパターン11では、ヒットパターン10とは異なり、前半の4秒間から第2高ヒット状態とし、後半の4秒間も第2高ヒット状態とする。
加えて、体力メーター決定テーブルとは、iカウンタからの取得数値をもとに体力メーター68の目盛りをどれだけ減少させる(このときの体力メーター68における残りの目盛り数が表示態様となる)、若しくは、減少させない(すなわち、体力メーター68の減少態様)を決定するためのテーブルであって、各ヒット状態毎に夫々設定されている。つまり、第1低ヒット状態における体力メーター決定テーブルによれば、たとえば体力メーター68の残り目盛りが10目盛りであった場合、iカウンタからの取得数値が“75”〜“99”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして1目盛り減らし残り9目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“74”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして10目盛りのままとする。また、残り目盛りが9目盛りであった場合、iカウンタからの取得数値が“75”〜“99”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして1目盛り減らし残り8目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“74”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして9目盛りのままとする。そして、残り1目盛りになると、iカウンタからの取得数値がどのような数値であろうとも「ヒット数値」でないとして目盛りを減らさない、すなわち0目盛りとすることはない。
また、第1中ヒット状態における体力メーター決定テーブルによれば、たとえば体力メーター68の残り目盛りが10目盛りであった場合、iカウンタからの取得数値が“60”〜“69”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして1目盛り減らし残り9目盛りとし、“70”〜“89”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして2目盛り減らし残り8目盛りとし、“90”〜“99”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして3目盛り減らし残り7目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“59”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして10目盛りのままとする。また、残り目盛りが3目盛りであった場合、iカウンタからの取得数値が“60”〜“79”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして1目盛り減らし残り2目盛りとし、“80”〜“99”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして2目盛り減らし残り1目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“59”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして3目盛りのままとする。そして、残り1目盛りになると、iカウンタからの取得数値がどのような数値であろうとも「ヒット数値」でないとして目盛りを減らさない、すなわち0目盛りとすることはない。
また、第1高ヒット状態における体力メーター決定テーブルによれば、たとえば体力メーター68の残り目盛りが10目盛りであった場合、iカウンタからの取得数値が“70”〜“99”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして5目盛り減らし残り5目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“69”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして10目盛りのままとする。また、残り目盛りが2〜6目盛りの何れかであった場合、iカウンタからの取得数値が“70”〜“99”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして残り1目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“69”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして目盛りを減らすことなくそのままとする。そして、残り1目盛りになると、iカウンタからの取得数値がどのような数値であろうとも「ヒット数値」でないとして目盛りを減らさない、すなわち0目盛りとすることはない。
一方、第2低ヒット状態における体力メーター決定テーブルによれば、たとえば体力メーター68の残り目盛りが10目盛りであった場合、iカウンタからの取得数値が“75”〜“99”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして1目盛り減らし残り9目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“74”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして10目盛りのままとする。また、残り目盛りが2〜5目盛りの何れかであった場合、iカウンタからの取得数値が“74”〜“98”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして1目盛り減らし、“99”であると、「ヒット数値」であるとして残りの目盛りを全て減らして0目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“73”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして目盛りを減らすことなくそのままとする。そして、残り1目盛りになると、iカウンタからの取得数値が“80”〜“99”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして1目盛り減らし0目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“79”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして1目盛りのままとする。
また、第2中ヒット状態における体力メーター決定テーブルによれば、たとえば体力メーター68の残り目盛りが10目盛りであった場合、iカウンタからの取得数値が“60”〜“69”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして1目盛り減らし残り9目盛りとし、“70”〜“89”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして2目盛り減らし残り8目盛りとし、“90”〜“99”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして3目盛り減らし残り7目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“59”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして10目盛りのままとする。また、残り目盛りが3目盛りであった場合、iカウンタからの取得数値が“57”〜“76”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして1目盛り減らし残り2目盛りとし、“77”〜“96”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして2目盛り減らし残り1目盛りとし、“97”〜“99”であると「ヒット数値」であるとして残りの目盛りを全て減らして0目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“56”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして3目盛りのままとする。そして、残り1目盛りになると、iカウンタからの取得数値が“80”〜“99”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして1目盛り減らし0目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“79”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして1目盛りのままとする。
また、第2高ヒット状態における体力メーター決定テーブルによれば、たとえば体力メーター68の残り目盛りが10目盛りであった場合、iカウンタからの取得数値が“70”〜“99”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして5目盛り減らし残り5目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“69”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして10目盛りのままとする。また、残り目盛りが2〜6目盛りの何れかであった場合、iカウンタからの取得数値が“67”〜“96”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして残り1目盛りまで減らし、“97”〜“99”であると、「ヒット数値」であるとして残りの目盛りを全て減らして0目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“66”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして目盛りを減らすことなくそのままとする。そして、残り1目盛りになると、iカウンタからの取得数値が“80”〜“99”の何れかであると、「ヒット数値」であるとして1目盛り減らし0目盛りとする一方、iカウンタからの取得数値が“0”〜“79”の何れかであると、「ヒット数値」でないとして1目盛りのままとする。
そして、hカウンタからの取得数値に応じて決定されたヒットパターンにしたがい、iカウンタからの取得数値を対応させる体力メーター決定テーブルを選択することになる。したがって、ヒットパターン1、3、8、11では、バトル演出の前半及び後半ともに同じ体力メーター決定テーブルを用いて「ヒット数値」であるか否かの判定を行う一方、ヒットパターン2、4、5、6、7、9、10では、バトル演出の開始から4秒間の経過に伴い(すなわち、後半の開始に伴い)、「ヒット数値」であるか否かの判定に使用する体力メーター決定テーブルを切り替えることになる。また、体力メーター68の残り目盛りに関しては、体力メーター決定テーブルの切替時に変化することはなく、前半終了時における残り目盛りをそのまま引き継いで後半が開始される。
そして、サブ制御装置40のサブ統合CPU42は、メインCPU32から開始コマンドを受信すると、開始コマンドに含まれている基本変動パターンに係る情報を参照し、基本変動パターンが基本変動パターンEである(演出条件の充足)と役物演出を実行すると決定する。また、当該決定に伴い、サブ統合CPU42は、gカウンタ及びhカウンタから数値を取得するとともに、開始コマンドに含まれている大当たり抽選の結果に係る情報を参照し、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、図12(a)に示す動作態様決定テーブルを用い、gカウンタからの取得数値に対応する動作パターン及び減少パターンを読み出す(動作パターン及び減少パターンを決定する)とともに、図13(a)に示すヒットパターン決定テーブルを用い、hカウンタからの取得数値に対応するヒットパターンを読み出す(ヒットパターンを決定する)。すなわち、gカウンタからの取得数値が“0”〜“55”であると動作パターン1及び減少パターン1、“56”〜“75”であると動作パターン2及び減少パターン2、“76”〜“95”であると動作パターン3及び減少パターン3、“96”〜“100”であると動作パターン4及び減少パターン4と決定する。また、hカウンタからの取得数値が“0”〜“20”であるとヒットパターン1、“21”〜“33”であるとヒットパターン2、“34”〜“43”であるとヒットパターン3、“44”〜“48”であるとヒットパターン4、“49”〜“50”であるとヒットパターン5と決定する。一方、大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、図12(b)に示す動作態様決定テーブルを用い、gカウンタからの取得数値に対応する動作パターンを読み出す(動作パターンを決定する)とともに、図13(b)に示すヒットパターン決定テーブルを用い、hカウンタからの取得数値に対応するヒットパターンを読み出す(ヒットパターンを決定する)。すなわち、gカウンタからの取得数値が“0”〜“20”であると動作パターン5及び減少パターン5、“21”〜“50”であると動作パターン6及び減少パターン6、“51”〜“80”であると動作パターン7及び減少パターン7、“81”〜“100”であると動作パターン8及び減少パターン8と決定する。また、hカウンタからの取得数値が“0”〜“1”であるとヒットパターン6、“2”〜“9”であるとヒットパターン7、“10”〜“18”であるとヒットパターン8、“19”〜“27”であるとヒットパターン9、“28”〜“40”であるとヒットパターン10、“41”〜“50”であるとヒットパターン11と決定する。
その後、サブ統合CPU42は、詳細変動パターンにしたがい演出用表示部6において装飾図柄の変動を開始するとともに、装飾図柄の変動表示中における所定のタイミングで案内手段65、66を作動させ、第1可動体61及び第2可動体62を退避位置から演出位置へ移動させる。また、両可動体61、62が演出位置へ到達すると、バトル演出の開始を報知する開始デモ映像や体力メーター67、68を演出用表示部6に表示した後、8秒間にわたるバトル演出を開始する(演出期間の設定)。そして、バトル演出の開始に伴い、上述の如くして決定した動作パターンにしたがって第1可動体61を作動させるとともに、決定した動作パターンに対応づけられた減少パターンにしたがって体力メーター67の目盛りを減少させる。
また、第2可動体62に関しては、バトル演出が開始してから所定の作動時間(たとえば6秒間)が経過するまでは、所定の第1周期(たとえば1秒間に3回)でソレノイドを作動させ、残りの作動時間は第1周期よりも短い第2周期(たとえば1秒間に5回)でソレノイドを作動させ、胴部62Aに対して頭部62B及び腕部62Cを所定の単位作動態様で繰り返し作動させるといった一定の動作パターンで作動させる。そして、大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、体力メーター68の目盛りが0目盛りとなるタイミング(特別条件の充足時)、若しくは、体力メーター68の目盛りが0目盛りとならないままバトル演出終了まで残り0.2秒になったタイミング(特別条件が充足されないまま演出期間が終了する際の演出期間の終了時)で、胴部62Aの姿勢を通常姿勢から敗北姿勢へ変更するといった敗北動作を実行する。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、敗北動作を実行しないままバトル演出を終了させる。
なお、バトル演出の途中で(バトル演出の開始から8秒間が経過するまでの間に)体力メーター68の目盛りが0目盛りとなり、第2可動体62が敗北動作をとると、バトル演出が終了するまで(すなわち、バトル演出の開始から8秒間が経過するまで)、第1可動体61は動作パターンによる動作をキャンセルして通常姿勢のままとし、第2可動体62についても一定の動作パターンをキャンセルして敗北姿勢のままとする。また、大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、体力メーター68の目盛りが0目盛りとならないままバトル演出終了まで残り0.2秒になると、第2可動体62が敗北動作をとるタイミングで体力メーター68の残り目盛りを強制的に0目盛りとする。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、終了時の目盛りのままバトル演出を終了させる。
さらに、サブ統合CPU42は、バトル演出の開始に伴い、遊技ボタン25の操作を有効として検出し得る状態とする。そして、バトル演出中に遊技ボタン25が操作され、当該操作を有効として検出する(遊技条件の充足)と、当該検出のタイミングでiカウンタから数値を取得するとともに、上述の如く決定したヒットパターンに応じた体力メーター決定テーブルをもとに、iカウンタからの取得数値が所定の「ヒット数値」であるか否かを判定する。そして、当該判定の結果、iカウンタからの取得数値が「ヒット数値」であると、第1可動体61内のソレノイドを1回作動させ、胴部61Aに対して頭部61B及び腕部61Cを所定の単位作動態様(第2の態様)で1回作動させるとともに、第2可動体62の胴部62Aの姿勢を、0.2秒かけて通常姿勢からダメージ姿勢を経て再び通常姿勢とするダメージ動作を実行する。また、第2可動体62がダメージ動作をとるタイミングで、体力メーター68の目盛りをiカウンタからの取得数値に応じた目盛りとなるまで減少させる。一方、上記判定の結果、iカウンタからの取得数値が「ヒット数値」でないと、第1可動体61内のソレノイドを1回作動させ、胴部61Aに対して頭部61B及び腕部61Cを所定の第1態様で1回作動させるものの、第2可動体62に関してダメージ動作を実行させることはなく、体力メーター68の目盛りを減少させることもない。
ただし、バトル演出中であっても、第1可動体61がダメージ動作をとっている間、第1可動体61が敗北動作をとっている間、第1可動体61が第1態様で動作している間、第2可動体62がダメージ動作をとっている間、及び第2可動体62が敗北動作をとっている間に関しては、たとえ遊技ボタン25が操作されたとしても、当該操作を有効として検出しない。
そして、上記バトル演出が終了すると、サブ統合CPU42は、バトルの結果(すなわち、何れの可動体が敗北姿勢となっているか)に応じた終了デモ映像等を表示した後、案内手段65、66を作動させ、両可動体61、62を通常姿勢とするとともに演出位置から退避位置へ移動させる。その後、装飾図柄を仮停止表示させ、メインCPU32からの終了コマンドの受信をもって、装飾図柄を大当たり抽選の結果(バトルの結果でもある)に応じた確定表示態様で確定表示させる。
ここで、上記バトル演出を実際の遊技の流れに沿って説明する。
たとえば大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、gカウンタ及びhカウンタからの数値の取得の結果、動作パターンは動作パターン1、ヒットパターンはヒットパターン1と夫々決定されたとする。この設定でバトル演出が開始されると、開始直後から体力メーター67の目盛りはどんどん減少する。また、遊技者が遊技ボタン25を連打したところで、第1可動体61は頻繁にダメージ動作をとる(図15)ため、遊技者による遊技ボタン25の操作が有効と検出される機会が少ない上、たとえ有効と検出されたとしてもiカウンタからの取得数値が「ヒット数値」となる確率が低く、更には「ヒット数値」となったところで体力メーター68の目盛りがなかなか減らないため、体力メーター68の目盛りをあまり減らすことができないまま、第1可動体61が敗北動作をとりやすい(図17)。したがって、この場合、ほぼ一方的に第1可動体61がダメージを受け、反撃もままならないまま第1可動体61が敗北してしまうといった演出になりやすい。なお、運良くiカウンタからの取得数値が「ヒット数値」となることが連続したとしても、上述したように体力メーター68の目盛りが0目盛りとなることはなく、第2可動体62に敗北動作をとらせる(すなわち第1可動体61が勝利する)ようなことはない。
また、たとえば大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、gカウンタ及びhカウンタからの数値の取得の結果、動作パターンは動作パターン4、ヒットパターンはヒットパターン3と夫々決定されたとする。この設定でバトル演出が開始されると、バトル演出中に体力メーター67の目盛りはあまり減少しない。したがって、遊技者が遊技ボタン25を連打した際に、当該操作が有効と検出される機会が多い。その上、有効と検出された際にiカウンタからの取得数値が「ヒット数値」となる確率が高く、第2可動体62に頻繁にダメージ動作をとらせることができ(図16)、体力メーター68の目盛りを順調に減らすことができる。しかしながら、体力メーター68の目盛りが残り1目盛りになると急に第2可動体62がダメージ動作をとらなくなり、まだまだ体力メーター67の目盛りは十分に残っているにも拘わらず、バトル演出の終了直前に体力メーター67が一気に0目盛りとなって第1可動体61が敗北動作をとることになる(図17)。したがって、この場合、当初は第1可動体61が優勢であるものの、最後に第2可動体62が大逆転して勝利するような演出となりやすい。
さらに、たとえば大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、gカウンタ及びhカウンタからの数値の取得の結果、動作パターンは動作パターン6、ヒットパターンはヒットパターン6と夫々決定されたとする。この設定でバトル演出が開始されると、開始直後から体力メーター67の目盛りはどんどん減少する。また、遊技者が遊技ボタン25を連打したところで、第1可動体61は頻繁にダメージ動作をとる(図15)ため、遊技者による遊技ボタン25の操作が有効と検出される機会が少ない上、たとえ有効と検出されたとしてもiカウンタからの取得数値が「ヒット数値」となる確率が低く、更には「ヒット数値」となったところで体力メーター68の目盛りをなかなか減らすことができない。にも拘わらず、バトル演出の終了時に体力メーター68が一気に0目盛りとなって第2可動体62が敗北動作をとるといった状況が起こりやすい(図18)。したがって、この場合、当初は第2可動体62が優勢であるものの、最後に第1可動体61が大逆転して勝利するような演出となりやすい。なお、運良くiカウンタからの取得数値が「ヒット数値」となることが連続すると、バトル演出の後半途中でバトル演出の終了をまたずに第2可動体62に敗北動作をとらせる場合も起こり得る。
また、たとえば大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、gカウンタ及びhカウンタからの数値の取得の結果、動作パターンは動作パターン8、ヒットパターンはヒットパターン11と夫々決定されたとする。この設定でバトル演出が開始されると、バトル演出中に体力メーター67の目盛りはあまり減少しない。そして、遊技者が遊技ボタン25を連打した際に、当該操作が有効と検出される機会が多い。そして、有効と検出された際にiカウンタからの取得数値が「ヒット数値」となる確率がある程度高い上、「ヒット数値」となった際に、体力メーター68の目盛りを一度に多く減らすことができ、短い期間のうちに体力メーター68を残り1目盛りとすることができる。そして、その勢いそのままバトル演出の前半中に体力メーター68の目盛りが0目盛りになり、第2可動体62が敗北動作をとる(図18)といった状況が起こりやすい。したがって、この場合、ほぼ一方的に第2可動体62にダメージを受けさせ、第1可動体61が勝利するといった演出になることが多い。
一方、たとえば大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、gカウンタ及びhカウンタからの数値の取得の結果、動作パターンは動作パターン8、ヒットパターンはヒットパターン10と夫々決定されたとする。この設定でバトル演出が開始されると、バトル演出中における体力メーター67の目盛りの減りやすさは、上記動作パターンは動作パターン8、ヒットパターンはヒットパターン11と夫々決定された場合と同じであり、バトル演出の前半のうちに体力メーター68を残り1目盛りまで減らしやすい。しかしながら、バトル演出の前半では、体力メーター68の目盛りが残り1目盛りになると急に第2可動体62がダメージ動作をとらなくなる。ただ、バトル演出の後半になると、体力メーター68の目盛りが再び下がり得るようになるため、体力メーター68の目盛りが0目盛りになって第2可動体62が敗北動作をとる(図18)といった状況が起こりやすい。したがって、この場合、当初は第1可動体61が優勢であるものの、突然第2可動体62がダメージを受けないような状況となり、しかしながらやはり第2可動体62がダメージを受けて第1可動体61が勝利するといった演出となりやすく、上記動作パターンは動作パターン8、ヒットパターンはヒットパターン11と夫々決定された場合とは、動作パターン8が同じであり、体力メーター68の目盛りの減りやすさも略同じであるものの、全く異なる印象を遊技者に与えることができる。
このようにパチンコ機1では、決定される動作パターンとヒットパターンとの組み合わせの違いにより、印象の夫々異なる種々のバトル演出が遊技者に提供される。
(本実施形態のパチンコ機による効果)
以上のような構成を有するパチンコ機1によれば、サブ制御装置40による制御のもと頭部61B、62B及び腕部61C、62Cが作動する第1可動体61及び第2可動体62と、遊技者が操作可能な遊技ボタン25とを設け、開始コマンドに含まれている基本変動パターンに係る情報を参照した際に、基本変動パターンが基本変動パターンEであると、特別図柄及び装飾図柄の変動表示中に遊技ボタン25の操作を有効と検出し得るバトル演出を実行する。そして、バトル演出中において遊技ボタン25の操作を有効と検出する度に第1可動体61の頭部61B及び腕部61Cを第1態様で作動させる一方、バトル演出中に体力メーター68の目盛りが0目盛りとなる等の特別条件が充足されるまで第2可動体62の頭部62B及び腕部62Cを第2態様で作動させるようになっている。したがって、第1可動体61の頭部61B及び腕部61Cは遊技ボタン25の操作に応じて作動する一方、第2可動体62の頭部62B及び腕部62Bは遊技ボタン25の操作に依らず自動的に作動するといった従来にない態様で両可動体61、62が可動することになり、新鮮味のある遊技を遊技者に提供することができる。
また、サブ制御装置40による制御のもと、バトル演出の終了後に特別図柄の確定表示態様が特別確定表示態様となる場合には、バトル演出中に体力メーター68の目盛りが0目盛りなった際にはその時点で、また体力メーター68の目盛りが0目盛りとならないままバトル演出が終了する際には、バトル演出の終了時(厳密には終了直前)に、第2可動体62に敗北動作をとらせる(すなわち、第2可動体62の胴部62Aの姿勢を通常姿勢から敗北姿勢へと変更する)一方、バトル演出の終了後に特別図柄の確定表示態様が特別確定表示態様とならない場合には、バトル演出の終了時に、第1可動体61に敗北動作をとらせる(すなわち、第1可動体61の胴部61Aの姿勢を通常姿勢から敗北姿勢へと変更する)ようになっている。このように、第1可動体61及び第2可動体62を用いて所謂バトル演出を実行することができ、従来にない斬新な遊技を遊技者に提供することができる。
さらに、サブ制御装置40による制御のもと、バトル演出が開始する前に、第1可動体61及び第2可動体62を退避位置から演出位置へ移動させ、演出位置において、第1可動体61の頭部61B及び腕部61Cを第1態様で作動させるとともに、第2可動体62の頭部62B及び腕部62Cを第2態様で作動させる一方、バトル演出の終了に応じて、第1可動体61及び第2可動体62を演出位置から退避位置へ移動させるようになっている。したがって、第1可動体61及び第2可動体62を用いたバトル演出を遊技者に一層アピールすることができ、遊技性の更なる向上を図ることができる。
さらにまた、バトル演出中における第1可動体61の動作パターンとして、ダメージ動作を実行する回数やタイミングが異なる複数種類の動作パターンを設定しており、役物演出の実行を決定するとgカウンタから数値を取得するとともに、当該取得数値に応じて動作パターンを選択し、選択した動作パターンにしたがって第1可動体61を作動させるようになっている。したがって、予め設定された動作パターンにしたがって第1可動体61を作動させるといった従来にない方法で、第1可動体61を作動させることができる。また、複数種類の動作パターンが設定されているため、遊技ボタン25の操作等を必要としないにもかかわらず、種々の態様で第1可動体61を作動させることができ、ひいては第1可動体61の作動に係る遊技が単調になりにくい。
またさらに、バトル演出中は、遊技ボタン25の操作を有効として検出し得る状態とし、遊技者による遊技ボタン25の操作を有効と検出すると、選択された作動パターンにしたがって作動させている第1可動体61を所定の単位動作態様で1回作動させる。したがって、バトル演出中における第1可動体61の作動態様を一層複雑なものとすることができる。
加えて、第2可動体62にダメージ動作をとらせるか否かの判定に係る確率等を定めるヒットパターンを、動作パターンの抽選とは独立した別の抽選で決定している。したがって、決定される動作パターンとヒットパターンとの組み合わせの違いにより、印象の夫々異なる種々のバトル演出を提供することができ、極めて高い遊技性を備えたパチンコ機1とすることができる。
また、体力メーター68の目盛りを減少させる表示演出に関し、目盛りを減少させると決定する確率や現在の目盛りからどの目盛りまで減少させるかの決定結果が異なる低ヒット状態、中ヒット状態、及び高ヒット状態の3つのヒット状態を設定しており(すなわち、変化決定用乱数の数値と、表示手段での表示態様を変化させるか否かの決定結果及び現在の表示態様からどの表示態様へ変化させるかの決定結果とを対応づけたテーブルを、その対応づけが少なくとも一部は異なる複数種類記憶しており)、バトル演出の実行決定にもとづいて決定したヒット状態において、遊技ボタン25の操作を有効と検出する度に、iカウンタから数値を取得するとともに、当該取得数値と現在の残り目盛り数とから目盛りを減少させるか否か、及び、減少させるに際して現在の目盛りからどの目盛りまで減少させるかを決定している。したがって、体力メーター68の目盛りの減少態様がバラエティーに富んでおり、遊技が単調にならず、遊技者が飽きることのない遊技性の高いパチンコ機1とすることができる。
さらに、バトル演出の実行決定にもとづいてバトル演出の前半におけるヒット状態と後半におけるヒット状態とを夫々規定するヒットパターンを決定し、当該ヒットパターンにもとづいてバトル演出中にヒット状態を変更する(すなわち、テーブルを変更する)。したがって、体力メーター68の目盛りの減少態様が一層バラエティーに富んでおり、更に遊技性の高いパチンコ機1とすることができる。
加えて、バトル演出中において遊技ボタン25の操作を有効と検出すると、上述したように第1可動体61は勿論、第2可動体62についても、体力メーター68が減少するにあたり、ダメージ動作をとらせる(すなわち、表示手段での表示態様を変化させると決定すると、第2可動体も作動させる)ようになっている。したがって、今までにない斬新な遊技を遊技者に提供することができ、極めて遊技性の高いパチンコ機1とすることができる。
(本発明の変更例について)
なお、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、遊技機全体の構成は勿論、バトル演出の制御等に係る構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
たとえば、上記実施形態では、動作パターンとヒットパターンとを抽選により夫々独立に決定するとしているが、両者を関連づけることは可能である。すなわち、たとえば動作パターン1や動作パターン2が選択された際には、ヒットパターン1が極めて選択されやすいヒットパターン決定テーブルを用いてヒットパターンを決定する一方、動作パターン4が選択された際には、上記ヒットパターン決定テーブルよりもヒットパターン1が選択されにくく、ヒットパターン4やヒットパターン5の選択率が高いヒットパターン決定テーブルを用いてヒットパターンを決定するといったように構成しても何ら問題はない。
また、上記実施形態では、iカウンタからの取得数値がどのような「ヒット数値」であったかによって、体力メーターの目盛りをどれだけ減らすかを決定しているが、「ヒット数値」であると一様に所定目盛りずつ減少するように構成することも可能であるし、「ヒット数値」であるか否かの抽選とは別に、何目盛り減らすかの抽選を別途実行するように構成することも可能である。またさらに、たとえば動作パターン1や動作パターン2が選択された際には、低ヒット状態を含んだヒットパターンが選択されやすいようにする一方、動作パターン4が選択された際には、高ヒット状態を含んだヒットパターンが選択されやすいようにする等といったように、動作パターンに係る決定とヒットパターンに係る決定とを連係させても何ら問題はない。
一方、体力メーターの表示態様についても適宜変更可能であって、上記実施形態では、見た目上でも区切られた目盛りとして表示しているが、たとえば明確に区切りのない柱状のグラフ形式とし、その長短で体力メーターの残量を表示するように構成することも可能である。そして、そのようにグラフ形式で表示する場合にも、体力メーターの減らし方、すなわち体力メーターの残量を変化させる方法に関する制御については、上記実施形態と同様の制御で実現することができる。
さらに、第1可動体や第2可動体がダメージ動作や敗北動作をとる際、演出用表示部に所定のカットイン映像や画像を表示させるように構成してもよい。
さらにまた、上記実施形態では、第1可動体や第2可動体を退避位置から演出位置へ移動させるとしているが、第1可動体や第2可動体を常に露出した位置に設け(たとえばセンター部材における露出位置に設けたり、前扉や機枠等の枠部材に設けてもよい)、位置を移動することなくバトル演出を実行するように構成することも可能である。
加えて、上記実施形態では、押し込み操作する遊技ボタンを遊技操作手段としているが、たとえばレバータイプの遊技操作手段を設ける等してもよく、遊技操作手段の構造や位置、数等についても適宜設計変更可能である。
また、上記実施形態では、開始コマンドの受信をもって動作パターン等を決定しているが、予定情報の受信をもって動作パターン等を決定してもよいし、サブ制御装置においてバトル演出を実行するか否かの抽選を実行するように構成することも可能である。
さらに、動作パターンや減少パターン、ヒットパターンの種類や内容は、言うまでもなく上記実施形態のものに限定されることはなく、内容の異なる動作パターン等を設定したり、より多くの動作パターンやヒットパターンを設定することは可能である。なお、上記実施形態では、ヒットパターンを設定することでバトル演出中にテーブルを変更するように構成しているが、たとえばバトル演出の実行決定にもとづいて一旦低ヒット状態が設定されると、バトル演出の開始から終了まで低ヒット状態とする等、一度決定されたテーブルが変更されないように構成することも可能である。
さらにまた、バトル演出中に、遊技操作手段の操作を促すような表示を演出用表示部に表示するように構成してもよいし、上記実施形態では8秒間としているバトル演出の期間をどの程度の期間とするかについては、言うまでもなく適宜変更可能である。
またさらに、第1可動体や第2可動体の位置関係も上記実施形態の位置関係に限定されることはなく、通常姿勢や敗北姿勢(特定姿勢)、ダメージ姿勢(特殊姿勢)をどのような姿勢とするかについても適宜変更可能である。そして、体力メーターの目盛りが1目盛りしか減少しない場合と、複数目盛り減少する場合とで、ダメージ動作をとる際の傾き角度や時間を異ならせる(たとえば、1目盛りしか減少しない場合よりも複数目盛り減少する場合の方が、ダメージ動作をとる際に大きく傾かせたり、長時間にわたって傾かせたりする)等、減少する目盛りに応じて複数のダメージ姿勢やダメージ動作を設定しても何ら問題はない。なお、敗北姿勢についても複数の敗北姿勢を設定することは当然可能である。
また、第1可動体や第2可動体の形状や構造についても適宜変更可能であり、可動部の数や位置等は勿論設計変更可能であるし、たとえば頭部は固定されており、腕部のみが動くように構成してもよいし、胴部は固定されており、頭部が通常姿勢から敗北姿勢へと姿勢を変更するように構成することも可能である。
加えて、上記実施形態では、2つの可動体を設けているが、1つの可動体しか設けていなくてもよいし、1つの作動態様しか有さない(たとえばダメージ動作しかとらない)ような可動体であってもよい。そして、可動体を所定の動作パターンにしたがって作動させる演出は、言うまでもなくバトル演出に限定されない。なお、可動体の第1の態様や第2の態様を具体的にどのような態様とするかについても適宜設計変更可能である。
また、上記実施形態では、メイン制御装置からサブ制御装置へ開始コマンドと停止コマンドとを送信するようにしているが、サブ制御装置のタイマを用いる等することで、停止コマンドについては送信しない構成としても何ら問題はない。
さらに、上記実施形態では、メイン制御装置とサブ制御装置との2つの制御装置に分けて制御するように構成しているが、メイン制御装置1つで制御するように構成してもよく、メイン制御装置の記憶手段に役物演出記憶領域やgカウンタ、hカウンタ、及びiカウンタ等を設けても何ら問題はないし、メイン制御装置1つで制御する際には、開始コマンドや予定情報等を作成する必要はない。さらに、上記実施形態では、特別図柄と装飾図柄との2種類の図柄を用いるパチンコ機としているが、特別図柄のみを用いたパチンコ機であってもよいし、特別図柄表示部を演出用表示部内や遊技領域内、センター部材等の他の位置に設けてもよい。
またさらに、上記実施形態では、大当たり抽選としてcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタの3つのカウンタから数値を取得するとしているが、1つのカウンタのみで対応することも可能であるし、2つのカウンタ若しくは4つ以上のカウンタから数値を取得するように構成することも当然可能である。なお、抽選手段としての乱数は、ソフト乱数、ハード乱数のどちらでも採用可能である。
また、特別入賞手段の数や特別遊技状態における特別入賞手段の可動態様等についても、上記実施形態のものに何ら限定されることはなく、たとえば複数の特別入賞手段を設置したり、それらを交互に開動作させるようにしてもよい。さらに、特別入賞手段が開動作する回数が異なる複数の特別遊技状態を選択的に生起させるように構成してもよいし、特別遊技状態における特別入賞手段の可動態様として、遊技球がほぼ入賞しないような可動態様を含んでいたとしても何ら問題はない。
加えて、上記実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機について説明しているが、本発明は、たとえば封入式パチンコ機等といった他の遊技機に対しても当然適用可能である。
なお、特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、制御手段、可動体、可動部、遊技操作手段等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素につけた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「制御手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、前記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、敢えて特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。