JP6708693B2 - 評価用ワーク及び加工プログラム - Google Patents
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Description
(A)高低段差とその両側に平面を有する高低段差部(例えば、後述の高低段差部11)
(B)工具が曲面を含む立体を加工するときに、高さ方向について該工具の移動方向が反転する方向反転部(例えば、後述の方向反転部12)
(C)工具の移動方向が変わる角部(例えば、後述の角部13)
(D)平面部(例えば、後述の平面部14)
(E)平面と曲率変化のある曲面との境界部(例えば、後述の境界部15)
(F)曲率が変化する曲面を有する曲面部(例えば、後述の曲面部16)
(G)曲面で隣接する工具経路で指令点が規則的に揃う曲面部(例えば、後述の曲面部17)
(7) 上記(1)から(6)のいずれかの評価用ワークにおいて、前記部分(A)から(G)のうちの少なくとも1つの部分と、該少なくとも1つの部分とは逆の凹凸形状を有する少なくとも1つの逆形状部分とを備え、前記部分と前記逆形状部分とが、基板面上の基準線に対して対称となるように配置されてもよい。
(a)工具が、下平面上で高低段差に向かうときに減速し、高低段差で加速と減速とを行い、上平面上で高低段差から加速する処理、及び前記工具が、前記上平面上で高低段差に向かうときに減速し、前記高低段差で加速と減速とを行い、前記下平面上で前記高低段差から加速する処理
(b)工具が曲面を含む立体を加工するときに、高さ方向について該工具の移動方向を反転する処理
(c)角部において工具の移動方向を変える処理
(d)平面部で工具を移動させる処理
(e)平面と曲率変化のある曲面との境界部で工具を往復移動させる処理
(f)曲率が変化する曲面を有する曲面部で工具を往復移動させる処理
(g)曲面で隣接する工具経路で指令点が規則的に揃うように工具を往復移動させる処理
(A)高低段差とその両側に平面を有する高低段差部
(B)工具が曲面を含む立体を加工するときに、高さ方向について該工具の移動方向が反転する方向反転部
(C)工具の移動方向が変わる角部
(D)平面部
(E)平面と曲率変化のある曲面との境界部
(F)曲率が変化する曲面を有する曲面部
(G)曲面で隣接する工具経路で指令点が規則的に揃う曲面部
まず、本発明に係る評価用ワークを作製する工作機械の制御システムについて説明する。
図1は、評価用ワークを作製する工作機械の制御システムの構成を示すブロック図である。評価用ワークの構成は後述する。
図1に示すように、評価用ワーク10を作製する工作機械の制御システム60は、CAD (computer aided design)装置100、CAM (computer aided manufacturing)装置200、数値制御装置300、及びサーボ制御装置400を備えている。
加減速制御部301は、補間部302から出力された補間データに基づいて、加減速処理を行い補間周期ごとの各軸の速度を計算し、算出結果に基づくデータをサーボ制御装置400の主軸モータサーボ制御部401と、X軸、Y軸及びZ軸の3つの送り軸モータサーボ制御部402とへ出力する。
主軸モータサーボ制御部401と、3つの送り軸モータサーボ制御部402とはそれぞれ、位置、速度フィードバックループを構成するための位置制御部、速度制御部、トルク指令値に基づいて主軸モータ又は送り軸モータを駆動するモータ駆動アンプ、及びユーザの操作を受け付けるための操作盤等を含んでいる。
図2は本発明の一実施形態の評価用ワークの正面側の斜視図である。図3は本発明の一実施形態の評価用ワークの背面側の斜視図である。
図2及び図3に示すように、評価用ワーク10は、高低段差を有する高低段差部11、切断球体における工具のZ軸移動方向の方向反転部12、角部13、三角形状の平面部14、往復経路段差を生じさせる、平面と曲面との境界部15、往復経路段差部を生じさせる曲面部16、及び切断球体の曲面部17を備えている。本実施形態では、評価用ワーク10の形状は正方形としているが、特に正方形に限定されず他の形状、例えば長方形であってもよい。正方形の大きさはここでは100mm×100mmとしたが、特にこの大きさに限定されず、任意の大きさとしてよい。評価用ワーク10は少なくとも、同時に3軸加工(X軸、Y軸及びZ軸加工)が可能な加工機(例えば3軸加工機又は5軸加工機)で作製され、工具としては例えばボールエンドミルを用いることができる。
高低段差部11、方向反転部12、角部13、平面部14、平面と曲面との境界部15、曲面部16、及び曲面部17は7つの評価部を構成する。
以下、各評価部について説明する。
評価用ワーク10にZ軸方向の高低段差がある場合、工具の移動方向が急激に変化する。例えば、工具の移動方向がX軸方向からZ軸方向に変化する場合、X軸方向の送り軸を減速して機械の振動を抑えることが求められる。しかし、X軸方向の送り軸の加減速の設定が不適切だと機械に振動が発生し、工具が振動することにより加工面に微小な高低差が発生する。
Z軸方向の高低段差の両側に平面を配置することで、図4に示すように工具の往復動作で加工する場合に、高低段差で機械に振動が発生すると、隣接する工具経路で加工面の微小な高低差が平面部分で規則的に揃って、図5に示すように縞模様となる。また、平面とすることで、縞模様の間隔(振動周期)を容易に測定することができる。図5は本実施形態の評価用ワークの高低段差の両側の平面に縞模様が生じた状態を示す斜視図である。
縞模様を生じないようにするためには、モータの速度変化を緩やかにして外乱を抑制することが効果的である。
工作機械の数値制御装置は、工具がZ軸方向の高低段差と両側に平面を有する高低段差部を通る時に振動を抑えるために平面で如何に減速するのかを制御する。如何に設定された速度までに減速するのかの制御は、例えば、線形的に減速するのか、非線形的に減速するのか、加速度の大きさ及び加速時間はどのくらいに設定するかに係る制御である。
凹凸形状のあるワークを加工すると、工具のZ軸(上下軸)の移動方向は形状に沿って反転する。方向反転部でバックラッシの影響を抑えるためにバックラッシ補正を行うが、その設定が不適切であるとZ軸方向の移動が過剰または不足になり、加工面に微小な高低差が発生する。金型の往復加工などの隣接する工具経路で高低差が規則的に揃うと筋目となり、肉眼で確認することができる。
図2及び図3では、方向反転部12を生じさせる加工形状を凸形状としているが、凹形状でも方向反転部があるので、方向反転部を生じさせる加工形状を凹形状としてもよい。ただし、接触式測定機器を用いて筋の幅を測定する場合は、凹形状は凸形状と比べて測定しにくくなるので、凸形状とするのがより好ましい。
なお、ここでは評価用ワーク10では、切断球体は、図8に示すように、球の半径Rを80mm、球を切る平面を球の中心から76.6mm離れた位置Pとして球を切断したときの形状をしているが、これらの数値に限定されることはなく、上記の評価を顕現させるような条件を満たせば任意の値としてよい。
角部などの、工具の移動方向が急激に変化する部分において、送り軸の加減速の設定が不適切で十分に減速せず、及びサーボ調整が不適切でサーボモータの追従性が低いような場合、指令された工具経路からずれて指令された形状に対して工具経路の内回りが発生する。例えば、工具の移動方向がX軸方向からZ軸方向に変化する角部において、金型の往復加工などのY軸方向に隣接する工具経路で、工具経路の内回りが規則的に揃うとY軸方向に延びる角の丸みとなり、肉眼で確認することができる。
角部13を作るための凹部の形状は角部ができれば特に限定されない。凹部の断面形状としては、例えば、切断楕円、半円、又は逆台形のような形状が挙げられる。図2及び図3では、角部13を作るための凹部19の形状は切断楕円となっている。角部13の角度は鋭角、直角、鈍角のいずれでもよい。
加工面の面精度は、剛性、主軸振動などの機械条件、刃先形状、切れ味などの工具条件、及び1刃送り量などの加工条件によって影響を受け、面粗さRaなどの加工面の面精度を評価する値が悪くなる。
平面部14は加工面に凹凸がなく、数値制御装置とサーボ制御装置の機能及び設定に影響されることなく加工できる平面であればよく、三角形である必要はなく、例えば四角形であってもよい。平面部14は水平面である必要はなく、傾斜面でもよい。
ここでは、三角形の辺の長さを25mm,35mm,43mmとしたが、この数値に限定されることはなく、平面であれば任意の値とすることができる。
平面と曲率変化のある自由曲面との境界部では、金型を工具の往復動作で加工する場合など、隣接する工具経路で自由曲面の曲率が変化し、許容範囲(トレランス)内の往復経路段差が僅かに存在し、補間後加減速の時定数などの設定が不適切だと経路誤差による往復経路段差が増大し、加工方向の筋目となり、肉眼で確認することができる。
図9は本実施形態の評価用ワークの平面と自由曲面との境界部15の加工を説明するための、図2のA領域の部分拡大図である。図10は許容範囲(トレランス)内での指令経路の行きパスと帰りパスを示す説明図である。図11は許容範囲(トレランス)内での実際経路の行きパスと帰りパスを示す説明図である。
図9に示すように、工具による加工パスにおいて、平面から自由曲面へと行く行きパスと、自由曲面から平面へと帰る帰りパスとがある。指令経路の行きパスと帰りパスは許容範囲内で図10に示すようになる。指令経路は、行きパスと帰りパスとで異なり、行きパスと帰りパスとの間で往復経路段差が生ずる。
数値制御装置における補間後加減速の時定数の設定が不適切である場合、図11に示すように、実際の経路は許容範囲(トレランス)内で、行きパスと帰りパスとの間の往復経路段差が、図10に示す指令経路の経路段差よりも拡大し、加工方向の筋目となる。
自由曲面で構成される形状からCAM (computer aided manufacturing)で加工プログラムを作成する場合、許容範囲(トレランス)内で直線近似される。このため、許容範囲(トレランス)が大きすぎると、曲率が変化する自由曲面において、金型を工具の往復動作で加工する場合などで隣接する工具経路で往復経路段差が発生し、加工方向の筋目となり、肉眼で確認することができる。
本実施形態における評価用ワーク10は、曲率が変化する自由曲面を有する曲面部16を有する。曲率が変化する自由曲面を有する曲面部16において、許容範囲(トレランス)が大きい場合に往復経路段差が発生し、加工方向の筋目となるようにしている。
図12に示すように、工具による加工パスにおいて、曲率が変化する自由曲面を通過する場合に、許容範囲(トレランス)が大きくなると、図13に示すように、指令経路が行きパスと帰りパスとで異なり、行きパスと帰りパスとの間で往復経路段差が生ずる。具体的には、図12に示すように、行きパスで曲率が大きい領域から曲率が小さい領域に工具が移動し、帰りパスで曲率が小さい領域から曲率が大きい領域に工具が移動する場合、指令経路は行きパスの方が帰りパスよりもより直線近似の直線の長さが短くなるために、往復経路段差が生ずる。
評価用ワークでは、自由曲面は
点(-2.000,-41.000,0.133)と点(-7.000,-41.000,1.287) を結んで出来た第1の直線と、点(-7.000,-36.000,0.904)と点(-2.000,-36.000,0.068) を結んで出来た第2の直線の二つの直線で出来た曲率が連続的に変化する曲面(ルールド面)を含んでいるとしているが、これらの数値に限定されることはなく、上記の筋目を顕現させるような条件を満たせば任意の値とすることができる。
曲面で構成される形状からCAMで加工プログラムを作成する場合、許容範囲(トレランス)内で直線近似され、許容範囲(トレランス)が大きすぎると直線の長さが長くなり、曲面はより多面体に近い形となる。また、金型の往復加工などの隣接する工具経路で指令点が規則的に揃うと、多面体を肉眼で確認することができる。
曲面部17の形状は、切断球体の凸形状に特に限定されず、他方形状の凸形状としてもよい。曲面部17に凹凸があれば、方向反転部の筋目が発生し、また曲面部17に曲率変化があれば、加工プログラムの許容範囲内で多面体模様が発生する。なお、多面体模様が現れる曲面部17を、方向反転部の筋目が現れる切断球体部とは別な形状として別に設けてもよい。
なお、曲面部17は凸形状としているが、凹形状でもよく、凹形状であっても多面体模様と方向反転部の筋目が発生しえる。
7つの評価部は、接触式面粗さ測定機、投影機、及び3次元測定機を用いて評価を行うことができる。接触式面粗さ測定機、投影機、及び3次元測定機を用いる場合、以下に説明する評価部には好ましい配置がある。
接触式面粗さ測定機は、図15に示すように、駆動部22が検出部21を駆動して測定対象物31の面粗さを測定する。検出部21は図16に示すように触針部41と検出器42とを有する。触針部41が測定対象物31に接触した状態で、駆動部22が触針部41を水平方向に引っ張りながら測定する。そして、検出器42が触針部41の上下動きを検出して、演算部23が面粗さを演算する。接触式面粗さ測定機が評価用ワーク10を測定する場合、触針部41が接する測定面を評価用ワーク10の外周に沿って配置しないと、他の評価部が触針の障害となる場合がある。
平面部14の面粗さRaは、接触式面粗さ測定機で測定されるので、平面部14は評価用ワーク10の外周に設けることが望ましい。
投影機は、図17に示すように、対象物を、ステージ移動ハンドル54で移動する可動ステージ53上に配置し、下から光を当てることで、投影レンズ52を介して対象物の輪郭が投影スクリーン51上に投影される仕組みとなっている。
したがって、対象物に光が照射されて投影レンズ52に至る投影ルートに対象物以外の遮蔽物を置かないことが求められる。
角部13の丸みを、投影機を用いて観測する場合、評価用ワーク10を可動ステージ53上に立てて観測を行う。その場合、角部13に光が照射されて投影レンズ52に至る投影ルートに角部13以外の遮蔽物がないようにすることが求められる。
角部13以外の他の評価部を配置することを考慮した場合、角部13より高く遮蔽物となりえる他の評価部の配置の自由度を高めるには、角部13を評価用ワーク10の角に配置することが望ましい。ただし、角部13より高く遮蔽物となりえる評価部を評価用ワークに配置しない場合又は投影ルートに角部13より高い遮蔽物を配置しない場合には、必ずしも角部13を評価用ワーク10の角に配置しなくともよい。
3次元測定機は基準面を設定し、その基準面を基準として点測定又は線測定をして、3次元の座標値を検出する。基準面から離れた部分を測定すると測定誤差が大きくなるので、評価用ワークの表面の全部を測定する場合に、どの部分を測定しても測定誤差が大きくならないように、評価用ワークの中心が中心となるような環状の基準面を設けることが望ましい。ここで環状とは、円環状に限らず、他の形状、例えば四角環であってもよい。本実施形態では図2及び図3に示すように、3次元測定器の基準面を円環状の基準面18としている。
3次元測定機の基準面を評価用ワークの中心を中心とする円環状に形成した場合、図2及び図3に示すように、方向反転部12及び曲面部17を切断球体に形成し、切断球体の切断面の円の周囲に、基準面18の円環が配置されるように、環状の円環内に設けることが望ましい。無駄な領域を生じさせることなく、環状の円環内に切断球体を配置することができるからである。
以上説明した実施形態では、7つの評価部を1つの評価用ワークに形成したが、7つの評価部のうちのいずれかを1つの評価用ワークに形成してもよく、7つの評価部のうちの2以上の評価部を組み合わせて2以上で6以下の評価部を1つの評価用ワークに形成してもよい。
2以上で6以下の評価部を1つの評価用ワークに形成する場合、高低段差部11での縞模様、方向反転部12での筋目、角部13の丸み、平面部14の面精度、平面と曲面との境界部15での筋目、曲面部16での筋目、及び曲面部17での多面体模様の並び順で求められる評価の優先順が高いので、この順で2以上の評価項目を選択して該当する評価部を1つの評価用ワークに形成してよい。
<加工プログラム>
加工プログラムは、工作機械を駆動させて評価用ワークを作製する数値制御装置としてのコンピュータに、以下の処理(a)から(g)のうちの少なくとも1つの処理を実行させるプログラムである。
(a)図4に示すように、工具が、下平面上で高低段差に向かうときに減速し、高低段差で加速と減速とを行い、上平面上で高低段差から加速する処理、及び前記工具が、前記上平面上で高低段差に向かうときに減速し、前記高低段差で加速と減速とを行い、前記下平面上で前記高低段差から加速する処理
(b)工具が曲面を含む立体を加工するときに、高さ方向について方向反転部12で工具の移動方向を反転する処理
(c)角部13において工具の移動方向を変える処理
(d)平面部14で工具を移動させる処理
(e)平面と曲率変化のある曲面との境界部15で工具を往復移動させる処理
(f)曲率が変化する曲面を有する曲面部16で工具を往復移動させる処理
(g)曲面部17で隣接する工具経路で指令点が規則的に揃うように工具を往復移動させる処理
CADデータ構造は、CADデータに基づいて加工プログラムを作成して工作機械を駆動させて評価用ワークを作成する、該工作機械の制御システムにおける、前記CADデータのデータ構造であって、前記評価用ワークの次の部分(A)から(G)のうちの少なくとも1つを加工するためのデータ構造である。
(A)高低段差とその両側に平面を有する高低段差部11
(B)工具が曲面を含む立体を加工するときに、高さ方向について該工具の移動方向が反転する方向反転部12
(C)工具の移動方向が変わる角部13
(D)平面部14
(E)平面と曲率変化のある曲面との境界部15
(F)曲率が変化する曲面を有する曲面部16
(G)曲面で隣接する工具経路で指令点が規則的に揃う曲面部17
第1実施形態の評価用ワークは、基板に、高低段差部11、方向反転部12、角部13、平面部14、平面と曲面との境界部15、曲面部16、及び曲面部17の7つの評価部の少なくとも1つが作製されることで構成される。そして、接触式面粗さ測定機、投影機、及び3次元測定機等を用いて、作製された評価部を測定することによって、形状精度の評価が行われる。
一つ又は複数の評価部と、一つ又は複数の逆形状評価部とを有する第1の評価用ワークが、第1の評価用ワークと同一形状の、第2の評価用ワークに対して一定角度回転したとき、第1の評価用ワークの評価部及び逆形状評価部と、第2の評価用ワークの逆形状評価部及び評価部が嵌め合わせ可能となる。そして、嵌め合わされた、第1の評価用ワークと第2の評価用ワークを用いて、形状精度の評価を行うことが可能となる。
図18〜図20に示すように、本構成例の評価用ワーク70は、四角溝を有する評価部71−1、評価部71−1と逆形状の四角凸部を有する逆形状評価部71−2、円状の穴部を有する評価部72−1、評価部72−1と逆形状の円状の突出部を有する逆形状評価部72−2、断面が円弧状の凹面を有する評価部73−1、及び評価部73−1と逆形状の、断面が円弧状の凸面を有する逆形状評価部73−2を備えている。
図20に示すように、評価部71−1と逆形状評価部71−2、評価部72−1と逆形状評価部72−2、及び、評価部73−1と逆形状評価部73−2は、基板面上の基準線Lに対して対象な位置(破線で示す位置)に配置されている。ここで、評価用ワーク70は上面が正四角形形状で、基準線Lは対角線となっているが、基準線Lは対角線でなく任意の線でよい。
図21は2つの評価用ワーク70A、70Bを左右に並べた様子を示す図である。図22は、評価用ワーク70Aを、時計回りと反対方向に90°回転させて、2つの評価用ワーク70A、70Bを左右に並べた様子を示す図である。図23は図22の配置において、評価用ワーク70Aの評価部及び逆形状評価部と、評価用ワーク70Bの評価部及び逆形状評価部との位置関係を示す図である。図21〜図23において、凹状の評価部は「−」を付し、凸状の逆形状評価部は「+」を付している。
評価用ワーク70Aの評価部71−1A及び逆形状評価部71−2Aと、評価用ワーク70Bの評価部71−1B及び逆形状評価部71−2Bとは、評価用ワーク70の評価部71−1、逆形状評価部71−2に対応している。評価用ワーク70Aの評価部72−1A及び逆形状評価部72−2Aと、評価用ワーク70Bの評価部72−1B及び逆形状評価部72−2Bとは、評価用ワーク70の評価部72−1及び逆形状評価部72−2に対応している。評価用ワーク70Aの評価部73−1A及び逆形状評価部73−2Aと、評価用ワーク70Bの評価部73−1B及び逆形状評価部73−2Bとは、評価用ワーク70の評価部73−1及び逆形状評価部73−2に対応している。
図22の評価用ワーク70A、70Bは、図23に示すように、評価用ワーク70Aの評価部71−1A、逆形状評価部71−2A、評価部72−1A、逆形状評価部72−2A、評価部73−1A、及び逆形状評価部73−2Aが、評価用ワーク70Bの逆形状評価部71−2B、評価部71−1B、逆形状評価部72−2B、評価部72−1B、逆形状評価部73−2B、評価部73−1Bとそれぞれ嵌め合うことができるように配置されていることが分かる。
例えば、図2に示す角部13を評価用ワーク70の逆形状評価部71−2の代わりに配置し、角部13の形状と逆形状の逆形状部を評価部71−1の代わりに配置する。また図2に示す高低段差部11を評価用ワーク70の評価部72−1の代わりに配置し、高低段差部11の形状と逆形状の逆形状部を逆形状評価部72−2の代わりに配置する。また図2に示す曲面部16を評価用ワーク70の逆形状評価部73−2の代わりに配置し、曲面部16の形状と逆形状の逆形状部を評価部73−1の代わりに配置する。このように、評価用ワーク70に、角部13、高低段差部11及び曲面部16と、角部13、高低段差部11及び曲面部16と逆形状の3つの逆形状部とを設けることで、目視で形状精度を評価することができる。
本実施形態によれば、接触式面粗さ測定機、投影機、及び3次元測定機等を用いず、2つの評価用ワークを嵌め合わせ、目視で形状精度を評価することで、第1の実施形態と同様に、加工プログラム、数値制御装置、サーボ制御装置、工具、及び加工条件等の種々の要因が工作機械による加工に与える影響を評価することができる。
また、工作機械メーカーは、出荷時の工作機械の推奨する通常の加工条件下での性能を評価することができる。例えば、切削速度を遅くする等で高精度のマスターの評価用ワークを準備し、出荷前の工作機械で、マスターの評価用ワークと同じ加工プログラムによって、切削速度等が通常の加工条件下で、テスト用の評価用ワークを作製する。そして、作製した評価用ワークを、マスターの評価用ワークと嵌め合わせることで、出荷時の工作機械の推奨する通常の加工条件下での性能を評価することができる。
11 高低段差部
12 方向反転部
13 角部
14 平面部
15 平面と曲面との境界部
16 曲面部
17 曲面部
Claims (10)
- 加工プログラム、数値制御装置、サーボ制御装置、工具、及び加工条件のうちの少なくとも1つの要因が工作機械による加工に与える影響を評価するための評価用ワークであって、
表面に、工作機械によって加工された次の部分(B)及び部分(G)の少なくとも一方と、次の部分(A)、(C)から(F)のうちの少なくとも1つとを備えた評価用ワークであって、
(A)高低段差とその両側に平面を有する高低段差部
(B)工具が曲面を含む立体を加工するときに、高さ方向について該工具の移動方向が反転する方向反転部
(C)工具の移動方向が変わる角部
(D)平面部
(E)平面と曲率変化のある曲面との境界部
(F)曲率が変化する曲面を有する曲面部
(G)曲面で隣接する工具経路で指令点が規則的に揃う曲面部
前記部分(B)及び部分(G)の少なくとも一方の前記曲面に切断球状体部が含まれ、前記部分(B)及び部分(G)の少なくとも一方は前記切断球状体部に含まれ、前記切断球状体部の周囲に3次元測定機の環状の基準面が配置され、前記部分(A)、(C)から(F)のうちの少なくとも1つは前記基準面の外側に配置されている評価用ワーク。 - 前記切断球状体部は中心領域に配置されている請求項1に記載の評価用ワーク。
- 四角形の基板からなり、前記部分(C)は該基板の角に配置されている請求項1又は2に記載の評価用ワーク。
- 前記部分(D)は外周に沿って配置されている請求項1から3のいずれか1項に記載の評価用ワーク。
- 加工プログラム、数値制御装置、サーボ制御装置、工具、及び加工条件のうちの少なくとも1つの要因が工作機械による加工に与える影響を評価するための評価用ワークであって、
表面に、工作機械によって加工された次の部分(A)から(G)のうちの少なくとも1つの部分と、該少なくとも1つの部分とは逆の凹凸形状を有する少なくとも1つの逆形状部分とを備え、前記部分と前記逆形状部分とが、基板面上の基準線に対して対称となるように配置された評価用ワーク。
(A)高低段差とその両側に平面を有する高低段差部
(B)工具が曲面を含む立体を加工するときに、高さ方向について該工具の移動方向が反転する方向反転部
(C)工具の移動方向が変わる角部
(D)平面部
(E)平面と曲率変化のある曲面との境界部
(F)曲率が変化する曲面を有する曲面部
(G)曲面で隣接する工具経路で指令点が規則的に揃う曲面部 - 加工プログラム、数値制御装置、サーボ制御装置、工具、及び加工条件のうちの少なくとも1つの要因が工作機械による加工に与える影響を評価するための評価用ワークを、工作機械を駆動させて作製する数値制御装置としてのコンピュータに、以下の処理(b)及び処理(g)の少なくとも一方の処理と、以下の処理(a)、(c)から(f)のうちの少なくとも1つの処理とを実行させる加工プログラムであって、
(a)工具が、下平面上で高低段差に向かうときに減速し、高低段差で加速と減速とを行い、上平面上で高低段差から加速する処理、及び前記工具が、前記上平面上で高低段差に向かうときに減速し、前記高低段差で加速と減速とを行い、前記下平面上で前記高低段差から加速する処理
(b)工具が曲面を含む立体を加工するときに、高さ方向について該工具の移動方向を反転する処理
(c)角部において工具の移動方向を変える処理
(d)平面部で工具を移動させる処理
(e)平面と曲率変化のある曲面との境界部で工具を往復移動させる処理
(f)曲率が変化する曲面を有する曲面部で工具を往復移動させる処理
(g)曲面で隣接する工具経路で指令点が規則的に揃うように工具を往復移動させる処理
前記処理(b)及び処理(g)の少なくとも一方の前記曲面に切断球状体部が含まれ、前記処理(b)及び処理(g)の少なくとも一方を実行し、前記切断球状体部の周囲に3次元測定機の環状の基準面を形成し、前記処理(a)、(c)から(f)のうちの少なくとも1つの処理を前記基準面の外側で行う加工プログラム。 - 前記切断球状体部は前記評価用ワークの中心領域に配置されている請求項6に記載の加工プログラム。
- 前記評価用ワークは四角形の基板からなり、前記処理(c)の前記角部は該基板の角に配置されている請求項6又は7に記載の加工プログラム。
- 前記処理(d)の平面部は外周に沿って配置される請求項6から8のいずれか1項に記載の加工プログラム。
- 加工プログラム、数値制御装置、サーボ制御装置、工具、及び加工条件のうちの少なくとも1つの要因が工作機械による加工に与える影響を評価するための評価用ワークを、工作機械を駆動させて作製する数値制御装置としてのコンピュータに、以下の処理(a)から(g)のうちの少なくとも1つの処理を実行させる加工プログラムであって、
(a)工具が、下平面上で高低段差に向かうときに減速し、高低段差で加速と減速とを行い、上平面上で高低段差から加速する処理、及び前記工具が、前記上平面上で高低段差に向かうときに減速し、前記高低段差で加速と減速とを行い、前記下平面上で前記高低段差から加速する処理
(b)工具が曲面を含む立体を加工するときに、高さ方向について該工具の移動方向を反転する処理
(c)角部において工具の移動方向を変える処理
(d)平面部で工具を移動させる処理
(e)平面と曲率変化のある曲面との境界部で工具を往復移動させる処理
(f)曲率が変化する曲面を有する曲面部で工具を往復移動させる処理
(g)曲面で隣接する工具経路で指令点が規則的に揃うように工具を往復移動させる処理
前記処理(a)から(g)のうちの少なくとも1つの処理と、該少なくとも1つの処理により作製する部分とは逆の凹凸形状を有する少なくとも1つの逆形状部分を作製する処理とを備え、前記部分と前記逆形状部分とが、基板面上の基準線に対して対称となるように、前記少なくとも1つの処理と、前記少なくとも1つの逆形状部分を作製する処理とを前記コンピュータに実行させる加工プログラム。
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